JP3680629B2 - 圧縮着火式内燃機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は圧縮着火式内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼室内に燃料を噴射するようにした圧縮着火式内燃機関では通常圧縮上死点付近において燃料が噴射される。燃料の噴射が開始されると一部の燃料はただちに気化して予混合気を形成し、この予混合気量が或る程度増大するとまず初めにこの予混合気が着火せしめられる。次いで燃料粒子から蒸発した燃料が拡散しながら燃焼する、いわゆる拡散燃焼が行われる。
【0003】
ところが予混合気量が或る程度増大したときに予混合気が燃焼せしめられると多量の予混合気が一気に燃焼せしめられるために燃焼圧が急激に上昇し、その結果燃焼騒音が発生すると共に多量のNOx が発生する。更に噴射燃料が十分に分散しないうちに、即ち燃料粒子の周りに十分な空気が存在しないうちに燃焼が開始されるので煤が発生してしまう。この場合、燃焼圧の急激な上昇を抑制するためには予混合気が形成される前に又は予混合気の量が少ないときに噴射燃料を着火させる必要がある。
【0004】
そこで従来より圧縮行程末期にパイロット噴射を行い、次いで圧縮上死点付近で主燃料を噴射するようにした圧縮着火式内燃機関が公知である。この圧縮着火式内燃機関ではパイロット噴射燃料を燃焼させることによって火種を形成し、この火種によって主燃料が噴射されるや否や噴射燃料を着火させ、それによって燃焼圧の急激な上昇を抑制するようにしている。
【0005】
一方、圧縮行程後半に補助燃料を噴射し、圧縮上死点付近において主燃料を噴射するようにした圧縮着火式内燃機関が本出願人により提案されている(特願平10−039146号)。この圧縮着火式内燃機関ではパイロット噴射を行った場合と異なって主燃料が噴射されるまでは補助燃料を燃焼させることなく燃焼しやすい状態に維持し、主燃料が噴射された後に主燃料および補助燃料を燃焼せしめるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところでパイロット噴射を行うと上述したように燃焼圧の急激な上昇を抑制することができる。しかしながらパイロット噴射を行っても燃焼圧および温度がかなり高くなることには変りがなく、その結果相変らず多量のNOx が発生する。また、噴射燃料が十分に分散しないうちに噴射燃料が燃焼せしめられるために多量の煤が発生することになる。
【0007】
このパイロット噴射は主燃料が噴射されるや否や噴射燃料を着火することを意図しており、この場合主燃料の噴射時期は通常、パイロット噴射を行わなかったとしても燃焼不良或いは失火を生ずることなく燃焼が行われる時期に設定されている。しかしながらこのように主燃料の噴射時期が燃焼不良或いは失火を生ずることなく燃焼の行われる時期に設定されている限りはパイロット噴射が行われるか行われないかにかかわらずに燃焼圧および温度がかなり高くなり、しかも噴射燃料が十分に分散しないうちに噴射燃料が燃焼せしめられる。従って主燃料の噴射時期が燃焼不良或いは失火を生ずることなく燃焼の行われる時期に設定されている限り多量のNOx および煤が発生することになる。
【0008】
一方、本出願人により提案されている上述の圧縮着火式内燃機関では噴射燃料の粒径を大きくすることによって噴射燃料からの燃料の蒸発を遅延させ、しかも補助燃料を燃焼させることなく燃焼しやすい状態に維持することによって主燃料の噴射開始後、時間遅れをもって燃焼を開始させるようにしている。しかしながらこの圧縮着火式内燃機関でも噴射燃料の粒径を小さくした場合には圧縮上死点付近で噴射された主燃料は燃焼しやすい状態にある補助燃料によって噴射後ただちに燃焼せしめられ、斯くして多量のNOx および煤が発生することになる。
【0009】
即ち、この圧縮着火式内燃機関は噴射燃料の粒径の大きい場合に適しているが噴射燃料の粒径が小さい場合には適していないことになる。
本発明の目的は噴射燃料の粒径が小さい場合であっても燃焼騒音、NOx および煤の発生を大巾に抑制することのできる圧縮着火式内燃機関を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために1番目の発明では、燃焼室内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、圧縮行程中に燃料噴射弁から補助燃料を噴射し、次いで燃料噴射弁から主燃料を噴射するようにした圧縮着火式内燃機関において、主燃料の噴射完了後まで補助燃料に含まれる炭化水素を中間的な酸化段階まで酸化した状態に維持することのできる予め定められた補助燃料噴射時期において補助燃料を噴射し、補助燃料を噴射しなかった場合に燃焼不良又は失火を生ずることなく主燃料が燃焼せしめられる主燃料の噴射時期よりも遅い予め定められた主燃料噴射時期であって補助燃料を噴射しなかった場合には燃焼不良又は失火を生じかつ補助燃料を噴射した場合には燃焼不良又は失火を生ずることなく燃焼が行われる予め定められた主燃料噴射時期において主燃料を噴射し、それにより主燃料の噴射完了後一定期間以上を経た後に燃焼室内のほぼ全体に分布した多数の場所において同時に燃料が着火せしめられるようにしている。
【0011】
2番目の発明では1番目の発明において、補助燃料の噴射量が最大噴射量の30パーセント以下とされる。
3番目の発明では1番目の発明において、予め定められた補助燃料噴射時期が、主燃料を噴射しなかった場合には失火を生じかつ予め定められた主燃料噴射時期後まで補助燃料に含まれる炭化水素を中間的な酸化段階まで酸化した状態に維持することのできる噴射時期とされる。
【0012】
4番目の発明では3番目の発明において、予め定められた補助燃料噴射時期がほぼ圧縮上死点前50°からほぼ圧縮上死点前20°の間とされる。
5番目の発明では4番目の発明において、予め定められた補助燃料噴射時期は機関回転数が高くなるほど圧縮下死点側とされる。
6番目の発明では4番目の発明において、予め定められた補助燃料噴射時期は進角側の限界値と遅角側の限界値との間に存在し、同一の機関回転数での進角側の限界値における噴射時期と遅角側の限界値における噴射時期との差は最大噴射量に対する補助燃料の噴射量の割合が大きくなるほど小さくされる。
【0013】
7番目の発明では6番目の発明において、進角側の限界値における噴射時期は機関回転数が1000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前40°であり、機関回転数が2000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前45°であり、機関回転数が3000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前50°とされる。
8番目の発明では6番目の発明において、補助燃料の噴射量が最大噴射量の20パーセントである場合の遅角側の限界値における噴射時期は機関回転数が1000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前30°であり、機関回転数が2000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前35°であり、機関回転数が3000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前40°とされる。
【0014】
9番目の発明では6番目の発明において、補助燃料の噴射量が最大噴射量の10パーセントである場合の遅角側の限界値における噴射時期は機関回転数が1000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前20°であり、機関回転数が2000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前25°であり、機関回転数が3000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前30°とされる。
【0015】
10番目の発明では4番目の発明において、燃料噴射弁が複数個のノズル口を具えたホールノズルからなり、ノズル口の直径がほぼ0.04mmからほぼ0.2mmとされる。
11番目の発明では1番目の発明において、予め定められた補助燃料噴射時期が、主燃料を噴射しなかった場合には燃焼不良を生じるか又は燃焼して機関を駆動しかつ予め定められた主燃料噴射時期後まで補助燃料に含まれる炭化水素を中間的な酸化段階まで酸化した状態に維持することのできる噴射時期とされる。
【0016】
12番目の発明では11番目の発明において、予め定められた補助燃料噴射時期は、主燃料を噴射しなかった場合には失火を生じかつ予め定められた主燃料噴射時期後まで補助燃料に含まれる炭化水素を中間的な酸化段階まで酸化した状態に維持することのできる補助燃料噴射時期よりも遅角側とされる。
13番目の発明では1番目の発明において、燃料噴射弁が複数個のノズル口を具えたホールノズルからなり、予め定められた補助燃料噴射時期はノズル口の直径が大きくなるほど圧縮下死点側とされる。
【0017】
14番目の発明では1番目の発明において、主燃料の噴射時期が圧縮上死点後とされる。
15番目の発明では14番目の発明において、噴射燃料の平均粒径がほぼ50μm以下のときには予め定められた主燃料噴射時期がほぼ圧縮上死点後8°以後とされる。
【0018】
16番目の発明では15番目の発明において、燃料噴射弁が複数個のノズル口を具えたホールノズルからなり、ノズル口の直径がほぼ0.04mmからほぼ0.2mmのときには予め定められた主燃料噴射時期がほぼ圧縮上死点後8°以後とされる。
17番目の発明では1番目の発明において、噴射燃料の平均粒径が大きくなるほど予め定められた主燃料噴射時期が進角される。
【0019】
18番目の発明では17番目の発明において、燃料噴射弁が複数個のノズル口を具えたホールノズルからなり、ノズル口の直径が大きくなるほど予め定められた主燃料噴射時期が進角される。
19番目の発明では1番目の発明において、燃料噴射弁が複数個のノズル口を具えたホールノズルからなり、各ノズル口から噴射された主燃料の噴霧の周辺部から着火することなく、主燃料の噴射完了後各ノズル口から噴射された噴霧中の燃料が燃焼室内に均一に分散せしめられた後に多数の場所において同時に燃料が着火せしめられる。
【0020】
20番目の発明では1番目の発明において、機関回転数が高くなるほど主燃料噴射時期が早められる。
21番目の発明では1番目の発明において、アイドリング運転を含む低負荷運転領域と全負荷に近い運転領域とを除く予め定められた運転領域では予め定められた補助燃料噴射時期に補助燃料を噴射すると共に予め定められた主燃料噴射時期に主燃料を噴射し、アイドリング運転を含む低負荷運転領域および全負荷に近い運転領域では予め定められた補助燃料噴射時期と予め定められた主燃料噴射時期との間で燃料を噴射するようにしている。
【0021】
22番目の発明では1番目の発明において、機関の運転領域を高負荷側の運転領域と低負荷側の運転領域との少なくとも二つの運転領域に分割し、高負荷側の運転領域では予め定められた補助燃料噴射時期に補助燃料を噴射すると共に予め定められた主燃料噴射時期に主燃料を噴射し、低負荷側の運転領域では予め定められた補助燃料噴射時期よりも前の圧縮行程中に燃料を噴射するようにしている。
【0022】
23番目の発明では22番目の発明において、低負荷側の運転領域では予め定められた補助燃料噴射時期よりも前の圧縮行程中に複数回に亘って燃料を噴射するようにしている。
【0023】
24番目の発明では1番目の発明において、アイドリング運転を含む低負荷運転領域と全負荷に近い運転領域とを除く予め定められた運転領域の高負荷側では予め定められた補助燃料噴射時期に補助燃料を噴射すると共に予め定められた主燃料噴射時期に主燃料を噴射し、予め定められた運転領域の低負荷側では予め定められた補助燃料噴射時期よりも前の圧縮行程中に燃料を噴射し、アイドリング運転を含む低負荷運転領域および全負荷に近い運転領域では予め定められた補助燃料噴射時期と予め定められた主燃料噴射時期との間で燃料を噴射するようにしている。
【0024】
25番目の発明では24番目の発明において、予め定められた運転領域の低負荷側では予め定められた補助燃料噴射時期よりも前の圧縮行程中に複数回に亘って燃料を噴射するようにしている。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介して排気ターボチャージャ14のコンプレッサ15に連結される。一方、排気ポート10は排気マニホルド16および排気管17を介して排気ターボチャージャ14の排気タービン18に連結され、排気タービン18の出口は酸化触媒19を内蔵した触媒コンバータ20に連結される。
【0026】
排気マニホルド16とサージタンク12とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路22を介して互いに連結され、EGR通路22内には電気制御式EGR制御弁23が配置される。各燃料噴射弁6は燃料供給管24を介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール25に連結される。このコモンレール25内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ26から燃料が供給され、コモンレール25内に供給された燃料は各燃料供給管24を介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール25にはコモンレール25内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ27が取付けられ、燃料圧センサ27の出力信号に基づいてコモンレール25内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ26の吐出量が制御される。
【0027】
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。燃料圧センサ27の出力信号は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁6、EGR制御弁23および燃料ポンプ26に接続される。
【0028】
燃料噴射弁6の先端部を示す図2を参照すると本発明による実施例では燃料噴射弁6が複数個のノズル口43を有するホールノズルからなる。図2に示される実施例では燃料噴射弁6は同一径の6個のノズル口43を有し、各ノズル口43の直径はほぼ0.04mmからほぼ0.2mmの範囲に形成されている。
図3は本発明の実施例における噴射制御の代表例について示している。図3に示されるように本発明による実施例では圧縮行程中に補助燃料が噴射され、圧縮上死点TDC後に主燃料が噴射される。
【0029】
次に図3を参照しつつまず初めに本発明の基本的な燃焼方法について概略的に説明し、次いで図4から図6を参照しつつ本発明による燃焼方法について詳細に説明する。
圧縮行程の後半に燃料噴射弁6から燃焼室5内に補助燃料が噴射されるとこの補助燃料に含まれる炭化水素は圧縮行程中に酸化せしめられる。次いで圧縮行程が進むと通常は炭化水素が更に酸化せしめられ、その結果炭化水素は完全に燃焼せしめられる。
【0030】
これに対して本発明による燃焼方法のもとでは主燃料の噴射開始後まで補助燃料に含まれる炭化水素を中間的な酸化段階まで酸化した状態に維持することのできる予め定められた補助燃料噴射時期に補助燃料が噴射される。この場合、本発明による基本的な燃焼方法のもとでは主燃料を噴射しなかった場合には失火を生じる補助燃料噴射時期に補助燃料が噴射される。
【0031】
一方、本発明による燃焼方法のもとでは補助燃料を噴射しなかった場合に燃焼不良又は失火を生ずることなく主燃料が燃焼せしめられる主燃料の噴射時期よりも遅い主燃料噴射時期であって補助燃料を噴射しなかった場合には燃焼不良又は失火を生じかつ補助燃料を噴射した場合には燃焼不良又は失火を生ずることなく燃焼が行われる主燃料噴射時期において主燃料が噴射される。
【0032】
上述の如く補助燃料および主燃料を噴射すると主燃料の噴射完了後一定期間以上を経た後に燃焼室5内のほぼ全体に分布した多数の場所において同時に燃料が着火せしめられ、その結果NOx および煤の発生量が極めて少ないおだやかな燃焼が得られる。
次にこのことについて詳細に説明する。
【0033】
図1に示す圧縮着火式内燃機関において圧縮上死点付近で燃料を噴射すると燃料噴射時に形成された予混合気が急激に燃焼せしめられ、その結果多量のNOx および煤が発生する。一方、図1に示す圧縮着火式内燃機関において上述の補助燃料噴射時期に補助燃料を噴射したとしても圧縮上死点付近において主燃料を噴射すると主燃料がただちに燃焼せしめられるために燃焼圧および温度が高くなり、その結果多量のNOx および煤が発生する。
【0034】
一方、燃料の噴射時期を圧縮上死点から遅らせると圧縮上死点に比べて燃料噴射時の燃焼室5内の温度が低くなるために予混合気の量は減少する。しかしながら燃料噴射時期を圧縮上死点から多少遅らしたぐらいでは依然としてかなりの量の予混合気が形成されるので予混合気が急激に燃焼せしめられ、斯くして多量のNOx および煤が発生する。一方、このとき補助燃料を噴射しても主燃料は噴射後ただちに燃焼せしめられるので燃焼圧および温度が高くなり、斯くして多量のNOx および煤が発生する。
【0035】
このように燃料噴射を一回行った場合に、即ち主燃料のみを噴射した場合に燃焼不良或いは失火を生ずることなく燃焼が行われる場合には補助燃料を噴射するか否かにかかわらずに多量のNOx および煤が発生する。
一方、燃料噴射を一回行った場合に、即ち主燃料のみを噴射した場合に噴射時期を更に遅らせると燃料噴射時における燃焼室5内の温度が更に低下するために噴射燃料の一部が燃焼するが全部が燃焼しない燃焼不良を生じるか、或いは失火を生ずる。ところがこの場合、上述の補助燃料噴射時期に補助燃料を噴射しておくと燃焼室5内のほぼ全体に分布した多数の場所において同時に燃料が着火せしめられ、NOx および煤の発生量が極めて低くなる。この場合、なぜこのように多数の場所において同時に燃料が着火せしめられるかについては必ずしも明確ではないが次のような理由に基づいているものと考えられる。
【0036】
即ち、燃料噴射時期が圧縮上死点から遅れれば遅れるほど燃料噴射時における燃焼室5内の温度は低くなり、燃焼室5内の圧力が低くなる。燃焼室5内の圧力が低くなると空気抵抗が小さくなるために燃料粒子は燃焼室5全体に分散し、また燃料粒子からの燃料の蒸発が促進される。従って燃料周りには十分な酸素が存在するようになる。一方、噴射燃料が分散する間に噴射燃料の温度は徐々に増大する。しかしながら燃焼室5内の温度が低いためにたとえ燃料周りに十分な酸素が存在していたとしても燃焼するには至らない。従ってこのまま何もしなければ失火してしまうことになる。
【0037】
ところがこのとき中間的な酸化段階まで酸化された炭化水素、即ち燃えやすい炭化水素が燃焼室5内に分散していると噴射燃料が分散してそれらの周りに十分な酸素が存在するようになったときにこれら炭化水素によって噴射燃料の酸化反応が促進され、斯くして燃焼室5内の多数の場所において同時に燃焼が開始される。このように燃焼室5内の多数の場所において同時に燃焼が開始されると燃焼室5内の温度は全体的に低くなり、斯くしてNOx の発生量は極めて少なくなる。また、燃料の周りに十分な酸素が存在するようになったときに燃焼が開始されるので煤の発生量も極めて少量となる。またこのときの燃焼はおだやかであるために燃焼騒音がほとんど発生しなくなる。
【0038】
事実、このときの燃焼室5内の燃焼を連続的に撮影した写真を見ると主燃料の噴射が完了してから一定期間を経過するまで、即ち燃料噴霧が見えなくなり燃料が燃焼室5内に均一に分散せしめられるまで燃料は着火されず、その後に多数の場所において同時に燃焼が開始されていることがわかる。
このように主燃料のみを噴出したときに燃焼不良又は失火を生ずる主燃料噴射時期において主燃料を噴射し、このとき燃焼室5内に中間的な酸化段階まで酸化された炭化水素が分散せしめられているとNOx および煤の発生量の極めて少ないおだやかな燃焼を得ることができる。即ち、このようなNOx および煤の発生量の少ないおだやかな燃焼を得るためには主燃料の噴射時期を遅くすることに加え、主燃料の噴射完了後まで、中間的な酸化段階まで酸化された炭化水素を燃焼室5内に分散させておくことが必要となる。そこで本発明では主燃料の噴射完了後まで補助燃料に含まれる炭化水素を中間的な酸化段階まで酸化した状態に維持することのできる予め定められた補助燃料噴射時期において補助燃料を噴射するようにしている。
【0039】
なお、ここで補助燃料に含まれる炭化水素を中間的な酸化段階まで酸化した状態とはアルデヒド、ケトン、パーオキサイド等の中間生成物が生成されている状態を言い、この状態から更に酸化が進むと、即ち最終的な酸化段階まで進むと炭化水素は燃焼せしめられることになる。なお、この場合一部の炭化水素が燃焼したときにはアルデヒド、ケトン、パーオキサイド等の中間生成物が生成されるが全ての炭化水素が燃焼せしめられればアルデヒド、ケトン、パーオキサイド等の中間生成物は生成されない。従って補助燃料の一部が燃焼した場合には主燃料の噴射完了後までこれら中間生成物が残存しているので上述したNOx および煤の発生量の少ない本発明による燃焼が行われるが補助燃料の全部が完全に燃焼した場合には本発明による燃焼を行うことはできない。
【0040】
無論この場合、中間生成物の量が多いほど安定した良好な燃焼が得られるので補助燃料に含まれる全ての炭化水素がこれら中間生成物に変わることが最も好ましい。しかしながら実際には補助燃料に含まれる全ての炭化水素を中間生成物に変えることは困難であり、一部の炭化水素は燃焼してしまうと考えられる。いずれにしてもできるだけ多くの中間生成物を生成させることが最も重要となる。
【0041】
全ての補助燃料が完全に燃焼した場合には主燃料を噴射しなくても機関は駆動され、このとき燃焼のよしあしは別として失火することはない。これに対して補助燃料に含まれるほぼ全ての炭化水素が中間生成物に変わったとき、或いは比較的少量の一部の炭化水素が燃焼せしめられたときには主燃料を噴射しなければ失火し、機関は駆動されない。従って本発明による燃焼を行わせるには主燃料を噴射しなかった場合には失火を生じるように補助燃料を噴射することが最も好ましいと云うことができる。
【0042】
一方、比較的多量の補助燃料が燃焼せしめられた場合や大部分の補助燃料が燃焼せしめられた場合でも中間生成物が生成され、この場合でも本発明による燃焼を行うことができる。この場合には主燃料を噴射しなくても燃焼不良或いは燃焼を生じて機関が駆動される。従って主燃料を噴射しなかった場合でも燃焼不良又は燃焼を生じて機関が駆動されるように補助燃料を噴射することもできる。
【0043】
補助燃料を吸気行程或いはそれ以前に噴射すると補助燃料がシリンダボア内壁面に付着し、その結果未燃HCの排出量が増大したり、或いは潤滑油が希釈される等の問題を生ずる。この意味もあって本発明では圧縮行程後半に補助燃料を噴射するようにしている。
図1に示す圧縮着火式内燃機関において圧縮行程後半に補助燃料を噴射すると補助燃料が燃焼する場合と燃焼しない場合とがあり、補助燃料が燃焼するか否かは燃料粒子の分散度合と燃料粒子の温度の影響を強く受ける。即ち、燃料粒子の温度が上昇すると燃料の蒸発が開始され、蒸発した燃料が酸化せしめられる。この場合、燃料粒子の密度が高いと各燃料粒子は周囲の燃料粒子の酸化反応熱を受けて高温となる。燃料粒子が高温になると燃料粒子内の炭化水素が水素分子や炭素に熱分解され、水素分子が発生すると急激に燃焼が開始される。
【0044】
圧縮行程末期になると燃焼室5内の圧力は高くなり、燃焼室5内の吸入ガスの密度が高くなる。燃焼室5内の吸入ガスの密度が高くなると抵抗が大きくなるために噴射燃料は分散しずらくなり、斯くして燃料粒子の密度が高くなる。従って圧縮行程後半の末期に補助燃料を噴射すると燃料密度が高くなり、しかも燃焼室5内の温度が高いために補助燃料が急速に燃焼せしめられる。
【0045】
一方、圧縮行程後半の初期或いはそれ以前の圧縮行程中に補助燃料を噴射するとこのときには燃焼室5内の吸入ガスの密度が低いために燃料粒子は燃焼室5内に広い範囲に亘って分散する。しかしながら圧縮行程末期に達するまでに時間があるためにこの間に燃料粒子の温度が高くなり、斯くして補助燃料が燃焼せしめられることになる。ただし、このとき燃料粒子間の間隔が広いので燃料粒子内の炭化水素が熱分解することはない。
【0046】
これに対して圧縮行程後半の中期において補助燃料を噴射するとこのとき燃焼室5内の圧力は圧縮行程後半の末期ほど高くないので燃料粒子はかなり分散し、斯くして燃料粒子の密度はそれほど高くならない。従ってこのときには各燃料粒子は周囲の燃料粒子の酸化反応熱によって熱分解することはない。一方、このときには圧縮行程末期に達するまでの時間が短かいために燃料粒子の温度はさほど上昇しない。従って図1に示す圧縮着火式内燃機関においては圧縮行程後半の中期において補助燃焼を噴射すると燃焼を生じず、このとき補助燃料に含まれる炭化水素は主噴射の噴射完了後まで、中間的な酸化段階まで酸化した状態に保持されることになる。
【0047】
なお、圧縮行程後半の中期において補助燃料を噴射しても全ての燃料が燃焼しないとは考えずらく、一部の補助燃料は燃焼しているものと考えられる。しかしながら圧縮行程後半の中期において補助燃料を噴射した場合には主燃料を噴射しなければ失火することになる。また、圧縮行程後半の中期において補助燃料を噴射した場合、補助燃料の噴射量を多くすれば燃料粒子の密度が高くなって燃焼を生じやすくなり、補助燃料の噴射量を少なくすれば燃料粒子の密度が低くなって燃焼が生じにくくなる。従って主燃料を噴射しなければ失火を生じる補助燃料の噴射時期は補助燃料の噴射量に応じて変化することになる。
【0048】
次に図4(A),(B)および図5(A),(B)を参照しつつ図1に示す圧縮着火式内燃機関において主燃料を噴射しなかった場合には失火を生ずる補助燃料の噴射時期について説明する。
図4(A),(B)および図5(A),(B)において縦軸はクランク角を示しており、横軸は機関回転数Nを示している。また、図4(A)は最大噴射量の5パーセントの燃料を噴射した場合を示しており、図4(B)は最大噴射量の10パーセントの燃料を噴射した場合を示しており、図5(A)は最大噴射量の20パーセントの燃料を噴射した場合を示しており、図5(B)は最大噴射量の30パーセント以上の燃料を噴射した場合を示している。
【0049】
また、図4(A),(B)および図5(A),(B)においてIはこの領域の噴射時期でもって補助燃料を噴射すると補助燃料が燃焼する噴射時期領域を示しており、IIはこの領域の噴射時期でもって補助燃料を噴射すると主燃料を噴射しない場合には失火を生ずる噴射時期領域を示しており、III はこの領域の噴射時期でもって補助燃料を噴射すると補助燃料が燃焼する噴射時期領域を示している。
また、図4(A),(B)および図5(A)においてXは補助燃料の噴射時期領域IIの遅角側の限界値を示しており、Yは補助燃料の噴射時期領域IIの進角側の限界値を示している。図4(A),(B)および図5(A)からわかるように補助燃料の噴射時期領域IIはほぼ圧縮上死点前50°からほぼ圧縮上死点前20°の間であり、補助燃料の噴射時期領域IIは機関回転数Nが高くなるほど圧縮下死点側となる。
【0050】
具体的に言うと図4(A),(B)および図5(A)に示されるように進角側の限界値Yにおける補助燃料の噴射時期は補助燃料の噴射量にかかわらずに機関回転数が1000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前40°であり、機関回転数が2000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前45°であり、機関回転数が3000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前50°となる。
【0051】
一方、図4(A)に示されるように補助燃料の噴射量が最大噴射量の5パーセントである場合の遅角側の限界値Xにおける補助燃料の噴射時期は機関回転数が1000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前15°であり、機関回転数が2000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前20°であり、機関回転数が3000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前25°となる。
【0052】
また、図4(B)に示されるように補助燃料の噴射量が最大噴射量の10パーセントである場合の遅角側の限界値Xにおける補助燃料の噴射時期は機関回転数が1000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前20°であり、機関回転数が2000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前25°であり、機関回転数が3000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前30°となる。
【0053】
また、図5(A)に示されるように補助燃料の噴射量が最大噴射量の20パーセントである場合の遅角側の限界値Xにおける補助燃料の噴射時期は機関回転数が1000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前30°であり、機関回転数が2000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前35°であり、機関回転数が3000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前40°となる。
【0054】
一方、図5(B)に示されるように補助燃料の噴射量が最大噴射量の30パーセント以上になると噴射時期領域IIが消滅する。即ち、同一の機関回転数Nでの進角側の限界値Yにおける噴射時期と遅角側の限界値Xにおける噴射時期との差は最大噴射量に対する補助燃料の噴射量の割合が大きくなるほど小さくなる。この場合、補助燃料の噴射時期領域IIは最大噴射量に対する補助燃料の噴射量が大きくなるほど圧縮下死点側となり、補助燃料の噴射量が最大噴射量の30パーセント以上になると噴射時期領域IIは消滅する。従って本発明による実施例では補助燃料の噴射量が最大噴射量の30パーセント以下とされる。
【0055】
本発明による実施例では例えば補助燃料の噴射量は最大噴射量の10パーセントとされ、このとき補助燃料の噴射時期は図4(B)に示す噴射時期領域II内の予め定められた噴射時期とされる。このとき補助燃料に含まれる炭化水素は主燃料の噴射完了後まで、中間的な酸化段階まで酸化された状態に保持され、主燃料を噴射しなかった場合には失火する。
【0056】
一方、前述したように比較的多量の補助燃料が燃焼せしめられた場合や大部分の補助燃料が燃焼せしめられた場合でも中間生成物が生成され、従ってこの場合にも本発明によるNOx および煤の発生量の少ないおだやかな燃焼を得ることができる。この場合の補助燃料の噴射時期は噴射時期領域IIの遅角側の限界値Xよりもわずかばかり遅角側とされる。
【0057】
前述したように図4(A),(B)および図5(A)に示す噴射時期領域IIは図1に示す圧縮着火式内燃機関におけるものである。即ち、図1に示す圧縮着火式内燃機関ではノズル口43の直径がほぼ0.04mmからほぼ0.2mmである燃料噴射弁6が用いられており、従って図4(A),(B)および図5(A)に示す噴射時期領域IIはノズル口43の直径がほぼ0.04mmからほぼ0.2mmのときのものである。ノズル口43の直径を大きくすると噴射燃料の粒径は大きくなり、従って噴射燃料が温度上昇するのに時間を要するようになる。従ってノズル口43の直径を大きくした場合には補助燃料の噴射時期を早めても補助燃料は燃焼せず、従ってノズル口43の直径を大きくするに従って噴射時期IIは下死点側となる。
【0058】
一方、前述したように補助燃料を噴射しなかった場合には燃焼不良又は失火を生じかつ補助燃料を噴射した場合には燃焼不良又は失火を生ずることなく燃焼が行われる主燃料噴射時期において主燃料が噴射される。図6は図1に示す圧縮着火式内燃機関における主燃料の噴射時期の代表例を示している。なお、図6において縦軸は出力トルクを示しており、横軸は機関回転数(r.p.m.)を示しており、各実線は等噴射時期を示している。図6には代表的な4つの噴射時期、即ち圧縮上死点後ATDC10°と、圧縮上死点後ATDC11°と、圧縮上死点後ATDC12°と、圧縮上死点後ATDC13°とが示されている。図6からわかるように主燃料の噴射時期は機関回転数Nが高くなるほど早められる。
【0059】
上述したように図6に示される主燃料の噴射時期は代表例であって機関が異なればそれに伴なって噴射時期も異なるが燃料噴射弁6のノズル口43の直径がほぼ0.04mmからほぼ0.2mmのときには噴射燃料の平均粒径はほぼ50μm以下となり、このとき主燃料の噴射時期は圧縮上死点後ATDC8°以後とされる。なお、場合によっては主燃料の噴射時期を圧縮上死点後ATDC30°程度まで遅らせる場合がある。
【0060】
噴射された主燃料の粒径が大きくなると燃料粒子の温度が上昇するのに時間を要するようになり、斯くして燃料が蒸発するのに時間を要するようになる。従って適切な時期に燃焼を生じさせるためには噴射された主燃料の粒径が大きくなるほど主燃料の噴射時期を進角させる必要がある。燃料噴射弁6としてホールノズルを用いた場合にはノズル口43の直径が大きくなるほど噴射燃料の粒径は大きくなり、従ってこの場合にはノズル口43の直径が大きくなるほど主燃料の噴射時期を進角させる必要がある。
【0061】
図1に示す圧縮着火式内燃機関において、全燃料噴射量Qはアクセルペダル40の踏込み量Lと機関回転数Nの関数であり、この全燃料噴射量Qは図7(A)に示すようなマップの形で予めROM32内に記憶されている。一方、補助燃料の噴射量Q1は全燃料噴射量Qと機関回転数Nの関数であり、この噴射量Q1も図7(B)に示すようなマップの形で予めROM32内に記憶されている。また、補助燃料の噴射開始時期θS1も全燃料噴射量Qと機関回転数Nの関数であり、この噴射開始時期θS1も図8(A)に示すようなマップの形で予めROM32内に記憶されている。また、主燃料の噴射開始時期θS2も全燃料噴射量Qと機関回転数Nの関数であり、この噴射開始時期θS2も図8(B)に示すようなマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0062】
図9は噴射制御ルーチンを示している。図9を参照するとまず初めにステップ50において図7(A)に示すマップから全燃料噴射量Qが算出され、次いでステップ51において図7(B)に示すマップから補助燃料の噴射量Q1が算出される。次いでステップ52において図8(A)に示すマップから補助燃料の噴射開始時期θS1が算出される。次いでステップ53では噴射量Q1および噴射開始時期θS1等に基づいて補助燃料の噴射完了時期θE1が算出される。次いでステップ54では全燃料噴射量Qから補助燃料の噴射量Q1を減算することによって主燃料の噴射量Q2が算出される。次いでステップ55において図8(B)に示すマップから主燃料の噴射開始時期θS2が算出される。次いでステップ56では噴射量Q2および噴射開始時期θS2等に基づいて主燃料の噴射完了時期θE2が算出される。
【0063】
次に、これまで説明した本発明による新たな燃焼を行うのに適した機関の運転領域について説明する。なお、機関の運転領域について説明するに当り、理解を容易にするためにこれまで説明した本発明による新たな燃焼方法を以下、二回噴射による多点点火燃焼と称し、従来より行われている燃焼を通常の燃焼と称する。ここで、通常の燃焼とは圧縮上死点付近において一回だけ燃料噴射を行うようにしたときの燃焼や、圧縮上死点付近において主燃料を噴射し、この主燃料の噴射に先立ってパイロット噴射を行ったときの燃焼を指している。このような通常の燃焼が行われるときには本発明による二回噴射による多点点火燃焼が行われるときの補助燃料噴射時期と主燃料噴射時期との間で燃料が噴射される。
【0064】
本発明による二回噴射による多点点火燃焼は燃焼温度が低いことを特徴としており、従って排気ガス温は通常の燃焼を行った場合に比べて低くなる。また、本発明による二回噴射による多点点火燃焼では噴射燃料が燃焼室5内全体に分散せしめられた後に燃焼が開始される。ところがこのように噴射燃料が燃焼室5内全体に分散せしめられると燃焼室5内の周縁部に到達した噴射燃料の一部は十分に燃焼せず、斯くして多量の未燃HCが発生する。
【0065】
従って本発明による実施例では、この未燃HCを酸化するために図1に示される如く機関排気通路内に酸化触媒19が配置されている。ところが本発明による二回噴射による多点点火燃焼を行った場合には前述したように排気ガス温が低くなり、特にアイドリング運転時を含む機関低負荷運転時には排気ガス温が特に低くなる。排気ガス温が低くなると酸化触媒19の温度が低下して酸化触媒19の活性が低下し、斯くして未燃HCを十分に浄化できない危険性がある。
【0066】
一方、機関負荷が全負荷近くになると燃料噴射量が多くなるために噴射期間が長くなり、このとき特に機関回転数が高くなると全ての主燃料を最適な期間内に噴射するのが困難となる。
そこで本発明による一実施例では図10に示すように出力トルクLが小さくかつ機関回転数Nの低い運転領域I、即ちアイドリング運転時を含む機関低負荷運転時には通常の燃焼を行い、比較的機関回転数の高い全負荷に近い運転領域III でも通常の燃焼を行い、これら運転領域I,III を除く大部分の運転領域IIにおいて本発明による二回噴射による多点点火燃焼を行うようにしている。
【0067】
運転領域Iにおいて通常の燃焼を行うと排気ガス温が上昇し、斯くして機関運転中、常時酸化触媒19を活性化した状態に維持することができる。また、運転領域III において通常の燃焼を行うことにより全燃料を最適な期間内に燃焼せしめることができ、斯くして機関高出力を得ることができる。
図11に別の実施例を示す。この実施例でもアイドリング運転時を含む機関低負荷運転領域Iでは通常の燃焼が行われ、機関回転数の比較的高い全負荷に近い運転領域III でも通常の燃焼が行われる。これに対してこれら運転領域I,III を除く運転領域IIは低負荷側の運転領域II−1と高負荷側の運転領域II−2に分けられ、高負荷側の運転領域II−2では本発明による二回噴射による多点点火燃焼が行われる。
【0068】
一方、低負荷側の運転領域II−1では一回噴射による多点点火燃焼が行われる。次にこの一回噴射による多点点火燃焼について説明する。
前述したように図4(A),(B)および図5(A),(B)の噴射時期領域IおよびIII において燃料を噴射すると噴射燃料が燃焼せしめられる。この場合、噴射時期領域Iにおいて燃料が噴射されたときの燃焼と噴射時期領域III において燃料が噴射されたときの燃焼とは燃焼が全く異なる。
【0069】
即ち、噴射時期領域III では燃焼室5内の圧縮圧力は低く、従って噴射燃料は燃焼室5内全体に分散する。次いで圧縮行程が進むと噴射燃料中に含まれる炭化水素が酸化せしめられる。ところがこの場合、燃料粒子間の間隔が広いために各燃料粒子は周囲の燃料粒子の酸化反応熱を受けず、斯くしてこれら燃料粒子は熱分解を生ずることはない。次いで燃料粒子の温度が上昇するとこれら燃料粒子が多数の場所において同時に燃焼せしめられる。その結果、燃焼室5内における燃焼温度は全体的に低くなり、斯くしてNOx がほとんど発生しなくなる。また、燃料粒子が分散しているので各燃料粒子周りには十分な空気が存在し、斯くして煤が発生することもない。
【0070】
このように噴射時期領域III において燃料を噴射するとNOx および煤がほとんど発生しないおだやかな燃焼が得られる。従って図11に示す実施例では運転領域II−1において図4(A),(B)および図5(A),(B)に示す噴射時期領域III において図12(A)に示すように一回だけ燃料を噴射し、この噴射燃料によって多点点火燃焼を行うようにしている。この一回噴射による多点点火燃焼は二回噴射による多点点火燃焼よりも更にNOx および煤の発生量が少なくなる。
【0071】
なお、噴射時期領域III において燃料を噴射した場合、機関負荷が高くなって燃料噴射量が多くなると燃料粒子の密度が高くなり、その結果多点点火燃焼が生じずらくなる。このとき多点点火燃焼が生じやすくするには燃料の密度を低下させればよく、そのためには噴射燃料を燃焼室5内の隅々まで分散させればよいことになる。しかしながら噴射燃料を燃焼室5内の隅々まで分散させようとすると噴射燃料が燃焼室5の内壁面上に付着し、その結果多量の未燃HCが発生すると共に付着燃料によって潤滑油が希釈されることになる。
【0072】
従って燃料噴射量が多くなったときには未燃HCの発生を抑制しつつ多点点火燃焼を生じさせるのが困難となる。従ってこの実施例では上述したように低負荷側の運転領域II−1において一回噴射による多点点火燃焼を行い、高負荷側の運転領域II−2において二回噴射による多点点火燃焼を行うようにしている。
【0073】
ところで上述したように一回噴射による多点点火燃焼は二回噴射による多点点火燃焼よりも更にNOx および煤の発生量が少なくなり、従ってできるだけ高負荷側まで一回噴射による多点点火燃焼を行わせることが好ましいことになる。そこで図12(B)に示す実施例では図4(A),(B)および図5(A),(B)の噴射時期領域III において、即ち噴射時期領域IIよりも早期に圧縮行程中において複数回に亘り間隔を隔てて燃料を噴射するようにしている。
【0074】
このように複数回に亘り間隔を隔てて燃料を噴射すると一回当りの噴射量が少なくなる。一回当りの噴射量が少なくなると噴射燃料を燃焼室5内の隅々まで分散させなくても燃料粒子の密度は小さくなり、従って一回当りの噴射量をかなり増大させても多点点火燃焼を生じさせることができるようになる。従って複数回に亘って間隔を隔てて燃料を噴射することによって多点点火燃焼が生じる運転領域を高負荷側に拡大することができることになる。
【0075】
図12(B)に示される実施例では噴射時期領域III において三回に亘り燃料を噴射するようにしている。しかしながら噴射回数は三回に限らず、二回であってもよいし、四回、五回或いは六回であってもよい。また、各噴射の噴射量は全て等しくしてもよいし、噴射毎に噴射量を異ならせてもよい。
【0076】
【発明の効果】
NOx および煤の発生量の少ないおだやかな燃焼を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】燃料噴射弁の先端部の断面図である。
【図3】補助燃料および主燃料の噴射時期の代表例を示す図である。
【図4】各噴射時期領域を示す図である。
【図5】各噴射時期領域を示す図である。
【図6】主燃料の噴射時期を示す図である。
【図7】全燃料噴射量Q等のマップを示す図である。
【図8】補助燃料の噴射時期等のマップを示す図である。
【図9】噴射制御を行うためのフローチャートである。
【図10】各運転領域I,II,III を示す図である。
【図11】各運転領域I,II−1,II−2,III を示す図である。
【図12】噴射時期を示す図である。
【符号の説明】
5…燃焼室
6…燃料噴射弁
Claims (25)
- 燃焼室内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁を具備し、圧縮行程中に燃料噴射弁から補助燃料を噴射し、次いで燃料噴射弁から主燃料を噴射するようにした圧縮着火式内燃機関において、主燃料の噴射完了後まで補助燃料に含まれる炭化水素を中間的な酸化段階まで酸化した状態に維持することのできる予め定められた補助燃料噴射時期において補助燃料を噴射し、補助燃料を噴射しなかった場合に燃焼不良又は失火を生ずることなく主燃料が燃焼せしめられる主燃料の噴射時期よりも遅い予め定められた主燃料噴射時期であって補助燃料を噴射しなかった場合には燃焼不良又は失火を生じかつ補助燃料を噴射した場合には燃焼不良又は失火を生ずることなく燃焼が行われる予め定められた主燃料噴射時期において主燃料を噴射し、それにより主燃料の噴射完了後一定期間以上を経た後に燃焼室内のほぼ全体に分布した多数の場所において同時に燃料が着火せしめられるようにした圧縮着火式内燃機関。
- 補助燃料の噴射量が最大噴射量の30パーセント以下である請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 上記予め定められた補助燃料噴射時期が、主燃料を噴射しなかった場合には失火を生じかつ上記予め定められた主燃料噴射時期後まで補助燃料に含まれる炭化水素を中間的な酸化段階まで酸化した状態に維持することのできる噴射時期とされる請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 上記予め定められた補助燃料噴射時期がほぼ圧縮上死点前50°からほぼ圧縮上死点前20°の間である請求項3に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 上記予め定められた補助燃料噴射時期は機関回転数が高くなるほど圧縮下死点側とされる請求項4に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 上記予め定められた補助燃料噴射時期は進角側の限界値と遅角側の限界値との間に存在し、同一の機関回転数での進角側の限界値における噴射時期と遅角側の限界値における噴射時期との差は最大噴射量に対する補助燃料の噴射量の割合が大きくなるほど小さくなる請求項4に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 上記進角側の限界値における噴射時期は機関回転数が1000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前40°であり、機関回転数が2000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前45°であり、機関回転数が3000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前50°である請求項6に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 補助燃料の噴射量が最大噴射量の20パーセントである場合の上記遅角側の限界値における噴射時期は機関回転数が1000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前30°であり、機関回転数が2000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前35°であり、機関回転数が3000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前40°である請求項6に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 補助燃料の噴射量が最大噴射量の10パーセントである場合の上記遅角側の限界値における噴射時期は機関回転数が1000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前20°であり、機関回転数が2000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前25°であり、機関回転数が3000r.p.m.のときにはほぼ圧縮上死点前30°である請求項6に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 燃料噴射弁が複数個のノズル口を具えたホールノズルからなり、ノズル口の直径がほぼ0.04mmからほぼ0.2mmである請求項4に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 上記予め定められた補助燃料噴射時期が、主燃料を噴射しなかった場合には燃焼不良を生じるか又は燃焼して機関を駆動しかつ上記予め定められた主燃料噴射時期後まで補助燃料に含まれる炭化水素を中間的な酸化段階まで酸化した状態に維持することのできる噴射時期とされる請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 上記予め定められた補助燃料噴射時期は、主燃料を噴射しなかった場合には失火を生じかつ上記予め定められた主燃料噴射時期後まで補助燃料に含まれる炭化水素を中間的な酸化段階まで酸化した状態に維持することのできる補助燃料噴射時期よりも遅角側とされる請求項11に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 燃料噴射弁が複数個のノズル口を具えたホールノズルからなり、上記予め定められた補助燃料噴射時期はノズル口の直径が大きくなるほど圧縮下死点側とされる請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 上記主燃料の噴射時期が圧縮上死点後である請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 噴射燃料の平均粒径がほぼ50μm以下のときには上記予め定められた主燃料噴射時期がほぼ圧縮上死点後8°以後である請求項14に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 燃料噴射弁が複数個のノズル口を具えたホールノズルからなり、該ノズル口の直径がほぼ0.04mmからほぼ0.2mmのときには上記予め定められた主燃料噴射時期がほぼ圧縮上死点後8°以後である請求項15に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 噴射燃料の平均粒径が大きくなるほど上記予め定められた主燃料噴射時期が進角される請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 燃料噴射弁が複数個のノズル口を具えたホールノズルからなり、該ノズル口の直径が大きくなるほど上記予め定められた主燃料噴射時期が進角される請求項17に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 燃料噴射弁が複数個のノズル口を具えたホールノズルからなり、各ノズル口から噴射された主燃料の噴霧の周辺部から着火することなく、主燃料の噴射完了後各ノズル口から噴射された噴霧中の燃料が燃焼室内に均一に分散せしめられた後に多数の場所において同時に燃料が着火せしめられる請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 機関回転数が高くなるほど主燃料噴射時期が早められる請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
- アイドリング運転を含む低負荷運転領域と全負荷に近い運転領域とを除く予め定められた運転領域では上記予め定められた補助燃料噴射時期に補助燃料を噴射すると共に上記予め定められた主燃料噴射時期に主燃料を噴射し、アイドリング運転を含む低負荷運転領域および全負荷に近い運転領域では上記予め定められた補助燃料噴射時期と上記予め定められた主燃料噴射時期との間で燃料を噴射するようにした請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 機関の運転領域を高負荷側の運転領域と低負荷側の運転領域との少なくとも二つの運転領域に分割し、高負荷側の運転領域では上記予め定められた補助燃料噴射時期に補助燃料を噴射すると共に上記予め定められた主燃料噴射時期に主燃料を噴射し、低負荷側の運転領域では上記予め定められた補助燃料噴射時期よりも前の圧縮行程中に燃料を噴射するようにした請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 低負荷側の運転領域では上記予め定められた補助燃料噴射時期よりも前の圧縮行程中に複数回に亘って燃料を噴射するようにした請求項22に記載の圧縮着火式内燃機関。
- アイドリング運転を含む低負荷運転領域と全負荷に近い運転領域とを除く予め定められた運転領域の高負荷側では上記予め定められた補助燃料噴射時期に補助燃料を噴射すると共に上記予め定められた主燃料噴射時期に主燃料を噴射し、該予め定められた運転領域の低負荷側では上記予め定められた補助燃料噴射時期よりも前の圧縮行程中に燃料を噴射し、アイドリング運転を含む低負荷運転領域および全負荷に近い運転領域では上記予め定められた補助燃料噴射時期と上記予め定められた主燃料噴射時期との間で燃料を噴射するようにした請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
- 上記予め定められた運転領域の低負荷側では上記予め定められた補助燃料噴射時期よりも前の圧縮行程中に複数回に亘って燃料を噴射するようにした請求項24に記載の圧縮着火式内燃機関。
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