JP3667582B2

JP3667582B2 - 熱転写プリンタ

Info

Publication number: JP3667582B2
Application number: JP36721799A
Authority: JP
Inventors: 淳一川戸
Original assignee: Alps Electric Co Ltd
Current assignee: Alps Alpine Co Ltd
Priority date: 1999-12-24
Filing date: 1999-12-24
Publication date: 2005-07-06
Anticipated expiration: 2019-12-24
Also published as: JP2001180023A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱転写プリンタに係わり、特に、記録用紙を適正に給紙、及び排紙することが可能な給紙口と排紙口とを有する熱転写プリンタに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、記録用紙への行ごと、または頁ごとの記録を迅速に行う記録装置として、記録用紙の幅方向に沿って複数の発熱素子が整列配列された長尺なサーマルヘッドを有する熱転写プリンタ（図示せず）が使用されていた。
【０００３】
このような従来の熱転写プリンタは、フレームのほぼ中央部にプラテンローラが配設され、このプレテンローラと対向する位置に、前記長尺のサーマルヘッドが配設され、このサーマルヘッドはプラテンローラに接離可能になっている。
前記フレームの一方の側面には、カット紙からなる記録用紙を前記サーマルヘッドに給紙するための給紙口が設けられ、この給紙口は、記録用紙の幅方向をガイドするようになっている。そのために、給紙口から給紙される記録用紙は、幅方向の位置決めを確実に行って、サーマルヘッドに給紙することができる。
【０００４】
また、前記サーマルヘッドに給紙される方向における前記サーマルヘッドの下流側に紙送りローラと、この紙送りローラに圧接する圧接ローラとが配設されている。そして、前記給紙口から給紙された記録用紙は、その前端部が紙送りローラと圧接ローラとに圧接狭持され、紙送りローラを回転させることにより、前記記録用紙を前記サーマルヘッドに給紙される方向における紙送りローラの下流側に排紙を行うことができる。
前記フレームの前記給紙口が形成された一方の面と対向する他方の面には、前記紙送りローラの下流側に排紙される記録用紙をプリンタ外部に排紙可能な排紙口が形成されている。
【０００５】
このような熱転写プリンタで記録用紙に画像を印刷するには、まず、フレーム内部に形成されているカセット装着部にインクリボンカセットを装着し、記録用紙をフレームの一方の面に形成された給紙口から、サーマルヘッドとプラテンローラとの間に給紙する。
次に、サーマルヘッドをプラテンローラに対してヘッドダウンさせ、インクリボンと記録用紙とをプラテンローラに圧接狭持し、紙送りローラを回転させて、記録用紙をサ−マルヘッドの下流側に搬送することにより、インクリボンのインクが記録用紙に熱転写されて、記録用紙に所望の画像が印刷される。
そして、紙送りローラを印刷時と同方向に回転させて、印刷終了後の記録用紙を、フレームの他方の面に形成された排紙口からプリンタ外部に排紙されるようになっている。
【０００６】
また、従来の熱転写プリンタで記録用紙にカラー印刷する場合は、カラー用のインクリボンを収納したインクリボンカセットをカセット装着部に装着し、サーマルヘッドをプラテンローラに対してヘッドダウンさせ、インクリボンと記録用紙とをプラテンローラに圧接狭持し、紙送りローラを正転させて、記録用紙をサ−マルヘッドの下流側に搬送する動作と、サーマルヘッドをヘッドアップさせて、紙送りローラを逆転させて、記録用紙を給紙口側である上流側に戻す動作とを繰り返すことにより、インクリボンの異なる色のインクを順番に重ね印刷して、記録用紙にカラー画像を印刷するようになっている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、記録用紙は幅寸法が公差内でバラツキがあり、幅寸法が小さい方にばらついた記録用紙を給紙口に挿入したときに、給紙口に対して若干斜めに挿入されることがある。そのために、紙送りローラの正転、逆転を繰り返して、記録用紙にカラー印刷する場合に、給紙口の幅方向の側面に、記録用紙の後端部の幅方向がぶつかって、記録用紙に変形、あるいは膨らみが発生して、異なる色のインクを正常に重ね印刷することができなくなる。そのために、カラー画像の印刷品質が低下する問題があった。
【０００８】
また、排紙時の記録用紙にインクリボンが密着した場合に、排紙される記録用紙と一緒にインクリボンも引き出されるため、インクリボンがたるんで正常な印刷ができなくなる問題があった。
本発明は、前述したした点に鑑みてなされたもので、記録用紙を往復搬送させてカラー印刷するような場合でも、往復移動させる記録用紙に、変形、あるいは膨らみ等の不具合が発生しない熱転写プリンタを提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第１の手段として本発明の熱転写プリンタは、インクリボンを本体部に収納したインクリボカセットと、このインクリボンカセットを着脱可能なカセット装着部を有するフレームと、このフレームに片持ち支持されたサーマルヘッドと、このサーマルヘッドと対向する位置に設けられて、前記サーマルヘッドに対して接離可能なプテンローラと、前記記録用紙が前記サーマルヘッドに給紙される方向における前記サーマルヘッドの下流側に設けられた紙送りローラとを備えてなる熱転写プリンタであって、前記インクリボンカセットを前記カセット装着部に装着した時、前記フレームと前記インクリボンカセットの前記本体部の底面との間に前記記録用紙を搬送可能な用紙搬送路が形成され、この用紙搬送路に、前記記録用紙の給紙口と排紙口とを前記サーマルヘッドよりも給紙方向上流側の前記フレームの同一面側にそれぞれ設け、前記給紙口の幅寸法は、前記記録用紙の幅寸法と略同等に形成され、前記排紙口の幅寸法は、前記給紙口の幅寸法より大きく形成され、前記給紙口から前記記録用紙を前記用紙搬送路を介して前記サーマルヘッドに給紙を行い、記録後の前記記録用紙を前記排紙口から前記フレームの外に排紙可能とした構成とした。
【００１０】
また、前記課題を解決するための第２の手段として、前記給紙口から前記用紙搬送路を経由して前記サーマルヘッドに給紙された前記記録用紙は、前記紙送りローラを正転、逆転させることにより、前記サーマルヘッドに給紙、及び前記サーマルヘッドから排紙可能とした構成とした。
【００１１】
また、前記課題を解決するための第３の手段として、前記給紙口、及び前記排紙口は、前記フレームの同一面側の上下に隣接してそれぞれ設けられ、前記排紙口を下部に、前記給紙口を前記排紙口の上部に設けた構成とした。
【００１２】
また、前記課題を解決するための第４の手段として、前記フレームは、上方が天板で遮蔽されると共に、下方が解放され、この解放された下方の一部を遮蔽する遮蔽部材を有し、この遮蔽部材と前記インクリボンカセットの前記底面との間で前記用紙搬送路が形成され、前記遮蔽部材は、前記サーマルヘッドに前記記録用紙を給排紙時の案内部として構成され、前記遮蔽部材に、前記給排紙時の前記記録用紙の幅方向の両端部をガイド可能な給紙溝と排紙溝とを有する一対のガイド部材を設け、前記給紙溝、及び前記排紙溝により、前記給紙口、及び前記排紙口を区分けするようにした構成とした。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱転写プリンタを図１〜図９に基づいて説明する。図１は本発明の熱転写プリンタにインクリボンカセットを装着した状態の要部断面図であり、図２は本発明の熱転写プリンタの正面図であり、図３は図２の左側面図であり、図４は本発明に係わる遮蔽部材の断面図であり、図５は図４の左側面図であり、図６は図４の上面図であり、図７、８は本発明に係わるインクリボンカセットの図であり、図９は本発明のその他の実施の形態を説明する図である。
【００１５】
本発明の熱転写プリンタＰは、図２に示すように、外殻を構成するフレーム１が、略矩形で内部が空洞の筺状に形成されている。
前記フレーム１は、金属板からなり、図２に示す手前側に側板１ａと、この側板１ａと所定の間隔を有して対向する奥側に側板１ｂとが配設され、側板１ａ、１ｂに挟まれた空洞部の上方が天板１ｃで遮蔽されると共に、下方が解放されている。
この解放されたフレーム１の下方の一部を遮蔽するような板状の遮蔽部材２が配設されている。
【００１６】
このようなフレーム１の空洞内部には、後述するインクリボンカセット１３を装着可能なカセット装着部１ｄが設けられ、このカセット装着部１ｄの一部を構成するカセット挿入口１ｅが手前側の側板１ａに打ち抜き形成されて、カセット装着部１ｄの一方側が解放されている。
このようなカセット装着部１ｄには、後述するインクリボンカセット１３をカセット挿入口１ｅから着脱可能になっている。
また、前記遮蔽部材２は、金属板からなり、図６に示すような略矩形に形成されると共に、図４に示すように、第１用紙案内部２ａと傾斜状の第２用紙案内部２ｂと、この第２用紙案内部２ｂから図示右方向に延びる第３用紙案内部２ｃとを有し、第３用紙案内部２ｃには、図６に示すような舌片部２ｄが延長形成されている。
【００１７】
そして、第１、第２用紙案内部２ａ、２ｂには、後述する記録用紙２１の搬送方向にスジ状に突出する複数のリブ２ｅが形成されて、遮蔽部材２の補強、及び記録用紙２１との接触面積を少なくして、記録用紙２１を給排紙する時の摩擦抵抗を小さくするようにしている。
前記カセット装着部１ｄには、カセット挿入口１ｅが形成された側板１ａと対向する奥側の側板１ｂに、回転可能な巻き取りボビン３が配設され、この巻き取りボビン３に、後述するインクリボンカセット１３の巻き取りコア２０が係合可能になっている。
また、フレーム１の、互いに対向する側板１ａ、１ｂ間には、回転自在な円柱状のプラテンローラ４が配設されている。このプラテンローラ４は、図３に示すようなプラテン駆動軸４ａにより、矢印Ｅ、Ｆ方向に回動可能になっている。
【００１８】
また、図２に示すプラテンローラ４と対向する上方には、サーマルヘッド５が配設され、このサーマルヘッド５は、ヘッド基板５ａを介して接着剤等でヘッド取付台６に固着されている。このヘッド取付台６は、図３に示すように、フレーム１の一方の側板１ｂにネジ止め（図示せず）等により片持ち支持され、その自由端部６ａが側板１ａのカセット挿入口１ｅから若干外側に突出するように取り付けられている。
前記サーマルヘッド５は、円柱状のプラテンローラ４が対向する長手方向の位置に、複数の発熱素子（図示せず）が並列状に形成されている。
【００１９】
前記フレーム１の天板１ｃとヘッド取付台６との間には、所定寸法の隙間部１ｆが形成され、インクリボンカセット１３をカセット装着部１ｄに装着すると、インクリボンカセット１３のリボン案内部１８が隙間部１ｆに位置するようになっている。
また、本発明の熱転写プリンタＰは、図２に示すフレーム１の左側の空洞部を遮蔽する、樹脂材料から成る壁部材７が配設され、この壁部材７の平坦状の下部の左右両端部には、図３に示すように、一対の合成樹脂からなるガイド部材８が当接している。このガイド部材８は、遮蔽部材２の左右両端部に、互いに対向して取り付けられている。
そして、フレーム１は壁部材７とガイド部材８とで一方の側面が構成されている。
【００２０】
前記一対のガイド部材８は、図６に示す下部に形成された給排紙口部８ａから図示上方のガイド部８ｂまで延長形成されて、図示縦長状になっている。
また、一対のガイド部材８には、給排紙時の記録用紙２１の幅方向の両端部をガイド可能な給紙溝９ａと排紙溝１０ａとが、給排紙部８ａにそれぞれ設けられている。そして、排紙溝９ａが下部に、給紙溝１０ａが上部にそれぞれ隣接して形成されている。
また、排紙溝１０ａは給紙溝９ａより深く形成され、この給紙溝９ａ、及び排紙溝１０ａにより、幅寸法Ａの給紙口９、及び幅寸法Ｂの排紙口１０が区分けされて設けられている。
【００２１】
前記給紙口９は、上部が壁部材７の下部で覆われ、排紙口１０は、下部が遮蔽部材２の第１用紙案内部２ａで覆われて、給紙口９と排紙口１０とで、後述する記録用紙２１をサーマルヘッド５に給排紙可能になっている。
前記給紙口９、及び排紙口１０は、フレーム１の一方の側面を構成する一対のガイド部材８に、上下に隣接してそれぞれ設けられ、排紙口１０を下部に、給紙口９を排紙口１０の上部に設けている。
前記給紙口９と排紙口１０は、フレーム１の一方の側面である同一面側にそれぞれ設けられ、記録用紙２１をフレーム１の同一面側から給排紙可能になっている。
【００２２】
前記給紙口９の幅寸法Ａは、記録用紙２１の幅寸法と略同等に形成され、排紙口１０の幅寸法Ｂは、給紙口９の幅寸法Ａより大きく形成されている。
また、図６に示す互いに対向するガイド部材８のガイド部８ｂに挟まれた部分は、給紙口９の幅寸法Ａと同じに形成されている。
また、図１に示すプラテンローラ４の右側で、記録用紙２１が搬送される矢印Ｃの方向におけるプラテンローラ４の下流側に、回転可能な円柱状の紙送りローラ１１が配設されている。
前記紙送りローラ１１には、回転自在の圧接ローラ１２が圧接しており、紙送りローラ１１の回転に連動して圧接ローラ１２が回転するようになっている。
【００２３】
また、本発明の熱転写プリンタＰに用いるインクリボンカセット１３を、図７、８に基づいて説明すると、インクリボンカセット１３は、図７に示すように、インクリボン１４を収納する略楕円形状の空洞部を有する本体部１５が形成されている。
この本体部１５には、インクリボン１４の両端部を巻回した回転自在の供給コア１６と巻き取りコア１７とが収納されている。
前記本体部１５は、図示手前側と奥側に互いに対向する一対の側壁１５ａが形成され、図示上下に互いに対向するケース１５ｂとで内部が空洞になっている。
【００２４】
また、本体部１５の図示下方のケース１５ｂは、外面が本体部１５の底面１５ｄとなるように構成されている。そして、インクリボンカセット１３をカセット装着部１ｄに装着すると、底面１５ｄとフレーム１の遮蔽部材２との間に、記録用紙２１を搬送可能な、図１に示すような用紙搬送路２０が形成され、この用紙搬送路２０に連続して、記録用紙２１を給排紙可能な給紙口９と排紙口１０が、フレーム１の同一面側に設けられている。
【００２５】
また、図７に示す本体部１５内に配設された供給コア１６の図示右側のケース１５ｂには、供給コア１６に巻回したインクリボン１４を、本体部１５から図示右側の外部に引き出し可能な、スリット状のリボン引き出し口１５ｃが形成されている。
このリボン引き出し口１５ｃ近傍のケース１５ｂの外側には、三角形状の用紙ガイド１５ｅが、インクリボン１４の矢印Ｇの引き出し方向に突出形成されている。
【００２６】
また、図７に示す本体部１５の右上部から図示右方向の一方側に延びて形成された、リボン案内部１８を有し、このリボン案内部１８は、上部に本体部１５から延長形成されたケース１５ｂと、下部に本体部１５の一対の側壁１５ａを連結するリボン摺接壁１８ａとで構成され、このリボン摺接壁１８ａと上部のケース１５ｂに挟まれた間に、所定の隙間寸法から成るリボン走行溝１８ｂが形成されている。
前記リボン案内部１８の図示右側の先端部には、リボン折り返し部１８ｃが形成され、このリボン折り返し部１８ｃには、回転自在のローラが配設されている。
【００２７】
前記リボン引き出し口１５ｃからリボン折り返し部１８ｃに引き出されたインクリボン１４と、リボン摺接壁１８ａとの間には、熱転写プリンタＰのフレーム１の側板１ｂに片持ち支持されたヘッド取付台７が挿入可能なヘッド挿入部１９が形成されている。
また、図８に示すインクリボンカセット１３の右側側壁１５ａには、位置決め突起２３が突出形成されており、インクリボンカセット１３をカセット装着部１ｄに装着すると、位置決め突起２３が側板１ｂの位置決め孔１ｇに係合して、インクリボンカセット１３が位置決めされるようになっている。
【００２８】
前記供給コア１６に巻回されたインクリボン１４は、巻き取りコア１７の矢印Ｅ方向の回転で、供給コア１６に巻回されたインクリボン１４は、リボン引き出し口１５ｃから外部に一旦引き出しされて、ヘッド挿入部１９の下を矢印Ｇ方向に引き回しされ、リボン折り返し部１８ｃで折り返された状態から、リボン案内部６のリボン摺接壁１８ａ上を走行可能とし、リボン走行溝１８ｂから再度本体部１５内に引き入れられて、巻取りコア１７に巻取り可能になっている。
また、記録用紙２１は、給紙口８の幅寸法Ａと略同等の幅寸法に形成されたカット紙で構成されており、記録用紙２１の幅寸法は公差内で若干のバラツキがある。そして、給紙口８から給紙される記録用紙２１は、前端部（図示せず）が遮蔽部材２の第１、第２、第３用紙案内部２ａ、２ｂ、２ｃに案内されて、プラテンローラ４上を通過して紙送りローラ１１と圧接ローラ１２との間に圧接狭持可能になっている。
【００２９】
そして、前記インクリボカセット１３を、本発明の熱転写プリンタＰのカセット装着部１ｄに装着すると、図３に示すヘッド取付台６の自由端部６ａがリボンカセット１３のヘッド挿入部１９に位置すると共に、リボン案内部１８がヘッド取付台６とフレーム１の天板１ｃとの間の隙間部２ｆに位置する。
また、リボン引き出し口１５ｃからリボン折り返し部１８ｃ側に引き出されたインクリボン１４は、ヘッド取付台６にガイドされ、サーマルヘッド５とプラテンローラ４との間に位置する。また、巻取りコア１７は巻取りボビン３に係合して、巻取りボビン３の回転で、インクリボン１４を供給コア１６から巻取りコア１７に巻取り可能になっている。
【００３０】
そして、本発明の熱転写プリンタＰのカセット装着部１ｄにインクリボンカセット１３を装着して記録用紙２１に印刷を行うには、まず、給紙口９から記録用紙２１を矢印Ｊの給紙方向に挿入する。
すると、記録用紙２１は、用紙搬送路２０から遮蔽部材２の第２用紙案内部２ａ上を案内されて、プラテンローラ４とインクリボン１４との間に搬送され、前端部（図示せず）が紙送りローラ１１と圧接ローラ１２に圧接狭持される。
次に、プラテンローラ４を矢印Ｅのサーマルヘッド５側に回動させて、インクリボン１４と記録用紙２１を、サーマルヘッド５に圧接狭持する。
【００３１】
そして、サーマルヘッド５の複数の発熱素子（図示せず）を印刷情報に基づいて選択的に発熱させると共に、紙送りローラ１１を図示時計回り方向に回転させて、記録用紙２１を矢印Ｃの搬送方向の紙送りローラ１１の下流側に搬送すると、記録用紙２１にインクリボン１４のインクが転写されて、記録用紙２１に所望の画像を印刷することができる。
また、記録用紙２１にインクを転写した後のインクリボン１４は、巻取りボビン３の回転により、巻取りコア１７に巻取られて、リボン折り返し部１８ｃから、リボン摺接壁１８ａ上を引き回しされて、リボン走行溝１８ｂから本体部１５内に引き入れられる。そのために、印刷中、あるいは印刷終了後において、記録用紙２１にインクリボン１４が密着していたとしても、記録用紙２１を矢印Ｄ方向に戻すときに、記録用紙２１の移動と一緒にインクリボン１４が引っ張れれることがなく、インクリボン１４に、たるみ等の不具合いが発生することがない。
【００３２】
そして、記録用紙２１に所望の画像印刷が終了後、プラテンローラ４を矢印Ｆのサーマルヘッド５から離間する方向に回動させて、記録用紙２１とインクリボン１４の圧接を解除する。
その後、紙送りローラ１１を図示反時計回り方向に逆転させて、記録用紙２１を矢印Ｄ方向に戻して排紙行う。
この排紙動作時において、記録用紙２１は、後端部２１ａが略三角形状の用紙ガイド１５ｅの斜面に当接して、矢印Ｌ方向の本体部１５の底面１５ｄ側に搬送され、用紙搬送路２０から排紙口１０に搬送される。
【００３３】
また、排紙時の記録用紙２１は、紙送りローラ１１と圧接ローラ１２との圧接が解除されて、後端部２１ａが排紙口１０から矢印Ｋ方向に所定量だけ排紙される。
そして、熱転写プリンタＰから所定量排紙された記録用紙２１を、操作者が手作業で、熱転写プリンタＰから取り出すようになっている。
【００３４】
また、インクリボン１４が、例えばシアン、マゼンダ、イエロー等の複数の色のインクを、順番にだんだら状に塗布したカラー印刷用の場合は、シアン、マゼンダ、イエローの複数の色のインクを記録用紙２１に重ね印刷して、カラー画像を印刷するようになっている。
このようなカラー印刷する動作は、まず、プラテン４でインクリボン１４と記録用紙２１をサーマルヘッド６に圧接狭持する。
【００３５】
そして、紙送りローラ１１まで給紙された記録用紙２１を、矢印Ｃの搬送方向に搬送させながらインクリボン１４のインクを転写する動作と、プラテン４をサーマルヘッド５から離間させ、紙送りローラ１１を逆転させて、記録用紙２１を矢印Ｄ方向に戻す動作とを繰り返して、異なる複数の色のインクを記録用紙に重ね印刷して、所望のカラー画像を印刷するようになっている。
【００３６】
本発明の熱転写プリンタＰは、排紙口１０の幅寸法Ｂが給紙口９の幅寸法Ａより広く形成されると共に、排紙口１０を給紙口９の下部に形成しているので、記録用紙２１の幅寸法がばらついて、給紙口９から挿入する記録用紙２１が若干斜めになってサーマルヘッド５に給紙されてたとしても、印刷終了後、排紙される記録用紙２１は、後端部２１ａの幅方向が排紙口１０にぶつかることがなく、記録用紙２１が変形したりすることのない高品質の排紙を行うことができる。
また、排紙時に記録用紙２１の後端部２１ａが排紙口１０にぶつかることがないので、排紙中の記録用紙２１がインクリボン１４側に膨らむこともなく、記録用紙２１にインクリボン１４が貼り付いて、インクリボン１４にたるみ等が発生することがない。
【００３７】
本発明の熱転写プリンタＰのその他の実施の形態として、図９に示すように、幅寸法Ａの給紙口２９、及び幅寸法Ｂの排紙口３０は、壁部材２７に、成形加工時に直接形成したものでも良い。この場合、排紙口３０は下部が遮蔽部材２２で覆われるようになっている。
また、紙送りローラ１１と圧接ローラ１２との間に給紙した記録用紙２１は、印刷前に一度矢印Ｃ方向に空送りを行い、再度記録用紙２１を矢印Ｄ方向に戻す動作を行ってから印刷を行うと、更に記録用紙２１の排紙時の変形等を防ぐことができる。
【００３８】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の熱転写プリンタは、記録用紙を給排紙可能な給紙口と排紙口とを前記フレームの同一面側にそれぞれ設け、前記フレームの同一面側から前記記録用紙を前記用紙搬送路を介して前記サーマルヘッドに給紙、及び前記サーマルヘッドから排紙可能としたので、フレームの同一面側から記録用紙を給排紙することができ、フレームの一方側の面だけで紙さばきが可能となり、他方側の面には用紙ガイド等が不要となり、構造が簡単な熱転写プリンタを提供できる。
【００３９】
また、前記給紙口から前記用紙搬送路を経由して前記サーマルヘッドに給紙された前記記録用紙は、前記紙送りローラを正転、逆転させることにより、前記サーマルヘッドに給紙、及び前記サーマルヘッドから排紙可能としたので、紙送りローラの回転だけで記録用紙を給排紙でき、構造が簡単な熱転写プリンタを提供できる。
【００４０】
また、前記給紙口の幅寸法は、前記記録用紙の幅寸法と略同等に形成され、前記排紙口の幅寸法は、前記給紙口の幅寸法より大きく形成されているので、給紙時に記録用紙の幅方向が確実にガイドされてサーマルヘッドに案内され、印刷終了後、排紙時は記録用紙の幅方向が排紙口にぶつかることがなく、排紙時に発生する記録用紙の変形等を確実に防ぐことができる。
【００４１】
また、前記給紙口、及び前記排紙口は、前記フレームの同一面側の上下に隣接してそれぞれ設けられ、前記排紙口を下部に、前記給紙口を前記排紙口の上部に設けたので、排紙時の記録用紙を幅広の排紙口に確実に案内して、排紙時の記録用紙の変形等を防ぐことができる。
【００４２】
また、前記遮蔽部材は、前記サーマルヘッドに前記記録用紙を給排紙時の案内部として構成され、前記遮蔽部材に、前記給排紙時の前記記録用紙の幅方向の両端部をガイド可能な給紙溝と排紙溝とを有する一対のガイド部材を設け、前記給紙溝、及び前記排紙溝により、前記給紙口、及び前記排紙口を区分けするようにしたので、給紙口、及び排紙口の製造が容易な熱転写プリンタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の熱転写プリンタにインクリボンカセットを装着した状態の要部断面図である。
【図２】本発明の熱転写プリンタの正面図である。
【図３】図２の左側面図である。
【図４】本発明に係わる遮蔽部材の断面図である。
【図５】図４の左側面図である。
【図６】図４の上面図である。
【図７】本発明に係わるインクリボンカセットの要部断面図である。
【図８】図７の右側面図ある。
【図９】本発明のその他の実施の形態を説明する図である

Claims

インクリボンを本体部に収納したインクリボカセットと、このインクリボンカセットを着脱可能なカセット装着部を有するフレームと、このフレームに片持ち支持されたサーマルヘッドと、このサーマルヘッドと対向する位置に設けられて、前記サーマルヘッドに対して接離可能なプテンローラと、前記記録用紙が前記サーマルヘッドに給紙される方向における前記サーマルヘッドの下流側に設けられた紙送りローラとを備えてなる熱転写プリンタであって、前記インクリボンカセットを前記カセット装着部に装着した時、前記フレームと前記インクリボンカセットの前記本体部の底面との間に前記記録用紙を搬送可能な用紙搬送路が形成され、この用紙搬送路に、前記記録用紙の給紙口と排紙口とを前記サーマルヘッドよりも給紙方向上流側の前記フレームの同一面側にそれぞれ設け、前記給紙口の幅寸法は、前記記録用紙の幅寸法と略同等に形成され、前記排紙口の幅寸法は、前記給紙口の幅寸法より大きく形成され、前記給紙口から前記記録用紙を前記用紙搬送路を介して前記サーマルヘッドに給紙を行い、記録後の前記記録用紙を前記排紙口から前記フレームの外に排紙可能としたことを特徴とする熱転写プリンタ。
前記給紙口から前記用紙搬送路を経由して前記サーマルヘッドに給紙された前記記録用紙は、前記紙送りローラを正転、逆転させることにより、前記サーマルヘッドに給紙、及び前記サーマルヘッドから排紙可能としたことを特徴とする請求項１記載の熱転写プリンタ
前記給紙口、及び前記排紙口は、前記フレームの同一面側の上下に隣接してそれぞれ設けられ、前記排紙口を下部に、前記給紙口を前記排紙口の上部に設けたことを特徴とする請求項１、または２記載の熱転写プリンタ。
前記フレームは、上方が天板で遮蔽されると共に、下方が解放され、この解放された下方の一部を遮蔽する遮蔽部材を有し、この遮蔽部材と前記インクリボンカセットの前記底面との間で前記用紙搬送路が形成され、前記遮蔽部材は、前記サーマルヘッドに前記記録用紙を給排紙時の案内部として構成され、前記遮蔽部材に、前記給排紙時の前記記録用紙の幅方向の両端部をガイド可能な給紙溝と排紙溝とを有する一対のガイド部材を設け、前記給紙溝、及び前記排紙溝により、前記給紙口、及び前記排紙口を区分けするようにしたことを特徴とする請求項１、２、または３記載の熱転写プリンタ。