JP3650222B2 - 分解性共重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多価カルボン酸(A)と、
(b1) ヒドロキシカルボン酸、
(b2) ポリヒドロキシカルボン酸、
(b3) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸、及び、
(b4) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種(B)とを、脱水重縮合反応することを特徴とする共重合体の製造方法に関する。
【0002】
本発明の製造方法によって製造した共重合体は、分解性と透明性を有し、フィルム、シート、フィラメント、糸、テキスタイル、発泡体等の成形物に加工することができる。特に、本発明の製造方法によって製造した共重合体は、ヒドロキシカルボン酸を重縮合して得られるポリヒドロキシカルボン酸や脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸を重縮合して得られる脂肪族ポリエステルと比較して、大きい溶融張力を持っているので、溶融したときに垂れにくくまた流れにくく、この共重合体を発泡、ブロー成形加工するのに優れている。そして、これら成形物は医療用材料としてまた汎用樹脂の代替物として有用である。
【0003】
【従来の技術】
近年、廃棄物処理が、環境保護と関連して問題となっている。特に、高分子材料の成形品や加工品に関しては、廃棄物として埋め立てた場合、微生物等による分解性、崩壊性がなく異物として半永久的に残存すること、可塑剤等の添加剤が溶出して環境を汚染すること等が問題であり、また、廃棄物として焼却する場合には、燃焼により発生する高い熱量により炉を損傷すること、燃焼により発生する排煙、廃ガスが、大気汚染、地球温暖化、酸性雨等の原因となり得ること等がクローズアップされてきた。
このような背景から、優れた耐熱性、分解性及び強靭性を併せ具備する高分子材料への需要が高まってきたにもかかわらず、必ずしも、このような需要に応え得る高分子材料が供給されているとはいえない。
【0004】
従来、ポリヒドロキシカルボン酸は、水の存在下で容易に加水分解する特性をもち、汎用樹脂として使用する場合、廃棄後に環境を汚染することなく分解するために環境にやさしく、医療用材料として生体内に留置する場合には、目的達成後に生体に毒性を及ぼすことなく生体内で分解、吸収されるために、生体にやさしいという優れた性質が、本発明の出願前に既に注目されていた。
【0005】
また、ポリアミノ酸、キトサン、キトサン誘導体や比較的低分子量のポリアクリル酸も微生物により分解することが知られている。
例えば、ポリ乳酸及びポリアミノ酸は、それぞれ、微生物で分解する特性により、汎用樹脂として使用する場合には、廃棄後に環境を汚染することなく分解するために環境にやさしく、また、ポリ乳酸及び分子量数千のポリアミノ酸は、医療用材料として生体内に留置する場合には、目的達成後に生体に毒性を及ぼすことなく生体内で分解・吸収或るいは生体外に排出されるために生体にやさしいという優れた性質が、本発明の出願前に既に注目されていた。
しかしながら、成形品又はフィルム、フィラメント等の加工品に、成形・加工しようとすると、ポリ乳酸は、透明だが、脆く、硬く、可撓性に欠け、溶融張力が小さいという問題点があったが、これまでこの問題を解決できる方法は知られていなかった。
【0006】
英国特許第2,145,422号には、糖や糖アルコールのようなポリオール(複数の水酸基(ヒドロキシル基)を分子内に有する炭化水素化合物、多価アルコール)の水酸基に、ポリ乳酸やポリヒドロキシカルボン酸等を、側鎖として付与した高分子に関する技術が開示されている。
より具体的には、グルコースのような分子量20,000以下のポリオールの少なくとも1個の水酸基に、ラクタイド又はラクタイドとグリコライドのようなヒドロキシカルボン酸の環状2量体を開環重合して、分子量5,000以上のポリ乳酸又はコポリ乳酸を側鎖に有するエステル化合物が開示されている。そして得られたエステル化合物は、薬理学的活性剤を含有する製薬上のデポー製剤に特に適していることが、記載されている。
【0007】
また、特開平6−287279号には、エステル化セルロース又はエーテル化セルロースと、ラクタイドを反応させることによるラクタイド系共重合体の製造方法が開示されている。ここには、乳酸の二量体であるラクタイドとエステル化セルロース又はエーテル化セルロースとを、エステル化触媒の存在下に、開環グラフト共重合すると、十分な透明性と成形用樹脂に必要な融点と適度なガラス転移温度を有するラクタイド系共重合体を得る方法が開示されている。そして、得られたラクタイド系グラフト共重合体は優れた透明性、分解性、熱可塑性及びラミネーション性を有することも記載されている。
【0008】
このように、多官能性中心化合物に、ラクタイドのようなヒドロキシカルボン酸の環状2量体や、ε−カプロラクトンのようなヒドロキシカルボン酸の環状エステルを開環重合反応させることにより、前記中心化合物に、複数の分解性高分子量側鎖を放射状に付加する技術は、本出願の以前より知られていた。しかしながら、これまでの開環重合では、水酸基を開始剤とする反応のため、ポリヒドロキシ化合物を中心化合物として用いていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
多官能性中心化合物に、例えば乳酸のようなヒドロキシカルボン酸を、環状体を経由することなく、直接的に重合反応させることにより、前記中心化合物に、複数の分解性高分子量側鎖を放射状に付加する技術は、高価な環状体が不要で、工程が大幅に簡略化され、低コストで生産することが期待されるにもかかわらず、本出願の以前には知られていなかった。
従って本発明は、多価カルボン酸を多官能性中心化合物として、これにヒドロキシカルボン酸、ポリヒドロキシカルボン酸、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸、又は脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との脂肪族ポリエステルを、直接重縮合することにより、高い強度を有し、成形可能な高分子量の分解性共重合体を製造する方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、既に、米国特許第5,310,865号において、ラクタイド、グリコライド及びε−カプロラクトンのような環状体を用いることなく、ヒドロキシカルボン酸類を、直接的に脱水重縮合することにより、高分子量のポリヒドロキシカルボン酸類を製造する技術及び該ポリヒドロキシカルボン酸類を含む優れた強度を有するフイルム、糸及び成形加工品を製造する技術を開示している。
【0011】
本発明者らは、上記した多官能性中心化合物に高分子量側鎖を付加する従来技術の問題点に鑑み、本発明者らの米国特許第5,310,865号に開示した発明の基礎となった技術的思想をさらに発展させて応用しつつ、鋭意研究した結果、乳酸のようなヒドロキシカルボン酸類や脂肪族多塩基酸と脂肪族多価アルコールを、多官能性化合物として多価カルボン酸に、直接脱水重縮合することにより、強度と分解性が顕著に優れた、高分子量のポリエステル側鎖を有する共重合体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、多価カルボン酸(A)と、
(b1) ヒドロキシカルボン酸、
(b2) ポリヒドロキシカルボン酸、
(b3) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸、及び、
(b4) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種(B)とを、脱水重縮合反応することを特徴とする分解性共重合体の製造方法である。
【0013】
なお、本明細書において、ヒドロキシカルボン酸、脂肪族多価アルコール又は脂肪族多塩基酸をモノマーといい、ポリヒドロキシカルボン酸又は脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸の脂肪族ポリエステルをポリマーという。
本発明により、多価カルボン酸の側鎖に高分子量のヒドロキシカルボン酸単位をもつ共重合体、多価カルボン酸の側鎖に高分子量の脂肪族多価アルコール単位と脂肪族多塩基酸単位をもつ共重合体、又は多価カルボン酸の側鎖に高分子量のヒドロキシカルボン酸単位と高分子量の脂肪族多価アルコール単位及び脂肪族多塩基酸単位をもつ共重合体を、効率良く短時間で得ることができる。
【0014】
本発明の製造方法によって得られる共重合体は、高い分子量と高い融点を有し、強靭であるため、射出成形、押出成形、カレンダー成形、ブロー成形、バルーン成形、中空成形、真空成形、発泡等の成形に好適な材料である。特に、本発明の製造方法により得られる共重合体は、ポリヒドロキシカルボン酸や脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との脂肪族ポリエステルのようなホモポリマーと比較して、非常に高い溶融張力を有し、ブロー成形や発泡体の製造に特に有効である。
本発明によれば、例えば、乳酸又はポリ乳酸とポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸のようなポリアミノ酸又はキトサン誘導体を脱水重縮合することにより従来の半分以下の反応時間で高分子量の共重合体が得られ、また、得られた共重合体は、本来ポリ乳酸が有する優れた強靭性、透明性と耐熱性に加えて、高い溶融張力を有し、発泡体やブローボトル等の成形加工品に好適に成型加工することができる。
【0015】
本発明によれば、例えば、エチレングリコール又は1,4−ブタンジオールとコハク酸とポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸のようなポリアミノ酸、又はキトサン、キトサン誘導体を、反応させることにより高分子量の共重合体が得られ、得られた共重合体は、優れた柔軟性と耐熱性に加えて、高い溶融張力を有し、発泡体やブローボトル等の成形加工品に好適に成型加工することができる。
【0016】
本出願に係る発明は、以下の〔1〕〜〔13〕に記載した発明である。
〔1〕 ポリアミノ酸、キトサン誘導体及び糖カルボン酸誘導体からなる群から選択された少なくとも一種の多価カルボン酸(A)と、
(b1) ヒドロキシカルボン酸、
(b2) ポリヒドロキシカルボン酸、
(b3) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸、及び、
(b4) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との脂肪族ポリエステルからなる群から選択された少なくとも1種(B)とを、脱水重縮合反応することを特徴とする分解性共重合体の製造方法、
【0017】
〔2〕 脱水縮合反応が、実質的に反応の進行を阻害しない程度の水分量の有機溶媒を含む反応系において、触媒の存在下、脱水縮合反応を行う工程を含むものである、前記[1]項記載の分解性共重合体の製造方法、
〔3〕 脱水重縮合反応が、
工程1として、触媒の存在下、溶剤の非存在下で、脱水縮合反応を行なう工程、及び、
工程2として、工程1の生成物を、実質的に反応の進行を阻害しない程度の水分量の有機溶媒を含む反応系において、触媒の存在下、脱水縮合反応を行なうことにより、工程1の生成物よりも実質的に高い重量平均分子量を有する生成物を生成する工程、とを含むものである、前記〔1〕項記載の分解性共重合体の製造方法、
【0018】
〔4〕 「実質的に反応の進行を阻害しない程度の水分量の有機溶媒を含む反応系」を実現する手段が、連続操作及び/又は回分操作により、反応系内の有機溶媒の少なくとも一部を反応系外に排出すると共に、反応系外に排出した有機溶媒の水分量以下の水分量の有機溶媒を、反応系内に新たに装入するものである、前記〔2〕又は〔3〕項記載の分解性共重合体の製造方法、
【0019】
〔5〕 「実質的に反応の進行を阻害しない程度の水分量の有機溶媒を含む反応系」を実現する手段が、連続操作及び/又は回分操作により、反応系内の有機溶媒の少なくとも一部を反応系外に一旦取り出し、反応系外に一旦取り出した有機溶媒について、取り出す前の水分量以下の水分量となるように脱水処理し、その脱水処理した有機溶媒を、再び反応系内に戻すものである、前記〔2〕又は〔3〕項記載の分解性共重合体の製造方法、
【0020】
〔6〕 脱水処理が、有機溶剤を乾燥剤と接触させることによるものである、前記〔5〕項記載の分解性共重合体の製造方法、
〔7〕 乾燥剤が、イオン交換樹脂、モレキュラーシーブ類、五酸化二リン及び金属水素化物からなる群から選択された少なくとも一種である、前記〔6〕項記載の分解性共重合体の製造方法、
〔8〕 「実質的に反応の進行を阻害しない程度の水分量の有機溶媒を含む反応系」が、「50ppm以下の水分量の有機溶媒を含む反応系」である、前記〔2〕乃至〔7〕項の何れかに記載の分解性共重合体の製造方法、
【0021】
〔9〕 ポリアミノ酸が、ポリアスパラギン酸及び/又はポリグルタミン酸である、前記〔1〕乃至[8]項の何れかに記載の分解性共重合体の製造方法、
〔10〕 前記〔1〕乃至〔9〕項の何れかに記載した製造方法により得られた分解性共重合体、
〔11〕 前記〔1〕乃至〔9〕項の何れかに記載した製造方法により得られた、メルトフローインデックスが10g/10分において溶融張力が0.7g以上の分解性共重合体、
〔12〕 前記〔10〕又は〔11〕項に記載した分解性共重合体からなる発泡体、
〔13〕 前記〔10〕又は〔11〕項に記載した分解性共重合体からなるブロー成形体、
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる多価カルボン酸は、ポリアスパラギン酸やポリグルタミン酸等のポリアミノ酸、サクシニル化カルボキシメチルキトサン等のキトサン誘導体、アルギン酸やペクチン等の糖カルボン酸誘導体等があげられる。
多価カルボン酸の分子量に特に制限はないが、実用的強度をもつ共重合体を短時間で製造するために、多価カルボン酸の分子量は、1,000以上が好ましい。
【0023】
本発明に用いられるヒドロキシカルボン酸は、分子内にヒドロキシ基を有する脂肪族カルボン酸類であり、例えば、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシブチリックアシッド、4−ヒドロキシブチリックアシッド、3−ヒドロキシバレリックアッシド、5−ヒドロキシバレリックアシッド、6−ヒドロキシカプロン酸等があげられる。
ヒドロキシカルボン酸が分子内に不斉炭素を有する場合は、D体、L体、それぞれ単独であっても良いし、D体とL体の混合物すなわちラセミ体であってもよい。
また、例えば乳酸とグリコール酸とを混合使用して、乳酸とグリコール酸のコポリマーを製造するように、一つのヒドロキシカルボン酸に他のヒドロキシカルボン酸を混合して用いても良い。
【0024】
本発明に使用するポリヒドロキシカルボン酸は、上記ヒドロキシカルボン酸を脱水重縮合して得られるものでもよいし、ラクタイド、グリコライドのようなヒドロキシカルボン酸の環状2量体又はε−カプロラクトンのようなヒドロキシカルボン酸の環状体を開環重合して得られたものでもよい。
もちろん、本発明に使用するポリヒドロキシカルボン酸は、一つのヒドロキシカルボン酸に他のヒドロキシカルボン酸を重縮合して得られるコポリマーでもよい。
【0025】
本発明に使用するポリヒドロキシカルボン酸の分子量に制限はない。従って、重合度が数10程度以下の、いわゆるオリゴマーも用いることができる。
原料としての入手の容易さ及び価格と得られる共重合体の物性を考慮して、ヒドロキシカルボン酸が乳酸であり、ポリヒドロキシカルボン酸がポリ乳酸であることが好ましい。
【0026】
本発明に用いられる脂肪族多価アルコールは、分子内に少なくとも二つの水酸基を有する化合物を包含し、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等があげられ、これらは単独で又は組合せて使用することができる。
分子内に不斉炭素を有する場合、脂肪族多価アルコールは、D体、L体、それぞれ単独であっても良いし、D体とL体の混合物すなわちラセミ体であってもよい。
【0027】
本発明に用いられる脂肪族多塩基酸は、分子内に少なくとも二つのカルボキシル基を有する化合物を包含し、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等があげられ、これらは単独で又は組合せて使用することができる。
分子内に不斉炭素を有する場合、脂肪族多塩基酸は、D体、L体、それぞれ単独であっても良いし、D体とL体の混合物すなわちラセミ体であってもよい。
本発明によって得られる共重合体が柔軟なものであるために、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸の組み合わせは、脂肪族多価アルコールがエチレングリコール、1,4−ブタンジオールであり、脂肪族多塩基酸がアジピン酸、コハク酸であることが好ましい。
【0028】
本発明に用いられる脂肪族ポリエステルは、上記脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸又はそれらの反応性誘導体から得られる脂肪族ポリエステルを包含し、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等があげられる。
ポリヒドロキシカルボン酸側鎖と脂肪族ポリエステル側鎖を共に有する本発明の共重合体中の脂肪族ポリエステルの量は、3.0〜51重量%の範囲が好ましく、5.0〜40重量%の範囲がさらに好ましく、この範囲においては、可撓性と透明性に特に優れ、高い強度を有する共重合体が得られる。あまり少ないと、十分な軟らかさ、延性若しくは塑性、又は可撓性が充分ではなくなる傾向がみられ、多すぎると、透明性が低くなる傾向がみられる。
【0029】
本発明に使用する脂肪族ポリエステルの分子量に制限はない。従って、重合度が数10程度以下の、いわゆるオリゴマーも用いることができる。
本発明の重縮合反応は、通常、有機溶媒を用いて行うが、無溶媒でも可能である。例えば、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸と多価カルボン酸は、均一系で、効率よく反応させることができる。また、ヒドロキシカルボン酸として乳酸を、多価カルボン酸としてポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体を用いた場合、ポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体が乳酸に溶解し易く、無溶媒でも効率良く反応することができる。
【0030】
本発明において、ポリマーと多価カルボン酸を反応させる場合、多価カルボン酸はポリマーと相溶性の良いものが好ましい。ポリマーとの相溶性の低い多価カルボン酸を用いる場合、脱水重縮合する際に、反応が不均一になりやすく、ポリマー中に、ゲル状の溶媒に不溶な成分が生成することがある。この観点から、本発明において多価カルボン酸は、ポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体が好ましい。
反応させる多価カルボン酸は、得られる共重合体に対して、0.0001〜10重量%の範囲が好ましく、0.5〜5重量%の範囲がさらに好ましく、この範囲においては、溶融張力が高く、透明性に特に優れた共重合体が得られる。少なすぎると、溶融張力が充分ではなくなる傾向がみられ、多すぎると、分子量の高い共重合体が得にくくなる。
本発明において反応に有機溶媒を用いる場合、使用する有機溶媒は、実質的に反応の進行を維持できるものであれば、特に制限されない。
【0031】
本発明において使用することができる有機溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、ジクロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、p−クロロトルエン等のハロゲン系溶媒、3−ヘキサノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン系溶媒、ジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、o−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキシベンゼン、3−メトキシトルエン、ジベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、メトキシナフタレン等のエーテル系溶媒、フェニルスルフィド、チオアニソール等のチオエーテル溶媒、安息香酸メチル、フタル酸メチル、フタル酸エチル等のエステル系溶媒、ジフェニルエーテル、又は4−メチルフェニルエーテル、3−メチルフェニルエーテル、3−フェノキシトルエン等のアルキル置換ジフェニルエーテル、又は、4−ブロモフェニルエーテル、4−クロロフェニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、4−メチル−4’−ブロモジフェニルエーテル等のハロゲン置換ジフェニルエーテル、又は、4−メトキシジフェニルエーテル、4−メトキシフェニルエーテル、3−メトキシフェニルエーテル、4−メチル−4’−メトキシジフェニルエーテル等のアルコキシ置換ジフェニルエーテル、又は、ジベンゾフラン、キサンテン等の環状ジフェニルエーテル等のジフェニルエーテル系溶媒があげられ、これらは、単独で又は混合して用いることができる。
【0032】
本発明の製造方法は、脱水反応であり、後に述べる理由から、本発明において使用する有機溶媒は、実質的に、何らかの手法により脱水することが可能であれば、水と共沸するものでもしないものでもよく、水と分液するものでもしないものでもよい。しかしながら、本発明に用いる有機溶媒は、分液や蒸留等の分離手段により、水を容易に分離することができる溶媒が好ましい。
本発明において用いる有機溶媒の沸点は、100℃以上であることが好ましく、135℃以上であることがより好ましい。反応を、低温、高真空度で行なうことにより、好ましくない副反応を伴うことなく、効率的に脱水反応を進行することができる。
以上の点から、特に重量平均分子量の高い共重合体を得るためには、ハロゲン系溶媒、エーテル系溶媒、アルキル−アリールエーテル系溶媒及びジフェニルエーテル系溶媒がより好ましく、ハロゲン系溶媒、アルキル−アリールエーテル系溶媒及びジフェニルエーテル系溶媒がさらに好ましい。
【0033】
本発明において用いる有機溶媒の使用量は、実質的に、反応の進行を維持できれば特に制限されないが、一般的には、得られるポリマーの濃度に換算すると、5〜95%の範囲であることが好ましいが、工業的見地から、反応速度、反応生成物の純度、容積効率や溶媒回収等を勘案して設定する。
本発明の反応は、脱水反応であり、反応の進行にともない、水が生成する。この生成した水が、脱水重縮合して生成する共重合体の加水分解をうながし、高分子量の共重合体の生成を妨げる。反応系内の水の量が多くなりすぎると反応が進まなくなる。また、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸のようなモノマーを反応に用いる場合、反応のある段階で、これらモノマーが残存していると、脱水重縮合反応が進みにくくなる。従って、反応速度を高め、より高い分子量の共重合体を得るためには、反応系内の水及び/又はモノマーを除去する必要がある。
【0034】
本発明において、反応系内の水及び/又はモノマーの量は500ppm以下が好ましい。より高い分子量の共重合体を得るためには、50ppm以下が好ましい。
選択する溶媒の種類にも依存するが、一般的には、溶媒中の水及び/又はモノマーの濃度が400〜500ppmと高い場合には、得られる共重合体の重量平均分子量は、15,000〜50,000程度である。
さらに、高い重量平均分子量の共重合体を得るためには、反応系の有機溶媒中の水又はモノマーの濃度が低いことが好ましく、共沸により留出した有機溶媒を脱水剤又は吸着剤により脱水又は脱モノマー処理して反応系に戻すか、水分量の低い新たな有機溶媒を装入することにより、反応系の有機溶媒中に存在する水又はモノマーの濃度を50ppm以下にして、重量平均分子量50,000〜1,000,000の共重合体を得ることができる。
【0035】
そのためにも、反応に溶媒を使用することが好ましく、反応中生成する水及び/又はモノマーを、溶媒とともに反応系外に除くことが好ましい。
反応中に生成する水及び/又は残留モノマーを除去するために、水及び/又はモノマーとともに有機溶媒の少なくとも一部を除去し、除去した有機溶媒に溶解する水分量及び/又はモノマー以下の水分量及び/又はモノマー量を有する有機溶媒を、追加溶媒として反応系に装入しながら反応する。
反応系から一部取り出された溶媒は、系外で、乾燥剤又は吸着剤で処理したり、蒸留により脱水及び/又は脱モノマーしたりした後に、再び系内に戻して反応を継続させることができる。
【0036】
また、本発明における反応系の有機溶媒の脱水及び/又は脱モノマー処理の態様には、過剰の有機溶媒を予め装入しておき、単に有機溶媒を抜き出すのみで脱水する方法、反応系の有機溶媒を他の有機溶媒を用いて処理する方法等も含まれる。
反応系から一部取り出された溶媒を、系外で乾燥剤又は吸着剤で処理するために用いられる乾燥剤又は吸着剤は、特に制限されない。乾燥剤又は吸着剤は、反応の進行を維持できる程度まで、充分に高い重合度の高分子量生成物を生成できる程度まで、あるいは、生成物の可逆的分解を抑制できる程度まで、反応系の有機溶媒中の水分及び/又はモノマーを除去することができるものであればよい。
【0037】
本発明において使用することができる乾燥剤又は吸着剤の具体例としては、例えば、モレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ13X等のモレキュラーシーブ類、レバチットS100(バイエル社製)やダイヤイオンSK1B(三菱化学製)のような強酸性陽イオン交換樹脂、アルミナ、シリカゲル、塩化カルシム、硫酸カルシウム、五酸化二リン、濃硫酸、過塩素酸マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、あるいは水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物、又は、ナトリウム等のアルカリ金属等があげられる。これらは、単独で又は混合又は組み合わせて用いることができる。中でも、取扱い及び再生の容易さから、モレキュラーシーブ類及びイオン交換樹脂(特に陽イオン交換樹脂)が好ましい。
本発明において反応速度を促進し、高分子量の共重合体を得るために触媒を使用することが好ましい。
【0038】
本発明において使用する触媒の具体例としては、例えば、周期表II、III、IV、V族の金属、その酸化物あるいはその塩等があげられる。
より具体的には、亜鉛末、錫末、アルミニウム、マグネシウム等の金属、酸化錫、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ゲルマニウム等の金属酸化物、塩化第一錫、塩化第二錫、臭化第一錫、臭化第二錫、フッ化アンチモン、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物、硫酸錫、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩、酢酸錫、オクタン酸錫、乳酸錫、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム等の有機カルボン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸錫、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、メタンスルホン酸錫、p−トルエンスルホン酸錫等の有機スルホン酸塩があげられる。これらは、単独で又は混合、組み合わせて用いることができる。
【0039】
その他の例としては、ジブチルチンオキサイド等の上記金属の有機金属酸化物、又は、チタニウムイソプロポキサイド等の上記金属の金属アルコキサイド、又は、ジエチル亜鉛等の上記金属のアルキル金属等があげられる。これらもまた、単独で又は混合、組み合わせて用いることができる。
【0040】
本発明において使用する触媒の使用量は、実質的に、反応速度を促進する程度のものであれば、特に制限されない。触媒の使用量は、一般的には、使用するモノマー及び/又はポリマーの0.0001〜5重量%の範囲が好ましく、経済性を考慮すると、0.001〜1重量%の範囲がより好ましい。
本発明において、反応に有機溶媒が関与する場合は、反応温度は、実質的に、反応系に存在する有機溶媒の液相状態を維持することができ、反応の進行を維持できれば特に制限されない。
また、溶媒が水と共沸するために、沸点が低下したとしても、所定の温度で、実質的に、反応の進行を維持できれば問題はない。
【0041】
本発明において、反応に有機溶媒が関与する場合、一般的には、反応温度は、生成ポリマーの生成速度と熱分解速度を考慮して、80〜200℃であり、100〜200℃の範囲が好ましく、110〜180℃の範囲がより好ましい。
反応は、通常、常圧下で使用する有機溶媒の留出温度で行われる。反応温度を好ましい範囲にするために、高沸点の有機溶媒を用いる場合には、減圧下で行ってもよい。
本発明の共重合体を製造するには、系外から水分が入らないように、及び系内で発生した水分を除去しながら、真空又は窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気で行なうことが好ましく、不活性ガスで置換しながら、又は不活性ガスでバブリングしながら行ってもよい。
【0042】
本発明の共重合体を製造する反応は、連続操作でも回分操作でも行なうことができる。また、溶媒の脱水、溶媒の装入も、連続操作でも回分操作でも行なうことができる。
本発明において、脂肪族多塩基酸と脂肪族多価アルコールを多価カルボン酸と反応させる場合、及び、ヒドロキシカルボン酸又はポリヒドロキシカルボン酸及び/又は脂肪族ポリエステルをポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体と反応させる場合、その反応順序は、モノマーやポリマーの種類により適宜選択できるが、反応順序の好ましい態様は以下のとおりである。
【0043】
(1)脂肪族多塩基酸と脂肪族多価アルコールと多価カルボン酸を反応させる好ましい態様
(i) 第1工程:低分子量ポリエステルの生成工程
脂肪族多塩基酸に対して、当量かそれ以上の量の脂肪族多価アルコールを、無溶媒で、触媒の存在下、脂肪族多価アルコールが揮発しない温度及び圧力で脱水重縮合する。この反応で得られる脂肪族ポリエステルの分子量は、重量平均分子量500〜1,000程度あり、5,000程度にすることもできる。
【0044】
(ii) 第2工程:高分子量ポリエステルの生成工程
第1工程終了後の反応系を減圧下に加熱し、過剰の多価アルコールを除去したのち、溶媒を加え、減圧下に加熱し、脱水反応により生成する水とさらに残留する脂肪族多価アルコールを、溶媒とともに除去して、脂肪族ポリエステルの分子量をさらにあげる。除去した溶媒は、水分離器により水を分離して反応系に戻す。反応系に戻す溶媒中の水の量は、500ppm以下が好ましい。有機溶媒の使用量は、実質的に、反応の進行を維持できれば特に制限されない。有機溶媒の使用量は、例えば、得られるポリマーの濃度に換算して、約25%が好ましい。この状態で数時間反応させると、溶媒の種類にもよるが、重量平均分子量15,000〜50,000程度の脂肪族ポリエステルが得られる。
【0045】
(iii) 脂肪族ポリエステルと多価カルボン酸の反応
第2工程終了後の反応系に多価カルボン酸を加えて、減圧下に加熱して、脱水縮合反応を行う。この反応において、第2工程で用いた水分離器をはずし、代わりに乾燥剤又は吸着剤を充填した管を反応器に接続し、留出する溶媒を乾燥剤又は吸着剤の層を通して、留出する溶媒中の水の濃度を50ppm以下にして反応系に戻す。留出した溶媒を、乾燥剤又は吸着剤を入れた別の反応器で処理して反応系に戻すようにするか、又は新たな水分含量の低い溶媒を反応器に装入してもよい。このとき、微量留出する多価アルコールも乾燥剤又は吸着剤に吸着し、得られる共重合体の分子量向上に役立つ。この状態で、10〜60時間反応することにより、重量平均分子量100,000〜1,000,000の共重合体が得られる。
【0046】
(2) ヒドロキシカルボン酸又はポリヒドロキシカルボン酸及び脂肪族ポリエステルをポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体等の多価カルボン酸類と反応させる順序
【0047】
ヒドロキシカルボン酸又はポリヒドロキシカルボン酸及び脂肪族ポリエステルをポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体と反応させる順序は、いずれの方法で行うこともできるが、ポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体の溶解性及び脂肪族ポリエステルとポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体の反応性から、触媒の存在下、ヒドロキシカルボン酸にポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体を反応させた後、脂肪族ポリエステルを加える方法が好ましい。ポリヒドロキシカルボン酸や脂肪族ポリエステルとポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体の相溶性が悪いため、ポリヒドロキシカルボン酸や脂肪族ポリエステルにポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体を加えると、溶解が不完全な中で反応が進行し、ゲル状の不溶物が生じ易く、反応液が高粘度になる場合がある。
【0048】
次に、各モノマー又は各ポリマーと多価カルボン酸との種々の反応について、好ましい反応態様を以下に示す。
(1) 乳酸とポリアスパラギン酸の反応
乳酸とポリアスパラギン酸を、触媒の存在下で反応させる方法について以下に詳述する。
【0049】
本発明の共重合体は、乳酸とポリアスパラギン酸を、触媒の存在下で反応を行ないオリゴマー化した後、さらに有機溶媒中反応を行うことにより得られる。この反応中に、さらにポリマー分子量を上げる場合には、有機溶媒の少なくとも一部を除去し、除去した有機溶媒に溶解する水分量以下の水分量を有する有機溶媒を、追加溶媒として反応系に装入しながら反応することができる。
原料のポリアスパラギン酸の重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましい。
【0050】
本発明の共重合体中のポリアスパラギン酸の量は、0.0001〜10重量%の範囲が好ましく、0.5〜5重量%の範囲がさらに好ましく、この範囲においては、溶融張力が高く、透明性に優れた共重合体が得られる。
少なすぎると、溶融張力が充分ではなくなる傾向がみられ、多すぎると反応において均一性が得られなくなる傾向がみられる。
触媒の使用量は、一般的には、使用する乳酸とポリアスパラギン酸の0.0001〜5重量%の範囲が好ましく、経済性を考慮すると、0.001〜1重量%の範囲がより好ましい。
【0051】
具体的な反応方法は以下のとおりである。
反応器に、L−乳酸、ポリアスパラギン酸及び触媒をそれぞれ所定量装入し、装入後、反応器を加熱し、系外に水を留去しながらオリゴマー化を行なう。この後、モレキュラーシーブ等の乾燥剤を充填し溶媒を入れた管を反応器にとりつけ、留出する溶媒がこの管を通って還流するようにする。留出した溶媒を、乾燥剤を入れた別の反応器で処理して反応器に戻すようにするか、又は新たな水分含量の低い溶媒を反応器に装入してもよい。
【0052】
このような方法により、溶媒に溶解する水の量を、50ppm以下に維持しながら、数十時間反応し続けることにより、重量平均分子量50,000〜1,000,000の範囲のL−乳酸とポリアスパラギン酸の共重合体を得ることができる。
得られた共重合体の重量平均分子量は、溶媒の種類、触媒の種類及び量、反応温度、反応時間、共沸により留出した溶媒の処理方法等の反応条件を変えることにより、種々のものが得られるが、約50,000〜1,000,000の範囲のものが好ましい。共重合体の重量平均分子量が50,000より低いものでは、高いものと比較して、フィルム等に加工した場合には、引張強度及び伸び率が相対的に低い。
また、この共重合体は、透明で、高い溶融張力を有し、フィルム、フィラメント、成形物等に加工した場合に、優れた強度と強靭性を有する。さらに、得られた共重合体は、ポリ乳酸の10倍以上の溶融張力を持つため、発泡体やブロー成形品に加工し易い。
【0053】
(2) 1,4−ブタンジオールとコハク酸及びポリグルタミン酸との反応
水分離器(例えば、Dean Stark trap)を備えた反応器に、溶媒及び所定量の1,4−ブタンジオールとコハク酸及びポリグルタミン酸と所定量の触媒を装入し、反応器を加熱し、共沸により溶媒と水を留出させ水分離器に導く。溶媒の溶解度以上の水を水分離器で分離して系外に除去し、溶解度分の水を含んだ溶媒は、反応系に戻す。この段階で1,4−ブタンジオールとコハク酸とポリグルタミン酸がオリゴマー化する。この段階における生成物の重量平均分子量は、通常、500〜1,000程度であるが、5,000程度とすることもできる。
この間の反応時間は、約0.5時間から数時間である。
【0054】
このオリゴマー化の反応は、あらかじめ別の反応器で、無溶媒、無触媒、減圧下で行なっていてもよいし、無触媒で溶媒を用いて行なってもよい。
このまま溶媒の留出温度で、反応が進むにつれて生成する水を除去し、水で飽和した溶媒を反応系に戻しながら反応を続けてよい。この場合の溶媒中の水分量は500ppm以下が好ましい。さらに数時間反応させると、溶媒の種類にも依存するが、重量平均分子量15,000〜50,000程度のものが得られる。さらに高分子量のポリマーを得るために、以下のような操作を行うことができる。
【0055】
(i) 反応系中の水を水分離器によりほぼ完全に留出させた後、水分離器をはずし、留出する溶媒を乾燥剤又は吸着剤を充填した管を通過するように還流して、さらに脱水する。
(ii) 反応系中の水を水分離器によりほぼ完全に留出させた後、水分離器をはずし、留出する溶媒を乾燥剤又は吸着剤を入れた別の反応器で処理して反応器に戻るように還流させることにより、さらに脱水する。
(iii) 反応系中の水を水分離器によりほぼ完全に留出させた後、水分離器をはずし、新たな水分含量の低い溶媒を反応器に装入する。
これらの方法により、溶媒に溶解する水の量を50ppm以下にし、このまま数10時間反応を続けることにより、溶媒の種類にも依存するが、重量平均分子量50,000〜1,000,000の共重合体を得ることができる。
得られた共重合体は、高い溶融張力と優れた柔軟性を有する。
【0056】
(3) 乳酸とポリブチレンサクシネート及びポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体の反応
触媒の存在下、乳酸とポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体をあらかじめ脱水重縮合し、重量平均分子量3,000以上にした後、ついで、ポリブチレンサクシネートを加えて、さらに加熱脱水重縮合反応をさせる。この反応中に、さらにコポリマーの分子量を上げる場合には、有機溶媒の少なくとも一部を除去し、除去した有機溶媒に溶解する水分量以下の水分量を有する有機溶媒を、追加溶媒として反応系に装入しながら反応することができる。そのために、留出する溶媒を乾燥剤を充填した管を通過するように還流して、脱水してもよい。
原料のポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体の重量平均分子量は、3,000以上であることが望ましい。
【0057】
本発明の共重合体中のポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体単位の量は、0.1〜10重量%の範囲が好ましく、0.5〜5重量%の範囲がさらに好ましく、この範囲においては、可撓性、透明性及び溶融張力に特に優れた共重合体が得られる。少なすぎると、溶融張力が充分ではなくなる傾向がみられ、多すぎると、反応の均一性がなくなったり、得られた共重合体が脆くなったりする傾向がみられる。
原料のポリブチレンサクシネートの重量平均分子量は、10,000以上であることが望ましい。
【0058】
本発明の共重合体中のポリブチレンサクシネートの量は、3.0〜51重量%の範囲が好ましく、5.0〜40重量%の範囲がさらに好ましく、この範囲においては、可撓性と透明性に特に優れた共重合体が得られる。あまり少ないと、十分な軟らかさ、延性若しくは塑性、又は可撓性が充分ではなくなる傾向がみられ、多すぎると、透明性が低くなる傾向がみられる。
触媒の使用量は、一般的には、使用する乳酸とポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体の0.0001〜5重量%の範囲が好ましく、経済性を考慮すると、0.001〜1重量%の範囲がより好ましい。
【0059】
具体的な反応方法は以下のとおりである。
反応器に、ポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体、L−乳酸及び触媒をそれぞれ所定量装入し、装入後、反応器を加熱し、系外に水を留去しながらオリゴマー化を行なう。ついで、ポリブチレンサクシネートを添加し、さらにモレキュラーシーブ等の乾燥剤を充填し溶媒を入れた管を反応器にとりつけ、留出する溶媒がこの管を通って還流するようにするか、留出した溶媒を、乾燥剤を入れた別の反応器で処理して反応器に戻すようにするか、又は新たな水分含量の低い溶媒を反応器に装入する。
【0060】
このような方法により、溶媒に溶解する水の量を、50ppm以下に維持しながら、数十時間反応し続けることにより、重量平均分子量50,000〜1,000,000の範囲のL−乳酸とポリアミノ酸、キトサン誘導体、糖カルボン酸誘導体及びポリブチレンサクシネートの共重合体を得ることができる。
【0061】
このようにして得られた本発明の共重合体は、フィルム、フィラメント、成形物等に加工した場合に、優れた強度、強靭性、透明性及び柔軟性を有する。さらに、得られた共重合体は、メルトフローインデックスが10g/10分のとき、0.7g以上の大きな溶融張力をもつため、発泡体やブロー成形品に加工し易い。
【0062】
本発明によって製造した共重合体を反応液から単離する方法は、公知・公用のいずれの方法によってもよく、実質的に、反応生成物を所望の純度で回収できるものであれば、特に制限されない。
反応液から共重合体を単離する方法の具体例としては、反応終了後に、適当な温度において、反応生成物が溶解している反応液に、過剰の貧溶媒(例えば、イソプロピルアルコール等)を加え、析出した反応生成物の結晶を、デカンテーション又は濾過等により単離し、該結晶を溶解しない貧溶媒で充分に洗浄後、乾燥する方法等があげられる。
【0063】
本発明に係る反応において、縮合反応を触媒の存在下で行なった場合には、得られた共重合体中に触媒が残存する。得られた共重合体中に触媒が残存すると、得られた共重合体の熱安定性及び耐候性に好ましくない影響を及ぼす虞があるので、得られた共重合体中の触媒を除くことが好ましい。
触媒除去方法の好ましい態様としては、例えば、重縮合反応液を冷却して得られる粉末固体状共重合体を、攪拌状態又は非攪拌状態で、親水性有機溶媒の存在下、酸性物質と接触させる方法があげられる。
【0064】
この方法に使用される親水性有機溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルターシャリーブチルエーテル等のエーテル類、酢酸、酪酸等のカルボン酸類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセチアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類等があげられ、これらは単独で又は組合せて使用することができる。これらの中では、一般的には、安価であり、かつ、共重合体を溶解しないアルコール類が好適に使用される。
【0065】
酸性物質の具体例としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等があげられ、これらは単独で又は組合せて使用することができる。これらの中では、一般的には、安価な塩酸、硫酸、硝酸等が好適に使用される。
酸性物質の使用量は、一般的には、共重合体に対して、0.0001〜5.0モル/100重量部が好ましく、0.001〜1モル/100重量部がより好ましい。0.0001モルより少ないと触媒の除去効果が低くなり、5.0モルより多いと重合体が劣化する等の傾向がみられることがある。
【0066】
脱触媒処理に供する固形共重合体の形状は、特に制限されない。脱触媒処理に供する固形共重合体の形状の具体例としては、例えば、粉末状、顆粒状、粒状、フレーク状、ブロック状、リオフィライズ状等をあげることができる。
脱触媒処理に供する固形共重合体の嵩密度は、特に制限されない。脱触媒処理に供する固形共重合体の嵩密度は、一般的には、0.6g/ml以下であるが、0.05〜0.5g/mlが好ましい。嵩密度が0.6g/mlより大きいと、酸性物質との接触効率が低下し、それに伴い脱触媒の効率も低下する傾向がみられることがある。嵩密度が0.05g/mlより小さいと、触媒の除去にはなんら問題はないが、処理後の濾過性が低下し、酸性物質のような処理剤の除去効率が低下する傾向がみられることがある。
【0067】
共重合体を酸性物質で脱触媒処理する際の、親水性有機溶媒と共重合体の重量比率は、一般的には、親水性有機溶媒と共重合体の合計重量に対して、共重合体が3〜40重量%程度となるようにすることが好ましい。
共重合体を酸性物質で脱触媒処理する温度は、一般的には、0〜100℃が好ましく、0〜60℃がより好ましい。共重合体を酸性物質で脱触媒処理する時間は、一般的には、0.1時間〜24時間程度が好ましく、0.5〜8時間程度がより好ましい。
【0068】
本発明により得られる共重合体の重量平均分子量及び分子量分布は、溶媒の有無又は種類、触媒の有無又は種類及び量、反応温度、反応時間、共沸により留出した溶媒の処理方法、反応系の溶媒の脱水の程度等の反応条件を適宜選択することにより、所望のものに制御することができる。
本発明により、重量平均分子量5万以上の共重合体が得られ、その共重合体は、後述するフィルム、ブローボトル、発泡体等の成形物に加工する場合、優れた加工性を示す。
【0069】
本発明の方法により、通常のポリヒドロキシカルボン酸と比較して、高い溶融張力を有する共重合体が得られる。この共重合体は、溶融ポリマーの張力が高いために、例えば、Tダイ押出フィルムを製造する際に、通常問題となる溶融フィルムの垂れやネックインによるフィルム幅の低下が小さくなり、フィルムの成形が容易になる。また、通常のポリヒドロキシカルボン酸に比べて高い発泡倍率の発泡体が容易に得られるという利点がある。さらに、ブロー成形の際には、ダイレクトブローが容易になり、またシート類から真空成形する際にも加熱シートの垂れが少なく、成形が行ない易いという特徴がある。
本発明の方法で、ヒドロキシカルボン酸又はポリヒドロキシカルボン酸と多価カルボン酸を反応させ、さらに脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールから得られる脂肪族ポリエステルを反応させることにより、柔軟で透明性を持ち、さらに溶融張力の高い共重合体を得ることができる。
【0070】
本発明により得られる共重合体は、射出成形、押出成形、カレンダー成形、ブロー成形、バルーン成形、中空成形、真空成形、発泡等の成形に好適な材料である。特に、本発明により得られる共重合体は、ブロー成形、発泡成形、押出成形等の溶融したポリマーの強度を要する加工に適している。例えば、押出成形によるシートの場合に、溶融張力が高いため、溶融されたシートの垂れ下がりやネックインによるシート巾の減少が少ないという特徴がある。
【0071】
以下に、本発明によって得られる共重合体の用途を詳細に述べる。
本発明によって得られる共重合体は、適当な成形加工法により、例えば、ボールペン・シャープペン・鉛筆等の筆記用具の部材、ステーショナリーの部材、ゴルフ用ティー、始球式用発煙ゴルフボール用部材、経口医薬品用カプセル、肛門・膣用座薬用担体、皮膚・粘膜用貼付剤用担体、農薬用カプセル、肥料用カプセル、種苗用カプセル、コンポストバッグ、釣り糸用糸巻き、釣り用浮き、漁業用擬餌、ルアー、漁業用ブイ、狩猟用デコイ、狩猟用散弾カプセル、食器等のキャンプ用品、釘、杭、結束材、ぬかるみ・雪道用滑り止め材、ブロック等としても好適に使用することができる。
【0072】
本発明によって得られる共重合体は、適当な成形加工法により、例えば、弁当箱、食器、コンビニエンスストアで販売されるような弁当や惣菜の容器、箸、割り箸、フォーク、スプーン、串、つまようじ、カップラーメンのカップ、飲料の自動販売機で使用されるようなカップ、鮮魚・精肉・青果・豆腐・惣菜等の食料品用の容器やトレイ、鮮魚市場で使用されるようなトロバコ、牛乳・ヨーグルト・乳酸菌飲料等の乳製品用のボトルや缶、炭酸飲料・清涼飲料等のソフトドリンク用のボトルや缶、ビール・ウィスキー等の酒類ドリンク用のボトルや缶、シャンプーや液状石鹸用のポンプ付き又はポンプなしのボトル、歯磨き粉用チューブ、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、保冷箱、植木鉢、浄水器カートリッジのケーシング、人工腎臓や人工肝臓等のケーシング、注射筒の部材、テレビやステレオ等の家庭電化製品の輸送時に使用するための緩衝材、コンピューター・プリンター・時計等の精密機械の輸送時に使用するための緩衝材、カメラ・眼鏡・顕微鏡・望遠鏡等の光学機械の輸送時に使用するための緩衝材、ガラス・陶磁器等の窯業製品の輸送時に使用するための緩衝材としても好適に使用することができる。
【0073】
本発明によって得られる共重合体は、フィルムやシートの製造に好適な材料である。
本発明によって得られる共重合体を含むフィルムやシートは、公知・公用の押出法、共押出法、カレンダー法、ホットプレス法、溶媒キャスティング法、インフレーション法、バルーン法、テンター法等の技術により製造できる。
本発明によって得られる共重合体を、フィルムやシートに加工する場合、押出法の場合、Tダイ、インフレーションダイ(円形ダイ)、フラットダイ、フィードブロック/シングルマニホールドダイやいくつかのフィードブロックを組み合わせたシングルマニホールドダイ等の公知・公用のダイを用いることができる。
また、共押出法を用いることもでき、この場合においては、性質の異なる複数の該ポリマー及び又は他種ポリマーを用いて、多層フィルムを製造することができる。
【0074】
インフレーション法又はバルーン法を採用すると、二軸同時延伸ができるために、低伸び率・高弾性率・高強靭性を有する丈夫な製品を、高い生産性で、相対的に安価に製造することができ、かつ、形状が袋状(シームレス状)であるため、スーパーマーケット用持ち帰りバッグ、冷凍食品や精肉等の低温の食品パックに結露する水が周囲を濡らすことを防ぐための袋、コンポストバッグ、等の袋やバッグの生産に好適である。
共押出法と組み合わせることにより、性質の異なる複数の本発明の分解性共重合体及び又は他種ポリマーを用いて多層フィルムを、高い生産性で製造することができる。インフレーション法又はバルーン法と共押出法と組み合わせることもできる。
【0075】
本発明によって得られる共重合体を含むフィルム又はシートは、さらに、延伸加工、ブロー加工、真空成形等の二次元的又は三次元的な形状を賦与する二次的な加工にも好適な材料である。本発明によって得られる共重合体を含むフィルム又はシートは、ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポストバッグ、セメント袋、肥料袋、食品・菓子包装用フィルム、食品用ラップフィルム、農業用・園芸用フィルム、温室用フィルム、ビデオやオーディオ等の磁気テープカセット製品包装用フィルム、フロッピーディスク包装用フィルム、フェンス、海洋用・河川用・湖沼用オイルフェンス、粘着テープ、テープ、結束材、防水シート、かさ、テント、土嚢用袋、セメント袋、肥料用袋等として好適に使用することができる。
また、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン等の無機物を含むポリマーを押し出して作成したフィルムを、さらに延伸加工することにより、通気性を持った多孔性フィルムを得ることもでき、オムツカバーや特殊な包装材料等に使用することができる。
【0076】
円形ダイによる押し出しにより、本発明によって得られる共重合体を含むシームレスパイプを製造することができる。共押出法と組み合わせることにより、性質の異なる複数の本発明の分解性共重合体及び又は他種ポリマーを用いて、多層シームレスパイプを製造することもできる。
ダイによる押し出しにより、本発明によって得られる共重合体を含む角材や丸材を製造することができる。共押出法と組み合わせることにより、性質の異なる複数の本発明の分解性共重合体及び又は他種ポリマーを用いて、多層構造断面を有する角材や丸材を製造することもできる。このような共押出法との組合せにより、例えば、金太郎飴、鳴門巻、伊達巻のような、特定の断面層構造と断面輪郭を有する角材や丸材を製造することもできる。
【0077】
本発明によって得られる共重合体を、フィルムやシートに加工する場合、添加剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線安定剤、滑剤、充填剤、付着防止剤、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、滑り防止剤、顔料等)、押出条件、延伸条件等を目的に応じて、適宜、選択することにより、所望の物性、ガスバリア性、光学特性、透過光波長スペクトル、遮光性、耐油性等の特性を有する、本発明の分解性共重合体を含むフィルムやシートを製造することができる。
【0078】
本発明によって得られる共重合体を、フィルムやシートに加工する場合、後処理工程又は仕上工程においては、ウェルディング、ヒートシール、ミシン目付与、プライマー塗布、粘着剤塗布、薬剤塗布、パーカライジング、蒸着、スパッタリング、CVD、コーティング、エッチング、噴き付け、染色、塗装、静電塗装、エアブラッシング、ラミネート、サンドイッチ、エンボス賦与、立体模様賦与、型押し、波付け、印刷、転写、サンディング、サンドプラスト、シャーリング、パンチング、打ち抜き、ハニカム構造化、段ボール構造化、積層体形成等の後処理や仕上の加工を行なうこともできる。
後処理工程又は仕上工程には、目的に応じ、カレンダー法、押し出し法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、凸版法、凹版法、ドクターブレード法、浸漬法、スプレー法、エアブラシ法、静電塗装法等の公知・公用の方法を採用することができる。
【0079】
本発明によって得られる共重合体を含むフィルム又はシートは、紙や他のポリマー等の他の材質のシートと、ラミネートや貼り合わせ等により、多層構造の積層体とすることもできる。
既に述べたように、本発明によって得られる共重合体は、溶融張力が大きいため、発泡体の製造に有効である。本発明において発泡体は、樹脂の内部に多くの空隙(気泡、ボイド、マイクロボイド、キャビティーを含む)が存在する、見かけ密度の小さい、樹脂の連続相中に、空隙相(空隙は連続のものも、独立のものも含む)が混在した、二相構造又は多相構造を有する樹脂構造体を包含し、例えば、細胞構造を有する高分子、発泡高分子、膨張高分子、高分子発泡体、高分子フォーム等の構造体と認識されるもの一般をも包含し、軟質のものも硬質のものも包含する。
【0080】
本発明によって得られる共重合体を含む発泡体は、ガス注入発泡、ビーズ発泡等の公知・公用の方法により製造することができる。発泡体の空隙(気泡、ボイド、マイクロボイド、キャビティーを含む)の、連続性、独立性、大きさ、形状、分布、大きさの均一性等の特性は、目的に応じ、適宜、発泡条件を設定することにより制御することができる。
発泡体を製造するための発泡剤には、不活性ガス、分解すると不活性ガスを発生する化学的発泡剤、炭素数3〜5である炭化水素又は塩素化炭化水素、フルオロカーボン類、フロン類、水、窒素、LPG、LNG、低沸点有機液体、炭酸ガス、不活性ガス、アンモニア等を包含する。
【0081】
化学的発泡剤の例としては、炭酸水素ナトリウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、スルホニルヒドラジド、アゾジカルボンアミド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、5−フェニルテトラゾール、ジイソプロピルヒドラゾジカルボキシラーゼ、5−フェニル−3,6−ジヒロドロ−1,3,4−オキサジアジン−2−オン、水酸化ホウ素ナトリウム等があげられる。
物理的発泡剤の例としては、n−ペンタン、2,2−ジメチルプロパン、1−ペンテン等のペンタン類、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、シクロヘキサン等のヘキサン類、n−ヘプタン、2,2−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、1−ヘプテン等のヘプタン類、トルエン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、トリクロロフルオロメタン、メタノール、2−プロパノール、イソプロピルエーテル、メチルエチルケトン等があげられる。
【0082】
フルオロカーボン類の例としては、CFC−11、CFC−12、CFC−113、CFC−114等のCFCシリーズのフロンがあげられる。
クロロフルオロカーボン(CFC)代替物として、HCFC−141a、HCFC−142b、HFC−134a、HCFC−141b、HCFC−22、CFC−1113、HFC−32、HFC−125、HCFC−124、HFC−125、HFC−152a、HCFC−123、HFC−4310等があげられる。
【0083】
本発明によって得られる共重合体を含む発泡体は、例えば、弁当箱、食器、コンビニエンスストアで販売されるような弁当や惣菜の容器、カップラーメンのカップ、飲料の自動販売機で使用されるようなカップ、鮮魚・精肉・青果・豆腐・納豆・惣菜等の食料品用の容器やトレイ、鮮魚市場で使用されるようなトロバコ、牛乳・ヨーグルト・乳酸菌飲料等の乳製品用の容器、炭酸飲料・清涼飲料等の容器、ビール・ウィスキー等の酒類ドリンク用の容器、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、保冷箱、植木鉢、テープ、テレビやステレオ等の家庭電化製品の輸送時に使用するための緩衝材、コンピューター・プリンター・時計等の精密機械の輸送時に使用するための緩衝材、カメラ・眼鏡・顕微鏡・望遠鏡等の光学機械の輸送時に使用するための緩衝材、ガラス・陶磁器等の窯業製品の輸送時に使用するための緩衝材、遮光材、断熱材、防音材等としても好適に使用することができる。
【0084】
本発明によって得られる共重合体を含む発泡体は、医療用又は衛生用に好適に用いることができる。例えば、包帯、皮膚・粘膜用貼付剤用担体、三角巾、絆創膏、タオル、使い捨てタオル、使い捨て濡れタオル、おしぼり、雑巾、ティッシュー、清浄用・消毒用ぬれティッシュー、あかちゃんのおしりふき用ぬれティッシュー、使い捨ておむつ、生理用・おりもの用ナプキン、生理用タンポン、手術用・出産用血液吸収用タンポン、衛生用カバーストック材、滅菌バッグ等に好適に用いることができる。
これら医療用又は衛生用の製品は、加熱や蒸気による滅菌、エチレンオキサイドガスによる滅菌、過酸化水素水やオゾンによる滅菌、紫外線や電磁波の照射による滅菌、ガンマー線等の放射線の照射による滅菌、エタノールや塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤等を用いた公知・公用の方法により滅菌、殺菌又は消毒のうえ、無菌包装をすることができる。また、HEPAフィルターにより超清浄空気を層流で供給できるクリーンベンチやクリーンルームの中に、工程を設置することにより、無菌状態及び又はエンドトキシン・フリーの状態で製品を製造、包装することもできる。
【0085】
本発明によって得られる共重合体を含む発泡体は、農業、漁業、林業、工業、建設土木業、運輸交通業を包含する一般産業用途及びレジャー、スポーツを包含するリクレーション用途に好適に用いることができる。例えば、農業用寒冷紗、オイル吸収材、軟弱地盤補強材、人工皮革、フロッピーディスクの裏地、土嚢用袋、断熱材、防音材、クッション材、ベッド・椅子等の家具用クッション材、床用クッション材、包装材、結束材、ぬかるみ・雪道用滑り止め材等として好適に用いることができる。
【0086】
【実施例】
この実施例で用いた評価方法は、以下の通りである。
(1) 重量平均分子量
ポリヒドロキカルボン酸類、ポリエステル類、及び共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム温度40℃、クロロホルム溶媒)により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、キトサン又はキトサン誘導体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム温度30℃、0.1M・KCl/水:メタノール=8:2の混合溶媒)により、ポリエチレンオキサイド標準サンプルとの比較で求めた。
【0087】
(2) 溶媒中の水分測定
溶媒中の水分は、カールフィシャー水分計(MKC−210、京都電子工業株式会社製)を用いて測定した。
(3) 示差熱分析
走査熱量計(DSC−3100、マックサイエンス社製)で、−20℃から230℃の温度範囲で分析した。
(4) 引張強度
フィルムサンプルの引張強度は、JIS K−6732に従って測定した。
【0088】
(5) 透明性
フィルムサンプルの透明性は、Haze(曇度)をJIS K−6714に従って、HazeメーターTC−HIII(東京電色(株))にて測定した。
(6) 溶融張力(MT値)
ASTM D−1238に従って、温度190℃、荷重2160gで測定した。
(7) 耐熱性
3cm×1cmのフィルムに20gのおもりを付けてぶら下げて、120℃で10分間加熱し、加熱後の伸び率を測定する。耐熱性の高いものは殆ど伸びを示さず、また耐熱性の低いものは加熱時に伸びて変形してしまう。
【0089】
(8) 曲げ試験(曲げ強度、曲げ弾性率)
JIS K−7113に従って測定した。
(9) 分解性
フィルムを堆肥中に、室温で、30日間、埋設した。埋設の前後で、引張り強度を測定し、分解性を評価した。
【0090】
実施例1
90%L−乳酸100.3g、重量平均分子量12,200のポリアスパラギン酸0.7g、酸化錫(II)0.36gを130℃/窒素雰囲気下で1.5時間、150℃/50mmHgで3時間、さらに150℃/30mmHgで2.5時間、系外に水を留去しながら加熱攪拌しオリゴマー化を行った。この後、オルソジクロロベンゼン71.4gを加え、モレキュラーシーブ3A50gと、水分が10ppm以下であるオルソジクロロベンゼン64.2gが入った管を取り付け、還流により留出する溶媒がモレキュラーシーブ層を通って再び系内に戻るようにして、140℃/220mmHgで9時間、さらに水分が10ppm以下であるオルソジクロロベンゼン72.2gを加え、140℃/250mmHgで13時間系内に水を混入させないようにしながら加熱攪拌し、反応した。なお、モレキュラーシーブ通過後の溶媒中の水分量は、2ppmであった。
【0091】
この反応液に、0.7%塩酸/メチルターシャリブチルエーテル溶液350mlを加え、1時間攪拌した後、吸引濾過する操作を1回行い、錫を除去した。濾塊をメチルターシャリブチルエーテル350mlで攪拌した後、吸引濾過する操作を濾液が中性になるまで洗浄を行った。その後、60℃で熱風乾燥し、54.5g(収率74.9%)の共重合体を得た。
得られた共重合体の重量平均分子量は、92,300であった。この共重合体を示差熱分析したところ、ガラス転移温度は58℃、融点は154℃、158℃と2つの値を示した。
得られた共重合体を、温度180℃でホットプレスして、プレスフィルムを作成した。作成したフィルムの物性を以下に示す。
厚み:90〜102μm
引張強度:550kg/cm2 (破断)
伸び:6%
透明性(Haze):<1%
溶融張力(MT値):13.5(g)
メルトフローインデックス(MI値):6.6(g/10分)
分解性の試験の結果、フィルムは、強度が測定できないほど劣化していた。
【0092】
実施例2
88%L−乳酸90.0g、2%キトアクア(北海道曹達(株)製)32.0g、酸化錫(II)0.32gを加えて2.5時間で150℃まで昇温した後、150℃/50mmHgで2時間、さらに150℃/30mmHgで2時間、系外に水を留去しながら加熱攪拌しオリゴマー化を行った。その後、水分が10ppm以下であるo−ジクロロベンゼン60gを加え、モレキュラーシーブ3A49gと、水分が10ppm以下であるo−ジクロロベンゼン60.0gが入った管を取り付け、還流により留出する溶媒がモレキュラーシーブ層を通って再び系内に戻るようにして、140℃/210mmHgで35時間、さらに水分が10ppm以下であるo−ジクロロベンゼン120gを加え21時間、系内に水を混入させないようにしながら加熱攪拌し、反応した。なお、モレキュラーシーブ通過後の溶媒中の水分量は、2ppmであった。
【0093】
この反応液に、0.7%塩酸/イソプロピルアルコール溶液350mlを加え、1時間攪拌した後、吸引濾過する操作を2回行い、錫を除去した。濾塊をイソプロピルアルコール350mlで攪拌した後、吸引濾過する操作を濾液が中性になるまで洗浄を行った。その後、60℃で熱風乾燥し、51.2g(収率79.9%)の共重合体を得た。
得られた共重合体の重量平均分子量は521,000であった。この共重合体を示差熱分析したところ、ガラス転移温度は57.7℃、融点は156.4℃であった。
得られた共重合体を、温度180℃でホットプレスして、プレスフィルムを作成した。作成したフィルムの物性を以下に示す。
厚み:146〜160μm
引張強度:520kg/cm2 (破断)
伸び:8%
透明性(Haze):<1%
溶融張力(MT値):18.5(g)
メルトフローインデックス(MI値):6.3(g/10分)
分解性試験の結果、フィルムは、強度が測定できないほど劣化していた。
【0094】
比較例1(ポリ乳酸)
重量平均分子量143,000のポリ乳酸を、温度180℃でホットプレスして、プレスフィルムを作成した。作成したフィルムの物性を以下に示す。
厚み:122〜136μm
引張強度:570kg/cm2 (破断)
伸び:7%
透明性(Haze):<1%
溶融張力(MT値):0.6(g)
メルトフローインデックス(MI値):6.3(g/10分)
分解性試験の結果、フィルムは、強度が測定できないほど劣化していた。
【0095】
比較例2
反応器として、攪拌装置、真空ライン、温度管理のできるヒーター、モレキュラーシーブ5A充填管を接続できる溶媒還流ラインを備えたものを使用した。エチレングリコール22.9g、コハク酸35.4g、金属錫0.216gを反応器に装入し、150℃、常圧で7時間、次いで150℃/10mmHgで4時間、さらに150℃/4mmHgで4時間、系外に水を留出しながら重合反応を行なった。その後、反応器にジフェニルエーテル129.7gを装入し、モレキュラーシーブ5A20gを充填した管を反応器に接続し、留出した溶媒がモレキュラーシーブ層中を通過して、反応器に還流するようにした。その後、130℃/15mmHgで57時間反応を行なった。
【0096】
反応終了後、その反応系内容物に、クロロホルム500mlを加えて溶解した。この混合溶液を、濾過して得た濾液に、アセトン5.8lに加えて再沈した。再沈した固形分を濾過により、濾過残渣として回収した。
この濾過残渣に1%塩酸/イソプロピルアルコール溶液600mlを加えて、1時間攪拌した後、吸引濾過して溶出した錫を除去した。錫を除去した濾過残渣に、新鮮なイソプロピルアルコール600mlを加えて充分に攪拌した後吸引濾過する洗浄操作を、濾液が中性になるまで繰り返し行なった。
洗浄終了後、60℃で熱風乾燥し、収量36.8g(収率85%)のポリエチレンサクシネートを得た。得られた重合体の重量平均分子量は、152,000であった。
得られたポリマーを、温度170℃でホットプレスして、プレスフィルムを作成した。作成したフィルムの物性を以下に示す。
厚み:100μm
引張強度:180kg/cm2 (降伏)
伸び:660%
溶融張力(MT値):0.5(g)
メルトフローインデックス(MI値):4.8(g/10分)
分解性試験の結果、フィルムは、強度が測定できないほど劣化していた。
【0097】
比較例3
反応器として、攪拌装置、真空ライン、温度管理のできるヒーター、モレキュラーシーブ5A充填管を接続できる溶媒還流ラインを備えたものを使用した。1,4−ブタンジオール41.0g、コハク酸53.1g、酸化第一錫0.774gを反応器に装入し、150℃、常圧で2.5時間、さらに150℃/15mmHgで0.5時間、系外に水を留出しながら重合反応を行なった。その後、反応器にジフェニルエーテル232gを装入し、モレキュラーシーブ5A20gを充填した管を反応器に接続し、留出した溶媒がモレキュラーシーブ層中を通過して、反応器に還流するようにした。その後、110℃/100mmHgで20時間反応を行なった。
【0098】
反応終了後、その反応系内容物に、オルソジクロルベンゼン465gを加え晶析した。晶析した固形分を濾過により、濾過残渣として回収した。
濾過残渣に、1%塩酸/イソプロピルアルコール溶液600mlを加え、1時間攪拌した後、吸引濾過する操作を行ない錫を除去した。錫を除去した濾過残渣に、新鮮なイソプロピルアルコール600mlを加えて充分に攪拌した後吸引濾過する洗浄操作を、濾液が中性になるまで繰り返し行なった。
洗浄終了後、60℃熱風乾燥し、収量65.0g(収率84%)の重合体を得た。得られた重合体の重量平均分子量は、125,000であった。
得られたポリマーを、温度170℃でホットプレスして、プレスフィルムを作成した。作成したフィルムの物性を以下に示す。
厚み:100μm
引張強度:340kg/cm2 (降伏)
伸び:420%
溶融張力(MT値):0.65(g)
メルトフローインデックス(MI値):6.5(g/10分)
分解性試験の結果、フィルムは、強度が測定できないほど劣化していた。
【0099】
比較例4
ポリエチレン(ミラソン−11)を、温度170℃でホットプレスして、プレスフィルムを作成した。作成したフィルムの物性を以下に示す。
厚み:100μm
引張強度:220kg/cm2 (降伏)
伸び:500%
分解性試験の結果、変化は見られなかった。
Claims (13)
- ポリアミノ酸、キトサン誘導体及び糖カルボン酸誘導体からなる群から選択された少なくとも一種の多価カルボン酸(A)と、
(b1) ヒドロキシカルボン酸、
(b2) ポリヒドロキシカルボン酸、
(b3) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸、及び
(b4) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との脂肪族ポリエステル
からなる群から選択された少なくとも1種(B)とを、脱水縮合反応することを特徴とする、分解性共重合体の製造方法。 - 脱水縮合反応が、実質的に反応の進行を阻害しない程度の水分量の有機溶媒を含む反応系において、触媒の存在下、脱水縮合反応を行う工程を含むものである、請求項1記載の分解性共重合体の製造方法。
- 脱水重縮合反応が、工程1として、触媒の存在下、溶剤の非存在下で、脱水縮合反応を行なう工程、及び、工程2として、工程1の生成物を、実質的に反応の進行を阻害しない程度の水分量の有機溶媒を含む反応系において、触媒の存在下、脱水縮合反応を行なうことにより、工程1の生成物よりも実質的に高い重量平均分子量を有する生成物を生成する工程、とを含むものである、請求項1記載の分解性共重合体の製造方法。
- 「実質的に反応の進行を阻害しない程度の水分量の有機溶媒を含む反応系」を実現する手段が、連続操作及び/又は回分操作により、反応系内の有機溶媒の少なくとも一部を反応系外に排出すると共に、反応系外に排出した有機溶媒の水分量以下の水分量の有機溶媒を、反応系内に新たに装入するものである、請求項2又は3記載の分解性共重合体の製造方法。
- 「実質的に反応の進行を阻害しない程度の水分量の有機溶媒を含む反応系」を実現する手段が、連続操作及び/又は回分操作により、反応系内の有機溶媒の少なくとも一部を反応系外に一旦取り出し、反応系外に一旦取り出した有機溶媒について、取り出す前の水分量以下の水分量となるように脱水処理し、その脱水処理した有機溶媒を、再び反応系内に戻すものである、請求項2又は3記載の分解性共重合体の製造方法。
- 脱水処理が、有機溶剤を乾燥剤と接触させることによるものである、請求項5記載の分解性共重合体の製造方法。
- 乾燥剤が、イオン交換樹脂、モレキュラーシーブ類、五酸化二リン及び金属水素化物からなる群から選択された少なくとも一種である、請求項6記載の分解性共重合体の製造方法。
- 「実質的に反応の進行を阻害しない程度の水分量の有機溶媒を含む反応系」が、「50ppm以下の水分量の有機溶媒を含む反応系」である、請求項2乃至7のいずれかに記載の分解性共重合体の製造方法。
- ポリアミノ酸が、ポリアスパラギン酸及び/又はポリグルタミン酸である、請求項1乃至8の何れかに記載の分解性共重合体の製造方法。
- 請求項1乃至9の何れかに記載した製造方法により得られた分解性共重合体。
- 請求項1乃至9の何れかに記載した製造方法により得られた、メルトフローインデックスが10g/10分において溶融張力が0.7g以上の分解性共重合体。
- 請求項10又は11に記載した分解性共重合体からなる発泡体。
- 請求項10又は11に記載した分解性共重合体からなるブロー成形体。
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