JP3656969B2 - 画像形成装置の給紙装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、プロッタなどの画像形成装置、とくにその記録材給送装置に関するものである。
【０００２】
【従来技術】
上記のような周知の画像形成装置あっては、予め所定のサイズにカットしてある記録材と、ロール状に巻回されていて記録終了後に所定サイズにカットして行くような長尺の記録材とを適宜選択使用できるものが提案されている。
【０００３】
上記のような、カット紙とロール紙とを選択的に給送できる装置では搬送路が１個の場合と複数個の場合とがあることは良く知られているとおりである。これらについて、以下、「図７」、「図８」によって略述する。
【０００４】
これらの図は画像形成装置の記録材給送部位を示す概略側断面図であって、「図７」はカット紙、ロール紙を同一の搬送路を経て給送するものである。画像形成装置の操作者側にはカバー９が配設してあり、その内部にロール状に巻回された記録材１１が収納されており、該カバー９の上面はカット紙を給送するための台となっている。
【０００５】
前記カバー９近傍に配置したガイド板１２、ガイド８の端部が互いに近接配置となって搬送路２６を形成している。カット紙２２は図示矢印Ａ方向に、ロール紙１１から巻きほどかれたロール紙先端は図示矢印Ｂ方向に夫々進行して、前記搬送路２６を経て駆動ローラ１と、ホルダ４に支持さればね５によって前記駆動ローラ１に圧接する搬送コロ２とによって挟持されて走行し、記録ヘッド１４を具備する画像形成位置に至る。
【０００６】
「図８」はロール紙１１の搬送路と、カット紙２２のそれを上流側位置で格別に分離形成したものである。前述の搬送路２６を形成するガイド板１２とガイド８との間に分離部材１０を配設し、該部材１０上面と前記ガイド板１２との間に搬送路２６を、また、分離部材１０下面と前記ガイド８との間に搬送路２７を夫々形成してある。
【０００７】
カット紙２２は矢印Ａ方向に搬送路２６を経て駆動ローラ１に供給されさらに画像形成部位に至るものとする。前記搬送路２７適所には、駆動源２５によって駆動されるローラ対３ａが配設してあり、巻きほどかれたロール紙がこれに挟持されて進行し、搬送路２７、駆動ローラ１を経て画像形成装置に至る。前記ローラ対３ａは、ロール紙不使用時には、その先端を把持して次の発動時まで待機する。
【０００８】
一般にこの種の画像形成装置にあっては、供給する記録材が進行中斜行しないようにすることが必須であるが、とくに「図７」に示すような装置でカット紙とロール紙とを交互に使用するような場合には、その都度、記録材の先端の位置の整合をはかる必要があるので手間がかかり、作業能率に著しく影響することを免れない。
【０００９】
また「図８」に示す装置のロール紙先端をローラで把持するような手段も、ローラの単品精度、取付位置精度等に高度のものが要求されてコスト面の問題が生ずる。さらに、カット紙、ロール紙別に複数の搬送路を設けて夫々の駆動源によって記録材の搬送を行うような手段もあるが、このようなものも当然上記のような問題を抱えることになり好ましくない。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事態に対処すべくなされたものであって、特に大判の記録材を用いる画像形成装置において、カット紙を搬送するにあたってはロール紙の先端を確実に保持し、ロール紙を開放することによってカット紙とロール紙とを選択的に搬送できる記録材給送装置を、構成が簡単で高精度且つ低コストで実現することを目的とするものである。
【００１１】
【課題を解決する技術手段、その作用】
上記の目的を達成するため、本発明は、駆動ローラと、これに接離方向に弾性的に揺動自在のコロをそなえ、前記駆動ローラと前記コロとの対向位置を通過した後、前記駆動ローラに沿って記録材を搬送する一つの搬送路をそなえた画像形成装置の給紙装置において、記録材搬送方向にみて前記対向位置よりも上流側にカット紙搬送路とロール紙搬送路とを格別に設けるととともに、カット紙またはロール紙を前記一つの搬送路に選択的に誘導させる切替部材を備えたことを特徴とする画像形成装置の給紙装置（１）、または、
上記（１）のものにおいて、カット紙搬送時には揺動自在のコロを駆動ローラから離隔して該駆動ローラと前記コロとの間にカット紙通路を形成し、ロール紙搬送時には駆動ローラ外周面よりも半径方向内方移動して前記駆動ローラと前記コロとの間にロール紙通路を形成する切替部材をそなえたことを特徴とする画像形成装置の給紙装置（２）、または、
上記（２）記載のものにおいて、替部材の少なくとも一部を駆動ローラ外周面よりも半径方向に内方に移動する手段が、駆動ローラ外周方向に形成した少なくとも１個の環状の溝と、これに係脱するように切替部材に設けた少なくとも１個の凸部とからなることを特徴とする画像形成装置の給紙装置（３）、または、
上記（２）のものにおいて、カット紙搬送時には、揺動自在のコロに圧接する切替部材の凸部が後続するロール紙の先端把持部位を構成することを特徴とする画像形成装置の給紙装置（４）、または、
上記（４）のものにおいて、コロが切替部材の凸部に当接する部位において、該コロに高摩擦部位を形成してなることを特徴とする画像形成装置の給紙装置（５）、または、
上記（５）のものにおいて、切替部材凸部の、コロに当接する部位を高摩擦面に形成してなることを特徴とする画像形成装置の給紙装置（６）、または、
上記（１）乃至（６）のいずれかのものにおいて、駆動ローラに接離してカット紙搬送路とロール紙搬送路とを選択的に形成するコロが駆動ローラ円周方向に複数個配設してなることを特徴とする画像形成装置の給紙装置（７）である。
【００１２】
このような構成によって、簡単な構成、高精度、低コストでカット紙とロール紙とを選択的に画像形成部位に搬送できる画像形成装置の給紙装置を提供することができる。
【００１３】
【実施例の説明】
「図１」は本発明を適用したプロッタの、とくに記録材搬送部位を示す要部の斜視図である。カバー９内のロール紙乃至カバー９上に載置されたカット紙が図示右下方から左上方に進行し、駆動モータ３０によって駆動される駆動ローラ１に沿って進行して不図示の画像形成部位に達するものとする。駆動ローラ１の外周に沿って後述するホルダ４が配設してあって、これによって駆動ローラ１位置に達した記録材を該ローラに沿って進行させるものとする。
【００１４】
前記駆動ローラ１には、各サイズの記録材の巾方向長さに対応できるような位置に複数個の溝１８が形成してあり、これに対向する位置に、後述するように、制御コロ３を備えた揺動自在のコロ台６が駆動ローラ１に弾性的に当接している。
【００１５】
「図１」にみるように、装置本体の図示右端カット紙搬送モードとロール紙搬送モードを切り替える切替レバー３１が配設してあり、これを操作することによって切替部材１０を揺動して両搬送モードを切り替えるものとする。
【００１６】
「図２」は装置本体の、駆動ローラ１の１つの溝１８に相当する位置で示した駆動ローラ１、搬送路２６、２７近傍部位の側断面図である。カット紙は図示矢印Ａ方向に搬送路２６を進行し、ロール紙は図示矢印Ｂ方向に搬送路２７を進行して駆動ローラ１に当接するものとする。
【００１７】
「図３」は前記コロ台６の斜視図である。該コロ台６は軸２９によって揺動自在に枢着してあり、その一方の端部には制御コロ３が設けてあり、該コロ３は、図示の場合、コロ台６に固定されたコロ軸３３に回転自在に配設された２個のコロ３４と、それらの間にあってゴムなどの高摩擦材からなる非回転のロール紙制御体３５とからなっている。該制御体３５は種々な外形をとり得るが、その外周が前記コロ３４の外周よりも内側（半径方向にみて）にあるようにするのが好適である。また、前記コロ台６の他方の端部には、一方の端部を装置本体適所に係止したばね７の他方の端部が係止してあり、これによって前記コロ３を駆動ローラ１に圧接するように回動習性を付与している。
【００１８】
前述の切替部材１０の、前記各搬送路２６、２７の下流側に対応する端部には、駆動ローラ１の前記みぞ１８に相当する位置に櫛歯状に凸部１９が形成してある。該凸部１９の巾は、この部分が前記みぞ１８に自由に進入、退避できる程度となっているものとする。また「図２」からわかるように、前記凸部１９は、駆動ローラ１に前記コロ３が当接する位置で、且つ前記制御体３５に整合する位置をとるようにその位置が設定してある。
【００１９】
「図２」によってローラ１と、切替部材１０と、コロ３との位置関係ついて説明する。切替部材１０が図示の位置にあるときには、該部材の前記凸部１９が駆動ローラ１の溝１８に進入した状態となるので、図示のように駆動ローラ１とコロ３とが当接し、搬送路２７を矢印Ｂ方向に進行するロール紙が該ローラ１とコロ３に挟持されて進行する。
【００２０】
前記切替部材１０が図示の位置から反時計方向に所定量回動すると、コロ台６の前記凸部１９がコロ３の前記制御体３５に当接してロール紙先端を保持して、ばね７の作用に抗して、前記凸部１９とコロ３、従って切替部材１０とコロ台６が回動して凸部１９は溝１８から脱出してガイド板１２と切替部材１０上面間に搬送路２６が形成される。この状態で矢印Ａ方向にカット紙を供給すれば、該カット紙は駆動ローラ１と不図示に搬送ローラによって搬送されて不図示の画像形成部位に搬送される。ロール紙搬送モードからカット紙搬送モードに変換するとき、ロール紙先端の保持を確保するために、前記凸部１９の、コロ３の制御体３５に当接擦る部位に符号２０で示すように、ゴムライニング、サンドブラスト処理など適宜の手段を施して高摩擦面としておくのが好適である。
【００２１】
つぎに「図４」、「図５」によってカット紙搬送モード、ロール紙搬送モードについて説明する。切替レバー３１（「図１」参照）をカット紙搬送モード位置に回動すると、前述のように、これにともなって切替部材１０が「図４」でみて反時計方向に回動して同図に示す位置をとり、切替部材１０に形成した前記凸部１９が溝１８から抜け出た位置をとり、切替部材１０とガイド板１２との間にカット紙２２を矢印Ａ方向に進行させ得る搬送路２６が形成される。
【００２２】
この場合、すでにセットされたロール紙があるときには、前記搬送路２６の形成操作を行う前にカット紙給紙センサ１６のオフ位置までロール紙を巻き戻して先端が凸部１９とコロ３の間に挟持される位置迄退避させる。
【００２３】
上記のように、凸部１９を有する切替部材１０と、コロ３を配置したコロ台６とが反時計方向に回動することによって、コロ３の制御体３５と凸部１９とのよって挟持されたロール紙先端部はそのままに維持される。このような状態で前記センサ１６をオンして記録材搬送シーケンスが開始される。
【００２４】
装置本体の切替レバー３１をロール紙搬送モード側に切り替えると、これによって切替部材１０が時計方向に回動して「図５」に示す位置をとる。この位置においては、凸部１９は駆動ローラ１の溝１８内に進入し、コロ３と凸部１９に挟持されていたロール紙先端部は、コロ３と駆動ローラ１とのよって保持される状態となる。これとともに、切替部材１０の下面とガイド８との間にロール紙搬送路２７が形成されることになる。
【００２５】
前記のように切替レバー３１をロール紙モードにすると、切替検知センサ３２によって切替完了信号が駆動モータ３０に伝達されて駆動ローラ１が発動してロール紙セットのシーケンスが開始される。
【００２６】
ロール紙がセットされていない場合には、搬送路２７が形成された後、ロール紙を搬送させ、その先端が紙センサ１７に至ったときに該センサによって記録材セットのシーケンスが開始される。
【００２７】
「図６」は２本のロール紙を収納したプロッタの要部の概略側断面図である。図示の装置において、前記実施例装置と対応擦る部位には同一の符号を付して示してあり、それらについての説明は必要ない限り省略する。
【００２８】
図示のように寝カバー９内にはロール紙１１ａ、１１ｂが収納されており、ロール紙１１ａに対してはコロ３ａをそなえたコロ台６ａ、切替部材１０ａ、１７ａ等が、ロール紙１１ｂにはコロ３ｂをそなえたコロ台６ｂ、切替部材１０ｂ、センサ１７ｂ等が対応して配置してある。前述の実施例装置におけると同様の操作で、コロ台６ａなどによって第１のロール紙１１ａ、コロ台６ｂなどによって第２のロール紙１１ｂを選択搬送することができる。
【００２９】
第１のロール紙搬送路が機能するときには、カット紙搬送路及び第２のロール紙搬送路は機能せず、第２のロール紙搬送が機能するときにはカット紙搬送路とは機能しない。また、カット紙搬送路が機能するときには切替部材１０ａ、１０ｂはいずれも反時計方向に回動した位置をとり、第１、第２のロール紙搬送路は遮蔽されてカット紙用搬送路２６が形成される。
【００３０】
ロール紙搬送モード時には不図示の切替レバーを予め設定された位置に持ちきたし、いずれか一方の切替部材を駆動ローラに近接させることによって、ロール紙１１ａ用の搬送路２７ａまたはロール紙１１ｂ用の搬送路２７ｂを選択形成する。カット紙、第１ロール紙、第２ロール紙の記録材搬送シーケンスが前述の実施例装置の場合と同様に遂行出来ることは容易に理解出来るところであろう。
【００３１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、駆動ローラとこれに当接するコロとによって記録材を把持し、該記録材を前記駆動ローラに沿って搬送する画像形成装置の給紙装置において、記録材の進行方向にみて駆動ローラに当接する前記コロよりも上流側に、カット紙用搬送路とロール紙用搬送路とを格別に形成して記録材によってこれらを選択的に使用出来るようにしたから、複数種の記録材を、小型、簡単で低コストの構成によって確実に搬送することができる。
【００３２】
また、カット紙を搬送する際には、ロール紙搬送路にあるロール紙先端を、待機中強固に保持できるので、以後の使用にあたって、その都度記録材の斜行阻止に注意する必要がなく、作業性の向上にも顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明を適用した画像形成装置の要部の斜視図
【図２】 同上給紙部位を示す拡大側断面図
【図３】 同上のコロ台構成を示す斜視図
【図４】 同上装置のカット紙搬送モードを示す側断面図
【図５】 同上装置のロール紙搬送モードを示す側断面図
【図６】 他の実施例を示す画像形成装置の搬送部位を示す側断面図
【図７】 公知の画像形成装置の搬送部位を示す側断面図
【図８】 他の公知画像形成装置の搬送部位を示す側断面図
【符号の説明】
１ 駆動ローラ
２ 搬送コロ
３ 制御コロ
４ ホルダ
５、７ ばね
６ コロ台
８ ガイド
９ カバー
１０ 切替部材
１２ ガイド板
１４ 記録ヘッド
１６、１７ センサ
１８ 溝
２６、２７ 搬送路

Claims (4)

1. 駆動ローラと、これに接離方向に揺動自在のコロを備え、前記駆動ローラと前記コロとの対向位置を通過した後、前記駆動ローラに沿って記録材を搬送する一つの搬送路が形成された画像形成装置の給紙装置において、
   前記対向位置よりも記録材搬送方向の上流側にカット紙搬送路とロール紙搬送路とを設けると共に、前記カット紙搬送路と前記ロール紙搬送路を選択的に切り替える切替部材を備え、
   前記駆動ローラは、その外周方向に延びる所定幅の溝がその外周面に形成されたものであり、
   前記切替部材は、前記溝に出入りする凸部が形成されたものであり、
   カット紙搬送時には、前記コロを前記駆動ローラから離隔すると共に前記凸部を前記溝から脱出させて、該駆動ローラと前記コロとの間にカット紙通路を形成し、一方、
   ロール紙搬送時には、前記凸部を前記溝の内部に移動して前記カット紙搬送路を塞ぐと共に、前記駆動ローラと前記コロとの間にロール紙通路を形成することを特徴とする給紙装置。
2. カット紙搬送時には、前記凸部と前記コロの間にロール紙の先端を把持することを特徴とする請求項１に記載の給紙装置。
3. 前記コロのうち前記凸部に当接する部位は、高摩擦部位が形成されたものであることを特徴とする請求項２に記載の給紙装置。
4. 前記コロのうち前記凸部に当接する当接部位は、前記コロのうち前記凸部に当接しない非当接部位の外周よりも内側に位置していることを特徴とする請求項３に記載の給紙装置。

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