JP3670887B2 - チェーンテンショナ - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H7/0848Means for varying tension of belts, ropes, or chains with means for impeding reverse motion
    • F16H2007/0853Ratchets
    • F16H2007/0855Ratchets comprising a clip member engaging with the rack teeth

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カム軸駆動用チェーンの張力を一定に保つチェーンテンショナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、クランクシャフトの回転をカム軸に伝達するチェーン伝動装置においては、チェーンの弛み側チェーンにチェーンテンショナの調整力を付与してチェーンの張力を一定に保つようにしている。
【0003】
上記チェーンテンショナとして、ハウジングに形成されたシリンダ室内にプランジャとスプリングとを組込み、そのスプリングによって外方向への突出性が付与されたプランジャによりチェーンを押圧して緊張し、上記チェーンからプランジャに付与される押し込み力を、プランジャの背部に形成された圧力室内の油圧により緩衝するようにしてチェーンの張力を一定に保つようにしたものが従来から知られている。
【0004】
ところで、上記チェーンテンショナにおいては、エンジンの停止時、カムの停止位置によってチェーンが緊張状態に保持されると、プランジャがチェーンにより押し込まれて大きく後退する場合がある。このとき、エンジンが再始動され、チェーンに急激な弛みが生じると、プランジャは外方向に大きく移動することになる。
【0005】
その場合、圧力室に油圧を供給する油圧ポンプは始動直後であって吐出量が少ないため、圧力室に充分に油を供給することができず、圧力室に空気が侵入してダンビング特性が低下し、異音が発生する場合がある。
【0006】
そのような問題点を解決するため、プランジャの戻り量を制限することができるようにしたチェーン緊張装置が特公平3−10819号公報において提案される。
【0007】
上記チェーン緊張装置においては、ケーシングの内周に傾斜面を有する複数の係止溝をケーシングの軸方向に間隔をおいて形成し、前記ケーシング内に挿入され、押圧ばねによって外方向への突出性が付与された緩衝ピストン(プランジャに相当)の外周にストッパリングを保持するしゃ断溝を形成し、そのしゃ断溝の前側に設けられたストッパ傾斜路に前記ストッパリングの縮径を防止するしゃ断面と、ストッパリングの軸方向の移動を防止するストッパ縁とを形成し、このストッパ縁と係止溝に係合する上記ストッパリングとの係合によって緩衝ピストンの後退量を制限するようにしている。
【0008】
また、摩耗等によってチェーンに伸びが生じると、押圧ばねのばね力によって緩衝ピストンを前進させ、しゃ断溝の後側に設けられたストッパ縁によりストッパリングを次の係止溝内に位置をずらしてチェーンの伸びを収納し、次の係止溝内でストッパリングが移動し得る範囲内でチェーンにダンパ効果を与えるようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特公平3−10820号公報に記載されたチェーン緊張位置においては、溝形状が複雑で、製造面において寸法、精度管理に難がある。
【0010】
この発明の課題は、溝形状が簡単で、チェーンを押圧するプランジャの脱落を防止することができると共に、プランジャを使用状態に簡単に戻すことができるようにしたチェーンテンショナを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、スリーブ挿入孔を有するハウジングと、前記スリーブ挿入孔内に挿入され、かつ抜け止めされたスリーブと、このスリーブ内にスライド自在に組込まれ、そのスリーブ内に油圧ダンパ室を形成するプランジャと、このプランジャに外方向への突出性を付与する張力調整ばねとから成り、前記プランジャの後端部外周に縮径可能なレジスタクリップが収納されるガイド溝を設け、そのガイド溝には、プランジャの外方向への移動時における後行側に前記レジスタクリップと係止可能な係止面と、先行側にテーパ面とを形成し、前記スリーブの内周には複数の円周溝を軸方向に間隔をおいて形成し、各円周溝の内周に前記レジスタクリップが前記係止面で係止されてプランジャと共に移動する前進時に、そのレジスタクリップを縮径させる縮径用テーパ面と、プランジャがチェーンで押圧される後退時に前記テーパ面とでレジスタクリップを挟持してプランジャの後退動を阻止すると共に、設定荷重より強い押し込み力がプランジャに付与されたとき、前記テーパ面と協働してレジスタクリップを縮径させる係止用テーパ面とを設け、前記スリーブの内周には最先端の円周溝の前側に前記レジスタクリップの係合によってプランジャを抜け止めするストッパ溝を設けた構成を採用している。
【0012】
上記のように、スリーブの内周にストッパ溝を形成すると、エンジン周りのメンテナンス時にチェーンが取外され、張力調整ばねの押圧によりプランジャが外方向に移動して、レジスタクリップがストッパ溝と対向する位置まで移動すると、そのレジスタクリップがストッパ溝に係合するため、プランジャを抜け止めすることができる。
【0013】
その抜け止め状態において、プレスによりプランジャを押し込むと、レジスタクリップは円周溝の後行側のテーパ面と係合してプランジャの後退動を阻止しようとするが、プランジャを押し込む押し込み力はガイド溝の先行側のテーパ面と円周溝の後行側のテーパ面との協働によってレジスタクリップを縮径可能とする押圧力であるため、プランジャは停止することなく後退し、プランジャを再使用位置に簡単に戻すことができる。
【0014】
ここで、前記プランジャの先端部外周に、自然状態における外径がプランジャの外径より小径とされた拡径可能なセットクリップを収容可能な収納溝と、前記セットクリップが拡径された状態でセットされるセット溝とを形成し、その両溝間の突出部におけるセット溝側の側面にテーパ面を設け、前記スリーブの先端部内周に前記セット溝にセットされた前記セットクリップの係合によってプランジャをセット状態に保持する保持溝を形成すると、セットクリップがセット溝と保持溝に係合する状態において、プランジャは押し込み状態に保持されるため、チェーンテンショナをチェーン伝動装置に簡単に組付けることができる。
【0015】
また、組付け後において、クランクシャフトを逆転し、緊張されるチェーンによってプランジャを押し込むと、突出部の一側面に設けたテーパ面がセットクリップの内側に侵入するため、セットクリップが拡径する。プランジャがさらに後退して、収納溝がセットクリップに対向するとそのセットクリップが自己の弾性により縮径して収納溝内に収納されるため、張力調整ばねの押圧によりプランジャが前進してチェーンを押圧する。
【0016】
このため、工具を用いることなくチェーンテンショナを使用状態とすることができる。
【0017】
前記スリーブの保持溝の前側に、セット溝に係止されたセットクリップを縮径させるテーパ面を設けておくと、プランジャのセット溝にセットクリップをセットして、プランジャを押し込むリセット時、テーパ面との接触によってセットクリップが縮径するため、保持溝にセットクリップを係合させる操作に工具を必要とせず、プランジャを押し込み保持状態に簡単に戻すことができる。
【0018】
なお、セットクリップは、複数の円弧部間に直線部を設けたおむすび形、楕円形、あるいは多角形のいずれでもよい。そのセットクリップの断面形状を径方向よりも軸方向に長い長方形とすると、突出部の一側のテーパ面によってセットクリップを簡単に拡径させることができると共に、セット位置においての軸方向力に剛性をもたせることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、アルミ合金等の軽合金から成るハウジング1にはスリーブ挿入孔2が形成され、そのスリーブ挿入孔2の閉塞端部に給油通路3が設けられている。また、ハウジング1の外周にはエンジンブロックに対する取付片4が形成されている。
【0020】
ハウジング1のスリーブ挿入孔2内には弁プレート5と、スリーブ6とが組込まれている。
【0021】
スリーブ挿入孔2の周口部には係合溝7が形成され、その係合溝7に取付けた止め輪8によってスリーブ6は抜け止めされている。また、スリーブ6は止め輪8との間に設けたウェーブスプリング9によって弁プレート5に押し付けられている。
【0022】
スリーブ6内にはカップ状のプランジャ10と、そのプランジャ10を外方向に押圧する張力調整ばね11とが組込まれ、前記プランジャ10の組込みによってスリーブ6内に油圧ダンパ室12が形成されている。
【0023】
前記弁プレート5には前記油圧通路3と油圧ダンパ室12を連通する弁孔13が形成され、その弁孔13はチェックバルブ14によって開閉されるようになっている。
【0024】
チェックバルブ14は油圧ダンパ室12の圧力が給油通路3に供給される油の供給圧より低くなった時弁孔13を開放し、油圧ダンパ室12内の圧力が油の供給圧より高くなると弁孔13を閉じるようになっている。
【0025】
給油通路3から油圧ダンパ室12に供給される油には空気が混入している場合がある。その空気抜きのため、スリーブ6の後端面に半径方向に延びる複数の溝15を形成し、かつスリーブ挿入孔2とスリーブ6の嵌合面間に外部に連通する隙間16を形成している。
【0026】
なお、溝15は、図11に示すように、弁プレート5のスリーブ6と対向する面に形成してもよい。
【0027】
前記プランジャ10の後端部外周にはレジスタクリップ17が収納されるガイド溝18が形成されている。レジスタクリップ17は一部が切り離されて縮径可能とされ、自然状態におけるレジスタクリップ17の外径は、スリーブ6の内径より大径とされ、縮径された状態においてガイド溝18内に組込まれている。
【0028】
ガイド溝18の内周には、図7(I)に示すように、プランジャ10の外方向への移動時における後行側に係止面19と、先行側にテーパ面20とが設けられている。係止面19のプランジャ10の軸心に対する角度α1 は、ほぼ90°とされ、一方、テーパ面20のプランジャ軸心に対する傾斜角α2 は60°以上とされている。
【0029】
スリーブ6の内径面には、複数の円周溝21がスリーブ6の軸方向に等間隔に形成されている。また、スリーブ6の内径面には、軸方向に並ぶ円周溝21の前側にストッパ溝22が設けられている。
【0030】
図7(I)に示すように、円周溝21の内周には、レジスタクリップ17が係止面19で係止されてプランジャ10と共に移動する前進時にそのレジスタクリップ17を縮径させる縮径用テーパ面21aと、そのテーパ面21aに対して相反する方向に傾斜する係止用テーパ面21bとが形成されている。
【0031】
係止用テーパ面21bのスリーブ軸心に対する傾斜角α3 はガイド溝18のテーパ面20の傾斜角α2 より小さくなっている。この係止用テーパ面21bは、エンジンが停止してチェーンからプランジャ10に静的な押し込み力が作用したとき、あるいは、エンジンの低回転時にチェーンからプランジャ10に動的な押し込み力が付与されたとき、ガイド溝18のテーパ面20と協働してプランジャ10の後退動を阻止する角度に設定され、上記押圧力より大きい押し込み力がプランジャ10に負荷されると、ガイド溝18のテーパ面20と協働してレジスタクリップ17を縮径させるようになっている。
【0032】
図5に示すように、プランジャ10の先端部外周面には、収納溝23とセット溝24とが先端から順に形成され、その両溝23、24間に設けられた突出部25のセット溝24側の側面にテーパ面25aが設けられている。収納溝23はセットクリップ26が収容可能な大きさとされている。ここで、セットクリップ26は図3に示すように、複数の円弧状部26a間に直線部26bを設けたおむすび形をなし、外周の一部には切り離し部26cが形成されて拡径可能とされている。
【0033】
なお、セットクリップ26は上記形状に限定されず、多角形であってもよく、あるいは楕円形であってもよい。
【0034】
上記セットクリップ26の自然状態において、円弧状部26aの外周に接する外接円径はプランジャ10の外径にほぼ等しく、また、直線部26bの内周に接する内接円径は、前記収納溝23の溝径とほぼ等しくされている。
【0035】
また、セットクリップ26の断面形状は、径方向よりも軸方向に長い長方形とされている。
【0036】
図5(I)に示すように、プランジャ10に形成されたセット溝24の溝径は自然状態におけるセットクリップ26の直線26bの内接円径より大径とされ、上記セットクリップ26は拡径された状態でセット溝24内にセットされるようになっている。そのセット状態において、セットクリップ26の円弧状部26aはプランジャ10の外径面より外方に臨んでいる。図5(I)に示すように、スリーブ6の開口端部における内周にはテーパ面27と保持溝28とが隣接して設けられている。保持溝28は、セットクリップ26が収納可能な大きさとされている。
【0037】
上記の構成から成るチェーンテンショナの組立ては次のようにして行われる。まず、スリーブ6内にプランジャ10が挿入される。このとき、プランジャ10は、図1に示す状態において、スリーブ6の左側からスリーブ6内に挿入されると共に、その挿入時に、ガイド溝18内にレジスタクリップ17が装着され、このレジスタクリップ17がスリーブ6の後端側の円周溝21と対向する位置までプランジャ10が挿入される。
【0038】
スリーブ6とプランジャ10の組立て後、ハウジング1のスリーブ挿入孔2内に弁プレート5、張力調整ばね11およびスリーブ6とプランジャ10の組立て体が順に挿入される。
【0039】
このとき、プランジャ10は張力調整ばね11の押圧により外方向に移動するが、ガイド溝18内に組込まれたレジスタクリップ17がストッパ溝22と対向する位置までプランジャ10が移動すると、上記レジスタクリップ17が拡径して図8に示すように、ストッパ溝22と係合し、その係合によってプランジャ10は抜け止めされる。
【0040】
スリーブ6とプランジャ10の挿入後、スリーブ挿入孔2内に挿入されるウェーブスプリング9によってスリーブ6が弁プレート5に押し付けられ、係合溝7に取付ける止め輪8によってスリーブ6が抜け止めされる。
【0041】
止め輪8の取付け後、プランジャ10のセット溝24にセットクリップ26が装着される。図5はセット溝24にセットクリップ26を装着状態を示す。その装着状態において、プランジャ10を軸方向に押し込むと、スリーブ6の開口端部の内周に形成されたテーパ面27との接触によって、図5(II)に示すように、セットクリップ26が縮径する。
【0042】
上記セットクリップ26が保持溝28と対向する位置までプランジャ10が押し込まれると、セットクリップ26が拡径して、図5(III )に示すように、保持溝28と係合し、その係合によってプランジャ10は押し込み状態に保持される。
【0043】
ここで、プランジャ10が軸方向に押し込まれるとき、レジスタクリップ17は円周溝21の係止用テーパ面21bとして係合してプランジャ10の後退動を阻止しようとするが、プランジャ10に付与される押し込み力が円周溝21の係止用テーパ面21bとガイド溝18のテーパ面20とでレジスタクリップ17を縮径させることができる大きさの押圧力であるため、レジスタクリップ17の各円周溝21の係止用テーパ21bの位置で縮径する。このため、プランジャ10は停止することなく後退する。
【0044】
チェーンテンショナは、図5(III )に示すプランジャ10の押し込み保持状態においてチェーン伝動装置への組付けが行なわれる。この場合、チェーンテンショナは、プランジャ10の先端がカム軸駆動用チェーンの弛み側チェーンと対向する組付けとされる。
【0045】
チェーンテンショナの組付け後において、クランクシャフトを逆転すると、弛み側チェーンが緊張し、その弛み側チェーンによってプランジャ10が押し込まれ、セット溝24の一側のテーパ面25aがセットクリップ26の内側に侵入する。その侵入によって図6(I)に示すように、セットクリップ26は拡径され、収納溝23がセットクリップ26と対向する位置までプランジャ10が押し込まれると、セットクリップ26は自己の弾性により縮径して、図6(II)に示すように、収納溝23内にセットクリップ26が収納され、セットクリップ26と保持溝28との係合が解除される。
【0046】
その係合解除により、プランジャ10は張力調整ばね11の押圧により前進してチェーンを緊張させる。
【0047】
図7(I)は、チェーンテンショナの組付け前におけるレジスタクリップ17の係止位置を示し、セットクリップ26が図6(II)に示すように、収納溝23に収納されてプランジャ10が前進すると、ガイド溝18の係止面19がレジスタクリップ17を引っ掛けて前方に移動させる。その移動時、レジスタクリップ17は図7(II)に示すように縮径用テーパ面21aとの接触により縮径する。
【0048】
図7(III )は、プランジャ10がチェーンを押圧する状態でのレジスタクリップ17とガイド溝18の関係を示し、そのガイド溝18の係止面19とテーパ面20とがレジスタクリップ17に当接するまでプランジャ10は前後動し得るようになっており、チェーンが緊張してプランジャ10が押し込まれると、その押し込み力は給油通路3から油圧ダンパ室12に送り込まれた油に緩衝される。
【0049】
ここで、プランジャ10に形成されたガイド溝18の係止面19とテーパ面20とがレジスタクリップ17に当接するプランジャ10の最大戻り行程をLとすると、この最大戻り行程Lは、チェーンから作用する力で油圧ダンパによりプランジャ10が変位する距離より大きく、また、エンジンの低速から高速におけるプランジャ10の変位量より大きい長さとされている。
【0050】
レジスタクリップ17が図7(III )に示す位置にある状態でエンジンを停止すると、カムの停止位置の関係から弛み側チェーンが緊張してプランジャ10が押し込まれることがある。また、登り坂道においてチェンジレバーを前進ギヤに入れた状態、あるいは下り坂でパックギヤに入れたまま停止したとき、弛み側チェーンが緊張してプランジャ10が押し込まれる。
【0051】
このとき、プランジャ10は後退し、図7(IV)に示すように、ガイド溝18のテーパ面20がレジスタクリップ17に当接する位置でプランジャ10が後退すると、停止する。
【0052】
このため、チェーンはプランジャ10の後退量に相当する分だけ弛みが生じるだけであって大幅に弛みが生じることはない。したがって、エンジンが再始動されてもチェーンに大幅な弛みが生じることがなく、スプロケットからチェーンが外れたり、あるいは歯飛びが生じるのを防止することができる。
【0053】
チェーンが摩擦等によって伸びが生じると、プランジャ10は張力調整ばね11の押圧により前進し、レジスタクリップ17はガイド溝18係止面19で押圧されて次の円周溝21と係合する位置まで位置がずらされ、プランジャ10の前進によりチェーンの伸びが吸収される。
【0054】
エンジン周りのメンテナンスによってチェーンが取り外されると、プランジャ10は張力調整ばね11の押圧に前進する。レジスタクリップ17がストッパ溝22と対向する位置までプランジャ10が前進すると、レジスタクリップ17は自己の弾性により拡径して、図8および図9に示すように、ストッパ溝22と係合し、その係合によってプランジャ10は抜け止めされ、プランジャ10や張力調整ばね11の脱落が防止される。
【0055】
図8に示すプランジャ10の抜け止め状態において、セットクリップ26をセット溝24に取付け、プレスによりプランジャ10を軸方向に押し込むと、ガイド溝18のテーパ面20と円周溝21の係止用テーパ面21bの協働により、レジスタクリップ17は縮径して各円周溝21の位置を通過する。
【0056】
また、セットクリップ26はスリーブ6の先端のテーパ面27との接触により縮径し、保持溝28の位置まで移動すると拡径して保持溝28と係合し、プランジャ10を図1および図2に示すオートテンショナ組立時の状態に戻すことができる。
【0057】
図1および図2に示すチェーンテンショナにおいては、止め輪8の取付けによってスリーブ6を抜け止めしたが、図10に示すように、ハウジング1の先端部外周に形成された環状溝30と係合可能な折曲片31aを開口端に有するキャップ31の取付けによってスリーブ6を抜け止めしてもよい。
【0058】
また、図1および図2に示す実施の形態では、ハウジング1の外周に取付片4を設けた内装タイプのチェーンテンショナを示したが、図12に示すように、ハウジング1の後端部に取付け用のフランジ32が形成された外装タイプのチェーンテンショナであってもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、チェーンの取外しによってプランジャが張力調整ばねの押圧により前進すると、レジスタクリップがスリーブの内周に形成されたストッパ溝と係合してプランジャを抜け止めするため、プランジャや張力調整ばねが脱落するのを防止することができる。
【0060】
また、プランジャの抜け止め状態において、プランジャを軸方向に押し込むことによりレジスタクリップは内周溝の係止用テーパ面とガイド溝のテーパ面の協働により縮径するため、プランジャを使用状態に簡単に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るオートテンショナの実施の形態を示す縦断正面図
【図2】図1のII−II線に沿った断面図
【図3】図1のIII −III 線に沿った断面図
【図4】図1のIV−IV線に沿った断面図
【図5】(I)、(II)、(III )は、セットクリップの係合状態を段階的に示す断面図
【図6】(I)、(II)はセットクリップの係合解除を段階的に示す断面図
【図7】(I)乃至(IV)はレジスタクリップの係合を段階的に示す断面図
【図8】図1に示すチェーンテンショナのプランジャの抜け止め状態を示す断面図
【図9】図8の一部を拡大して示す断面図
【図10】図1に示すチェーンテンショナのスリーブの抜け止めの他の例を示す断面図
【図11】図1に示すチェーンテンショナの空気抜きの他の例を示す断面図
【図12】この発明に係るチェーンテンショナの他の例を示す縦断正面図
【符号の説明】
1 ハウジング
2 スリーブ挿入孔
6 スリーブ
10 プランジャ
11 張力調整ぱね
12 油圧ダンパ室
17 レジスタクリップ
18 ガイド溝
19 係止面
20 テーパ面
21 円周溝
21a 縮径用テーパ面
21b 係止用テーパ面
22 ストッパ溝
23 収納溝
24 セット溝
25 突出部
25a テーパ面
26 セットクリップ
28 保持溝

Claims (5)

  1. スリーブ挿入孔を有するハウジングと、前記スリーブ挿入孔内に挿入され、かつ抜け止めされたスリーブと、このスリーブ内にスライド自在に組込まれ、そのスリーブ内に油圧ダンパ室を形成するプランジャと、このプランジャに外方向への突出性を付与する張力調整ばねとから成り、前記プランジャの後端部外周に縮径可能なレジスタクリップが収納されるガイド溝を設け、そのガイド溝には、プランジャの外方向への移動時における後行側に前記レジスタクリップと係止可能な係止面と、先行側にテーパ面とを形成し、前記スリーブの内周には複数の円周溝を軸方向に間隔をおいて形成し、各円周溝の内周に前記レジスタクリップが前記係止面で係止されてプランジャと共に移動する前進時に、そのレジスタクリップを縮径させる縮径用テーパ面と、プランジャがチェーンで押圧される後退時に前記テーパ面とでレジスタクリップを挟持してプランジャの後退動を阻止すると共に、設定荷重より強い押し込み力がプランジャに付与されたとき、前記テーパ面と協働してレジスタクリップを縮径させる係止用テーパ面とを設け、前記スリーブの内周には最先端の円周溝の前側に前記レジスタクリップの係合によってプランジャを抜け止めするストッパ溝を設けたことを特徴とするチェーンテンショナ。
  2. 前記プランジャの先端部外周に、自然状態における外径がプランジャの外径より小径とされた拡径可能なセットクリップを収容可能な収納溝と、前記セットクリップが拡径された状態でセットされるセット溝とを形成し、その両溝間の突出部におけるセット溝側の側面にテーパ面を設け、前記スリーブの先端部内周に前記セット溝にセットされた前記セットクリップの係合によってプランジャをセット状態に保持する保持溝を形成した請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記スリーブの保持溝の前側に、セット溝に係止されたセットクリップを縮径させるテーパ面を設けた請求項2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記セットクリップが、楕円又は多角形状であることを特徴とする請求項2又は3に記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記セットクリップの断面が、径方向よりも軸方向に長い長方形であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
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