JP3669363B2 - エレクトロデポジション型表示パネルの製造方法、並びにエレクトロデポジション型表示パネルおよびエレクトロデポジション型表示装置 - Google Patents

エレクトロデポジション型表示パネルの製造方法、並びにエレクトロデポジション型表示パネルおよびエレクトロデポジション型表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3669363B2
JP3669363B2 JP2003060178A JP2003060178A JP3669363B2 JP 3669363 B2 JP3669363 B2 JP 3669363B2 JP 2003060178 A JP2003060178 A JP 2003060178A JP 2003060178 A JP2003060178 A JP 2003060178A JP 3669363 B2 JP3669363 B2 JP 3669363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
opening
display panel
substrate
type display
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003060178A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004271717A (ja
Inventor
則之 斉藤
芳規 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2003060178A priority Critical patent/JP3669363B2/ja
Priority to US10/546,540 priority patent/US7666049B2/en
Priority to CN200480006080A priority patent/CN100578334C/zh
Priority to PCT/JP2004/002299 priority patent/WO2004079443A1/ja
Priority to KR1020057016469A priority patent/KR100971819B1/ko
Priority to TW093105154A priority patent/TWI251711B/zh
Publication of JP2004271717A publication Critical patent/JP2004271717A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3669363B2 publication Critical patent/JP3669363B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/15Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on an electrochromic effect
    • G02F1/1506Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on an electrochromic effect caused by electrodeposition, e.g. electrolytic deposition of an inorganic material on or close to an electrode
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1341Filling or closing of cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属の電気化学的な析出・溶解を利用して表示を行うものであって、金属イオン含有の表示材料が一対の電極基板間に挟持されたエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法、並びに、これを用いて製造されるエレクトロデポジション型の表示パネルおよび表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ネットワークの普及につれ、従来印刷物の形状で配布されていた文書類が、いわゆる電子書類で配信されるようになってきた。さらに書籍や雑誌などもいわゆる電子出版の形で提供される場合が多くなりつつある。しかし、こうした情報の閲覧に関し、従来の発光型ディスプレイでは、人間工学的理由から疲労が激しく、長時間の読書には耐えられないことが指摘されている。また、これを携帯用情報端末とした場合には、消費電力の関係から、バッテリーによる連続使用時間が十分ではなく、取り扱いや持ち運びなどの点で紙の新聞や雑誌等にとって代わるほど十分な利便性を備えているとはいえない。その点、反射型液晶ディスプレイは低消費電力で駆動することができるが、その白色表示時の反射率は30%と紙の印刷物に比べ著しく視認性が悪く、これも長時間の読書に耐えるものではなかった。
【0003】
そこで、いわゆるペーパーライクディスプレイ、あるいは電子ペーパーと呼ばれるものが開発されつつある。その表示機構は、どれも2枚の電極基板間に表示材料を挟持し、表示材料に電場が印加されるか否かによって選択的に表示を行うようになっている。例えば、着色粒子を電極間で移動させる電気泳動法や、二色性を有する粒子を電場で回転させることにより、選択した色に発色させる方法がよく知られている。しかし、これらの方法には、粒子間の間隙に光が吸収されるためにコントラストが低く、また駆動電圧を100V以上にしなければ実用上の書き込み速度(1秒以内)が得られないという難点がある。それに比べ、電気化学的な作用に基づき発色を行うエレクトロクロミック表示装置(ECD)は、コントラストが高く、すでに調光ガラスや時計用ディスプレイとして実用化されている。ところが、ECDにおける黒色は一般に高品位ではなく、また黒色材料に有機材料を用いることから、時間の経過と共に褪色して黒色濃度が低下してゆくという問題が考えられる。
【0004】
これらに対し、最近になって、電気化学的な酸化還元による金属の析出・溶解を利用して表示を行うエレクトロデポジション型表示装置(EDD)が提案されている。EDDの表示パネルは、基本的には図23のような内部構成をとるセルである。セル断面においては、透明基板101と背面基板102が対向配置され、それぞれの対向面側に透明電極103,対向電極(共通電極)104が形成されている。また、透明基板101と背面基板102の間には、表示材料として、銀イオン等の金属イオンを含むゲル状の電解質層105が挟持されている。
【0005】
このような表示装置では、電極103,104に所定の電圧を印加することにより、電解質層105の中の金属イオンを、透明電極103の表面に金属として析出させて発色させ、また逆電圧印加により析出金属を溶解させて消色させる。EDDでは、こうした表示方法をとること、また電解質層に白色顔料を添加することによってコントラストおよび黒色濃度を高くすることが可能である。
【0006】
ところで、EDDの表示パネルは、電極基板を対向させてセル外殻を形成したのち、その内部に流動状態の表示材料を充填する手法で製造されている。具体的には、これまでは真空注入法が採用されていた。真空注入法とは、図24に示したように、開口部110Aを一側縁に設けた空のセル110をチャンバ130に入れ、内部まで真空引きした後、開口部110Aを表示材料131に含浸させ、そのうえでチャンバ130をリークさせてセル110の周囲の圧力を大気圧に戻すといったものである。この時点で、表示材料131は周囲の大気圧に押され、減圧されたセル110の内部に充填される。この方法は、液晶パネルを製造する際の液晶注入工程における最も一般的な手法であり、ECDの表示パネルの製造にも多く用いられている。
【0007】
EDDの場合、セル110は、例えば次のようにして形成される。まず、厚みのある接着フィルム106を、開口部110Aを残すようにして背面基板102の縁部に沿って載せる(図25(A))。接着フィルム106は、電解液耐性を備えており、開口部110Aを残して額縁形状に型抜きされたものである。次に、背面基板102の上にさらに透明基板101を載せ、熱圧着などで貼り合わせる(図25(B))。このとき、基板101,102の間には、接着フィルム106の厚みによって空隙が形成されており、ここに電解液が注入される。なお、電解液の注入後、開口部110Aを封止部材107で封止すると、セル110は密閉されて表示パネルとしての体裁が形作られる(図26)。
【0008】
このように真空注入法は普遍的に応用できる手法ではあるが、これまでにも、▲1▼液晶材料や電解液などの表示材料が真空にさらされるために低沸点成分が揮発飛散し、成分組成が次第にずれてしまうことや、▲2▼水分や不純物または気泡が、表示材料を注入する開口部と反対側の側縁部に押しやられ、残存するために、その近傍での表示特性が劣化することが問題となっていた。また、▲3▼減圧を要するため、注入工程全体の所要時間が長くなるという問題もあった。
【0009】
そのため、液晶パネルに関しては、これまでに数々の充填方法が提案されてきている。例えば、図27のように、空のセル111の対辺の2箇所に開口部111A,111Bを設け、開口部111Aからは常圧下で液晶を注入しつつ開口部111Bからは脱気することで液晶を充填させてゆく方法(特許文献1参照)がある。また、図28のように、空セル121の少なくとも開口部121Bを除いた部分を加圧槽122に封入し、そこに圧を加えることで、開口部121Aにかかる圧力P1と開口部121Bにかかる圧力P2とに差を設け(P1>P2)、開口部121Aより液晶を注入する方法も開示されている(特許文献2参照)。これらは、チャンバを用いずにセル内外の圧力差を生み出すことが可能であり、真空にさらされることで起きる液晶材料の組成ずれの心配がいらず、減圧工程も不要である。また、注入側とは反対側の開口部から吸引排気することで、真空注入法に比して積極的にセル内へ液晶を充填すると共に、セル内に気泡や不純物などの残渣が滞留したり、セル内で濃度変化が生じたりすることを防ぐことができる。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−234412号公報
【特許文献2】
特開平9−236810号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、開発されて間もないEDDについては、いまだ電解液充填方法が確立されているわけではなく、どの方法が適しているかといった議論もなされていない状況にある。ただ、EDDに真空注入法を適用するにあたっては、以下のような固有の問題点があることから、これに代わる新たなパネル製造方法が求められていた。
(1)開口部の周囲に電解液が少しでも付着していると、接着剤の効果が著しく損なわれるため、封止が困難となる。このため、封止材の一部を開口し、電解液中に含浸させる真空注入法においては完全な封止が難しい。
(2)電解液に有機溶剤を使用するため、基板や封止材の耐溶剤性が厳しく求められる。このため使用できる材料の種類が限られてくる。
(3)電解液の沸点が充分に高くはない場合や、電解液が揮発して分解し腐食性ガスを発生するような場合、真空注入ではチャンバ内や減圧装置を汚染する。また、揮発して装置内に付着した電解液が乾燥して剥離し、原液に混入することがある。
(4)電解液の粘度は液晶に比べて格段に高く、注入には多大な時間がかかる。
(5)調製した電解液を室温で放置しておける時間が概して短い。粉末材料を分散した電解液を使用する場合は粉末材料が沈降を起こし、電解液に配合した樹脂の重合開始剤として有機化酸化物を使用する場合は室温で劣化を起こす。
(6)粉末材料を分散した電解液を使用する場合、注入過程で粉末材料と電解液がセル内で分離を起こす。
(7)フィルム基板等を用いて可撓性のある表示パネルを製造する場合、真空注入法では表示材料の充填は困難である。
【0012】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、短時間で効率的に、しかも信頼性の高い表示パネルの製造を可能とするエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法、並びに、エレクトロデポジション型表示パネルおよびエレクトロデポジション型表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法は、金属イオンを含み、少なくとも一時的に流動性を有する表示材料を、互いの対向面に電極を有する一対の基板の間に挟持してなるエレクトロデポジション型表示パネルを製造する方法であって、一対の基板の間に形成され、表示材料を注入するための1または複数の第1の開口部、および、表示材料を排出するための1または複数の第2の開口部によって外部に通じた空間部を内包するセルに対し、表示材料を、流動性を有する状態下で第1の開口部から注入しながら第2の開口部から排出することにより、空間部に充填する工程を備え、第1および第2の開口部の少なくとも一方の周縁部分に、表示材料の基板への付着を防止するためのマスクを設け、そののち、表示材料の注入・排出を行うものである。
【0014】
本発明のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法では、第1の開口部から注入するだけでなく、同時に第2の開口部から排出することで、表示材料は速やかにセル内に充填される。表示材料は通常、電解液中に金属イオン,顔料や染料,ゲル化のための架橋性高分子材料などが溶解したものであり、粘度が高く、それ自体は充填しにくい特性を持つが、エレクトロデポジション型表示パネルの空間部は通常30μm〜150μm程度と、液晶パネルにおける液晶の層厚(5μm程度以下)などよりは随分と広い。そのため、液晶パネルでは主に毛細管現象を利用して液晶を充填するのに対し、加圧により表示材料を充填することが好適である。この方法は、例えばロータ回転数0.5rpmとした回転粘度計による粘度が30,000mPa・s以下である表示材料に対し、好適に適用可能である。その際、表示材料の排出を適宜減圧下で行うようにすれば、充填時間を短縮することができる。このように、表示材料を常圧以上の圧力で注入すると、揮発による組成変化をもたらすことがないうえ、粘度の高い表示材料を注入する場合や基板に剥離防止層を形成したために注入抵抗が大きくなった場合でも、比較的短時間で注入できる。また、第2の開口部から充填開始直後の表示材料を排出することで、セル内に残った気泡や、充填中にセル内で成分分離した粉末材料,電解液等の不要物が一緒に押し出され、セル内をすみずみまで均一組成の表示材料で満たすことができる。また、開口部の周縁部分を、表示材料の基板への付着を防止するためのマスクで覆うことにより、表示材料がセルに触れずに済み、その後、効率よく、確実に開口部を封止することができる。
【0015】
さらに、第1および第2の開口部は、基板に形成されることが好ましい。前述のように、エレクトロデポジション型表示パネルの側縁は接着フィルムなどの封止材からなり、従来の真空注入法でもそこに開口を設けていたが、これを密閉することは薄い液晶パネルに比べて難しい。また、開口する基板を、加工性のよいガラスエポキシ等の樹脂基板とすることがより好ましい。
【0016】
また、上記の工程においては、第1および第2の開口部の少なくとも一方にノズルを一時的に取り付けてから、表示材料の注入・排出を行うことが好ましい。ノズルを用いることで、セル内に対する加圧・減圧の調整が簡便に素早く行われる。また、注入・排出される表示材料がセルに触れずに済み、その後、効率よく、確実に開口部を封止することができる
【0017】
本発明のエレクトロデポジション型表示パネル、および、本発明のエレクトロデポジション型表示装置は、対向配置され、互いの対向面に電極を有する一対の基板と、この一対の基板の間に挟持され、金属イオンを含有すると共に少なくとも一時的に流動性を有する表示材料からなる層と、表示材料からなる層の側縁に設けられた封止材と、基板に設けられると共に封止状態にある2以上の開口部と、開口部が形成されている基板の全面を覆うフィルムまたは平板とを備えたものである。
【0018】
本発明のエレクトロデポジション型表示パネルおよび本発明のエレクトロデポジション型表示装置はそれぞれ、本発明のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法の適用を可能とする構成の表示パネル、その表示パネルを用いた表示装置である。すなわち、表示材料からなる層は、開口部を介した表示材料の注入・排出により均一組成で構成されるようになる。開口部は基板に設けられると共に、開口部が形成された基板の全面はフィルムまたは平板により覆われ、表示材料の透過が極めて小さくなっている。また、開口部にノズルを一時的に取り付けて製造する場合には、開口部の内部形状はノズル先端部の形状に一致したものとなる。このような場合は、注入時に表示材料が開口部の周囲に付着するおそれがないために、開口部はフィルムまたは平板により十分に密閉されたものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
ここで製造しようとするエレクトロデポジション型表示パネルは、図1(A)に示したように、対向配置され、互いの対向面に電極を有する一対の基板(透明基板1,背面基板2。以下、両方合わせて指す場合には基板1,2と略記)と、これら基板1,2の間に挟持され、周囲を封止材3により封止された電解質層4とを備えたものである。本実施の形態では、このような構造の表示パネルを、空のセル内に電解質層4を構成する表示材料6を充填させて製造する。すなわち、図1(B)のように、空セルに開口部5A,5Bを設け、開口部5Aを通じて表示材料6を注入しつつ開口部5Bから表示材料6を気泡もろとも排出させて充填してゆく。
【0021】
まず、この表示パネルの主要な構成要素について説明しておく。
【0022】
透明基板1としては、表示面側の基板であり、例えば石英ガラス板、白板ガラス板等の透明ガラス基板を用いることが可能であるが、これに限定されず、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、酢酸セルロース等のセルロースエステル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素ポリマー、ポリオキシメチレン等のポリエーテル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー等のポリオレフィン、及びポリイミド−アミドやポリエーテルイミド等のポリイミドからなる基板を用いることもできる。これらの合成樹脂基板を用いる場合には、容易に曲がらないような剛性基板とすることも可能であるが、可撓性を有するフィルム基板とすることも可能である。なお、この透明基板1の一面には、例えばITO薄膜や、SnO2またはIn23をコーティングした薄膜等からなる透明電極がストライプ状に形成されている。
【0023】
一方、背面側に設けられる背面基板2は、必ずしも透明である必要はなく、電極を確実に保持可能であればよい。例示すると、石英ガラス板,白板ガラス板等のガラス基板、合成樹脂基板、セラミック基板、コーティングを施した紙基板や木材基板、プリプレグなどを用いることができる。また、背面基板2の一面には、金属などの導電性材料からなる電極がストライプ状に形成されている。このエレクトロデポジション型表示パネルは銀の析出・溶解を利用して表示を行うものであるため、この電極に銀、白金、金などイオン化傾向が銀以下である金属を用いれば、電極反応の繰り返しによる損耗を抑えることができる。
【0024】
これら基板1,2は、互いの電極が直交するように重ね合わせられており、両電極が各交差領域を画素とするマトリクスを構成している。この表示パネルは、マトリクス駆動方式をとり、両電極の各1つに電圧を印加すると、その交差領域である1つの画素領域においてのみ選択的に表示が行われるようになっている。すなわち、選択画素の領域では、電解質層4と透明基板1の電極との間で、金属の析出または溶解が起きる。
【0025】
電解質層4は、表示材料6をゲル化したもの、あるいは、表示材料6を基板1,2の間に介在させた不織布やビーズ等の支持部材の間隙に含浸させたものである。ここで、表示材料6とは、電解質や金属イオン,その他の添加剤等が溶媒に溶解した電解液である。そのため、表示材料6は、充填時には粘性の高い流動体であるが(例えば、顔料分散剤を使用しない場合で粘度22,000mPa・s程度)、充填後、電解質層4としての形状を保つためにゲル化されれば流動性は失われる。
【0026】
溶媒は、電解質を溶解するものであればよく、例えば水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、スルフォラン、ジメトキシエタン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドンおよびこれらの混合物等を用いることができる。
【0027】
電解質としては、表示のための発色材料として機能する金属塩の他、必要に応じて四級アンモニウムハライド(F,Cl,Br,I)やアルカリ金属ハライド(LiCl,LiBr,LiI,NaCl,NaBr,NaI等)、シアン化アルカリ金属塩、チオシアン化アルカリ金属塩等から選ばれた少なくとも1種類の支持電解質を含有したものを電解質として溶解せしめる。ここで、表示のための発色材料として機能する金属塩を構成する金属イオンとしては、ビスマス、銅、銀、リチウム、鉄、クロム、ニッケル、カドミウム等を挙げることができ、これらを単独、若しくは組み合わせて用いる。金属塩としては、これら金属の任意の塩を用いればよく、銀塩を例にすれば、硝酸銀、ホウフッ化銀、ハロゲン化銀、過塩素酸銀、シアン化銀、チオシアン化銀等を挙げることができる。
【0028】
また、表示材料6には、白色ないし有色の顔料が分散されている。高い表示コントラストを実現するためには、表示材料6とは異なる屈折率を有する白色顔料などを分散させるとよい。顔料は白色に限らず、表示の要求特性に合わせて適宜、色彩を調整することができる。このため、表示材料6には1種類以上の着色材料が分散されていることが好ましい。こうした顔料は、単独、または複数の種類を混合して用いることができ、必要に応じて分散剤や樹脂類、各種のカップリング剤、界面活性剤等で表面処理を加えることができる。顔料または染料の配含量は特に制限されない。
【0029】
白色顔料としては、酸化チタン、チタン酸鉛、チタン酸カリウム、酸化ジルコン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化亜鉛、鉛白、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、タルク、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリンクレー、マイカ、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、ベントナイト、硫酸カルシウム、無水ケイ酸、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、含水ケイ酸カルシウム、石英ガラス、ケイソウ土、ホワイトカーボンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの白色顔料は単独、または複数の種類を混合して用いることが出来る。これらの白色顔料の中でも、屈折率が大きいルチル型の酸化チタンが特に好適に用いられる。また、白色顔料の他に蛍光剤や蓄光剤を配合して顔料が持つ色彩を強調したり、夜光性などの機能性を持たせたりすることが出来る。また、有機・無機の着色顔料を配合して表示を妨げない範囲で色をつけ、色度を調整することも出来る。白色以外の着色顔料の例としては、有機顔料ではアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料など、無機顔料ではチタン、アンチモン、クロム、ニッケル、鉄、亜鉛、コバルト、アルミニウム、ケイ素、銅、マンガン、リチウム、リン、カルシウム、スズなどからなる複合酸化物が挙げられ、既に数多くが製造・市販されている。
【0030】
また、分散物としては、着色を目的としたものに限らず、不織布などの支持部材の表面凹凸を平坦化し、基板との接触を改良するために用いる粉体でも構わない。この目的で粉末材料を利用する場合には、粉末材料の色彩や屈折率は、どのようなものでも用いることができる。こうして、支持部材と電極が均一かつ隙間なく接触すると、電圧を印加して析出する金属の量も均一化し、表示ムラが小さくなるうえ、逆電圧を印加して消去することも容易になる。なお、染料を溶解する場合、表示材料6が支持部材に浸透する過程で染料が支持部材に吸着されてしまうことがある。これを防ぐために、染料と支持部材は互いに親和性が低くなるような組合せを選ぶことが望ましい。
【0031】
そのほか、表示材料6には、目的に応じて各種の添加剤を含有させてもよい。例えば、金属の析出を均一とするため、酸素、硫黄、窒素などを含む化合物、具体的にはクマリン、ニコチン酸、けい皮酸、エチレンジアミン四酢酸、ポリビニルピロリジオン、ベンザルアセトン等が含まれていてもよい。また、各種の樹脂を添加することによって粘度を調整することが可能である。反応性の官能基を有する樹脂を添加し、紫外線照射あるいは加熱して重合させることによって表示材料6をゲル化したり高粘度化したりすることもできる。これらの目的においては、ポリエーテル系やポリアクリロニトリル系の樹脂の原料となるモノマまたはオリゴマの末端に、アクリル基を導入したものなどが好適に用いられる。重合反応を効果的に起こさせるため樹脂原料とともに適量の重合開始剤を混合して利用することもできる。
【0032】
重合開始剤としては、光重合反応では2−エトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2-メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-フェニルプロパンなど、熱重合反応ではイソブチリルパーオキシド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカルボネート、オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキシド、スクシニックパーオキシド、ベンゾイルパーオキシドなどの有機化酸化物のほか、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオナミド)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオナミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオナミド)などのアゾ系重合開始剤なども利用できる。
【0033】
次に、本実施の形態に係る表示パネルの製造方法について説明する。
【0034】
図1(B)に示した表示材料6の充填方法は、空のセルに表示材料6を充填するものであり、ここでは、まず最初の工程(本発明における第2の工程に対応)において、基板1,2の間を封止材3で支持することにより空間部4Aが設けられると共に、この空間部4Aを外部に通じせしめる開口部5A,5Bが設けられた空セルを形成しておき、次の工程(本発明における第1の工程に対応)において、開口部5Aを介して流動状態にある表示材料6を注入するものとする。この充填工程では、別の位置にある開口部5Bから、注入された表示材料6のうち気泡が混入したり成分が分離したりした部分を(注入は続けながら)排出し、空間部4Aの内部を均質な表示材料6で充満させるようにする。
【0035】
すなわち、この充填工程では、空間部4Aに表示材料6が満ちたところで充填を止めず、さらに開口部5Bから表示材料6を溢れさせるように排出する。このとき、表示材料6に巻き込まれた気泡を一緒に排出する。また、表示材料6が、空間部4Aの内部で分離するような場合や、表示材料6に含まれる分散剤等の粉末の分布が均一ではない場合には、注入・排出の操作を、空間部4Aにて表示材料6の成分が均一に分布するまで続けるようにする。こうして、空間部4Aには、均一な組成の表示材料6のみが充填される。例えば、表示材料6に分散物や染料が混合されており、また空間部4Aにはスペーサが挿入されている場合、これらの混合物の流動がスペーサに妨げられて表示材料6の組成分布が生じることがあるが、この方法によれば、こうした問題が解決できる。ちなみに、こうした目的で排出を行うために、一回に排出される表示材料6は少なくない場合がある。それでも、ここで用いる表示材料6は安価であり、排出後の表示材料6を回収して使いまわすようにすることでコスト上昇を抑えることが十分可能である。
【0036】
なお、この方法で充填する表示材料6は、セルに設けた開口部5Aを通過し、セル内に均一に広がるものであればよい。このため、高い配合比率で顔料を分散させたり、樹脂等を配合したりした高粘度の表示材料6を用いることもできる。ただし、表示材料6の粘度が極端に低いとセル内に気泡が残りやすくなることがあり、一方、あまり高粘度になると注入に大きな圧力が必要になったり、その結果、セルの破損を招いたりする。このため、表示材料6の粘度は、例えば30,000mPa・s(回転粘度計、ロータ回転数0.5rpm)以下とすることが好適と考えられ、分散剤や各種のカップリング剤を使用したり、粉体の表面を樹脂で加工したりして、セルの形状や大きさにあわせて適度な粘度で注入されることが望ましい。
【0037】
このような充填方法をとるため、ここでは、表示材料6の注入用(開口部5A)と排出用(開口部5B)の少なくとも2つの開口部をセルに設ける。開口部の位置は特に限定しないが、従来のように封止材3の位置に設けると構造的に封止が困難であることから、できれば基板1,2に設けるほうが望ましい。
【0038】
開口する基板は基板1,2のいずれであってもよいし、例えば注入用を一方、排出用を他方というように両方に開口してもよいが、一般的には、表示面側の透明基板1ではなく、背面基板2に開口するほうが表示やパネル構造への影響を回避できるので好ましいといえる。ただし、ガラス基板を用いると、実際には薄く硬い基板をひび入らせずに穿孔することが難しかったり、開口に手間がかかったりする可能性がある。また、注入圧により開口部に応力が発生すると、破損することもあり得る。そこで、開口する基板には、樹脂などの比較的柔らかいものを用いるほうが望ましく、例えばガラスエポキシ基板やプラスティック基板が用いられる。
【0039】
開口部5A,5Bの位置は、図2(A)〜(D)のセル平面図に示したように同図に点線で示した封止材3よりも内側であって表示領域よりも外側であることが好ましい。さらに、開口部5A,5Bは、空間部4Aの内部にくまなく表示材料6を注入するために、互いに対称性のある位置に配置されることが望ましい。すなわち、図2(A)のように開口部5A,5Bを対角に1つずつ設ける場合、図2(B)のように開口部5Aを一辺の2つの角部に形成し、この辺と対向した辺の中央部に開口部5Bを形成する場合、図2(C)のように開口部5Aを隣接する2つの角部に、開口部5Bをこれらに対向する2つの角部にそれぞれ形成する場合、および、図2(D)のように、開口部5Aを4つの角部に形成し、開口部5Bを対向する2辺の各中央部に形成する場合などがある。これら図2(A)〜(D)では、それぞれ図示した方向に表示材料6が注入されてゆき、最終的には全体にくまなく行き渡るようになる。
【0040】
このように基板に開口を有するセルは、次のようにして形成する。まず、図3(A)のように、例えば背面基板2に開口部5A,5Bを形成する。背面基板2がガラスである場合にはドリルやレーザ等を用いて穿孔し、ガラスエポキシ基板の場合はドリルにより開口することができる。なお、ガラスをドリルで開口する場合は、水スプレーや流水の中で開口すれば、切削粉の飛散が抑えられる。次に、開口した背面基板2の電極面上に、封止材3として、切れ目のない額縁形状に打ち抜いた接着フィルムを置く。さらに、図3(B)のように、その上から透明基板1を電極面を下にして載せ、熱圧着により、背面基板2と透明基板1を間に封止材3を介在させて貼り合わせる。このとき、基板1,2の間に形成される空間部4Aの厚みは、例えば30μm〜150μm程度である。
【0041】
なお、表示材料6を、空間部4Aへの充填後にゲル化するのであればよいが、流動体のままでは、基板1,2の間隔が変化して表示特性を劣化させるおそれがあり、また封止状態がよくなければ漏れる可能性もある。さらに、流動によって表示画像が歪む可能性もある。そのため、例えば不織布やビーズ、顔料など、電解質層4の形状を支持固定するための支持部材、いわゆるスペーサを空間部4Aに挿入しておくとよい。これは、基板1,2の少なくとも一方がフィルムなどの柔軟性が高いものである場合に特に効果的である。すなわち、空間部4Aに対し注入と同時に脱気を行うことによって基板に撓みや凹みを生じ易いとき、あらかじめ挟持された支持部材は、基板を内部から支持し、充填を補助する機能を果たす。
【0042】
不織布を支持部材とする場合のように、支持部材の充填密度が高い場合、注入する表示材料6の基板間での浸透速度は遅くなる。また、表示材料6が顔料などの分散物を含んでいると、支持部材によって分散物が濾過されてしまうことがある。このため、支持部材の充填密度に応じ、注入する表示材料6の粘度、分散物の有無や分散濃度、粒径分布を調整する必要がある。また、表示材料6の浸透効率を高めるために、表示材料6に界面活性剤を加えたり、支持部材を界面活性剤で表面処理したりしておくとぬれが改善され、効率的な充填を行うことができる。一方、支持部材については、表示材料6の浸透を大きく妨げることがないよう、過度に高密度にはならないようにすることが望ましい。また、注入される表示材料6が分散物を含んでいる場合、支持部材に浸透する際に分散物が出来るだけ均一に分布するよう、表示材料6に対し、充分に粒径分布が小さい粉体を低密度で分散させることが望ましい。
【0043】
翻ってみれば、表示材料6をゲル化させれば支持部材は不要であり、上記には全く留意する必要がないことになる。この場合には、より容易に、より速く充填することが可能である。ここでは、表示材料6は、排出分も含め比較的多量を注入させねばならないことから、ゲル化によって支持部材が不要であることは利点である。
【0044】
次に、表示材料の具体的な充填方法について、図4を参照して説明する。図4では、セルの開口部5A,5Bは、背面基板2にそれぞれ1つ描かれているが、これは好適な一例であり、開口位置や開口部5A,5Bの数などの変形が可能であることは上述どおりである。
【0045】
まず、セルに設けた開口部5A,5Bから表示材料6を注入・排出する手段であるが、これは、図4(A)に示したように、開口部5A,開口部5Bのそれぞれにノズル7A,7Bを取り付けるようにすることが好適である。ノズル7A,7Bは、基板と一体化させ、後に切断除去することも可能であるが、充填工程の間だけ一時的に取り付けるほうが、封止工程が簡単で済む。ノズル7Aの一端は、表示材料6を供給する注射器8と一体的に接続しており、他端は背面基板2の開口部5Aに差し込まれている。また、ノズル7Bは、一端が背面基板2の開口部5Aに差し込まれており、他端は排出された表示材料6を受ける容器、さらには真空ポンプなどの減圧装置に接続されるようになっている。こうした構成により、表示材料6を、セルの外表面とりわけ開口部5A,5Bの周囲に付着させることなく、空間部4Aに対して効率的に注入・排出させることができる。
【0046】
表示材料6を開口部5A,5Bから溢れさせないということは、開口部5A,5Bを封止するうえで極めて重要である。わずかな表示材料6が残存していても、接着剤による密閉効果は失効するからである。つまり、接着剤が表示材料6に触れると、そこに含まれている有機溶媒によって膨潤し、接着力が損なわれる。ちなみに、従来の真空注入法においては、開口部に付着した表示材料を洗浄して落としていたが、一般的にも充分に洗浄することは難しく、特に、顔料が分散された表示材料は粘度が高く、洗浄によって除去すること自体が困難であった。そのため、開口部の封止方法がいろいろと検討されてきたのである。これに対し、本実施の形態では、ノズル7A,7Bを用い、表示材料6をセルの表面に付着させないようにすることにより、封止材の密閉性を保障するようになっている。また、付着した表示材料6を取り除く手間も不要となる。
【0047】
また、ここでは、注射器8から表示材料6を加圧注入するようになっている(図4(A),(B))。加圧注入は、例えば真空注入法において、減圧後のチャンバ内に不活性ガスを導入するなどにより行うことも可能である。しかし、開口部5Aにノズル7Aの一端を取り付け、他端から加圧して表示材料6を供給するように構成することで、常圧以上の圧力での注入が極めて容易となる。このことは、注入圧と空間部4Aの内圧との差、すなわち表示材料6の注入を推進する実効的な圧力を、真空注入法の場合よりも大きくすることが可能であり、またその値も調整可能であることを意味している。
【0048】
さらに、この場合には、表示材料6には常圧以上の圧力しかかからないようにする、あるいは、ノズル7Aを用いることで、表示材料6の供給手段を開口部5Aから離間させて、表示材料6が減圧雰囲気触れないようにすることができ、その揮発による組成変化を回避することができる。よって、充填工程を多数のセルに連続して施す場合や、大型のパネルに施す場合でも、注入する表示材料6の均質性は保たれる。
【0049】
加圧注入の前に、空間部4Aの内部を減圧させておいてもよいが、大気圧下で単独で加圧するのが最も簡便であり、またその場合でも十分な注入圧を得ることは可能である。その場合には真空引きが不要となり、製造工程が簡略化されると共に、チャンバなど大掛りな設備が不要となる。同時に、フィルム基板を用いたセルでは、適切に支持部材を設けない状態で減圧すれば、基板同士がぴったりと張り付き、表示材料が注入しづらくなるために真空注入は困難であったが、本実施の形態の方法では減圧せずに注入できるため、こうしたセル形態についても適用が可能である。
【0050】
なお、エレクトロデポジション型の表示パネルには、ラジカル吸収剤などの一部の例外を除けば、不純物混入による製品性能への影響が小さいという特徴がある。よって、液晶パネル製造のようにクリーン度の高いクリーン設備は不要であり、差し支えない場合には充填工程を大気暴露中で行うことができる。このときには、真空注入法の場合とは異なり、大気圧以上の差圧を注入圧として与えることが可能である。
【0051】
一方の開口部5Bは、表示材料6の注入当初は空間部4Aの排気に用いられ、表示材料6で空間部4Aが満たされた後には、その排出に用いられる。排出は、表示材料6を注入しつつ行うものとし、空間部4Aは表示材料6が常に充填した状態となるようにする。ここで行う排気および排出は、注入圧を利用して行ってもよいし、ノズル7Bから積極的に減圧して行ってもよい。なお、減圧のタイミングは適宜に設定される。例えば、注入開始当初の空間部4Aにまだ空隙がある時点で減圧を開始すると(図4(A))、表示材料6にかかる差圧が大きくなり、充填を促進させることができる。この方法を採れば、加圧注入前にあらかじめ空間部4Aを真空引きなどによって減圧させておかなくとも、効率的に大きな差圧を生じさせることができる。
【0052】
こうして加圧して注入することにより、従来、表示材料6の粘度が高いために長時間を要した、または困難であった充填工程を短時間で行うことができる。さらに、短時間で行うことで、表示材料6の経時的劣化を抑制・回避することができる。
【0053】
なお、ここでは、開口部5A,5Bを設けた背面基板2に、樹脂基板を用いるようにしている。樹脂基板は、穿孔しやすいことの他、ガラス基板に比べて厚みがあることから、ノズル7A,7Bを差し込んで取り付ける場合に固定しやすいという利点がある。
【0054】
ノズル7A,7Bを固定させる方法としてはいろいろ考えられるが、例えば、図5のように、ノズル7A,7Bの付け根部分に、ゴム製などの部材9を副えるようにしてもよい。
【0055】
また、ノズル7A,7Bは、取り外し可能であっても、開口部5A,5Bとの接続部は液漏れが生じない程度には封止されている必要がある。よって、開口部5A,5Bの内部を凹部、ノズル7A,7Bの先端を凸部として凹凸が一致していることが重要である。また、これらの接続部分の形状を工夫することによって密閉度を上げることも可能である。例えば、図6のように、漏斗状の開口部15A,15Bに、先端に行くほど外径が細くなっているノズル17A,7Bを差し込んで取り付けるとよい。また、図7のように、開口部25Aの内部とノズル27Aの先端、また、開口部25Bの内部とノズル27Bの先端のそれぞれに1組のねじ部を設け、ノズル27A,27Bを開口部25A,25Bにねじ込むようにするとよい。
【0056】
また、ノズル取り外しの際の液漏れを考慮して、図8のように、注入側の開口部5Aに、表示材料6の注入経路とは別に気体の注入経路である枝管7Cを有するノズル37Aを取り付けるようにしてもよい。表示材料6の注入・排出は、図8(A)のように通常どおりに行い、その最後に、図8(B)のように表示材料6の注入を止め、枝管7Cから窒素などの不活性ガスを送ることで、ノズル37Aから表示材料6を押し出してしまうようにする(ただし、開口部5Aの位置で気泡を生じないよう、ガスに押された表示材料6の液面の高さが、背面基板2の面より低くならないように注意する)。ここで、窒素などの不活性ガスを用いるのは電解液成分の変質を避けるためであり、単に表示材料6の押し出しが目的であるのならば、どのような気体を用いても構わない。
【0057】
なお、ノズルは、注入側と排出側のどちらか一方の開口部にのみ取り付けてもよい。図9(A),(B)は、開口部5Aにはノズル7Aを取り付け、開口部5Bにはノズルを取り付けないようにした変形例である。この場合、背面基板2の外面における開口部5Bの周囲を、フィルムなどのマスク10で覆っておけば、溢れ出た表示材料6を背面基板2の表面に付着させないようにすることができる。なお、マスク10は、あらかじめ背面基板2の開口位置に添付しておき、背面基板2とマスク10とをまとめて穿孔して開口部5Bを形成するなどして設けるとよい。
【0058】
また、図9では、セルを背面基板2を下にして設置し、開口部5Bの下に容器31が配されている。この状態では、開口部5Bから排出される表示材料6は、背面基板2の上に溢れ出るのではなく、容器31へ滴下するようになっている。これによっても、表示材料6がセルに付着することが防止される。なお、容器31に回収された表示材料6は、再びノズル7Aに接続された供給槽(図示せず)に戻され、利用される。また、この開口部5Bから直接排気して減圧するには、同図に示したように、セルを減圧チャンバ32に入れ、セルの外気ごと排気する方法がある。
【0059】
ところで、表示材料6を加圧注入するとき、表示材料6が充填されてゆく過程で基板1,2の間を拡張する方向の力が作用する。このために基板1,2の間隔が広がると、セルとしての構造安定性や表示特性などに問題が生じる。そこで、充填工程においては、図10に示したように、治具33を用いてセルの厚みT1を固定するとよい。治具33は、平坦面を有する一対の支持板34,35を備え、この平坦面に基板1,2の外面を沿わせてセルを挟み、例えばネジ棒と留め具でかしめるようになっている。支持板34,35は、少なくとも充填時に押圧が作用する空間部4Aの領域を押さえるようになっていればよい。こうして、セルを両面から押さえておけば、セルの厚みT1を固定しておくことができる。
【0060】
なお、背面基板2に取り付けるノズル7A,7Bは、治具33とは別体としてもよいが、支持板35と一体化したものとすると、ノズル取り付け工程を簡略化することが可能となる。支持板35は、開口部5A,5Bを視認するために透明であることが望ましく、透明樹脂によってノズル7A,7Bと一体成型することができる。
【0061】
このようにセルの両面を固定して表示材料6の充填を行うことは、特に、基板1,2の少なくとも一方にフィルムなど柔軟な基板を用いた場合に、基板の変形を押さえ、セル厚を一定に保つ上で極めて有効である。
【0062】
また、基板が曲面を有する場合には、図11のようにして基板を固定すれば、上記拡張力が局所的に加わってもその間隔を一定にと持つことができる。同図では、扇状のセル断面を有するように基板41,42は曲がっており、それぞれが支持体44,45に固定面で沿わせて挟み込まれている。このように、基板形状に合わせた治具43を用意すれば、セル形状を保った状態でセル厚を一定に保持することができる。
【0063】
以上の表示材料6の充填後は、ノズルを取り外し、またはマスクを剥離除去して、開口部を封止する。
【0064】
ここでは、封止方法は特に限定しないが、少なくとも封止材には、表示材料6に耐性があるものを選ぶがある。具体的には、例えば以下の封止形態が考えられる。図12では、開口部(ここでは開口部5A,5B)は、凸型の栓11を押し入れることで封止している。この栓11は、プラスティックを開口部の形状や、背面基板2の厚みにあわせて成型したものである。これにより、充填された表示材料6が電解質層4としてセル内に密閉される。また、図13のように、内部にねじ山を設けた開口部25A,25Bに対しては、同様のねじ山を設けた栓12をねじ込んで封止することができる。
【0065】
さらに、図14のように、開口部のある背面基板2の全面に、フィルム13を密着させるようにしてもよい。フィルム13の素材は特に限定されないが、耐電解液特性のあるものが望ましい。また、表示面側の透明基板1に貼付されるのであれば透明である必要がある。ただし、背面基板2に貼付する場合には、透明である必要はなく、例えば、基板側にポリエチレン系のホットメルト接着剤を設け、外面側にアルミニウム薄膜を設けてバリア性を付与した多層膜を用いることができる。これにより、表示材料6の透過が極めて小さくなり、優れた封止効果をもたらすことが期待できる。この方法は、フィルム13と背面基板2は十分密着させる必要があるが、開口部の形状や数を問わず適用でき、しかも極めて簡便な方法である。特に、同一基板面に設けられた複数の開口部を一度に封止するときなどに有効である。
【0066】
また、図15のように、背面基板2の上において、開口部(ここでは開口部5A,5B)の上面およびその周囲にだけフィルム13Aを配し、さらにこのフィルム13Aの上や縁部を接着剤で密着させるようにしてもよい。
【0067】
また、図16に示したように、開口部(ここでは開口部5A,5B)の内部に接着剤等を充填して封止材14とし、封止する方法もある。なお、封止材14は、接着剤のほか、溶融した熱可塑性樹脂を用い、充填後に冷却・固化させて形成したり、熱硬化性樹脂のモノマまたはオリゴマを用い、充填後に熱硬化させて形成したりすることができる。また、光重合性樹脂を用い、充填後に紫外線などの活性エネルギー線を照射して硬化させる方法や、湿気硬化樹脂を用い、大気中で硬化させる方法を利用することもできる。
【0068】
これら封止材による封止能力を高めるため、もしくは封止材と表示材料6との直接接触や封止材の隙間からの表示材料6の染み出しを防ぐために、封止材と表示材料6、あるいは封止材と開口部の間に、フッ素樹脂やシリコン樹脂を含めた樹脂類、接着剤、グリスなどを少量介在させるようにしてもよい。封止材の材質は、樹脂類以外に金属、ガラス、セラミックなど、どのようなものでも用いることができる。
【0069】
開口部の封止後、必要に応じ充填された表示材料6をゲル化させる。ゲル化は、例えば紫外線等の活性エネルギー線の照射や、加熱により行うことができる。
【0070】
こうして、本実施の形態に係るエレクトロデポジション型表示パネルが製造される。よって、電解質層4は、開口部を介した表示材料6の注入・排出によって均一組成で構成されている。また、背面基板2には、例えば上述のような封止材が設けられ、開口部を封止している。また、充填工程において、開口部にノズルを取り付けた場合には、開口部の内部形状はノズル先端部の形状に一致したものとなる。ノズルを取り付けたり、マスクで開口部の周囲を覆ったりした場合には、セル外表面への表示材料6の付着が防止され、封止材の密着性低下が回避され、信頼性の高い表示パネルとすることができる。
【0071】
なお、本実施の形態のエレクトロデポジション型表示装置は、この表示パネルより引き出されている電極(基板1,2に設けた電極)を、駆動制御回路に接続し、一体的に組み立てることにより製造される。
【0072】
このように本実施の形態によれば、内外を通じせしめる開口部5A,5Bを設けた空セルを形成するセル形成工程と、このセル内に開口部5Aを通じて表示材料6を注入しつつ、開口部5Bを通じてセル内の排気および注入された表示材料6の排出を行うことにより表示材料6をセル内に充填する充填工程を経てエレクトロデポジション型表示パネルを製造するようにしたので、表示材料6は速やかに充填され、パネル製造の所要時間を大幅に短縮することができる。なお、充填工程は、大気暴露中で開口部5Aに加圧することにより行うことができる。この場合、工程を極めて簡素化することができる。また、減圧を不要とするために、表示材料6の揮発が回避され、その組成ずれが防止されると共にフィルム基板を用いたセルに対する充填が可能となる。さらに、開口部5Bの側では、セル内の排気・表示材料6の排出を減圧させて行うことにより、セル内に大きな差圧を生じさせ、充填工程をより短時間で行うことができる。
【0073】
また、充填を短時間で行うことによって、表示材料6の経時的劣化や、セル内での分離を抑制・回避することができ、製造する表示パネルの表示品質を維持することができる。
【0074】
さらに、この充填工程では、充填された表示材料6のうち気泡が混入した部分を排出し、また成分が分離したりして均質ではない部分を流動させ、また、排出するようにしたので、セル内には表示材料6が均質に充填される。よって、表示品質の高いエレクトロデポジション型表示パネルを製造することができる。
【0075】
また、ここでは、これら開口部5A,5Bを背面基板2に設けるようにしたので、封止を容易かつ確実に行うことができる。
【0076】
さらに、開口部5Aにはノズル7Aを、開口部5Bにはノズル7Bをそれぞれ取り付けるようにしたので、表示材料6を開口部5A,5Bの周辺に付着させることなく注入・排出させることができる。よって、開口部5A,5Bを確実に封止することが可能となり、信頼性の高い表示パネルを製造することができる。同時に、表示材料6をノズル7Aを介して開口部5Aに供給することにより、セル周辺の外気圧とは関係なく表示材料6の注入圧を決めることができる。よって、表示材料6は任意の圧力で加圧注入され、常圧以上とすることで真空注入法よりも大きな注入圧が得られ、効率よく注入・排出を行うことができる。一方、開口部5Bの側では、ノズル7Bを取り付けることにより、セル内の排気・表示材料6の排出、並びに溢れ出た表示材料6の回収を効率よく行うことができる。また、排気・排出を減圧させて行う場合も簡単な装置構成で効率よく行うことができる。
【0077】
〔変形例〕
上記実施の形態では、粘度の高い表示材料6を空間部4Aに速やかに充填する方法について説明したが、この充填方法は、表示材料6の粘性が大きいために注入が遅れる場合だけでなく、何らかの理由で注入抵抗が高く、注入されにくい場合にも有効に適用できる。そうした場合の一例として、以下、基板に表面処理が施されている場合を説明する。なお、本変形例において上記実施の形態と同様の構成要素には、同様の符号を付し、その説明を適宜省略するものとする。
【0078】
上記実施の形態のエレクトロデポジション型表示パネルにおいて、電解質層4が表示材料6をゲル化したものである場合に、電解質層4が、外部からの衝撃や自身の膨張・収縮などによって金属析出側の基板である透明基板1から剥離すると、剥離部分では、電極反応をうまく進行させることができず、表示動作に支障をきたすおそれがある。これを回避するため、透明基板1と電解質層4との間に、電解質層4の透明基板1からの剥離を防止する剥離防止層50を設けることが好ましい。
【0079】
この剥離防止層50は、電解質層4と透明基板1の密着性を向上させるものであり、透明基板1の電極面側に表面処理を施すことで形成される。この表面処理は、空のセルを組み立てる前に行うようにする。またその際の基板処理剤としては、シランカップリング剤、シリル化剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコアルミニウム系カップリング剤、不飽和脂肪酸、油脂、非イオン系界面活性剤、ワックス類、カルボン酸系カップリング剤、リン酸系カップリング剤などを利用することができる。これらの表面処理剤は適宜、溶媒に溶かして用いることができ、基板に塗布してそのまま利用することも、塗布後に加熱乾燥して基板表面との間に結合を形成してから利用することもできる。
【0080】
そのため、本変形例においては、空セルの空間部4Aのうち透明基板1の表面に剥離防止層50が形成されている。この空間部4Aに表示材料6を注入すると(図17)、表示材料6は剥離防止層50との間に生じる抵抗により、注入される速度が低くなる。このような場合には、注入圧をさらに大きくすればよく、これにより注入効率を維持することができる。
【0081】
【実施例】
次に、本発明を適用した具体的な実施例について説明する。なお、以下の実施例では、上記実施の形態と同様の構成要素については、適宜、実施の形態と同一の符号を付して説明することにする。
【0082】
〔実施例1〕
下記の成分を各配合量でジメチルスルホキシドに溶解し、電解液を調製した。
よう化銀:500mmol/l
よう化ナトリウム:750mmol/l
トリエタノールアミン:67mmol/l
クマリン:5g/l
2−メルカプトベンズイミダゾール:5g/l
【0083】
これに5分の1重量の樹脂液・TA−140(第一工業製薬社製)を混合し、電解液を調製した。白色顔料として電解液と等重量の酸化チタン・JR−805(チタン工業社製)を電解液に加え、ホモジナイザで分散した。これをデシケータ中に入れて油拡散ポンプで減圧し、顔料分散した電解液から泡が出なくなったところで解圧した。これに有機化酸化物・パーオクタO(日本油脂社製)を樹脂液の2wt%添加し、気泡が入らないように軽く撹拌して表示材料6とした。これを、回転粘度計(東機産業社製、RE550型)にて粘度を測定したところ、23,000mPa・s(ロータ回転数:0.5rpm)であった。
【0084】
銀電極を設けたガラスエポキシ基板(背面基板2)の対角部に、直径4.0mmの円形の開口部5Aおよび直径2.0mmの円形の開口部5Bを穿孔した。基板の縁部に合わせて70×90mm2、幅5mmに打ち抜いた、55μm厚のフィルム型ホットメルト接着剤3(愛知プラスチックス工業社製)を乗せた。このとき、開口部5Aと開口部5Bは、ともにフィルム型ホットメルト接着剤3の内側かつ画素となる部分の外側にくるようにした(図3(A))。このフィルム型ホットメルト接着剤3は、2枚の基板間のスペーサを兼ねる。ITO電極を設けた90×90mm2のガラス基板(透明電極基板1)を重ね、140℃、0.2MPa、10秒間の条件で熱圧着し、セルを作成した(図3(B))。
【0085】
ノズルを付けたポリプロピレン製の10ml注射器に表示材料6を吸い上げ、ノズルを隙間なく開口部5Aに挿入した。また、開口部5Bにはポリエチレン製のチューブ(外径2.0mm,内径1.0mm)を隙間なく挿入した。この状態で注射器のピストンを押してセル内に表示材料6を注入した。セルの隅々まで表示材料6が充填され、注入過程で表示材料6に混入した気泡が表示材料6と一緒に開口部5Bから排出されたところで注入を停止した。セルをガラス板で挟み、セル中央部の厚みが縁部と同じになるまで加圧して、表示材料6を開口部5Bから流し出した。
【0086】
開口部5Aの注射器、および開口部5Bのチューブを取り外した後、開口部5Aと開口部5Bをセロハンテープで簡単に封止した。エポキシ系接着剤(チバガイギー社製、商品名Araldite)を塗布したポリプロピレンのシートを、開口部5Aと開口部5Bを設けた基板全面に貼り付けた。これをオーブン中、100℃で10分間、加熱してセル内に充填した表示材料6と、基板に貼付したシートのエポキシ系接着剤を硬化させ、電気配線を行ってディスプレイとした。
【0087】
〔実施例2〕
実施例1で使用したのと同じガラスエポキシ基板(背面基板2)の裏面全体にPETフィルム51を貼付した。接着剤には合成ゴム系のスプレー糊(住友スリーエム社製)を使用した。実施例1と同様に、基板2の対角部に直径4.0mmの円形の開口部5Aおよび直径2.0mmの円形の開口部5Bを穿孔した。実施例1で使用したのと同じフィルム型ホットメルト接着剤3および透明電極基板1を使い、セルを組み立てた。
【0088】
ねじ付きのノズルを接続したポリプロピレン製の10ml注射器8に表示材料6を吸い上げ、ノズルを開口部5Aにねじ込んだ。開口部5Aと開口部5Bの内側を、セルの両側から厚さ1cmのアクリル板を使って挟み、注射器8を接続したガラスエポキシ基板2が下側、透明電極基板1が上側になるように保持してクランプで固定した(図18)。この状態で注射器のピストンを押し、セル内に実施例1で使用したのと同じ表示材料6を注入した。表示材料6がセル内に拡がり、開口部5Bから溢れ出した表示材料6は、ビーカー52で受け止めた。セルの隅々まで表示材料6が充填され、注入過程で表示材料6に混入した気泡が表示材料6と一緒に開口部5Bから排出されたところで注入を停止した。
【0089】
ガラスエポキシ基板2に貼付してあったPETフィルム51を剥離した後、開口部5A,5Bを、それぞれと同じ口径のポリプロピレン製のねじで留めた。この際、ねじにはシリコン・グリース(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を塗布した。これをオーブン中、100℃で10分間、加熱してセル内に充填した表示材料6を硬化させ、電気配線を行ってディスプレイとした。
【0090】
〔実施例3〕
実施例1で使用したのと同じガラスエポキシ基板(背面基板2)の対角部に、直径4.0mmの円形の開口部5Aおよび直径2.0mmの円形の開口部5Bを、ねじ切り穿孔した。実施例1で使用したのと同じフィルム型ホットメルト接着剤3および透明電極基板1を使い、セルを組み立てた。
【0091】
ねじ付きのノズルを接続したポリプロピレン製の10ml注射器8に表示材料6を吸い上げ、ノズルを開口部5Aにねじ込んだ。セル両面のうち開口部5Aと開口部5Bの内側を、厚さ1cmのアクリル板を使って挟み、注射器8を接続したガラスエポキシ基板2が下側、透明電極基板1が上側になるように保持してクランプで固定した。開口部5Bには、先端に開口部5Bと同じ口径のねじを切ったポリエチレンのチューブを介してダイヤフラム・ポンプに接続した。開口部5Bから減圧しながら、開口部5Aに接続した注射器8のピストンを押して、セル内に実施例1で使用したのと同じ表示材料6を注入した。この際、セル内の表示材料6に一定の流れが形成されないよう、実施例1の場合よりも注射器を強く加圧して単位時間あたりに多くの表示材料6を注入するようにした。セルの隅々まで表示材料6が充填され、注入過程で表示材料6に混入した気泡が表示材料6と一緒に開口部5Bから排出されたところで注入を停止した。
【0092】
ガラスエポキシ基板2に貼付してあったPETフィルム51を剥離した後、開口部5Aと開口部5Bを、それぞれと同じ口径のポリプロピレン製のねじで留めた。この際、ねじにはシリコン・グリース(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を塗布した。これをオーブン中、100℃で10分間、加熱してセル内に充填した表示材料6を硬化させ、電気配線を行ってディスプレイとした。
【0093】
[実施例4]
実施例1で使用したのと同じ混合溶液の中に、非イオン系の界面活性剤・ノニオンNS−202(日本油脂社製)を混合溶液の0.5重量パーセント加えた。これに5分の1重量の樹脂液・TA−140(第一工業製薬社製)を混合し、電解液を調製した。白色顔料として電解液と等重量の酸化チタン・JR−805(チタン工業社製)を電解液に加え、ホモジナイザで分散した。これをデシケータ中に入れて油拡散ポンプで減圧し、顔料分散した電解液から泡が出なくなったところで解圧した。これに有機化酸化物・パーオクタO(日本油脂社製)を樹脂液の2wt%添加し、気泡が入らないように軽く撹拌して表示材料6とした。回転粘度計(東機産業社製、RE550型)で粘度を測定したところ、22,000mPa・s(ロータ回転数:0.5rpm)であった。
【0094】
また、実施例1で使用したのと同じガラスエポキシ基板(背面基板2)の対角部に、直径2.0mmの円形の開口部5Aおよび直径2.0mmの円形の開口部5Bを穿孔した。透明基板1の電極面側には、スピンコータを使い、シランカップリング剤50(信越化学工業社製・KBM−703)を塗布した(1000rpm・25秒間 → 5000rpm・5秒間)。実施例1で使用したのと同じフィルム型ホットメルト接着剤3を使い、セルを組み立てた。
【0095】
外径4.0mm、内径3.0mmのポリエチレン・チューブ7Aをガラスエポキシ基板2の開口部5Aに接続し、エポキシ系接着剤52(チバガイギー社製、商品名Araldite)で接合部周辺を接着した。同様にして、開口部5Bにも同型のポリエチレン・チューブを接続し、接合部をエポキシ系接着剤52で接着した(図19(A))。セル両面のうち開口部5Aと開口部5Bの内側を、厚さ1cmのアクリル板を使って挟み、注射器を接続したガラスエポキシ基板が下側、透明電極基板が上側になるように保持してクランプで固定した。ポリプロピレン製の10ml注射器8に表示材料6を吸い上げ、開口部5Aに接続してあるポリエチレン・チューブ7Aの他端から注入した。セル内に表示材料6が充填された後も注入を続け、注入過程で混入した気泡を含んだ表示材料6は開口部5Bに接続したポリエチレン・チューブ7Bを介してビーカー52に受け止めた。セル内に気泡が完全に無くなったところで注入を停止した。
【0096】
開口部5Aと開口部5Bに接着してあるポリエチレン・チューブ7A,7Bはガラスエポキシ基板2から3cm程の長さのところで切断し、クランプをはずしてセルを取り出した(図19(B))。これをオーブン中、100℃で10分間、加熱してセル内に充填した表示材料6を硬化させた。開口部5Aと開口部5Bに接着してあるポリエチレン・チューブ7A,7Bをガラスエポキシ基板から取り外し、開口部5Aと開口部5Bにできた凹部をシリコン・グリース54(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)で埋めて封止した。アルミニウム蒸着PETフィルムのアルミニウム面にエポキシ系接着剤(チバガイギー社製、商品名Araldite)を塗布し、ガラスエポキシ基板2の全面に貼り付けて封止フィルム13とした(図19(C))。表示材料6を硬化したところで電気配線を行い、ディスプレイとした。
【0097】
[実施例5]
実施例1で使用したのと同じ混合溶液の中に、分散剤・テイカパワーBC2070M(テイカ社製)を混合溶液の2重量パーセント加えた。これに5分の1重量の樹脂液・TA−140(第一工業製薬社製)を混合し、電解液を調製した。白色顔料として電解液と等重量の酸化チタン・JR−805(チタン工業社製)を電解液に加え、ホモジナイザで分散した。これをデシケータ中に入れて油拡散ポンプで減圧し、顔料分散した電解液から泡が出なくなったところで解圧した。これに有機化酸化物・パーオクタO(日本油脂社製)を樹脂液の2wt%添加し、気泡が入らないように軽く撹拌して表示材料6とした。回転粘度計(東機産業社製、RE550型)で粘度を測定したところ、16,128mPa・s(ロータ回転数:0.5rpm)であった。
【0098】
膜厚200μmのゼオノア・フィルムの基板(日本ゼオン社製)に銀電極を設けて背面基板2とし、この基板の長辺の一方に、直径4.0mmの円形の開口部5Aを2つ穿孔し、基板他端の中央に直径2.0mmの円形の開口部5Bを穿孔した(図20)。次いで、基板2の縁部に合わせて70×90mm2、幅5mmに打ち抜いた、55μm厚のフィルム型ホットメルト接着剤3(愛知プラスチックス工業社製)を乗せた。このとき開口部5Aと開口部5Bは、いずれもフィルム型ホットメルト接着剤3の内側かつ画素となる部分の外側にくるようにした。このフィルム型ホットメルト接着剤3は、2枚の基板間のスペーサを兼ねる。次に、フィルム型ホットメルト接着剤3の内側の画素となる部分に、直径50μmのガラス・ビーズ55をスペーサとして散布した。さらに、透明基板1として、ITO電極を設けた90×90mm2のゼオノア・フィルム基板(フィルム部分の膜厚・200μm)を重ね、140℃、0.2MPa、10秒間の条件で熱圧着し、セルを作成した。
【0099】
ゼオノア基板1,2と同じ開口部5Aと開口部5Bの配置を持ち、同じ口径の穴をねじ切り穿孔した厚さ1cmのアルミニウム板56を作成した。この上に、開口部5Aと開口部5Bの位置を合わせてセルを置き、反対側から厚さ1cmのアクリル板57を載せてクランプで固定した(図21)。開口部5Bには、先端に開口部5Bと同じ口径のねじを切ったポリエチレンのチューブを介してダイヤフラム・ポンプに接続した。開口部5Bから減圧しながら、開口部5Aに接続した注射器8のピストンを押してセル内に表示材料6を注入した。この際、セル内の表示材料6に一定の流れが形成されないように注意した。表示材料6がセル内に拡がり、開口部5Bから吸い出された。セルの隅々まで表示材料6が充填され、注入過程で表示材料6に混入した気泡が表示材料6と一緒に開口部5Bから排出されたところで注入を停止した。
【0100】
留め具をはずしてセルを取り出し、開口部5Aと開口部5Bにゼオノア・フィルム(膜厚200μm)の小片を乗せ、小片の周囲をエポキシ系接着剤(チバガイギー社製、商品名Araldite)で接着した(図15参照)。これをオーブン中、100℃で10分間、加熱してセル内に充填した表示材料6を硬化させ、電気配線を行ってディスプレイとした。
【0101】
[実施例6]
銀電極を設けた膜厚200μmのゼオノア・フィルム基板(日本ゼオン社製)を背面基板42とし、この基板の長辺の一方に、直径4.0mmの円形の開口部5Aを2つ穿孔した。なお、ゼオノア・フィルムは背面基板42、表示基板41とも、表面酸化処理を施したものに電極を設けた。表面酸化処理は、市販のものを濃硫酸/重クロム酸カリウム/水=600/30/48(重量比)の混合液中に浸し、80℃で30分間、加熱した後、純水で洗浄して行った。基板他端には、直径2.0mmの円形の開口部5Bを1つ穿孔した。このとき開口部5Aと開口部5Bは、いずれも接着剤を塗布した部分の内側かつ画素となる部分の外側にくるようにした。
【0102】
次に、基板の縁部に合わせて70×90mm2、幅5mmに打ち抜いた、55μm厚のフィルム型ホットメルト接着剤(愛知プラスチックス工業社製)を乗せた。フィルム型ホットメルト接着剤3の内側の画素となる部分に、直径100μmのガラス・ビーズをスペーサとして散布した。次に、半円柱(R=100mm、アルミ製)形状をした内型44に、ITO電極を設けた90×90mm2のゼオノア・フィルム基板41(フィルム部分の膜厚・200μm)を乗せ、スペーサを散布したゼオノア・フィルム基板42を重ねた。その上から、対応する外型(ステンレス製)を乗せ、留め具で強く固定した。外型の上から、基板縁部のホットメルト接着剤の部分をヒートガンで加熱し、セルの封止を行った。外型を取り外し、封止が完全になされていることを確認した。
【0103】
次に、別の外型(PMMA製)を乗せ、留め具で強く固定し、表示材料6の注入ノズルと排出ノズルを接続した(図22)。排出ノズルはポリエチレンのチューブを介してダイヤフラム・ポンプに接続し、開口部5Bから減圧した。注入ノズルはポリエチレンのチューブを介して表示材料6の貯蔵槽に接続し、実施例5で使用したのと同じ表示材料6を加圧注入した。この際、セル内の表示材料6に一定の流れが形成されないように注意した。セルの隅々まで表示材料6が充填され、注入過程で表示材料6に混入した気泡が表示材料6と一緒に開口部5Bから排出されたところで注入を停止した。
【0104】
排出ノズルはポリエチレンのチューブを介してダイヤフラム・ポンプに接続し、開口部5Bから減圧した。注入ノズルはポリエチレンのチューブを介して表示材料6の貯蔵槽に接続し、表示材料6を加圧注入した。この際、セル内の表示材料6に一定の流れが形成されないように注意した。セルの隅々まで表示材料6が充填され、注入過程で表示材料6に混入した気泡が表示材料6と一緒に開口部5Bから排出されたところで注入を停止した。
【0105】
留め具をはずしてセルを取り出し、開口部5Aと開口部5Bにゼオノア・フィルム(膜厚200μm)の小片を乗せ、小片の周囲をエポキシ系接着剤(チバガイギー社製、商品名Araldite)で接着した(図15参照)。これをオーブン中、100℃で10分間、加熱してセル内に充填した表示材料6を硬化させ、電気配線を行ってディスプレイとした。
【0106】
[実施例7]
実施例1で使用したのと同じガラスエポキシ基板(背面基板2)の対角部に、直径2.0mmの円形の開口部5Aおよび直径2.0mmの円形の開口部5Bを穿孔した。基板の縁部に合わせて70×90mm2、幅5mmに打ち抜いた、125μm厚のフィルム型ホットメルト接着剤3(デュポン社製)を乗せた。このとき開口部5Aと開口部5Bは、ともにフィルム型ホットメルト接着剤3の内側かつ画素となる部分の外側にくるようにした。酸化チタン10重量%混錬・ポリプロピレン製不織布(膜厚150μm、クラレ社製)を、ホットメルト接着剤3の打ち抜き部分と同形の60×80mm2に切り出した。これをホットメルト接着剤3の内側に置き、ITO電極を設けた90×90mm2のガラス基板(透明電極基板1)を重ね、140℃、0.2MPa、10秒間の条件で熱圧着し、セルを作成した。不織布とホットメルト接着剤は基板間のスペーサを兼ね、不織布は白色背景としての機能を備える。
【0107】
実施例4で使用したのと同じ表示材料6をポリプロピレン製の10ml注射器に吸い上げ、注射器のノズルを隙間なく開口部5Aに挿入した。開口部5Bにはポリエチレン製のチューブ(外径2.0mm,内径1.0mm)を隙間なく挿入した。この状態で注射器のピストンを押してセル内に表示材料6を注入した。不織布に表示材料6が浸透し、注入過程で表示材料6に混入した気泡が表示材料6と一緒に開口部5Bから排出され切ったところで注入を停止した。
【0108】
セルをガラス板で挟み、セル中央部の厚みが縁部と同じになるまで加圧して、電解液を開口部5Bから流し出した。開口部5Aの注射器、および開口部5Bのチューブを取り外した後、開口部5Aと開口部5Bをセロハンテープで簡単に封止した。さらに、エポキシ系接着剤(チバガイギー社製、商品名Araldite)を塗布したポリプロピレンのシートを、開口部5Aと開口部5Bを設けた背面基板2の全面に貼り付けた。これをオーブン中、100℃で10分間、加熱してセル内に充填した電解液と、基板に貼付したシートのエポキシ系接着剤を硬化させ、電気配線を行ってディスプレイとした。
【0109】
なお、本発明は上記の記載に限定されることなく、適宜に変形実施が可能である。例えば、実施の形態では開口部の形状や配置について様々な例を挙げて説明したが、開口部の個数や配置は、特に制限されるものではない。実施の形態で説明したように、基板に円形の穴をあけただけの形状としてもよいが、これに注入ノズルや排出ノズルを固定するための円柱状突起をつけることもできる。また、基板に穿孔する開口部5Aの直径が大きいほど、高粘度の表示材料でも短時間で充填することができる。これら開口部の形状は、適宜、組み合わせて用いることができる。
【0110】
また、ノズルは開口部に直接接続する以外に、アダプタなどを介して間接的に開口部に接続してもよい。表示材料の加圧方法としては、圧縮ガスを使う方法、重量物を使う方法、弾力を使用する方法、遠心力を使用する方法などを採ることもでき、そのほか、どのような方法を取ってもよい。
【0111】
さらに、上記実施の形態および実施例では、セルの封止方法やスペーサの種類についても各種の具体例を説明しているが、本発明においては、セルは注入用と排出用の開口部が設けられていること以外に何ら限定されるものではなく、例示された形態はもちろん、それ以外の形態をとっていてもよい。なお、どの場合においても、表示材料を注入する前に、セルが開口部以外の部分を完全に封止されていることが、本発明のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法を適用するうえで重要である。
【0112】
なお、本発明のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法は、表示材料の充填工程に特徴を有するものであり、製造するパネルの駆動方式は問わない。一般的には、単純マトリクス方式やアクティブマトリクス方式などが採用され、アクティブマトリクス駆動方式の場合、透明基板上に駆動用の薄膜トランジスタを各画素に対応させて形成する必要がある。本発明のエレクトロデポジション型表示パネルおよび表示装置は、こうした方式のいずれに対応していても構わない。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法によれば、一対の基板の間に形成され、表示材料を注入するための1または複数の第1の開口部、および、表示材料を排出するための1または複数の第2の開口部によって外部に通じた空間部を内包するセルに対し、表示材料を、流動性を有する状態下で第1の開口部から注入しながら第2の開口部から排出することにより、空間部に充填する工程を含むようにしたので、表示材料を従来の減圧注入法に比べ極めて短時間のうちにセル内に充填することができる。エレクトロデポジション表示パネルに用いられる表示材料は粘度が高いので、このように表示材料に押圧をかけると同時に空間部の排気を行い、積極的に押し入れる方法が適している。また、空間部の厚み(基板間隔)は、液晶パネルなど他種の表示パネルに比べて広いために、こうした押圧が充填過程において効果的に作用する。さらに、第2の開口部から表示材料を排出することで、セル内に混入した気泡や、充填中にセル内で分離した粉末材料等が一緒に押し出され、セル内を均質な表示材料だけで満たすことができる。したがって、エレクトロデポジション型の表示パネルを、その表示品質を維持しつつ、効率よく製造することが可能となる。また、第1および第2の開口部の少なくとも一方の周縁部分に、表示材料の基板への付着を防止するためのマスクを設けておくことにより、注入・排出される表示材料が開口部周辺に付着することを回避でき、その後に、効率よく、また確実に開口部を封止することができる。
【0114】
特に、表示材料を加圧注入する場合には、さらに充填時間を短縮することが可能となる。また、高粘度の表示材料を注入する場合や基板に剥離防止層を形成したために注入抵抗が大きくなった場合でも、短時間で充填することができる。
【0115】
また、表示材料を大気圧以下の圧力条件のもとで排出するようにすれば、表示材料の充填は、注入圧と排気による減圧の差圧により推進される。したがって、加圧のみ行う場合に比べて充填時間が短縮され、充填工程をより効率よく進めることができる。
【0116】
また、第1および第2の開口部を、一対の基板のいずれかに形成するようにすれば、その位置的要因により封止を容易かつ確実に行うことが可能となる。
【0117】
さらに、第1および第2の開口部の少なくとも一方にノズルを一時的に取り付けた後に、表示材料の注入・排出を行うようにすれば、セル内に対する加圧・減圧の調整を簡便に行うことができる。また、このようにノズルを用いる場合には、注入・排出される表示材料が開口部周辺に付着することを回避でき、その後に、効率よく、また確実に開口部を封止することができる。
【0118】
また、本発明のエレクトロデポジション型表示パネル、および、本発明のエレクトロデポジション型表示装置は、対向配置され、互いの対向面に電極を有する一対の基板と、この一対の基板の間に挟持され、金属イオンを含有すると共に少なくとも一時的に流動性を有する表示材料からなる層と、表示材料からなる層の側縁に設けられた封止材と、基板に設けられると共に封止状態にある2以上の開口部と、開口部が形成されている基板の全面を覆うフィルムまたは平板とを備えるようにしたので、表示材料からなる層は、開口部を介した表示材料の注入・排出により気泡を含有せず、均質なものであることが可能である。したがって、その表示品質に対し、高い信頼性を付与することが可能となる。また、開口部は基板に設けられると共に、開口部が形成された基板の全面はフィルムまたは平板により覆われているので、表示材料の透過が極めて小さくなり、優れた封止効果をもたらすことが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法を説明するための図であり、(A)は製造する表示パネルの構成図、(B)はその製造方法の概念的な説明図である。
【図2】図1に説明した製造方法において、表示パネルの基板に設ける開口部の位置を表す図である。
【図3】図1に説明した製造方法におけるセルの作製工程を表す工程図である。
【図4】図3に示したセルに対する表示材料の充填方法を表す工程図である。
【図5】図4に示したノズルの変形例を表す図である。
【図6】図4に示したノズルの変形例を表す図である。
【図7】図4に示したノズルの変形例を表す図である。
【図8】図4に説明した充填方法の変形例を表す図(工程図)である。
【図9】図4に説明した充填方法の変形例を表す図(工程図)である。
【図10】図4に説明した充填方法の変形例を表す図である。
【図11】図4に説明した充填方法の変形例を表す図である。
【図12】図4に続く開口部の封止工程を表す工程図である。
【図13】図12に示した封止方法の変形例を表す図である。
【図14】図12に示した封止方法の変形例を表す図である。
【図15】図12に示した封止方法の変形例を表す図である。
【図16】図12に示した封止方法の変形例を表す図である。
【図17】本発明の実施の形態の変形例に係るエレクトロデポジション型表示パネルおよびその製造方法の説明図である。
【図18】本発明の実施例に係るエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法の説明図である。
【図19】本発明の実施例に係るエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法の説明図(工程図)である。
【図20】本発明の実施例に係るエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法の説明図である。
【図21】本発明の実施例に係るエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法の説明図である。
【図22】本発明の実施例に係るエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法の説明図である。
【図23】一般的なエレクトロデポジション型表示パネルの断面構成図である。
【図24】真空注入法の説明図である。
【図25】従来のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法を説明するための図である。
【図26】従来のエレクトロデポジション型表示パネルの平面構成図である。
【図27】従来の液晶パネルの製造方法を説明するための図である。
【図28】従来の液晶パネルの製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1,41…透明基板、2,42…背面基板、3…封止材、4A…空間部、4…電解質層、5A,15A,25A…(注入用の)開口部、5B,15B,25B…(排出用の)開口部、6…表示材料、7A,17A,27A,37A…(注入用の)ノズル、7B,17B,27B…(排出用の)ノズル、7C…枝管、8…注射器、9…部材、10…マスク、11,12,13,13A,14…封止材、31…容器、32…減圧チャンバ、33,43…治具、34,35,44,45…支持板、50…剥離防止層、T1…セル厚。

Claims (51)

  1. 金属イオンを含み、少なくとも一時的に流動性を有する表示材料を、互いの対向面に電極を有する一対の基板の間に挟持してなるエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法であって、
    前記一対の基板の間に形成され、前記表示材料を注入するための1または複数の第1の開口部、および、前記表示材料を排出するための1または複数の第2の開口部によって外部に通じた空間部を内包するセルに対し、
    前記表示材料を、流動性を有する状態下で前記第1の開口部から注入しながら前記第2の開口部から排出して前記空間部に充填する第1の工程を備え、
    前記第1および第2の開口部の少なくとも一方の周縁部分に、前記表示材料の前記基板への付着を防止するためのマスクを設け、そののち、前記表示材料の注入・排出を行う
    ことを特徴とするエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  2. 前記表示材料を加圧注入する
    ことを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  3. 前記加圧注入時の注入圧を大気圧以上とする
    ことを特徴とする請求項2記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  4. 前記表示材料を、大気圧以下の圧力条件のもとで排出する
    ことを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  5. 前記表示材料の流動状態下における粘度を、30,000mPa・s以下とする
    ことを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  6. 前記表示材料には、金属イオンを含有する電解液を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  7. 前記電解液に、前記電解液とは異なる色に着色された材料を1種類以上配合することを特徴とする請求項6記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  8. 前記空間部の高さを、30μm以上150μm以下とする
    ことを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  9. 前記空間部には、形状を一定に支持固定するための支持部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  10. 前記第1および第2の開口部が、前記一対の基板のいずれかに設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  11. 前記一対の基板のうちの少なくとも一方が樹脂基板であり、前記第1および第2の開口部は樹脂基板に形成されている
    ことを特徴とする請求項10記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  12. 前記一対の基板は四角形状であり、前記第1および第2の開口部の各1つが、前記基板における一対の対角部のそれぞれに形成されていることを特徴とする請求項10記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  13. 前記一対の基板は四角形状であり、前記第1の開口部は、前記基板の一辺の2つの角部に形成されており、この辺と対向した辺の中央部に前記第2の開口部が形成されている
    ことを特徴とする請求項10記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  14. 前記一対の基板は四角形状であり、前記第1の開口部は、前記基板の隣接する2つの角部に形成され、これらに対向する2つの角部に前記第2の開口部が形成されている
    ことを特徴とする請求項10記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  15. 前記一対の基板は四角形状であり、
    前記第1の開口部は前記基板の4つの角部に形成されており、前記第2の開口部は前記基板の対向する2辺の各中央部に形成されている
    ことを特徴とする請求項10記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  16. 前記第1の工程において、前記第1および第2の開口部の少なくとも一方にノズルを一時的に取り付けた後に、前記表示材料の注入・排出を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  17. 前記第1の開口部に取り付けるノズルには、取り付け側と反対側の端部に、前記表示材料の押し出し供給を行う供給手段が一体的に設けられている
    ことを特徴とする請求項16記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  18. 前記第1の開口部に取り付けるノズルには、前記ノズルを通じて第1の開口部へ気体を送り込むための気体供給路が設けられている
    ことを特徴とする請求項16記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  19. 前記ノズルは、取り付け側の端部の外形が先端にいくほど細くなっており、前記取り付け側の端部を開口部に差し込む
    ことを特徴とする請求項16記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  20. 前記ノズルを前記基板の表面に固着固定することにより、前記開口部に取り付ける
    ことを特徴とする請求項16記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  21. 前記開口部の内部、および前記ノズルの取り付け側の端部には、ねじが設けられており、
    この取り付け側の端部を開口部にねじ込んで取り付ける
    ことを特徴とする請求項16記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  22. 前記第1の工程の後、前記開口部をねじ型の栓で封止することを特徴とする請求項21記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  23. 前記第1の工程において、
    前記一対の基板のそれぞれの形状をかたどった一対の固定面を有し、前記セルを一定形状に固定するための治具を用い、前記一対の固定面に一対の基板の各々を沿わせてセルの厚みを固定する
    ことを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  24. 前記第1または第2の開口部が、前記一対の基板の少なくとも一方に設けられており、
    前記治具として前記固定面にノズルが固定されているものを用い、このノズルを前記開口部に一時的に取り付ける
    ことを特徴とする請求項23記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  25. 前記第1の工程の前に、
    前記一対の基板のいずれかに前記第1および第2の開口部を形成し、前記一対の基板を所定の間隔で対向配置させることにより前記セルを形成する第2の工程を含むことを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  26. 前記第2の工程において、
    前記一対の基板のうち金属析出側の基板の電極面側に、この基板に対する前記表示材料の剥離を防止する剥離防止層を形成する
    ことを特徴とする請求項25記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  27. 前記第1の工程の後に、
    前記第1および第2の開口部を封止する第3の工程を含む
    ことを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  28. 前記開口部を凸型の栓で封止する
    ことを特徴とする請求項27記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  29. 前記開口部をフィルムまたは平板で覆うことにより封止することを特徴とする請求項27記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  30. 前記フィルムまたは平板により、前記開口部が形成された基板の全面を覆う
    ことを特徴とする請求項29記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  31. 前記開口部の内空部分に接着剤あるいは樹脂を充填する
    ことを特徴とする請求項27記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  32. 前記第1の工程の後に、前記表示材料をゲル化する
    ことを特徴とする請求項1記載のエレクトロデポジション型表示パネルの製造方法。
  33. 対向配置され、互いの対向面に電極を有する一対の基板と 、
    この一対の基板の間に挟持され、金属イオンを含有すると共に少なくとも一時的に流動性を有する表示材料からなる層と、
    前記表示材料からなる層の側縁に設けられた封止材と、
    前記基板に設けられると共に封止状態にある2以上の開口部と、
    前記開口部が形成されている基板の全面を覆うフィルムまたは平板と
    を備えたことを特徴とするエレクトロデポジション型表示パネル。
  34. 前記一対の基板のうちの少なくとも一方が樹脂基板であり、前記複数の開口部が樹脂基板に形成されている
    ことを特徴とする請求項33記載のエレクトロデポジション型表示パネル。
  35. 前記一対の基板は四角形状であり、
    前記開口部が、前記基板における一対の対角部のそれぞれに設けられている
    ことを特徴とする請求項33記載のエレクトロデポジション型表示パネル。
  36. 前記一対の基板は四角形状であり、前記開口部が、前記基板の一辺の2つの角部、およびこの辺と対向した辺の中央部に設けられている
    ことを特徴とする請求項33記載のエレクトロデポジション型表示パネル。
  37. 前記一対の基板は四角形状であり、前記開口部が、前記基板の4つの角部に設けられている
    ことを特徴とする請求項33記載のエレクトロデポジション型表示パネル。
  38. 前記一対の基板は四角形状であり、前記開口部が、前記基板の4つの角部、および前記基板の対向する2辺の各中央部に設けられている
    ことを特徴とする請求項33記載のエレクトロデポジション型表示パネル。
  39. 前記開口部は、内部にねじ山が設けられており、ねじ型の栓で封止されている
    ことを特徴とする請求項33記載のエレクトロデポジション型表示パネル。
  40. 前記開口部は凸型の栓で封止されている
    ことを特徴とする請求項33記載のエレクトロデポジション型表示パネル。
  41. 前記表示材料からなる層と、金属析出側の基板との間に、前記表示材料からなる層の基板からの剥離を防止する剥離防止層が形成されていることを特徴とする請求項33記載のエレクトロデポジション型表示パネル。
  42. 対向配置され、互いの対向面に電極を有する一対の基板と 、
    この一対の基板の間に挟持され、金属イオンを含有すると共に少なくとも一時的に流動性を有する表示材料からなる層と、
    前記表示材料からなる層の側縁に設けられた封止材と、
    前記基板に設けられると共に封止状態にある2以上の開口部と、
    前記開口部が形成されている基板の全面を覆うフィルムまたは平板と
    を備えたことを特徴とするエレクトロデポジション型表示装置。
  43. 前記一対の基板のうちの少なくとも一方が樹脂基板であり、前記複数の開口部が樹脂基板に形成されている
    ことを特徴とする請求項42記載のエレクトロデポジション型表示装置。
  44. 前記一対の基板は四角形状であり、
    前記開口部が、前記基板における一対の対角部のそれぞれに設けられている
    ことを特徴とする請求項42記載のエレクトロデポジション型表示装置。
  45. 前記一対の基板は四角形状であり、前記開口部が、前記基板の一辺の2つの角部、およびこの辺と対向した辺の中央部に設けられている
    ことを特徴とする請求項42記載のエレクトロデポジション型表示装置。
  46. 前記一対の基板は四角形状であり、前記開口部が、前記基板の4つの角部に設けられている
    ことを特徴とする請求項42記載のエレクトロデポジション型表示装置。
  47. 前記一対の基板は四角形状であり、前記開口部が、前記基板の4つの角部、および前記基板の対向する2辺の各中央部に設けられている
    ことを特徴とする請求項42記載のエレクトロデポジション型表示装置。
  48. 前記開口部は、内部にねじ山が設けられており、ねじ型の栓で封止されている
    ことを特徴とする請求項42記載のエレクトロデポジション型表示装置。
  49. 前記開口部は凸型の栓で封止されている
    ことを特徴とする請求項42記載のエレクトロデポジション型表示装置。
  50. 前記開口部は、内部に接着剤または樹脂が充填されていることを特徴とする請求項42記載のエレクトロデポジション型表示装置。
  51. 前記表示材料からなる層と、金属析出側の基板との間に、前記表示材料からなる層の基板からの剥離を防止する剥離防止層が形成されていることを特徴とする請求項42記載のエレクトロデポジション型表示装置。
JP2003060178A 2003-03-06 2003-03-06 エレクトロデポジション型表示パネルの製造方法、並びにエレクトロデポジション型表示パネルおよびエレクトロデポジション型表示装置 Expired - Fee Related JP3669363B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003060178A JP3669363B2 (ja) 2003-03-06 2003-03-06 エレクトロデポジション型表示パネルの製造方法、並びにエレクトロデポジション型表示パネルおよびエレクトロデポジション型表示装置
US10/546,540 US7666049B2 (en) 2003-03-06 2004-02-26 Electrodeposition display panel manufacturing method, electrodeposition display panel, and electrodeposition display device
CN200480006080A CN100578334C (zh) 2003-03-06 2004-02-26 电沉积显示板制造方法、电沉积显示板和显示装置
PCT/JP2004/002299 WO2004079443A1 (ja) 2003-03-06 2004-02-26 エレクトロデポジション型表示パネルの製造方法、並びにエレクトロデポジション型表示パネルおよびエレクトロデポジション型表示装置
KR1020057016469A KR100971819B1 (ko) 2003-03-06 2004-02-26 일렉트로디포지션형 표시 패널
TW093105154A TWI251711B (en) 2003-03-06 2004-02-27 Electro-deposition display panel manufacturing method, electro-deposition display panel, and electro-deposition display device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003060178A JP3669363B2 (ja) 2003-03-06 2003-03-06 エレクトロデポジション型表示パネルの製造方法、並びにエレクトロデポジション型表示パネルおよびエレクトロデポジション型表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004271717A JP2004271717A (ja) 2004-09-30
JP3669363B2 true JP3669363B2 (ja) 2005-07-06

Family

ID=32958873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003060178A Expired - Fee Related JP3669363B2 (ja) 2003-03-06 2003-03-06 エレクトロデポジション型表示パネルの製造方法、並びにエレクトロデポジション型表示パネルおよびエレクトロデポジション型表示装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7666049B2 (ja)
JP (1) JP3669363B2 (ja)
KR (1) KR100971819B1 (ja)
CN (1) CN100578334C (ja)
TW (1) TWI251711B (ja)
WO (1) WO2004079443A1 (ja)

Families Citing this family (76)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU5094699A (en) 1998-07-08 2000-02-01 E-Ink Corporation Methods for achieving improved color in microencapsulated electrophoretic devices
AU2002250304A1 (en) 2001-03-13 2002-09-24 E Ink Corporation Apparatus for displaying drawings
US7223672B2 (en) 2002-04-24 2007-05-29 E Ink Corporation Processes for forming backplanes for electro-optic displays
US7839564B2 (en) 2002-09-03 2010-11-23 E Ink Corporation Components and methods for use in electro-optic displays
JP4604534B2 (ja) * 2004-03-26 2011-01-05 コニカミノルタホールディングス株式会社 表示素子
US8289250B2 (en) 2004-03-31 2012-10-16 E Ink Corporation Methods for driving electro-optic displays
US9082353B2 (en) * 2010-01-05 2015-07-14 Pixtronix, Inc. Circuits for controlling display apparatus
US20070205969A1 (en) 2005-02-23 2007-09-06 Pixtronix, Incorporated Direct-view MEMS display devices and methods for generating images thereon
US9229222B2 (en) 2005-02-23 2016-01-05 Pixtronix, Inc. Alignment methods in fluid-filled MEMS displays
US9158106B2 (en) * 2005-02-23 2015-10-13 Pixtronix, Inc. Display methods and apparatus
US8310442B2 (en) 2005-02-23 2012-11-13 Pixtronix, Inc. Circuits for controlling display apparatus
US8519945B2 (en) 2006-01-06 2013-08-27 Pixtronix, Inc. Circuits for controlling display apparatus
US8482496B2 (en) 2006-01-06 2013-07-09 Pixtronix, Inc. Circuits for controlling MEMS display apparatus on a transparent substrate
US9261694B2 (en) 2005-02-23 2016-02-16 Pixtronix, Inc. Display apparatus and methods for manufacture thereof
US8159428B2 (en) 2005-02-23 2012-04-17 Pixtronix, Inc. Display methods and apparatus
US7999994B2 (en) 2005-02-23 2011-08-16 Pixtronix, Inc. Display apparatus and methods for manufacture thereof
US7898619B2 (en) 2005-04-28 2011-03-01 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display
JP5103730B2 (ja) * 2005-06-03 2012-12-19 富士ゼロックス株式会社 表示方法、並びに、これを用いた表示媒体及び表示素子
JP2008203282A (ja) * 2005-06-03 2008-09-04 Sharp Corp 画像表示装置
JP2007086729A (ja) * 2005-06-20 2007-04-05 Fuji Xerox Co Ltd 表示媒体、それを用いた表示素子及び表示方法
US8526096B2 (en) 2006-02-23 2013-09-03 Pixtronix, Inc. Mechanical light modulators with stressed beams
JP5135707B2 (ja) * 2006-04-11 2013-02-06 富士ゼロックス株式会社 表示方法及び表示素子
US9176318B2 (en) * 2007-05-18 2015-11-03 Pixtronix, Inc. Methods for manufacturing fluid-filled MEMS displays
US8922503B2 (en) 2008-01-04 2014-12-30 Tactus Technology, Inc. User interface system
US9013417B2 (en) 2008-01-04 2015-04-21 Tactus Technology, Inc. User interface system
US8922510B2 (en) 2008-01-04 2014-12-30 Tactus Technology, Inc. User interface system
US9274612B2 (en) 2008-01-04 2016-03-01 Tactus Technology, Inc. User interface system
US8456438B2 (en) 2008-01-04 2013-06-04 Tactus Technology, Inc. User interface system
US9612659B2 (en) 2008-01-04 2017-04-04 Tactus Technology, Inc. User interface system
US8947383B2 (en) 2008-01-04 2015-02-03 Tactus Technology, Inc. User interface system and method
US9423875B2 (en) 2008-01-04 2016-08-23 Tactus Technology, Inc. Dynamic tactile interface with exhibiting optical dispersion characteristics
US9760172B2 (en) 2008-01-04 2017-09-12 Tactus Technology, Inc. Dynamic tactile interface
US9298261B2 (en) 2008-01-04 2016-03-29 Tactus Technology, Inc. Method for actuating a tactile interface layer
US8243038B2 (en) 2009-07-03 2012-08-14 Tactus Technologies Method for adjusting the user interface of a device
US9557915B2 (en) 2008-01-04 2017-01-31 Tactus Technology, Inc. Dynamic tactile interface
US9063627B2 (en) 2008-01-04 2015-06-23 Tactus Technology, Inc. User interface and methods
US9128525B2 (en) 2008-01-04 2015-09-08 Tactus Technology, Inc. Dynamic tactile interface
US9720501B2 (en) 2008-01-04 2017-08-01 Tactus Technology, Inc. Dynamic tactile interface
US9588683B2 (en) 2008-01-04 2017-03-07 Tactus Technology, Inc. Dynamic tactile interface
US8970403B2 (en) 2008-01-04 2015-03-03 Tactus Technology, Inc. Method for actuating a tactile interface layer
US8547339B2 (en) 2008-01-04 2013-10-01 Tactus Technology, Inc. System and methods for raised touch screens
US8154527B2 (en) 2008-01-04 2012-04-10 Tactus Technology User interface system
US9430074B2 (en) 2008-01-04 2016-08-30 Tactus Technology, Inc. Dynamic tactile interface
US9052790B2 (en) 2008-01-04 2015-06-09 Tactus Technology, Inc. User interface and methods
US9552065B2 (en) 2008-01-04 2017-01-24 Tactus Technology, Inc. Dynamic tactile interface
US7920317B2 (en) * 2008-08-04 2011-04-05 Pixtronix, Inc. Display with controlled formation of bubbles
US8169679B2 (en) 2008-10-27 2012-05-01 Pixtronix, Inc. MEMS anchors
US20110205259A1 (en) * 2008-10-28 2011-08-25 Pixtronix, Inc. System and method for selecting display modes
US9588684B2 (en) 2009-01-05 2017-03-07 Tactus Technology, Inc. Tactile interface for a computing device
US8098418B2 (en) * 2009-03-03 2012-01-17 E. Ink Corporation Electro-optic displays, and color filters for use therein
JP2012532384A (ja) 2009-07-03 2012-12-13 タクタス テクノロジー ユーザインターフェイス拡張システム
US8654436B1 (en) 2009-10-30 2014-02-18 E Ink Corporation Particles for use in electrophoretic displays
CN102725716B (zh) 2009-12-21 2016-04-13 泰克图斯科技公司 用户界面***
US9239623B2 (en) 2010-01-05 2016-01-19 Tactus Technology, Inc. Dynamic tactile interface
CN102834859B (zh) * 2010-02-02 2015-06-03 皮克斯特罗尼克斯公司 用于控制显示装置的电路
WO2011097252A2 (en) * 2010-02-02 2011-08-11 Pixtronix, Inc. Methods for manufacturing cold seal fluid-filled display apparatus
WO2011112984A1 (en) 2010-03-11 2011-09-15 Tactus Technology User interface system
WO2011123847A2 (en) 2010-04-02 2011-10-06 E Ink Corporation Electrophoretic media
CN103124946B (zh) 2010-10-20 2016-06-29 泰克图斯科技公司 用户接口***及方法
CN103109255A (zh) 2010-10-20 2013-05-15 泰克图斯科技公司 用户接口***
JP5754190B2 (ja) 2011-03-18 2015-07-29 ソニー株式会社 マイクロチップ、サンプル液供給装置、サンプル液供給方法及び分析装置
JP5731284B2 (ja) 2011-06-02 2015-06-10 ピクストロニクス,インコーポレイテッド 表示装置及びその製造方法
TWI507797B (zh) * 2012-05-24 2015-11-11 Silicon Touch Tech Inc 液晶面板、液晶面板之液晶注入方式以及液晶注入裝置
CN104662497A (zh) 2012-09-24 2015-05-27 泰克图斯科技公司 动态触觉界面和方法
US9405417B2 (en) 2012-09-24 2016-08-02 Tactus Technology, Inc. Dynamic tactile interface and methods
US9122047B2 (en) 2012-12-31 2015-09-01 Pixtronix, Inc. Preventing glass particle injection during the oil fill process
US9134552B2 (en) 2013-03-13 2015-09-15 Pixtronix, Inc. Display apparatus with narrow gap electrostatic actuators
US9557813B2 (en) 2013-06-28 2017-01-31 Tactus Technology, Inc. Method for reducing perceived optical distortion
CN104199218B (zh) * 2014-08-18 2017-07-25 深圳市华星光电技术有限公司 液晶滴注装置
JP6575920B2 (ja) * 2016-03-25 2019-09-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 エレクトロクロミック素子及びエレクトロクロミック装置
CN106168715B (zh) * 2016-08-05 2021-01-08 京东方科技集团股份有限公司 显示面板的液晶注入量的测定方法、装置及***
CN110161772B (zh) * 2018-02-14 2023-08-04 天马日本株式会社 光束方向控制元件
CN108889557B (zh) * 2018-08-30 2023-08-22 珠海市古鑫电子科技有限公司 电池注胶治具、注胶装置及其工作方法
CN110828482B (zh) * 2019-11-15 2022-01-07 京东方科技集团股份有限公司 一种待电镀基板、背板和显示面板
CN111025809A (zh) * 2019-11-18 2020-04-17 爱卓智能科技(上海)有限公司 电致变色后视镜中方便灌注电致变色液的方法
CN111025813A (zh) * 2019-11-18 2020-04-17 爱卓智能科技(上海)有限公司 一种无边框电致变色后视镜的制作方法

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3808769A (en) * 1972-09-05 1974-05-07 Rca Corp Liquid crystal device closure method
JPS5417415Y2 (ja) * 1972-12-21 1979-07-05
JPS49105138A (ja) 1973-02-14 1974-10-04
JPS49131460A (ja) * 1973-04-21 1974-12-17
JPS5534405B2 (ja) * 1974-01-19 1980-09-06
JPS5121347U (ja) * 1974-08-02 1976-02-17
JPS5121347A (en) 1974-08-15 1976-02-20 Japan Atomic Energy Res Inst Senryohaisuino shorihoho
JPS5237456A (en) * 1975-09-19 1977-03-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd Display unit
JPS575611Y2 (ja) * 1976-09-30 1982-02-02
FR2368054A1 (fr) 1976-10-13 1978-05-12 Comp Generale Electricite Procede pour augmenter l'eclairement produit par un faisceau laser
JPS5691220A (en) * 1979-12-25 1981-07-24 Seiko Epson Corp Electrochromic display body
US4960319A (en) 1989-10-04 1990-10-02 Litton Systems, Inc. Active polarization control servo and method
JPH03138615A (ja) * 1989-10-25 1991-06-13 Ricoh Co Ltd 液晶セルの製造方法
JPH03168614A (ja) * 1989-11-28 1991-07-22 Oki Electric Ind Co Ltd 液晶注入方法
JPH04172322A (ja) * 1990-11-05 1992-06-19 Seiko Instr Inc 液晶装置の製造方法
JP3340228B2 (ja) 1994-02-24 2002-11-05 旭硝子株式会社 液晶表示素子の製造方法および注入用器具
JP3168405B2 (ja) 1995-12-27 2001-05-21 キヤノン株式会社 液晶素子の製造方法
JP3274813B2 (ja) * 1996-09-12 2002-04-15 シャープ株式会社 液晶注入装置
US6204895B1 (en) * 1997-09-30 2001-03-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Display panel associated with light collecting plate and position adjusting method using microlenses for the display panel
JP3654483B2 (ja) * 1997-10-09 2005-06-02 富士写真フイルム株式会社 液晶表示装置の製造方法
JP3804822B2 (ja) * 2001-06-26 2006-08-02 ソニー株式会社 表示素子及びその製造方法
EP1291932A3 (en) * 2001-09-05 2006-10-18 Konica Corporation Organic thin-film semiconductor element and manufacturing method for the same
JP4604534B2 (ja) * 2004-03-26 2011-01-05 コニカミノルタホールディングス株式会社 表示素子
JP2007086729A (ja) * 2005-06-20 2007-04-05 Fuji Xerox Co Ltd 表示媒体、それを用いた表示素子及び表示方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR100971819B1 (ko) 2010-07-22
CN100578334C (zh) 2010-01-06
JP2004271717A (ja) 2004-09-30
WO2004079443A1 (ja) 2004-09-16
CN1756990A (zh) 2006-04-05
US7666049B2 (en) 2010-02-23
US20060152474A1 (en) 2006-07-13
TWI251711B (en) 2006-03-21
KR20050109961A (ko) 2005-11-22
TW200428126A (en) 2004-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3669363B2 (ja) エレクトロデポジション型表示パネルの製造方法、並びにエレクトロデポジション型表示パネルおよびエレクトロデポジション型表示装置
CN105690974B (zh) 柔性薄膜贴合与剥离方法、柔性基板制备方法、衬底基板
US8246894B2 (en) Flexible substrate, method of manufacturing display substrate, and method of manufacturing display panel
CN1862329A (zh) 柔性显示器的制造方法
TW201433857A (zh) 顯示面板製造方法與系統
CN1291267C (zh) 液晶显示板的生产方法
US20180105725A1 (en) Sealant Composition and Application Thereof
CN102369563B (zh) 显示装置的制造方法
WO2021190040A1 (zh) 显示模组、电子设备和显示模组的制造方法
JP2003208107A (ja) 画像表示媒体およびその製造方法
JP2015018061A (ja) 電気泳動装置、電気泳動装置の製造方法、及び電子機器
JP2008192469A (ja) 電気化学セルおよびその製造方法
JPS59124367A (ja) 密封電気−光学表示セル
JP2012013934A (ja) 電子ペーパー及び電子ペーパーの製造方法
CN114822287A (zh) 一种显示模组及其制作方法
CN111650794A (zh) 一种小形变胆甾相液晶显示装置及其制造方法
JP4675060B2 (ja) 電気泳動表示媒体
JPS61213827A (ja) エレクトロクロミツク素子の製造方法
CN217689693U (zh) 一种新型调光膜
US20220262775A1 (en) Light-emitting diode light-emitting backplane and manufacturing method thereof
JP2001188262A (ja) エレクトロクロミックミラー用セルの製造方法及びエレクトロクロミックミラー
US20210356832A1 (en) Electrochromic Device and Manufacturing Method, Shell and Electronic Equipment
JP2011039530A (ja) マイクロカプセル型電気泳動式表示パネル及びその製造方法
JP5871202B2 (ja) 反射型表示装置
CN115713905A (zh) 显示设备及其制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050404

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080422

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090422

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090422

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100422

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100422

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110422

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110422

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120422

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120422

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130422

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees