JP3661759B2 - トラクション制御と自動変速制御との協調制御装置 - Google Patents

トラクション制御と自動変速制御との協調制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動輪スリップを抑制するトラクション制御装置(略称;TCS)と、有段変速或いは無段変速が行われる自動変速制御装置と、が共に搭載された車両に適用されるトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トラクション制御と自動変速制御との協調制御装置としては、例えば、特開平9−287489号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この公報には、自動変速機を備えた車両の駆動力制御を、スロットル開度にかかわらず安定して行いながらも変速ショックの増大を抑制することを目的とし、駆動力抑制手段の作動時、ノーマルモードのシフトスケジュールからTCSモードのシフトスケジュールに切り換える変速制御を行い、TCSモードのシフトスケジュールは、低スロットル開度領域ではノーマルモードに比べて高速側で、且つ、ダウンシフトによりエンジン回転数が所定値以上となるように変速線を設定し、高スロットル開度領域ではノーマルモードに比べて低速側に変速線を設定する技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置にあっては、駆動力を抑制するTCS指令信号と、TCS用シフトスケジュールを選択する変速指令信号とが同時に出力されるため、TCS作動に対して変速が遅れ、エンジンストールを確実に回避することができないという問題がある。
【0005】
すなわち、TCS側で燃料カット等により先に応答良く駆動力が抑制されるのに対し、変速制御側では指令出力から実際にダウンシフトが完了するまでの少なくとも変速所要時間分の遅れがある。この遅れにより、同時に2つの指令信号を出力したとしても、TCS制御が応答良く作動することで、ダウンシフトによりエンジン回転数が上昇する前にTCS制御によりエンジン回転数が大幅に低下し、エンジンストールに至ることがある。特に、低μ路走行時等でエンジン回転数が低い状態であるにもかかわらず駆動輪スリップが発生した場合、エンジンストールに至る可能性が大となる。
【0006】
具体例について説明すると、雪道やぬかるみ等の滑りやすい路面において車両を発進させる際に、駆動輪がスリップして加速性能が低下するか、或いは車両を前進させることができなくなるのを防止するスノーモードを備えた自動変速機の変速制御装置としては、運転者のスイッチ操作によりスノーモードを選択すると、自動変速機の1速への変速を禁止して、2速発進させるものが知られている(例えば、特開平3−362号参照)。
【0007】
上記のようにスノーモードを選択すると、1速発進よりトルクの低い2速発進によって車両を発進させることができるので、通常は駆動輪がスリップすることを防止できるようになる。しかしながら、運転者が誤ってアクセルペダルを大きく踏み込んでしまうような場合には、2速発進であっても駆動輪へ伝達されるトルクが大きくなってしまうため、駆動輪がスリップする可能性がある。
【0008】
そこで、このようなスリップを防止するために、燃料カットやスロットルバルブ閉制御や点火時期リタード制御等によりエンジントルクを低減するトラクション・コントロール・システム(TCS)と組み合わせる方法が考えられる。
【0009】
しかしながら、この組み合わせでは、2速発進する場合のエンジン回転数は1速発進の場合よりも低く、この状態でTCSが作動して燃料カット等を行い、エンジントルクを低下させると、エンジン回転数が大幅に低下してエンジンストールが発生する可能性が大きくなるため、これまでは、スノーモードを備えた自動変速機の変速制御装置とTCSとの組み合わせは困難とされていた。
【0010】
なお、駆動輪にスリップが発生した時、TCSを作動させて駆動力を低減する場合に、エンジンストールを回避するために、TCSの作動を禁止したり、また、アップシフトを禁止する技術も公知である。
【0011】
しかしながら、TCSの作動を禁止すると、TCS作動要求に応えることができず、TCSの搭載意義が失われ、大きな駆動輪スリップの発生を許してしまうことになる。また、アップシフトを禁止すると、アップシフトによるエンジン回転数の低下は防止できても、ダウンシフトによる積極的なエンジン回転数の上昇を望めず、TCSの作動に伴いエンジンストールが発生する可能性が残る。
【0012】
本発明は上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、駆動輪スリップが発生した時、低エンジン回転での発進時や走行時であってもTCS作動によるエンジンストールを確実に回避しながら、TCS作動要求に応えて駆動輪スリップの抑制を達成するトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明では、自動変速機を介してエンジンに連結された駆動輪のスリップ相当値が設定しきい値以上であると判定する駆動輪スリップ判定手段と、駆動輪スリップ判定時にトラクション作動指令に基づいて前記エンジンの駆動力を低減する制御を開始する駆動力抑制手段とを備えたトラクション制御装置と、
変速指令に基づいて前記自動変速機の変速比を制御する自動変速制御装置と、が共に搭載された車両において、
最大変速比以外で発進や走行をしている時、前記駆動輪スリップ判定手段により駆動輪スリップ時であると判定されると、先ず、ダウンシフト指令を自動変速制御装置に出力し、ダウンシフトの進行によるエンジン回転数の上昇を待ち、エンジンストールが発生する可能性のないエンジン回転数域までエンジン回転数が上昇すると、エンジンの駆動力を低減する制御を開始するトラクション作動指令を前記駆動力抑制手段に出力する協調制御手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
本発明のうち請求項2記載の発明では、請求項1記載のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置において、
前記協調制御手段を、ダウンシフト指令を出力した時点での車速とエンジン回転数の少なくとも一方により、高車速ほど、また、高エンジン回転ほど長い遅れ時間に設定し、ダウンシフト指令から設定された遅れ時間を経過した後、駆動力抑制手段に対しトラクション作動指令を出力する手段としたことを特徴とする。
【0015】
本発明のうち請求項3記載の発明では、請求項1記載のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置において、
前記協調制御手段を、ダウンシフト指令を出力した時点からのエンジン回転数を監視し、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生することのない第2設定エンジン回転数に達するまで待ち、第2設定エンジン回転数に達したらトラクション作動指令を出力する手段としたことを特徴とする。
【0016】
本発明のうち請求項4記載の発明では、請求項1乃至3の何れか1項に記載のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置において、
前記協調制御手段から自動変速制御装置に出力されるダウンシフト指令を、強制的にダウンシフトさせる変速指令としたことを特徴とする。
【0017】
本発明のうち請求項5記載の発明では、請求項1乃至3の何れか1項に記載のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置において、
変速パターンとして、少なくとも他の変速パターンと比べてダウンシフトしやすいTCS変速パターンを設定し、
前記協調制御手段から自動変速制御装置に出力されるダウンシフト指令を、その時点で選択されている変速パターンに代えTCS変速パターンを選択するパターン変更指令としたことを特徴とする。
【0018】
本発明のうち請求項6記載の発明では、請求項1乃至5の何れか1項に記載のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置において、
駆動スリップ条件が成立した時点でのエンジン回転数が、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生する可能性のないエンジン回転数域である場合、ダウンシフトによる協調制御を行うことなく、直ちにトラクション作動指令を駆動力抑制手段に出力する手段としたことを特徴とする。
【0019】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の発明の作用および効果を説明する。
【0020】
トラクション制御装置の基本作用は、駆動輪スリップが発生する発進時や走行時、駆動輪スリップ判定手段において、自動変速機を介してエンジンに連結された駆動輪のスリップ相当値が設定しきい値以上であると判定されると、駆動力抑制手段において、トラクション作動指令に基づいてエンジンの駆動力を低減する制御が開始される。
【0021】
自動変速制御装置の基本作用は、車両の走行状態(例えば、車速)や運転状態(例えば、スロットル開度)が変化すると、車両の走行状態と運転状態に適した目標変速比を得る変速指令(アップシフト指令やダウンシフト指令)に基づいて自動変速機の変速比が制御される。
【0022】
そして、最大変速比以外で発進や走行をしている時、駆動輪スリップ判定手段により駆動輪スリップ時であると判定されると、協調制御手段において、先ず、ダウンシフト指令が自動変速制御装置に出力され、ダウンシフトの進行によりエンジンストールが発生する可能性のないエンジン回転数域までエンジン回転数が上昇するまで待たれ、エンジンの駆動力を低減する制御を開始するトラクション作動指令が駆動力抑制手段に出力される。
【0023】
すなわち、協調制御では、駆動輪スリップ判定→ダウンシフト指令→エンジン回転数上昇待ち→トラクション作動指令という流れとなり、駆動輪スリップが発生した時、トラクション作動指令に先行してダウンシフト指令が出力され、しかも、ダウンシフトによりエンジン回転数の上昇が待たれるため、低エンジン回転での発進時や走行時であってもTCS作動によるエンジンストールを確実に回避することができる。さらに、エンジン回転数が上昇すると直ちにトラクション作動指令が出されるため、TCS作動要求に応えて駆動輪スリップの抑制が達成される。
【0024】
よって、駆動輪スリップが発生した時、低エンジン回転での発進時や走行時であってもTCS作動によるエンジンストールを確実に回避しながら、TCS作動要求に応えて駆動輪スリップの抑制を達成することができる。
【0025】
請求項2記載の発明の作用および効果を説明する。
【0026】
協調制御手段において、ダウンシフト指令を出力した時点での車速とエンジン回転数の少なくとも一方により、高車速ほど、また、高エンジン回転ほど長い遅れ時間に設定され、ダウンシフト指令から設定された遅れ時間を経過した後、駆動力抑制手段に対しトラクション作動指令が出力される。
【0027】
すなわち、ダウンシフト指令からダウンシフトが完了するまでの変速所要時間は、高車速ほど、また、高エンジン回転ほど長い時間となる。
【0028】
よって、ダウンシフト指令を出力した時点からトラクション制御の作動を開始するまでの遅れ時間を、ダウンシフトが完了するまでの変速所要時間とほぼ一致する設定とすることもできるし、変速所要時間より少し短い時間の設定とすることもできる。つまり、タイマー管理によりエンジンストールを確実に回避するトラクション制御の開始タイミングを得ることができる。
【0029】
請求項3記載の発明の作用および効果を説明する。
【0030】
協調制御手段において、ダウンシフト指令を出力した時点からのエンジン回転数が監視され、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生することのない第2設定エンジン回転数に達するまで待たれ、第2設定エンジン回転数に達したらトラクション作動指令が出力される。
【0031】
すなわち、トラクション制御を待つのはエンジンストールの確実な回避を目指すためである。一方、トラクション作動要求が出ている以上、なるべく早くトラクション制御を開始したい。そこで、これら2つの要求をうまく両立させるため、エンジン回転数を監視してトラクション制御の開始時期を決めるようにした。
【0032】
よって、エンジン回転数監視により、エンジンストールを確実に回避しながら、ダウンシフト指令から最短の遅れ時間が経過した時点を、トラクション制御の開始タイミングとすることができる。
【0033】
請求項4記載の発明の作用および効果を説明する。
【0034】
協調制御手段から自動変速制御装置に出力されるダウンシフト指令が、強制的にダウンシフトさせる変速指令とされる。
【0035】
よって、ダウンシフトしやすい変速パターンを選択する場合には、その時の運転点によってはダウンシフト指令から遅れて変速が開始されることがあるが、強制的なダウンシフト指令の場合、常にダウンシフト指令から遅れることなく変速が開始され、トラクション制御の開始時期を早めることができる。
【0036】
請求項5記載の発明の作用および効果を説明する。
【0037】
変速パターンとして、少なくとも他の変速パターンと比べてダウンシフトしやすいTCS変速パターンが設定され、協調制御手段から自動変速制御装置に出力されるダウンシフト指令が、その時点で選択されている変速パターンに代えTCS変速パターンを選択するパターン変更指令とされる。
【0038】
よって、2速固定によるスノーモードの変速パターンが設定されている時、駆動輪スリップの発生に基づいてTCS変速パターンを選択すると、2速→1速のダウンシフトが行われるように、変速パターンの変更によりダウンシフトを実行させることができる。
【0039】
請求項6記載の発明の作用および効果を説明する。
【0040】
駆動スリップ条件が成立した時点でのエンジン回転数が、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生する可能性のないエンジン回転数域である場合、ダウンシフトによる協調制御を行うことなく、直ちにトラクション作動指令がトラクション制御装置に出力される。
【0041】
よって、実際にエンジンストールが発生するような必要時にのみ、ダウンシフトによる協調制御が行われ、それ以外の時には、直ちにトラクション制御が開始されるため、無用なダウンシフトによる変速ショックを防止できるばかりでなく、エンジンストール回避制御が不必要な時に駆動スリップを応答良く抑制することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0043】
(実施の形態1)
まず、構成を説明する。
【0044】
実施の形態1は請求項1、請求項2,請求項4に記載の発明に対応するトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置であり、図1は実施の形態1のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置が適用された車両を示す全体システム図である。
【0045】
TCSコントローラ1(トラクション制御装置)は、マイクロコンピュータ等により構成され、車輪速センサ12FR,12FL,12RR,12RLそれぞれからの右前輪速VWFR,左前輪速VWFL,右後輪速VWRR,左後輪速VWRL及びスロットル開度センサ11からの第1スロットル開度TVOが入力情報としてもたれされ、駆動輪スリップ判定時にENGコントローラ5に対し燃料カットによる駆動力制御要求と、スロットルアクチュエータ9に対しスロットル閉による駆動力制御要求が出力される。
【0046】
前記ENGコントローラ5では、TCSコントローラ1からの駆動力制御要求を入力すると、例えば、エンジン4の1/2気筒分の供給燃料がカットされ、エンジン駆動力を低減する。
【0047】
前記スロットル開度センサ11は、アクセルペダル7に応動して開度が制御される第1スロットル弁8の第1スロットル開度TVOを検出する。この第1スロットル弁8が設けられた吸気管には直列に第2スロットル弁10が設けられ、この第2スロットル弁10はスロットルアクチュエータ9によりその開度が制御される。前記スロットルアクチュエータ9がTCSコントローラ1からの駆動力制御要求を入力すると、第2スロットル弁10が第1スロットル開度TVOより小さな第2スロットル開度THRとされ、エンジン駆動力を低減する。
【0048】
前記車輪速センサ12FR,12FL,12RR,12RLは、従動輪である右前輪FR及び左前輪FLと、駆動輪である右後輪RRと左後輪RLのそれぞれの車輪速を検出するセンサで、右前輪速VWFR,左前輪速VWFL,右後輪速VWRR,左後輪速VWRLによる車輪速情報は、TCSコントローラ1において、駆動輪スリップを判定するための情報となる。
【0049】
ATコントローラ2(自動変速制御装置)は、マイクロコンピュータ等により構成され、スロットル開度センサ11からの第1スロットル開度TVO、車速算出部14からの車速VSP、モード切換スイッチ13からのモードスイッチ信号が入力情報としてもたれされ、自動変速機6のコントロールバルブユニットに設けられた図外のシフトソレノイドに対し変速指令が出力される。
【0050】
前記車速算出部14は、車輪速センサ12RR,12RLからの右後輪速VWRRと左後輪速VWRLを入力し、両値VWRR,VWRLの平均値をとる演算により車速VSPが算出される。
【0051】
前記モード切換スイッチ13は、ATコントローラ2に車速VSPと第1スロットル開度TVOをパラメータとして各変速段の領域が設定されたノーマルモードの変速パターン(図5参照)とスノーモードの変速パターン(図6参照)が予め設定されていて、運転者のスイッチ操作により何れかの変速パターンを選択できるようになっている。
【0052】
TCS&AT協調コントローラ3(協調制御手段)は、マイクロコンピュータ等により構成され、エンジン回転数センサ15からのエンジン回転数NEと、車速算出部14からの車速VSPと、TCSコントローラ1からのTCS制御開始判定信号と、ATコントローラ2からの変速段信号及びモードスイッチ信号が入力情報としてもたらされ、ATコントローラ2に対しダウンシフト指令を出力すると共に、TCSコントローラ1に対しトラクション作動指令を出力する。
【0053】
次に、作用を説明する。
【0054】
[協調制御作動処理]
図2はTCSコントローラ1及びTCS&AT協調コントローラ3で行われるトラクションと自動変速の協調制御作動処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0055】
ステップ20では、各車輪速センサ12FR,12FL,12RR,12RLからの出力により右前輪速VWFR,左前輪速VWFL,右後輪速VWRR,左後輪速VWRLが読み込まれ、ステップ21へ進む。
【0056】
ステップ21では、従動輪平均速VWFが、VWF=(VWFR+VWFL)/2の演算により算出され、ステップ22へ進む。
【0057】
ステップ22では、駆動輪平均速VWRが、VWR=(VWRR+VWRL)/2の演算により算出され、ステップ23へ進む。
【0058】
ステップ23では、駆動輪平均速VWRと従動輪平均速VWFとの差が駆動輪のスリップ相当値として演算され、この演算値が設定しきい値α以上かどうかが判断される(駆動輪スリップ判定手段に相当)。ここで、設定しきい値αは、固定値で与えても良いし、また、車速VSPに応じて高車速であるほど大きな値となる可変値により与えても良い。
【0059】
このステップ20〜ステップ23の処理は、TCSコントローラ1での処理であり、ステップ23でYESと判断されたら、TCS制御開始判定信号がTCS&AT協調コントローラ3に出力され、ステップ30以降の処理が行われる。
【0060】
ステップ30では、ATコントローラ2からの変速段信号及びモードスイッチ信号に基づいて、変速段が2速以上、または、スノーモード選択時(2速)かどうかが判断され、YESの場合にはステップ31へ進み、NOの場合にはステップ35へ進む。
【0061】
ステップ31では、ステップ30で変速段が2速以上であると判断されると、ATコントローラ2に対し強制的に変速段を1速下の変速段に下げるダウンシフト指令(2→1や3→2等)が出力され、ステップ32へ進む。
【0062】
ステップ32では、遅れ時間タイマー値TMが、車速VSPとエンジン回転数NEの関数により、車速VSPが高車速ほど、また、エンジン回転数NEが高エンジン回転ほど長い遅れ時間に設定され、ステップ33へ進む。
【0063】
ステップ33では、遅れ時間タイマー値TMが、TM=TM−1に式により、ステップ33で処理される毎に1づつ減算され、ステップ34へ進む。
【0064】
ステップ34では、遅れ時間タイマー値TMがTM=0、つまり、ステップ32にて設定された遅れ時間タイマー値TMによる時間が経過したかどうかが判断され、NOの場合はステップ33へ戻り、YESの場合はステップ35へ進む。
【0065】
ステップ35では、ステップ34でYESと判断されると、TCSコントローラ1に対しトラクション作動指令が出力される。
【0066】
このステップ30〜ステップ35が、TCS&AT協調コントローラ3で行われる協調制御である。
【0067】
[協調制御作用]
まず、トラクション制御装置と自動変速制御装置とが互いに独立に制御される装置である場合、トラクション制御装置の基本作用は、駆動輪スリップが発生する発進時や走行時、図2のステップ23において、自動変速機6を介してエンジン4に連結された左右後輪RR,RLのスリップ相当値(VWR−VWF)が設定しきい値α以上であると判定されると、トラクション作動指令に基づいてエンジンの駆動力を燃料カットや第2スロットル弁10の閉制御により低減するトラクション制御が開始される。
【0068】
一方、自動変速制御装置の基本作用は、車速VSPや第1スロットル開度TVOが変化すると、車速VSPと第1スロットル開度TVOによる運転点が変速パターン上で変速線を横切ったかどうかが検索され、変速線を横切った場合、横切る前の変速段から横切った後の変速段に切り換えるアップシフト指令やダウンシフト指令に基づいて自動変速機6の変速段が制御される。
【0069】
次に、トラクションと自動変速の協調制御が行われる本実施の形態1における装置の場合、下記に述べる協調制御作用が行われる。
【0070】
まず、図2のステップ23において、駆動輪スリップ時であると判定されてもステップ30において、変速段が1速状態である判断されると、ステップ20→ステップ21→ステップ22→ステップ23→ステップ30→ステップ35へと進む流れとなり、駆動輪スリップの判定に基づき直ちにエンジンの駆動力を低減するトラクション制御が開始される。
【0071】
そして、図2のステップ23において、駆動輪スリップ時であると判定され、しかも、ステップ30において、変速段が1速以上の状態である判断されると、ステップ23からステップ30〜ステップ35へと進む流れとなり、協調制御が行われる。
【0072】
この協調制御は、先ず、ステップ31において、強制的に変速させるダウンシフト指令がATコントローラ2に出力され、ステップ32〜ステップ34において、ダウンシフトの進行によりエンジンストールが発生する可能性のないエンジン回転数域までエンジン回転数が上昇するまで待たれ、ステップ35において、エンジンの駆動力を低減する制御を開始するトラクション作動指令がTCSコントローラ1に出力される。
【0073】
すなわち、協調制御では、駆動輪スリップ判定(ステップ23)→ダウンシフト指令(ステップ31)→エンジン回転数上昇待ち(ステップ32〜34)→トラクション作動指令(ステップ35)という流れとなる。
【0074】
この協調制御作用を図3に示すタイムチャートにより説明すると、駆動輪スリップの発生によりTCS制御開始判定信号がoffからonになると(t1)、トラクション作動指令による燃料カットに先行して2速から1速へ変速するダウンシフト指令が出力され、しかも、ダウンシフトが1速への変速が完了する直前まで待たれ(t2)、この遅れ時間(t2−t1)を経過した時点で燃料カットによるトラクション制御が行われる。
【0075】
このように、TCS制御開始判定信号の出力から遅れ時間(t2−t1)だけトラクション制御の開始が待たれるため、図3のエンジン回転数特性に示すように、この遅れ時間(t2−t1)の間にエンジン回転数が上昇し、その後、燃料カットによりエンジン回転数が低下してもエンジンストール回転数以下まで低下することがなく、低エンジン回転での発進時や走行時であってもTCS作動によるエンジンストールを確実に回避することができる。
【0076】
さらに、エンジン回転数が十分に上昇すると、その時点t2で直ちにトラクション作動指令が出されて燃料カットが行われるため、図3の前後輪回転数差特性に示すように、TCS作動要求に応えて駆動輪スリップを設定しきい値α以下に抑えるスリップ抑制が達成される。
【0077】
ステップ32〜ステップ34においては、ダウンシフト指令を出力した時点での車速VSPとエンジン回転数NEにより、高車速ほど、また、高エンジン回転ほど長い遅れ時間に設定され、ダウンシフト指令から設定された遅れ時間を経過した後、TCSコントローラ1に対しトラクション作動指令が出力される。
【0078】
ここで、車速VSPとエンジン回転数NEにより遅れ時間を設定する理由は、ダウンシフト指令からダウンシフトが完了するまでの変速所要時間は、高車速ほど、また、高エンジン回転ほど長い時間となることによる。
【0079】
つまり、車速VSPとエンジン回転数NEにより変速所要時間を推定しながら遅れ時間を設定することになり、ダウンシフト指令を出力した時点からトラクション制御の作動を開始するまでの遅れ時間を、ダウンシフトが完了するまでの変速所要時間とほぼ一致する設定とすることもできるし、変速所要時間より少し短い時間の設定とすることもできる。この実施の形態1では、変速完了の直前で十分にエンジン回転数が上昇することから、変速所要時間より少し短い時間を遅れ時間として設定している。
【0080】
次に、効果を説明する。
【0081】
(1) TCS&AT協調コントローラ3において、1速以外の変速段で発進や走行をしている時、駆動輪スリップ時であると判定されると、先ず、ダウンシフト指令がATコントローラ2に出力され、ダウンシフトの進行によりエンジンストールが発生する可能性のないエンジン回転数域までエンジン回転数が上昇するまで待たれ、エンジン4の駆動力を低減する制御を開始するトラクション作動指令がTCSコントローラ1に出力されるため、駆動輪スリップが発生した時、低エンジン回転での発進時や走行時であってもTCS作動によるエンジンストールを確実に回避しながら、TCS作動要求に応えて駆動輪スリップの抑制を達成することができる。
【0082】
(2) TCS&AT協調コントローラ3において、ダウンシフト指令を出力した時点での車速VSPとエンジン回転数NEにより、高車速ほど、また、高エンジン回転ほど長い時間による遅れ時間タイマー値TMに設定され、ダウンシフト指令から設定された遅れ時間タイマー値TMによる時間を経過した後、TCSコントローラ1に対しトラクション作動指令が出力されるため、タイマー管理によりエンジンストールを確実に回避するトラクション制御の開始タイミングを得ることができる。
【0083】
(3) TCS&AT協調コントローラ3からATコントローラ2に出力されるダウンシフト指令が、強制的にダウンシフトさせる変速指令であるため、ダウンシフトしやすい変速パターンを選択する場合には、その時の運転点によってはダウンシフト指令から遅れて変速が開始されることがあるが、強制的なダウンシフト指令の場合、常にダウンシフト指令から遅れることなく変速が開始され、トラクション制御の開始時期を早めることができる。
【0084】
(実施の形態2)
実施の形態2は請求項3,請求項5,請求項6に記載の発明に対応するトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置である。
【0085】
構成については、図1に示す実施の形態1の構成と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0086】
次に、作用を説明する。
【0087】
[協調制御作動処理]
図4はTCSコントローラ1及びTCS&AT協調コントローラ3で行われるトラクションと自動変速の協調制御作動処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0088】
ステップ20〜ステップ23は、図2に示すステップ20〜ステップ23と同様であるので説明を省略する。
【0089】
ステップ40では、ステップ23での駆動スリップ条件が成立した時点でのエンジン回転数NEが、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生する可能性のある第1設定エンジン回転数NE1以下であるかどうかが判断され、YESの場合はステップ41へ進み、NOの場合はステップ45へ進む。
【0090】
ステップ41では、ATコントローラ2からの変速段信号及びモードスイッチ信号に基づいて、変速段が2速以上、または、スノーモード選択時(2速)かどうかが判断され、YESの場合にはステップ43へ進み、NOの場合にはステップ42へ進む。
【0091】
ステップ42では、エンジン回転数NEがNE≦NE1であり、且つ、変速段がダウンシフトの余地がない1速であり、トラクション作動を行えばエンジンストールの可能性が高いため、トラクション作動が禁止される。
【0092】
ステップ43では、ステップ41で変速段が2速以上であると判断されると、ATコントローラ2に対し強制的に変速段を1速下の変速段に下げるダウンシフト指令(2→1や3→2等)が出力され、また、ステップ41でスノーモード選択時あると判断されると、スノーモードからTCSモードの変速パターンに切り換えるダウンシフト指令が出力され、ステップ44へ進む。
【0093】
ここで、ATコントローラ2には、車速VSPと第1スロットル開度TVOをパラメータとして、図5に示すように、通常走行を基準として各変速段の領域が設定されたノーマルモードの変速パターンと、図6に示すように、ノーマルモードにおける1速の使用領域を全て2速の使用領域としているスノーモードの変速パターンと、第1スロットル開度TVOが低い領域はノーマルモード変速線より高速側で、第1スロットル開度TVOが高い領域はノーマルモード変速線より低速側に設定された変速線を有するTCSモードの変速パターンとが予め設定されていて、モード切換スイッチ13へのスイッチ操作によりノーマルモードとスノーモードの変速パターンを選択され、スノーモードの選択時に駆動輪スリップが発生すると、TCSモードに切り換えられる。
【0094】
ステップ44では、エンジン回転数NEが、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生することのない第2設定エンジン回転数NE2以上かどうかが判断され、NE≧NE1の条件が成立するまで一定周期毎に判断は繰り返され、NE≧NE1の条件が成立すると、ステップ45へ進む。
【0095】
ステップ45では、ステップ34でYESと判断されると、TCSコントローラ1に対しトラクション作動指令が出力される。
【0096】
このステップ40〜ステップ45が、TCS&AT協調コントローラ3で行われる協調制御である。
【0097】
[協調制御作用]
図4のステップ44において、ダウンシフト指令を出力した時点からのエンジン回転数NEが監視され、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生することのない第2設定エンジン回転数NE2に達するまで待たれ、第2設定エンジン回転数NE2に達したらステップ45へ進み、トラクション作動指令が出力される。
【0098】
すなわち、トラクション制御を待つのはエンジンストールの確実な回避を目指すためである。一方、トラクション作動要求が出ている以上、なるべく早くトラクション制御を開始したい。そこで、これら2つの要求をうまく両立させるため、エンジン回転数NEを監視してトラクション制御の開始時期を決めるようにしている。
【0099】
変速パターンとして、ダウンシフトしやすいTCSモードの変速パターンが設定され、TCS&AT協調コントローラ3からATコントローラ2に出力されるダウンシフト指令が、その時点で選択されているスノーモードの変速パターンに代えTCSモードの変速パターンを選択するパターン変更指令とされるため、パターン変更指令により、2速→1速のダウンシフトが行われる。
【0100】
ステップ23の駆動スリップ条件が成立した時点でのエンジン回転数NEが、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生する可能性のないエンジン回転数域(NE>NE1)である場合、ステップ40からステップ45へと進み、ダウンシフトによる協調制御を行うことなく、直ちにトラクション作動指令がTCSコントローラ1に出力される。
【0101】
次に、効果を説明する。
【0102】
(4) ステップ44において、ダウンシフト指令を出力した時点からのエンジン回転数NEが監視され、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生することのない第2設定エンジン回転数NE2に達するまで待たれ、第2設定エンジン回転数NE2に達したらトラクション作動指令が出力されるため、エンジンストールを確実に回避しながら、ダウンシフト指令から最短の遅れ時間が経過した時点を、トラクション制御の開始タイミングとすることができる。
【0103】
(5) 変速パターンとして、ダウンシフトしやすいTCSモードの変速パターンが設定され、TCS&AT協調コントローラ3からATコントローラ2に出力されるダウンシフト指令が、その時点で選択されているスノーモードの変速パターンに代えTCS変速パターンを選択するパターン変更指令とされるため、変速パターンの変更によりダウンシフトを実行させることができる。
【0104】
(6) ステップ23での駆動スリップ条件が成立した時点でのエンジン回転数NEが、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生する可能性のないエンジン回転数域(NE>NE1)である場合、ダウンシフトによる協調制御を行うことなく、直ちにトラクション作動指令がTCSコントローラ1に出力されるため、実際にエンジンストールが発生するような必要時にのみ、ダウンシフトによる協調制御が行われ、それ以外の時には、直ちにトラクション制御が開始されるため、無用なダウンシフトによる変速ショックを防止できるばかりでなく、エンジンストール回避制御が不必要な時に駆動スリップを応答良く抑制することができる。
【0105】
(その他の実施の形態)
実施の形態1,2では、TCS&AT協調コントローラ3をTCSコントローラ1とATコントローラ2に対し独立のコントローラとして設ける例を示したが、TCSコントローラ1内にTCS&AT協調制御部を追加しても良いし、また、ATコントローラ2内にTCS&AT協調制御部を追加しても良い。
【0106】
実施の形態1,2では、自動変速機として有段変速機を用いる例を示したが、ベルト式やトロイダル式等の無段変速機を用いても良い。
【0107】
実施の形態1では、車速とエンジン回転数によるタイマー管理にてTCS作動のタイミングをとる例を示し、実施の形態2では、エンジン回転数の監視によりTCS作動のタイミングをとる例を示したが、変速機の入出力回転数の比である変速比を測定し、変速の進行を測定変速比の変化により監視しながらTCS作動のタイミングをとるようにしても良いし、また、エンジン回転数に相当する値である変速機入力回転数を監視しながらTCS作動のタイミングをとる例としても良い。
【0108】
実施の形態1,2では、ダウンシフト指令によりダウンシフトさせる構成として、強制的に変速指令を出す例と、変速パターンを変更する例を示したが、変速パターンの変速線自体を変更する例としても良い。
【0109】
実施の形態1,2では、駆動輪スリップを検出するスリップ状態として、駆動輪と従動輪の速度差である前後輪回転速度差とする例を示したが、駆動輪スリップ率や駆動輪加速度等のように他のスリップ情報を用いて駆動輪スリップを検出する例としても良い。
【0110】
実施の形態2において、第1エンジン回転数設定値NE1と第2エンジン回転数設定値NE2は、固定値により与えても良いが、TCSのトルクダウン量はスリップ状態(例えば、駆動輪加速度)により異なるため、第1エンジン回転数設定値NE1と第2エンジン回転数設定値NE2もスリップ状態により変更する可変値により与えても良い。この可変値で与えた場合、スリップ状態(或いはトルクダウン量)にかかわらず、最適のエンジン回転数設定値NE1,NE2を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置が適用された車両を示す全体システム図である。
【図2】実施の形態1のTCSコントローラ1及びTCS&AT協調コントローラ3で行われるトラクション制御と自動変速制御の協調制御作動処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1のトラクション制御と自動変速制御との協調制御作用を示すタイムチャートである。
【図4】実施の形態2のTCSコントローラ1及びTCS&AT協調コントローラ3で行われるトラクション制御と自動変速制御の協調制御作動処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施の形態2のATコントローラ2に設定されているノーマルモードの変速パターンを示す図である。
【図6】実施の形態2のATコントローラ2に設定されているスノーモードの変速パターンを示す図である。
【図7】実施の形態2のATコントローラ2に設定されているTCSモードの変速パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 TCSコントローラ(トラクション制御装置)
2 ATコントローラ(自動変速制御装置)
3 TCS&AT協調コントローラ(協調制御手段)
4 エンジン
5 ENGコントローラ
6 自動変速機
7 アクセルペダル
8 第1スロットル弁
9 スロットルアクチュエータ
10 第2スロットル弁
11 スロットル開度センサ
12FR,12FL,12RR,12RL 車輪速センサ
13 モード切換スイッチ
14 車速算出部
15 エンジン回転数センサ
FR 右前輪
FL 左前輪
RR 右後輪
RL 左後輪

Claims (6)

  1. 自動変速機を介してエンジンに連結された駆動輪のスリップ相当値が設定しきい値以上であると判定する駆動輪スリップ判定手段と、駆動輪スリップ判定時にトラクション作動指令に基づいて前記エンジンの駆動力を低減する制御を開始する駆動力抑制手段とを備えたトラクション制御装置と、
    変速指令に基づいて前記自動変速機の変速比を制御する自動変速制御装置と、が共に搭載された車両において、
    最大変速比以外で発進や走行をしている時、前記駆動輪スリップ判定手段により駆動輪スリップ時であると判定されると、先ず、ダウンシフト指令を自動変速制御装置に出力し、ダウンシフトの進行によるエンジン回転数の上昇を待ち、エンジンストールが発生する可能性のないエンジン回転数域までエンジン回転数が上昇すると、エンジンの駆動力を低減する制御を開始するトラクション作動指令を前記駆動力抑制手段に出力する協調制御手段を設けたことを特徴とするトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置。
  2. 請求項1記載のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置において、
    前記協調制御手段を、ダウンシフト指令を出力した時点での車速とエンジン回転数の少なくとも一方により、高車速ほど、また、高エンジン回転ほど長い遅れ時間に設定し、ダウンシフト指令から設定された遅れ時間を経過した後、駆動力抑制手段に対しトラクション作動指令を出力する手段としたことを特徴とするトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置。
  3. 請求項1記載のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置において、
    前記協調制御手段を、ダウンシフト指令を出力した時点からのエンジン回転数を監視し、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生することのない第2設定エンジン回転数に達するまで待ち、第2設定エンジン回転数に達したらトラクション作動指令を出力する手段としたことを特徴とするトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置において、
    前記協調制御手段から自動変速制御装置に出力されるダウンシフト指令を、強制的にダウンシフトさせる変速指令としたことを特徴とするトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置。
  5. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置において、
    変速パターンとして、少なくとも他の変速パターンと比べてダウンシフトしやすいTCS変速パターンを設定し、
    前記協調制御手段から自動変速制御装置に出力されるダウンシフト指令を、その時点で選択されている変速パターンに代えTCS変速パターンを選択するパターン変更指令としたことを特徴とするトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置において、
    駆動スリップ条件が成立した時点でのエンジン回転数が、トラクション制御装置が作動してもエンジンストールが発生する可能性のないエンジン回転数域である場合、ダウンシフトによる協調制御を行うことなく、直ちにトラクション作動指令を駆動力抑制手段に出力する手段としたことを特徴とするトラクション制御と自動変速制御との協調制御装置。
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