JP3898907B2 - 車載電子機器取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載電子機器取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カーオーディオ等の車搭載用の様々な電子機器が提案されており、車載用の電子機器は、例えば、運転席のダッシュボードに取り付けられる。図4は、このような車載電子機器取付部の構造を示した分解斜視図である。
【0003】
図4に示すように、車載電子機器の取付に関わる主要部品として、本体シャシ1と、その上に重ねられる絶縁シート2と、その絶縁シート2の更に上に重ねられ、本体シャシ1の底面部1aから浮かした状態で支持される本体PCBユニット3と、を備えている。本体シャシ1の側面部1bには、車に取り付けるための車載取付穴4が形成されており、この車載取付穴4に車載取付ビス5が嵌められて車に固定されるようになっている。また、本体PCBユニット3上には、車載取付穴4が形成されている側面部1b側の端部に、立方形のフロントエンド(F/E)6a及び立ち基板6bが設けられている。
【0004】
また、車に取り付ける際、特に長いビスを用いて車に取付ける際、或いは、車の走行中の振動等によって、車載取付ビス5と、本体PCBユニット3のF/E6aや立ち基板6b上に配置された電子部品の端子(図示なし)とが接触して、ショートする虞があるため、本体シャシ1と、F/E6aや立ち基板6bとの間に、図4に示すような絶縁部品7を配置して対応していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記絶縁部品7は、本体シャシ1とF/E6aや立ち基板6bとの間の適切な位置に配置するため、絶縁部品7或いは、本体PCBユニット3等の絶縁部品7の収まる箇所に位置決め部(図示省略)を設ける必要があった。そして、作業者は、前記位置決め部を狙って絶縁部品7を配置しなければならず、作業上の手間がかかるという問題点があった。
また、絶縁部品7は、例えば、樹脂等の成形材で製造されているため、部品コストが上昇するという欠点もあった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決し、確実な絶縁効果を有するとともに、作業の簡略化と、部品コストの削減を実現する車載電子機器取付方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、例えば、図1〜図4に示すように、請求項1記載の発明は、
取付穴を備えた側壁部を有する導電性の本体シャシの上に絶縁シートを重ね、
次いで、前記絶縁シートが備える前記本体シャシの前記側壁部側の端部から延出して形成された側面用絶縁部を、前記本体シャシの側面部にもたれかかるように、内側に折り曲げ、
次いで、前記絶縁シートの上に、電子部品を備える車載電子機器本体を、当該電子部品が前記本体シャシの前記側壁部に近接して立設するように重ね、
次いで、車側に設けられた枠体に設けられた穴と、前記本体シャシの前記取付穴とを重ね、
次いで、前記本体シャシの前記側面部にもたれかかっている前記側面用絶縁部を前記電子部品に向かって押すようにして車載用ビスを螺合させて固定することによって、前記本体シャシの前記側壁部を、前記車側に設けられた前記枠体に取り付けることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車載電子機器取付方法において、前記絶縁シートには、前記側面用絶縁部を折り曲げ易いように加工された折り曲げ部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の車載電子機器取付方法において、前記側面用絶縁部は、前記電子部品とほぼ同じ大きさであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の形態を詳細に説明する。
尚、本実施の形態に示す電子機器は、車載電子機器であって、車両のダッシュボード(図示なし)に組み入れられるものとする。
【0011】
図1は、本発明による車載電子機器取付構造の実施の形態を示す、車載電子機器取付部の分解斜視図である。図1において、車載電子機器取付部(以下、取付部という。)10は、本体シャシ11、その本体シャシ11上に重ねられる絶縁シート12、前記絶縁シート12上に組みつけられる本体PCBユニット13(車載電子機器本体に相当)を主要部品として備えている。尚、車載電子機器の全体構造は、図示されていない。
なお、車載電子機器とは、例えば、カーオーディオ、カーナビゲーションなどの電子機器をいう。
【0012】
本体シャシ11は、略四角形の底面部11aと、その底面部11aの幅方向の両端部をL字に内側に折り曲げるようにして一体成形された矩形の側面部(側壁部に相当)11bと、を備えている。
【0013】
底面部11aには、後述の本体PCBユニット13を支持するためのスタッド14…と、舌片15…とが所定位置に、所定個数ずつ設けられている。
スタッド14…には、その頭部にネジ穴が設けられ、車載電子機器本体のディスク充填部等のメカ機構部が取り付けられる。
舌片15…は、底面部11aから上方に起立した起立部15aと、この起立部15aの上端から底面部11aに対して平行に突出した舌部15bと、により形成されており、舌部15bにはネジ穴が設けられている。この舌片15のうち、図1の前側2つの舌部15bの上に本体PCBユニット13が載せられて固定される。即ち、本体PCBユニット13は、舌片15によって、本体シャシ11と平行に、かつ起立部15aの高さ分、浮いた状態で支持される。
【0014】
側面部11bは、所定位置に車載取付穴(取付穴に相当)16を備えており、この車載取付穴16に、取付金具としての車載取付ビス17が螺合されて、本体シャシ11が車両のダッシュボード(図示なし)に設けられた枠体(図示省略)に組み付けられる。
【0015】
尚、本体シャシ11は、万一の漏電に備えたアースの機能を果たすために、導電性を有する材料、例えば、金属などにより製造される。
【0016】
絶縁シート12は、本体シャシ11と、本体PCBユニット13とが振動等により接触してショートが生じることを防ぐ為のシートであって、本体シャシ11及び本体PCBユニット13の下面部13aとほぼ同程度の大きさである。また、絶縁シート12には、本体シャシ11のスタッド14、及び舌片15に対応した位置に、それらを貫通する貫通穴12a…が設けられている。そして、また、絶縁シート12の本体シャシ11の側面部11b側の端部12bには、短冊状の側面用絶縁部18が延設されており、この側面用絶縁部18の大きさは、後述の本体PCBユニット13のF/E及び立ち基板19の側面部19aとほぼ同程度である。更に、絶縁シート12は、端部12bに沿って、折り曲げ部としての折り線部(図1の点線部A)を有し、本体シャシ11に重ねられる際に、側面用絶縁部18は、この折り線部Aより内側に略直角に折り曲げることが出来る。
この折り線部は、例えば、表面に若干の凹部を形成することにより、この折り線部で折り曲げしやすいように加工されている。
【0017】
本体PCBユニット13は、電子回路等を取り付ける基盤であり、車載用電子機器本体の一部を構成する。また、この本体PCBユニット13には、図示しないディスク充填部等のメカ機構部が組みつけられる。
【0018】
本体PCBユニット13は、本体シャシ11の底面部11aの舌片15によって、本体シャシ11から浮いた状態に支持されているとともに、本体シャシ11との間に設けられた絶縁シート12によって、本体シャシ11と、電気的に絶縁されている。
【0019】
また、本体シャシ11の側面部11b側に対応する本体PCBユニット13のの端部13aに、電子部品としてのF/E及び立ち基板(以下、立ち基板という。)19が設けられている。
【0020】
図2は、図1の本体シャシ11、絶縁シート12、及び本体PCBユニット13を組立てた車載用電子機器取付部の斜視図であって、絶縁シート12と、立ち基板19との関係が分かるように、本体シャシ11の側面部11bが切り欠かれて示されている。
図2に示すように、絶縁シート12の側面用絶縁部18が、内側に略直角に折り曲げられ、立ち基板19と、本体シャシ11の側面部11bとの間に配置されている。
【0021】
図3は、本体シャシ側面部の断面図である。図3に示すように、取付部10を組立てるには、本体シャシ11の上に絶縁シート12を重ね、絶縁シート12の側面用絶縁部18を内側に略直角に折り曲げる。この時、側面用絶縁部18は、本体シャシ11の側面部11bにもたれかかるようになっている。次いで、本体PCBユニット13を重ねる。このようにして組立てた取付部10に、例えば、メカ機構部などの他の部品(図示なし)を組み付け、車載用電子機器(図示なし)を完成させる。そして、この車載用電子機器(図示なし)を、車に取り付ける際は、車の運転席のダッシュボード(図示なし)の枠体(図示省略)に設けられた穴と車載用取付穴16とを重ね、側面部11bにもたれかかっている側面用絶縁部18を立ち基板19に向かって押すようにして車載用ビス17を螺合させて固定する。従って、側面用絶縁部18が自然に位置決めされて立ち基板19と車載用ビス17との間に介在して、直接、立ち基板19と車載用ビス17とが接触することを防ぐ。
【0022】
このように、本実施の形態に係る電子機器取付構造によれば、絶縁シート12が、本体シャシ11の底面部11aと本体PCBユニット13との間の絶縁機能のみならず、側面用絶縁部18により、立ち基板19と本体シャシ11の側面部11bに取り付けられる車載用ビス17との間の絶縁機能をも果たしているので、別に絶縁部材を用意する必要がなくなり部品数を少なくすることが出来る。また、絶縁シート12の一部を折り曲げることによって容易に側面用絶縁部18の位置決めが可能なため、組立て動作が簡略化する。特に、絶縁シート12には折れ線部が設けられているので、側面用絶縁部18を折り曲げ易い。また、絶縁シート12は、シートであるため、部品コストを安く抑えることが出来る上、軽量なので便利である。
また、側面用絶縁部18は、側面部11b側に傾倒しているので、立ち基板19と絶縁シート12が常時接触することがなく、車載電子機器使用時の熱による絶縁シート12への悪影響を排除することが出来る。
【0023】
尚、上記実施の形態は、一例に過ぎず、適宜変更可能である。
例えば、側面用絶縁部18を絶縁シート12の一端部に設けたが、他端部にも形成する構成であってもよく、その形状も短冊状に限られるものではない。
側面用絶縁部18は、立ち基板19とほぼ同等の大きさとしたが、車載取付ビス17が立ち基板19と接触しないように形成されていれば、大きさは特に限定するものではない。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、絶縁シートに形成された側面用絶縁部によって、側面方向の絶縁が可能なので、絶縁部材の部品点数を減らすことが出来る。また、絶縁シートを折り曲げることによって側面用絶縁部の位置決めされるため、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子機器取付構造を示す図で、車載電子機器取付部の分解斜視図である。
【図2】図1の本体シャシ11、絶縁シート12、及び本体PCBユニット13を組立てた車載電子機器取付部の斜視図である。
【図3】図3は、本体シャシ側面部の断面図である。
【図4】従来例における電子機器取付構造を示す図で、車載電子機器取付部の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 車載電子機器取付部
11 本体シャシ
12 絶縁シート
13 本体PCBユニット(車載電子機器本体)
16 車載取付穴(取付穴)
17 車載取付ビス(取付金具)
18 側面用絶縁部
19 F/E及び立ち基板(電子部品)
Claims (3)
- 取付穴を備えた側壁部を有する導電性の本体シャシの上に絶縁シートを重ね、
次いで、前記絶縁シートが備える前記本体シャシの前記側壁部側の端部から延出して形成された側面用絶縁部を、前記本体シャシの側面部にもたれかかるように、内側に折り曲げ、
次いで、前記絶縁シートの上に、電子部品を備える車載電子機器本体を、当該電子部品が前記本体シャシの前記側壁部に近接して立設するように重ね、
次いで、車側に設けられた枠体に設けられた穴と、前記本体シャシの前記取付穴とを重ね、
次いで、前記本体シャシの前記側面部にもたれかかっている前記側面用絶縁部を前記電子部品に向かって押すようにして車載用ビスを螺合させて固定することによって、前記本体シャシの前記側壁部を、前記車側に設けられた前記枠体に取り付けることを特徴とする車載電子機器取付方法。 - 前記絶縁シートには、前記側面用絶縁部を折り曲げ易いように加工された折り曲げ部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の車載電子機器取付方法。
- 前記側面用絶縁部は、前記電子部品とほぼ同じ大きさであることを特徴とする請求項1又は2記載の車載電子機器取付方法。
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