JP3700591B2 - 電子制御機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載される電子制御機器にかかり、特に電子制御機器の筐体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の電子制御を実施する車両ではエンジンECU(電子制御ユニット)等の電子制御機器が搭載されており、この電子制御機器では、ケース及びカバーにより形成した収容空間に回路基板が収容される。また、電子制御機器はブラケットを用いて車両に取り付けられる。この場合、カバーに耳部を一体形成し、耳部そのものをブラケットとして用いるか、或いは電子制御機器の組み立て完了後に耳部に別のブラケット部材を後付けするようにしている。
【0003】
図4は、電子制御機器(ECU)の従来構造を説明するための分解斜視図である。図4に示すように、ECU50は、ケース51と回路基板52とカバー53とを具備し、それら各部材がネジ54の締め付けにより組み付けられる。カバー53には、ケース側面よりも外側に突出する耳部55が設けられており、この耳部55には例えば2箇所にネジ穴56が設けられている。そして、この耳部55を介してECU50が車両に取り付けられる。この場合、耳部55そのものをブラケットとして用いるか、或いは別のブラケット部材を用いるかは車両側の取り付け箇所等の要因によって決定されればよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図4のECU50は、カバー53の一部を平板状に延ばし、その部位を耳部55としただけであった。そのため、車両の振動の大きい部位にECU50を取り付けた場合には、強度不足が原因で耳部55が破損するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、カバーに設けた耳部の強度を向上させることができる電子制御機器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、カバーにはケースが組み付けられた際にケースの側面より突出する耳部を該カバーの底板部に一体形成し、前記底板部に前記耳部が延びる方向と略垂直方向にリブを形成した。このように、カバーにおいてケース内部に位置する底板部にリブを形成したため、カバーの底板部において強度が向上する。従って、電子制御機器を振動の大きな車両等へ搭載する場合において耐振や耐曲げに十分な強度を持たせることができる。
また、底板部の左右両縁にリブは設けられ、このリブより突出するかたちで耳部が延伸されるようになっており、リブがプレス成形によってケースが組み付けられる側に突出する凸形状に形成される。この場合、耳部を伝わってゴミ等がケース外側より機器内部に侵入しても、凸形状のリブにより回路基板の直前で食い止められる。従って、回路基板でのショート等の問題が防止できるという効果が併せて得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。図1は、ECU10の全体構成を示す斜視図であり、図2は、ECU10の主要な構成を分解して示す分解斜視図である。
【0011】
これら図1,図2において、ECU10は、底面が開口するケース11と、コネクタ部12を一体化した回路基板13と、ケース11の開口部を閉鎖するための略平板状のカバー14とから成り、これら各部材がネジ15の締め付けにより組み付けられている。例えば、ケース11及びカバー14は鉄板やアルミニウム板等のプレス加工により成形される。なお、本実施の形態では便宜上、図1及び図2の状態を基準にECU10の前後上下の方向を規定することとし、ケース11ではコネクタ部12の取出し側を前面、その反対側を背面とする。
【0012】
次に、ケース11とカバー14の構成を詳細に説明する。先ずはじめに、ケース11では、側面の一方にコネクタ取出し部21aが設けられ、その他三方に側壁部21b,21c,21dが設けられている。側壁部21b〜21dのうち、左右両面の側壁部21b,21cはテーパ状に、背面の側壁部21dは直立状に設けられている。側壁部21b〜21dよりも下方には、ケース開口部を取り巻くようにして平坦な台座部22が設けられ、この台座部22の下面に回路基板13の周縁部分が載置される。また、台座部22の外周には、回路基板13の外形寸法よりも僅かに大きいガイド部23が設けられている。ケース11の四隅において台座部22の上面には、比較的背の低い円柱状のナット部材24が埋め込まれている。
【0013】
一方、カバー14は回路基板13と略同じ外形寸法をなし、底板部31とその底板部31の外周に設けられた台座部32とを有する。この場合、台座部32に回路基板13の周縁部分が載置される。つまり、ECU10を組み付ける際、回路基板13はその周縁部分がケース11の台座部22とカバー14の台座部32とに挟まれ固定されることとなる。
【0014】
また、カバー14には、ケース11よりも外側に突出する一対の耳部33が一体形成されており、その耳部33には、図示しないブラケット部材を取り付けるための取付孔34が設けられている。この場合、耳部33に取り付けられるブラケット部材を介してECU10が車両に搭載される。因みに、カバー14に耳部33を予め設けておき別のブラケット部材を後付けすることにより、ブラケット部材が搬送の邪魔にならないことや、車種毎に異なるブラケット部材に関係なく耳部33の規格が統一できること等のメリットがある。なお、耳部33そのものをブラケット部材として用い、取付孔34によりECU10を車両に直接搭載することも可能である。
【0015】
更に、耳部33には、その先端部が略直角に折り曲げられて折曲部35が形成されている。但し、本実施の形態のECU10では、折曲部35を設けるか設けないかは要旨ではなく、折曲部35を設けない構成としても良い。
【0016】
また、カバー14において、耳部33にはその中央部に第1のリブ36が設けられると共に、底板部31には左右両縁に第2のリブ37が設けられている。ここで、第1のリブ36は、耳部33が延びる方向と略同じ方向に設けられ、第2のリブ37は、ケース11の側壁部21b,21cに沿って延びるよう設けられている。第1及び第2のリブ36,37は何れも上に凸の半円形状、三角形状などの断面形状をなし、各リブが第2のリブ37の中央で直交している。
【0017】
この場合、第1のリブ36はケース11の外側から内側へと延びるよう設けられるので、それに伴いケース11には、第1のリブ36に当接する部位にそのリブ形状に合った凹部25が形成されている。これにより、ケース11にカバー14を組み付ける際、凹部25と第1のリブ36とを合わせれば、これら両部材の位置合わせが容易且つ正確に実施できる。それ故、組み付け作業性が向上する。
【0018】
また、ケース11にカバー14を組み付けた状態では、図3に示すように、第2のリブ37はケース11の内側に位置する。この場合、耳部33を伝ってゴミ等がケース外側よりECU内部に侵入しても、第2のリブ37により回路基板13の直前でくい止められる。特に、導電性があるゴミを排除できれば、回路基板13でのショート等の問題が防止できる。
【0019】
以上詳述した本実施の形態によれば、カバー14の耳部33に第1のリブ36を形成すると共に、底板部31に第2のリブ37を形成したので、耳部33を含むカバー14全体の強度が向上する。従って、振動の大きな車両等へ搭載する場合において耐振や耐曲げに十分な強度を持たせることができる。
【0020】
またこの場合、第1及び第2のリブ36,37により耳部33の強度を確保するので、耳部33を厚くする場合などとは異なり軽量化の効果が併せて得られる。更に、第1及び第2のリブ36,37は、カバー14をプレス成形する際に同時に形成できるため、低コストに実現できるという利点がある。
【0021】
なお本発明は、上記以外に次の形態にて具体化できる。
上記実施の形態では、カバー14の耳部中央に第1のリブ36を1箇所設けたが、2箇所以上設けても良い。また、第1のリブ36は上に凸の形状としたが、下に凸の形状であっても良い。第1のリブ36を下に凸の形状とした場合、そのリブ形状に合わせてケース11には凸部を設けると良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるECUの構成を示す斜視図。
【図2】ECUの分解斜視図。
【図3】ケース及びカバーの組み付け状態を示す断面図。
【図4】従来技術におけるECUの構成を示す分解斜視図。
【符号の説明】
10…ECU(電子制御機器)、11…ケース、13…回路基板、14…カバー、33…耳部、35…折曲部、36…第1のリブ、37…第2のリブ。
Claims (2)
- 少なくとも底面が開口するケースと、このケースの開口を閉鎖する底板部を有する略平板状のカバーとをケース内に回路基板を収容した状態で組み付ける電子制御機器において、
前記カバーには、前記ケースが組み付けられた際にケースの側面より突出する耳部を前記底板部に一体形成し、前記底板部に前記耳部が延びる方向と略垂直方向にリブを備え、かつ当該リブを前記底板部の左右両端部に形成し、このリブより突出するかたちで前記耳部が延伸されるものであって、
前記リブは、プレス成形によって前記ケースが組みつけられる側に突出する凸形状であることを特徴とする電子制御機器。 - 請求項1に記載の電子制御機器において、前記耳部には、その先端部が略直角に折り曲げられて折曲部が形成されてなる電子制御機器。
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