JP3671452B2 - 酸素濃度検出器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は,自動車エンジンの空燃比制御等に用いられる酸素濃度検出器に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,自動車用エンジンより排出される排気ガス中の酸素濃度を検出するための酸素濃度検出器としては,固体電解質がZrO2 よりなる検出素子と,該検出素子の内部に配置したヒータとを有する,酸素濃淡起電力式のものが一般的に利用されている。
【0003】
図11に示すごとく,上記検出素子9は略試験管状の固体電解質20において,その内側面に白金膜よりなる内側電極201を,その外側面に白金膜よりなる外側電極202を設けてある。上記外側電極202の表面には,該外側電極202を保護するための,スピネルよりなるコーティング層23とアルミナよりなるトラップ層22を設けてある。
なお,上記酸素濃度検出器は,一般に,エンジンと排気ガス浄化にかかる触媒コンバーターとの間の排気管内に配置されている。
【0004】
【解決しようとする課題】
近年,エンジンの高性能化に伴う2バンク車両の増加により,酸素濃度検出器を従来よりも下流側に設ける傾向がある。また,OBDII規制等の触媒コンバータの劣化検出に対応するため,或いは,A/F制御補正のために,触媒コンバーター下流においても,酸素濃度検出器を設置する機会が増大している。
このため,エンジン始動時において,排気管内の凝縮水,残存水によって酸素濃度検出器が被水し,熱衝撃による検出素子の被水割れが増大している。
【0005】
更に,排気ガス規制の強化に伴い,寒冷時のエミッションを低減する必要がある。このため,より熱容量の低い積層型の検出素子,また高出力のヒータが用いられる機会が増えている。この場合には,検出素子の昇温性能が向上するため,上記被水割れが更に生じやすくなる。
【0006】
上記問題点を解決するために,従来,検出素子の側部を覆う保護カバーの構造を以下の構成とすることが行われている。
即ち,上記保護カバーを二重構造とする。上記保護カバーの底部に排水用の穴を設ける。上記保護カバーにおける排気ガス導入穴の面積,穴の数を最適化し,水滴の浸入を抑制する。また,上記二重の保護カバーにおける,各排気ガス導入穴の開口場所を工夫して,カバー内部を迷路構造とする。
【0007】
しかし,上記構成は,保護カバー内の構造が複雑化することになるため,検出素子に排気ガスが当たりにくくなる。この結果,酸素濃度検出器の応答性が悪化し,エミッション・アイドル時の安定性が悪化する等のエンジン制御の上の問題が生じてしまう。
【0008】
本発明は,かかる問題点に鑑み,検出素子に被水割れの生じない酸素濃度検出器を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
本発明は、ハウジング内に挿入配置された固体電解質よりなる検出素子と、該検出素子を加熱する加熱手段とを有する酸素濃度検出器において、上記検出素子は、その外側に撥水性、断熱性を有する表面層を有し、かつ上記表面層の気孔率は20〜90%であり、上記表面層の厚みが20〜500μmであることを特徴とする酸素濃度検出器にある。
【0010】
上記表面層は,検出素子の最外層になるように設けてある。従って,固体電解質と外側電極とよりなる検出素子においては,外側電極の外側に上記表面層を設ける。また,外側電極の表面に被毒トラップ層が設けてある場合には,被毒トラップ層の上に上記表面層を設ける。その他の場合も同様である。
【0011】
上記表面層はその厚みが20〜500μmである。上記厚みが20μm未満の場合には,被水割れを防止することができないおそれがある。一方,500μmよりも厚い場合には,上記表面層の検出素子に対する付着強度が弱く,該表面層が脱落しやすくなるおそれがある。
【0012】
次に,上記表面層の気孔率は20〜90%である。上記気孔率が20%未満である場合には,被測定ガス中の被毒物による目詰まりが,表面層に生じるおそれがある。一方,90%を越えた場合には,表面層の強度が低下するおそれがある。
【0013】
上記表面層は,例えばBN,CaF2 ,NbC,ZrB2 ,TiB2 ,タルクのグループより選ばれる一種以上の粒子により構成されている。また,上記表面層はアルミナを含有していることが好ましい。上記アルミナは,後述するごとく,表面層を形成する際のバインダとして使用する。
上記アルミナの表面層全体に対する含有量は,20重量%以内であることが好ましい。上記含有量が20重量%を越えた場合には,被水割れを防止できないおそれがある。
【0014】
上記表面層を形成するに当たっては,上記粒子に例えばアルミナゾル等の無機バインダ,分散剤,水あるいはエタノール等を混合し,スラリーとなす。上記スラリーを検出素子の外側に設け,焼成することにより表面層を得ることができる。また,上記粒子を検出素子外側に,直接,非酸化性雰囲気において溶射することにより表面層を形成することもできる。
上記粒子の形状は,球状,板状,塊状,ファイバー状,フォーム状,柱状,針状等から選択することができる。
【0015】
また,上記とは異なる構成の,ハウジング内に挿入配置された固体電解質よりなる検出素子と,該検出素子を加熱する加熱手段とを有する酸素濃度検出器において,上記加熱手段は検出素子の外部に配置されており,かつ上記加熱手段及び検出素子は,その外側に撥水性,断熱性を有する表面層を有していることを特徴とする酸素濃度検出器がある。
【0016】
上記構成の酸素濃度検出器においては,加熱手段と検出素子が隣接配置されている。このため,検出素子が被水する場合,同時に上記加熱手段も被水する。このため,上述の撥水性,断熱性を有する表面層を加熱手段及び検出素子に設けることにより,両者の被水割れを防止することができる。
なお,上記表面層は,上述した粒子等により構成されてなり,その厚みは20〜500μm,気孔率は20〜90%である。
【0017】
上記酸素濃度検出器は,上記ハウジングの上部に上記検出素子の上部を覆うカバーを有し,また該カバーには上記検出素子の大気室に空気を導入する大気導入口を設けてなり,かつ該大気導入口には撥油性フィルタを設けることもできる。
【0018】
上記撥油性フィルタは,例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)など,表面張力の低い液体を弾く性質を有する多孔質樹脂より構成されている。
上記撥油性フィルタの配置に関しては,例えば,上記カバーが大気に面する外側カバーとそれよりも内側に設けた内側カバーとよりなる場合には,上記外側カバーと内側カバーとの間に,パイプ状に形成した上記撥油性フィルタを配置することができる(図1参照)。
【0019】
また,上記カバーが一重である場合には,上記大気導入口に面してブロック状に形成した上記撥油性フィルタを配置することができる(図10参照)。
なお,上記構成は,特に二輪車等の空燃比センサ等,酸素濃度検出器が外部に露出して使用される場合に,特に有効である。
【0020】
上記撥油性フィルタを設けることにより,上記大気導入口より,水はもちろんのこと油,洗剤,防錆剤等の表面張力の小さな液体が浸入することを防止することができる。仮に,大気導入口に上述の液体が侵入した場合には,大気導入口が塞がれてしまうため,検出素子における大気室に新たな酸素を補充することができなくなる。
また,侵入した液体が熱分解や燃焼することにより酸素濃度検出器内部の酸素を消費することもある。いずれの場合には,大気室の酸素濃度が低下し,結果として酸素濃度検出特性の低下(酸欠現象)を招く。
【0021】
更に,上記の表面層及び撥油性フィルタを設けるという本発明にかかる構成は,ガス濃淡起電力式,限界電流式等各種構成の酸素濃度検出器に適用可能である。また,検出素子がコップ型,積層型等いずれの場合においても,適用可能である。また,加熱手段を持たない酸素濃度検出器においても,適用可能である。また、上記外側電極の表面には、これを保護するためのコーティング層が設けられ、該コーティング層の表面にトラップ層が設けてあり、該トラップ層の表面に撥水性、断熱性を有する表面層が設けてあることが好ましい。
【0022】
【作用及び効果】
本発明の酸素濃度検出器においては,検出素子の外側に撥水性,断熱性の表面層を設けてある。そのため,外部の水滴によって酸素濃度検出器が被水しても,該水滴を上記表面層が弾き,該水滴から受ける固体電解質等への熱衝撃を緩和するため,よって検出素子において被水割れが生じない。
【0023】
上記のごとく,本発明によれば,検出素子に被水割れの生じない酸素濃度検出器を提供することができる。
【0024】
【実施例】
実施例1
本発明の実施例にかかる酸素濃度検出器1につき,図1,図2を用いて説明する。
図1に示すごとく,本例の酸素濃度検出器1は,ハウジング10内に挿入配置された固体電解質20よりなる検出素子2と,該検出素子2の内部に配置した上記加熱手段としてのヒータ12とを有する。
図2に示すごとく,上記検出素子2は,その外側に撥水性,断熱性を有する表面層21を有している。また,上記表面層21はBN粒子よりなり,厚みが60μm,気孔率が50%である。
【0025】
上記検出素子2は,ZrO2 よりなるコップ型の固体電解質20の外側に白金膜よりなる外側電極202を,内側には,大気室200に面する内側電極201を有している。上記外側電極202の表面には,該外側電極202を保護するための,スピネルよりなるコーティング層23を,該コーティング層23の表面にはアルミナよりなるトラップ層22を設けてある。
そして,上記トラップ層22の表面に上記表面層21が設けてある。
【0026】
次に,上記表面層21を形成する方法について説明する。
まず,平均粒径が8μmのBN粒子に,アルミナゾルよりなる無機バインダ,硝酸アルミよりなる分散剤を混合し,スラリーとなす。
これをデッピング法により,厚さが60μmとなるように,上記検出素子2のトラップ層22の外側に付着させ,乾燥させる。その後,温度500℃,一時間で焼成する。
これにより,上記表面層21を有する検出素子2を得ることができる。
【0027】
更に,図1に示すごとく,本例の酸素濃度検出器1は,検出素子2がその側面につば部29を有し,該つば部29において上記ハウジング10に支承されている。上記つば部29の上方には,粉末シール材101がパッド102及びインシュレータ103により加圧充填されている。
【0028】
上記ハウジング10の下方には,被測定ガス室169を構成し,検出素子2の下部を保護するための二重の保護カバー161,162が設けてある。
また,上記ハウジング10の上方には,上記検出素子2の上部を覆う三つのカバーを有し,また該カバーには上記検出素子2の大気室200に空気を導入する大気導入口を設けてなり,かつ該大気導入口には撥油性フィルタ11を設けてなる。
【0029】
上記三つのカバーは,ハウジング10の上端に,リング104を介してかしめ固定されている保護カバー13と,該保護カバー13の上部に設けたダストカバー14と該ダストカバー14の外方に上記撥油性フィルタ11を介して配置されているフィルタカバー15とよりなる。
そして,上記ダストカバー14とフィルタカバー15には大気導入口140,150が設けてあり,上記大気導入口140,150と対面するように上記撥油性フィルタ11が両者の間に組付けてある。
【0030】
上記撥油性フィルタ11は,図3,図4に示すごとく,パイプ状に成形した,多孔質のPTFE樹脂である。なお,上記撥油性フィルタ11は上記ダストカバー14とフィルタカバー15によりかしめ固定されているため,図1に示すごとく,若干変形している。
【0031】
次に,本例における作用効果につき説明する。
本例の酸素濃度検出器1においては,検出素子2の外側に撥水性,断熱性の表面層21を設けてある。
そのため,被測定ガス室169に侵入した水滴によって検出素子2が被水しても,上記表面層21が該水滴を弾き,固体電荷質20が該水滴から受ける熱衝撃を緩和するため,上記検出素子2には被水割れが生じない。
【0032】
従って,本例によれば,検出素子に被水割れの生じない酸素濃度検出器を提供することができる。
【0033】
また,本例の酸素濃度検出器1においては,空気は透過させるが,水は勿論のこと表面張力の低い液体等を弾く性質を有する撥油性フィルタ11を,ダストカバー14,フィルタカバー15における大気導入口140,150に対して設けてある。よって,上記大気導入口140,150より,油,洗剤,防錆剤等が浸入し,酸素濃度検出器1内部で燃焼することにより酸素を消費し,大気室200内の酸素不足等による酸素濃度検出性能の低下(酸欠現象)等を防止することができる。
【0034】
実施例2
本例は,図5及び表1〜表4を用い,本発明にかかる検出素子の性能,即ち表面層の厚み,気孔率,成分等と被水割れの発生温度,表面層の付着強度等との関係について比較試料と共に説明する。
【0035】
まず,図5において,後述の表1に示す試料4を用い(ただし,表面層の厚みが異なる),表面層の厚みと被水割れの発生する温度との関係について説明する。図5の横軸は表面層の厚み,縦軸は加熱した検出素子に水を0.001cc滴下し,被水割れが生じた温度である。
同図より知れるごとく,表面層の厚さが20μm未満である場合には,検出素子の温度が500℃未満において,被水割れが生じる。
これにより,表面層の厚さが少なくとも20μm以上,望ましくは60μm以上必要であるということが判かる。
【0036】
次に,表1〜表4に示すごとく,材質,厚み,気孔率の異なる表面層を有する検出素子について本発明にかかる試料1〜14を,比較試料C1〜C5と共に評価した。
即ち,試料1〜14,比較試料C1〜C5は,表1及び表2に示すごとく,表面層の材質(重量%),気孔率(%),厚さ(μm)がそれぞれ異なる。試料1〜12,C1〜C4においては,表面層がBN等の単一の粒子により構成されている。試料13,14と比較試料C5においては,表面層がBNの他にバインダとしてアルミナを添加した材料により構成されている。上記いずれの表面層も諸材料と有機バインダから成るスラリーにディップした後,乾燥,焼成(500℃/h)することにより形成した。
【0037】
次に,上記試料1〜14及び比較試料C1〜C5の性能評価は,表3,表4に示すごとく,被水割れの他,表面層の検出素子に対する付着強度,酸素検出における初期応答性,被毒耐久性について調べた。
上記被水割れは,予め検出素子を500℃に加熱しておき,0.001ccの水を滴下した時に被水割れが生じたるか否かを調べた。そして,表3及び表4においては,被水割れの生じなかった試料を○,生じたものを×とした。
【0038】
上記付着強度及び上記被毒耐久性のテストは,まず上記各試料及び比較試料を組付けた酸素濃度検出器を2000cc直列6気筒エンジンの排気系路に取付ける。そして,エンジンの回転数を4000rpmと2500rpmとして,各30分づつ交互にエンジンを駆動する。この場合,素子温度は500℃〜750℃との間に保持される。なお,上記駆動において使用した燃料は,エンジンオイル0.5重量%及び清浄剤を添加した無鉛ガソリンである。
【0039】
そして,表3及び表4の付着強度は,テーピング法により剥離する面積が20%以下の状態となった試料を○,20%を越えた状態となったものを×と評価した。
また,被毒耐久性はエンジンの回転数を1100rpm,検出素子の温度が400℃に保持された状態において,周波数の変化率が10%未満である試料を○,変化率が10%以上であるものを×と評価した。
【0040】
上記初期応答性は,エンジンの回転数を1100rpm,素子温度を400℃プラスマイナス10℃に保持し,応答時間,即ちλ=0.9〜λ=1.1(λは空気過剰率)への切換え時において出力が0.6V〜0.3Vへと変化する時間を測定する。そして,表3及び表4においては,上記応答時間が150ms以下の試料を○,150ms〜200msを△,200ms以上を×と評価した。
【0041】
上記測定の結果,表3及び表4より,本発明にかかる試料1〜14が,いずれの測定結果においても○である。
これとは対照的に,表面層の気孔率が20%未満であるC1は,初期応答性や被毒耐久性の点で劣り,気孔率が90%を越えているC4は,付着強度が劣る。また,表面層の厚みの薄いC2は,被水割れが生じ,表面層の厚みの厚いC3は,付着強度が弱く,初期応答性も劣る。
更に,アルミナの含有量の多いC5は,被水割れが生じてしまう。
よって,本例によれば,試料1〜14が被水割れの生じない優れた検出素子であることが判る。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
実施例3
本例は,図6,図7に示すごとく,積層型の検出素子3を有する酸素濃度検出器1である。
本例の酸素濃度検出器1は,ハウジング10内に挿入配置された積層型の検出素子3と,該検出素子3に一体的に設けた,加熱手段としてのヒータ35とを有する。
【0047】
上記ヒータ35は,内部に発熱体351を内蔵したセラミック体350より構成されている。
また,上記ヒータ35は板状の固体電解質30に対し積層されてなり,該固体電解質30とヒータ35とにより大気室300が形成されている。また,上記大気室300に面するよう,固体電解質30の内側には内側電極301が設けてある。
【0048】
一方,上記固体電解質30の外側には外側電極302が設けてある。外側電極302の表面には,これを保護するためのコーティング層23及びトラップ層22が設けてある。そして,上記トラップ層22の表面に撥水性,断熱性を有する表面層21が設けてある。
その他は実施例1と同様である。
また,本例の酸素濃度検出器1においても,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0049】
なお,本例の検出素子3において,表面層21は,検出素子3におけるトラップ層22の表面を被覆するように設けたが,ヒータ35を構成するセラミック体350をも被覆するように,検出素子3全体に対し,表面層21を設けることもできる。
この場合には,上記セラミック体350の被水割れを防止することができる。
【0050】
実施例4
本例は,図8,図9に示すごとく,検出素子41の外部にヒータ42を有する酸素濃度検出器4である。
上記酸素濃度検出器4は,ハウジング40内に,インナーカバー44を介して挿入配置された固体電解質415よりなる検出素子41と,該検出素子41を加熱するヒータ42とを有する。
上記ヒータ42は検出素子41の外部において隣接配置され,かつ上記検出素子41及びヒータ42は,その外側に撥水性,断熱性を有する表面層21を有している。
【0051】
上記酸素濃度検出器4において,上記ハウジング40の下端には被測定ガス室469を形成する被測定ガス側カバー46が設けてあり,上端には保護カバー47が設けてある。
【0052】
上記検出素子41及びヒータ42とインナーカバー44の内壁との間には,サポータ441,粉末シール材442,インシュレータ443が順次積層されてなり,一方,上記インナーカバー44とハウジング40との間は,粉末シール材431がスペーサ432により加圧充填されている。
なお,検出素子41とヒータ42との間はセラミックセメント45により固定されている。
【0053】
図9に示すごとく,上記検出素子41は,セラミック基板419に面して板状の固体電解質415を配置してなり,該固体電解質415とセラミック基板419とによって大気室410が形成されている。
【0054】
また,上記大気室410に面するように固体電解質415には内側電極411が設けてある。一方,上記固体電解質415の外側には,外側電極412が設けてある。上記外側電極412の表面には,これを保護するためのコーティング層23が設けてある。
【0055】
また,上記ヒータ42は,発熱体425とこれを被覆するセラミック体420より構成されている。
そして,上記検出素子41及びヒータ42のインナーカバー44によって保護されていない表面全体,即ち,被測定ガス室469内に露出している部分全体に,撥水性,断熱性を有する表面層21が設けてある。
その他は,実施例1と同様である。
【0056】
本例の酸素濃度検出器4においては,検出素子41,ヒータ42の双方に撥水性,断熱性を有する表面層21を設けてある。よって,被水による割れ発生を双方の部品において防止することができる。その他は実施例1と同様の作用効果を有する。
【0057】
実施例5
本例は,図10に示すごとく,ブロック状の撥油性フィルタ115を用いた酸素濃度検出器1である。
本例の酸素濃度検出器1は,ハウジング10に挿入配置した検出素子2と,該ハウジング10の上端にかしめ固定された保護カバー13及び該保護カバー13の上部を覆うダストカバー14より構成されている。
【0058】
そして,上記ダストカバー14の上端面に設けた嵌合部149には,略円柱状の撥油性フィルタ115が,上記ダストカバー14に設けた大気導入口140に対面するように配置されている。なお,上記撥油性フィルタ115には,検出素子2の出力取出し用端子等を配置するための貫通穴148が設けてある。
その他は,実施例1と同様である。
【0059】
本例においては,ハウジング10内に挿入,配置された固体電解質20よりなる検出素子2と,該検出素子2を加熱する加熱素子12とを有する酸素濃度検出器1において,ハウジング10上部に検出素子2の上部を覆うカバー14を有し,該カバー14に検出素子2の大気室200に空気を導入する大気導入口140を設け,該大気導入口140に撥油性フィルタ115を設けたことを特徴とするものである。
【0060】
そして,かかる酸素濃度検出器1によれば,大気導入口140より油,洗剤(洗車時),防錆剤等が進入し,酸素濃度検出器1内部で燃焼することにより酸素を消費し,大気室200内の酸素不足等による酸素濃度検出性能の低下(酸欠)等を防ぐという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,酸素濃度検出器の断面説明図。
【図2】実施例1における,検出素子の要部断面説明図。
【図3】実施例1における,撥油性フィルタの断面図。
【図4】実施例1における,撥油性フィルタの斜視図。
【図5】実施例2における,検出素子の表面層の厚さと被水割れの発生する温度との関係を示す線図。
【図6】実施例3における,積層型の検出素子を有する酸素濃度検出器の断面説明図。
【図7】実施例3における,積層型の検出素子の断面図。
【図8】実施例4における,検出素子とヒータが別体である酸素濃度検出器の断面説明図。
【図9】図8における,A−A矢視断面図。
【図10】実施例5における,ブロック状の撥油性フィルタを有する酸素濃度検出器の断面説明図。
【図11】従来例における,検出素子の要部断面図。
【符号の説明】
1,4...酸素濃度検出器,
10,40...ハウジング,
11...撥油性フィルタ,
12...ヒータ,
13...保護カバー,
14...ダストカバー,
15...フィルタカバー,
140,150...大気導入口,
2,3,41...検出素子,
20,30,415...固体電解質,
200,300,410...大気室,
21...表面層,
Claims (6)
- ハウジング内に挿入配置された固体電解質よりなる検出素子と、該検出素子を加熱する加熱手段とを有する酸素濃度検出器において、
上記検出素子は、その外側に撥水性、断熱性を有する表面層を有し、
かつ上記表面層の気孔率は20〜90%であり、上記表面層の厚みが20〜500μmであることを特徴とする酸素濃度検出器。 - 請求項1において、上記表面層は,BN,CaF2、NbC、ZrB2、TiB2、タルクのグループより選ばれる一種以上の粒子により構成されていることを特徴とする酸素濃度検出器。
- 請求項1〜2のいずれか一項において,上記表面層は,アルミナを含有していることを特徴とする酸素濃度検出器。
- ハウジング内に挿入配置された固体電解質よりなる検出素子と,該検出素子を加熱する加熱手段とを有する酸素濃度検出器において、
上記加熱手段は検出素子の外部に配置されており、かつ上記加熱手段及び検出素子の外側には撥水性,断熱性をし、
かつ上記表面層の気孔率は20〜90%であり、かつ上記表面層の厚みが20〜500μmであることを特徴とする酸素濃度検出器。 - 請求項1〜4のいずれか一項において、上記酸素濃度検出器は、上記ハウジングの上部に上記検出素子の上部を覆うカバーを有し、また該カバーには上記検出素子の大気室に空気を導入する大気導入口を設けてなり、
かつ該大気導入口には撥油性フィルタを設けてなることを特徴とする酸素濃度検出器。 - 請求項1〜5のいずれか一項において、上記外側電極の表面には、これを保護するためのコーティング層が設けられ、該コーティング層の表面にトラップ層が設けてあり、該トラップ層の表面に撥水性、断熱性を有する上記表面層が設けてあることを特徴とする酸素濃度検出器。
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