JP3677635B2 - 筐体の取付装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、制御機器、カウンタ、計器等の筐体をパネルに装着するための取付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、増幅器や電気部品等が収容された制御機器の筐体をパネルに装着する場合は、通常、パネルに筐体の寸法に整合した穴(以下パネルカットという)を形成すると共に、筐体の前面にフランジを設け、パネルの前面からパネルカットに筐体を装入してフランジをパネルの前面に当接させ、パネルの後面から取付装置により筐体をパネルに固定している。
【0003】
このような筐体の取付装置は、今迄数多く提案され実用に供されており、その一例を図5に示す。この取付装置は、合成樹脂からなる筐体1の両側壁31a,31bに案内溝32a,32bを設けると共に、筐体1の後面側にこれに連続してナット34が埋設された凹部33a,33bを設けたものである。そして、この案内溝32a,32bに先端部が外側に折曲げられ、後端部が内側に折曲げられてねじ挿通穴が設けられた取付金具35a,35bを挿入し、取付金具35a,35bのねじ挿通穴に挿通したねじ36a,36bを筐体1の凹部33a,33bに設けたナット34に螺入して筐体1をパネル20に取付けるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような筐体の取付装置においては、筐体1に設けた案内溝32a,32b及び凹部33a,33bがその分だけ筐体1内に張出すため筐体1の内容積が小さくなって有効に利用できず、内部に収容するプリント基板の面積等が制約されるなどの問題があった。
【0005】
本発明は上記の課題を解決すべくなされたもので、筐体の内容積が縮小されることなく、取付金具の位置決めが容易でかつがたつきを生ぜずその上構造及び着脱が簡単でコストを低減できる筐体の取付装置を得ることを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る筐体の取付装置は、後面側に突出部と凹部を有し突出部の底板又は天板の両側近傍に、前後方向に長いガイド穴及びその後部にガイド穴より幅の広い挿入穴を連続して設けると共に、前記凹部の縦壁の両側近傍にねじ穴が設けられた筐体と、ねじ挿通穴を有する端板及び端板の両側から同方向にほぼ直角に折曲げられた長片と短片を備え、短片の上下の少なくとも一方を長片側に折曲げて係止片が形成された取付金具とを有し、取付金具の係止片を筐体の挿入穴に挿入し、端板と係止片とにより筐体の突出部の底板又は天板を挾持して前進させ、取付金具の端板に設けたねじ穴に取付ねじを挿通して該取付ねじを筐体に設けたねじ穴に螺入し、前記筐体のフランジと取付金具とによりパネルを挾持して固定するようにしたものである。
【0007】
(2)上記(1)の係止片を取付金具の短片の上下に設けたものである。
(3)上記(1)又は(2)の筐体に設けたガイド穴の幅を取付金具の板厚とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成すると共に、取付金具の端板と係止片との間隙をガイド穴が設けられた底板又は天板の板厚とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成したものである。
【0008】
【作用】
(1)パネルの前面側からパネルカットに筐体を挿入し、フランジをパネルの前面に当接させる。そして、突出部に設けた挿入穴に取付金具の係止片を挿入し、係止片と端板とにより突出部の底板(又は天板)を挾持させる。この状態で取付金具をガイド穴に沿って前進させ、端板のねじ挿通穴に挿通した取付ねじを筐体の凹部に設けたねじ穴に螺入する。取付ねじの頭部が端板に圧接されると、フランジと取付金具との間にパネルが挾持され、筐体はパネルに固定される。
【0009】
(2)また、係止片を取付金具の短片の上下に設けたので、1種類の取付金具を左右何れにも使用することができる。
(3)さらに筐体に設けたガイド穴の幅を取付金具の板厚とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成すると共に、取付金具の端板と係止片との間隙をガイド穴が設けられた底板又は天板の板厚とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成したことにより、取付金具を上下左右に動くことなく直進させることができる。
【0010】
【実施例】
図1は本発明実施例の分解斜視図、図2はその要部の説明図である。両図において、1は筐体で、本実施例においては、前面が開口し後部の上部が突出した(以下この部分を突出部4aといい、その下部を凹部4bという)側面ほぼ逆L字状のケース本体2と、ケース本体2の開口部の周縁に設けたフランジ部3とからなっている。
そして、ケース本体2の突出部4aの底板5の両側近傍には、図2に示すように、前後方向に長いガイド穴6a,6bが設けられており、その後部にはこれより幅の広い挿入穴7a,7bが連続して設けられている。また、ケース本体2の凹部4bの縦壁の上部両側近傍にはねじ穴22(一方の側だけ示してある)が設けられている。
【0011】
11a,11bは取付金具で、端板12a,12bの両側は同方向にほぼ直角に折曲げられて長片13a,13bと短片14a,14bが形成されており、短片14a,14bの上下には端板12a,12bの上下端部と間隙g(図2参照)を隔てて長片13a,13b側に折曲げられ、係止片15a,15b、16a,16bが形成されている。17a,17bは端板12a,12bに設けたねじ挿通穴、18a,18bは取付ねじである。
【0012】
上記のような筐体1及び取付金具11a,11bにおいて、筐体1の突出部4の底板5に設けたガイド穴6a,6bの幅Wは取付金具11a,11bの板厚t1 とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成されており、挿入穴7は取付金具11a,11bの係止片15a,15bが挿入しうる大きさに形成されている。
また、取付金具11a,11bの端板12a,12bの上下端部と係止片15a,15b間の間隙gは、筐体1の突出部4aの底板5の板厚t2 とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成されている。
なお、取付金具11a,11bは全く同じ構造のものであり、上下を逆にすることにより左右何れにも使用することができる。
【0013】
上記のような取付金具11a,11bを用いて筐体1をパネルに取付けるには、図4に示すように、パネル20に設けたパネルカット21に、前面側から筐体1のケース本体2を挿入し、フランジ部3をパネル20の前面に当接させる。
ついで、取付金具11aの一方の係止片15aを、筐体1の突出部4aの底板5に設けた挿入穴7aに挿入し、突出部4aの底板5を端板12aの上端部と係止片15aとで挾持した状態で取付金具11aを前進させ、図3に示すようにガイド穴6a内に位置させる。
【0014】
この状態で、筐体1の側壁に沿って取付金具11a,11bをその先端部がパネル20の背面に当るまで前進させ、取付金具11a,11bのねじ挿入穴17a,17bに取付ねじ18a,18bを挿通し、筐体1の凹部4bに設けたねじ穴22に螺入する。そして取付ねじ18a,18bの頭部が取付金具11a,11bの端板12a,12bに当るまで締付けると、取付金具11a,11bと筐体1のフランジ3とによりパネル20を挾持し、筐体1はパネル20に強固に取付けられる。このときの状態を図4に示す。
【0015】
本実施例においては、前述のように、ガイド穴6a,6bの幅Wを取付金具11a,11bの板厚t1 とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成し、また、端板12a,12bと係止片15a,15bとの間隙gをケース本体2の突出部4の底板5の板厚t2 とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成したので、取付ねじ15a,15bを螺入する際に、取付金具11a,11bの左右方向や上下方向の動きを規制することができ、取付金具11a,11bを直進させることができる。
【0016】
また、取付金具11a,11bをガイド穴6a,6bに挿入すれば、取付金具11a,11bはその位置に保持されるので、取付ねじ18a,18bをねじ穴22に螺入する際の取付金具11a,11bの保持手段や位置決め手段を特別に設ける必要がない。
さらに、取付金具11a,11bの係止片15a,15b、16a,16bを端板12a,12bの上下に設けたので、1種類の取付金具を左右の取付金具11a,11bとして用いることができる。
【0017】
上記の説明では、筐体1の後面上部に突出部4aを設けた場合を示したが、内部に収容するプリント基板や電気部品によっては突出部を後面下部あるいは後面中央部近傍に設けることもある。
筐体1の後面下部に突出部4aを設けた場合はその天板にガイド穴6a,6b及び挿入穴7a,7bを設ければよく、筐体1の後面中央部近傍に突出部4を設けた場合は、その底板又は天板にガイド穴6a,6b及び挿入穴7a,7bを設ければよい。
【0018】
また、取付金具11a,11bの後端部のみを折曲げて端板12a,12bを形成した場合を示したが、長片13a,13bの先端部を端板12a,12bと反対方向に折曲げて当接片を設けてもよい。これにより、パネル20に対する接触面積を増加し、より確実に筐体1をパネル20に装着することができる。
さらに、取付金具11a,11bの端板12a,12bの上下に係止片15a,15bを設けた場合を示したが、端板12a,12bの上側のみに係止片を設けてもよい。しかし、この場合は、左右2種類の取付金具を用意する必要がある。
また、ケース本体2の板厚t2 が薄い場合は、突出部4aの底板5から凹部4bの背面にかけてL字状の当板を取付け、この当板と底板5の両者にガイド穴6a,6bと挿入穴7a,7bを設けてもよい。
【0019】
【発明の効果】
(1)本発明に係る筐体の取付装置は、後面側に突出部と凹部を有し突出部の底板又は天板の両側近傍に、前後方向に長いガイド穴及びその後部にガイド穴より幅の広い挿入穴を連続して設けると共に凹部の縦壁の両側近傍にねじ穴が設けられた筐体と、ねじ挿通穴を有する端板及び端板の両側から同方向にほぼ直角に折曲げられた長片と短片を備え、短片の上下の少なくとも一方を長片側に折曲げて係止片が形成された取付金具とを有し、取付金具の係止片を筐体の挿入穴に挿入し、端板と係止片とにより筐体の突出部の底板又は天板を挾持して前進させ、取付金具の端板に設けたねじ穴に取付ねじを挿通してこの取付ねじを筐体に設けたねじ穴に螺入し、筐体のフランジと取付金具とによりパネルを挾持して固定するようにしたので、筐体に溝等を設ける必要がないため筐体内への突出部がなく、内部を有効に利用でき、その上取付金具の位置決め、取付、固定も簡単なので、取付時間を短縮できる。
【0020】
(2)また、上記(1)の取付金具の短片の上下に係止片を設けたことにより、1種類の取付金具を左右何れにも使用することができる。このため、取付金具のプレス加工のための金型が安価になり、コストを低減できるばかりでなく、在庫管理、工程管理もきわめて容易である。
【0021】
(3)さらに、上記(1)又は(2)の筐体に設けたガイド穴の幅を取付金具の板厚とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成すると共に、取付金具の端板と係止片との間隙をガイド穴が設けられた底板又は天板の板厚とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成したので、取付金具を筐体の側壁に沿って前進させる際に、取付金具が上下あるいは左右に動くことができ、直進させることができ、このため、筐体を正しい位置に確実に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の分解斜視図である。
【図2】図1の要部の斜視図である。
【図3】本発明実施例の作用説明図である。
【図4】本発明実施例により筐体をパネルの取付けた状態を示す説明図である。
【図5】従来の筐体の取付装置の一例の斜視図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 ケース本体
3 フランジ
4a 突出部
4b 凹部
5 突出部の底板
6a,6b ガイド穴
7a,7b 挿入穴
11a,11b 取付金具
12a,12b 端板
13a,13b 長片
14a,14b 短片
15a,15b,16a,16b 係止片
17a,17b ねじ挿通穴
18a,18b 取付ねじ
20 パネル
21 パネルカット
22 ねじ穴
Claims (3)
- 前面側にフランジを有する筐体をパネルの前面からパネルカットに挿入し、パネルの後面側から筐体を固定するものにおいて、
後面側に突出部と凹部を有し該突出部の底板又は天板の両側近傍に、前後方向に長いガイド穴及びその後部に該ガイド穴より幅の広い挿入穴を連続して設けると共に、前記凹部にねじ穴が設けられた筐体と、
ねじ挿通穴を有する端板及び該端板の両側から同方向にほぼ直角に折曲げられた長片と短片を備え、該短片の上下の少なくとも一方を長片側に折曲げて係止片が形成された取付金具とを有し、
該取付金具の係止片を前記筐体の挿入穴に挿入し、端板と係止片とにより筐体の突出部の底板又は天板を挾持して前進させ、前記取付金具の端板に設けたねじ穴に取付ねじを挿通して該取付ねじを前記筐体に設けたねじ穴に螺入し、前記筐体のフランジと取付金具とによりパネルを挾持して固定することを特徴とする筐体の取付装置。 - 取付金具の短片の上下に係止片を設けたことを特徴とする請求項1記載の筐体の取付装置。
- 筐体に設けたガイド穴の幅を取付金具の板厚とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成すると共に、取付金具の端板と係止片との間隙を前記ガイド穴が設けられた底板又は天板の板厚とほぼ等しいか又は僅かに大きく形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の筐体の取付装置。
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JP5070994B2 (ja) * | 2007-08-28 | 2012-11-14 | 株式会社明電舎 | 電子機器の接地構造 |
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1994
- 1994-12-22 JP JP32065094A patent/JP3677635B2/ja not_active Expired - Fee Related
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