JP3671027B2 - 自動車のための組立形の支持体を備えるボディー構造体 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のための組立形の支持体、特に縦材若しくは桁材を備えるボディー構造体であって、支持体が成形体から成っていてかつ、ウエブ部分による補強部を有しており、補強部としてのウエブ部分が支持体の内側に取り付けられている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
米国特許第４６７４７７０号明細書により公知の支持体若しくはビームは、横断面Ｕ字形の成形体から成っていて、内側に補強成形体を備えており、補強成形体が一面では成形体底部で以てかつ他面では覆いとして配置されている。さらに米国特許第２１３６１２２号明細書により公知の支持体は、挿入体によって補強されており、挿入体が横断面Ｕ字形の成形部品から成っている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ボディー構造体若しくは上部構造体の支持体、特に縦材若しくは桁材を、該支持体の結合領域に結合、例えば溶接のために容易にアクセスできるように形成し、かつ結合領域の補強を行うことである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の構成では、組立形の複数の支持体が該１つの支持体と該別の支持体との結合領域にカバー薄板を有しており、カバー薄板が前記複数の支持体の、該カバー薄板の下側に配置されたバルクヘッド薄板と結合されており、カバー薄板の端部区分とバルクヘッド薄板との結合領域でカバー薄板とバルクヘッド薄板とによって、支持体の長手方向に対して横方向へ延びる中空支持体が形成されている。
【０００５】
【発明の効果】
本発明に基づく前記構成によって得られる利点として、支持体の結合領域に例えば点溶接装置が容易にアクセスでき、かつ結合された、即ち組立られた支持体の結合領域が後で補強される。
【０００６】
組立形の支持体の結合領域が結合の前に容易にアクセス可能であるために、隣接のバルクヘッド薄板が支持体内に離隔して、即ち互いに間隔を置いて配置されて固定されており、従って、支持体の結合領域に該結合領域への作業開口が形成される。
【０００７】
バルクヘッド薄板による補強作用が、横方向へ、即ち長手方向に対して交差する方向へ延びる圧刻部若しくはビードによって助成されており、該圧刻部若しくはビードがバルクヘッド薄板の幅全体にわたって延びている。さらにバルクヘッド薄板は、圧刻部若しくはビードに続く端部区分を有しており、該端部区分がカバー薄板の端部区分と重なり合っており、カバー薄板及びバルクヘッド薄板の互いに上下に位置する、即ち互いに重なり合う端部区分が、互いに一緒に中空支持体を形成している。
【０００８】
カバー薄板によって互いに結合されたバルクヘッド薄板を有利な形式で形状安定させるために、中空支持体がカバー薄板及びバルクヘッド薄板の端部区分の、間隔を置いて配置された互いに逆向きの２つの段付け部（後退部若しくはセットバック）によって形成されており、各端部区分が、相対するバルクヘッド薄板若しくはカバー薄板に結合可能である。
【０００９】
支持体が有利には、はめ込まれたバルクヘッド薄板を備え、即ち、バルクヘッド薄板が出荷時にはすでに支持体内にはめ込まれ、即ち支持体と例えば点溶接若しくはスポット溶接によって結合されている。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面に示して詳細に説明する。車両のボディー構造体（上部構造体）は特に縦材１を含んでおり、該縦材（長尺の支持体若しくは桁材）は個別の複数の縦材部分２，３・・から組み立てられている。縦材部分（個別縦材若しくは縦材片）２，３は横断面でＵ字形に構成されていて、上側に向かって開いた横断面を有している。
【００１１】
縦材部分２，３は、両方の縦材部分２，３のＵ字形成形体のウエブ５，５ａに設けられた結合領域４で、例えば点溶接若しくはスポット溶接によって互いに結合されている。
【００１２】
結合領域（結合区分）４は縦材１の縦材部分２，３間の結合部に基づき低い強度しか有していない。成形体としての縦材部分２，３内にはめ込まれたバルクヘッド薄板６，６ａ並びに該バルクヘッド薄板に結合されたカバー薄板７によって、縦材１が補強される。
【００１３】
縦材部分２，３の結合領域４は縦材部分の薄板の重なりに基づき比較的高い剛性を有しており、この場合、結合領域４の横（結合領域に続く、即ち隣接する区分）では剛性が急激に減少している。剛性の急激な減少が、カバー薄板７及びバルクヘッド薄板６，６ａによって補償されており、このために特に、カバー薄板とバルクヘッド薄板とによって形成された中空支持体（中空成形部）１３，１４が著しく寄与している。
【００１４】
縦材１内のバルクヘッド薄板６，６ａ及びカバー薄板７は、横断面Ｕ字形の成形体として形成されており、横断面Ｕ字形の成形体が脚部で縦材部分２，３の脚部８，９に固定されるようになっている。
【００１５】
縦材部分２，３間の結合領域４に点溶接のために上側から矢印１０の方向でアクセスするために、隣接のバルクヘッド薄板６，６ａが互いに所定の間隔ａを置いて配置されている。該間隔ａが、結合領域４の点溶接の後にカバー薄板７によってカバーされ、即ち覆われ、カバー薄板がバルクヘッド薄板６，６ａの上側に載せられて、該バルクヘッド薄板に結合される。カバー薄板７に対するバルクヘッド薄板６，６ａの端部側の結合領域１１，１２、換言すれば、カバー薄板とバルクヘッド薄板との間の結合領域が、いわゆる横方向に延びる中空支持体１３，１４を形成している。
【００１６】
バルクヘッド薄板６，６ａが、横方向に延びる並べて配置された複数の圧刻部１５を備えており、この場合、カバー薄板７も結合領域４と重なり合う区分に、横方向に延びる少なくとも１つのビード若しくは圧刻部１６を備えている。
【００１７】
バルクヘッド薄板の圧刻部（エンボス加工部）１５に、バルクヘッド薄板６，６ａの端部区分１７，１８が続いており、該端部区分上に間隔ｂを置いてカバー薄板７の端部区分１９，２０が配置されている。端部区分１７，１９；１８，２０が互いに一緒に中空室Ｈを画成し、ひいては中空支持体１３，１４を形成している。互いに上下に位置する端部区分１７，１９；１８，２０は、自由端で以て例えば少なくとも点溶接２１，２２；２３，２４によって、相対するバルクヘッド薄板若しくはカバー薄板に結合される。
【００１８】
バルクヘッド薄板６，６ａは縦材部分２，３の長手方向に延びていて、互いに長手方向の所定の間隔（相互間隔）ａを置いて位置して作業開口Ａを形成しており、該作業開口がカバー薄板７によって閉じられる。バルクヘッド薄板６，６ａは車両ボディーの縦材２，３のほぼ全長にわたって延びている。
【図面の簡単な説明】
【図１】ボディー構造体のための、補強用のバルクヘッド薄板及びカバー薄板を備える縦材の概略縦断面図。
【図２】図１の符号Ｘの区分の拡大図。
【図３】図２の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った横断面図。
【符号の説明】
１ 縦材、 ２，３ 縦材部分、 ４ 結合領域、 ５，５ａ ウエブ、 ６，６ａ バルクヘッド薄板、 ７ カバー薄板、 ８，９ 脚部、 １７，１８，１９，２０ 端部区分

Claims (6)

1. 自動車のための組立形の支持体を備えるボディー構造体であって、支持体が成形体から成っていてかつバルクヘッド薄板による補強部を有しており、バルクヘッド薄板が支持体の内側に取り付けられている形式のものにおいて、
   組立形の複数の支持体（２，３）が該１つの支持体と該別の支持体との結合領域（４）に１つのカバー薄板（７）を有しており、カバー薄板が前記複数の支持体の、該カバー薄板の下側に配置されたバルクヘッド薄板（６，６ａ）と結合されており、カバー薄板（７）の端部区分とバルクヘッド薄板（６，６ａ）との結合領域でカバー薄板（７）とバルクヘッド薄板（６，６ａ）とによって、支持体の長手方向に対して横方向へ延びる中空支持体（１３，１４）が形成されていることを特徴とする、自動車のための組立形の支持体を備えるボディー構造体。
2. 複数の支持体（２，３）のバルクヘッド薄板（６，６ａ）の互いに向き合う側の端部間に、支持体（２，３）の結合領域（４）に対する作業開口（Ａ）が形成されている請求項１記載のボディー構造体。
3. バルクヘッド薄板（６，６ａ）が、支持体の長手方向に対して横方向に延びるエンボス加工部（１５）を備えていて、該エンボス加工部に続く端部区分（１７，１８）を有しており、該端部区分がカバー薄板（７）の端部区分（１９，２０）と重なり合っており、カバー薄板（７）及びバルクヘッド薄板（６，６ａ）の互いに上下に位置する端部区分（１９，１７；２０，１８）が、互いに協働して中空支持体（１３，１４）を形成している請求項１又は２記載のボディー構造体。
4. 中空支持体（１３，１４）がカバー薄板（７）及びバルクヘッド薄板（６，６ａ）の端部区分（１９，１７；２０，１８）の、間隔を置いて配置された互いに逆向きの２つの段付け部によって形成されており、各端部区分（１９，１７；２０，１８）がそれぞれ端部で、相対するバルクヘッド薄板（６，６ａ）若しくはカバー薄板（７）に結合可能である請求項１から３のいずれか１項記載のボディー構造体。
5. カバー薄板（７）が、支持体（２，３）の結合領域（４）と重なり合う区分に、支持体の長手方向に対して横方向へ延びる少なくとも１つのビード（１６）を備えている請求項１から４のいずれか１項記載のボディー構造体。
6. 支持体（２，３）の結合領域（４）の両側で生じる急激な剛性減少が、カバー薄板（７）及びバルクヘッド薄板（６，６ａ）によって形成された中空支持体（１３，１４）を用いて補償されている請求項１から５のいずれか１項記載のボディー構造体。

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