JP3682389B2 - 冷凍生湯葉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍保存しても、解凍後につくりたての生湯葉と同等の食感及び風味を有する保存性に優れた冷凍生湯葉に関する。
【0002】
【従来の技術】
湯葉は、水で浸漬した大豆を摩砕後、加熱し、オカラを分離して得られた豆乳を、沸騰させない範囲で適度に加熱し、豆乳の表面に生じた皮膜を、細棒等を用いて引き上げて製造される。引き上げた皮膜を、液切りするとしっとりとした状態となるが、これが生湯葉(引き上げ湯葉)と呼ばれるものであり、一般に流通しているものはこの生湯葉が多い。
【0003】
この生湯葉を、必要に応じて水洗後、成型(巻く、畳む、絞る等)し、さらに完全に乾燥させたものが乾燥湯葉(干し湯葉)である。成型の形態により、巻いた場合は巻き湯葉、畳んだ場合は平湯葉等とも称される。乾燥湯葉は、濡れ布巾に包んだり、又は水に数分間浸ける等の処理をして、戻してから、調理して食するのが原則である。乾燥湯葉は乾燥工程を経ている為、生湯葉とはかなり異なった食感や風味となっている。
【0004】
一方、生湯葉に類するものとしては、前記のもの以外にも、豆乳が完全に膜にならないうちに寄せ集めた汲み上げ湯葉(つまみ湯葉)や、また、生湯葉を特に薄く引き上げたさしみ湯葉と称するものもある。一般に生湯葉は、そのままで、又は必要に応じて水洗したり成型(巻く、畳む等)したりした後、流通され、摂食時には調味料(たれ、醤油等)や薬味(わさび、生姜、ゴマペースト等)と共に食されている。生湯葉は完全な乾燥工程を経ていないので、柔らかな食感と風味が優れており、好まれる食品である。
【0005】
しかし、生湯葉はあまり乾燥しておらず生であるがゆえに、防腐性が劣り、また表面が乾燥しやすく柔らかな食感が失われやすいなどの点から、非常に保存性の悪い食品であった。
その為、生湯葉の保存性を向上させる方法として、レトルト処理をしたり、チルド保存をして流通させる方法が開発されている。
【0006】
しかし、レトルト処理をした場合は、防腐性は向上するが、加熱により生湯葉独特の柔らかさがなくなって食感が悪くなり、また風味も劣化して生湯葉らしさが失われてしまう欠点があった。
【0007】
また、チルド保存では、レトルト処理に比べて食感の劣化の程度は小さいが、表面が乾燥して柔らかな食感が失われたり、また防腐性が弱い等のために、1〜2日程度しか保存できない大きな欠点があった。
このようなチルド保存の欠点を解消すべく、特開平3−201960号公報に開示の如く、湯葉を、豆乳とともに、ケーシングに充填し、密封し、必要に応じて加熱処理することを特徴とする湯葉の保存方法が開発されているが、この方法においてもその保存期間は1週間程度であり、より保存性に優れた生湯葉を開発することが望まれていた。
【0008】
そこで、生湯葉の保存性をより向上させる方法として、冷凍保存法の適用が考えられる。
しかし、生湯葉を冷凍保存すると、防腐性の面からはかなり長期の保存が可能になり、冷凍による物性的な変性が激しい為に、解凍後には生湯葉らしい柔らかい食感が全く失われてしまい、不味くなってしまう欠点があった。
【0009】
また、前記特開平3−201960号公報に開示の如く、湯葉と豆乳とを共存させたものを保存性の改善を目的として冷凍させた場合は、共存させた豆乳が冷凍処理によって変性して凝集してしまい、外観が悪くなるとともに、生湯葉自体の食感も固くなる等、品質が著しく低下してしまう問題もあった。
以上の如く、これまで長期保存が可能で、かつ品質の劣化が少ない生湯葉は開発されておらず、長期保存が可能で、かつ品質の劣化が少ない生湯葉を開発することが切望されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を踏まえてなされたものであり、その目的は、防腐性に優れ、また風味の維持においても優れている冷凍保存法を生湯葉に適用する上において、冷凍による物性的な変性を防止し、長期に冷凍保存しても、解凍後にもつくりたての生湯葉と同様の食感と風味とを保持した新規の冷凍生湯葉を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為、本発明者等は、生湯葉の冷凍変性を防止する方法を鋭意検討した結果、糖類を添加した原料豆乳を用いて湯葉を製造することにより、及び/又は糖類を添加した浸漬用豆乳と共にケーシングに充填し、密封し冷凍することにより、冷凍による生湯葉の変性を著しく防止できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、請求項1に係る本発明は、糖類を0.1〜25重量%添加した原料豆乳を用いて製造した生湯葉を、ケーシングに充填し、密封し冷凍してなる冷凍生湯葉を提供するものである。
請求項1に係る本発明によれば、豆乳中に糖類を添加したものを原料豆乳とし、この原料豆乳から生湯葉を製造し、ケーシングに充填し、密封した後に冷凍すると共に、原料豆乳中への糖類の添加濃度を0.1〜25重量%とすることによって、防腐性に優れ、かつ、つくりたての生湯葉の風味と食感を保持した新規の冷凍生湯葉を提供することができる。
【0013】
また、請求項2に係る本発明は、常法により製造された生湯葉を、糖類を1〜30重量%添加した浸漬用豆乳と共にケーシングに充填し、密封し冷凍してなる冷凍生湯葉を提供するものである。
【0014】
請求項2に係る本発明によれば、上記の生湯葉を製造する際に、糖類を添加した浸漬用豆乳と共にケーシングに密封して冷凍し、かつ、浸漬用豆乳への糖類の添加濃度を1〜30重量%とすることによって、風味と食感が向上した新規の冷凍生湯葉を提供することができる。
【0015】
さらに、請求項3に係る本発明は、糖類を0.1〜25重量%添加した原料豆乳を用いて製造した生湯葉を、糖類を1〜30重量%添加した浸漬用豆乳と共にケーシングに充填し、密封し冷凍してなる冷凍生湯葉を提供するものである。
【0016】
請求項3に係る本発明によれば、上記の生湯葉を密封する際に、糖類を添加した浸漬用豆乳と共にケーシングに密封して冷凍し、かつ、浸漬用豆乳への糖類の添加濃度を1〜30重量%とすることによって、さらに風味と食感が向上した新規の冷凍生湯葉を提供することができる。
以下、単に「本発明」というときは、請求項1に係る本発明と請求項2に係る本発明と請求項3に係る本発明の三者を包含する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。本発明で使用する豆乳は、生湯葉の冷凍変性を防止するために後述の如く糖類を添加する場合があること以外は、基本的には湯葉の製造に普通に用いられるものと変わるところはない。
【0018】
すなわち、完熟大豆を水に浸漬後、ほぼ5〜8倍量の水と共に磨砕して得られる呉を加熱し、これを濾過しておからを分離し、豆乳を得る。この場合、一般的にBrix10%前後の濃度の豆乳が使用されているが、本発明においては、豆乳の濃度はBrix6〜11%程度の範囲であれば充分使用することができ、Brix8%のものが主に使用される。また、湯葉をより柔らかく仕上げることができることから、豆乳のpHを7〜9程度の弱アルカリ性にしておくと良い。なお、完熟大豆の種類としては、IOM、有機大豆、国産大豆等の湯葉製造に通常使用されている大豆であれば良く、特に限定されない。
【0019】
生湯葉は、このような豆乳を原料として用い、上面が開放された蓋をしない容器に収容し、100℃付近の沸騰しない範囲の温度帯(例えば95℃)で、豆乳表面をなるべく撹乱しないようにして10〜20分程度加熱することにより、表面に皮膜を形成させ、この表面の皮膜を細棒等で引き上げることによって製造される。また、豆乳の中に調味料(例えば、だし、醤油等)を添加し味付けしておくことも可能である。さらに、豆乳には、消泡剤等が必要に応じて添加される。
【0020】
引き上げられた皮膜は、そのままで、又は必要に応じて水洗や、巻く,畳む等の成型処理(それぞれ巻き湯葉・平湯葉等となる。)を施した後、ケーシングに密封して冷凍される。
なお、本発明は、前記加熱した豆乳の表面に皮膜が完全に形成されない時点ですくいとった半膜状,半ペースト状の湯葉ペースト(汲み上げ湯葉)や、汲み上げ湯葉をステンレス製等の型に入れ、上から重しをして固めた湯葉豆腐などにも適用することができる。
【0021】
本発明においては、このようにして製造された豆乳に対して所定割合で糖類が添加されたものを原料豆乳とする。
糖類の添加濃度は、0.1〜25重量%とすることが好ましい。糖類の添加濃度が0.1重量%未満では、冷凍耐性を付与する効果が十分でない。一方、糖類の添加濃度を25重量%より高濃度にすると、添加した糖類由来の甘味などが障害となって湯葉の風味が劣化するばかりでなく、製造される生湯葉自体が柔らかくなり過ぎて食感の劣化も認められるので好ましくない。
【0022】
本発明において、添加する糖類の種類としては、様々なものが挙げられるが、特に単糖類、オリゴ糖類及び糖アルコール類よりなる群から選ばれた1種又は2種以上のものを使用することが好ましい。ここで単糖類としては、例えばマンノース、ガラクトース、キシロースなどを挙げることができる。また、オリゴ糖類としては、例えばラクトース、セロビオース、イソマルトース、ゲンチオビオース、ニゲロース、ラミナリビオース、コージビオース、ソホロース、トレハロース、マルトトリオース、パノース、ゲンチアノース、メレジトース、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、環状オリゴ糖、ラクチュロース、ポリデキストロースなどを挙げることができる。さらに、糖アルコール類としては、例えばマルチトール、ソルビトール、エリスリトール、パラチニット、ラクチトール、マンニトール、還元澱粉糖化物などを挙げることができる。
【0023】
請求項2に係る本発明においては、生湯葉製造用の原料豆乳としては、特に何も添加しない普通のものを用いて生湯葉を製造し、このようにして製造した生湯葉を、糖類を所定量添加した浸漬用豆乳と共にケーシングに充填し、密封し冷凍する。
この請求項2に係る本発明においては、糖類を所定量添加して冷凍変性を起こさないようにした浸漬用豆乳を用いることが重要である。
浸漬用豆乳への糖類の添加濃度は、1〜30重量%とすることが好ましい。浸漬用豆乳への糖類の添加濃度が1重量%未満の場合には、冷凍時に浸漬用豆乳が変性して凝集が発生し、生湯葉の外観などが好ましい結果とならない。一方、浸漬用豆乳への糖類の添加濃度を30重量%より高濃度にすると、生湯葉本体が逆に硬くなり、食感が低下したり、糖類自体が保有する甘味あるいは糖類に混入している甘味性の糖類等に起因して、生湯葉の甘味が強くなり過ぎ風味が劣化する等の弊害が発生するため好ましくない。
【0024】
浸漬用豆乳に添加する糖類の種類としては、様々なものが挙げられるが、特に単糖類、オリゴ糖類及び糖アルコール類よりなる群から選ばれた1種又は2種以上のものを使用することが好ましい。これらについては、上記原料豆乳に添加する際に挙げたものと同様のものが挙げられ、これと同様の理由から、これらの中でも、オリゴ糖類を用いることが好ましい。
【0025】
また、この場合の浸漬用豆乳の充填割合は、生湯葉100重量部に対して、通常、浸漬用豆乳20〜200重量部の割合である。
【0026】
請求項3に係る本発明においては、さらに生湯葉の風味及び食感をより向上させることを目的として、請求項1に係る本発明のようにして製造した生湯葉を、請求項2に係る本発明と同様に、糖類を所定量添加した浸漬用豆乳と共にケーシングに充填し、密封し冷凍する。
この請求項3に係る本発明においては、原料豆乳として糖類が所定量添加されたものを用いると共に、糖類を所定量添加して冷凍変性を起こさないようにした浸漬用豆乳を用いることが重要である。
原料豆乳への糖類の添加濃度は、請求項1に係る本発明と同様に0.1〜25重量%とすることが好ましく、その理由は請求項1に係る本発明において記載した通りである。
また、浸漬用豆乳への糖類の添加濃度は、請求項2に係る本発明と同様に1〜30重量%とすることが好ましく、その理由は請求項2に係る本発明において記載した通りである。すなわち、浸漬用豆乳への糖類の添加濃度が1重量%未満の場合には、冷凍時に浸漬用豆乳が変性して凝集が発生し、生湯葉の外観などが好ましい結果とならない。一方、浸漬用豆乳への糖類の添加濃度を30重量%より高濃度にすると、生湯葉本体が逆に硬くなり食感が低下したり、糖類自体が保有する甘味或いは糖類に混入している甘味性の糖類等に起因して生湯葉の甘味が強くなり過ぎ風味が劣化する等の弊害が発生するため、好ましくない。
さらに、この場合の浸漬用豆乳の充填割合は、生湯葉100重量部に対して、通常、浸漬用豆乳20〜200重量部の割合である。
【0027】
本発明に用いるケーシング素材としては、密封することができる形態のものであって、かつ冷凍処理にも耐えられる材質のものが良いが、一般に冷凍食品の製造で使用されているものが利用可能であり、例えば、ポリプロピレン樹脂製フィルムなどが利用可能である。
【0028】
また、冷凍手段は、通常、冷凍食品が製造される場合の装置や方法が利用可能であり、特に制限はないが、なるべく冷凍変性の発生を防止する上では、いわゆる急速冷凍が可能な冷凍装置によることが望ましい。
【0029】
本発明の冷凍生湯葉は、前記のようにして製造された生湯葉を、上記したようなケーシングに充填し、密封し冷凍してなるものである。
【0030】
このようにして密封し冷凍された冷凍生湯葉は、通常の冷凍食品の流通に利用される冷凍温度帯(−18℃〜−30℃程度の範囲内)での流通が可能である。
流通された冷凍生湯葉は、常法(冷水・温水・室温等)により解凍後、必要に応じて浸漬用豆乳を除去し、調味料(だし、たれ、醤油等)や薬味(わさび、生姜、ゴマペースト等)などと共に、魚肉刺し身のような様式で、美味しく食することができる。
【0031】
試験例1
このようにして製造する冷凍生湯葉において、冷凍耐性を付与すべく、原料豆乳中に糖類を種々添加し、その添加量を変えて試験した。
すなわち、常法により調製したBrix8%の豆乳に対して、第1表に示した各種糖類を0.1〜30重量%の濃度となるように段階的に添加した原料豆乳を調製した。なお、対照として、糖類を全く添加しない原料豆乳も調製した。
【0032】
続いて、これらの原料豆乳を用いて、それぞれ生湯葉を製造し、この生湯葉をロール状に巻いて成型したもの(巻き湯葉)各25g、半ペースト状にしたもの(汲み上げ湯葉)各25g、汲み上げ湯葉を型に入れて押し固めたもの(湯葉豆腐)各25gをそれぞれポリプロピレン樹脂製フィルムの袋に入れ、さらに熱溶融により密封した後、急速冷凍機によって急速冷凍し、その後、冷凍庫(−20℃)で12ヶ月間保存した。
【0033】
その後、冷凍庫から取り出して温水で解凍した後、醤油とワサビを用いて食して官能的な評価を実施し、製造直後(つくりたて)の生湯葉との比較をした。なお、官能評価方法としては、湯葉の官能評価に長年に渡って携わり熟知した5名のパネリストにより試食を行い、食感(柔らかさ)と風味について、それぞれ下記のようにして評価した。
【0034】
すなわち、食感については、
◎:つくりたての生湯葉と同等の食感、
○:つくりたての生湯葉とほぼ同等の食感、
△:つくりたての生湯葉にやや劣る食感、
×:つくりたての生湯葉にかなり劣る食感、の4段階で評価した。
【0035】
また、風味については、
◎:つくりたての生湯葉と同等の風味、
○:つくりたての生湯葉とほぼ同等の風味、
△:つくりたての生湯葉にやや劣る風味、
×:つくりたての生湯葉にかなり劣る風味、の4段階で評価した。
【0036】
結果を第1表(その1〜その5)に示した。
その結果、糖類無添加の原料豆乳で製造した生湯葉を凍結処理したもの(対照)は、解凍後、食感が非常に悪く食用に適さないものであった。
これに対して、各種糖類を添加した原料豆乳で製造した生湯葉は、12ヶ月間と長期の冷凍保存期間をおいても、出来立ての生湯葉と殆ど変りない食感と風味であって、優れた冷凍耐性が獲得できていることが確認された。
しかも、糖類の添加濃度は、食感の保持効果については、0.1重量%と非常に微量で効果があり、それ以上の濃度であれば充分であることが確認された。しかし、糖類の添加量を増加させて25重量%より高濃度にすると、製造した生湯葉が柔らかくなり過ぎて食感が低下し、また、糖類自体が持つ甘味或いは用いた糖類の中に混入している甘味を有する糖類のため、風味が悪くなることが判明した。従って、糖類の添加濃度としては0.1〜25重量%の範囲が良いものと判断された。
【0037】
【表1】
第1表(その1)
【0038】
【表2】
第1表(その2)
【0039】
【表3】
第1表(その3)
【0040】
【表4】
第1表(その4)
【0041】
【表5】
第1表(その5)
【0042】
なお、第1表の糖類の内、オリゴ糖類と糖アルコール類は、以下のものを使用した。
すなわち、(注1);フジオリゴ450:日本食品化工(株)、(注2);イソマルト900:昭和産業(株)、(注3);メイオリゴP:明治製菓(株)、(注4);カップオリゴH70:日新製糖(株)、(注5);キシロオリゴ70:サントリー(株)、(注6);乳果オリゴ糖LS−55L:(株)林原商事、(注7);パラチノースオリゴ糖:三井製糖(株)、(注8);セルデックスTB−50:日本食品化工(株)、(注9);ミルクオリゴ:森永乳業(株)、(注10);ライテスIII:カルター・フードサイエンス(株)、(注11);アルティマMR:東和化成工業(株)、(注12);WP−50M:東和化成工業(株)、(注13);エリスリトール:日研化学(株)、(注14);パラチニット:三井製糖(株)、(注15);ミルヘン:東和化成工業(株)、(注16);マリンクリスタル:東和化成工業(株)、(注17);HS−20:(株)林原商事である。
【0043】
試験例2
続いて、ケーシングに生湯葉を密封する際に、豆乳を共存させて冷凍する効果について試験した。
すなわち、まず試験例1と同様にして調製した糖類無添加の原料豆乳を用いて常法により生湯葉(巻き湯葉)を製造した。
続いて、第2表に示すような各種糖類を1〜35重量%の範囲で段階的に添加した浸漬用豆乳を調製した。また、対照として糖類無添加の浸漬用豆乳も調製した。
【0044】
そして、ケーシング中に前記生湯葉を充填する際に、それぞれの浸漬用豆乳を生湯葉100重量部に対して60重量部の割合で充填して、密封し、試験例1と同様にして、急速冷凍し、その後−20℃で12ヶ月間保存した。その後、室温に戻して温水で解凍し、浸漬用豆乳の凝集の有無を確認し、さらに生湯葉の食感(柔らかさ)と風味について、試験例1と同様にして、官能評価した。
【0045】
すなわち、食感については、
◎:つくりたての生湯葉と同等の食感、
○:つくりたての生湯葉とほぼ同等の食感、
△:つくりたての生湯葉にやや劣る食感、
×:つくりたての生湯葉にかなり劣る食感、の4段階で評価した。
【0046】
また、風味については、
◎:つくりたての生湯葉と同等の風味、
○:つくりたての生湯葉とほぼ同等の風味、
△:つくりたての生湯葉にやや劣る風味、
×:つくりたての生湯葉にかなり劣る風味、の4段階で評価した。
【0047】
結果を第2表(その1〜その5)に示す。なお、添加した糖類は、第1表で使用したものと同等であり、第2表中、注1〜注17は、第1表に示した通りである。
その結果、各種糖類を添加した浸漬用豆乳を共存させて冷凍したものの方が、より柔らかく、シットリ感があって、より優れた食感であり、かつ浸漬用豆乳に由来する風味が増強されていて、美味しく食せることが確認された。
【0048】
しかも、このような効果が期待できる糖類の添加濃度は1重量%以上であったが、糖類の添加濃度を30重量%より高めてゆくと、糖類自体が持つ甘味、或いは糖類に混入してきている甘味を有する糖類の作用により、浸漬用豆乳自体に甘味が強くなり、ひいては生湯葉自体に甘味が移るため、風味が悪くなってしまうことが分かった。また、30重量%を超える糖類の添加濃度では、生湯葉自体が硬くなり、食感も低下することが分かった。従って、浸漬用豆乳への糖類の添加濃度としては、1〜30重量%程度が好ましいものと判断された。
【0049】
一方、浸漬用豆乳に糖類を添加しなかった対照の場合は、浸漬用豆乳が冷凍により変性して凝集が起こり、外観が悪く、かつ生湯葉自体もかえって硬くなり、食感が低下し、美味しく食せないことが判明した。
【0050】
【表6】
第2表(その1)
【0051】
【表7】
第2表(その2)
【0052】
【表8】
第2表(その3)
【0053】
【表9】
第2表(その4)
【0054】
【表10】
第2表(その5)
【0055】
試験例3
続いて、さらに冷凍生湯葉の品質向上を図る為に、ケーシングに生湯葉を密封する際に、浸漬用の豆乳を共存させて冷凍する効果について試験した。
すなわち、試験例1に準じて、各種糖類を3重量%添加した原料豆乳を用いて生湯葉(巻き湯葉)を製造した。
一方で、試験例1と同様にして調製した糖類無添加の豆乳に対して、第3表に示すような各種糖類を1〜35重量%の範囲で段階的に添加した浸漬用豆乳を調製した。また、対照として糖類無添加の浸漬用豆乳も調製した。
【0056】
そして、ケーシング中に前記生湯葉を充填する際に、それぞれの浸漬用豆乳を生湯葉100重量部に対して60重量部の割合で充填して、密封し、試験例1と同様にして、急速冷凍し、その後−20℃で12ヶ月間保存した。その後、室温に戻して温水で解凍し、浸漬用豆乳の凝集の有無を確認し、さらに生湯葉の食感(柔らかさ)と風味について、試験例1と同様にして、官能評価した。
【0057】
すなわち、食感については、
◎:つくりたての生湯葉と同等の食感、
○:つくりたての生湯葉とほぼ同等の食感、
△:つくりたての生湯葉にやや劣る食感、
×:つくりたての生湯葉にかなり劣る食感、の4段階で評価した。
【0058】
また、風味については、
◎:つくりたての生湯葉と同等の風味、
○:つくりたての生湯葉とほぼ同等の風味、
△:つくりたての生湯葉にやや劣る風味、
×:つくりたての生湯葉にかなり劣る風味、の4段階で評価した。
【0059】
結果を第3表(その1〜その5)に示す。なお、添加した糖類は、第1表で使用したものと同等であり、第3表中、注1〜注17は、第1表に示した通りである。
その結果、各種糖類を添加した浸漬用豆乳を共存させて冷凍したものの方が、より柔らかく、シットリ感があって、より優れた食感であり、かつ浸漬用豆乳に由来する風味が増強されていて、美味しく食せることが確認された。
【0060】
しかも、このような効果が期待できる糖類の添加濃度は1重量%以上であったが、糖類の添加濃度を30重量%より高めてゆくと、糖類自体が持つ甘味、或いは糖類に混入してきている甘味を有する糖類の作用により、浸漬用豆乳自体に甘味が強くなり、ひいては生湯葉自体に甘味が移るため、風味が悪くなってしまうことが分かった。また、30重量%を超える糖類の添加濃度では、生湯葉自体が硬くなり、食感も低下することが分かった。従って、浸漬用豆乳への糖類の添加濃度としては、1〜30重量%程度が好ましいものと判断された。
【0061】
一方、浸漬用豆乳に糖類を添加しなかった対照の場合は、浸漬用豆乳が冷凍により変性して凝集が起こり、外観が悪く、かつ生湯葉自体もかえって硬くなり、食感が低下し、美味しく食せないことが判明した。
【0062】
【表11】
第3表(その1)
【0063】
【表12】
第3表(その2)
【0064】
【表13】
第3表(その3)
【0065】
【表14】
第3表(その4)
【0066】
【表15】
第3表(その5)
【0067】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこの範囲に限定されるものではない。
【0068】
実施例1
(1)原料豆乳の調製
原料大豆(IOM)4kgを水(水温15℃)で15時間浸漬した後、水切りし、その後、加水量が最終的に原料大豆の8倍になるように加水しつつ、グラインダー((株)長沢機械製作所社製:サワーボーイNSG−08F)を用いて磨砕して呉を得た。
磨砕した呉に、2種類の消泡剤((株)花王社製:商品名クレトンパワー、理研ビタミン(株)製:商品名アゲペット)を加水量の0.08重量%添加し、煮釜((株)間瀬製:豆太郎)で94℃で2分間加熱した後、ドラム式おから分離装置((株)トーファー製:トーファー)でおからを分離し、さらにろ布で濾過して、豆乳(Brix8%、pH7.0)32kgを得た。この豆乳を10℃まで冷却し、その後、糖類としてマンノースを1重量%となる様に添加し、充分均一に溶解して原料豆乳とした。
【0069】
(2)巻き湯葉及び平湯葉の製造
上記(1)で得られた原料豆乳10Kgを、400×465×70mmの豆乳槽を2槽備えた湯葉製造装置((株)高井製作所製:ゆば釜)に入れ、95〜98℃で制御しつつ加熱静置し、その後、豆乳表面に生じた湯葉皮膜を細棒(ステンレス製)ですくい取り、室温で3分間程液切りした。
【0070】
その後、細棒を外して、1枚当たり約25g(約440×210mm)の湯葉皮膜を得た。さらに、この湯葉皮膜1枚づづを、それぞれ、ロール状に巻いて巻き湯葉(φ20mm×150mm)を、また平たく畳んで平湯葉(100×100mm)を製造した。
【0071】
(3)浸漬用豆乳の製造
一方、先に製造した豆乳(マンノース1重量%添加前のもの)に対してマンノースを5重量%添加し、完全に溶解させて浸漬用豆乳を製造した。
【0072】
(4)冷凍生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)製品の製造
続いて、合成樹脂製フィルム容器に、巻き湯葉1個(約25g)、又は平湯葉1個(約25g)を、浸漬用豆乳10gずつと共に充填し、熱シールして密封した。その後、急速凍結機(福島工業社製:ショックフリーザー)にこれらの包装品を入れ、−30℃に急速冷凍し、冷凍生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)製品とした。
これらの冷凍生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)は、−20℃で6ヶ月保存し、その後、温水(50℃)で解凍後、調味料(たれ、醤油)や薬味(ワサビ・生姜・ゴマペースト)と共に食したところ、出来立ての生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)とほぼ同等の風味・食感で食することができた。
【0073】
実施例2(汲み上げ湯葉の製造)
実施例1(1)で製造した原料豆乳を用い、実施例1(2)の巻き湯葉及び平湯葉の製造の場合と同様にして、湯葉皮膜を豆乳表面に張らせた。
その後、この湯葉皮膜を箸を用いてつまみ上げ、容器に入れて数回軽く攪拌して汲み上げ湯葉を得た。さらに、この汲み上げ湯葉(約25g)に対して、実施例1(3)で調製した浸漬用豆乳10gを入れて軽く攪拌した。その後、合成樹脂フィルム容器に充填し、熱シール後、急速冷凍機で−30℃に急速冷凍し、冷凍生湯葉(汲み上げ湯葉)製品とした。
【0074】
この冷凍生湯葉(汲み上げ湯葉)は、−20℃で6ヶ月保存し、その後、温水(50℃)で解凍後、調味料(たれ、醤油)や薬味(ワサビ・生姜・ゴマペースト)と共に食したところ、出来立ての生湯葉(汲み上げ湯葉)とほぼ同等の風味・食感で食することができた。
【0075】
実施例3(湯葉豆腐の製造)
実施例2と同様にして製造した汲み上げ湯葉約250g入りの容器に、実施例1(3)で調製した浸漬用豆乳80gを入れて軽く攪拌後、これをステンレス製の型(80×180×50mm)に入れ、上から約4Kgの重しをしたものを、4℃の冷蔵庫に入れ、15時間保持して、湯葉豆腐を製造した。
その後、合成樹脂フィルム容器に充填し、熱シール後、急速冷凍機で−30℃に急速冷凍し、冷凍生湯葉(湯葉豆腐)製品とした。
【0076】
この冷凍生湯葉(湯葉豆腐)は、−20℃で6ヶ月保存し、その後、温水(50℃)で解凍後、調味料(たれ、醤油)や薬味(ワサビ・生姜・ゴマペースト)と共に食したところ、出来立ての生湯葉(湯葉豆腐)とほぼ同等の風味・食感で食することができた。
【0077】
実施例4
(1)原料豆乳の調製
原料大豆(IOM)6kgを水(水温15℃)で15時間浸漬した後、水切りし、その後、加水量が最終的に原料大豆の5.8倍になるように加水しつつ、グラインダー((株)長沢機械製作所社製:サワーボーイNSG−08F)を用いて磨砕して呉を得た。
【0078】
磨砕した呉に、2種類の消泡剤((株)花王社製:商品名クレトンパワー、理研ビタミン(株)製:商品名アゲペット)を加水量の0.08重量%添加し、煮釜((株)間瀬製:豆太郎)で94℃で2分間加熱した後、ドラム式おから分離装置((株)トーファー製:トーファー)でおからを分離し、さらにろ布で濾過して、豆乳(Brix11%、pH7.0)33kgを得た。この豆乳を10℃まで冷却し、その後、糖類としてガラクトースを2重量%となる様に添加し、充分均一に溶解して原料豆乳とした。
【0079】
(2)巻き湯葉及び平湯葉の製造
上記(1)で得られた原料豆乳10Kgを、400×465×70mmの豆乳槽を2槽備えた湯葉製造装置((株)高井製作所製:ゆば釜)に入れ、95〜98℃で制御しつつ加熱静置し、その後、豆乳表面に生じた湯葉皮膜を細棒(ステンレス製)ですくい取り、室温で3分間程液切りした。その後、細棒を外して、1枚当たり約25g(約440×210mm)の湯葉皮膜を得た。
さらに、この湯葉皮膜1枚ずつを、それぞれ、ロール状に巻いて巻き湯葉(φ20mm×150mm)を、また平たく畳んで平湯葉(100×100mm)をそれぞれ製造した。
【0080】
(3)浸漬用豆乳の製造
一方、先に製造した豆乳(ガラクトース2重量%添加前のもの)に対してトレハロースを8重量%添加し、完全に溶解させて浸漬用豆乳を製造した。
【0081】
(4)冷凍生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)製品の製造
続いて、合成樹脂製フィルム容器に、巻き湯葉1個(約25g)、又は平湯葉1個(約25g)を、浸漬用豆乳10gずつと共にそれぞれ充填し、熱シールして密封した。その後、急速凍結機(福島工業社製:ショックフリーザー)にこれらの包装品を入れ、−30℃に急速冷凍し、冷凍生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)製品とした。
これらの冷凍生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)は、−20℃で6ヶ月保存し、その後、温水(50℃)で解凍後、調味料(たれ、醤油)や薬味(ワサビ・生姜・ゴマペースト)と共に食したところ、出来立ての生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)とほぼ同等の風味・食感で食することができた。
【0082】
実施例5(汲み上げ湯葉の製造)
実施例4(1)で製造した原料豆乳を用い、実施例4(2)の巻き湯葉及び平湯葉の製造の場合と同様にして、湯葉皮膜を豆乳表面に張らせた。その後、この湯葉皮膜を箸を用いてつまみ上げ、容器に入れて数回軽く攪拌して汲み上げ湯葉を得た。
さらに、この汲み上げ湯葉(約25g)に対して、実施例1(3)で調製した浸漬用豆乳10gを入れて軽く攪拌した。その後、合成樹脂フィルム容器に充填し、熱シール後、急速冷凍機で−30℃に急速冷凍し、冷凍生湯葉(汲み上げ湯葉)製品とした。
【0083】
この冷凍生湯葉(汲み上げ湯葉)は、−20℃で12ヶ月保存し、その後、温水(50℃)で解凍後、調味料(たれ、醤油)や薬味(ワサビ・生姜・ゴマペースト)と共に食したところ、出来立ての生湯葉(汲み上げ湯葉)とほぼ同等の風味・食感で食することができた。
【0084】
実施例6(湯葉豆腐の製造)
実施例5と同様にして製造した汲み上げ湯葉約250g入りの容器に、実施例4(3)で調製した浸漬用豆乳80gを入れて軽く攪拌後、これをステンレス製の型(80×180×50mm)に入れ、上から約4Kgの重しをしたものを、4℃の冷蔵庫に入れて、15時間保持して、湯葉豆腐を製造した。
【0085】
その後、合成樹脂フィルム容器に充填し、熱シール後、急速冷凍機で−30℃に急速冷凍し、冷凍生湯葉(湯葉豆腐)製品とした。
この冷凍生湯葉(湯葉豆腐)を、−20℃で12ヶ月保存し、その後、温水(50℃)で解凍後、調味料(たれ、醤油)や薬味(ワサビ・生姜・ゴマペースト)と共に食したところ、出来立ての生湯葉(湯葉豆腐)とほぼ同等の風味・食感で食することができた。
【0086】
実施例7
(1)原料豆乳の調製
原料大豆(IOM)4kgを水(水温15℃)で15時間浸漬した後、水切りし、その後、加水量が最終的に原料大豆の8.0倍になるように加水しつつ、グラインダー((株)長沢機械製作所社製:サワーボーイNSG−08F)を用いて磨砕して呉を得た。
磨砕した呉に、2種類の消泡剤((株)花王社製:商品名クレトンパワー、理研ビタミン(株)製:商品名アゲペット)を加水量の0.08重量%添加し、煮釜((株)間瀬製:豆太郎)で94℃で2分間加熱した後、ドラム式おから分離装置((株)トーファー製:トーファー)でおからを分離し、さらにろ布で濾過して、豆乳(Brix11%、pH7.0)32kgを得た。この豆乳を10℃まで冷却し、その後、糖類としてポリデキストロースを2重量%となる様に添加し、充分均一に溶解して原料豆乳とした。
【0087】
(2)巻き湯葉及び平湯葉の製造
上記(1)で得られた原料豆乳10Kgを、400×465×70mmの豆乳槽を2槽備えた湯葉製造装置((株)高井製作所製:ゆば釜)に入れ、95〜98℃で制御しつつ加熱静置し、その後、豆乳表面に生じた湯葉皮膜を細棒(ステンレス製)ですくい取り、室温で3分間程乾燥させた。その後、細棒を外して、1枚当たり約25g(約440×210mm)の湯葉皮膜を得た。
さらに、この湯葉皮膜1枚ずつを、それぞれ、ロール状に巻いて巻き湯葉(φ20mm×150mm)を、また平たく畳んで平湯葉(100×100mm)を製造した。
【0088】
(3)浸漬用豆乳の製造
一方、先に製造した豆乳(ポリデキストロース2重量%添加前のもの)に対してポリデキストロースを8重量%添加し、完全に溶解させて浸漬用豆乳を製造した。
【0089】
(4)冷凍生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)製品の製造
続いて、合成樹脂製フィルム容器に、巻き湯葉1個(約25g)、または平湯葉1個(約25g)を、浸漬用豆乳10gずつと共に充填し、熱シールして密封した。その後、急速凍結機(福島工業社製:ショックフリーザー)にこれらの包装品を入れ、−30℃に急速冷凍し、冷凍生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)製品とした。
これらの冷凍生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)は、−20℃で12ヶ月保存し、その後、温水(50℃)で解凍後、調味料(たれ、醤油)や薬味(ワサビ・生姜・ゴマペースト)と共に食したところ、出来立ての生湯葉(巻き湯葉及び平湯葉)とほぼ同等の風味・食感で食することができた。
【0090】
実施例8(汲み上げ湯葉の製造)
実施例4(1)で製造した原料豆乳を用い、実施例4(2)の巻き湯葉及び平湯葉の製造の場合と同様にして、湯葉皮膜を豆乳表面に張らせた。その後、この湯葉皮膜を箸を用いてつまみ上げ、容器に入れて数回軽く攪拌して汲み上げ湯葉を得た。
【0091】
さらに、この汲み上げ湯葉(約25g)に対して、実施例1(1)で調製した浸漬用豆乳10gを入れて軽く攪拌した。その後、合成樹脂フィルム容器に充填し、熱シール後、急速冷凍機で−30℃に急速冷凍し、冷凍生湯葉(汲み上げ湯葉)製品とした。
【0092】
この冷凍生湯葉(汲み上げ湯葉)は、−20℃で12ヶ月保存し、その後、温水(50℃)で解凍後、調味料(たれ、醤油)や薬味(ワサビ・生姜・ゴマペースト)と共に食したところ、出来立ての生湯葉(汲み上げ湯葉)とほぼ同等の風味・食感で食することができた。
【0093】
実施例9(湯葉豆腐の製造)
実施例5と同様にして製造した汲み上げ湯葉約250g入りの容器に、実施例4(1)で調製した浸漬用豆乳80gを入れて軽く攪拌後、これをステンレス製の型(80×180×50mm)に入れ、上から約4Kgの重しをしたものを、4℃の冷蔵庫に入れて、15時間保持して、湯葉豆腐を製造した。
その後、合成樹脂フィルム容器に充填し、熱シール後、急速冷凍機で−30℃に急速冷凍し、冷凍生湯葉(湯葉豆腐)製品とした。
【0094】
この冷凍生湯葉(湯葉豆腐)を、−20℃で12ヶ月保存し、その後、温水(50℃)で解凍後、調味料(たれ、醤油)や薬味(ワサビ・生姜・ゴマペースト)と共に食したところ、出来立ての生湯葉(湯葉豆腐)とほぼ同等の風味・食感で食することができた。
【0095】
【発明の効果】
本発明による冷凍生湯葉は、解凍後において、いずれも作りたての生湯葉と同様の柔らかい食感と風味を有しており、美味であった。
すなわち、本発明による冷凍生湯葉は、冷凍による物理的な変性が有効に防止されており、例えば12ヶ月という長期間にわたり冷凍保存したときも、解凍後において、いずれも作りたての生湯葉と同様の柔らかい食感と風味を有しており、美味であった。
Claims (4)
- 糖類を0.1〜25重量%添加した原料豆乳を用いて製造した生湯葉を、ケーシングに充填し、密封し冷凍してなる冷凍生湯葉。
- 生湯葉を、糖類を1〜30重量%添加した浸漬用豆乳と共にケーシングに充填し、密封し冷凍してなる冷凍生湯葉。
- 糖類を0.1〜25重量%添加した原料豆乳を用いて製造した生湯葉を、糖類を1〜30重量%添加した浸漬用豆乳と共にケーシングに充填し、密封し冷凍してなる冷凍生湯葉。
- 糖類が、単糖類、オリゴ糖類及び糖アルコール類よりなる群から選ばれた1種又は2種以上のものである請求項1、2、3のいずれかに記載の冷凍生湯葉。
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