JP3960720B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関においては機関の低速低負荷運転時、特に機関の暖機運転時には燃焼室内の温度が低くなり、その結果多量の未燃HCが発生する。そこで機関排気通路内に排気制御弁を配置し、機関低速低負荷運転時に排気制御弁を閉弁すると共に燃料噴射量を大巾に増量することにより燃焼室内の温度を高めて噴射燃料を燃焼室内で完全燃焼させ、それによって未燃HCの発生量を抑制するようにしたディーゼル機関が公知である(特開昭49−80414号公報参照)。
【0003】
また、機関排気通路内に排気浄化用触媒を配置した場合には触媒温度が十分に高くならないと触媒による良好な排気浄化作用は行われない。そこで機関の出力を発生させるための主燃料の噴射に加え副燃料を膨張行程中に噴射し、副燃料を燃焼させることにより排気ガス温を上昇させ、それによって触媒の温度を上昇させるようにした内燃機関が公知である(特開平8−303290号公報および特開平10−212995号公報参照)。
【0004】
また、従来より未燃HCを吸着しうる触媒が知られている。この触媒は周囲の圧力が高くなればなるほど未燃HCの吸着量が増大し、周囲の圧力が低くなると吸着した未燃HCを放出する性質を有する。そこでこの性質を利用して触媒から放出された未燃HCによりNOX を還元するために、機関排気通路内にこの触媒を配置すると共に触媒下流の機関排気通路内に排気制御弁を配置し、NOX の発生量の少ない機関低速低負荷運転時には機関出力の発生のための主燃料に加え少量の副燃料を膨張行程中又は排気行程中に噴射して多量の未燃HCを燃焼室から排出させ、更にこのとき機関の出力低下が許容範囲内に納まるように排気制御弁を比較的に小さな開度まで閉弁することにより排気通路内の圧力を高めて燃焼室から排出される多量の未燃HCを触媒内に吸着させ、NOX の発生量の多い機関高速又は高負荷運転時には排気制御弁を全開にして排気通路内の圧力を低下させ、このとき触媒から放出される未燃HCによってNOX を還元するようにした内燃機関が公知である(特開平10−238336号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さて、現在ディーゼル機関はもとより火花点火式内燃機関においても機関低負荷運転時、特に機関の暖機運転時に発生する未燃HCの量をいかにして低減するかが大きな問題となっている。そこで本発明者はこの問題を解決すべく実験研究を行い、その結果機関の暖機運転時等において大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減するためには燃焼室内における未燃HCの発生量を低減しかつ同時に排気通路内における未燃HCの低減量を増大しなければならないことが判明したのである。
【0006】
具体的に言うと、膨張行程中又は排気行程中に燃焼室内に副燃料を追加噴射してこの副燃料を燃焼させ、機関排気ポートの出口からかなり距離を隔てた機関排気通路内に排気制御弁を設けてこの排気制御弁をほぼ全閉させると、これら副燃料の燃焼と排気制御弁による排気絞り作用との相乗効果によって燃焼室内における未燃HCの発生量が低減すると共に排気通路内における未燃HCの低減量が増大し、斯くして大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減しうることが判明したのである。
【0007】
もう少し詳しく言うと、副燃料が噴射されると副燃料自身が燃焼せしめられるばかりでなく主燃料の燃え残りである未燃HCが燃焼室内で燃焼せしめられる。従って燃焼室内で発生する未燃HCの量が大巾に低減するばかりでなく、主燃料の燃え残りである未燃HCおよび副燃料が燃焼せしめられるので既燃ガス温がかなり高温となる。
【0008】
一方、排気制御弁がほぼ全閉せしめられると機関の排気ポートから排気制御弁に到る排気通路内の圧力、即ち背圧がかなり高くなる。背圧が高いということは燃焼室内から排出された排気ガス温がさほど低下しないことを意味しており、従って排気ポート内における排気ガス温はかなり高温となっている。一方、背圧が高いということは排気ポート内に排出された排気ガスの流速が遅いことを意味しており、従って排気ガスは高温の状態で排気制御弁上流の排気通路内に長時間に亘って滞留することになる。この間に排気ガス中に含まれる未燃HCが酸化せしめられ、斯くして大気中に排出される未燃HCの量が大巾に低減されることになる。
【0009】
この場合、もし副燃料を噴射しなかった場合には主燃料の燃え残りの未燃HCがそのまま残存するために燃焼室内において多量の未燃HCが発生する。また副燃料を噴射しなかった場合には燃焼室内の既燃ガス温がさほど高くならないためにこのときたとえ排気制御弁をほぼ全閉させても排気制御弁上流の排気通路内での未燃HCの十分な酸化作用は期待できない。従ってこのときには多量の未燃HCが大気中に排出されることになる。
【0010】
一方、排気制御弁による排気絞り作用を行わない場合でも副燃料を噴射すれば燃焼室内で発生する未燃HCの発生量は低減し、燃焼室内の既燃ガス温は高くなる。しかしながら排気制御弁による排気絞り作用を行わない場合には燃焼室から排気ガスが排出されるや否や排気ガス圧はただちに低下し、斯くして排気ガス温もただちに低下する。従ってこの場合には排気通路内における未燃HCの酸化作用はほとんど期待できず、斯くしてこのときにも多量の未燃HCが大気中に排出されることになる。
【0011】
即ち、大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減するためには副燃料を噴射しかつ同時に排気制御弁をほぼ全閉にしなければならないことになる。
前述の特開昭49−80414号公報に記載されたディーゼル機関では副燃料が噴射されず、主燃料の噴射量が大巾に増大せしめられるので排気ガス温は上昇するが極めて多量の未燃HCが燃焼室内で発生する。このように燃焼室内において極めて多量の未燃HCが発生するとたとえ排気通路内において未燃HCの酸化作用が行われたとしても一部の未燃HCしか酸化されないので多量の未燃HCが大気中に排出されることになる。
【0012】
一方、前述の特開平8−303290号公報又は特開平10−212995号公報に記載された内燃機関では排気制御弁による排気絞り作用が行われていないので排気通路内における未燃HCの酸化作用はほとんど期待できない。従ってこの内燃機関においても多量の未燃HCが大気中に排出されることになる。
また前述の特開平10−238336号公報に記載された内燃機関では機関の出力低下が許容範囲内に納まるように排気制御弁が比較的小さな開度まで閉弁せしめられる。しかしながら機関の出力低下が許容範囲内に納まる程度の排気制御弁の閉弁量では背圧はそれほど高くなっていない。
【0013】
また、この内燃機関では触媒に吸着すべき未燃HCを発生させるために少量の副燃料が膨張行程中又は排気行程中に噴射される。この場合、副燃料が良好に燃焼せしめられれば未燃HCが発生しなくなるのでこの内燃機関では副燃料が良好に燃焼しないように副燃料の噴射制御を行っているものと考えられる。従ってこの内燃機関では少量の副燃料が既燃ガス温の温度上昇にはさほど寄与していないものと考えられる。
【0014】
このようにこの内燃機関では多量の未燃HCが燃焼室内において発生せしめられ、しかも背圧はそれほど高くならず既燃ガス温もさほど温度上昇しないと考えられるので排気通路内においても未燃HCはさほど酸化されないものと考えられる。この内燃機関ではできるだけ多量の未燃HCを触媒に吸着させることを目的としており、従ってこのように考えるのが理にかなっていると言える。
【0015】
ところで前述したように大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減するためには副燃料を噴射しかつ同時に排気制御弁をほぼ全閉にしなければならない。ところがこのように副燃料を噴射しかつ排気制御弁をほぼ全閉にすると前述した如く排気ポートから排出された排気ガスは高温高圧に維持される。即ち、副燃料を噴射しかつ排気制御弁をほぼ全閉にしたときには排気制御弁上流の排気通路に高温かつ高圧の排気ガスが形成されるのでこれら高温かつ高圧の排気ガスをできるだけ有効に利用することが望まれる。
【0016】
本発明の目的は大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減すべきときに形成される高温高圧の排気ガスのエネルギを有効に利用した内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために1番目の発明では、機関排気ポートの出口に接続された排気通路内に排気ターボチャージャの排気タービンと排気制御弁を配置し、大気中への未燃HCの排出量を低減すべきであると判断されたときには排気制御弁をほぼ全閉にすると共に、機関出力を発生するために燃焼室内に噴射された主燃料を空気過剰のもとで燃焼させることに加え副燃料を副燃料が燃焼しうる膨張行程中又は排気行程中の予め定められた時期に燃焼室内に追加噴射し、排気制御弁がほぼ全閉にされているときに加速運転が行われたときには排気制御弁の開度を増大するようにしている。
【0018】
2番目の発明では1番目の発明において、排気タービン下流の排気通路内に排気制御弁を配置している。
3番目の発明では1番目の発明において、排気制御弁がほぼ全閉せしめられたときには同一の機関運転状態のもとで排気制御弁が全開せしめられた場合の機関の発生トルクに近づくように同一の機関運転状態のもとで排気制御弁が全開せしめられた場合に比べて主燃料の噴射量を増量させるようにしている。
【0019】
4番目の発明では1番目の発明において、機関の暖機運転が行われているときには大気中への未燃HCの排出量を低減すべきであると判断される。
5番目の発明では1番目の発明において、機関低負荷運転が行われているときには大気中への未燃HCの排出量を低減すべきであると判断される。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1および図2は本発明を成層燃焼式内燃機関に適用した場合を示している。しかしながら本発明は均一リーン空燃比のもとで燃焼が行われる火花点火式内燃機関、および空気過剰のもとで燃焼が行われるディーゼル機関にも適用することができる。
【0021】
図2を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6はシリンダヘッド3の内壁面周縁部に配置された燃料噴射弁、7はシリンダヘッド3の内壁面中央部に配置された点火栓、8は吸気弁、9は吸気ポート、10は排気弁、11は排気ポートを夫々示す。
図1および図2を参照すると、吸気ポート9は対応する吸気枝管12を介してサージタンク13に連結され、サージタンク13は吸気ダクト14、排気ターボチャージャ15のコンプレッサ16、吸気ダクト17およびエアフローメータ18を介してエアクリーナ19に連結される。吸気ダクト17内にはステップモータ20により駆動されるスロットル弁21が配置される。一方、排気マニホルド22は排気ターボチャージャ15の排気タービン23および排気管24を介して触媒25を収容した触媒コンバータ26に連結され、排気管24内には負圧ダイアフラム装置又は電気モータからなるアクチュエータ27により駆動される排気制御弁28が配置される。
【0022】
図1に示されるように排気マニホルド22とサージタンク13とは排気ガス再循環(以下EGRと称す)通路29を介して互いに連結され、EGR通路29内には電気制御式EGR制御弁30が配置される。燃料噴射弁6は共通の燃料リザーバ、いわゆるコモンレール31に連結される。このコモンレール31内へは燃料タンク32内の燃料が電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ33を介して供給され、コモンレール31内に供給された燃料が各燃料噴射弁6に供給される。コモンレール31にはコモンレール31内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ34が取付けられ、燃料圧センサ34の出力信号に基づいてコモンレール31内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ33の吐出量が制御される。
【0023】
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45および出力ポート46を具備する。エアフローメータ18は吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、この出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。更に入力ポート45には燃料圧センサ34の出力信号が対応するAD変換器47を介して入力される。
【0024】
また、アクセルペダル50にはアクセルペダル50の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ51が接続され、負荷センサ51の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。また、入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ52が接続される。一方、出力ポート46は対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、点火栓7、スロットル弁制御用ステップモータ20、排気制御弁制御用アクチュエータ27、EGR制御弁30および燃料ポンプ33に接続される。
【0025】
図3は燃料噴射量Q1,Q2,Q(=Q1 +Q2 )、噴射開始時期θS1,θS2、噴射完了時期θE1,θE2および燃焼室5内における平均空燃比A/Fを示している。なお、図3において横軸Lはアクセルペダル50の踏込み量、即ち要求負荷を示している。
図3からわかるように要求負荷LがL1 よりも低いときには圧縮行程末期のθS2からθE2の間において燃料噴射Q2が行われる。このときには平均空燃比A/Fはかなりリーンとなっている。要求負荷LがL1 とL2 の間のときには吸気行程初期のθS1からθE1の間において第1回目の燃料噴射Q1が行われ、次いで圧縮行程末期のθS2からθE2の間において第2回目の燃料噴射Q2が行われる。このときにも空燃比A/Fはリーンとなっている。要求負荷LがL2 よりも大きいときには吸気行程初期のθS1からθE1の間において燃料噴射Q1が行われる。このときには要求負荷Lが低い領域では平均空燃比A/Fがリーンとされており、要求負荷Lが高くなると平均空燃比A/Fが理論空燃比とされ、要求負荷Lが更に高くなると平均空燃比A/Fがリッチとされる。なお、圧縮行程末期にのみ燃料噴射Q2が行われる運転領域、二回に亘って燃料噴射Q1およびQ2が行われる運転領域および吸気行程初期にのみ燃料噴射Q1が行われる運転領域は要求負荷Lのみにより定まるのではなく、実際には要求負荷Lおよび機関回転数により定まる。
【0026】
図2は要求負荷LがL1 (図3)よりも小さいとき、即ち圧縮行程末期においてのみ燃料噴射Q2が行われる場合を示している。図2に示されるようにピストン4の頂面上にはキャビティ4aが形成されており、要求負荷LがL1 よりも低いときには燃料噴射弁6からキャビティ4aの底壁面に向けて圧縮行程末期に燃料が噴射される。この燃料はキャビティ4aの周壁面により案内されて点火栓7に向かい、それによって点火栓7の周りに混合気Gが形成される。次いでこの混合気Gは点火栓7により着火せしめられる。
【0027】
一方、前述したように要求負荷LがL1 とL2 との間にあるときには二回に分けて燃料噴射が行われる。この場合、吸気行程初期に行われる第1回目の燃料噴射Q1によって燃焼室5内に稀薄混合気が形成される。次いで圧縮行程末期に行われる第2回目の燃料噴射Q2によって点火栓7周りに最適な濃度の混合気が形成される。この混合気が点火栓7により着火せしめられ、この着火火炎によって稀薄混合気が燃焼せしめられる。
【0028】
一方、要求負荷LがL2 よりも大きいときには図3に示されるように燃焼室5内にはリーン又は理論空燃比又はリッチ空燃比の均一混合気が形成され、この均一混合気が点火栓7により着火せしめられる。
次に図4を参照しつつまず初めに本発明による未燃HCの低減方法について概略的に説明する。なお、図4において横軸はクランク角を示しており、BTDCおよびATDCは夫々上死点前および上死点後を示している。
【0029】
図4(A)は本発明による方法によって特に未燃HCを低減する必要のない場合であって要求負荷LがL1 よりも小さいときの燃料噴射時期を示している。図4(A)に示されるようにこのときには圧縮行程末期に主燃料Qmのみが噴射され、このとき排気制御弁28は全開状態に保持されている。
これに対し、本発明による方法によって未燃HCを低減する必要がある場合には排気制御弁28がほぼ全閉せしめられ、更に図4(B)に示されるように機関出力を発生させるための主燃料Qmの噴射に加え、膨張行程中に、図4(B)に示される例では圧縮上死点後(ATDC)60°付近において副燃料Qaが追加噴射される。なおこの場合、主燃料Qmの燃焼後、副燃料Qaを完全に燃焼せしめるのに十分な酸素が燃焼室5内に残存するように主燃料Qmは空気過剰のもとで燃焼せしめられる。また、図4(A)と図4(B)とは機関負荷と機関回転数が同一であるときの燃料噴射期間を示しており、従って機関負荷と機関回転数が同一である場合には図4(B)に示される場合の主燃料Qmの噴射量の方が図4(A)に示される場合の主燃料Qmの噴射量に比べて増量せしめられている。
【0030】
図5は機関排気通路の各位置における排気ガス中の未燃HCの濃度(ppm) の一例を示している。図5に示す例において黒三角は排気制御弁28を全開にした状態で図4(A)に示す如く圧縮行程末期において主燃料Qmを噴射した場合の排気ポート11出口における排気ガス中の未燃HCの濃度(ppm) を示している。この場合には排気ポート11出口における排気ガス中の未燃HCの濃度は6000ppm 以上の極めて高い値となる。
【0031】
一方、図5に示す例において黒丸および実線は排気制御弁28をほぼ全閉とし、図4(B)に示されるように主燃料Qmおよび副燃料Qaを噴射した場合の排気ガス中の未燃HCの濃度(ppm) を示している。この場合には排気ポート11出口における排気ガス中の未燃HCの濃度は2000ppm 以下となり、排気制御弁28の付近においては排気ガス中の未燃HCの濃度は150ppm 程度まで減少する。従ってこの場合には大気中に排出される未燃HCの量が大巾に低減せしめられることがわかる。
【0032】
このように排気制御弁28上流の排気通路内において未燃HCが減少するのは未燃HCの酸化反応が促進されているからである。しかしながら図5の黒三角で示されるように排気ポート11出口における未燃HCの量が多い場合、即ち燃焼室5内での未燃HCの発生量が多い場合にはたとえ排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進しても大気中に排出される未燃HCの量はさほど低減しない。即ち、排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進することによって大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減しうるのは図5の黒丸で示されるように排気ポート11出口における未燃HCの濃度が低いとき、即ち燃焼室5内での未燃HCの発生量が少ないときである。
【0033】
このように大気中に排出される未燃HCの量を低減させるためには燃焼室5内での未燃HCの発生量を低下させかつ排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進させるという二つの要求を同時に満たす必要がある。そこでまず初めに2番目の要求、即ち排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進させることから説明する。
【0034】
本発明によれば大気中に排出される未燃HCの量を低減すべきときには排気制御弁28がほぼ全閉とされる。このように排気制御弁28がほぼ全閉にされると排気ポート11内および排気マニホルド22内の圧力、即ち背圧はかなり高くなる。
背圧が高くなるということは燃焼室5内から排気ポート11内に排気ガスが排出されたときに排気ガスの圧力がさほど低下せず、従って燃焼室5から排出された排気ガス温もさほど低下しないことを意味している。従って排気ポート11内に排出された排気ガス温はかなり高温に維持されている。一方、背圧が高いということは排気ガスの密度が高いことを意味しており、排気ガスの密度が高いということは排気ポート11から排気制御弁28に至る排気通路内における排気ガスの流速が遅いことを意味している。従って排気ポート11内に排出された排気ガスは高温のもとで長時間に亘り排気制御弁28上流の排気通路内に滞留することになる。
【0035】
このように排気ガスが高温のもとで長時間に亘り排気制御弁28上流の排気通路内に滞留せしめられるとその間に未燃HCの酸化反応が促進される。この場合、本発明者による実験によると排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進するためには排気ポート11出口における排気ガス温をほぼ750℃以上、好ましくは800℃以上にする必要があることが判明している。
【0036】
また、高温の排気ガスが排気制御弁28上流の排気通路内に滞留している時間が長くなればなるほど未燃HCの低減量は増大する。この滞留時間は排気制御弁28の位置が排気ポート11出口から離れれば離れるほど長くなり、従って排気制御弁28は排気ポート11出口から未燃HCを十分に低減するのに必要な距離を隔てて配置する必要がある。排気制御弁28を排気ポート11出口から未燃HCを十分に低減するのに必要な距離を隔てて配置すると図5の実線に示されるように未燃HCの濃度は大巾に低減する。
【0037】
ところで前述したように排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進するためには排気ポート11出口における排気ガス温をほぼ750℃以上、好ましくは800℃以上にする必要がある。また、大気中に排出される未燃HCの量を低減するためには前述した1番目の要求を満たさなければならない。即ち燃焼室5内での未燃HCの発生量を低下させる必要がある。そのために本発明では機関出力を発生するための主燃料Qmに加え、主燃料Qmの噴射後に副燃料Qaを追加噴射して副燃料Qaを燃焼室5内で燃焼せしめるようにしている。
【0038】
即ち、副燃料Qaを燃焼室5内で燃焼せしめると副燃料Qaの燃焼時に主燃料Qmの燃え残りである多量の未燃HCが燃焼せしめられる。また、この副燃料Qaは高温ガス中に噴射されるので副燃料Qaは良好に燃焼せしめられ、従って副燃料Qaの燃え残りである未燃HCはさほど発生しなくなる。斯くして最終的に燃焼室5内で発生する未燃HCの量はかなり少なくなる。
【0039】
また、副燃料Qaを燃焼室5内で燃焼せしめると主燃料Qm自身および副燃料Qa自身の燃焼による発熱に加え、主燃料Qmの燃え残りである未燃HCの燃焼熱が追加的に発生するので燃焼室5内の既燃ガス温はかなり高くなる。このように主燃料Qmに加え副燃料Qaを追加噴射して副燃料Qaを燃焼させることにより燃焼室5内で発生する未燃HCの量を低減しかつ排気ポート11出口における排気ガス温を750℃以上、好ましくは800℃以上にすることができる。
【0040】
このように本発明では副燃料Qaを燃焼室5内で燃焼せしめる必要があり、そのためには副燃料Qaの燃焼時に燃焼室5内に十分な酸素が残存していることが必要であり、しかも噴射された副燃料Qaが燃焼室5内で良好に燃焼せしめられる時期に副燃料Qaを噴射する必要がある。
そこで本発明では副燃料Qaの燃焼時に燃焼室5内に十分な酸素が残存しうるように主燃料Qmは空気過剰のもとで燃焼せしめられる。また、図2に示される成層燃焼式内燃機関において噴射された副燃料Qaが燃焼室5において良好に燃焼せしめられる噴射時期は図4において矢印Zで示される圧縮上死点後(ATDC)ほぼ50°からほぼ90°の膨張行程であり、従って図2に示される成層燃焼式内燃機関においては副燃料Qaは圧縮上死点後(ATDC)ほぼ50°からほぼ90°の膨張行程において噴射される。なお、圧縮上死点後(ATDC)ほぼ50°からほぼ90°の膨張行程において噴射された副燃料Qaは機関の出力の発生にはあまり寄与しない。
【0041】
ところで本発明者による実験によると図2に示される成層燃焼式内燃機関では副燃料Qaが圧縮上死点後(ATDC)60°付近において噴射されたときに大気中に排出される未燃HCの量は最も少なくなる。従って本発明による実施例では図4(B)に示されるように副燃料Qaの噴射時期はほぼ圧縮上死点後(ATDC)60°付近とされる。
【0042】
副燃料Qaの最適な噴射時期は機関の型式によって異なり、例えばディーゼル機関では副燃料Qaの最適な噴射時期は膨張行程中か又は排気行程中となる。従って本発明では副燃料Qaの燃料噴射は膨張行程中又は排気行程中に行われる。一方、燃焼室5内の既燃ガス温は主燃料Qmの燃焼熱と副燃料Qaの燃焼熱の双方の影響を受ける。即ち、燃焼室5内の既燃ガス温は主燃料Qmの噴射量が増大するほど高くなり、副燃料Qaの噴射量が増大するほど高くなる。更に、燃焼室5内の既燃ガス温は背圧の影響を受ける。即ち、背圧が高くなるほど燃焼室5から既燃ガスが流出しにくくなるために燃焼室5内に残留する既燃ガス量が多くなり、斯くして排気制御弁28がほぼ全閉せしめられると燃焼室5内の既燃ガス温が上昇せしめられる。
【0043】
ところで排気制御弁28がほぼ閉弁せしめられ、それによって背圧が高くなると機関の発生トルクが最適な要求発生トルクに対して減少する。そこで本発明では図4(B)に示されるように排気制御弁28がほぼ全閉せしめられたときには図4(A)に示されるように同一の機関運転状態のもとで排気制御弁28が全開せしめられた場合の機関の要求発生トルクに近づくように同一の機関運転状態のもとで排気制御弁28が全開せしめられた場合に比べて主燃料Qmの噴射量が増量せしめられる。なお、本発明による実施例では排気制御弁28がほぼ全閉せしめられたときにはそのときの機関の発生トルクが同一の機関運転状態のもとで排気制御弁28が全開せしめられた場合の機関の要求発生トルクに一致するように主燃料Qmが増量される。
【0044】
図6は要求負荷Lに対して機関の要求発生トルクを得るのに必要な主燃料Qmの変化を示している。なお、図6において実線は排気制御弁28がほぼ全閉せしめられた場合を示しており、破線は排気制御弁28が全開せしめられた場合を示している。
一方、図7は排気制御弁28をほぼ全閉せしめた場合において排気ポート11出口における排気ガス温をほぼ750℃からほぼ800℃にするのに必要な主燃料Qmと副燃料Qaの関係を示している。前述したように主燃料Qmを増量しても燃焼室5内の既燃ガス温は高くなり、副燃料Qaを増量しても燃焼室5内の既燃ガス温は高くなる。従って排気ポート11出口における排気ガス温をほぼ750℃からほぼ800℃にするのに必要な主燃料Qmと副燃料Qaとの関係は図7に示されるように主燃料Qmを増大すれば副燃料Qaは減少し、主燃料Qmを減少すれば副燃料Qaは増大する関係となる。
【0045】
ただし、主燃料Qmおよび副燃料Qaを同一量増大した場合には副燃料Qaを増量した場合の方が主燃料Qmを増量した場合に比べて燃焼室5内の温度上昇量がはるかに大きくなる。従って燃料消費量の低減という観点からみると副燃料Qaを増大させることによって燃焼室5内の既燃ガス温を上昇させることが好ましいと言える。
【0046】
従って本発明による実施例では排気制御弁28をほぼ全閉せしめたときに機関の発生トルクを要求発生トルクまで上昇させるのに必要な分だけ主燃料Qmを増量し、主として副燃料Qaの燃焼熱によって燃焼室5内の既燃ガス温を上昇させるようにしている。
このように排気制御弁28をほぼ全閉せしめ、排気ポート11出口における排気ガスをほぼ750℃以上、好ましくはほぼ800℃以上とするのに必要な量の副燃料Qaを噴射すると排気ポート11から排気制御弁28に至る排気通路内において未燃HCの濃度を大巾に減少することができる。このとき排気ポート11から排気制御弁28に至る排気通路内において図5に示されるように未燃HCの濃度をほぼ150p.p.m 程度まで低下させるには排気制御弁28上流の排気通路内の圧力をゲージ圧でもってほぼ80KPa 程度にする必要がある。このときの排気制御弁28による排気通路断面積の閉鎖割合はほぼ95パーセント以上である。従って図1に示される実施例では大気中への未燃ガスの排出量を大巾に低減すべきときには排気制御弁28による排気通路断面積の閉鎖割合がほぼ95パーセント以上となるように排気制御弁28がほぼ全閉せしめられる。
【0047】
内燃機関において多量の未燃HCが発生するのは燃焼室5内の温度が低いときである。燃焼室5内の温度が低いときは機関の始動および暖機運転時、および機関低負荷時であり、従って機関の始動および暖機運転時、および機関低負荷時に多量の未燃HCが発生することになる。このように燃焼室5内の温度が低いときにはたとえ排気通路内に酸化機能を有する触媒を配置しておいても触媒温度が低い触媒が活性化していないのでこのときに発生する多量の未燃HCを触媒により酸化させることは困難である。
【0048】
そこで本発明による実施例では機関の始動および暖機運転時、および機関低負荷時には排気制御弁28をほぼ全閉せしめ、主燃料Qmを増量すると共に副燃料Qaを追加噴射し、それによって大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減せしめるようにしている。
図8は機関始動および暖機運転時における主燃料Qmの変化の一例および排気制御弁24の開度を示している。なお、図8において実線Xは排気制御弁28をほぼ全閉にした場合の最適な主燃料Qmの噴射量を示しており、破線Yは排気制御弁28を全開にした場合の最適な主燃料Qmの噴射量を示している。図8からわかるように機関始動および暖機運転時には排気制御弁28がほぼ全閉せしめられ、同一の機関運転状態のもとで排気制御弁28が全開せしめられた場合の最適な主燃料Qmの噴射量Yよりも主燃料Qmの噴射量Xが増量せしめられ、更に副燃料Qaが追加噴射される。
【0049】
図9は機関低負荷時における主燃料Qmの変化の一例および排気制御弁28の開度を示している。なお、図9において実線Xは排気制御弁28をほぼ全閉にした場合の最適な主燃料Qmの噴射量を示しており、破線Yは排気制御弁28を全開にした場合の最適な主燃料Qmの噴射量を示している。図9からわかるように機関低負荷時には排気制御弁28がほぼ全閉せしめられ、同一の機関運転状態のもとで排気制御弁28が全開せしめられた場合の最適な主燃料Qmの噴射量Yよりも主燃料Qmの噴射量Xが増量せしめられ、更に副燃料Qaが追加噴射される。
【0050】
ところで本発明による実施例では暖機運転中は上述したように排気制御弁28がほぼ全閉せしめられる。一方、暖機運転は通常低負荷のもとで行われ、従って排気ガス量は少なくなっている。従ってこのとき排気ターボチャージャ15は過給作用を行なっていない。
一方、このような暖機運転中において車両が走行せしめられ、加速すべくアクセルペダル50が踏込まれたときにはたとえ暖機運転中であっても排気ターボチャージャ15による過給作用をただちに開始させ、機関の出力を急速に上昇させるのが好ましい。
【0051】
この点に関し、本発明の実施例におけるように排気タービン23下流の排気通路内に排気制御弁28を配置し、暖機運転中に加速運転が行われたときに排気制御弁28の開度を増大させると、本発明による実施例では排気制御弁28をほぼ全閉状態から全開状態にすると排気ターボチャージャ15による過給作用をただちに開始させることができる。
【0052】
即ち、暖機運転中において未燃HCを低減すべく排気制御弁28がほぼ全閉せしめられているときには排気制御弁28上流の排気通路内の排気ガスは前述したように高温かつ高圧に維持されている。このとき排気ターボチャージャ15による過給作用は行われておらず、従って排気タービン23の入口側における圧力は排気タービン23の出口側における圧力とほぼ等しくなっている。
このような状態のときに排気制御弁28が全開せしめられると排気タービン23の出口側の圧力が急激に低下し、斯くして排気タービン23の入口側の圧力と排気タービン23の出口側の圧力との圧力差が瞬時的に大きくなる。その結果、排気タービン23の回転数は急速に高回転まで上昇し、斯くしてただちに排気タービン23による過給作用が開始される。その結果、機関出力が急速に上昇するために良好な加速運転を確保することができる。従って本発明による実施例では暖機運転中に加速運転が行われたときには排気制御弁28をほぼ全閉状態から全開させるようにしている。
【0053】
また、本発明による実施例では図9に示されるように機関低負荷運転時に負荷が増大すると排気制御弁28がほぼ全閉状態から全開せしめられる。即ち、機関低負荷運転時に加速運転が行われると排気制御弁28がほぼ全閉状態から全開せしめられる。従ってこのときにも加速運転が開始されると排気タービン23の回転数が高回転まで急速に上昇し、斯くして良好な加速運転を確保することができる。
【0054】
このように本発明では排気制御弁28をほぼ全閉にしたときに排気制御弁28の上流に発生する高圧を利用して排気ターボチャージャ23の過給作用を急速に開始させるようにしている。なお、図1に示す実施例では排気制御弁28が排気タービン23の下流に設けられているが排気制御弁28を排気タービン23の上流に配置することもできる。
【0055】
図10は運転制御ルーチンを示している。
図10を参照するとまず初めにステップ100において機関始動および暖機運転時であるか否かが判別される。機関始動および暖機運転時であるときにはステップ101に進んで加速運転時であるか否かが判別される。加速運転時でないときにはステップ102に進んで排気制御弁28がほぼ全閉せしめられ、次いでステップ103では主燃料Qmの噴射制御が行われる。即ち、主燃料Qmの噴射量が図8に示されるXとされる。次いでステップ104では副燃料Qaの噴射制御が行われる。
【0056】
これに対し、ステップ101において加速運転時であると判別されたときにはステップ106に進んで排気制御弁28が全開せしめられ、次いでステップ107に進んで主燃料Qmの噴射制御が行われる。このとき副燃料Qaの噴射は行われない。
一方、ステップ100において機関始動および暖機運転時でないと判断されたときにはステップ105に進んで機関低負荷時か否かが判別される。機関低負荷時でないときにはステップ106に進んで排気制御弁28が全開せしめられ、次いでステップ107に進んで主燃料Qmの噴射制御が行われる。このとき副燃料Qaの噴射は行われない。
【0057】
これに対し、ステップ105において機関低負荷時であると判別されたときにはステップ102に進んで、排気制御弁28がほぼ全閉せしめられ、次いでステップ103では主燃料Qmの噴射制御が行われる。即ち、主燃料Qmの噴射量が図9に示されるXとされる。次いでステップ104では副燃料Qaの噴射制御が行われる。
【0058】
【発明の効果】
大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減しつつ加速運転時に排気ターボチャージャの過給作用をただちに開始させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】燃焼室の側面断面図である。
【図3】噴射量、噴射時期および空燃比を示す図である。
【図4】噴射時期を示す図である。
【図5】未燃HCの濃度を示す図である。
【図6】主燃料の噴射量を示す図である。
【図7】主燃料の噴射量と副燃料の噴射量との関係を示す図である。
【図8】主燃料の噴射量と排気制御弁の開度を示す図である。
【図9】主燃料の噴射量と排気制御弁の開度を示す図である。
【図10】運転制御を行うためのフローチャートである。
【符号の説明】
6…燃料噴射弁
15…排気ターボチャージャ
23…排気タービン
28…排気制御弁
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関においては機関の低速低負荷運転時、特に機関の暖機運転時には燃焼室内の温度が低くなり、その結果多量の未燃HCが発生する。そこで機関排気通路内に排気制御弁を配置し、機関低速低負荷運転時に排気制御弁を閉弁すると共に燃料噴射量を大巾に増量することにより燃焼室内の温度を高めて噴射燃料を燃焼室内で完全燃焼させ、それによって未燃HCの発生量を抑制するようにしたディーゼル機関が公知である(特開昭49−80414号公報参照)。
【0003】
また、機関排気通路内に排気浄化用触媒を配置した場合には触媒温度が十分に高くならないと触媒による良好な排気浄化作用は行われない。そこで機関の出力を発生させるための主燃料の噴射に加え副燃料を膨張行程中に噴射し、副燃料を燃焼させることにより排気ガス温を上昇させ、それによって触媒の温度を上昇させるようにした内燃機関が公知である(特開平8−303290号公報および特開平10−212995号公報参照)。
【0004】
また、従来より未燃HCを吸着しうる触媒が知られている。この触媒は周囲の圧力が高くなればなるほど未燃HCの吸着量が増大し、周囲の圧力が低くなると吸着した未燃HCを放出する性質を有する。そこでこの性質を利用して触媒から放出された未燃HCによりNOX を還元するために、機関排気通路内にこの触媒を配置すると共に触媒下流の機関排気通路内に排気制御弁を配置し、NOX の発生量の少ない機関低速低負荷運転時には機関出力の発生のための主燃料に加え少量の副燃料を膨張行程中又は排気行程中に噴射して多量の未燃HCを燃焼室から排出させ、更にこのとき機関の出力低下が許容範囲内に納まるように排気制御弁を比較的に小さな開度まで閉弁することにより排気通路内の圧力を高めて燃焼室から排出される多量の未燃HCを触媒内に吸着させ、NOX の発生量の多い機関高速又は高負荷運転時には排気制御弁を全開にして排気通路内の圧力を低下させ、このとき触媒から放出される未燃HCによってNOX を還元するようにした内燃機関が公知である(特開平10−238336号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さて、現在ディーゼル機関はもとより火花点火式内燃機関においても機関低負荷運転時、特に機関の暖機運転時に発生する未燃HCの量をいかにして低減するかが大きな問題となっている。そこで本発明者はこの問題を解決すべく実験研究を行い、その結果機関の暖機運転時等において大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減するためには燃焼室内における未燃HCの発生量を低減しかつ同時に排気通路内における未燃HCの低減量を増大しなければならないことが判明したのである。
【0006】
具体的に言うと、膨張行程中又は排気行程中に燃焼室内に副燃料を追加噴射してこの副燃料を燃焼させ、機関排気ポートの出口からかなり距離を隔てた機関排気通路内に排気制御弁を設けてこの排気制御弁をほぼ全閉させると、これら副燃料の燃焼と排気制御弁による排気絞り作用との相乗効果によって燃焼室内における未燃HCの発生量が低減すると共に排気通路内における未燃HCの低減量が増大し、斯くして大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減しうることが判明したのである。
【0007】
もう少し詳しく言うと、副燃料が噴射されると副燃料自身が燃焼せしめられるばかりでなく主燃料の燃え残りである未燃HCが燃焼室内で燃焼せしめられる。従って燃焼室内で発生する未燃HCの量が大巾に低減するばかりでなく、主燃料の燃え残りである未燃HCおよび副燃料が燃焼せしめられるので既燃ガス温がかなり高温となる。
【0008】
一方、排気制御弁がほぼ全閉せしめられると機関の排気ポートから排気制御弁に到る排気通路内の圧力、即ち背圧がかなり高くなる。背圧が高いということは燃焼室内から排出された排気ガス温がさほど低下しないことを意味しており、従って排気ポート内における排気ガス温はかなり高温となっている。一方、背圧が高いということは排気ポート内に排出された排気ガスの流速が遅いことを意味しており、従って排気ガスは高温の状態で排気制御弁上流の排気通路内に長時間に亘って滞留することになる。この間に排気ガス中に含まれる未燃HCが酸化せしめられ、斯くして大気中に排出される未燃HCの量が大巾に低減されることになる。
【0009】
この場合、もし副燃料を噴射しなかった場合には主燃料の燃え残りの未燃HCがそのまま残存するために燃焼室内において多量の未燃HCが発生する。また副燃料を噴射しなかった場合には燃焼室内の既燃ガス温がさほど高くならないためにこのときたとえ排気制御弁をほぼ全閉させても排気制御弁上流の排気通路内での未燃HCの十分な酸化作用は期待できない。従ってこのときには多量の未燃HCが大気中に排出されることになる。
【0010】
一方、排気制御弁による排気絞り作用を行わない場合でも副燃料を噴射すれば燃焼室内で発生する未燃HCの発生量は低減し、燃焼室内の既燃ガス温は高くなる。しかしながら排気制御弁による排気絞り作用を行わない場合には燃焼室から排気ガスが排出されるや否や排気ガス圧はただちに低下し、斯くして排気ガス温もただちに低下する。従ってこの場合には排気通路内における未燃HCの酸化作用はほとんど期待できず、斯くしてこのときにも多量の未燃HCが大気中に排出されることになる。
【0011】
即ち、大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減するためには副燃料を噴射しかつ同時に排気制御弁をほぼ全閉にしなければならないことになる。
前述の特開昭49−80414号公報に記載されたディーゼル機関では副燃料が噴射されず、主燃料の噴射量が大巾に増大せしめられるので排気ガス温は上昇するが極めて多量の未燃HCが燃焼室内で発生する。このように燃焼室内において極めて多量の未燃HCが発生するとたとえ排気通路内において未燃HCの酸化作用が行われたとしても一部の未燃HCしか酸化されないので多量の未燃HCが大気中に排出されることになる。
【0012】
一方、前述の特開平8−303290号公報又は特開平10−212995号公報に記載された内燃機関では排気制御弁による排気絞り作用が行われていないので排気通路内における未燃HCの酸化作用はほとんど期待できない。従ってこの内燃機関においても多量の未燃HCが大気中に排出されることになる。
また前述の特開平10−238336号公報に記載された内燃機関では機関の出力低下が許容範囲内に納まるように排気制御弁が比較的小さな開度まで閉弁せしめられる。しかしながら機関の出力低下が許容範囲内に納まる程度の排気制御弁の閉弁量では背圧はそれほど高くなっていない。
【0013】
また、この内燃機関では触媒に吸着すべき未燃HCを発生させるために少量の副燃料が膨張行程中又は排気行程中に噴射される。この場合、副燃料が良好に燃焼せしめられれば未燃HCが発生しなくなるのでこの内燃機関では副燃料が良好に燃焼しないように副燃料の噴射制御を行っているものと考えられる。従ってこの内燃機関では少量の副燃料が既燃ガス温の温度上昇にはさほど寄与していないものと考えられる。
【0014】
このようにこの内燃機関では多量の未燃HCが燃焼室内において発生せしめられ、しかも背圧はそれほど高くならず既燃ガス温もさほど温度上昇しないと考えられるので排気通路内においても未燃HCはさほど酸化されないものと考えられる。この内燃機関ではできるだけ多量の未燃HCを触媒に吸着させることを目的としており、従ってこのように考えるのが理にかなっていると言える。
【0015】
ところで前述したように大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減するためには副燃料を噴射しかつ同時に排気制御弁をほぼ全閉にしなければならない。ところがこのように副燃料を噴射しかつ排気制御弁をほぼ全閉にすると前述した如く排気ポートから排出された排気ガスは高温高圧に維持される。即ち、副燃料を噴射しかつ排気制御弁をほぼ全閉にしたときには排気制御弁上流の排気通路に高温かつ高圧の排気ガスが形成されるのでこれら高温かつ高圧の排気ガスをできるだけ有効に利用することが望まれる。
【0016】
本発明の目的は大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減すべきときに形成される高温高圧の排気ガスのエネルギを有効に利用した内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために1番目の発明では、機関排気ポートの出口に接続された排気通路内に排気ターボチャージャの排気タービンと排気制御弁を配置し、大気中への未燃HCの排出量を低減すべきであると判断されたときには排気制御弁をほぼ全閉にすると共に、機関出力を発生するために燃焼室内に噴射された主燃料を空気過剰のもとで燃焼させることに加え副燃料を副燃料が燃焼しうる膨張行程中又は排気行程中の予め定められた時期に燃焼室内に追加噴射し、排気制御弁がほぼ全閉にされているときに加速運転が行われたときには排気制御弁の開度を増大するようにしている。
【0018】
2番目の発明では1番目の発明において、排気タービン下流の排気通路内に排気制御弁を配置している。
3番目の発明では1番目の発明において、排気制御弁がほぼ全閉せしめられたときには同一の機関運転状態のもとで排気制御弁が全開せしめられた場合の機関の発生トルクに近づくように同一の機関運転状態のもとで排気制御弁が全開せしめられた場合に比べて主燃料の噴射量を増量させるようにしている。
【0019】
4番目の発明では1番目の発明において、機関の暖機運転が行われているときには大気中への未燃HCの排出量を低減すべきであると判断される。
5番目の発明では1番目の発明において、機関低負荷運転が行われているときには大気中への未燃HCの排出量を低減すべきであると判断される。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1および図2は本発明を成層燃焼式内燃機関に適用した場合を示している。しかしながら本発明は均一リーン空燃比のもとで燃焼が行われる火花点火式内燃機関、および空気過剰のもとで燃焼が行われるディーゼル機関にも適用することができる。
【0021】
図2を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6はシリンダヘッド3の内壁面周縁部に配置された燃料噴射弁、7はシリンダヘッド3の内壁面中央部に配置された点火栓、8は吸気弁、9は吸気ポート、10は排気弁、11は排気ポートを夫々示す。
図1および図2を参照すると、吸気ポート9は対応する吸気枝管12を介してサージタンク13に連結され、サージタンク13は吸気ダクト14、排気ターボチャージャ15のコンプレッサ16、吸気ダクト17およびエアフローメータ18を介してエアクリーナ19に連結される。吸気ダクト17内にはステップモータ20により駆動されるスロットル弁21が配置される。一方、排気マニホルド22は排気ターボチャージャ15の排気タービン23および排気管24を介して触媒25を収容した触媒コンバータ26に連結され、排気管24内には負圧ダイアフラム装置又は電気モータからなるアクチュエータ27により駆動される排気制御弁28が配置される。
【0022】
図1に示されるように排気マニホルド22とサージタンク13とは排気ガス再循環(以下EGRと称す)通路29を介して互いに連結され、EGR通路29内には電気制御式EGR制御弁30が配置される。燃料噴射弁6は共通の燃料リザーバ、いわゆるコモンレール31に連結される。このコモンレール31内へは燃料タンク32内の燃料が電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ33を介して供給され、コモンレール31内に供給された燃料が各燃料噴射弁6に供給される。コモンレール31にはコモンレール31内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ34が取付けられ、燃料圧センサ34の出力信号に基づいてコモンレール31内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ33の吐出量が制御される。
【0023】
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45および出力ポート46を具備する。エアフローメータ18は吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、この出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。更に入力ポート45には燃料圧センサ34の出力信号が対応するAD変換器47を介して入力される。
【0024】
また、アクセルペダル50にはアクセルペダル50の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ51が接続され、負荷センサ51の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。また、入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ52が接続される。一方、出力ポート46は対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、点火栓7、スロットル弁制御用ステップモータ20、排気制御弁制御用アクチュエータ27、EGR制御弁30および燃料ポンプ33に接続される。
【0025】
図3は燃料噴射量Q1,Q2,Q(=Q1 +Q2 )、噴射開始時期θS1,θS2、噴射完了時期θE1,θE2および燃焼室5内における平均空燃比A/Fを示している。なお、図3において横軸Lはアクセルペダル50の踏込み量、即ち要求負荷を示している。
図3からわかるように要求負荷LがL1 よりも低いときには圧縮行程末期のθS2からθE2の間において燃料噴射Q2が行われる。このときには平均空燃比A/Fはかなりリーンとなっている。要求負荷LがL1 とL2 の間のときには吸気行程初期のθS1からθE1の間において第1回目の燃料噴射Q1が行われ、次いで圧縮行程末期のθS2からθE2の間において第2回目の燃料噴射Q2が行われる。このときにも空燃比A/Fはリーンとなっている。要求負荷LがL2 よりも大きいときには吸気行程初期のθS1からθE1の間において燃料噴射Q1が行われる。このときには要求負荷Lが低い領域では平均空燃比A/Fがリーンとされており、要求負荷Lが高くなると平均空燃比A/Fが理論空燃比とされ、要求負荷Lが更に高くなると平均空燃比A/Fがリッチとされる。なお、圧縮行程末期にのみ燃料噴射Q2が行われる運転領域、二回に亘って燃料噴射Q1およびQ2が行われる運転領域および吸気行程初期にのみ燃料噴射Q1が行われる運転領域は要求負荷Lのみにより定まるのではなく、実際には要求負荷Lおよび機関回転数により定まる。
【0026】
図2は要求負荷LがL1 (図3)よりも小さいとき、即ち圧縮行程末期においてのみ燃料噴射Q2が行われる場合を示している。図2に示されるようにピストン4の頂面上にはキャビティ4aが形成されており、要求負荷LがL1 よりも低いときには燃料噴射弁6からキャビティ4aの底壁面に向けて圧縮行程末期に燃料が噴射される。この燃料はキャビティ4aの周壁面により案内されて点火栓7に向かい、それによって点火栓7の周りに混合気Gが形成される。次いでこの混合気Gは点火栓7により着火せしめられる。
【0027】
一方、前述したように要求負荷LがL1 とL2 との間にあるときには二回に分けて燃料噴射が行われる。この場合、吸気行程初期に行われる第1回目の燃料噴射Q1によって燃焼室5内に稀薄混合気が形成される。次いで圧縮行程末期に行われる第2回目の燃料噴射Q2によって点火栓7周りに最適な濃度の混合気が形成される。この混合気が点火栓7により着火せしめられ、この着火火炎によって稀薄混合気が燃焼せしめられる。
【0028】
一方、要求負荷LがL2 よりも大きいときには図3に示されるように燃焼室5内にはリーン又は理論空燃比又はリッチ空燃比の均一混合気が形成され、この均一混合気が点火栓7により着火せしめられる。
次に図4を参照しつつまず初めに本発明による未燃HCの低減方法について概略的に説明する。なお、図4において横軸はクランク角を示しており、BTDCおよびATDCは夫々上死点前および上死点後を示している。
【0029】
図4(A)は本発明による方法によって特に未燃HCを低減する必要のない場合であって要求負荷LがL1 よりも小さいときの燃料噴射時期を示している。図4(A)に示されるようにこのときには圧縮行程末期に主燃料Qmのみが噴射され、このとき排気制御弁28は全開状態に保持されている。
これに対し、本発明による方法によって未燃HCを低減する必要がある場合には排気制御弁28がほぼ全閉せしめられ、更に図4(B)に示されるように機関出力を発生させるための主燃料Qmの噴射に加え、膨張行程中に、図4(B)に示される例では圧縮上死点後(ATDC)60°付近において副燃料Qaが追加噴射される。なおこの場合、主燃料Qmの燃焼後、副燃料Qaを完全に燃焼せしめるのに十分な酸素が燃焼室5内に残存するように主燃料Qmは空気過剰のもとで燃焼せしめられる。また、図4(A)と図4(B)とは機関負荷と機関回転数が同一であるときの燃料噴射期間を示しており、従って機関負荷と機関回転数が同一である場合には図4(B)に示される場合の主燃料Qmの噴射量の方が図4(A)に示される場合の主燃料Qmの噴射量に比べて増量せしめられている。
【0030】
図5は機関排気通路の各位置における排気ガス中の未燃HCの濃度(ppm) の一例を示している。図5に示す例において黒三角は排気制御弁28を全開にした状態で図4(A)に示す如く圧縮行程末期において主燃料Qmを噴射した場合の排気ポート11出口における排気ガス中の未燃HCの濃度(ppm) を示している。この場合には排気ポート11出口における排気ガス中の未燃HCの濃度は6000ppm 以上の極めて高い値となる。
【0031】
一方、図5に示す例において黒丸および実線は排気制御弁28をほぼ全閉とし、図4(B)に示されるように主燃料Qmおよび副燃料Qaを噴射した場合の排気ガス中の未燃HCの濃度(ppm) を示している。この場合には排気ポート11出口における排気ガス中の未燃HCの濃度は2000ppm 以下となり、排気制御弁28の付近においては排気ガス中の未燃HCの濃度は150ppm 程度まで減少する。従ってこの場合には大気中に排出される未燃HCの量が大巾に低減せしめられることがわかる。
【0032】
このように排気制御弁28上流の排気通路内において未燃HCが減少するのは未燃HCの酸化反応が促進されているからである。しかしながら図5の黒三角で示されるように排気ポート11出口における未燃HCの量が多い場合、即ち燃焼室5内での未燃HCの発生量が多い場合にはたとえ排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進しても大気中に排出される未燃HCの量はさほど低減しない。即ち、排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進することによって大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減しうるのは図5の黒丸で示されるように排気ポート11出口における未燃HCの濃度が低いとき、即ち燃焼室5内での未燃HCの発生量が少ないときである。
【0033】
このように大気中に排出される未燃HCの量を低減させるためには燃焼室5内での未燃HCの発生量を低下させかつ排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進させるという二つの要求を同時に満たす必要がある。そこでまず初めに2番目の要求、即ち排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進させることから説明する。
【0034】
本発明によれば大気中に排出される未燃HCの量を低減すべきときには排気制御弁28がほぼ全閉とされる。このように排気制御弁28がほぼ全閉にされると排気ポート11内および排気マニホルド22内の圧力、即ち背圧はかなり高くなる。
背圧が高くなるということは燃焼室5内から排気ポート11内に排気ガスが排出されたときに排気ガスの圧力がさほど低下せず、従って燃焼室5から排出された排気ガス温もさほど低下しないことを意味している。従って排気ポート11内に排出された排気ガス温はかなり高温に維持されている。一方、背圧が高いということは排気ガスの密度が高いことを意味しており、排気ガスの密度が高いということは排気ポート11から排気制御弁28に至る排気通路内における排気ガスの流速が遅いことを意味している。従って排気ポート11内に排出された排気ガスは高温のもとで長時間に亘り排気制御弁28上流の排気通路内に滞留することになる。
【0035】
このように排気ガスが高温のもとで長時間に亘り排気制御弁28上流の排気通路内に滞留せしめられるとその間に未燃HCの酸化反応が促進される。この場合、本発明者による実験によると排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進するためには排気ポート11出口における排気ガス温をほぼ750℃以上、好ましくは800℃以上にする必要があることが判明している。
【0036】
また、高温の排気ガスが排気制御弁28上流の排気通路内に滞留している時間が長くなればなるほど未燃HCの低減量は増大する。この滞留時間は排気制御弁28の位置が排気ポート11出口から離れれば離れるほど長くなり、従って排気制御弁28は排気ポート11出口から未燃HCを十分に低減するのに必要な距離を隔てて配置する必要がある。排気制御弁28を排気ポート11出口から未燃HCを十分に低減するのに必要な距離を隔てて配置すると図5の実線に示されるように未燃HCの濃度は大巾に低減する。
【0037】
ところで前述したように排気通路内における未燃HCの酸化反応を促進するためには排気ポート11出口における排気ガス温をほぼ750℃以上、好ましくは800℃以上にする必要がある。また、大気中に排出される未燃HCの量を低減するためには前述した1番目の要求を満たさなければならない。即ち燃焼室5内での未燃HCの発生量を低下させる必要がある。そのために本発明では機関出力を発生するための主燃料Qmに加え、主燃料Qmの噴射後に副燃料Qaを追加噴射して副燃料Qaを燃焼室5内で燃焼せしめるようにしている。
【0038】
即ち、副燃料Qaを燃焼室5内で燃焼せしめると副燃料Qaの燃焼時に主燃料Qmの燃え残りである多量の未燃HCが燃焼せしめられる。また、この副燃料Qaは高温ガス中に噴射されるので副燃料Qaは良好に燃焼せしめられ、従って副燃料Qaの燃え残りである未燃HCはさほど発生しなくなる。斯くして最終的に燃焼室5内で発生する未燃HCの量はかなり少なくなる。
【0039】
また、副燃料Qaを燃焼室5内で燃焼せしめると主燃料Qm自身および副燃料Qa自身の燃焼による発熱に加え、主燃料Qmの燃え残りである未燃HCの燃焼熱が追加的に発生するので燃焼室5内の既燃ガス温はかなり高くなる。このように主燃料Qmに加え副燃料Qaを追加噴射して副燃料Qaを燃焼させることにより燃焼室5内で発生する未燃HCの量を低減しかつ排気ポート11出口における排気ガス温を750℃以上、好ましくは800℃以上にすることができる。
【0040】
このように本発明では副燃料Qaを燃焼室5内で燃焼せしめる必要があり、そのためには副燃料Qaの燃焼時に燃焼室5内に十分な酸素が残存していることが必要であり、しかも噴射された副燃料Qaが燃焼室5内で良好に燃焼せしめられる時期に副燃料Qaを噴射する必要がある。
そこで本発明では副燃料Qaの燃焼時に燃焼室5内に十分な酸素が残存しうるように主燃料Qmは空気過剰のもとで燃焼せしめられる。また、図2に示される成層燃焼式内燃機関において噴射された副燃料Qaが燃焼室5において良好に燃焼せしめられる噴射時期は図4において矢印Zで示される圧縮上死点後(ATDC)ほぼ50°からほぼ90°の膨張行程であり、従って図2に示される成層燃焼式内燃機関においては副燃料Qaは圧縮上死点後(ATDC)ほぼ50°からほぼ90°の膨張行程において噴射される。なお、圧縮上死点後(ATDC)ほぼ50°からほぼ90°の膨張行程において噴射された副燃料Qaは機関の出力の発生にはあまり寄与しない。
【0041】
ところで本発明者による実験によると図2に示される成層燃焼式内燃機関では副燃料Qaが圧縮上死点後(ATDC)60°付近において噴射されたときに大気中に排出される未燃HCの量は最も少なくなる。従って本発明による実施例では図4(B)に示されるように副燃料Qaの噴射時期はほぼ圧縮上死点後(ATDC)60°付近とされる。
【0042】
副燃料Qaの最適な噴射時期は機関の型式によって異なり、例えばディーゼル機関では副燃料Qaの最適な噴射時期は膨張行程中か又は排気行程中となる。従って本発明では副燃料Qaの燃料噴射は膨張行程中又は排気行程中に行われる。一方、燃焼室5内の既燃ガス温は主燃料Qmの燃焼熱と副燃料Qaの燃焼熱の双方の影響を受ける。即ち、燃焼室5内の既燃ガス温は主燃料Qmの噴射量が増大するほど高くなり、副燃料Qaの噴射量が増大するほど高くなる。更に、燃焼室5内の既燃ガス温は背圧の影響を受ける。即ち、背圧が高くなるほど燃焼室5から既燃ガスが流出しにくくなるために燃焼室5内に残留する既燃ガス量が多くなり、斯くして排気制御弁28がほぼ全閉せしめられると燃焼室5内の既燃ガス温が上昇せしめられる。
【0043】
ところで排気制御弁28がほぼ閉弁せしめられ、それによって背圧が高くなると機関の発生トルクが最適な要求発生トルクに対して減少する。そこで本発明では図4(B)に示されるように排気制御弁28がほぼ全閉せしめられたときには図4(A)に示されるように同一の機関運転状態のもとで排気制御弁28が全開せしめられた場合の機関の要求発生トルクに近づくように同一の機関運転状態のもとで排気制御弁28が全開せしめられた場合に比べて主燃料Qmの噴射量が増量せしめられる。なお、本発明による実施例では排気制御弁28がほぼ全閉せしめられたときにはそのときの機関の発生トルクが同一の機関運転状態のもとで排気制御弁28が全開せしめられた場合の機関の要求発生トルクに一致するように主燃料Qmが増量される。
【0044】
図6は要求負荷Lに対して機関の要求発生トルクを得るのに必要な主燃料Qmの変化を示している。なお、図6において実線は排気制御弁28がほぼ全閉せしめられた場合を示しており、破線は排気制御弁28が全開せしめられた場合を示している。
一方、図7は排気制御弁28をほぼ全閉せしめた場合において排気ポート11出口における排気ガス温をほぼ750℃からほぼ800℃にするのに必要な主燃料Qmと副燃料Qaの関係を示している。前述したように主燃料Qmを増量しても燃焼室5内の既燃ガス温は高くなり、副燃料Qaを増量しても燃焼室5内の既燃ガス温は高くなる。従って排気ポート11出口における排気ガス温をほぼ750℃からほぼ800℃にするのに必要な主燃料Qmと副燃料Qaとの関係は図7に示されるように主燃料Qmを増大すれば副燃料Qaは減少し、主燃料Qmを減少すれば副燃料Qaは増大する関係となる。
【0045】
ただし、主燃料Qmおよび副燃料Qaを同一量増大した場合には副燃料Qaを増量した場合の方が主燃料Qmを増量した場合に比べて燃焼室5内の温度上昇量がはるかに大きくなる。従って燃料消費量の低減という観点からみると副燃料Qaを増大させることによって燃焼室5内の既燃ガス温を上昇させることが好ましいと言える。
【0046】
従って本発明による実施例では排気制御弁28をほぼ全閉せしめたときに機関の発生トルクを要求発生トルクまで上昇させるのに必要な分だけ主燃料Qmを増量し、主として副燃料Qaの燃焼熱によって燃焼室5内の既燃ガス温を上昇させるようにしている。
このように排気制御弁28をほぼ全閉せしめ、排気ポート11出口における排気ガスをほぼ750℃以上、好ましくはほぼ800℃以上とするのに必要な量の副燃料Qaを噴射すると排気ポート11から排気制御弁28に至る排気通路内において未燃HCの濃度を大巾に減少することができる。このとき排気ポート11から排気制御弁28に至る排気通路内において図5に示されるように未燃HCの濃度をほぼ150p.p.m 程度まで低下させるには排気制御弁28上流の排気通路内の圧力をゲージ圧でもってほぼ80KPa 程度にする必要がある。このときの排気制御弁28による排気通路断面積の閉鎖割合はほぼ95パーセント以上である。従って図1に示される実施例では大気中への未燃ガスの排出量を大巾に低減すべきときには排気制御弁28による排気通路断面積の閉鎖割合がほぼ95パーセント以上となるように排気制御弁28がほぼ全閉せしめられる。
【0047】
内燃機関において多量の未燃HCが発生するのは燃焼室5内の温度が低いときである。燃焼室5内の温度が低いときは機関の始動および暖機運転時、および機関低負荷時であり、従って機関の始動および暖機運転時、および機関低負荷時に多量の未燃HCが発生することになる。このように燃焼室5内の温度が低いときにはたとえ排気通路内に酸化機能を有する触媒を配置しておいても触媒温度が低い触媒が活性化していないのでこのときに発生する多量の未燃HCを触媒により酸化させることは困難である。
【0048】
そこで本発明による実施例では機関の始動および暖機運転時、および機関低負荷時には排気制御弁28をほぼ全閉せしめ、主燃料Qmを増量すると共に副燃料Qaを追加噴射し、それによって大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減せしめるようにしている。
図8は機関始動および暖機運転時における主燃料Qmの変化の一例および排気制御弁24の開度を示している。なお、図8において実線Xは排気制御弁28をほぼ全閉にした場合の最適な主燃料Qmの噴射量を示しており、破線Yは排気制御弁28を全開にした場合の最適な主燃料Qmの噴射量を示している。図8からわかるように機関始動および暖機運転時には排気制御弁28がほぼ全閉せしめられ、同一の機関運転状態のもとで排気制御弁28が全開せしめられた場合の最適な主燃料Qmの噴射量Yよりも主燃料Qmの噴射量Xが増量せしめられ、更に副燃料Qaが追加噴射される。
【0049】
図9は機関低負荷時における主燃料Qmの変化の一例および排気制御弁28の開度を示している。なお、図9において実線Xは排気制御弁28をほぼ全閉にした場合の最適な主燃料Qmの噴射量を示しており、破線Yは排気制御弁28を全開にした場合の最適な主燃料Qmの噴射量を示している。図9からわかるように機関低負荷時には排気制御弁28がほぼ全閉せしめられ、同一の機関運転状態のもとで排気制御弁28が全開せしめられた場合の最適な主燃料Qmの噴射量Yよりも主燃料Qmの噴射量Xが増量せしめられ、更に副燃料Qaが追加噴射される。
【0050】
ところで本発明による実施例では暖機運転中は上述したように排気制御弁28がほぼ全閉せしめられる。一方、暖機運転は通常低負荷のもとで行われ、従って排気ガス量は少なくなっている。従ってこのとき排気ターボチャージャ15は過給作用を行なっていない。
一方、このような暖機運転中において車両が走行せしめられ、加速すべくアクセルペダル50が踏込まれたときにはたとえ暖機運転中であっても排気ターボチャージャ15による過給作用をただちに開始させ、機関の出力を急速に上昇させるのが好ましい。
【0051】
この点に関し、本発明の実施例におけるように排気タービン23下流の排気通路内に排気制御弁28を配置し、暖機運転中に加速運転が行われたときに排気制御弁28の開度を増大させると、本発明による実施例では排気制御弁28をほぼ全閉状態から全開状態にすると排気ターボチャージャ15による過給作用をただちに開始させることができる。
【0052】
即ち、暖機運転中において未燃HCを低減すべく排気制御弁28がほぼ全閉せしめられているときには排気制御弁28上流の排気通路内の排気ガスは前述したように高温かつ高圧に維持されている。このとき排気ターボチャージャ15による過給作用は行われておらず、従って排気タービン23の入口側における圧力は排気タービン23の出口側における圧力とほぼ等しくなっている。
このような状態のときに排気制御弁28が全開せしめられると排気タービン23の出口側の圧力が急激に低下し、斯くして排気タービン23の入口側の圧力と排気タービン23の出口側の圧力との圧力差が瞬時的に大きくなる。その結果、排気タービン23の回転数は急速に高回転まで上昇し、斯くしてただちに排気タービン23による過給作用が開始される。その結果、機関出力が急速に上昇するために良好な加速運転を確保することができる。従って本発明による実施例では暖機運転中に加速運転が行われたときには排気制御弁28をほぼ全閉状態から全開させるようにしている。
【0053】
また、本発明による実施例では図9に示されるように機関低負荷運転時に負荷が増大すると排気制御弁28がほぼ全閉状態から全開せしめられる。即ち、機関低負荷運転時に加速運転が行われると排気制御弁28がほぼ全閉状態から全開せしめられる。従ってこのときにも加速運転が開始されると排気タービン23の回転数が高回転まで急速に上昇し、斯くして良好な加速運転を確保することができる。
【0054】
このように本発明では排気制御弁28をほぼ全閉にしたときに排気制御弁28の上流に発生する高圧を利用して排気ターボチャージャ23の過給作用を急速に開始させるようにしている。なお、図1に示す実施例では排気制御弁28が排気タービン23の下流に設けられているが排気制御弁28を排気タービン23の上流に配置することもできる。
【0055】
図10は運転制御ルーチンを示している。
図10を参照するとまず初めにステップ100において機関始動および暖機運転時であるか否かが判別される。機関始動および暖機運転時であるときにはステップ101に進んで加速運転時であるか否かが判別される。加速運転時でないときにはステップ102に進んで排気制御弁28がほぼ全閉せしめられ、次いでステップ103では主燃料Qmの噴射制御が行われる。即ち、主燃料Qmの噴射量が図8に示されるXとされる。次いでステップ104では副燃料Qaの噴射制御が行われる。
【0056】
これに対し、ステップ101において加速運転時であると判別されたときにはステップ106に進んで排気制御弁28が全開せしめられ、次いでステップ107に進んで主燃料Qmの噴射制御が行われる。このとき副燃料Qaの噴射は行われない。
一方、ステップ100において機関始動および暖機運転時でないと判断されたときにはステップ105に進んで機関低負荷時か否かが判別される。機関低負荷時でないときにはステップ106に進んで排気制御弁28が全開せしめられ、次いでステップ107に進んで主燃料Qmの噴射制御が行われる。このとき副燃料Qaの噴射は行われない。
【0057】
これに対し、ステップ105において機関低負荷時であると判別されたときにはステップ102に進んで、排気制御弁28がほぼ全閉せしめられ、次いでステップ103では主燃料Qmの噴射制御が行われる。即ち、主燃料Qmの噴射量が図9に示されるXとされる。次いでステップ104では副燃料Qaの噴射制御が行われる。
【0058】
【発明の効果】
大気中に排出される未燃HCの量を大巾に低減しつつ加速運転時に排気ターボチャージャの過給作用をただちに開始させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】燃焼室の側面断面図である。
【図3】噴射量、噴射時期および空燃比を示す図である。
【図4】噴射時期を示す図である。
【図5】未燃HCの濃度を示す図である。
【図6】主燃料の噴射量を示す図である。
【図7】主燃料の噴射量と副燃料の噴射量との関係を示す図である。
【図8】主燃料の噴射量と排気制御弁の開度を示す図である。
【図9】主燃料の噴射量と排気制御弁の開度を示す図である。
【図10】運転制御を行うためのフローチャートである。
【符号の説明】
6…燃料噴射弁
15…排気ターボチャージャ
23…排気タービン
28…排気制御弁
Claims (5)
- 機関排気ポートの出口に接続された排気通路内に排気ターボチャージャの排気タービンと排気制御弁を配置し、大気中への未燃HCの排出量を低減すべきであると判断されたときには排気制御弁をほぼ全閉にすると共に、機関出力を発生するために燃焼室内に噴射された主燃料を空気過剰のもとで燃焼させることに加え副燃料を副燃料が燃焼しうる膨張行程中又は排気行程中の予め定められた時期に燃焼室内に追加噴射し、排気制御弁がほぼ全閉にされているときに加速運転が行われたときには排気制御弁の開度を増大するようにした内燃機関の排気浄化装置。
- 排気タービン下流の排気通路内に排気制御弁を配置した請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 排気制御弁がほぼ全閉せしめられたときには同一の機関運転状態のもとで排気制御弁が全開せしめられた場合の機関の発生トルクに近づくように同一の機関運転状態のもとで排気制御弁が全開せしめられた場合に比べて主燃料の噴射量を増量させるようにした請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 機関の暖機運転が行われているときには大気中への未燃HCの排出量を低減すべきであると判断される請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 機関低負荷運転が行われているときには大気中への未燃HCの排出量を低減すべきであると判断される請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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