JP3656232B2 - 車両用吸音材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用成形天井、リヤパーセルシェルフ、リヤトレイ等に好適な車両用吸音材に係り、特に、車室内の高周波数域の騒音を有効に吸音できる吸音性能に優れた車両用吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両の室内には、各種車両用吸音材が設置されている。図10,図11に車両の天井パネルの室内面に装着される成形天井を示す。この種成形天井1は、保形性並びに車体パネルへの取付剛性を備えた基材2の表面に表面風合い等に優れた表皮3を積層一体化して形成されている。
【0003】
そして、成形天井1における基材2及び表皮3の構成としては、従来から種々のものが使用されている。図12に基材2の従来構成、図13に表皮3の従来構成をそれぞれ概略的に示す。
【0004】
例えば、図12に示すように、基材2としては▲1▼〜▲5▼のものが従来から知られている。
【0005】
▲1▼.吸音不織布
図12(a)に示すように、PET繊維2aの両面にウエブ状ホットメルト2bがラミネートされ、裏面には、裏面不織布2cが通気止めフィルム2dを介してラミネート処理されている。そして、PET繊維をベースとしているため、多孔質吸音性能に優れる。
【0006】
▲2▼.PPO(ポリフェニレンオキシド)基材
図12(b)に示すように、PPO発泡層2eの両面にPPO樹脂スキン層2fが積層一体化され、ホットメルト2bを介して裏面不織布2cがラミネートされている。そして、PPO樹脂基材2e,2fを使用した場合、硬いPPO樹脂スキン層2fにより、剛性感が高く、かつPPO樹脂発泡層2eにより軽量化が図れる。
【0007】
▲3▼.ウレタン基材
図12(c)に示すように、硬質ウレタン2gの両面にガラスマット2hを貼り合わせ、通気止めフィルム2dを介して裏面不織布2cが裏面側にラミネートされている。そして、このウレタン基材2g,2hの場合には、成形時の寸法安定性に優れる。
【0008】
▲4▼.ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材
図12(d)に示すように、ガラス繊維を混入したオレフィン系樹脂基材2iの製品表面側に通気止めフィルム2dがラミネートされ、裏面には、裏面不織布2cがラミネートされている。そして、このガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材2iでは、寸法安定性に優れる。
【0009】
▲5▼.ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材(吸音型)
図12(e)に示すように、ガラス繊維を混入したオレフィン系樹脂基材2iの表面側にホットメルト2bがラミネートされ、裏面には、通気止めフィルム2dがラミネートされている。そして、製品裏面側に通気止めを備えた場合、ある程度の吸音性が期待できる。
【0010】
次いで、成形天井1における表皮3としては、図13に示すように、ポリエステル系、ポリオレフィン系等の合成繊維からなる不織布表皮3a、あるいはトリコット、ニット等のクロス3bの裏面に薄肉のスラブウレタン3cをラミネートしたものが使用される。このスラブウレタン3cは、密度0.02〜0.05g/cc、厚み2.0〜10.0mm、通気量100〜200cc/cm2 /sec(フラジール式通気量測定器による)である。
【0011】
また、ラゲージルーム内に設けられるリヤパーセルシェルフ、リヤトレイ等の内装部品の従来構成として、図14,図15において、リヤパーセルシェルフ4の構成を例示して説明する。リヤパーセルシェルフ4は、基材2の表面に表皮3が貼付されている。この場合、図16に示すように、基材2のバリエーションとしては、▲1▼ポリオレフィン系樹脂基材2j、▲2▼木粉を混入したポリオレフィン系複合樹脂基材2k、▲3▼PET繊維を混入したポリオレフィン系複合樹脂基材2l、▲4▼ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材2iの製品表面側に通気止めフィルム2dがラミネートされ、裏面には裏面不織布2cがラミネートされたもの、▲5▼ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材2iの製品裏面側に裏面不織布2cがラミネートされたもの、が使用される場合もある。
【0012】
更に、リヤパーセルシェルフ4における表皮3としては、成形天井1の表皮3と同一素材が使用されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の成形天井1の素材として、基材2及び表皮3として上記構成のものがよく知られているが、基材2として、PET繊維2aを使用した吸音不織布タイプのものでは、コストが高く、かつ繊維系芯材であるため、剛性感が低く、保形性に劣るという欠点が指摘されている。
【0014】
また、PPO樹脂基材2e,2fを使用した場合、寸法安定性が低く、大型天井には使用が困難であるとともに、通気性がないため、室内騒音を反射し、吸音機能が期待できないという欠点がある。
【0015】
次いで、ウレタン基材2g,2hの場合には、ある程度の吸音性能を有するが、更に吸音性能を得るためには、針孔加工を施す必要があり、加工コストが嵩むとともに、厚みを増大させると重量増となり、軽量化を図れないという欠点がある。
【0016】
更に、ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材2iの場合には、製品面側に通気止めフィルム2dをラミネートした場合、吸音性能が低下するとともに、製品裏面側に通気止めフィルム2dをラミネートすれば、吸音性能が若干向上するものの、吸音不織布ほどの吸音性は期待できないというのが実情である。
【0017】
このように、従来の成形天井1における基材2では、吸音性能、剛性、寸法安定性、コスト等を全て満足させるものではなく、従来の表皮3においては、吸音性能は期待できない構成であった。
【0018】
同様に、リヤパーセルシェルフ4の場合では、基材2として、▲1▼〜▲3▼を使用した場合、基材2は全く通気性がないため、室内騒音を反射してしまい、吸音性能に劣るという欠点があり、また、基材2として、▲4▼ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材(表皮3接着面に通気止めを有する構成)2iを使用した場合、室内騒音を反射することから、上述構成と同様、吸音性能が低下するという不具合がある。更に、▲5▼ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材(通気止めなしの構成)2iを使用した場合、ある程度の吸音性能の向上は見込めるが、厚みが増大しなければ所望の吸音性能が得られないことから、重量化を招くという欠点がある。
【0019】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車両用成形天井、リヤパーセルシェルフ、リヤトレイ等に好適な車両用吸音材であって、表皮に優れた吸音性能を付与することにより、吸音性能に優れた車両用吸音材を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この出願の請求項1に記載の発明は、車体パネルの室内側に取り付けられる基材と、基材表面に積層一体化される表皮とから構成され、上記表皮は、通気量が1〜50cc/cm2 /secに設定されている低通気型スラブウレタン表面に不織布、あるいは織布からなる表層シートが積層されていることを特徴とする。
【0021】
ここで、車両用吸音材の用途としては、車体パネルのルーフ面室内側に取り付けられる成形天井、ラゲージルーム内に設けられるリヤパーセルシェルフ、リヤトレイ、あるいはトランクルーム内に内装される内装パネル等に適用できる。
【0022】
更に、基材としては、成形天井用として、ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材、ウレタン基材、PPO樹脂基材、PET不織布等の吸音不織布基材等が適用でき、基材の裏面に裏面不織布をラミネート処理すれば、車体パネルとの間の擦れ音防止となる。また、リヤパーセルシェルフ等の内装部品用の基材としては、ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材、オレフィン系樹脂基材、あるいは木粉、またはポリエステル繊維を混入したオレフィン系樹脂基材等を使用できる。
【0023】
次いで、表皮としては、不織布、あるいは織布等の表層シートの裏面に低通気型スラブウレタンがラミネートされている。
【0024】
この低通気型スラブウレタンは、セルの寸法を小さくすることで抵抗が増し、通気性が下がるとともに、セルとセルの間の膜を増やすことにより、抵抗を増大させ、通気性を下げるようにしても良い。
【0025】
低通気型スラブウレタンの通気量は、1〜50cc/cm2 /secの範囲が良く、この測定値はフラジール式通気量測定器を使用して得られる。この場合、通気量が1cc/cm2 /sec未満であると、室内騒音を反射し、吸音効果が発揮できないとともに、通気量が50cc/cm2 /secを超えた場合には、所望の多孔質吸音性能が期待できない。
【0026】
また、低通気型スラブウレタンのウレタン密度は、0.02〜0.05g/cc、ウレタン厚みは2.0〜10.0mm、好ましくは3.0〜5.0mmが製品凹凸形状を確保する意味で好ましい。
【0027】
そして、請求項1に記載の車両用吸音材によれば、表皮の構成として表層シート裏面に低通気型スラブウレタンがラミネート処理されているため、特に、2.0〜6.3kHzの中・高周波数域における騒音を有効に吸音処理できる。
【0028】
従って、ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材、オレフィン系樹脂基材、木粉、またはポリエステル繊維入りオレフィン系樹脂基材、あるいはPPO樹脂基材のように、吸音性能があまり期待できない基材に使用すれば、コストや物性に加えて吸音性能に優れた車両用吸音材の構成となる。一方、吸音不織布基材やウレタン基材等、吸音性能をある程度備えた基材に低通気型スラブウレタンを備えた表皮を使用すれば、吸音性能をより高めた車両用吸音材が得られる。
【0029】
次いで、この出願の請求項2に記載の発明は、前記表皮における低通気型スラブウレタンの基材対向面には、接着媒体シートがラミネートされていることを特徴とする。
【0030】
この接着媒体フィルムとしては、スリット入りホットメルトフィルム、ウエブ状ホットメルトフィルム、あるいは不織布(10〜200g/m2 の面密度)が使用できる。
【0031】
そして、請求項2に記載の車両用吸音材によれば、低通気型スラブウレタンの基材対向面にスリット入りホットメルトフィルム、ウエブ状ホットメルトフィルム、不織布等がラミネート処理されているため、基材に対する表皮の接着力が増し、剥離不良を皆無とできる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用吸音材の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0033】
図1乃至図6は本発明に係る車両用吸音材を成形天井に適用した第1実施形態を示すもので、図1は本発明を適用した成形天井を室内側から見た正面図、図2は同成形天井の構成を示す断面図、図3は同成形天井の基材及び表皮の構成を示す説明図、図4は本発明に係る成形天井と従来の成形天井における吸音率の相違を示すグラフ、図5は本発明に係る車両用吸音材における基材の変形例のバリエーションを示す概要図、図6は本発明に係る車両用吸音材における表皮の変形例のバリエーションを示す概要図である。
【0034】
図7乃至図9は、本発明に係る車両用吸音材をリヤパーセルシェルフに適用した第2実施形態を示すもので、図7はリヤパーセルシェルフを示す斜視図、図8は同リヤパーセルシェルフの構成を示す断面図、図9は同リヤパーセルシェルフにおける基材の変形例のバリエーションを示す概要図である。
【0035】
まず、図1乃至図6に基づいて、本発明の第1実施形態について説明する。図1において、成形天井10は、図示しない車両のルーフパネルの室内面を覆う外形状を備え、フロント側縁部にサンバイザを収納する収納凹部10aや中央部にランプ取付孔10b、両側部にアシストグリップ収納凹部10cが設けられた緩やかな湾曲形状に成形されている。
【0036】
上記成形天井10に適用した本発明に係る車両用吸音材の第1実施形態は、図2,図3に示すように、保形性とルーフパネルへの取付剛性を備えた基材20の表面に表面風合い、手触り感に優れた表皮30が積層一体化された構成である。
【0037】
そして、本実施形態においては、基材20及び表皮30の具体的な構成として、図3に示すように、基材20は、ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材21の一方面(表皮30と対峙する面)にオレフィン系樹脂フィルム等の通気止めフィルム22がラミネートされ、他方面(車体パネルと対峙する面)には、裏面不織布23がラミネートされている。
【0038】
尚、ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材21を使用した場合、吸音性には劣るものの、コスト、成形性、寸法安定性、軽量化等に優れた性状をもつ。
【0039】
一方、表皮30は、不織布シート、トリコット、ニット等の織布シート等の表層シート31の裏面に低通気型スラブウレタン32がラミネートされた二層構造のものを使用する。
【0040】
ところで、本発明は、特に表皮30の構成として、表層シート31の裏面に低通気型スラブウレタン32をラミネートすることで表皮30に優れた吸音性能を付与することを特徴としている。
【0041】
この低通気型スラブウレタン32は、密度が0.02〜0.05g/cc、厚みが2.0〜10.0mm(製品凹凸形状の確保から厚み3.0〜5.0mmが好ましい)、また、低通気型スラブウレタン32の組成としては、エーテル系、エステル系を問わない。
【0042】
更に重要なことは、この低通気型スラブウレタン32の通気量を1〜50cc/cm2 /sec(フラジール式通気量測定器による)に設定したことにある。例えば、通気量が1cc/cm2 /sec未満であると、室内騒音を反射し、吸音効果が発揮されないとともに、50cc/cm2 /secを超えた場合には、多孔質吸音性能が期待できない理由による。
【0043】
また、低通気型スラブウレタン32の通気量調整作業としては、セルの寸法を小さくすることで抵抗を増大させ、通気性を下げるか、セルとセルの間の膜を増やすことにより抵抗を増大して、通気性を下げることが考えられる。
【0044】
従って、ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材21を採用した基材20に低通気型スラブウレタン32を裏面にラミネートした表皮30を用いて成形天井10に適用すれば、基材20のもつ良好な寸法安定性、剛性アップ、軽量化等の有利さに加えて、表皮30のもつ良好な吸音性能が得られ、廉価で軽量化できるとともに、成形性、吸音性能に優れた成形天井10を提供することができる。
【0045】
この場合、吸音性能の向上の目安として、図4のグラフを示す。このグラフ中実線で図2に示す構成の成形天井(ウレタン密度0.035g/cc,厚み5.0mm,通気量20cc/cm2 /sec)の各周波数域における吸音率の相関関係を実線で示し、これと対比できるように、同一の基材に不織布表皮を使用した場合の従来例を点線にて示す。
【0046】
そして、この図4のグラフから明らかなように、特に、2〜6.3kHzにおける中・高音域における騒音の吸音率が従来例に比し、本発明では向上していることが容易に理解できる。
【0047】
次いで、図5は成形天井10における基材20のバリエーションを示すもので、図5(a)に示すように、ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材21の表皮30側にスリット入りホットメルト24、裏面側にオレフィン系樹脂フィルム等の通気止めフィルム22をラミネートしても良く、この場合、通気止めフィルム22をガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材21の裏面側にしたことにより、ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材21における吸音性能の向上が期待できる。
【0048】
次いで、図5(b)は、基材20としてPET(ポリエチレンテレフタレート)に代表される不織布基材25を使用し、この不織布基材25の両面にホットメルト24をラミネートし、更に、その裏側に裏面不織布23を通気止めフィルム22を介して積層一体化するという構成である。
【0049】
そして、この吸音不織布基材25を使用した場合、基材20のもつ良好な吸音性能が得られることから、低通気型スラブウレタン32を使用した表皮30のもつ吸音性能と相乗して、より良好な吸音性能が得られることになる。
【0050】
次に、図5(c)に示すように、基材20として、PPO樹脂発泡層26aの両面にPPO樹脂スキン層26bをラミネートし、表面側にホットメルト24、裏面側にホットメルト24を介して裏面不織布23を一体化した構成であり、このPPO樹脂基材26を使用した場合には、基材20における吸音性能は期待できないものの、保形性に優れ、かつ、PPO樹脂発泡層26aが発泡構造であるため、軽量化が図れ、かつ寸法安定性に優れている。また、不足する吸音性能については、低通気型スラブウレタン32を有する表皮30を適用することにより、基材20における吸音性能の不足分をカバーすることにより、良好な成形天井10を提供できる。
【0051】
また、図5(d)に示すように、硬質ウレタン樹脂27aの両面にガラスマット27bを積層したウレタン基材27を使用することもでき、裏面不織布23を通気止めフィルム22を介して一体化しており、この場合も寸法安定性に優れ、かつある程度の吸音性能を基材20に付与することができ、良好な吸音機能を有する表皮30と合体させることで、寸法安定性、及び吸音性に優れた成形天井を提供できる。
【0052】
次いで、図6は、本発明に使用する表皮30の変形例を示すもので、基材20との接着力を高めるために、図6(a)に示すように、低通気型スラブウレタン32の基材対向面にスリット入りホットメルトフィルム33がラミネートされている。
【0053】
また、図6(b)に示すように、低通気型スラブウレタン32の基材対向面にウエブ状ホットメルト34をラミネートする。
【0054】
図6(c)に示すように、低通気型スラブウレタン32の基材対向面に不織布(目付量110〜200g/m2 )がラミネートされている。
【0055】
そして、スリット入りホットメルトフィルム33、ウエブ状ホットメルト34、不織布35を適宜ラミネート処理することにより、基材20と表皮30との接着強度を高めることができ、通気性をもつ層であるため、吸音効果を低下させることなく接着強度を強化することができ、表皮30の剥離不良等を皆無とでき、品質性能を高めることができる。
【0056】
次いで、図7乃至図9は本発明をリヤパーセルシェルフ40に適用した第2実施形態を示す。図7,図8において、リヤパーセルシェルフ40は、所要形状に成形された基材20及び表皮30の二層積層体から構成されており、備品を確実に載置収容できるように、浅底状の収容凹部41が形成されている。
【0057】
また、基材20としては、上述した成形天井10と同様、ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材21の一面に裏面不織布23がラミネートされたものを使用するとともに、表皮30においても表層シート31の裏面に低通気型スラブウレタン32をラミネートした吸音性能に優れた表皮30を使用することが構成上の特徴である。
【0058】
従って、室内騒音における特に中・高周波数域の騒音を表皮30により有効に吸音できるとともに、基材20においてもある程度の吸音性能が得られるため、総合的に吸音性能に優れたリヤパーセルシェルフ40を提供できる。
【0059】
更に、リヤパーセルシェルフ40の基材20としては、図9(a)〜(d)の各構成を採用することもできる。
【0060】
図9(a)は、ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材21の表皮側に通気止めフィルム22をラミネートした構成であり、図9(b)は、オレフィン系樹脂基材28、図9(c)は、木粉入りオレフィン系樹脂基材28a、図9(d)は、ポリエステル繊維入りオレフィン系樹脂基材28bがそれぞれ使用されている。
【0061】
従って、図9(a)〜(d)で示す基材20は、吸音性を除けば、コスト、成形性、機械強度等、優れた性状をもつため、吸音性を有する表皮30を適用すれば、廉価でかつ吸音性能に優れたリヤパーセルシェルフ40を製作することができる。
【0062】
尚、リヤパーセルシェルフ40に替えて、リヤトレイやその他の内装パネルに本発明を適用することもできる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る車両用吸音材は、保形性を有する基材の表面に表皮を一体化した車両用吸音材であって、表皮の構成として、表層シート裏面に低通気型スラブウレタンをラミネートすることで、表皮に高い吸音性能を付与することにより、車両用吸音材の吸音性能を向上させるという構成であるため、特に、低通気型スラブウレタンのもつ中・高周波数域における吸音性を高めることができることから、吸音性能に優れた車両用吸音材を提供できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用吸音材を適用した成形天井を室内側から見た正面図である。
【図2】図1中II−II線断面図である。
【図3】図1に示す成形天井における基材と表皮の構成を示す概要図である。
【図4】本発明に係る成形天井と従来の成形天井との吸音率を比較して示すグラフである。
【図5】本発明に係る車両用吸音材に適用した成形天井における基材の変形例を示す概要図である。
【図6】本発明に係る車両用吸音材を適用した成形天井における表皮の変形例のバリエーションを示す概要図である。
【図7】本発明に係る車両用吸音材を適用したリヤパーセルシェルフを示す外観図である。
【図8】図7中VIII−VIII線断面図である。
【図9】本発明に係る車両用吸音材を適用したリヤパーセルシェルフにおける基材の変形例のバリエーションを示す概要図である。
【図10】従来の成形天井を示す正面図である。
【図11】図10中XI−XI線断面図である。
【図12】従来の成形天井における基材の構成を示す断面図である。
【図13】従来の成形天井における表皮の構成を示す断面図である。
【図14】従来のリヤパーセルシェルフを示す外観図である。
【図15】図14中XV−XV線断面図である。
【図16】従来のリヤパーセルシェルフにおける基材の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 成形天井
20 基材
21 ガラス繊維入りオレフィン系樹脂基材
22 通気止めフィルム
23 裏面不織布
24 ホットメルト
25 吸音不織布基材
26 PPO樹脂基材
26a PPO樹脂発泡層
26b PPO樹脂スキン層
27 ウレタン基材
27a 硬質ウレタン樹脂
27b ガラスマット
28 オレフィン系樹脂基材
28a 木粉入り樹脂基材
28b ポリエステル繊維入り樹脂基材
30 表皮
31 表層シート
32 低通気型スラブウレタン
33 スリット入りホットメルトフィルム
34 ウエブ状ホットメルト
35 不織布
40 リヤパーセルシェルフ

Claims (2)

  1. 車体パネルの室内側に取り付けられる基材(20)と、基材(20)表面に積層一体化される表皮(30)とから構成され、上記表皮(30)は、通気量が1〜50cc/cm2 /secに設定されている低通気型スラブウレタン(32)表面に不織布、あるいは織布からなる表層シート(31)が積層されていることを特徴とする車両用吸音材。
  2. 前記表皮(30)における低通気型スラブウレタン(32)の基材対向面には、接着媒体シート(33,34,35)がラミネートされていることを特徴とする請求項1に記載の車両用吸音材。
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