JP3684278B2 - 物品吊持用の吸着子及びこれを用いた箱詰装置 - Google Patents

物品吊持用の吸着子及びこれを用いた箱詰装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トマト、茄子、胡瓜、柿、リンゴ等の農産物、菓子その他の食品、あるいは比較的小さな小物包装体などの物品を、待機位置から吸着保持して所定の移送先に移載する移送用の吸着子(吸着保持体)、及びこの吸着子を用いた箱詰装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来より、箱詰めなどのために物品を移載する手段として、負圧により物品を吸着保持して吊り上げ、その吸着保持状態のまま所定位置に移動し、吊り下ろして吸着を解除するという一連の作業を行う吸着子吊持具を備えた物品移載装置が知られており、この吸着子吊持具の物品と係合する吸着子(吸着保持体)としては、ゴム製,合成樹脂製の一般にカップ型あるいはベローズ(蛇腹)型のものが知られている。
【0003】
これらの吸着子は、例えばベローズ型吸着子は物品を吸着した際に蛇腹が上下縦方向に均等に縮むことで吸着前の水平姿勢のまま物品を吸着保持することができ、またカップ型吸着子もそのカップの形状と弾性で同様に水平姿勢のまま物品を吸着保持できるもので、いずれも、吊り上げ時の水平姿勢を維持したまま箱に詰める際の姿勢を安定させて箱詰めできる特徴がある。
【0004】
このような吸着子を有する吸着子吊持具を用いて物品をマトリックス状,千鳥状などの態様で一度に箱詰めする場合を考えると、前記の吸着子を縦×横に配列して合計で例えば14個,16個有するように構成した吸着子吊持具をもつ装置(例えば特公平8−568号公報、特開昭63−44411号公報、特公昭56−32169号公報等を参照)では、一度に箱に挿入される物品同士が相互に密接して互いの移動を規制し合うから、これによって各物品の箱詰め時の姿勢が安定する利点が得られる。したがってこの場合には、個々の物品毎の挿入用凹部が形成されているトレイパックを使用しなくとも、安定した箱詰めが可能とできる。
【0005】
しかし、球塊状の青果物等の物品を一つづつあるいは一列づつ移載する箱詰め装置では、上記のトレイパックを用いない場合には、物品を吊り下ろして吸着を解除したときに、図15で示すように、球塊状の物品Pが箱5内で転がってしまうという虞れがある。実際に柑橘類やトマトなどではトレイパックを使用しないで箱詰めする場合があるので、この問題は無視できない。
【0006】
このような転がり易い球塊状の青果物等を移載する場合の上記不具合をなくす対策としては、例えば箱を若干傾斜して待機させ、傾斜した箱の下方側から順次に一列づつ詰めることが考えられ、これにより一列づつ箱詰めされる青果物等の転がりの不具合は解消できる。
【0007】
また、転がり易いことへの対策ではないが、箱を傾斜させることに代えて、吸着子で吸着した物品の吸着保持姿勢を強制的に傾けるようにした箱詰装置の提案(実開平3−81803号公報参照)がある。この装置は、例えば菓子などを斜めの姿勢で箱に詰める場合に有効であり、一つ一つの受入れ部の底面が傾斜したトレイパックを箱容器に嵌挿し、その各受入れ部に適合するように物品を傾斜させるため、吸着子の側方に物品が係合する当て片を設けて吸着保持姿勢を強制的に傾けるようにした構成に設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の箱を斜めにして詰める方式の箱詰装置は、一列づつ青果物等を詰める際の転がりを防ぐには有効であるが、傾斜した箱に対して物品は水平姿勢をなしているため、物品の詰め状態が斜めになってしまい、箱の傾斜分だけ青果物の芯がずれ(例えばヘタの中心が若干横にずれ)て箱詰め状態の見栄えが悪いという問題がある。
【0009】
また、吸着子の側方に物品の吸着姿勢を強制的に傾ける当り片を設けた構成の箱詰装置は、傷み易い青果物では当り片との係合で青果物等を傷めてしまう問題があり、また同じ種類の青果物でも大きさ形状が様々であるから当り片との係合による傾斜の姿勢が一定しないという問題を招くし、吸着保持する物品の種類によっては当り片の位置を調節しなければならないという問題もある。また吸着子の周囲に当り片が組み付けられるために、吸着子吊持具の構造が複雑になるという問題があるし、マトリックス状,千鳥状などの密集した態様で多数を一度に箱詰めする吸着子吊持具としては、当り片が邪魔になって不適である。
【0010】
本発明は、以上のような従来装置の不具合を解消することができ、物品を傾斜して吸着吊持するための構成が簡易な吸着子、及びこの吸着子を用いた箱詰装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0011】
また本発明の別の目的は、吸着吊持する青果物等の物品を常に一定の傾斜姿勢で吸着吊持することができる吸着子、及びこの吸着子を用いた箱詰装置を提供するところにある。
【0012】
本発明の更に別の目的は、簡易な構成であるためその製作を容易かつ安価に行うことができる吸着子、及びこの吸着子を用いた箱詰装置を提供するところにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成する本願発明の特徴は、前記特許請求の範囲の各請求項に記載したところにあり、その請求項1の吸着子の発明は、上下方向に易変形性のベローズ型又はカップ型構造をなすゴム,合成樹脂等の弾性材料からなる筒体を有し該筒体の上方側からの負圧供給により該筒体の下端開口に密着した物品を吸着保持する吸着子において、前記筒体の上下方向の収縮を規制する収縮規制手段を該筒体の周方向の一部に設け、前記筒体の下端開口の上方への縮みを該収縮規制手段を設けた部分に対し、該収縮規制手段を設けていない他の部分を大きくしたことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、筒体の下端開口の上方への縮みを収縮規制手段を設けた部分に対し、該収縮規制手段設けていない他の部分を大きくしたことで、物品の負圧吸着時に筒体自体の上下方向における収縮変形で筒体の下端開口が傾斜し、物品を傾斜姿勢で吸着保持することができる。またこのように物品を吸着保持した吸着子を所定の移載位置に移動して後、物品を吊り下ろして負圧作用を解除すれば、吸着子の変形が戻って吸着を解除することができ、この際、物品を吊り下ろした面が水平面であれば水平の姿勢で吸着を解除できるし、吊り下ろした面が吸着保持の傾斜姿勢と略一致した傾斜面であればその傾斜面に沿った姿勢で吸着を解除でき、更に、物品の一部を隣接する物品に重ねるようにすれば傾斜重なり状態で吸着を解除することができる。
【0017】
このような収縮規制手段としては、上下方向について実質的に圧縮されない蛇腹間のリブを設ける例を挙げることができる。
【0018】
この発明によれば、物品を吸着する際、筒体の下端開口をその収縮規制手段を設けた部分の下端を中心として物品の傾斜を一定化し、また安定化して吸着保持できる。
【0019】
本願の請求項の発明は、前記筒体の上下方向の収縮を規制する前記収縮規制手段を、筒体の上下方向の上部側に限定して設け、下部側は筒体の全周を易変形性部分に構成したことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、物品を吸着するときの吸着子の密着性は筒体下部側全の易変形性部分で十分に確保でき、また物品の傾斜姿勢で吸着保持する要求は上部側の収縮規制手段により確保できる。
【0021】
本願の請求項の発明は、前記の収縮規制手段を、弾性材料からなる筒体と一体の収縮規制部分として型成形したことを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、ゴム,合成樹脂等の型成形時に同時に収縮規制部分を形成させることができるので、吸着子としての機能に加えて前記不均等性による物品の傾斜吸着保持機能を併せ有する吸着子を単品として量産できる。
【0023】
本願の請求項の箱詰装置の発明は、複数の物品を整列して待機させるプール部と、物品が詰められる箱容器を開口状態で待機させる箱待機部と、プール部に待機された物品を複数の吸着子に各一個宛て吸着保持して吊り上げると共に、箱待機部に移動して箱内に挿入し吸着を解除する吸着子吊持具と、前記物品のプール部と箱待機部の間で該吸着子吊持具を移動させる吸着子吊持具移動手段とを備え、前記吸着子吊持具は、その下部に一列又は縦横に行列して前記した構成の吸着子を複数有すると共に、これら各吸着子の筒体に設けた収縮規制手段が周方向の一定位置に揃えられていることを特徴とする
この発明によれば、吸着子吊持具が吸着子を一列に有する場合には、一列の物品を一定方向に傾斜させた状態でプール部から吊り上げ、箱容器に移動して吸着解除することで一括して移載することができ、これを繰り返すことで縦横の行列で所定の個数の物品を箱詰めすることができる。また吸着子吊持具が吸着子を縦横に行列した状態で有する場合には、複数の物品を一括して移載し箱詰めすることができる。
【0024】
本願の請求項の発明は、箱待機部において、水平面に対して箱容器を傾斜して待機させることを特徴とする。
本願の請求項6の発明は、箱容器が各物品の挿入用凹部がそれぞれ独立した傾斜底面をなすことを特徴とする。
【0025】
請求項5、6の発明によれば、箱容器を傾斜して待機させる方式では、傾斜して吸着保持した物品をその傾斜と略一致するように傾斜して待機された箱容器に一括して箱詰めすることができる。また一つ一つの物品の挿入用凹部がそれぞれ独立した傾斜底面をなすようにトレイパックの嵌挿などによって形成されている箱容器を使用する場合には、各凹部毎に傾斜底面に一致した姿勢で物品を安定,確実に挿入,箱詰めさせることができる。
【0026】
本願の請求項7の発明は、吸着子吊持具が、その下部に縦横に行列して複数の吸着子を有していると共に、箱容器に物品を挿入する前に吸着子間の間隔を狭くして物品の傾斜重なり状態で箱詰するものであることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、一括して移載する物品を傾斜重なり状態として一度に箱詰めすることができる。
【0028】
本願の請求項8の発明は、吸着子吊持具が、その下部に複数の吸着子を一列に有していると共に該列方向とは直角な方向に物品を傾斜させるように収縮規制手段の周方向位置が揃えられて構成され、また該吸着子吊持具を移動させる吸着子吊持具移動手段が、列単位の物品の吸着保持及び吸着解除を所定回数行って箱容器内に挿入することで物品を傾斜重なり状態で箱詰するものであることを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、前記の一括箱詰めの場合と同様の物品の傾斜重なり状態での箱詰めを、一列毎の移載で行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示した実施形態に基づいて説明する。
【0031】
実施形態1
図1〜図10に示した本例は、フリートレイの上に球塊状の青果物を載せて選別仕分けし、所定の等階級別のプール部に排出された青果物を一列づつ箱詰めする箱詰装置の例を示したものである。
【0032】
図2は、本例の吸着子を採用した青果物の箱詰装置を含む選別設備を平面図で示したものであり、後述の説明から分かるように、青果物Pを載せた容器としてのフリートレイ4を(図1,3参照)、搬送コンベア1上で搬送させながら、途中に設けた計測装置(図示せず)により所定の計測(本例では説明の便宜上階級要素の「大きさ」を計測するものとして以下説明するがこれに限定されない)を行い、この計測結果に基づいて仕分けすべき等階級がコンピュータ等を用いて判別され、図2に示すように搬送コンベア1から横方向(図の下方)に接続された階級別の分岐箱詰ライン2(図ではその一部の21 〜22 を示している)の分岐コンベアに、該当する階級の青果物を載せたフリートレイ4を排出させるようになっている。
【0033】
上記の分岐箱詰ライン2(21 ,22 )は、図3に示すように、搬送コンベア1からの排出装置211 ,212 、分岐コンベア221 ,222 、箱詰めのために設定された容器プール部23、及び箱詰装置としての作業ロボット24からなっている。以下これらについて説明する。
【0034】
上記の排出装置21は、例えば特開平6−278848号公報で開示されている仕分け排出装置を用いて構成することができ、本例では、排出青果物の量が多い場合を考慮して各分岐コンベア221 ,222 を二レーンに設けて、これらの二レーンにフリートレイ4を振り分けできるように構成されている。すなわち、上記排出装置21は、外周部の内側に周方向に沿って等間隔に多数の電磁吸着部212を有していてかつ図2の矢印方向に回転する回転テーブル211と、搬送コンベア1上からフリートレイ4を分岐箱詰ラインに排出するために該フリートレイ4を転向させるべく、所定の位置で回転テーブル211に周状に配置された電磁吸着部212の一つを励磁させる一つの励磁手段213と、上記の二レーンにフリートレイ4を振り分けるために所定の2カ所の位置に固定して設けられた該電磁吸着部212の励磁解除手段214,215とから構成されている。
【0035】
以上の構成により、例えば計測装置で計測した結果に基づき、図2に示した特定の分岐箱詰ラインの階級(例えば大きさL)に選別された青果物Pを載せたフリートレイ4が、図2の左側の排出装置211 の位置を通過する際に、コンピュータ等の制御手段(図示せず)からの指令により上記励磁手段213が励磁されることで、該当するフリートレイ4は電磁吸着部212をもつ回転テーブル211に磁気吸着され、該回転テーブル211の回転に従って搬送コンベア1上から横方向(図の下方)に排出されることになる。そして、制御手段からの指令により励磁解除手段214,215のいずれかを作動させることで上記吸着を解除し、排出したフリートレイ4を二レーン221,222のいずれかに送り込む。この振り分けは均等であってもよいが、本例では右側のレーン221を主レーンとし、この主レーンがいっぱいとなったときにだけ左側の補助レーン222にフリートレイ4を送り込むようにしている。また本例では、図2の右側に図示した排出装置212 が、例えば大きさMの階級の青果物Pを載せたフリートレイ4を排出するために設置されており、したがって図2の分岐箱詰ラインは、右側が大きさMの階級の青果物の箱詰め用、左側が大きさLの階級の青果物の箱詰め用として設けられていることになる。
【0036】
次に分岐コンベア22について説明すると、本例のこの分岐コンベア221 ,222 はベルトコンベアあるいはローラコンベアなどにより構成されていて、排出されたフリートレイ4を下流側に搬送するようになっている。また、この分岐コンベア221 ,222 の下流は、上述のように一つの排出装置21に対して二レーン221,222が各々一列にフリートレイ4を集積するように設けられていて、かつ、二レーンのうちの右側を主レーン221として、この主レーン221の集積がいっぱいとなるまでは該主レーン221にフリートレイ4が送り込まれるようになっている。また各レーン221,222の搬送終端位置には、フリートレイ4を停止させるためのストッパ機構223が配置されていて、通常はフリートレイ4の搬送を停止させるように作用し、図示しないセンサによって、集積されたフリートレイ数が所定の個数(後述の箱詰め作業で一度に取上げられる個数)が集積したことが検出されると、後段の箱詰め作業の進行状況に応じて制御手段からの指令に基づいて搬送を許す状態に切換えられて該所定個数のフリートレイ4を箱詰め位置に送り込み、該所定個数の送り込みの後、後続のフリートレイ4の送り込みを再び停止させるように、該ストッパ機構223は搬送停止状態に復帰される。このようなストッパ機構223は例えばストッパ板とシリンダ装置等を組み合わせて構成することができる。
【0037】
次に容器プール部23について説明すると、本例のこの容器プール部23は、上記レーン221,222から送り込まれる所定個数のフリートレイ4を、箱詰めのために一列に整列させて停止させる箱詰めレーン231として構成されている。
【0038】
すなわち、本例においては図2の右側の排出装置212 に連なる分岐コンベア222 の主レーン221の終端から直線的に連続するように送り込みレーン232が設けられると共に、これに隣接する補助レーン222の終端からのフリートレー4や、図2の左側の排出装置211 に連なる二つのレーン221,222の終端から送り出されるフリートレイ4を上記送り込みレーン232に連続させる直角レーン233が設けられ、これにより、所定のレーンから所定個数だけ送り出されたフリートレイ4は、容器プール部23である箱詰めレーン231上に送り込まれることになる。
【0039】
送り込まれた所定個数のフリートレイ4はストッパ機構234により停止され、箱詰め待機状態とされる。なおこのストッパ機構234は、上記ストッパ機構223と同様に構成することができ、青果物の吊り上げ終了時点(ないし吊り上げ後の送り出しに支障のなくなった時点)で搬送阻止を解除する状態に切換えられて搬出コンベア235へ空のフリートレイ4を送り出し、所定個数の送り出し後、後続のフリートレイ4を再び停止させる状態に復帰される。図2,図3の236は、空フリートレイ4の戻りコンベアである。なお以上の各レーンはそれぞれベルトコンベアあるいはローラコンベア等により構成される。
【0040】
なお、本例においては、上記容器プール部23において、フリートレー上の青果物を吸着吊持装置で吊り上げて移載箱詰めする際に、フリートレー4が浮き上がることを確実に防止できる容器浮き上がり防止手段が設けられている。
【0041】
なお、本例の容器プール部23の箱詰めレーン231には、トレイ浮き上がり防止用の係合ブラケット12が設けられている。これは、箱詰めレーン231のベルトコンベア2311の両側ガイド壁2312の上面に一対に固設された上方への短柱121と、これら短柱121の上端に内向きに突出するように偏心して固設された円形板122とから構成されている。本例におけるこれらの係合ブラケット12は、容器プール部231にストッパ機構234で待機・停止された複数のフリートレー4に各一個宛となるように、各フリートレー4の停止位置に対応して各一対に設けられるという特徴的な構成をなしており、各フリートレー4の停止状態において箱詰めレーン231の横方向(搬送方向に直角な方向)の直径線の位置に配置されている。このような構成をなすことにより、内向きに比較的短く突出するだけで、フリートレー4が浮き上がろうとした場合にこれに係合して浮き上がりを阻止できる。またフリートレー4の中心を搬送方向に離隔している係合ブラケット12の間に移動させることで該フリートレー4ごとこれを容易に上方に取り出すことができるので、箱詰めに不適な青果物が紛れ込んでいるような場合に、これを除去することが簡単にできる。
【0042】
24は、箱詰装置の主要部をなす作業ロボット24を示し、本例のこの作業ロボット24は、垂直多関節型のアーム機構を有する作業ロボットとして構成されており、上記容器プール部23の箱詰めレーン231に一列に整列待機された所定個数のフリートレイ4の上から、一列の青果物Pを吊り上げ、後述する箱待機部に斜めにセットした段ボール箱5に一列づつ順次に詰めるように動作する。そして本例のこの作業ロボット24は、大きさLの青果物Pの場合は合計で5個×4列(計20個)を箱詰めし、大きさMの青果物Pを詰める場合には合計で6個×4列(計24個)を箱詰めするものであり、個数が異なることに対応できるように、図4に示すように一部の吸着子が吊り上げに関与しない退避状態の位置に退避できるように設けられているという特徴的な構成を有している。
【0043】
この作業ロボット24の詳細は図3〜図5に示され、本体241から平行四辺形リンクモーションを行う根元リンク機構242が延出され、この根元リンク機構242の先端に水平軸回りの回転を許すヒンジを介して、平行四辺形リンクモーションを行う先端リンク機構243を連結し、更にこの先端リンク機構243の先端に吸着子吊持具244をブラケット245を介して連結して構成され、これらのリンク機構で構成されたアーム機構により、ブラケット245は常に水平姿勢を維持しながら上下,前後に移動できるようになっている。なお、根元リンク機構242には、本体241の前側の支持アームの下端部に該支持アームを前後左右に揺動させる駆動装置(図示せず)が設けられていると共に、本体241の後側の支持アームの下端部には該支持アームを上下方向に移動させる駆動装置(図示せず)が設けられていて、これら両者の支持アームの揺動及び上下動の組み合わせにより、先端リンク機構243の動作を制御するようになっている。
【0044】
上記ブラケット245は、図4及び図5に詳細に示したように、ブラケット底部板2451に設けた一対のガイド2452が、吸着子吊持具244の上面に設けたレール244と水平方向移動可能に滑合することで、該吸着子吊持具244を図4の左右方向に移動可能に吊持し、かつ吸着子吊持具244の上面に組み付けたエアシリンダ装置2442のピストンロッド244が上記ブラケット底部板2451と連結されていることで、吸着子吊持具244とブラケット245の上記左右方向の位置が決められるようになっている。
【0045】
上記の吸着子吊持具244は、本例においては、その下部に図4の左右方向に移動不能に固定された端の位置の一つの固定吸着子吊体246と、該吸着子吊持具244の下面に設けたレール2445に上記左右方向について移動できるように滑合した6個の移動吸着子吊体247との組合せを吊持するように設けられていて、これら計7個のカップ吊体は、いずれも上下駆動されるピストンロッド2462,2472を下方に有するエアシリンダ装置2461,2471を吊杆とし、そのピストンロッド2462,2472の下端に本例の特徴的構成を有する吸着子3を備えている。なおこの吸着子3の詳細は後述する。
【0046】
また計7個の吸着子吊体には、図示するように、サーボモータ2446を駆動手段としたパンタグラフ機構2447が間隔変更手段として設けられていて、固定吸着子吊体246を基準として順次隣接する移動吸着子吊体247の間隔を変更できるようになっている。
【0047】
パンタグラフ機構2447は、固定吸着子吊体246(図4の右端)とこれに対し最も離れた位置にある移動吸着子吊体247(図4の左端)の水平方向位置をプーリ2449を介してサーボモータ2446により移動させるようにしながら、これらの一対の吸着子吊体の間に存在する残りの吸着子吊体の隣接間隔をパンタグラフ機構2447により均等化することで間隔変更と均等化が達成される。
【0048】
また、各吸着子3は、本例においては図5に示すように通気管248を介してブロアー6(図8参照)に接続されている。この吸着子とブロアーの接続の関係は図8の系統図により示され、各吸着子3は、途中に切換弁7,8を介して通気管248によりブロアー6に接続されている。すなわち、切換弁7はブロアー6の吸引口に接続された通気管の途中に介設されていて、開路時には空気が通気管を介してブロアー6に吸引されるのでこの空気流によって吸着子3内が負圧となって青果物を吸引吸着し、その他の場合には閉路されて吸着子内の負圧を解除するようになっている。また切換弁8はブロアー6の吐出口に接続された通気管の途中に介設されていて、開路時にはブロアー6の吐出エア(正圧)を吸着子3に供給して、青果物Pの吸着を解除し、その他の場合には閉路されて正圧供給をやめるようになっている。なお9はリリーフ弁であり、ブロアー6から供給する正圧(吐出エア)の圧力を調整して青果物Pを傷めないように吸着子からの離脱を適度に行わせる作用をする。なお、10は吸着子吊体のエアシリンダ装置2461,2471に通気管248を介してエアを供給する電磁弁である。
【0049】
本例の箱詰め装置の周辺装置等について説明すると、11は段ボール箱5の供給・排出装置を示し、空箱搬送コンベア111で搬送された空箱5をプッシャー112で空箱降下装置113に所定のタイミングで押し入れ、押し入れられた空箱5は降下された後、図2及び図3で示した矢印に沿って箱詰め位置114に送り込まれるようになっている。また青果物Pの箱詰めが終了した段ボール箱5は、箱詰め位置114から図示しないエレベータで排出コンベア115まで降下され、製品搬送コンベア116により所定の製品集積場所まで搬送される。
【0050】
なお、本例においては箱詰め位置114には箱傾動用シリンダ装置117が設けられていて、図3,図9に示すように箱5は一定の角度傾斜して箱詰めのために待機される。
【0051】
次に本例の特徴である吸着子3について説明する。
【0052】
本例において用いられる吸着子3は、図1,図4,図5,図9、及び図10に示され特に図1及び図10に詳細に示されている。
【0053】
すなわち、本例の吸着子3は、ゴム製の材料からなるベローズ(蛇腹)型構造のなす筒体部(本体)301と、吊体246,247のピストンロッド2462,2472の下端に固着された中空ブラケット2463,2473への組付けのためにその上部に設けられた剛性上端部302と、青果物に気密的に密着し易いように形成された易変形性部分としての軟質のスカート状下端部303と、前記筒体部301の上下方向の変形性(収縮性)をその周方向の一部において拘束するために設けられた蛇腹の折部を上下方向につなぐリブ部304(本例では図1に示すように周方向に隣接して2列)とからなっている。
【0054】
このように構成された吸着子3は、自然状態時(青果物の非吸着時)には、図1,図5に示すように筒体部301が自重で垂れ下がった状態を呈し、易変形性のスカート状下端部を青果物Pに密着させると共に、通気管248からの負圧供給で吸着保持した時には、図10に示したように、リブ部304が設けられている部分は該リブ部304の上下方向の収縮規制により縮むことがなく、リブ部304が設けられていない他の部分はこの収縮規制がないので負圧により青果物Pが吸引され、したがってリブ部304の下端を中心に青果物Pが傾動して傾斜姿勢で吸着保持されることになる。以下、以上の構成を有する箱詰装置を用いた箱詰め作業につき、青果物Pとしてトマトを例にして説明する。
【0055】
トマトPがフリートレイ4に載った状態で搬送コンベア1を搬送されながら計測装置で階級要素の大きさについての計測が行われ、この計測情報に基づいて大きさLと判定されたトマトPを載せたフリートレイ4は、図2の左側の排出装置211 により分岐コンベア221 の主レーン221に送り込まれて集積される。また大きさMと判定されたトマトPを載せたフリートレイ4は、図3の右側の排出装置212 により分岐コンベア222 の主レーン221に送り込まれて集積される。主レーンがいっぱいになった場合は余剰分は補助レーン222に送り込まれることは上述した通りである。なおこれらの各レーンの終端に配置されているストッパー機構223はいずれもフリートレイ4を停止させる状態にある。
【0056】
このようにして主レーンに集積されたフリートレイ4の数は図示しないセンサーにより計数され、図2の場合で言えば、稼働初期においては、主レーンに一つの段ボール箱5に箱詰めする際の一箱分が集積された時点でその終端のストッパー機構223を退避させ、送り込みレーン232,233を介して箱詰めレーン231までその一箱分のフリートレイ4を送り込んで箱詰め待機状態で停止される。具体的には、図2の右側の排出装置21に連なる主レーン221に24個のフリートレイ4が集積された場合にはストッパー機構223を退避させて大きさMのトマトを載せたフリートレイ4が箱詰めレーン231に送り込まれ、他方、図2の左側の排出装置21に連なる主レーン221に20個のフリートレイ4が集積された場合にはストッパー機構223を退避させて大きさLのトマトを載せたフリートレイ4が箱詰めレーン231に送り込まれる。なお、これらのいずれのレーンからのトレイ送り出しを優先させるかは適宜の制御思想に基づいて決めることができるが、センサーカメラによって先に所定個数の計数が得られたレーンを優先させるのが一般的である。
【0057】
図2に示した状態は、大きさMのトマトを集積したレーン221からフリートレイ4の一箱分(24個)を箱詰めレーン231に送り込んだ状態を示している。
【0058】
なお、一箱分の送り出しの次に送り出すトマトを、大きさLのものとするか又は大きさMのものとするかは、上記センサーカメラ(図示せず)などから検出された情報に基づく集積速さの違いなどのコンピュータ解析によって箱詰処理を効率よく行うことができるように制御すればよい。
【0059】
以上のようにして一箱分のトマトPに相当するフリートレイ4が送り込まれ、容器プール部23である箱詰めレーン231において待機されているフリートレー4上のトマトPに対し、順次一列づつの箱詰め作業が多関節型の作業ロボット24により行われる。
【0060】
すなわち、供給・排出装置11により送り込まれ、傾動用シリンダ装置117で所定の傾斜状態とされた箱詰め位置114の空の段ボール箱5を待機させる。一方、箱詰めレーン231にはトマトP入りのフリートレイ4が停止された状態にあり、トマトPをフリートレイ4から箱に移載する作業ロボット24によるトマトの箱詰め作業が開始される。
【0061】
この際、本例の作業ロボット24は計7個の吸着子吊体(一個の固定吸着子吊体246と6個の移動吸着子吊体247)を有するのに対し吊持して吊り上げるトマトPが6個であるため、1個分だけ余分の吸着子吊体、すなわち固定吸着子吊体246から最も離れた移動吸着子吊体2473を、そのエアシリンダ装置2471で通常のトマト移載動作位置から上方に退避移動させ、トマトPの吊り上げ、移載などの動作に関与できないようにする。この状態は図4に示される。また各吸着子吊体246,247が上記箱詰めレーン231に待機・停止されている6個のフリートレイ4上のトマトPを吸着吊持して吊り上げるのに適する位置,間隔が、エアシリンダ装置2442の作動及びパンタグラフ機構2447の作動によって与えられる。
【0062】
このように制御された6個の吸着子吊体を有するアーム機構は図2の二点鎖線で示した位置・姿勢に移動され、各吸着子3により一列6個のトマトPを各一個宛吸着保持して吊り上げる。
【0063】
そして、本例においては、上述の如く吸着子3が、トマトの非吸着時には筒体部301が自重で垂れ下がった状態を呈しているが、スカート状下端部を青果物Pに密着させ通気管248からの負圧供給で吸着保持した時には、リブ部304が設けられている部分を除いて筒体部301が縮み、したがってリブ部304の下端を中心にトマトPが傾動して傾斜姿勢で吸着保持されることになる。
【0064】
なおこの吊り上げの際にフリートレイ4が一緒に浮き上がることは、上述したトレイ浮き上がり防止装置の係合ブラケット12により阻止されるため、トマトだけが確実に取り上げられる。
【0065】
次に吊り上げられたトマトPを吸着子3により傾斜姿勢で吸着保持した作業ロボット24は、アーム機構の姿勢を制御することにより吸着子吊体246,247を箱詰め位置に移動させる。またこの移動の途中で、パンタグラフ機構2447の作動により一列の吸着子吊体246,247の隣接間隔を箱詰めに適した状態に変更する。この変更した状態は図7に示される。
【0066】
箱詰め位置114に移動した一列の吸着子3は、図9,図10に示すようにトマトを傾斜した姿勢で吸着保持しており、また箱5も、上述したように傾動用シリンダ装置117で傾斜角度を略一致させて傾斜した姿勢として待機されているので、箱5とトマトの姿勢は一致し、箱詰めされたトマトの見栄えが悪くなるという不具合をまねくことがない。
【0067】
トマトPが吊り上げられた空のフリートレイ4は、ストッパ機構234が退避して搬出コンベア235へ送出される。この際、本例では上記のようにトレイ浮き上がり防止装置(係合ブラケット12)によってフリートレー4が箱詰めレーン231でその姿勢などが乱れることなく安定しているので、搬出コンベア235への送出不良を生ずることなくも送出が確実に行われ、稼働効率の低下を招くことがない。
【0068】
そして後続のトマトPを載せたフリートレー4が箱詰めレーン231に移入されて、復帰したストッパ機構234により停止され次の箱詰めのために待機される。そして図4の状態に吸着子吊体の隣接間隔を広げた作業ロボット24により2列目のトマトPの箱詰め作業が行われる。
【0069】
以上の作業は、本例においては図9のように4列分連続して行われ、これにより一箱分の箱詰め作業が終了し、作業終了の箱5は排出コンベア115から製品搬送コンベア116を介して所定の製品集積場所まで搬送される。
【0070】
他方、次の箱詰め作業として、箱詰め位置114への空箱5の供給、箱詰めレーン231にトマトPを載せたフリートレイ4の所定個数の送り込み、一列づつのトマトの吊り上げ・箱詰め、の一連の作業が行われる。なおこの際、箱詰めを大きさLのトマトについて行う場合には、図4の左側から2番目の吸着子吊体247も左端の吸着子吊体247と同様の退避状態に退避させることが必要になり、またトマトの詰め状態を千鳥状態とすることもできる。本例の装置では、これらの変更制御も、左から2番目のエアシリンダ装置2471を作動させるだけで該2番目の吸着子吊体247を退避させることができ、また配列パターンの変更についても一列毎にエアシリンダ装置2442を作動させて吸着子吊持具244を図4の左右方向に移動させ、かつパンタグラフ機構2447の作動を調節するだけで極めて簡単に行うことができる。
【0071】
以上説明した本例は、箱詰めする配列パターンを20玉(個)の場合と、24玉(個)の場合についてのものであるが、箱詰めの配列パターンはこれらに限定されるものではない。
【0072】
本例のトマトの箱詰装置は、トレー(容器)プール部23に一列に停止・待機されている所定個数のフリートレー4上のトマトを、吸着子3を用いた傾斜状態で吸着保持し、傾斜姿勢で待機されている箱容器に箱詰めするようにしているので、見栄えのよい詰め状態で箱詰めすることができ、しかも球塊状のトマトを一列づつ移載して箱詰めしても、箱容器を傾斜させているので移載後に転がるという問題を招くこともないという利点が得られる。しかも本例のトマトを傾斜して吸着保持するための機構は、吸着子3にリブ部304を設けたというだけであるから、極めて簡単な構成で上記した優れた利点を満足することができる。
【0073】
また、トマトがフリートレー4と共に持ち上げられてしまうというという不具合も、係合ブラケット12により確実に阻止でき、浮き上がったトレーが落下することに伴う周辺装置の損傷防止、トマトの損傷防止、箱詰めの作業の中断解消、移載後のフリートレー4の送出不良の解消などの利点もある。
【0074】
また本例の前記吸着子3、及び係合ブラケット12は可動部分のない一体のものであるから、保守点検も特に必要ないという利点もある。
【0075】
実施形態2
図11に示した本例は、水平姿勢で待機されている箱容器5の内部に、波状のトレイパック51により4列(紙面の奥行き方向については例えば5行等の複数行)の物品挿入用凹部52を形成し、この各物品挿入用凹部52の傾斜した底面53の上に各一個宛に菓子54を箱詰めする例を示している。
【0076】
そして、本例の箱詰装置は、吸着子吊持具244がその下部に一つの固定吸着子吊体246と三つの移動吸着子吊体247を有し、吊体のピストンロッド2462,2472の下端に中空ブラケット2463,2473を介して吸着子3が組付けられていることを特徴の一つとし、もう一つの特徴は、該吸着子3が、一列の同じ列方向に向いて上下収縮規制のためのリブ部304を備えたものであるところにある。その他の構成は実施形態1と同じである。
【0077】
このような構成の箱詰装置を用いることにより、箱5に嵌挿したトレイパック51の物品挿入用凹部52の傾斜した底面53上に、一列毎に菓子を傾斜した姿勢で箱詰めすることができ、しかも上記実施形態1と同様に、傾斜して菓子54を吸着保持するための機構は、吸着子3にリブ部304を設けただけであるから、極めて簡単な構成で傾斜姿勢での箱詰めを行うことができる。
【0078】
実施形態3
図12及び図13に示した本例は、細長い形状の青果物であるナス61を箱詰めするための箱詰装置を示したものであり、本例では、搬送の幅方向に対して3列に載置部が仕切られたコンベア62(あるいはフリイトレイでもよい)に対して、前記した吸着子3を下端に有する3個(紙面の奥行き方向については例えば5行等の複数行)の吸着子吊体246,247を備えた吸着子吊持具244を、これに設けられているパンタグラフ機構(図示せず:図4の2447)により隣接間隔を広げた状態(図12参照)で降下させて傾斜姿勢で吸着保持し、次に吸着子吊持具244を、箱詰め位置に待機されている箱容器5の上に図の矢印方向の移動で移行させると共に、パンタグラフ機構で隣接する列方向の吸着保持したナス61の間隔を狭めて図13に示した傾斜重なり状態で箱詰めするようにしたことを特徴とする。その他の構成は実施形態1と同じである。なお傾斜重なり状態というのは、ナスの一部が隣接するナスの上に乗って傾斜した状態をいう。
【0079】
本例によれば、本例のナス61のように比較的細長い青果物を、マトリックス状(縦横の行列が3×5)に吸着吊持して、その吸着子3の保持間隔を狭めるだけで、水平姿勢で待機されている箱容器5に対し一括して傾斜重なり状態での箱詰めを実現することができるという特徴が得られる。このようなマトリックス状でかつ傾斜重なり状態での一括箱詰めは、本例で用いている吸着子3自体に吸着保持姿勢を傾斜させることができるものにおいて可能であるが、吸着子の周囲に当て片を設けるような方式では、マトリックス状に集積したナスを密集させることが当て片の存在により困難である。
【0080】
実施形態4
図14に示した本例は、実施形態3でマトリックス状にナス71を移載したことに代えて、一列(紙面の奥行き方向に列状)毎にナス71を箱72に移載して傾斜重なり状態で箱詰めするようにしたことを特徴とする。その他の構成は実施形態1と同じである。なお本例においては、列毎の移載で傾斜重なり状態での箱詰めを行うために吸着子3の吸着保持によるナスの傾斜方向は、列方向とは直角な方向している。
【0081】
本例によれば、水平姿勢で待機されている箱容器5に対して傾斜重なり状態での箱詰めができる。
【0082】
なお、本発明は以上の実施形態のものに限定されるものではなく、例えば特開平7−187123号公報で開示している長物野菜の箱詰装置の吸着子として本発明の吸着子を適用することももちろんできる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、物品を傾斜して吸着吊持する機能を有する吸着子を極めて簡易な構成として得ることができ、またこの吸着子を用いた箱詰装置を構成が簡単で安価に提供できるという効果が奏される他、以下の効果が奏される。
【0084】
請求項1の発明によれば、水平姿勢で待機されている物品を傾斜姿勢で吸着保持することができる。
【0085】
また、吸着保持した物品を所定の移載位置に移動して後、物品を吊り下ろして負圧作用を解除すれば、吸着子の変形が戻って吸着を解除することができ、この際、物品を吊り下ろした面が水平面であれば水平の姿勢で吸着を解除できるし、吊り下ろした面が吸着保持の傾斜姿勢と略一致した傾斜面であればその傾斜面に沿った姿勢で吸着を解除できる。
【0086】
らに、収縮規制手段を設けた部分の下端を中心として物品の傾斜を一定化し、また安定化して与えることができる。
【0087】
求項の発明によれば、物品を傾斜して吸着保持するための収縮規制手段を筒体の上部側に限定して設け、下部側の全周は易変形性部分としたので物品との密着性を確保するのに適した構造の吸着子を提供できる。
【0088】
求項の発明によれば、ゴム,合成樹脂等の型成形時に同時に収縮規制部分を形成させることができるので、吸着子としての機能に加えて物品の傾斜吸着保持機能を併せ有する吸着子を単品として量産できる。
【0089】
求項の箱詰装置の発明によれば、吸着子吊持具が吸着子を一列に有する場合には、一列の物品を一定方向に傾斜させた状態でプール部から吊り上げ、箱容器に移動して吸着解除することで一括して移載することができ、箱詰めした球塊状の物品の転がりを招くことがなく、これを繰り返すことで縦横の行列で所定の個数の物品を箱詰めすることができる。
【0090】
また吸着子吊持具が吸着子を縦横に行列した状態で有する場合には、複数の物品を一括して移載し箱詰めすることができる。
【0091】
請求項5、6の発明によれば、傾斜した箱容器に、傾斜して吸着保持した物品を一括してあるいは列毎、更には一つつ箱詰めすることができる。また一つ一つの物品の挿入用凹部がそれぞれ独立した傾斜底面をなすようにトレイパックの嵌挿などによって形成されている箱容器を用いる場合では、各凹部毎に傾斜底面に一致した姿勢で物品を安定,確実に挿入,箱詰めできる。
【0092】
求項7の発明によれば、一括して移載する物品を傾斜重なり状態として一度に箱詰めすることができる。
【0093】
求項8の発明によれば、前記の一括箱詰めの場合と同様の物品の傾斜重なり状態での箱詰めを、一列毎の移載で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明よりなる実施形態1の吸着子の構成を、球塊状青果物を吸着保持するために適用した状態を示した斜視図。
【図2】同実施形態1の吸着子を用いた青果物箱詰装置の概要を示した平面図。
【図3】図2の箱詰装置の正面図。
【図4】図2の箱詰装置の吸着子吊持手段により、球塊状の青果物を一列に吊り上げた際の状態を示した側面図。
【図5】図4の正面図。
【図6】図4のパンタグラフ機構を説明するための平面図。
【図7】図4の吸着子吊持手段の各吸着子間の間隔をパンタグラフ機構により狭くした状態を示した側面図。
【図8】実施形態1における吸着子への負圧,正圧の供給系統、およびエアシリンダ装置への圧力エアの供給系統を示した系統図。
【図9】傾斜姿勢で吸着保持した青果物を、斜めに傾斜して待機させた箱容器に箱詰めする状態を説明するための図。
【図10】図9の一部拡大図。
【図11】本発明の実施形態2を示し、各受入れ部がそれぞれ傾斜した底面をなすトレイパックを嵌挿した箱容器に傾斜姿勢で吸着保持した青果物を縦横の行列した状態で一括に箱詰めするようにした箱詰装置を説明するための図。
【図12】本発明の実施形態3を示し、プール部に3個整列して待機されたナスを3個の吸着子を有する吸着子保持具で一括に吊り上げる状態を説明する図。
【図13】図12で示した3個のナスを箱容器に傾斜重なり状態で箱詰めする際の状態を示した縦断面図。
【図14】本発明の実施形態4を示し、一列づつナスを移載して傾斜重なり状態で箱詰めする状態を説明する図。
【図15】球塊状青果物を移載した場合に箱内で転がりを招くことがあることを説明するための図。
【符号の説明】
1・・・搬送コンベア、21 ,22 ・・・分岐箱詰ライン、3・・・吸着子、4・・・フリートレイ、5・・・箱(段ボール箱)、6・・・ブロアー、7,8・・・切換弁、9・・・リリーフ弁、10・・・電磁弁、11・・・段ボール箱の供給・排出装置、12・・・係合ブラケット、
21・・・排出装置、
211・・・回転テーブル、
212・・・電磁吸着部、
213・・・励磁手段、
214,215・・・励磁解除手段、
22(221 ,222 )・・・分岐コンベア、
221・・・主レーン、
222・・・補助レーン、
223・・・ストッパ機構、
23・・・容器プール部、
231・・・箱詰レーン、
2311・・・ベルトコンベア、
2312・・・ガイド壁、
232,233・・・送り込みレーン、
234・・・ストッパ機構、
235・・・搬出コンベア、
236・・・戻りコンベア、
24・・・作業ロボット、
241・・・本体、
242・・・根元リンク機構、
243・・・先端リンク機構、
244・・・吸着子吊持具、
2441・・・レール、
2442・・・エアシリンダ装置、
2443・・・ピストンロッド、
2446・・・サーボモータ、
2447・・・パンタグラフ機構、
2449・・・プーリ、
245・・・ブラケット、
2451・・・ブラケット底部板、
246・・・固定吸着子吊体、
2461・・・エアシリンダ装置、
2462・・・ピストンロッド、
2463・・・中空ブラケット、
247・・・移動吸着子吊体、
2471・・・エアシリンダ装置、
2472・・・ピストンロッド、
2473・・・中空ブラケット、
248・・・通気管、
111・・・空箱搬送コンベア、
112・・・プッシャー、
113・・・空箱降下装置、
114・・・箱詰め位置、
115・・・排出コンベア、
116・・・製品搬送コンベア。

Claims (8)

  1. 下方向に易変形性のベローズ型又はカップ型構造をなす弾性材料からなる筒体を有し該筒体の上方側からの負圧供給により該筒体の下端開口に密着した物品を吸着保持する吸着子において、
    前記筒体の上下方向の収縮を規制する収縮規制手段を該筒体の周方向の一部に設け、前記筒体の下端開口の上方への縮みを該収縮規制手段を設けた部分に対し、該収縮規制手段を設けていない他の部分を大きくしたことを特徴とする物品吊持用の吸着子。
  2. 請求項において、前記収縮規制手段は、前記筒体の上下方向の上部側に限定して設けられ、下部側は全周が易変形性部分に構成されていることを特徴とする物品吊持用の吸着子。
  3. 請求項又はにおいて、前記収縮規制手段は、弾性材料からなる前記筒体と一体に収縮規制部分として型成形したものであることを特徴とする物品吊持用の吸着子。
  4. 複数の物品を整列して待機させるプール部と、物品が詰められる箱容器を開口状態で待機させる箱待機部と、プール部に待機された物品を複数の吸着子に各一個宛て吸着保持して吊り上げると共に、箱待機部に移動して箱内に挿入し吸着を解除する吸着子吊持具と、前記物品のプール部と箱待機部の間で該吸着子吊持具を移動させる吸着子吊持具移動手段とを備え、前記吸着子吊持具は、その下部に一列又は縦横に行列して前記請求項ないしのいずれかの吸着子を複数有すると共に、これら各吸着子の筒体に設けた収縮規制手段が周方向の一定位置に揃えられていることを特徴とする箱詰装置。
  5. 請求項において、前記箱待機部は、水平面に対して箱容器を傾斜して待機させることを特徴とする箱詰装置。
  6. 請求項4において、前記箱容器は、各物品の挿入用凹部がそれぞれ独立した傾斜底面をなすものであることを特徴とする箱詰装置。
  7. 請求項において、前記吸着子吊持具は、その下部に縦横に行列して複数の前記吸着子を有していると共に、前記箱容器に物品を挿入する前に吸着子間の間隔を狭くして物品を傾斜重なり状態で箱詰するものであることを特徴とする箱詰装置。
  8. 請求項において、前記吸着子吊持具は、その下部に複数の前記吸着子を一列に有していると共に、該列方向とは直角な方向に物品を傾斜させるように前記収縮規制手段の周方向位置が揃えられて構成され、該吸着子吊持具を移動させる前記吸着子吊持具移動手段は、列単位の物品の吸着保持及び吸着解除を所定回数行って前記箱容器内に挿入する物品を傾斜重なり状態で箱詰するものであることを特徴とする箱詰装置。
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