JP3752311B2 - 農産物の移載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は農産物の移載装置に関し、例えば容器に農産物を載せてベルトコンベア等の搬送手段の上を搬送しながら階級,等級を測定して、所定の階級,等級別に分けて箱詰する農産物の選別箱詰設備に用いられる農産物の移載装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、リンゴ,柿,梨,トマト,茄子,胡瓜等の農産物を階級,等級別に選別して箱詰包装出荷する選果場等の選別設備については、ベルトコンベア等の搬送手段に対してフリー(拘束されてない)な容器の上に農産物を載せて搬送しながら階級,等級を測定し、所定の階級,等級別の箱詰位置に対して農産物をこの容器ごと排出して整列させ、吸着カップ等の吊持手段で農産物を容器から取り上げて箱詰する方式のものが知られている(特開平3−256820号公報、特開平4−352618号公報)。このような方式の農産物の選別に用いられる前記容器は、チェーンコンベアにバケット型容器が連結されたバケット式コンベアに比べ、搬送手段との間で拘束されていない関係をもっていることからフリートレーと呼ばれる場合が多く、このような選別装置をフリートレー式選別装置という。
【0003】
このようなフリートレー式選別装置は、農産物は単に容器の上に載っているだけで、搬送手段と接触するのはフリートレーであるから特に傷み易い農産物を選別する場合に極めて適しているという特徴があるため、多くの農産物の選別用として近時広く普及しつつある。
【0004】
また、このようなフリートレー式選別装置で用いられるフリートレーでは、これに載せる農産物の姿勢を一定に、かつその姿勢を安定に保てることが求められる。これは搬送による振動や容器同士の衝突により特にリンゴやトマト等の球形状農産物は転がることがあるので、階級,等級の要素を計測するためにヘタの向きを揃えた一定の姿勢としたり、吸着吊持方式の箱詰装置等では吸着し易い姿勢に揃えておくことが必要となるからである。
【0005】
そこで例えば実公昭7−37746号公報等のように上面凹部をすり鉢状に形成したり、更にそのすり鉢状の下り傾斜面に農産物を保持するためのクッション材を設けたフリートレーが提案され、実施に供されている。このような形状のフリートレーによれば農産物はそのすり鉢状の凹部にはまり込み、一定の姿勢で安定して搬送される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、上面の凹部に農産物を載せて搬送するようにしたフリートレーでは、すり鉢状の部分に農産物がはまり込んで安定し、搬送中に農産物が動かないため、計測や吸着吊持の際に都合が良いという利点が得られるが、反面において、形状も含水分等の性状も一定でないのが普通である農産物を対象としているために次のような問題が知見された。
【0007】
すなわち、吸着カップ等の吊持手段で農産物を吊り上げる際に、吊り上げた農産物と共にフリートレーが一緒に持ち上げられてしまうことが希に発生するという問題である。
【0008】
これは農産物がフリートレーのすり鉢状の凹部にくさび状にはまり込んでしまい、この農産物が容易に分離しない状態となっていることが原因と考えられる。また吸着吊持方式では、吸着カップを農産物に対して上から押下するように操作される場合もあることや、農産物に付着した水分,汁,汚れなどによってフリートレーの表面が粘着状態となることがあるという問題もその原因の一つとして考えられる。
【0009】
このような現象は希ではあるが、これが発生すると、持ち上がった(浮き上がった)フリートレーが途中で落下して周辺装置を損傷したり、周囲の農産物を傷めるという不具合を招くことがある他、落下時に農産物が共に落下してしまうこともあって適正な個数を箱詰できないとか、持ち上がったフリートレーにより箱詰操作自体が阻害されるという問題がある。
【0010】
これに対処するために作業者が監視するようにすれば問題は避けられるが、これでは省力化できないため装置の自動化の意義がない。更に、このようなトラブル発生により装置の稼働率が低下し、処理速度の低下を招き、フリートレーがわずかに浮き上がっただけでも農産物取り出した後のフリートレーの位置,姿勢が乱れて排出が円滑にできない場合もあるなどの様々な不具合を招くことになる。
本発明は、以上のような従来の問題点を解消して、いわゆるフリートレーと呼ばれる容器で搬送される農産物の移載、特に箱詰装置として用いる場合の該容器の浮き上がりを確実に防ぐことができる移載装置の提供を目的としてなされたものである。
【0011】
また本発明の別の目的は、上記の確実な容器浮き上がりの防止を通じて、装置の稼働効率の向上、処理の迅速化が実現できる移載装置を提供するところにある。
【0012】
本発明の更に別の目的は、上記の確実な容器浮き上がりの防止を通じて、移載装置でのトラブル発生をなくし、これによって監視のための作業員を不要として省力化を実現できる移載装置を提供するところにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成する本発明よりなる農産物の移載装置の特徴は前記特許請求の範囲の各請求項に記載したところにある。
【0014】
本願の請求項1に記載した発明は、農産物を載せるための載置部を有する容器と、前記容器を搬送面上から取り除き可能な状態で搬送する搬送手段と、前記搬送手段から排出される複数の容器を一列又は複数列に整列させる容器プール部と、前記容器プール部で整列した複数の容器から一列又は複数列の農産物を一括に取り上げて所定の移載先に移動させる農産物移載手段と、前記農産物移載手段による農産物の一括取上げ時に各容器が搬送手段の搬送面上から離間して浮き上がることを防ぐ容器浮き上り防止手段と、を備え、前記容器浮き上り防止手段は、一列に整列して所定位置に停止した状態の前記複数の容器に対応して前記搬送手段の搬送方向両側に対を成して配置され、該容器に係合して当該容器の上方への移動を規制し、且つ前記搬送手段の搬送方向への移動を許容する係合部材により構成したことを特徴とする。
【0015】
前記構成における容器は、平面円形,平面矩形等の硬質材料からなる皿状の受皿本体と、その上面中央部にゴム等の軟質材料で一つの農産物を受け入れる凹部を形成した構成のもの、一般的にはフリートレーと呼ばれるものを例示することができるが、これに限定されるものではなく、例えば複数の農産物を載せるものであってもよいし、農産物を安定載置できれば凹部がないものでもよい。搬送手段は、ベルト式,コロ式,小幅スラット連設式など既知の搬送手段のいずれを用いることもできる。容器プール部は、限定されるものではないが農産物を箱詰するために容器を列状に待機させる部分として設ける場合を代表的に例示でき、農産物の選別箱詰装置にこの発明が適用される場合には、農産物の階級,等級の測定装置及びこの測定結果に基づいて農産物を仕分ける仕分け装置によって、搬送手段から仕分け装置に排出する位置に連結された箱詰位置に設けられる。農産物移載手段は、代表的には農産物を負圧吸引する吸着カップを有する吸着吊持方式の装置を挙げることができるが、これに限定されず、把持式等の他の吊持方式のものであってもよい。
【0016】
この発明によれば、列状あるいは複数列(マトリックス等)状に容器プール部に待機された複数の容器から農産物を一括して取り上げる際に、容器が農産物と共に浮き上がることが防止できる。
【0017】
本願の請求項2の発明は、農産物を載せるための載置部を有する容器と、前記容器を搬送面上から取り除き可能な状態で搬送する搬送手段と、前記搬送手段の途中又は終端位置に設けられた農産物取り上げ位置と、前記農産物取り上げ位置において一又は複数の容器から各農産物を取上げて所定の移載先に該農産物を移動させる農産物移載手段と、前記農産物移載手段による農産物の取上げ時に容器が取り上げ位置から離間して浮き上がることを防ぐ容器浮き上り防止手段と、を備え、前記容器浮き上り防止手段は、一列に整列して所定位置に停止した状態の前記複数の容器に対応して前記搬送手段の搬送方向両側に対を成して配置され、該容器に係合して当該容器の上方への移動を規制し、且つ前記搬送手段の搬送方向への移動を許容する係合部材により構成したことを特徴とする。
【0018】
この発明は、搬送手段から分岐した径路に容器を排出する方式の前記請求項1の構成とは異なり、搬送手段の途中又は終端において、容器から農産物を取り上げて所定の移載先に移す構成としたものであるが、この場合にも前記と同様の作用が得られる。
【0020】
前記構成における係合部材は、例えば、農産物の取上げ操作に支障がないように、浮き上がりを阻止したい容器の上面縁部付近がぶつかる小さな突起や複数の容器に共用されるレールを例示することができる。また係合は容器の上面に限定されず、容器側面であってもよいし、このために容器側面に凹部を形成してもよい。
【0021】
この発明によれば、容器の浮き上り防止のための構成を機械的な係合のものとして簡単な構造で形成でき、また稼働部分がないので耐久性に優れ、保守も容易である。
【0028】
本願の請求項3の発明は、前記の各構成において、前記係合部材は、前記農産物移載手段により農産物を一括取上げする複数の容器を対象として各容器毎に独立して設けたことを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、箱詰に不適な農産物を発見した容器を浮き上り防止手段の位置からずらせるだけで手作業で容器ごと取り除くことができる。
【0030】
本願の請求項4の発明は、前記の各構成において、農産物を取り上げて所定の移載先に移動させる農産物移載手段は、農産物の取上げ手段として農産物を負圧吸引する吸着カップを有することを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、農産物移載の最も代表的な農産物箱詰操作で汎用されている吸着吊持方式において、シール漏れを防止した確実な吸着吊持のために農産物にゴム製蛇腹形状の吸着カップを上方から押し付ける結果として生ずる不具合が解消される。すなわち、吸着吊持方式では、前記のシール漏れ防止のために上から農産物を押し付けるため、本来は農産物を傷めないため柔らかい材料で作られている受皿(容器)凹部にこの農産物が抜けにくい状態で嵌り合うことがある。これを放置すれば農産物を吊り上げたときにその嵌り合い関係のまま該受皿が浮き上がってしまい、箱詰操作を邪魔することになったり、途中で受皿が落下して周辺装置や他の農産物を傷めてしまうが、この発明によれば、吸着吊持方式に特有の操作に伴ったかかる問題を確実に解消できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示した実施形態に基づいて説明する。
【0033】
実施形態1
図1は、本発明の農産物移載装置を採用した選別箱詰装置を平面図で示したものであり、後述の説明から分かるように、農産物Pを載せた容器としてのフリートレイ4を(図2,3参照)、搬送コンベア1上で搬送させながら、途中に設けた計測装置3により所定の計測(本例では説明の便宜上階級要素の「大きさ」を計測するものとして以下説明するが、これに限定されず、等級,階級の一つ又は複数の要素で計測して仕分け選別するものであってもよい)を行い、この計測結果に基づいて仕分けすべき等階級がコンピュータ等を用いて判別され、図1に示すように搬送コンベア1から横方向(図の下方)に接続された階級別の分岐箱詰ライン21 〜28 の分岐コンベアに、該当する階級の農産物を載せたフリートレイ4を排出させるようになっている。
【0034】
本例における上記の分岐箱詰ライン21 〜28 は、仕分け選別される等・階級が異なる他は共通の構成を有しているので、以下一つの分岐箱詰ライン2について説明する。
【0035】
上記の分岐箱詰ライン2(例えば21 )は、図3に示すように、搬送コンベア1からの排出装置21、分岐コンベア22(図1参照)、箱詰めのために設定された容器プール部23、トレーパックの積載部24、及び箱詰装置としての作業ロボット25からなっている。以下これらについて説明する。
【0036】
上記の排出装置21は、例えば特開平6−278848号公報で開示されている仕分け排出装置を用いて構成することができ、本例では、排出農産物の量が多い場合を考慮して分岐コンベア22を二レーン221,222に設けて、これらの二レーンにフリートレイ4を振り分けできるように構成されている。すなわち、上記排出装置21は、外周部の内側に周方向に沿って等間隔に多数の電磁吸着部212を有していてかつ図3の矢印方向に回転する回転テーブル211と、搬送コンベア1上からフリートレイ4を分岐箱詰ラインに排出するために該フリートレイ4を転向させるべく、所定の位置で回転テーブル211に周状に配置された電磁吸着部212の一つを励磁させる一つの励磁手段213と、上記の二レーンにフリートレイ4を振り分けるために所定の2カ所の位置に固定して設けられた該電磁吸着部212の励磁解除手段214,215とから構成されている。
【0037】
以上の構成により、例えば計測装置3で計測した結果に基づき図3に示した特定の分岐箱詰ライン2の階級(例えば大きさL)に選別された農産物Pを載せたフリートレイ4が、図3の左側の排出装置21の位置を通過する際に、コンピュータ等の制御手段(図示せず)からの指令により上記励磁手段213が励磁されることで、該当するフリートレイ4は電磁吸着部212をもつ回転テーブル211に磁気吸着され、該回転テーブル211の回転に従って搬送コンベア1上から横方向(図の下方)に排出されることになる。そして、制御手段からの指令により励磁解除手段214,215のいずれかを作動させることで上記吸着を解除し、排出したフリートレイ4を二レーン221,222のいずれかに送り込む。この振り分けは均等であってもよいが、本例では右側のレーン221を主レーンとし、この主レーンがいっぱいとなったときにだけ左側の補助レーン222にフリートレイ4を送り込むようにしている。また本例では、図3の右側に図示した排出装置21が、例えば大きさMの階級の農産物Pを載せたフリートレイ4を排出するために設置されており、したがって図3の分岐箱詰ライン2は、右側が大きさMの階級の農産物の箱詰め用、左側が大きさLの階級の農産物の箱詰め用として設けられていることになる。
【0038】
次に分岐コンベア22について説明すると、本例のこの分岐コンベア22はベルトコンベアあるいはローラコンベアなどにより構成されていて、排出されたフリートレイ4を下流側に搬送するようになっている。また、上述のように一つの排出装置21に対して二レーン221,222が各々一列にフリートレイ4を集積するように設けられていて、かつ、二レーンのうちの右側を主レーン221として、この主レーン221の集積がいっぱいとなるまでは該主レーン221にフリートレイ4が送り込まれるようになっている。また各レーン221,222の搬送終端位置には、フリートレイ4を停止させるためのストッパ機構223が配置されていて、通常はフリートレイ4の搬送を停止させるように作用し、図示しないセンサによって、集積されたフリートレイ数が所定の個数(後述の箱詰め作業で一度に取上げられる個数)が集積したことが検出されると、後段の箱詰め作業の進行状況に応じて制御手段からの指令に基づいて搬送を許す状態に切換えられて該所定個数のフリートレイ4を箱詰め位置に送り込み、該所定個数の送り込みの後、後続のフリートレイ4の送り込みを再び停止させるように、該ストッパ機構223は搬送停止状態に復帰される。このようなストッパ機構223は例えばストッパ板とシリンダ装置等を組み合わせて構成することができる。
【0039】
次に容器プール部23について説明すると、本例のこの容器プール部23は、上記レーン221,222から送り込まれる所定個数のフリートレイ4を、箱詰めのために一列に整列させて停止させる箱詰めレーン231として構成されている。
【0040】
すなわち、本例においては図3の右側の排出装置21から連なる分岐コンベア22の主レーン221の終端から直線的に連続するように送り込みレーン232が設けられると共に、これに隣接する補助レーン222の終端からのフリートレー4や、図3の左側の排出装置21に連なる二つのレーン221,222の終端から送り出されるフリートレイ4を上記送り込みレーン232に連続させる直角レーン233が設けられ、これにより、所定のレーンから所定個数だけ送り出されたフリートレイ4は、容器プール部23である箱詰めレーン231上に送り込まれることになる。
【0041】
送り込まれた所定個数のフリートレイ4はストッパ機構234により停止され、箱詰め待機状態とされる。なおこのストッパ機構234は、上記ストッパ機構223と同様に構成することができ、農産物の取上げ終了時点(ないし取上げ後の送り出しに支障のなくなった時点)で搬送阻止を解除する状態に切換えられて搬出コンベア235へ空のフリートレイ4を送り出し、所定個数の送り出し後、後続のフリートレイ4を再び停止させる状態に復帰される。図2,図3の236は、空フリートレイ4の戻りコンベアである。なお以上の各レーンはそれぞれベルトコンベアあるいはローラコンベア等により構成される。
【0042】
そして本例の特徴は、上記容器プール部23において、フリートレー上の農産物を吸着吊持装置で取り上げて移載箱詰めする際に、フリートレー4が浮き上がることを確実に防止できる容器浮き上がり防止手段が設けられているところにあるが、これについては後に詳細に述べる。
【0043】
24はトレイパックの積載部である。本例では、農産物Pを一つづつ載せる凹部がマトリックス状あるいは千鳥状に形成されている薄肉プラスチック製のトレイパックを段ボール箱5に嵌挿して、農産物箱詰め用容器として用いるようにしており、このために上記トレーパック積載部24から、吸着吊持手段である作業ロボットによりトレイパックを一つづつ取り上げて段ボール箱に嵌挿するようになっている。
【0044】
本例におけるトレイパックの積載部24は、図2及び図3に示すように、上述した容器プール部23としての箱詰めレーン231と送り込みレーン232,233で囲まれた空間の上部に、二群の積層したトレイパック242,243を載置する回転受台241、載置した積層トレイパックを支える支持枠244、回転受台241を180°回転させる回転器245とから構成されていて、取上げて段ボール箱5に嵌挿するトレイパックの積層体を箱詰めレーン231側に位置させるように、制御手段(図示せず)からの指令によって、図示状態と図3の矢印で示した180°回転させた状態との間で回転器245による回転を行わせるようになっている。本例では、トレイパック242は大きさLの農産物を千鳥状に20個(玉)箱詰めするために用いられるものとして示し、トレイパック243は大きさMの農産物Pをマトリックス状に24個(玉)箱詰めするために用いられるものとして示した。
【0045】
次に、箱詰装置としての作業ロボット25について説明すると、本例のこの作業ロボット25は、垂直多関節型のアーム機構を有する作業ロボットとして構成されており、上記容器プール部23の箱詰めレーン231に一列に整列待機された所定個数のフリートレイ4の上から、一列の農産物Pを取上げ、上記トレイパック242(又は243)を嵌挿した段ボール箱5に一列づつ順次に詰めるように動作する。そして本例のこの作業ロボット25は、トレイパック242に大きさLの農産物Pを詰める場合には5個×4列(計20個)を取上げるが、トレイパック243に大きさMの農産物Pを詰める場合には6個×4列(計24個)を取上げる必要があり、取上げ個数が異なることに対応できるように、一部の吸着カップが取上げに関与しない退避状態の位置に退避できるように設けられているという特徴的な構成を有している。
【0046】
すなわち、本例の作業ロボット25は、本体251から平行四辺形リンクモーションを行う根元リンク機構252が延出され、この根元リンク機構252の先端に水平軸回りの回転を許すヒンジを介して、平行四辺形リンクモーションを行う先端リンク機構253を連結し、更にこの先端リンク機構253の先端に吸着カップホルダー254(図4参照)をブラケット255を介して連結して構成され、これらのリンク機構で構成されたアーム機構により、ブラケット255は常に水平姿勢を維持しながら上下,前後に移動できるようになっている。なお、根元リンク機構252には、本体251の前側の支持アーム252aの下端部に該支持アーム252aを前後左右に揺動させる駆動装置(図示せず)が設けられていると共に、本体251の後側の支持アーム252bの下端部には該支持アーム252bを上下方向に移動させる駆動装置(図示せず)が設けられていて、これら両者の支持アーム252a,252bの揺動及び上下動の組み合わせにより、先端リンク機構253の動作を制御するようになっている。
【0047】
上記ブラケット255は、図4及び図5に詳細に示したように、ブラケット底部板2551に設けた一対のガイド2552が、吸着カップホルダー254の上面に設けたレール2541と水平方向移動可能に滑合することで、該吸着カップホルダー254を図4のY−Y方向に移動可能に吊持し、かつ吸着カップホルダー254の上面に組み付けたエアシリンダ装置2542のピストンロッド2543が上記ブラケット底部板2551と連結されていることで、吸着カップホルダー254とブラケット255の上記Y−Y方向の位置が決められるようになっている。
【0048】
上記の吸着カップホルダー254は、本例においては、その下部に図4に示すように上記Y−Y方向に移動不能に固定された端の位置の一つの固定カップ吊体256と、該吸着カップホルダー254の下面に設けたレール2545に上記Y−Y方向について移動できるように滑合した6個の移動カップ吊体257との組合せを吊持するように設けられていて、これら計7個のカップ吊体は、いずれも上下駆動されるピストンロッド2562,2572を下方に有するエアシリンダ装置2561,2571を吊杆とし、そのピストンロッド2562,2572の下端に吸着カップ2563,2573を備えている。なおこの吸着カップは、取上げようとする農産物との密着性を高めるための柔軟なベローズを有する既知のもの用いることができる。
【0049】
また図4に示した計7個のカップ吊体には、サーボモータ2546を駆動手段としたパンタグラフ機構2547が間隔変更手段として設けられていて、固定カップ吊体256を基準として順次隣接する移動カップ吊体257の間隔を変更できるようになっている。
【0050】
すなわち、この間隔変更手段の作用の詳細は図6に示され、具体的に言えば、固定カップ吊体256とこれに対し最も離れた位置にある移動カップ吊体257の水平方向位置をサーボモータ2546により移動させるようにしながら、これらの一対のカップ吊体の間に存在する残りのカップ吊体の隣接間隔をパンタグラフ機構2547により均等化することで間隔変更と均等化が達成される。
【0051】
更にまた、吸着カップ2563,2573は、本例においては通気管258を介してブロアー6に接続されている。この吸着カップとブロアーの接続の関係は図7の系統図により示され、各吸着カップ2563,2573は、途中に切換弁7,8を介して通気管258によりブロアー6に接続されている。すなわち、切換弁7はブロアー6の吸引口に接続された通気管の途中に介設されていて、開路時には空気が通気管を介してブロアー6に吸引されるのでこの空気流によって吸着カップ2563,2573内が負圧となって農産物を吸引吸着し、その他の場合には閉路されて吸着カップ内の負圧を解除するようになっている。また切換弁8はブロアー6の吐出口に接続された通気管の途中に介設されていて、開路時にはブロアー6の吐出エア(正圧)を吸着カップ2563,2573に供給して、吸着している農産物Pを離脱させ、その他の場合には閉路されて正圧供給をやめるようになっている。なお9はリリーフ弁であり、ブロアー6から供給する正圧(吐出エア)の圧力を調整して農産物Pを傷めないように吸着カップからの離脱を適度に行わせる作用をする。なお、10はカップ吊体のエアシリンダ装置2561,2571に通気管2548を介してエアを供給する電磁弁である。
【0052】
本例の選果設備において設けられている周辺装置等について説明すると、11は段ボール箱5の供給・排出装置を示し、空箱搬送コンベア111で搬送された空箱5をプッシャー112で空箱降下装置113に所定のタイミングで押し入れ、押し入れられた空箱5は降下された後、図2及び図3で示した矢印に沿って箱詰め位置114に送り込まれるようになっている。また農産物Pの箱詰めが終了した段ボール箱5は、箱詰め位置114から図示しないエレベータで排出コンベア115まで降下され、製品搬送コンベア116により所定の製品集積場所まで搬送される。
【0053】
次に本例の特徴的な構成であるトレー(容器)浮き上がり防止装置について説明する。
【0054】
図8〜9に示した符号12は、容器プール部23の箱詰めレーン231に設けられたトレイ浮き上がり防止装置の係合ブラケットであり、箱詰めレーン231のベルトコンベア2311の両側ガイド壁2312の上面に一対に固設された上方への短柱121と、これら短柱121の上端に内向きに突出するように偏心して固設された円形板122とから構成されている。本例におけるこれらの係合ブラケット12は、容器プール部231にストッパ機構234で待機・停止された複数のフリートレー4に各一個宛となるように、各フリートレー4の停止位置に対応して各一対に設けられるという特徴的な構成をなしており、図8に示すように、各フリートレー4の停止状態において箱詰めレーン231の横方向(搬送方向に直角な方向)の直径線の位置に配置されている。このような構成をなすことにより、内向きに比較的短く突出するだけで、フリートレー4が浮き上がろうとした場合にこれに係合して浮き上がりを阻止できる。またフリートレー4の中心を搬送方向に離隔している係合ブラケット12の間に移動させることで該フリートレー4ごとこれを容易に上方に取り出すことができるので、箱詰めに不適な農産物が紛れ込んでいるような場合に、これを除去することが簡単にできる。
【0055】
本例によれば、上記の係合ブラケット12からなるトレイ浮き上がり防止装置により、農産物Pを吸着カップ2563で吸着して取上げる際にフリートレイ4が一緒に持ち上がることを確実に防止できる。
【0056】
すなわち、フリートレイを用いる農産物の仕分け選別装置では、農産物を傷めることなくかつ安定して載置できるようにするために軟質なゴム材等をすり鉢状に形成した凹部を有するように形成するのが普通であり、また所定の等級要素,階級要素の測定のために凹部の中央に上下貫通した開口を設けることも多い。これらのことから、載置される農産物Pがフリートレイ4の凹部に密に嵌着して抜けにくくなることがある。そして、本例の吸着カップ2563を用いる吸着吊持方式の箱詰め装置では、フリートレー4上の農産物Pを取上げる(吊り上げる)際に農産物を下方に若干押下する傾向があり、このために密な嵌着がより強まって外れにくくなり、トレイ4が農産物Pと一緒に浮き上がる場合が稀にあるが、本例においては、上記のようにトレイ浮き上がり防止のための係合ブラケット12を設けているので、この不具合を確実に解消できる。
【0057】
したがって、浮き上がったトレイ4による箱詰め不良、トレイ4が途中で落下することによる他の農産物Pの損傷、周辺装置の故障等を防止でき、また若干の浮き上がりだけでも、容器プール部23でのトレーの整列状態が乱れてその後の搬出コンベア235への送出不良を招くことがあるが、この問題も防止できるという利点がある。
【0058】
なお、本例における係合ブラケット12は、7個×4列の28玉用まで箱詰めする場合のあることに対処するために、一列7個の一括移載の待機状態にあるフリートレー4の浮き上がりを防止できるように、図3に示すように間隔を空けた所定の位置に7対設けられている。
【0059】
以下、以上の構成を有する選果設備による農産物Pの箱詰め作業について説明する。
【0060】
農産物Pがフリートレイ4に載った状態で搬送コンベア1を搬送されながら計測装置3で階級要素の大きさについての計測が行われ、この計測情報に基づいて大きさLと判定された農産物Pを載せたフリートレイ4は、図3の左側の排出装置21により分岐コンベア22の主レーン221に送り込まれて集積される。また大きさMと判定された農産物Pを載せたフリートレイ4は、図3の右側の排出装置21により分岐コンベア22の主レーン221に送り込まれて集積される。主レーンがいっぱいになった場合は余剰分は補助レーン222に送り込まれることは上述した通りである。なおこれらの各レーンの終端に配置されているストッパー機構223はいずれもフリートレイ4を停止させる状態にある。
【0061】
このようにして主レーンに集積されたフリートレイ4の数は図示しないセンサーにより計数され、図3の場合で言えば、稼働初期においては、主レーンに一つの段ボール箱5に箱詰めする際の一箱分が集積された時点でその終端のストッパー機構223を退避させ、送り込みレーン232,233を介して箱詰めレーン231までその一箱分のフリートレイ4を送り込んで箱詰め待機状態で停止される。具体的には、図3の右側の排出装置21に連なる主レーン221に24個のフリートレイ4が集積された場合にはストッパー機構223を退避させて大きさMの農産物を載せたフリートレイ4が箱詰めレーン231に送り込まれ、他方、図3の左側の排出装置21に連なる主レーン221に20個のフリートレイ4が集積された場合にはストッパー機構223を退避させて大きさLの農産物を載せたフリートレイ4が箱詰めレーン231に送り込まれる。なお、これらのいずれのレーンからのトレイ送り出しを優先させるかは適宜の制御思想に基づいて決めることができるが、図示しないセンサーカメラによって先に所定個数の計数が得られたレーンを優先させるのが一般的である。
【0062】
図3に示した状態は、大きさMの農産物を集積したレーン221からフリートレイ4の一箱分(24個)を箱詰めレーン231に送り込んだ状態を示している。
【0063】
なお、一箱分の送り出しの次に送り出す農産物を、大きさLのものとするか又は大きさMのものとするかは、上記センサーカメラ(図示せず)などから検出された情報に基づく集積速さの違いなどのコンピュータ解析によって箱詰処理を効率よく行うことができるように制御すればよい。
【0064】
以上のようにして一箱分の農産物Pに相当するフリートレイ4が送り込まれ、容器プール部23である箱詰めレーン231において待機されているフリートレー4上の農産物Pに対し、順次一列づつの箱詰め作業が多関節型の作業ロボット25により図2のように行われる。
【0065】
すなわち、供給・排出装置11により送り込まれた箱詰め位置114の空の段ボール箱5に対し、まず作業ロボット25は、図2の実線で示した位置・姿勢Aの状態で、24玉(個)用トレーパック243を吸着カップで取上げるようにアーム機構を動作させる。この際トレーパック積載部24の回転器245は、該24玉(個)用トレーパック243を箱詰めレーン231に近接した状態(図3の状態)に位置させておく。なお、トレーパック243の取上げは図10に示すようにカップ吊体256,257の間隔を狭くして行う。これによりトレーパックの取上げを確実にできる。取上げられたトレーパック243は、作業ロボット25のアーム機構を図2の2点鎖線で示した位置・姿勢Bに移動させて箱詰め位置114にある段ボール箱5に嵌挿される。なおこのトレーパック嵌挿作業は、箱詰めレーン231に送り込む農産物Pの階級が決まった時点で直ちに開始することが好ましい。
【0066】
以上により、箱詰め位置114にはトレーパック(上記状態例では大きさM用のトレーパック243)が嵌挿された段ボール箱5が待機し、箱詰めレーン231には農産物P入りのフリートレイ4が停止された状態にあり、農産物Pをフリートレイ4から箱に移載する作業ロボット25による農産物の箱詰め作業が開始される。
【0067】
この際、本例の作業ロボット25は計7個のカップ吊体(一個の固定型のカップ吊体256と6個の移動型のカップ吊体257)を有するのに対し吊持して取上げる農産物Pが6個であるため、1個分だけ余分のカップ吊体、すなわち固定カップ吊体256から最も離れた移動カップ吊体257の吸着カップ2573を、そのエアシリンダ装置2571で通常の農産物移載動作位置から上方に退避移動させ、農産物Pの取上げ、移載などの動作に関与できないようにする。この状態は図4に示される。また各カップ吊体256,257が上記箱詰めレーン231に待機・停止されている6個のフリートレイ4上の農産物Pを吸着吊持して取上げるのに適する位置,間隔が、エアシリンダ装置2542の作動及びパンタグラフ機構2547の作動によって与えられる。
【0068】
このように制御された6個のカップ吊体を有するアーム機構は図2の二点鎖線で示した位置・姿勢Cに移動され、吸着カップ2563,2573により一列6個の農産物Pを吸着し取上げる。なおこの取上げの際にフリートレイ4が一緒に浮き上がることは、上述したトレイ浮き上がり防止装置の係合ブラケット12により阻止されるため、農産物だけが確実に取り上げられる。
【0069】
次に取り上げられた農産物Pを吸着吊持する作業ロボット25は、アーム機構の姿勢を制御することによりカップ吊体256,257を箱詰め位置に移動させる。またこの移動の途中で、パンタグラフ機構2547の作動により一列のカップ吊体256,257の隣接間隔を箱詰めに適した状態に変更する。この変更した状態は図11に示される。農産物Pが取上げられた空のフリートレイ4は、ストッパ機構234が退避して搬出コンベア235へ送出される。この際、本例では上記のようにトレイ浮き上がり防止装置(係合ブラケット12)によってフリートレー4が箱詰めレーン231でその姿勢などが乱れることなく安定しているので、搬出コンベア235への送出不良を生ずることなくも送出が確実に行われ、稼働効率の低下を招くことがないという利点がある。
【0070】
そして後続の農産物Pを載せたフリートレー4が箱詰めレーン231に移入されて、復帰したストッパ機構234により停止され次の箱詰めのために待機される。そして図4の状態にカップ吊体の隣接間隔を広げた作業ロボット25により2列目の農産物Pの箱詰め作業が行われる。
【0071】
以上の作業は、本例においては図12に示すように4列分連続して行われ、これにより一箱分の箱詰め作業が終了し、作業終了の箱5は排出コンベア115から製品搬送コンベア116を介して所定の製品集積場所まで搬送される。
【0072】
他方、次の箱詰め作業として、箱詰め位置114への空箱5の供給、箱詰めレーン231に農産物Pを載せたフリートレイ4の所定個数の送り込み、所定のトレイパック(242又は243)の箱5への嵌挿、一列づつの農産物の取上げ・箱詰め、の一連の作業が行われる。なおこの際、箱詰めを大きさLの農産物について行う場合には、トレイパック242を使用して5個×4列の配列パターンで箱詰めを行うため、図4の左側から2番目のカップ吊体257も左端のカップ吊体257と同様の退避状態に退避させることが必要になり、また農産物の詰め状態を千鳥状態としかつカップ吊体の隣接間隔変更の程度も異なるが、本例の装置によれば、これらの変更制御も、左から2番目のエアシリンダ装置2571を作動させるだけで該2番目のカップ吊体257を退避させることができ、また配列パターンの変更についても一列毎にエアシリンダ装置2542を作動させて吸着カップホルダ254を図4のY−Y方向に移動させ、かつパンタグラフ機構2547の作動を調節するだけで極めて簡単に行うことができる。
【0073】
以上説明した本例は、箱詰めする配列パターンを20玉(個)の場合と、24玉(個)の場合についてのものであるが、箱詰めの配列パターンはこれらに限定されるものではない。更に、一台の作業ロボット25が受け持つ箱詰めの配列パターンの種類も図面と異なる一個又は複数とすることができ、例えば、4種類(18玉、20玉、24玉、28玉)とした場合には、トレーパック積載部24において4種類のトレーパックを集積待機するように構成することで実施することができる。またこの配列パターンは、例えば図13に例示的に示したように、さまざまな箱詰め個数、配列パターンとすることができ、しかもこれら図示したいずれの配列パターンについても、本例の図4に示した7個のカップ吊体を一列に有する作業ロボット25は共通して使用できるという極めて汎用性の高い装置となっている。
【0074】
以上のように、本例の農産物の箱詰装置は、トレー(容器)プール部23に一列に停止・待機されている所定個数のフリートレー4上の農産物を、吸着カップを用いた吸着吊持方式で移載箱詰めする際に、農産物と共にフリートレー4が共に持ち上げられてしまうというという不具合が、トレー浮き上がり防止装置である係合ブラケット12により確実に阻止できるので、浮き上がったトレーが落下することに伴う周辺装置の損傷、農産物の損傷が防止でき、箱詰めの作業が中断することや、移載後のフリートレー4の送出不良もないなどの利点が得られる。また本例の各フリートレー毎に間隔を空けて係合ブラケット12を設けるようにしているので、万一箱詰めに不適な農産物が発見された場合の農産物の除去をフリートレー4の位置を若干ずらせるだけで簡単に行えるという利点もある。またこの係合ブラケット12は稼働しない機械的な構造のものであるため、保守点検も特に必要ないという利点もある。
【0075】
実施形態2
図14に示した本例は、上述した実施形態1の図8に示したトレー浮き上がり防止装置に代えて、トレー(容器)プール部23の箱詰めレーン231の全長に渡り、該箱詰めレーン231に送り込まれたフリートレー4の浮き上がり防止のための係合ブラケット13であるレール132を、フリートレー上面に係合するように両側ガイド壁3312の上面に沿設した構造としたものである。131はこのレール132を支持する短柱である。
【0076】
この構成によっても、実施形態1と同様の効果が奏され、またサイズの異なるフリートレーを用いる装置でも、そのまま適用できる利点がある。
【0077】
実施形態3
図15〜図17に示した本例は、搬送コンベア1から分岐した分岐ライン220の終端に容器プール部230を設けて、複数列に停止・待機させたフリートレー4上の農産物を一括箱詰めする箱詰装置に本発明の移載装置を適用した構造を示したものである。
【0078】
本例における箱詰装置は、搬送コンベア1の所定位置に設けた排出装置21により、仕分け区分に該当する等・階級の農産物を載せたフリートレー4を並列した分岐コンベア221,221に均等に振り分けて排出し、その終端に設けたストッパ機構2230,2230で一時的に待機させるように設けた分岐ライン220と、この分岐ライン220の一対のストッパ機構2230が待機解除されたときに所定個数のフリートレー4を受け入れて箱詰めのために停止・待機させるトレー(容器)プール部230と、このトレープール部230で待機された所定個数(本例では3個×2列の6個)を一括して箱詰めする吸着式箱詰装置30とを主たる装置として構成されている。
【0079】
上記のトレープール部230は、2列にフリートレー4を受け入れると共に、図16のように搬出コンベア2350に送出するために正逆回転が可能に設けられた共通のベルトコンベア2310と、3個×2列の各フリートレー4の浮き上がり防止のために、図15及び図17に示しているように両側のガイド壁23120の上面に固設された係合ブラケット120,120と、中央ガイド壁23121の上面に固設された係合ブラケット121とを有する特徴的な構成を備えている。なお上記係合ブラケット120は実施形態1で説明した係合ブラケット12と同じ構造のものであり、係合ブラケット121は、短柱の上に両側のフリートレーに係合するように図示の如く両側に突出する長円形板が固定された構造をなしているものである。
【0080】
また、これらの図中において、40はベルトコンベア2310をトレー受入れのための水平姿勢(図16のP参照)の位置から、農産物を吸着吊持して取り上げて空になったトレー4を搬出コンベア2350に送出す傾斜姿勢(図16のQ参照)の位置に切り換えるためのシリンダ装置を示し、41はトレープール部2310の傾斜中心のピンを示している。2360は戻りコンベア、110は段ボール箱の供給・排出装置、1130は空箱降下装置、1150は排出コンベア、1160は製品搬送コンベア、50は段ボール箱(箱)をそれぞれ示している。また本例の吸着式箱詰装置30は、3個×2列の計6個の農産物を一括箱詰めする方式の装置であり、例えば特開平3−256820号公報、特開平4−352618号公報記載のものを用いて構成される。この吸着式箱詰装置30の構成は、固設フレーム(図示せず)に組み付けられたレール304の上を転動コロ305で移動可能で、エアシリンダ装置308により農産物の取上げ位置(図16の実線位置)と箱詰め位置(図16の二点鎖線位置)の間を移動されるようになっている台部(図示せず)が、上下動エアシリンダ301及び垂直移動ガイド302,302により吸着カップ間隔調節装置303を上下動可能に吊持して備えており、この吸着カップ間隔調節装置303から下方に垂下した6本(図16では並列する片側の3本のみが図示)の吊杆307下端の吸着カップ306により、農産物を吸着吊持するように設けられている。このような構成の吸着式箱詰装置30により3個×2列の計6個の農産物が一括移載されて箱詰めされる。
【0081】
本例の装置おいても、一括移載されるようにトレープール部230に停止・待機されているフリートレー4は、その浮き上がりが係合ブラケット120,121で阻止されるようになっているので、農産物が吸着カップ306で持ち上げられる際に浮き上がりは確実に阻止され、したがってその浮き上がりに伴う上述した種々の不具合の防止、すなわち、浮き上がったトレーの落下による周辺装置の損傷、農産物の損傷、箱詰めの作業の中断、移載後のフリートレー4の送出不良などが生じないという利点が得られ、また係合ブラケット120,121が各フリートレー毎に間隔を空けているので、万一箱詰めに不適な農産物が発見された場合のフリートレー4の取り除きが簡単であり、非稼働の機械的構造のものであるため保守点検も特に必要ないという利点も得られる。
【0084】
以上の各例により発明の実施形態を説明したが、本願の発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、農産物を複数搭載するフリートレーを用いる方式の選別装置に適用することもできる。
【0085】
【発明の効果】
以上述べた本願の各請求項記載の発明によれば、農産物を取り上げる際の容器の浮き上がりを確実に防ぐことができ、これを通じて、装置の稼働効率の向上、処理の迅速化の実現、移載装置でのトラブル発生をなくして監視のための作業員を不要にできるという効果が奏される他、更に以下の効果が奏される。
【0086】
本願の請求項1に係る発明によれば、列状あるいは複数列(マトリックス等)状に容器プール部に待機された複数の容器から農産物を一括して取り上げる際に、容器が農産物と共に浮き上がることが防止できる。したがって、浮き上がった容器が農産物の移載の邪魔になることを防ぐことができ、また浮き上がった容器が落下して周辺装置を損傷したり、農産物を傷めることも防止できるという効果がある。
【0087】
請求項2に係る発明によれば、搬送手段上の容器から農産物を取り上げて所定の移載先に移す際に、前記と同様の移載操作の不具合防止、周辺装置の損傷防止、農産物の傷つけ防止などの効果が得られる。
【0088】
また、請求項1および請求項2に係る発明では、前記容器浮き上がり防止手段を、一列に整列して所定位置に停止した状態の前記複数の容器に対応して前記搬送手段の搬送方向両側に対を成して配置され、該容器に係合して当該容器の上方への移動を規制し、且つ前記搬送手段の搬送方向への移動を許容する係合部材により構成したので、容器の浮き上り防止のための構成を機械的な係合のものとして簡単な構造で形成でき、また稼働部分がないので耐久性に優れ、保守も容易であるという効果が奏される。
【0091】
請求項3に係る発明によれば、容器浮き上り防止手段を、前記農産物移載手段により農産物を一括取り上げする複数の容器を対象として各容器毎に独立して設けたので、箱詰に不適な農産物を発見した容器を浮き上がり防止手段の位置からずらせるだけで手作業で容器ごと取り除くことができる。
【0092】
請求項4に係る発明によれば、吸着吊持方式では吸着カップを押し付けるために農産物を傷めないように柔らかい材料で作られている受皿(容器)凹部に農産物が抜けにくい状態で嵌り合うことがあって、農産物を吊り上げたときにその嵌り合い関係のまま該受皿が浮き上がって箱詰操作を邪魔したり、途中で受皿が落下して周辺装置や他の農産物を傷めてしまう不具合があるが、受皿(容器)の浮き上がりを阻止できるこの発明では、この不具合を確実に解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の農産物の移載装置を適用した実施形態1の農産物箱詰装置を多数並設した選果場の平面図。
【図2】 同実施形態1の農産物箱詰装置の正面図。
【図3】 図2の農産物箱詰装置の平面図。
【図4】 吸着パッドを一列に有する取り上げ手段により、一列の球塊状の農産物を吸着吊持する状態を示した正面図。
【図5】 図4の側面図。
【図6】 同図4のパンタグラフ機構を説明するための平面図。
【図7】 実施形態1における吸着カップへの負圧,正圧の供給系統、およびエアシリンダ装置への圧力エアの供給系統を示した系統図。
【図8】 実施形態1の容器プール部に設けられた容器浮き上がり防止装置の一部を示した斜視図。
【図9】 図8の容器浮き上がり防止装置の一つを拡大して示した斜視図。
【図10】 取り上げ手段により、積層したトレーパック群から一つのトレーパックを取り上げた状態を示した正面図。
【図11】 図4の取り上げ手段により、一列の球塊状の青果物を吸着吊持して箱容器に移載した状態を示した正面図。
【図12】 取り上げ手段により、箱容器内に4列の配列パターンに一列づつ繰り返して球塊状の農産物を移載する手順を説明した図。
【図13】 実施形態1の装置により取り上げ箱詰め可能な様々な配列パターンを示した図。
【図14】 実施形態2の容器浮き上がり防止装置を説明するための斜視図。
【図15】 本発明の移載装置を適用した実施形態3の農産物箱詰装置の平面図。
【図16】 図15の実施形態3の農産物箱詰装置の正面図。
【図17】 実施形態3の容器プール部に設けられた容器浮き上がり防止装置の一部縦断面図。
【符号の説明】
1・・・搬送コンベア、21 〜28 ・・・分岐箱詰ライン、3・・・計測装置、
4・・・フリートレイ、5・・・箱(段ボール箱)、6・・・ブロアー、7,8・・・切換弁、9・・・リリーフ弁、10・・・電磁弁、11・・・段ボール箱の供給・排出装置、12・・・係合ブラケット、
21・・・排出装置、
211・・・回転テーブル、
212・・・電磁吸着部、
213・・・励磁手段、
214,215・・・励磁解除手段、
22・・・分岐コンベア、
221・・・主レーン、
222・・・補助レーン、
223・・・ストッパ機構、
23・・・容器プール部、
231・・・箱詰レーン、
2311・・・ベルトコンベア、
2312・・・ガイド壁、
232,233・・・送り込みレーン、
234・・・ストッパ機構、
235・・・搬出コンベア、
236・・・戻りコンベア、
24・・・トレイパックの積載部、
241・・・回転受台、
242,243・・・トレイパック、
244・・・支持枠、
245・・・回転器、
25・・・作業ロボット、
251・・・本体、
252・・・根元リンク機構、
253・・・先端リンク機構、
254・・・吸着カップホルダ、
2541・・・レール、
2542・・・エアシリンダ装置、
2543・・・ピストンロッド、
2546・・・サーボモータ、
2547・・・パンタグラフ機構、
2548・・・通気管、
255・・・ブラケット、
2551・・・ブラケット底部板、
256・・・固定カップ吊体、
2561・・・エアシリンダ装置、
2562・・・ピストンロッド、
2563・・・吸着カップ、
257・・・移動カップ吊体、
2571・・・エアシリンダ装置、
2572・・・ピストンロッド、
2573・・・吸着カップ、
258・・・通気管、
111・・・空箱搬送コンベア、
112・・・プッシャー、
113・・・空箱降下装置、
114・・・箱詰め位置、
115・・・排出コンベア、
116・・・製品搬送コンベア。
Claims (4)
- 農産物を載せるための載置部を有する容器と、前記容器を搬送面上から取り除き可能な状態で搬送する搬送手段と、前記搬送手段から排出される複数の容器を一列又は複数列に整列させる容器プール部と、前記容器プール部で整列した複数の容器から一列又は複数列の農産物を一括に取り上げて所定の移載先に移動させる農産物移載手段と、前記農産物移載手段による農産物の一括取上げ時に各容器が搬送手段の搬送面上から離間して浮き上がることを防ぐ容器浮き上り防止手段と、を備え、
前記容器浮き上り防止手段は、一列に整列して所定位置に停止した状態の前記複数の容器に対応して前記搬送手段の搬送方向両側に対を成して配置され、該容器に係合して当該容器の上方への移動を規制し、且つ前記搬送手段の搬送方向への移動を許容する係合部材により構成したことを特徴とする農産物の移載装置。 - 農産物を載せるための載置部を有する容器と、前記容器を搬送面上から取り除き可能な状態で搬送する搬送手段と、前記搬送手段の途中又は終端位置に設けられた農産物取り上げ位置と、前記農産物取り上げ位置において一又は複数の容器から各農産物を取上げて所定の移載先に該農産物を移動させる農産物移載手段と、前記農産物移載手段による農産物の取上げ時に容器が取り上げ位置から離間して浮き上がることを防ぐ容器浮き上り防止手段と、を備え、
前記容器浮き上り防止手段は、一列に整列して所定位置に停止した状態の前記複数の容器に対応して前記搬送手段の搬送方向両側に対を成して配置され、該容器に係合して当該容器の上方への移動を規制し、且つ前記搬送手段の搬送方向への移動を許容する係合部材により構成したことを特徴とする農産物の移載装置。 - 請求項1または2において、前記係合部材は、前記農産物移載手段により農産物を一括取上げする複数の容器を対象として、各容器毎に独立して設けたことを特徴とする農産物の移載装置。
- 請求項1、2または3において、農産物を取り上げて所定の移載先に移動させる農産物移載手段は、農産物の取上げ手段として農産物を負圧吸引する吸着カップを有することを特徴とする農産物の移載装置。
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