JP3643597B2 - 高効率を得ることのできるモータ装置およびモータの制御方法 - Google Patents

高効率を得ることのできるモータ装置およびモータの制御方法 Download PDF

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Description

技術分野
この発明は高効率で運転できるモータ装置及びモータの制御方法に関する。
背景技術
従来から、二次銅損がなく、理論的に高効率化が可能であるという利点に着目して、ブラシレスDCモータを種々の分野に適用することの研究開発が行なわれ、また実用化されている。
ここで、ブラシレスDCモータを高効率に制御する方法は、以下の2つの方法に大別される。
(i) モータ電流の瞬時値を検出し、トルク/電流比が大きくなるようにモータ電流を制御する方法、および
(ii) モータの回転速度を検出し、検出した回転速度に応答して、モータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相が、最大出力近傍でブラシレスDCモータを駆動することができる位相になるように電圧形インバータを制御する方法。
上記(i)の方法では、ブラシレスDCモータとして、回転子の表面に永久磁石を装着してなる構成のもの(表面磁石DCモータと称する)を採用した場合に、トルク発生に関与しないd軸電流(ギャップ磁束と同一方向の電流)を0にするようにモータ電流を制御する(「ACサーボシステムの理論と設計の実際」、杉本他、総合電子出版社発行、p.74参照)。また、ブラシレスDCモータとして、回転子の内部に埋め込んだ状態で永久磁石を装着してなる構成のもの(以下、埋込磁石DCモータと称する)を採用した場合には、磁石トルク{q軸電流(ギャップ磁束と直角な方向の電流)に比例するトルク}とリラクタンストルク(d,q軸電流の積に比例するトルク)との和が発生トルクとなるので、負荷状態(トルク)を検出し、逐次演算を行なってd,q軸電流の最適値を算出し、d,q軸電流が最適値になるようにモータ電流を制御する(「ブラシレスDCモータの省エネルギ高効率運転法」、森本他、電学論D、112巻3号、平成4年、特に(14),(15)式参照)。
この(i)の方法は、高速なトルク応答が要求される用途、例えば、工作機械、産業用ロボット等におけるブラシレスDCモータ駆動系では、電圧形インバータに予め瞬時電流検出器が設けられており、高速な電流制御系が構成されているのであるから、高効率化のために特別な装置を設けることが必要でなく、簡単に対処できる。ここで、高速な電流制御系を構成しているのは、ブラシレスDCモータでは、電流応答がトルク応答とほぼ等しくなるためであり、高速なトルク応答を実現することができる。
一方、家電機器、例えば、空気調和機、洗濯機、掃除機等におけるブラシレスDCモータ駆動系では、ブラシレスDCモータの回転子の位置を検出した位置信号に応答して電圧形インバータのみで電圧波形を制御する簡単な制御構成が採用されているのであるから、上記(i)の方法を適用しようとすれば、瞬時電流検出器を新たに設けることが必要になるのみならず、特に埋込磁石DCモータを採用する場合に、制御演算機能を強化することが必要になるので、既設のマイクロコンピュータを高性能のマイクロコンピュータに変更し、または追加することが必要になり、大幅なコストアップを招いてしまう。
このような点を考慮して、家電機器、例えば、空気調和機、洗濯機、掃除機等におけるブラシレスDCモータ駆動系では、ブラシレスDCモータの回転子の位置を検出した位置信号に応答して電圧形インバータのみで電圧波形を制御する簡単な制御構成に加えて、ブラシレスDCモータの回転速度に応答して、モータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相を所定の位相に設定すべく電圧形インバータを制御する構成を採用することが提案されている。そして、この構成を採用すれば、瞬時電流検出器、高性能のマイクロコンピュータが不要であるから、上述のコストアップを大幅に低減することができる。
上述のように、ブラシレスDCモータの回転速度に応答して、モータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相を所定の位相に設定すべく電圧形インバータを制御する構成を採用した場合には、定格点近傍での運転のみを行なう限りにおいて高効率な運転を達成することができる。しかし、上記の家電機器においては、一般的に、定格点からかなりかけ離れた状態での運転を行なう期間が、定格点近傍での運転を行なう期間と比較して著しく長い。そして、前者の期間における運転では、軽負荷になって電圧振幅を小さくしても電流値が低下せず、必要以上の電流が流れてしまうことになるので、本来のモータ効率(各負荷条件での最大効率)よりも低い効率の運転しか行なうことができないという不都合がある。
具体的には、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqがそれぞれ6.5mH、15.0mH、逆起電圧係数Keが0.105Vs/radの埋込磁石DCモータを回転速度90r.p.s.で駆動し、かつモータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相δを50゜,80゜にそれぞれ設定した場合には、電圧形インバータの線間電圧振幅に対するモータ出力特性ならびにモータ電流特性を示した図1から、同一のブラシレスDCモータであっても、位相δを大きく設定した方が大出力運転を行なうことができるが、軽負荷になって電圧形インバータの線間電圧振幅(基本波成分の振幅)を小さくしても、電流値が殆ど低下しないことが分る。また、負荷を10kgf・cmに設定し、位相δを手動操作で調整して各回転速度における最大のモータ効率を測定したところ、図2中に白丸印で示す特性が得られたのに対して、高負荷(20kgf・cm)時に最適な位相δで各回転速度における低負荷時のモータ効率を測定したところ、図2中に白三角印で示す特性が得られた。したがって、軽負荷で運転を行なわせた場合にモータ効率が大幅に低下してしまうことが分る。そして、このモータ効率の低下は、巻線抵抗が大きいほど顕著になる。
図3は従来のブラシレスDCモータ装置の構成を概略的に示したブロック図、図4は図3中の制御回路の要部を示すブロック図である。図3に示すように、この従来のブラシレスDCモータ装置では、交流電圧91を電圧形インバータ92におけるコンバータ92aにより直流電圧に変換した後に、インバータ本体92bにより交流電圧に変換してブラシレスDCモータ93に供給し、ブラシレスDCモータ93の回転子の磁極位置を位置検出回路94により検出し、磁極位置検出信号に応答して制御回路96によりスイッチング指令を生成して電圧形インバータ92に供給する構成が採用されている。
また、上記制御回路96は、図4に示すように、例えば位置検出回路94により出力される磁極位置検出信号の時間間隔に基づいて得られる実回転速度と回転速度指令とを入力として振幅指令を出力する振幅指令出力部96aと、実回転速度を読み出しアドレスとして該当する位相指令を出力する位相テーブル96bとを有し、振幅指令および位相指令を図示しないPWM回路に供給することによりスイッチング指令を生成する。
上記振幅指令出力部96aは、例えば、回転速度指令Y*と実回転速度Yとの差ΔYを算出し、この差ΔYを用いてV*=Kp・ΔY+KI・Σ(ΔY)のPI演算を行って振幅指令V*を算出して出力する。ただし、Kp、KIは定数であり、例えば、経験的に得られる値が採用される。
したがって、回転速度指令Y*と実回転速度Yとの差により算出される振幅指令V*および位相テーブル96bから読み出された位相指令をPWM回路に供給してスイッチング指令を生成することにより、実回転速度Yを回転速度指令Y*に近づけ、一致させることができる。
しかし、上述のブラシレスDCモータ制御回路を採用した場合には、軽負荷時における効率が大幅に低下する。また、ブラシレスDCモータの無負荷時の誘起電圧がインバータ出力電圧振幅よりも大きく高速域(固定子電機子反作用を利用してモータ誘起電圧の上昇を抑える、すなわち、弱め磁束制御が行われる領域)では、インバータ電圧を最大に固定し、モータ電流を最小にするような制御が不可能である。
これらの点について詳細に説明する。
図5はブラシレスDCモータの1相分の等価回路を示したものであるが、この図に示すように、この等価回路では、インバータ基本波電圧Vに対してモータ巻線抵抗R、q軸上のリアクタンスXqおよびブラシレスDCモータの誘起電圧(正確には、逆起電圧Eに対して、q軸リアクタンスXqとd軸リアクタンスXdとの差とモータ電流のd軸成分Idとの積を加算した電圧)がこの順に直列接続されている。なお、図5中、jは虚数である。
ここで、インバータ基本波周波数をω(極対数nのブラシレスDCモータの場合、その回転数はω/n)、d−q軸上のインダクタンスをLd,Lq、逆起電圧係数をKe、モータ電流をI、モータ電流Iのd軸成分、q軸成分をそれぞれId、Iq、出力トルクをT、インバータ基本波電圧Vのd軸成分、q軸成分をそれぞれVd、Vqで表し、モータ巻線抵抗Rがリアクタンスの大きさ|X|に比べて十分に小さいと仮定すれば、
|I|=(Id2+Iq21/2
=[{(Vd/ω)/Xq}+{(Vq/ω−Ke)/Xd}1/2
T=η{E+(Xq−Xd)・Id}・Iq/ω
=η{Ke・Iq+(Lq−Ld)・Id・Iq}
の関係式が得られる。
そして、機器定数Ld=6.5mH、Lq=15.0mH、Ke=0.15V・s/radのブラシレスDCモータについてインバータ基本波電圧振幅|V|{=(Vd2+Vq21/2}を変化させて出力トルク、モータ電流の振幅をそれぞれ計算したところ、図6A,6Bに示す結果が得られた。なお、モータ極対数nは2で、回転速度は90r.p.s.に設定してある。図6A,6Bから明らかなように、出力トルクTを減少させてもモータ電流振幅が増加する相反関係を示しており、軽負荷(出力トルクが小さい)時に、モータ巻線のジュール損が重い負荷の時と比較して大きくなり、効率が大幅に低下する。また、モータ電流振幅が軽負荷時にかなり大きくなるので、電圧形インバータを構成するスイッチング素子などとして電流容量が大きいものを採用しなければならない。
さらに、電圧形インバータの電圧振幅(PWMのデューティ)を調整してブラシレスDCモータの回転速度を制御するのであるから、速度制御系を安定動作させるためには加速時に電圧振幅指令が飽和しないように位相を固定することになり、定速時にインバータの電圧振幅を最大にするような位相を設定することができない。換言すれば、電圧振幅調整のためのマージンを常に確保しておくことが必要である。したがって、電圧形インバータの定常時の電圧振幅を最大に固定しておいてモータ電流を最小にするような制御を行うことは不可能である。
なお、以上の不都合は、永久磁石を回転子の内部に配置してなるブラシレスDCモータ(埋込磁石モータ)、永久磁石を回転子の表面に配置してなるブラシレスDCモータ(表面磁石モータ)の何れにも同様に発生する。
発明の開示
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その第一の目的は、位置信号に応答して電圧形インバータのみで電圧波形を制御してブラシレスDCモータを制御するタイプのブラシレスDCモータ装置において、負荷の変動に拘らず高効率な運転を達成することであり、さらには、特別な装置を付加することなく、運転範囲の拡大および高効率運転を達成し、しかも電圧形インバータのスイッチング素子などの電流容量を小さくすることを実現することである。
この発明のさらなる目的は、脱調を防止すると共に、最大効率で運転できるDCモータ装置ならびにACモータ装置を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために、この発明は、電圧形インバータにより駆動されるブラシレスDCモータの回転速度および回転子の位置を検出し、検出された回転速度に応答してモータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相を所定の位相に設定すべく電圧形インバータに対するスイッチング指令を設定するブラシレスDCモータの制御方法において、上記電圧形インバータの入 力電流とモータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力 電圧の位相との間に回転速度毎に関係を有し、上記電圧形インバータの入力電流を検出し、上記検出された回転速度および検出された入力電流に応答して、上記関係を 利用することによって、上記モータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相をモータ効率をほぼ最大にする位相に設定すべく電圧形インバータに対するスイッチング指令を設定することを特徴とするブラシレスDCモータ制御方法を提供する。
また、この制御方法を実施するブラシレスDCモータ装置は、電圧形インバータの入力電流とモータ逆起電圧の 位相に対するインバータ出力電圧の位相との間に回転速 度毎に関係を有し、上記電圧形インバータの入力電流を検出する検出手段と、検出されたブラシレスDCモータの回転速度および検出された入力電流に応答して、上記関 係を利用することによって、上記モータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相をモータ効率をほぼ最大にする位相に設定すべく電圧形インバータに対するスイッチング指令を設定するインバータ制御手段とを有している。
この構成によれば、ブラシレスDCモータの回転速度のみならず、負荷条件をも考慮して上記インバータ出力電圧の位相を設定することにより、回転速度、負荷条件に拘らず、ブラシレスDCモータを高効率に動作させることができる。さらに詳細に説明すると、電圧形インバータは変換効率が高く、しかも、前記従来方法(ii)が適用される家電機器は力率を大きく設定しているのであるから、電圧形インバータの入力電流に基いてブラシレスDCモータの有効出力を推定することができる。したがって、電圧形インバータの入力電流に応答して上記インバータ出力電圧の位相をモータ効率を最大にする位相に設定すべく電圧形インバータに対するスイッチング指令を設定することにより、負荷条件に拘らずブラシレスDCモータを高効率に動作させることができる。さらにまた、瞬時電流検出が不要であるとともに、瞬時電流に応答して電流制御を行なうことも不要であるから、それを行う装置も不要となり、コストアップを大幅に抑制することができる。
一実施例に係るブラシレスDCモータ装置では、上記インバータ制御手段として、予め実測を行なって得られた、上記回転速度および入力電流に対して最大効率を得ることができる位相を保持した位相保持手段をさらに有し、検出された回転速度および検出された入力電流に応答して位相保持手段から該当する位相を上記モータ効率をほぼ最大にする位相として読み出して電圧形インバータに対するスイッチング指令を設定するものを採用している。
他の実施例では、上記インバータ制御手段として、予め実測を行なって得られた、上記回転速度および入力電流に対して最大効率を得ることができる位相の変化特性を規定する値を保持した値保持手段と、値保持手段に保持した値に基づいて位相を線形近似する線形近似手段とをさらに有し、検出された回転速度および検出された入力電流に応答して位相保持手段から該当する位相を読み出し、線形近似手段により線形近似して位相を得、得られた位相を上記モータ効率を最大にする位相として電圧形インバータに対するスイッチング指令を設定するものを採用している。したがって、実測を行なって予め得ておく必要がある位相の数を低減することができる。
一実施例の制御方法においては、上記モータ効率をほぼ最大にする位相として、ブラシレスDCモータを最大効率で駆動するための位相よりも所定値だけ進められた位相を採用する。この方法を実行する制御装置では、上記インバータ制御手段が、モータ効率を最大にする位相を所定値だけ進めて電圧形インバータに対するスイッチング指令を設定する位相補正手段をさらに有している。
この構成によれば、効率の低下を殆ど伴なうことなく出力の上限値を高めることができ、ひいては、例えば入力電流検出の応答が遅く、負荷の変動が早く、位相の適切な制御ができないことに起因してブラシレスDCモータが失速してしまう可能性がある場合であっても、上述のように出力の上限値を高めていることに伴なってブラシレスDCモータを失速させることなく動作させ続けることができる。即ち、効率を殆ど低下させることなく信頼性を高めることができる。
また、この発明は、電圧形インバータにより駆動されるブラシレスDCモータの回転速度および回転子の位置を検出し、検出された回転速度に応答してモータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相を所定の位相に設定すべく電圧形インバータに対するスイッチング指令を設定するブラシレスDCモータの制御方法において、電圧形インバータの出力電圧振幅を上記検出された回転速度に基づいて定まる所定の振幅に設定するとともに、ブラシレスDCモータに対する回転速度指令と上記検出された回転速度との差に応答して、モータ逆起電圧に対する位相を所定の位相に設定すべく、かつ電圧形インバータの端子電圧通電幅を電気角で180゜に設定すべく電圧形インバータに対するスイッチング指令を設定することを特徴とするブラシレスDCモータ制御方法を提供する。
なお、この制御方法を実施するために、本発明のブラシレスDCモータ装置は、上述の方法で電圧形インバータに対するスイッチング指令を設定するインバータ制御手段を有する。
したがって、この発明によれば、電圧形インバータの出力電圧振幅を調整して回転速度を制御する場合のような出力電圧振幅調整のためのマージンが不要であり、電圧形インバータの出力電圧振幅を最大に固定して回転速度の制御を行うことにより運転範囲を広くすることができる。また、出力トルクを減少させることによりモータ電流振幅を小さくすることができるので、軽負荷時における効率を大幅に向上させることができる。さらに、モータ電流振幅を小さくできることに伴なって電圧形インバータのスイッチング素子などの電流容量を小さくすることができる。さらにまた、電圧形インバータの通電幅が電気角で180゜であるから、無制御期間を電気角で0゜にすることができる。この結果、モータ端子電圧を大きくし、運転範囲を広くすることができ、また、モータ端子電圧を大きくできるのでモータ電流の増加量を抑制することができ、ひいてはモータ巻線によるジュール損の増加を抑制してブラシレスDCモータの効率を高めることができ、さらに、ブラシレスDCモータの回転子に装着されている永久磁石の電気角で180゜の範囲に対して電流を望む方向に流すことができ、ひいては磁束利用率の低下を抑制することができ、ブラシレスDCモータの効率を高めることができる。
一実施例において、ブラシレスDCモータの回転子として、永久磁石が回転子の内部に配置されてなるものを採用している。この場合、磁石に起因するトルクのみならずリラクタンスに起因するトルクをも発生させることにより、モータ電流を増加させることなく、全体としての発生トルクを大きくすることができる。また、表面磁石モータと比較して、モータ巻線のインダクタンスを大きくする(弱め磁束の作用を大きくする)ことができ、表面磁石モータよりも高速の運転を達成することができる。さらに、モータ巻線のインダクタンスが大きいことに起因して、インバータ低次高調波成分による電流リプルを小さくすることができ、ひいてはトルクリプルを小さくすることができる。
一実施例のブラシレスDCモータ制御方法では、電圧形インバータの各相の出力端子に一方の端部が接続された抵抗の他方の端部を互いに接続して第1中性点電圧を得るとともに、ブラシレスDCモータの各相の固定子巻線の一方の端部を互いに接続して第2中性点電圧を得、第1中性点電圧と第2中性点電圧との差に基づいてブラシレスDCモータの回転子の磁極位置を検出する。
この方法を実行するためのブラシレスDCモータ装置は、電圧形インバータの各相の出力端子に一方の端部が接続され、かつ他方の端部が互いに接続された抵抗と、抵抗の他方の端部において得られる第1中性点電圧と、ブラシレスDCモータの各相の固定子巻線の互いに接続された端部において得られる第2中性点電圧とを入力として両中性点電圧の差電圧を出力する差電圧出力手段と、差電圧に基づいてブラシレスDCモータの回転子の磁極位置を検出する回転子位置検出手段とをさらに含んでいる。
この構成によれば、回転速度(ただし、停止時は除く)、通電幅、電流振幅に拘らず、しかも特別に回転子の磁極位置検出用のセンサを設けることなく、回転子の磁極位置を検出することができる。
上述のいずれかの実施例に係るブラシレスDCモータ装置を電気機器において駆動源として採用した場合、駆動源としてのブラシレスDCモータの運転範囲の拡大に起因して駆動源を大型化することなく運転範囲の拡大を達成することができるとともに、駆動源としてのブラシレスDCモータの高効率化に起因して消費電力の低減化を達成することができる。
さらに、この発明は、回転子と、電機子コイルを有する固定子と、上記電機子コイルに印加する電圧のパターンを切り換えるインバータ部とを備えるモータ装置において、モータ効率との間に関係を有する上記電機子コイルの中性点の電圧に基づいて、所定の効率(望ましくは最高効率)になるようにインバータ部の出力を制御する制御手段を備えたことを特徴とするモータ装置を提供する。
この構成によれば、例えば、上記電機子コイルの中性点の電圧とモータ効率との間に相関関係があり、上記中性点の電圧が所定のレベルのときにモータが所定の効率となり、または中性点の電圧が最小のときにモータの効率が最大となる場合、上記制御手段は、電機子コイルの中性点の電圧に基づいて、上記インバータ部の出力の位相制御または電圧制御を行って、所望の効率でモータを運転する。
したがって、モータ効率に対する電機子コイルの中性点電圧の特性を用いて、上記中性点の電圧に基づきインバータ部の出力を制御することによって、モータを任意の効率で運転できる。また、上記電機子コイルの中性点の電圧のレベルがある値未満になると脱調するような場合、中性点の電圧のレベルがある値未満にならないように、インバータ部の出力を制御することによって、脱調を防止する。
一実施例においては、上記電機子コイルは3相Y結線に接続されたものであって、上記電機子コイルに対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路と、上記回転子と上記固定子との間の相対的な回転位置を検出して、位置信号を出力する回転位置検出手段とを備えている。そして、上記制御手段は、上記電機子コイルの中性点と上記抵抗回路の中性点との電位差を表わす電位差信号のレベルが目標値(望ましくは、最高効率を得る目標値)に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記電位差信号のレベルが上記目標値になるように、上記位置信号から上記電圧のパターンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段とを備えている。上記インバータ部は、上記位相補正手段からの位相補正された上記電圧のパターンを表わす信号に基づいて、電機子コイルに印加される電圧のパターンを切り換える。
したがって、上記電位差信号のレベルを判定する目標値を所望の効率のときのレベルに設定することによって、モータは任意の効率で運転される。また、上記電圧のパターンを進み位相から遅れ位相に徐々に調整して、所望の効率で運転することによって、ピーク効率点より遅れ位相側に存する脱調領域に電圧のパターンの位相が調整されることがないので、脱調が防止される。
別の実施例では、上記制御手段は、上記電機子コイルの中性点と上記抵抗回路の中性点との電位差を表わす電位差信号が積分された積分信号のレベルが目標値(望ましくは最高効率を得る目標値)に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記積分信号のレベルが上記目標値になるように、上記位置信号から上記電圧のパターンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段とを備えている。そして、上記インバータ部は、上記位相補正手段からの位相補正された上記電圧のパターンを表わす信号に基づいて、電機子コイルに印加する電圧のパターンを切り換える。
したがって、上記積分信号のレベルを判定する目標値を所望の効率のときのレベルに設定することによって、モータを任意の効率で運転できる。また、上記積分信号が電位差信号を積分して得ることによって、運転周波数が変化しても所望の効率における積分信号のレベルが略一定となる場合は、電位差信号のレベルを判定するよりも、容易に所定の効率でモータを運転できる。さらに、上記電圧のパターンを進み位相から遅れ位相に徐々に調整して、所望の効率で運転することによって、ピーク効率点より遅れ位相側に存する脱調領域に電圧のパターンの位相が調整されることがないので、脱調が防止される。
一実施例に係るモータ装置は、上記電機子コイルは3相Y結線に接続されたものであって、上記電機子コイルに対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路を備えると共に、上記制御手段は、上記電機子コイルの中性点と上記抵抗回路の中性点との電位差を表わす電位差信号のレベルが目標値(望ましくは、最高効率を得る目標値)に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記電位差信号のレベルが上記目標値になるように、上記インバータ部の出力電圧を補正する電圧補正手段とを備えている。
したがって、上記電位差信号のレベルを判定する目標値を所望の効率のときのレベルに設定することによって、モータを任意の効率で運転できる。また、上記インバータ部の出力電圧をピーク効率点における出力電圧よりも低い電圧から徐々に電圧が高くなるように調整して、所望の効率で運転することによって、ピーク効率点より出力電圧が高い側の脱調領域に出力電圧が補正されることがないので、脱調が防止される。
一実施例においては、上記制御手段は、上記電機子コイルの中性点と上記抵抗回路の中性点との電位差を表わす電位差信号が積分された積分信号のレベルが目標値(望ましくは最高効率を得る目標値)に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記積分信号のレベルが上記目標値になるように、上記インバータ部の出力電圧を補正する電圧補正手段とを備えている。
この構成によれば、上記積分信号のレベルを判定する目標値を所望の効率のときのレベルに設定することによって、モータを任意の効率で運転できる。また、上記積分信号が電位差信号を積分することによって得られるので、運転周波数が変化しても所望の効率における積分信号のレベルが略一定となる場合は、電位差信号のレベルを判定するよりも、容易に所定の効率でモータを運転できる。さらに、上記インバータ部の出力電圧をピーク効率点における出力電圧よりも低い電圧から徐々に電圧が高くなるように調整して、所望の効率で運転することによって、ピーク効率点より出力電圧が高い側の脱調領域に出力電圧が補正されることがないので、脱調を防止することができる。
さらにまた、この発明は、複数極の磁石を有する回転子と、3相Y結線に接続された電機子コイルを有する固定子と、上記電機子コイルに対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路と、上記電機子コイルの中性点と上記抵抗回路の中性点との電位差を表わす電位差信号を検出し、その電位差信号に基づいて、上記回転子と上記固定子の相対的な回転位置を検出して、位置信号を出力する回転位置検出手段と、上記回転位置検出手段の上記位置信号に基づいて、上記電機子コイルに印加する電圧のパターンを切り換えるインバータ部とを備えるモータ装置において、上記回転位置検出手段からの上記電位差信号を積分して、積分信号を出力する積分手段と、上記積分手段からの上記積分信号を受けて、上記積分信号のレベルが目標値(望ましくは最大効率のときの積分信号のレベル)に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記積分手段からの上記積分信号のレベルが上記目標値になるように、上記位置信号から上記電圧のパターンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段とを備えたことを特徴とするモータ装置を提供するものである。
このモータ装置では、上記インバータは、上記位相補正手段からの位相補正された上記電圧のパターンを表わす信号に基づいて、電機子コイルに印加する電圧のパターンを切り換える。したがって、上記積分信号のレベルを判定する目標値を所望の効率のときの積分信号のレベルに設定することによって、モータは任意の効率で運転される。また、上記電圧のパターンを進み位相から遅れ位相に徐々に調整して、所望の効率で運転することによって、ピーク効率点より遅れ位相側に存する脱調領域に上記電圧のパターンの位相が調整されることがないので、脱調が防止される。
また、この発明は、複数極の磁石を有する回転子と、3相Y結線に接続された電機子コイルを有する固定子と、上記電機子コイルに対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路と、上記電機子コイルに印加する電圧を出力するインバータ部とを備えるモータ装置において、上記電機子コイルの中性点と上記抵抗回路の中性点との電位差を表わす電位差信号を積分して、モータ効率との間 に関係を有する積分信号を出力する積分手段と、上記積分手段からの上記積分信号を受けて、上記積分信号のレベルが目標値(望ましくは最大効率のときの積分信号のレベル)に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記積分手段からの上記積分信号のレベルが上記目標値になるように、上記インバータ部の出力電圧を補正する電圧補正手段とを備えたことを特徴とするモータ装置を提供する。
この構成によれば、上記積分信号のレベルを判定する目標値を所望の効率のときの積分信号のレベルに設定することによって、モータを任意の効率で運転できる。また、上記インバータ部の出力電圧をピーク効率点における出力電圧よりも低い電圧から徐々に電圧が高くなるように調整して、所望の効率で運転することによって、ピーク効率点より出力電圧が高い側の脱調領域に出力電圧が補正されることがないので、脱調が防止される。
上記レベル判定手段の上記目標値を最大効率のときの上記積分信号のレベルに設定した場合には、上記位相補正手段は、積分手段からの積分信号のレベルが目標値になるように、すなわちモータを最大効率で運転するように上記インバータ部の出力を調整する。したがって、最大効率でモータを運転できる。
また、この発明は、複数極の磁石を有する回転子と、3相Y結線に接続された電機子コイルを有する固定子と、上記電機子コイルに対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路と、上記電機子コイルの中性点と上記抵抗回路の中性点との電位差を表わす電位差信号を検出し、その電位差信号に基づいて、上記回転子と上記固定子の相対的な回転位置を検出して、位置信号を出力する回転位置検出手段と、上記回転位置検出手段の上記位置信号に基づいて、上記電機子コイルに印加する電圧のパターンを切り換えるインバータ部とを備えるモータ装置において、上記回転位置検出手段からの上記電位差信号を受けて、上記電位差信号のレベルが目標値(望ましくは最大効率のときの電位差信号のレベル)に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記電位差信号のレベルが上記目標値になるように、上記位置信号から上記電圧のパターンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段とを備えたことを特徴としている。
この構成によれば、上記電位差信号のレベルを判定する目標値を所望の効率のときの電位差信号のレベルに設定することによって、モータを任意の効率で運転できる。また、上記電圧のパターンを進み位相から遅れ位相に徐々に調整して、所望の効率で運転することによって、ピーク効率点より遅れ位相側に存する脱調領域に電圧のパターンの位相が調整されることがないので、脱調を防止することができる。
さらに、この発明は、複数極の磁石を有する回転子と、3相Y結線に接続された電機子コイルを有する固定子と、上記電機子コイルに対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路と、上記電機子コイルに印加する電圧を出力するインバータ部とを備えるモータ装置において、上記電機子コイルの中性点と上記抵抗回路の中性点との電位差を表わす電位差信号のレベルが目標値(望ましくは最大効率のときの電位差信号のレベル)に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記電位差信号のレベルが上記目標値になるように、上記インバータ部の出力電圧を補正する電圧補正手段とを備えたことを特徴とするモータ装置を提供する。
この構成によれば、上記電位差信号のレベルを判定する目標値を所望の効率のときの電位差信号のレベルに設定することによって、モータを任意の効率で運転できる。また、上記インバータ部の出力電圧をピーク効率点における出力電圧よりも低い電圧から徐々に電圧が高くなるように調整して、所望の効率で運転することによって、ピーク効率点より出力電圧が高い側の脱調領域に出力電圧が補正されることがないので、脱調を防止することができる。
上記レベル判定手段の上記目標値を最大効率のときの上記電位差信号のレベルに設定したときには、上記位相補正手段は、電位差信号のレベルが目標値になるように、すなわちモータを最大効率で運転するように上記インバータ部の出力を調整する。したがって、最大効率でモータを運転できる。
【図面の簡単な説明】
図1は電圧形インバータの線間電圧振幅に対するモータ出力、モータ電流特性を示す図である。
図2は位相を手動操作で調整して各回転速度における最大のモータ効率を測定した結果と、高負荷時に最適な位相で各回転速度における低負荷時のモータ効率を測定した結果とを示す図である。
図3は従来のブラシレスDCモータ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図4は図3のブラシレスDCモータ装置における制御回路の一部を示すブロック図である。
図5はブラシレスDCモータの1相分の等価回路を示す図である。
図6A,6Bはそれぞれトルク−位相特性および電流振幅−位相特性を示す図である。
図7はこの発明のブラシレスDCモータ装置の第1実施例を概略的に示すブロック図である。
図8はスイッチング指令により制御される電圧形インバータの線間出力電圧および対応する線間におけるモータ逆起電圧を示す図である。
図9は各回転速度における入力電流の実効値と最適(ブラシレスDCモータの最大効率を得る)位相との関係を示す図である。
図10は図7のブラシレスDCモータ装置の制御回路の変更例の要部を示すブロック図である。
図11は図7のブラシレスDCモータ装置の制御回路の変形例の要部を示すブロック図である。
図12は最適位相近傍でのモータ効率特性を示す図である。
図13はこの発明のブラシレスDCモータ装置の第2実施例を概略的に示すブロック図である。
図14は図13のブラシレスDCモータ装置の制御回路の一部を示すブロック図である。
図15A,15Bはそれぞれトルク−位相特性および電流振幅−位相特性を示す図である。
図16は埋込磁石モータを第2実施例の制御回路により駆動した場合と従来の制御回路により駆動した場合との運転エリアを示す図である。
図17は埋込磁石モータを第2実施例の制御回路により駆動した場合と従来の制御回路により駆動した場合との効率−回転速度特性を示す図である。
図18はこの発明のブラシレスDCモータ装置の第3実施例を概略的に示すブロック図である。
図19は図18のマイクロプロセッサの内部構成を示すブロック図である。
図20は図19に示した割込処理Aの処理内容を詳細に説明するフローチャートである。
図21は図19に示した割込処理Bの処理内容を詳細に説明するフローチャートである。
図22は図18のブラシレスDCモータ装置の各部の信号波形、処理内容を示す図である。
図23は図18のブラシレスDCモータ装置における増幅器、積分器およびゼロクロスコンパレータによる位置検出動作を説明するための、各部の信号波形を示す図である。
図24はこの発明の第4実施例のブラシレスDCモータ装置の構成図である。
図25は図24のブラシレスDCモータ装置のレベル検出器の回路図である。
図26は図24のブラシレスDCモータ装置のマイコンのブロック図である。
図27は図25に示したレベル検出器を用いた場合の各部の信号を示す図である。
図28は図24のブラシレスDCモータ装置の各部の信号を示す図である。
図29,30,31は図24に示したマイコンの割込処理1を示すフローチャートである。
図32は図24に示したマイコンの位相補正用タイマのタイマ割り込みによる割込処理2を示すフローチャートである。
図33は電位差信号と積分信号の特性について実験を行ったブラシレスDCモータの構成図である。
図34は図33のブラシレスDCモータ装置のマイコンのブロック図である。
図35は図33のブラシレスDCモータ装置において、運転周波数一定で負荷を変化させたときの位相補正角に対するモータ効率の特性を示す図である。
図36は図33のブラシレスDCモータ装置において、運転周波数一定で負荷を変化させたときの位相補正角に対する電位差信号の特性を示す図である。
図37は図33のブラシレスDCモータ装置において、運転周波数一定で負荷を変化させたときの位相補正角に対する積分信号の特性を示す図である。
図38は図33のブラシレスDCモータ装置において、負荷一定で運転周波数を変化させたときの位相補正角に対するモータ効率の特性を示す図である。
図39は図33のブラシレスDCモータ装置において、負荷一定で運転周波数を変化させたときの位相補正角に対する電位差信号の特性を示す図である。
図40は図33のブラシレスDCモータ装置において、負荷一定で運転周波数を変化させたときの位相補正角に対する積分信号の特性を示す図である。
図41は図33のブラシレスDCモータ装置の回転位置検出器の積分器の正規化周波数に対する振幅特性を示す図である。
図42は図33のブラシレスDCモータ装置の回転位置検出器の積分器の正規化周波数に対する位相特性を示す図である。
図43はこの発明の第5実施例のブラシレスDCモータ装置の要部構成図である。
図44は図43に示したマイコンのブロック図である。
図45は図43のブラシレスDCモータ装置において、周波数一定で負荷を変化させたときの位相補正角に対する積分信号の特性を示す図である。
図46は図43のブラシレスDCモータ装置において、負荷一定で周波数を変化させたときの位相補正角に対する積分信号の特性を示す図である。
図47はこの発明の第6実施例のブラシレスDCモータ装置のマイコンのブロック図である。
図48はこの発明の第7実施例のブラシレスDCモータ装置の構成図である。
図49は図48のブラシレスDCモータ装置のマイコンのブロック図である。
図50は図48のブラシレスDCモータ装置のレベル検出器の回路図である。
図51は図49に示したマイコンの割込処理11を示すフローチャートである。
図52は第7実施例のブラシレスDCモータ装置の各部の信号を示す図である。
図53はこの発明の第8実施例のブラシレスDCモータ装置のマイコンのブロック図である。
図54は第8実施例のブラシレスDCモータ装置のレベル検出器の回路図である。
図55は第8実施例のブラシレスDCモータ装置の各部の信号を示す図である。
図56,57,58は図53のマイコンの割込処理21を示すフローチャートである。
図59A,59Bはそれぞれ図53のマイコンの割込処理22と割込処理23を示すフローチャートである。
図60はこの発明の第9実施例のACモータ装置の構成図である。
図61は上記ACモータ装置のマイコンの概略ブロック図である。
図62は図61のマイコンの電圧制御を行う割込処理31を示すフローチャートである。
図63は上記ACモータ装置のインバータ周波数に対するインバータ出力電圧特性を示す図である。
図64は上記ACモータ装置の電圧制御におけるインバータ電圧と中性点電圧の状態遷移を示す図である。
図65は上記ACモータ装置のインバータ出力線間電圧に対するACモータ効率および中性点電圧実効値の特性を示す図である。
図66は他の回転位置検出器の回路図である。
図67はもう一つの回転位置検出器の回路図である。
図68はもう一つの回転位置検出器の回路図である。
図69はロータリエンコーダを用いた回転位置検出器を示す図である。
図70はブラシレスDCモータの運転周波数とトルクとの関係における圧縮機の運転エリアを示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例を示す添付図面によってこの発明を詳細に説明する。
(第1実施例)
図7はこの発明のブラシレスDCモータ装置の一実施例を概略的に示すブロック図である。このブラシレスDCモータ装置は、交流電源701からの出力電圧を電圧形インバータ702に印加し、電圧形インバータ702からの出力電圧をブラシレスDCモータ703に印加している。そして、このモータ装置は、ブラシレスDCモータ(以下、単にモータと言う)703の端子間電圧を入力としてモータ703の回転子の位置を検出する位置検出回路704と、電圧形インバータ702の入力電流を検出するカレントトランス705と、カレントトランス705から出力される電流検出信号を入力として上記入力電流の実効値を検出する実効値検出回路706と、位置検出回路704から出力される位置検出信号および実効値検出回路706から出力される実効値検出信号を入力としてスイッチング指令を生成し、上記電圧形インバータ702に供給する制御回路707とを有している。
上記制御回路707は、位置検出回路704から出力される位置検出信号を入力としてモータ逆起電圧の位相を算出するとともに、位置検出信号の周期を算出し、この周期に応答してモータ703の回転速度を算出し、算出された周期、および回転速度に応答して、モータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相を、該当する条件下における最大効率でモータを動作させることができる所定の位相になるように設定し、この位相を実現できるスイッチング指令を生成して電圧形インバータ702に供給するものである。もちろん、このスイッチング指令は、例えば、速度指令値と実速度との差をPI制御(比例、積分制御)することにより得られた電圧振幅指令に対応する線間電圧をも実現することができるように生成される。図8は上記スイッチング指令により制御される電圧形インバータ702の線間出力電圧基本波(図8中A参照)および対応する線間におけるモータ逆起電圧(図8中C参照)を示す図であり、図8中Cに示すδが上記所定の位相である。尚、図8中Bが電圧形インバータ702のスイッチング波形を示している。
この実施例の場合には、モータ703を動作させている間において、実効値検出回路706により電圧形インバータ702の入力電流の実効値を検出するととともに、位置検出回路704によりモータ703の回転子の位置を検出して制御回路707に供給する。そして、制御回路707において位置検出信号の周期を算出して、この周期の算出に応答して回転速度を算出する。この制御回路707においては、算出された回転速度および上記入力電流の実効値に応答して、該当する条件下における最大効率でモータを動作させるためのモータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相δを設定し、このインバータ出力電圧の位相δを実現するためのスイッチング指令を生成して電圧形インバータ702に供給する。この結果、モータ逆起電圧の位相に対する電圧形インバータ702の出力電圧の位相を上記位相δに設定した状態でモータ703を動作させることができ、モータ効率を該当する負荷条件での最大効率にすることができる。
もちろん、瞬時電流検出器が不要であるとともに、瞬時電流に応答して電流制御を行なう制御装置も不要であり、しかも、カレントトランス705および実効値検出回路706は保護装置として予めブラシレスDCモータ装置に組み込まれているのであるから、コストアップを防止することができる。
上記制御回路707としては、例えば、モータ703の回転速度fmと電圧形インバータ702の入力電流の実効値Iとに対応させて予め上記インバータ出力電圧の位相δの値を最適位相として測定しておき、この測定結果を、例えば表Iに示すテーブルとして保持するものであることが好ましい。但し、この場合には、上記回転速度および入力電流の実効値に応答して該当する最適位相δをテーブルから読み出すことになる。
Figure 0003643597
この構成の制御回路707を採用すれば、負荷の変動に拘らず、図2の白丸で示すモータ効率を達成することができる。
また、各回転速度に入力電流の実効値Iと最適位相δとの関係は図9に示すとおりであり、最適位相δが入力電流の実効値にほぼ比例していることが分る。したがって、入力電流の実効値Iと最適位相δとの関係を線形近似(もしくは多項式近似)し、近似演算を行なって任意の入力電流の実効値Iに対応する最適位相δを算出することができる。具体的には、例えば、図10に示すように、回転速度fmと入力電流の実効値Iとに対応する、線分の傾きa(fm,I)および切片b(fm,I)を近似のための定数テーブル707aとして上記制御回路707に持たせておくとともに、定数テーブル707aから読み出された傾きaおよび切片bとに基づいてδ=a・I+bの演算を行なって最適位相δを算出する最適位相演算部707bを上記制御回路707に設けておく。尚、上記定数テーブル707aには、回転速度fmおよび入力電流の実効値Iが供給され、該当する定数a,bを最適位相演算部707bに供給する。上記最適位相演算部707bには、上記定数a,bと入力電流の実効値Iが供給される。また、上記最適位相演算部707bにより算出された最適位相δは、位相補正タイマ707dに対してタイマ値として供給され、位相補正タイマ707dから出力されるカウントオーバー信号がインバータモード選択部707eに供給される。そして、インバータモード選択部707eはメモリ707fから該当する電圧パターンを読み出して、PWM変調部707gを介して電圧形インバータ702にスイッチング指令を与える。
表1のテーブルを採用してモータ703を動作させた場合と、図10の構成を採用してモータ703を動作させた場合とにおけるモータ効率を比較した結果、両者のモータ効率はほぼ等しかった。
尚、この実施例による制御は、モータ703の加減速時には、実効値検出回路706における時定数の影響で必ずしも高効率であることが保証されないが、加減速運転時間と比較して運転時間が長い定常運転時には上述のように高効率の運転を達成することができるのであるから、上述の従来方法(ii)を採用した場合と比較して、著しく高効率の運転を達成できることになる。
図11は第1実施例のブラシレスDCモータ装置の制御回路の変形例の要部を示すブロック図であり、上記最適位相演算部707bにより得られた最適位相δを所定位相(例えば、数度程度)だけ進めるべく、最適位相δに対して所定の定数を加算して新たな位相δ′を得る位相補正部707cを有している。そして、この新たな位相δ′に対応してスイッチング指令が生成される。尚、他の部分の構成は上記第1実施例と同様であるから、図示を省略してある。
この変形例の場合には、最適位相を所定位相だけ進めることにより、電圧振幅により制御可能な電流を増加させ、モータ703の最大出力を増加させることができる。したがって、実効値検出回路706の応答が遅く(0.1〜数秒)、負荷がこれよりも早く変動して最適位相δに対応する最大出力よりも大きくなったような場合であっても、上記増加された最大出力を越えていなければ、モータ703の失速を未然に防止することができる。この結果、ブラシレスDCモータの制御の信頼性を高めることができる。
尚、最適位相δと異なる位相′を設定するのであるから、モータ効率が低下すると思われるかもしれないが、最適位相δ近傍でのモータ効率特性は図12に示すとおりであり、数度程度位相を進めてもモータ効率の低下は著しく少ない(1%以下)。したがって、モータ効率を殆ど低下させることなく信頼性を高めることができる。
(第2実施例)
図13はこの発明のブラシレスDCモータ装置の第2実施例を概略的に示すブロック図であり、交流電源801からの出力電圧を電圧形インバータ802内のコンバータ802aにより直流電圧に変換した後、電圧形インバータ802のインバータ本体802bに印加し、インバータ本体802bからの出力電圧をブラシレスDCモータ803に印加している。そして、ブラシレスDCモータ803(以下、単にモータと言う)の端子間電圧を入力としてモータ803の回転子の位置を検出する位置検出回路804と、位置検出回路804から出力される位置検出信号および外部から与えられる回転速度指令値を入力としてスイッチング指令を生成し、上記電圧形インバータ802のインバータ本体802bに供給する制御回路806とを有している。
上記制御回路806は、位置検出回路804から出力される位置検出信号を入力としてモータ逆起電圧の位相を算出するとともに、位置検出信号の周期を算出し、この周期に応答してモータ803の回転速度を算出し、算出された周期、回転速度および回転速度指令に応答して、モータ逆起電圧に対する位相を、該当する条件下における最大効率でモータ803を動作させることができる所定の位相になるように設定し、この位相を実現できるとともに、電気的な通電幅を180゜に設定すべく、および、上記算出された回転速度に応答して、回転速度に対して一意に定まる所定の出力電圧振幅を実現すべくスイッチング指令を生成して電圧形インバータ802に供給するものである。
図14は上記制御回路806の一部を示すブロック図であり、制御回路806は、モータ803の回転速度を入力(読み出しアドレス)として所定の出力電圧振幅を出力する振幅テーブル806aと、上記回転速度および回転速度指令を入力としてΔY=Y*−Yおよびψ*=Kp・ΔY+KI・Σ(ΔY)のPI演算を行って位相指令ψ*を算出し、出力する位相指令値算出部806bとを有している。なお、上記出力電圧振幅と位相指令値とは図示しないPWM回路に供給される。また、上式中、Y*は回転速度指令、Yは回転速度、ΔYは回転速度指令と回転速度との差、Kp、KIは定数である。さらに、回転速度Yは、位置検出信号の周期Xの逆数である。
ここで、振幅テーブル806aのルックアップは位相指令値算出部806bにより位相指令値が算出される周期毎に行うようにしているが、例えば、モータ803の回転速度が変化するタイミングに合せて振幅テーブル806aのルックアップを行うようにしてもよい。
この実施例の場合には、モータ803を動作させている間において、位置検出回路804によりモータ803の回転子の位置を検出して制御回路806に供給する。そして、制御回路806において位置検出信号の周期を算出して、この周期の算出に応答して回転速度を算出する。この制御回路806においては、算出された回転速度および回転速度指令に応答して、該当する条件下における最大効率でブラシレスDCモータを動作させるためのモータ逆起電圧に対する位相を設定し、この位相を実現するとともに、電気的な通電幅を180゜に設定し、かつ上記算出された回転速度に応答して、回転速度に対して一意に定まる所定の出力電圧振幅を実現するためのスイッチング指令を生成して電圧形インバータ802に供給する。この結果、モータ逆起電圧に対する電圧形インバータ802の出力電圧の位相を上記位相に設定し、かつ出力電圧振幅を回転速度に対して一意に定まる所定の出力電圧振幅に設定した状態でモータ803を動作させることができ、モータ効率を該当する負荷条件での最大効率にすることができる。また、モータの無負荷時の逆起電圧が電圧形インバータの出力電圧振幅より大きくなる高速域でインバータの出力電圧振幅を最大に固定してモータを動作させることができ、運転範囲を拡大できる。もちろん、この状態においてモータ電流を最小にする(高効率化する)ような制御を行うことが可能になる。
図15Aはd軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqがそれぞれ6.5mH、15.0mH、逆起電圧係数Keが0.15V・s/rad、極対数nが2の埋込磁石モータを駆動する電圧形インバータ802の出力電圧基本波振幅|V|を回転速度ωと逆起電圧係数Keとの積と等しく設定した状態におけるトルク−位相特性を示す図、図15Bは電圧形インバータ802の出力電圧基本波振幅|V|を回転速度ωと逆起電圧係数Keとの積と等しく設定した状態における電流振幅−位相特性を示す図であり、位相を増加させることによりトルクおよび電流振幅が増加し、逆に、位相を減少させることによりトルクおよび電流振幅が減少することが分かる。なお、ここで位相はtan-1(Vd/Vq)で与えられ、また、トルクTおよびモータ電流振幅は共に前記式により与えられている。
また、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqがそれぞれ6.5mH、15.0mH、逆起電圧係数Keが0.15V・s/rad、極対数nが2の埋込磁石モータをこの実施例の制御装置により駆動した場合と従来の制御装置により駆動した場合との運転エリアを比較すれば、図16に示すとおりであり(図中、実線がこの実施例の制御装置により駆動した場合を、破線が図4に示した従来の制御装置により駆動した場合をそれぞれ示す)、この実施例の制御装置によりブラシレスDCモータを駆動することにより、運転エリアを高速側に拡大できていることが分かる。なお、従来の制御装置においては、制御マージンを考慮して、定常時(高速時)のインバータ最大電圧がこの実施例の制御装置と比較して約10%低くなるように制御系を設計してある。
さらに、図17はd軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqがそれぞれ6.5mH、15.0mH、逆起電圧係数Keが0.15V・s/rad、極対数nが2の埋込磁石モータをこの実施例の制御装置により駆動した場合と図4に示した従来の制御装置により駆動した場合との効率−回転速度特性を示す図である。ただし、図17中Aが負荷トルクを20kgf・cmに設定した場合におけるこの実施例の制御装置により駆動した場合と従来の制御装置により駆動した場合とを示し(負荷トルクが20kgf・cmでの効率が等しくなるように、この実施例の制御装置では電圧振幅を固定し、従来の制御装置では位相を固定してある)、図17中Bが負荷トルクを10kgf・cmに設定した場合におけるこの実施例の制御装置により駆動した場合を示し、図17中Cが負荷トルクを10kgf・cmに設定した場合における従来の制御装置により駆動した場合を示している。この図から明らかなように、負荷トルクを軽くすると、従来の制御装置で駆動した場合には効率が大幅に低下しているが、この実施例の制御装置で駆動した場合には、負荷トルクとともに、必要なモータ電流が減少し、これに伴い巻線でのジュール損も小さくなるため効率が若干向上している。
さらに、弱め磁束制御領域では電圧形インバータの出力電圧振幅を最大にした高効率運転を実現することができ、効率が増加した分だけモータ電流が小さくなるので、電圧形インバータ802のスイッチング素子などの電流容量に余裕が生じ、ひいては運転範囲を拡大できる。逆に、電流容量の余裕を利用して運転範囲を拡大するのではない場合には、上記余裕分だけ電流容量が小さいスイッチング素子などを採用することができ、ひいてはコストダウンを達成することができる。
もちろん、上述の制御を行うために特別の装置を付加する必要がなく、コストアップを防止することができる。
(第3実施例)
図18はこの発明のブラシレスDCモータ装置の第3実施例を概略的に示すブロック図、図19は図18のマイクロプロセッサ918の内部構成を示す図である。
このブラシレスDCモータ装置は、直流電源911(互いに等しい起電圧の直流電源を直列接続するとともに、両者の接続点を接地してなる)の端子間に3対のスイッチングトランジスタ912u1,912u2;912v1,912v2;912w1,912w2をそれぞれ直列接続してインバータ912を構成し、各対のスイッチングトランジスタ同士の接続点電圧をブラシレスDCモータ(以下、単にモータと言う)913の、Y接続された各相の固定子巻線913u,913v,913wにそれぞれ印加している。そして、各対のスイッチングトランジスタ同士の接続点電圧をY接続された抵抗914u,914v,914wにもそれぞれ印加している。尚、スイッチングトランジスタ912u1,912u2,912v1,912v2,912w1,912w2のコレクタ−エミッタ端子間にそれぞれ還流用のダイオード912u1d,912u2d,912v1d,912v2d,912w1d,912w2dが接続されている。また、913eがモータ913の回転子を示している。また、沿え字u,v,wは、それぞれモータ913のu相、v相、w相に対応させている。
上記Y接続された固定子巻線913u,913v,913wの中性点913dの電圧が抵抗915aを介して増幅器915の反転入力端子に供給され、Y接続された抵抗914u,914v,914wの中性点914dの電圧がそのまま増幅器915の非反転入力端子に供給されている。そして、増幅器915の出力端子と反転入力端子との間に抵抗915bを接続することにより、差動増幅器として動作させるようにしている。
増幅器915の出力端子から出力される出力信号は、抵抗916aとコンデンサ916bとを直列接続してなる積分器916に供給されている。積分器916からの出力信号(抵抗916aとコンデンサ916bとの接続点電圧)は、反転入力端子に中性点913dの電圧が供給されたゼロクロスコンパレータ917の非反転入力端子に供給されている。
したがって、ゼロクロスコンパレータ917の出力端子から磁極位置検出信号が出力される。換言すれば、上記差動増幅器、積分器916およびゼロクロスコンパレータ917で、モータ913の回転子913eの磁極位置を検出する位置検出器が構成される。但し、この構成の位置検出器に代えて、ロータリーエンコーダ等からなる位置検出器を採用してもよい。位置検出器から出力される磁極位置検出信号はマイクロプロセッサ918の外部割込端子に供給される。マイクロプロセッサ918においては、外部割込端子に供給された磁極位置検出信号により位相補正タイマ918a、周期測定タイマ918bに対する割込処理(割込処理A、図20を参照)を行なう。ここで、位相補正タイマ918aは、後述するタイマ値演算部919aによりタイマ値が設定される。周期測定タイマ918bは、タイマ値をCPU919に含まれる位置信号周期演算部919bに供給する。この位置信号周期演算部919bは、例えば、電気角60゜に対応するタイマ値に基づいて電気角1゜当りのタイマ値を算出する。位相補正タイマ918aは、カウントオーバー信号をCPU919に含まれる180度通電インバータモード選択部919cに供給し、割込処理(割込処理B、図21を参照)を行なう。180度通電インバータモード選択部919cは、メモリ918cから該当する電圧パターンを読み出して出力する。CPU919においては、位置信号周期演算部919bによりタイマ値に基づく演算を行なって位置信号周期信号を出力して、タイマ値演算部919aおよび速度演算部919eに供給する。タイマ値演算部919aは、位置信号周期演算部919bからの位置信号周期信号および後述する位相指令演算部919fからの差速度に基づいて、位相補正タイマ918aに設定すべきタイマ値を算出する。速度演算部919eは位置信号周期演算部919bからの位置信号周期信号に基づいて現在の速度を算出し、現在速度に基づいて電圧指令(出力電圧振幅指令)を出力するとともに、現在速度を位相指令演算部919fに供給する。位相指令演算部919fには、速度指令も供給されており、速度指令および速度演算部919eからの現在速度に基づいて前述の例えば、PI演算により位相指令を算出し、上記タイマ値演算部919aに供給する。そして、上記180度通電インバータモード選択部919cから出力される電圧パターンと速度演算部919eから出力される電圧指令がPWM(パルス幅変調)変調部918dに供給され、3相分のPWM変調信号を出力する。このPWM変調信号はベース駆動回路920に供給され、ベース駆動回路920が、上記スイッチングトランジスタ912u1,912u2;912v1,912v2;912w1,912w2のそれぞれのベース端子に供給すべき制御信号を出力する。なお、以上の説明において、CPU919に含まれる各構成部は、該当する機能を達成するための機能部分を構成部として示しているだけであり、CPU919の内部にこれらの構成部が明確に認識できる状態で存在しているわけではない。
ここで、インバータモードに対応する電圧パターンを表2に示す。但し、電圧パターンは、各スイッチングトランジスタ912u1,912u2;912v1,912v2;912w1,912w2のON−OFF状態で示してあり、“1"がON状態に対応し、“0"がOFF状態に対応する。
Figure 0003643597
次いで、図22に示す波形図を参照して図18のブラシレスDCモータ駆動制御装置の動作を説明する。
図22中、(A)(B)(C)に示すように、ブラシレスDCモータのu相、v相、w相誘起電圧Eu,Ev,Ewが、位相が順次120゜ずつずれた状態で変化するので、増幅器915から出力される信号Vnmが図22中(D)に示すように変化し、積分器916によるこの信号の積分波形∫Vnmdtが図22中(E)に示すように変化する。
そして、この積分波形がゼロクロスコンパレータ917に供給されることにより、積分波形のゼロクロス点において立上り、または立下る励磁切換信号が、図22中(F)に示すように出力される。この励磁切換信号の立上りおよび立下りにより割込処理Aが行なわれ、位相補正タイマ918aがスタートする{図22中(G)の矢印の起点(黒丸)を参照}。この位相補正タイマ918aはタイマ値演算部919aによりタイマ値が設定されているのであるから、設定されたタイマ値だけ計時動作を行なった時点でカウントオーバーする{図22中(G)の矢印の終点を参照}。そして、位相補正タイマ918aのカウントオーバーが発生する毎に割込処理Bが行なわれ、180度通電インバータモード選択部919cがインバータモードを1ステップ進める。即ち、図22中(N)に示すように、インバータモードが“1"“2"“3"“4"“5"“0"“1"“2"・・・の順に選択される。そして、位相補正タイマ918aのカウントオーバーによってインバータモードを1ステップ進めることにより、各インバータモードに対応してスイッチングトランジスタ912u1,912u2;912v1,912v2;912w1,912w2のON−OFF状態が、図22中、(H)〜(M)に示すように制御される。この結果、通電期間を180゜に設定した状態でのブラシレスDCモータ913の駆動を達成することができ、かつ電圧形インバータ電圧の位相をモータ誘起電圧よりも進めた状態にできる。ここで、位相補正タイマ918aにより電圧形インバータ電圧の位相の進み量を制御できる。
図20は上記割込処理Aの処理内容を詳細に説明するフローチャートであり、位置検出器の磁極位置検出信号の立上りエッジ、立下りエッジのそれぞれで外部割込要求が受け付けられる。そして、ステップSP1において位置信号周期演算部919bにより得られた位置信号周期信号および位相指令演算部919fにより得られた差速度に基づいて位相補正タイマ918aの値を演算し、ステップSP2において位相補正タイマ918aに補正タイマ値をセットし、ステップSP3において位相補正タイマをスタートさせる。そして、ステップSP4において前回の割込処理Aでスタートした周期測定タイマをストップさせ、ステップSP5において周期測定タイマ値を読み込む(記憶する)。ただし、このステップSP4、SP5の処理は、磁極切替信号のエッジの周期を検出するための処理であるから、周期測定タイマ値の読み込み後、次回の周期測定のために、周期測定タイマは直ちにリセットされ、スタートされる。そして、ステップSP6において記憶した位置信号周期の演算(例えば、電気角1゜当りのカウント数の算出)を行い、ステップSP7において位置信号周期演算結果に基づいてモータ913の現在の回転速度を演算し、ステップSP8において現在の回転速度に対して一意に定まる電圧指令を出力し、そのまま元の処理に戻る。
具体的には、例えば、周期測定タイマ918aによる実測の結果、磁極位置検出信号の間隔に対応するカウント値が360であれば、インバータ出力電圧1周期のカウント数は、インバータモードの数が6であるから、360×6=2160になる。そして、この値2160が360゜に相当するのであるから、1゜分のカウント値が2160/360=6になる。ここで、差速度に基づいて演算された位相量指令が40゜であれば、位相量指令に対応するカウント値(タイマ値は6×(90−40)=300になる。したがって、この値300をタイマ値として位相補正タイマ918aにセットし、位相補正タイマ918aをスタートさせる。
図21は上記割込処理Bの処理内容を詳細に説明するフローチャートであり、割込処理Aでスタートした位相補正タイマ918aがカウントオーバーすることにより割込処理Bが受け付けられる。ステップSP11において予めメモリ918cに設定されているインバータモードを1ステップ進め、ステップSP12において、進められたインバータモードに対応する電圧パターンを出力し、そのまま元の処理に戻る。
図18における増幅器915、積分器916およびゼロクロスコンパレータ917による磁極位置検出についてさらに詳細に説明する。
モータ電圧を検出することによる磁極位置検出において、空気調和機等の電気機器で採用される120゜通電の上下アームオフ期間に現れる誘起電圧を用いる磁極検出方法は、高負荷で、かつ電流が増加すると、誘起電圧を検出することが不可能になってしまい、磁極位置検出を行なうことも不可能になってしまう。
ここで、誘起電圧検出の可否を決定する条件式は、固定子巻線に流れる電流が切れるまでの時間をt、180゜期間のインバータ通電角をα[rad]、出力周波数をfとすれば、
t<(π−α)/(4πf)
となる。
この条件から明らかなように、180゜通電を採用した場合には、原理上、誘起電圧の検出が不可能であることが分る。また、より大きなトルクが要求される場合には、電流振幅を大きくすることが必要になるのであるが、電流振幅を大きくすれば、モータインダクタンスによる残留電流が大きくなり、最悪の場合には、180゜期間において固定子巻線に流れる電流が切れなくなってしまうので、180゜期間において固定子巻線に流れる電流が確実に切れるようにするために電流振幅を制限しなければならなくなる。したがって、高速回転時や通電期間を長くした場合には、電流振幅を大きくすることができなくなる。
しかし、図18に示す構成を採用した場合には、Y結線した固定子巻線913u,913v,913wの中性点913dの電圧EN-0が、
EN-0=(1/3){(Vu-0−Eu-0)+(Vv-0−Ev-0)+(Vw-0−Ew-0)}
となり、インバータ出力波形{図23中(A)(B)(C)参照}とモータ誘起電圧波形{図23中(D)(E)(F)参照}に各々含まれる3n次調波成分(nは整数)の和{図23中(G)参照}になる。
また、Y結線された抵抗914u,914v,914wの中性点914dの電圧VM-0が、
VM-0=(1/3)(Vu-0+Vv-0+Vw-0
になる{図23中(H)参照}。
したがって、両電圧EN-0、VM-0の差EN-0−VM-0{図23中(I)参照}を得ることにより、モータ誘起電圧波形に各々含まれる3n次調波成分を取出すことができる。そして、以上の各式は電流に依存していないので、上記条件式の制約が全くなく、任意の通電期間に適用できる。即ち、高速回転時、通電期間を長くした場合に、電流振幅を大きくしても特別に磁極位置センサを用いることなく磁極位置検出を達成することができ、また、180゜通電を採用した場合にも特別に磁極位置センサを用いることなく磁極位置検出を達成することができる。
また、以上には、ブラシレスDCモータが定常運転を行なっている状態におけるブラシレスDCモータの駆動制御についてのみ説明した。しかし、ブラシレスDCモータの停止時には、誘起電圧が発生していないので、上述の駆動制御を行なうことができない。したがって、ブラシレスDCモータの運転を開始させるに当っては、外部から強制的に電圧形インバータを用い三相交流電流を印加して同期運転により回転子を回転させる。そして、回転子が回転を始めれば誘起電圧が発生するので、上述のブラシレスDCモータの駆動制御を行なうことができる。
また、空気調和機、電気掃除機、電気洗濯機等の電気機器においては消費電力の低減が要求され、近年では注目を浴びているブラシレスDCモータやインバータが採用されつつある。そして、これらの電気機器に対してこの発明のブラシレスDCモータ駆動制御方式を適用することにより、ブラシレスDCモータやインバータを採用した従来の電気機器と比較して消費電力を一層低減することができる。
以上にはPWMにより電圧形インバータを制御する場合について説明したが、PAMにより電圧形インバータを制御する場合(コンバータ2aにスイッチング素子を設けて、スイッチング素子を制御することによりパルス振幅を変調する場合)にも同様に適用することが可能である。
さらに、回転速度とトルクとの積がモータ出力であるから、トルクセンサなどを付加してトルク制御系を構成することができる。
(第4実施例)
図24はこの発明の第1実施例のブラシレスDCモータ装置の構成を示しており、1は電機子コイル1a,1b,1cがY結線され、複数の永久磁石を有する回転子10を回転磁界により回転させる固定子、2は上記電機子コイル1a,1b,1cに並列状態に接続され、抵抗2a,2b,2cをY結線した抵抗回路、3は上記抵抗回路2の中性点の電圧VMと電機子コイル1a,1b,1cの中性点の電圧VNとの電位差を表わす電位差信号VMNを検出して、その電位差信号VMNに基づいて、回転子10の相対的な位置を検出して、回転子10の相対的な位置を表わす位置信号を出力する回転位置検出手段としての回転位置検出器、4は上記回転位置検出器3からの位置信号を受けて、スイッチング信号を出力するマイコン、5は上記マイコン4からのスイッチング信号を受けて、転流制御信号を出力するベース駆動回路である。上記ベース駆動回路5からの転流制御信号をインバータ部20に夫々入力している。なお、上記固定子1と回転子10でブラシレスDCモータ11を構成している。
上記回転位置検出器3は、反転入力端子に抵抗回路2の中性点の電圧VMを入力すると共に、非反転入力端子に抵抗R1を介してグランドGNDを接続し、出力端子と反転入力端子との間に抵抗R2とコンデンサC1とを並列に接続した増幅器IC1と、上記増幅器のIC1の出力端子に抵抗R3を介して反転入力端子が接続され、非反転入力端子に抵抗R4を介してグランドGNDが接続されると共に、出力端子と反転入力端子との間に抵抗R5を接続した増幅器IC2と、上記増幅器IC2の出力端子に反転入力端子が接続され、非反転入力端子に抵抗R6を介してグランドGNDが接続されると共に、出力端子と非反転入力端子との間に抵抗R7が接続された増幅器IC3とを備えている。上記増幅器IC1,抵抗R1,抵抗R2およびコンデンサC1で差動増幅器21と積分手段としての積分器22の両方を兼ねる構成をしている。また、上記増幅器IC2と抵抗R3,R4,R5で反転増幅器23を構成し、増幅器IC3と抵抗R6,R7で零クロスコンパレータ24を構成している。そして、上記電機子コイル1a,1b,1cの中性点は、グランドGNDと抵抗R1を介して増幅器IC1の非反転入力端子に接続されているので、差動増幅器21(積分器22)は、抵抗回路2の中性点の電圧VMと電機子コイル1a,1b,1cの中性点の電圧VNとの電位差を表わす電位差信号VMNを検出すると共に、電位差信号VMNを積分して、積分信号∫VMNdtを出力する。
また、上記ブラシレスDCモータ装置は、回転位置検出器3の積分器22からの積分信号∫VMNdtを受けて、レベル検出信号をマイコン4に出力するレベル検出器6を備えている。このレベル検出器6は、図25に示すように、回転位置検出器3の積分器22からの積分信号∫VMNdtを増幅器IC4の反転入力端子に入力すると共に、増幅器IC4の非反転入力端子をグランドGNDに抵抗R6を介して接続して、増幅器IC4の出力端子と非反転入力端子との間に抵抗R7を接続している。上記増幅器IC4と抵抗R6,R7でヒステリシス特性を有するヒステリシスコンパレータを構成している。上記ブラシレスDCモータが位置信号に従って駆動され、図27に示すように、レベル検出器6の増幅器IC4の反転入力端子に入力された積分信号∫VMNdt(図27(A)に示す)が基準値E1を越えると、増幅器IC4の出力端子はLレベルとなり、積分信号∫VMNdtが基準値E2未満になると、増幅器IC4の出力端子はHレベルとなる。すなわち、上記レベル検出器6のレベル検出信号(図27(C)に示す)は、位置信号(図27(B)に示す)と位相の異なる同一周期の信号となる。ところが、上記回転位置検出器3からの積分信号∫VMNdtのレベルが小さくなると、積分信号∫VMNが基準値E1を越えなかったり、積分信号∫VMNdtが基準値E2未満にならなかったりして、レベル検出信号は、位置信号に比べて周波数が低くなると共に、デューティ比が異なる。すなわち、上記積分信号∫VMNが所定のレベル以上か否かをレベル検出信号が所定の周期で連続するか否かによって検出することができる。
また、上記インバータ部20は、図24に示すように、直流電源9の正極側に夫々接続された3つのトランジスタ20a,20b,20cと、直流電源9の負極側に夫々接続された3つのトランジスタ20d,20e,20fとから構成されている。上記トランジスタ20aのエミッタとトランジスタ20dのコレクタを互いに接続し、トランジスタ20bのエミッタとトランジスタ20eのコレクタを互いに接続し、トランジスタ20cのエミッタとトランジスタ20fのコレクタを互いに接続している。また、上記トランジスタ20a,20dの互いに接続された部分にU相の電機子コイル1aを接続し、トランジスタ20b,20eの互いに接続された部分にV相の電機子コイル1bを接続し、トランジスタ20c,20fの互いに接続された部分にW相の電機子コイル1cを接続している。そして、上記各トランジスタ20a〜20fのコレクタとエミッタとの間にダイオードを夫々逆並列接続している。
また、上記マイコン4は、図26に示すように、図24に示す回転位置検出器3からの位置信号が外部割込端子を介して接続された位相補正タイマT1と、上記位置信号を受けて、電機子コイル1a,1b,1cの電圧パターンの周期を測定する周期測定タイマT2と、周期測定タイマT2からの測定されたタイマ値を受けて、そのタイマ値から電機子コイル1a,1b,1cの電圧パターンの周期を演算して、周期を表わす周期信号を出力する周期演算部41と、周期演算部41からの周期信号を受けて、その周期から位相補正角に相当するタイマ値を演算して、位相補正タイマT1にタイマ値設定信号を出力するタイマ値演算部42とを備えている。さらに、上記マイコン4は、位相補正タイマT1からの割込信号IRQを受けて、電圧パターン信号を出力するインバータモード選択部43と、周期演算部41からの周期信号を受けて、回転速度を演算して現在速度信号を出力する速度演算部44と、速度演算部44からの現在速度信号と外部からの速度指令信号とを受けて、電圧指令信号を出力する速度制御部45と、上記回転位置検出器3からの位置信号とレベル検出器6からのレベル検出信号とを受けて、位相補正指令信号をタイマ値演算部42に出力するレベル判定部51と、インバータモード選択部43からの電圧パターン信号と速度制御部45からの電圧指令信号を受けて、スイッチング信号を出力するPWM(パルス幅変調)部52とを備えている。なお、上記位相補正タイマT1,周期測定タイマT2,周期演算部41およびタイマ値演算部42で位相補正手段を構成している。また、上記レベル検出器6とレベル判定部51でレベル判定手段を構成している。
上記構成において、ブラシレスDCモータが位置検出に従って駆動されているとき、電機子コイル1a,1b,1cの各U相,V相,W相の誘起電圧EU,EV,EWは、図28(A)〜(C)に示すように、120deg毎に位相の異なる台形状の波形となる。そして、図24に示す回転位置検出器3の増幅器IC1は、反転入力端子に入力された抵抗回路2の中性点の電圧VMと、増幅器IC1の非反転入力端子に入力された電機子コイル1a,1b,1cの中性点の電圧VNとの電位差を表わす電位差信号VMN(図28(D)に示す)を検出すると共に、その電位差信号VMNを積分して、積分信号∫VMNdt(図28(E)に示す)を出力する、上記積分信号∫VMNdtは、電源周波数の3倍の周波数の略正弦波形となる。そして、上記反転増幅器23は、増幅器IC2の反転入力端子に入力された積分信号∫VMNdtを所定の振幅に増幅し、その増幅された積分信号∫VMNdtのゼロクロスを零クロスコンパレータ24で検出し、位置信号(図28(F)に示す)を出力する。
次に、上記回転位置検出器3からの位置信号は、マイコン4の外部割込端子から周期測定タイマT2に入力される。そして、上記周期測定タイマT2は、位置信号のリーディングエッジからトレイリングエッジまでの期間とトレイリングエッジからリーディングエッジまでの期間とを測定して、測定された期間を表すタイマ値を出力する。上記周期測定タイマT2からのタイマ値を表わす信号を受けて、周期演算部41は、電機子コイル1a,1b,1cの電圧パターンの周期を求める。すなわち、上記位置信号のトレイリングエッジからリーディングエッジまでの期間とリーディングエッジからトレイリングエッジまでの期間は、60deg毎に繰り返され、測定された各期間のタイマ値を6倍することによって、上記電圧パターンの一周期分のタイマ値を求めるのである。
そして、上記周期演算部41からの周期を表わす周期信号を受けて、タイマ値演算部42はタイマ値設定信号を出力する。上記タイマ値演算部42からのタイマ値設定信号を受けて、位相補正タイマT1は、位置信号から電圧パターンを切り換えるまでの時間を計時する。すなわち、上記位相補正タイマT1は、カウントが終了するとインバータモード選択部43に割込信号IRQを出力し、インバータモード選択部43は、位相補正された電圧パターン信号(図28(I)〜(N)に示す)をPWM部52に出力するのである。そして、上記PWM部52は、スイッチング信号を図1に示すベース駆動回路5に出力して、ベース駆動回路5はインバータ部20に転流制御信号を出力すると、インバータ部20の各トランジスタ20a〜20fは夫々オンオフする。なお、図28(G)の位置信号番号は、説明を容易にするために位置信号の一周期分に対して0〜5の番号を割り当てたものである。また、図28(I)〜(N)の電圧パターン信号は、トランジスタ20a〜20fをオンオフさせるタイミングを表わしている。また、図28(O)に示すインバータモードは、インバータモード選択部43において選択された電圧パターン信号(28(I)〜(N)に示す)に対応するように0〜5の番号を割り当てたものである。
以下、上記マイコン4の動作を図29,30,31,32のフローチャートに従って説明する。なお、上記マイコン4の外部割込端子に入力される位置信号の立ち上がり,立ち下がり毎に割込処理1を行う。
まず、図29において、割込処理1がスタートすると、ステップS101で前回レベル検出信号がHレベルか否かを判定して、前回レベル検出信号がHレベルと判定すると、ステップS121に進み、今回レベル検出信号がLレベルか否かを判定する。そして、ステップS121で今回レベル検出信号がLレベルと判定すると、ステップS122に進み、カウンタCNT1を+1する一方、今回レベル検出信号がLレベルでないと判定すると、ステップS102に進む。
一方、ステップS101で前回レベル検出信号がHレベルでないと判定すると、ステップS123に進み、今回レベル検出信号がHレベルか否かを判定する。そして、ステップS123で今回レベル検出信号がHレベルと判定すると、ステップS124に進み、カウンタCNT1を+1する一方、今回レベル検出信号がHレベルでないと判定すると、ステップS102に進む。
次に、ステップS102で、カウンタCNT2を+1して、ステップS103に進む。そして、ステップS103でカウンタCNT2が5であるか否かを判定して、カウンタCNT2が5であると判定すると、ステップS125に進む一方、カウンタCNT2が5でないと判定すると、図30に示すステップS104に進む。次に、ステップS125でカウンタCNT1が5であるか否かを判定して、カウンタCNT1が5であると判定すると、ステップS126に進み、前回位相補正角指令を+1deg(遅れ補正側)として、ステップS129に進む。一方、ステップS125でカウンタCNT1が5でないと判定すると、ステップS127に進み、カウンタCNT1が0であるか否かを判定する。そして、ステップS127でカウンタCNT1が0であると判定すると、ステップS128に進み、前回位相補正角指令を−1deg(進み補正側)として、ステップS129に進む。一方、ステップS127でカウンタCNT1が0でないと判定すると、ステップS129に進む。次に、ステップS129でカウンタCNT1をクリアし、ステップS130に進み、カウンタCNT2をクリアして、ステップS104に進む。なお、最初の割込処理1がスタートする前に、位相補正角指令に初期値を設定すると共に、カウンタCNT1,CNT2をクリアする。
次に、図30に示すステップS104で、位相補正タイマT1(図30ではタイマT1とする)がカウント中か否かを判別して、タイマT1がカウント中と判別すると、ステップS131に進み、タイマT1をストップさせる。すなわち、上記タイマT1がカウント中の場合、次のスタートに備えて、タイマT1をストップさせるのである。次に、ステップS132で電圧パターンを出力して、ステップS105に進む。一方、ステップS104でタイマT1がカウント中でないと判別すると、ステップS105に進む。
次に、ステップS105で補正角(レベル判定部51からの位相補正指令信号に基づく位相補正角)が60deg以上であるか否かを判別して、補正角が60deg以上である場合、ステップS141に進み、補正角が120deg以上か否かを判別する。そして、ステップS141で補正角が120deg以上の場合、ステップS142に進み、位相補正E(図30では補正Eとする)とし、ステップS143に進む。そして、ステップS143で前回が位相補正C(図30では補正Cとする)または位相補正D(図30では補正Dとする)か否かを判別して、前回が位相補正Cまたは位相補正Dであると判別すると、ステップS144に進み、補正切替要求を行った後、ステップS106に進む。一方、ステップS143で前回が位相補正Cまたは位相補正Dでないと判別すると、ステップS106に進む。
一方、ステップS141で補正角が120deg未満の場合、ステップS145に進み、位相補正Dとして、ステップS146に進む。そして、ステップS146で前回が位相補正Cまたは位相補正Eか否かを判別して、前回が位相補正Cまたは位相補正Eであると判別すると、ステップS147に進み、補正切替要求を行った後、ステップS106に進む。一方、ステップS146で前回が位相補正Cまたは位相補正Eでないと判別すると、ステップS106に進む。また、ステップS105で補正角が60deg未満であると判別すると、ステップS151に進み、位相補正Cとして、ステップS152に進む。そして、ステップS152で前回が位相補正Dまたは位相補正Eか否かを判別して、前回が位相補正Dまたは位相補正Eであると判別すると、ステップS153に進み、補正切替要求を行った後、ステップS106に進む。一方、ステップS152で前回が位相補正Dまたは位相補正Eでない場合、ステップS106に進む。
次に、ステップS106でタイマ値TISOUを位相補正C,D,E毎に計算する。すなわち、位相補正Cでは、タイマ値TISOUに位相補正角に応じたタイマ値をセットし、位相補正Dでは、タイマ値TISOUに位相補正角から60deg減算した位相角に応じたタイマ値をセットし、位相補正Eでは、タイマ値TISOUに位相補正角から120deg減算した位相角に応じたタイマ値をセットする。そして、ステップS107に進み、インバータモードを1ステップ進める。
次に、図31に示すステップS108に進み、補正切替要求が有るか否かを判別し、補正切替要求が有る場合、ステップS161に進み、補正切替が位相補正C(図31では補正Cとする)から位相補正D(図31では補正Dとする)または位相補正Dから位相補正E(図31では補正Eとする)に切替わるか否かを判別して、補正切替が位相補正Cから位相補正Dまたは位相補正Dから位相補正Eに切替わると判別すると、ステップS162に進み、補正切替要求を解除し、ステップS162−1でインバータモードを1ステップ戻してステップS109に進む。
一方、ステップS161で補正切替が位相補正Cから位相補正Dまたは位相補正Dから位相補正Eに切替わらない場合、すなわち位相補正Dから位相補正Cまたは位相補正Eから位相補正Dに切替わる場合、ステップS163に進み、電圧パターンを出力する。そして、ステップS164に進み、ステップS106で計算したタイマ値TISOUをタイマT1に設定した後、ステップS165でタイマT1をスタートさせる。次に、ステップS166に進み、補正切替要求を解除して、ステップS109に進む。
また、ステップS108で補正切替要求がないと判別すると、ステップS168に進み、ステップS106で計算したタイマ値TISOUをタイマT1に設定し、ステップS169でタイマT1をスタートさせ、ステップS109に進む。
次に、ステップS109で周期測定タイマT2をストップし、周期測定タイマT2のタイマ値を読み込み、ステップS110に進む。次に、ステップS110で周期測定タイマT2をセットしてスタートさせ、次の周期測定を開始する。そして、ステップS111で周期演算部41により周期測定タイマT2の値から周期演算を行い、その演算結果から速度演算部44によりモータの回転速度を演算する。次に、ステップS112で速度制御部45は外部からの速度指令信号に基づき速度制御を行って、電圧指令信号を出力する。
そして、図32に示すように、タイマT1のカウントが終了して、タイマT1より割込信号IRQを出力すると、割込処理2がスタートし、ステップS170で電圧パターンを出力して、割込処理2を終了する。
こうして、上記位相補正Cは0deg〜60degの位相補正を行い、位相補正Dは60deg〜120degの位相補正を行い、位相補正Eは120deg〜180degの位相補正を行う。なお、図28(A)〜(O)は、位相補正Dの80degの位相補正におけるこのブラシレスDCモータ装置の各部の信号を示している。
図28(H)に示すように、タイマT1は、位置信号番号(図28(G)に示す)毎に順次スタートする。そして、例えば位置信号番号の2から3に替わる点を基準点として、位相補正角を80degにすると、基準点から位置信号番号を一つ遅らせて、位置信号番号の3から4に替わる点でタイマT1がスタートして、基準点より80deg遅れてインバータモード(図28(P)に示す)を1ステップ進めて[0]にする。
このように、上記割込処理1が5回行われる毎に、レベル検出信号がHレベルからLレベルとLレベルからHレベルへのレベル変化が連続するか否かを判定して、レベル検出信号の変化が5回連続したと判定すると、電圧パターンの位相を1deg毎に遅らせて、遅れ補正側にする一方、レベル検出信号の変化が1回もないと判定すると、電圧パターンの位相を1deg毎に進ませて、進み補正側にする。こうして、上記積分信号∫VMNdtは、レベル検出器6の基準値E1,E2により設定されたレベルとなる。また、上記レベル判定信号の変化が5回連続の場合でもなく、またレベル判定信号の変化が1回もない場合でもないときは、電圧パターンの位相の調整は行わない。
そして、上記積分信号∫VMNdtのレベルは、モータ効率に対して略反比例の関係を有し、負荷の大小および運転周波数の高低に係わらず、最大モータ効率点で積分信号∫VMNdtのレベルが略一定であることが後述する実験により確かめられた。そこで、このことに着目して、上記レベル検出器6の基準値E1,E2を最大モータ効率点の積分信号∫VMNdtの振幅値に設定して、積分信号∫VMNdtのレベルが最大モータ効率点における目標値になるように、位相補正を行う。すなわち、上記積分信号∫VMNdtのレベルが目標値になるように、位置信号を位相補正して得られた電圧パターン信号のタイミングで電圧パターンを切り換えることによって、最大モータ効率点で運転する。そして、駆動系が定常状態になると、位相補正角を調整せず、最大モータ効率点で安定な運転を行う。
したがって、負荷の大小および運転周波数の高低に係わらず最大効率でモータを運転することができる。また、進み補正側から遅れ補正側に徐々に電圧パターンの位相を調整して、最大モータ効率点にすることによって、ピーク効率点より遅れ補正側に存する脱調領域に電圧パターンの位相が調整されることがないので、脱調を防止することができる。
以下、上記最大モータ効率点で積分信号∫VMNdtのレベルが略一定であることを確認した実験について説明する。なお、上記抵抗回路2の中性点の電圧VMと電機子コイル1a,1b,1cの中性点の電圧VNとの電位差を表わす電位差信号VMNの振幅特性とその電位差信号VMNを積分した積分信号∫VMNdtの振幅特性について実験を行った。
図33はこの実験に用いたブラシレスDCモータ装置の構成を示しており、回転位置検出器30とマイコン14以外は前述の第1実施例のブラシレスDCモータ装置と同一の構成をしており、説明を省略する。また、図34は、上記マイコン14の構成を示しており、図26のマイコン4からレベル判定部51を除いた構成をしており、同一の構成部は同一参照番号を付して説明を省略する。なお、上記マイコン14の位相補正を行う割込処理は、図29,30,31,32に示すフローチャートのステップS101,102,103,121〜130を除いて、同一の処理を行なう。
上記回転位置検出器30は、増幅器IC11の非反転入力端子に抵抗回路2の中性点の電圧VMを入力すると共に、増幅器IC11の反転入力端子に抵抗R11を介してグランドGNDを接続し、増幅器IC11の出力端子と反転入力端子との間に抵抗R12を接続した差動増幅器31と、上記差動増幅器31の出力端子に一端が接続された抵抗R13とその抵抗R13の他端とグランドGNDとの間に接続されたコンデンサC11とからなる積分器32と、上記積分器32の抵抗R13の他端に非反転入力端子が接続され、反転入力端子にグランドGNDが接続された増幅器IC12からなる零クロスコンパレータ33とを備えている。そして、上記電機子コイル1a,1b,1cの中性点は、グランドGNDを介して差動増幅器31の反転入力端子に接続されているので、差動増幅器31は、抵抗回路2の中性点の電圧VMと電機子コイル1a,1b,1cの中性点の電圧VNとの電位差を表わす電位差信号VMNを検出する。
上記構成において、ブラシレスDCモータが位置検出に従って駆動されているとき、回転位置検出器30の差動増幅器31は、抵抗回路2の中性点の電圧VMと電機子コイル1a,1b,1cの中性点の電圧VNとの電位差を表わす電位差信号VMNを検出する。そして、上記積分器32は、電位差信号VMNを積分して、積分信号∫VMNdtを出力し、その積分信号∫VMNdtを零クロスコンパレータ33の非反転入力に入力する。そして、上記零クロスコンパレータ33は、積分信号∫VMNdtとグランドGNDの基準電圧とを比較して、位置信号を出力する。
次に、上記零クロスコンパレータ33からの位置信号は、マイコン14の外部割込端子から周期測定タイマT2に入力される。そして、上記周期測定タイマT2は、上記位置信号のリーディングエッジからトレイリングエッジまでの期間とトレイリングエッジからリーディングエッジまでの期間とを測定して、測定されたタイマ値を出力する。上記周期測定タイマT2からのタイマ値を表わす信号を受けて、周期演算部41は、電機子コイル1a,1b,1cの電圧パターンの周期を求める。
そして、上記周期演算部41からの周期を表わす周期信号と外部からの位相補正指令信号とを受けて、タイマ値演算部42はタイマ値設定信号を出力する。上記タイマ値演算部42からのタイマ値設定信号を受けて、位相補正タイマT1は、順に位置信号から電圧パターンを切り換えるまでの時間を計時する。すなわち、上記位相補正タイマT1は、カウントが終了するとインバータモード選択部43に割込信号IRQを出力し、インバータモード選択部43は、位相補正された電圧パターン信号をPWM部52に出力するのである。そして、上記PWM部52は、スイッチング信号を図33に示すベース駆動回路5に出力して、ベース駆動回路5はインバータ部20に転流制御信号を出力すると、インバータ部20の各トランジスタ20a〜20fは、夫々オンオフする。
まず、運転周波数を一定にして、負荷を変化させた場合、図35に示すように、位相補正角に対するモータ効率の特性曲線は、負荷が大きいほど位相補正角の進み補正側となる一方、負荷が小さいほど位相補正角の遅れ補正側となる。そして、負荷が大きいとき位相補正角φ1でピーク効率点となり、負荷が小さいとき位相補正角φ2でピーク効率点となった。
このとき、図36に示すように、位相補正角に対する電位差信号VMNの特性は、位相補正角が進み補正側から遅れ補正側に電位差信号VMNのレベルが徐々に小さくなる略直線となり、負荷が大きいほど位相補正角の進み補正側となる一方、負荷が小さいほど位相補正角の進み補正側から遅れ補正側にほぼ平行に移動する。なお、図36の横軸は位相補正角を示し、縦軸は電位差信号VMNのピーク点からゼロ点までのレベルを示している。そして、図35のモータ効率特性のピーク効率点に対応して、負荷が大きいときに位相補正角φ1で電位差信号VMNのレベルはV0となる一方、負荷が小さいときに位相補正角φ2で電位差信号VMNのレベルはV0となった。つまり、負荷の変化に係わらず、ピーク効率点の電位差信号VMNは略一定であることが分かる。なお、負荷が大きいとき、位相補正角φ1より遅れ補正側の位相補正角φ11でモータは脱調し、このときの電位差信号VMNのレベルはV20となる一方、負荷が小さいとき、位相補正角φ2より遅れ補正側の位相補正角φ12でモータは脱調し、このときの電位差信号VMNのレベルはV20となった。
また、図37に示すように、位相補正角に対する積分信号∫VMNdtの特性は、位相補正角が進み補正側から遅れ補正側に積分信号∫VMNdtのレベルが徐々に小さくなる略直線となり、負荷が大きいほど位相補正角の進み補正側となる一方、負荷が小さいほど位相補正角の進み補正側から遅れ補正側にほぼ平行に移動する。なお、図37は横軸は位相補正角を示し、縦軸は積分信号∫VMNdtのピーク点からゼロ点までのレベルを示している。そして、図35のモータ効率特性のピーク効率点に対応して、負荷が大きいときに位相補正角φ1で積分信号∫VMNdtのレベルはV1となる一方、負荷が小さいときに位相補正角φ2で積分信号∫VMNdtのレベルはV1となった。つまり、負荷の変化に係わらず、ピーク効率点の積分信号∫VMNdtのレベルは略一定であることが分かる。なお、負荷が大きいとき、位相補正角φ1より遅れ補正側の位相補正角φ11でモータは脱調し、このときの電位差信号VMNのレベルはV21となる一方、負荷が小さいとき、位相補正角φ1より遅れ補正側の位相補正角φ12でモータは脱調し、このときの電位差信号VMNのレベルはV21となった。
また、負荷を一定にして、運転周波数を変化させた場合、図38に示すように、位相補正角に対するモータ効率の特性曲線は、運転周波数が高いほどモータ効率が高くなる一方、運転周波数が低いほどモータ効率が低くなる。そして、運転周波数の高低に係わらず、ピーク効率点の位相補正角はφ3となった。
このとき、位相補正角に対する電位差信号VMNの特性は、図39に示すように、位相補正角が進み補正側から遅れ補正側に電位差信号VMNのレベルが徐々に小さくなる略直線となり、運転周波数が高いほど位相補正角の遅れ補正側となる一方、運転周波数が低いほど位相補正角の進み補正側にほぼ平行に移動する。なお、図39の横軸は位相補正角を示し、縦軸は電位差信号VMNのピーク点からゼロ点までのレベルを示している。そして、図38のモータ効率特性のピーク効率点に対応して、運転周波数が高いときに位相補正角φ3で電位差信号VMNのレベルはV2となる一方、運転周波数が低いときに位相補正角φ3で電位差信号VMNのレベルはV22となった。なお、運転周波数が高いとき、位相補正角φ3より遅れ補正側の位相補正角φ13でモータは脱調し、このときの電位差信号VMNのレベルはV3となる一方、運転周波数が低いとき、位相補正角φ3より遅れ補正側の位相補正角φ13でモータは脱調し、このときの電位差信号VMNのレベルはV23となった。
また、図40に示すように、位相補正角に対する積分信号∫VMNdtの特性は、位相補正角が進み補正側から遅れ補正側に徐々に積分信号∫VMNdtのレベルが小さくなる略直線となり、運転周波数の変化に係わらず、特性はほぼ変化しないことが分かった。なお、図40の横軸は位相補正角を示し、縦軸は積分信号∫VMNdtのピーク点からゼロ点までのレベルを示している。そして、図38のモータ効率特性のピーク効率点に対応して、位相補正角φ3で電位差信号VMNのレベルはV1となる。なお、位相補正角φ3より遅れ補正側の位相補正角φ13では、モータは脱調し、このときの積分信号∫VMNdtのレベルはV21となった。
このように、負荷を一定にして、運転周波数を変化させたとき、電位差信号VMNのレベルが変化するのに対して、積分信号∫VMNdtのレベルが一定に維持されるのは、回転位置検出器3の積分器32の積分特性によるためである。すなわち、上記回転位置検出器30の積分器32は、図41に示す正規化周波数に対する振幅特性と図42に示す正規化周波数に対する位相特性とを有し、図70の圧縮機の運転エリアおいてモータを4極とする場合、誘起電圧の周波数は20〜300Hz(モータ回転周波数は10〜150rps)程度となり、電位差信号VMNの周波数は、この誘起電圧の周波数20〜300Hzの3倍の60〜900Hzとなる。上記積分器32のカットオフ周波数を略5Hzにすると、使用範囲は、図41,42に示すように、正規化周波数12〜180の範囲となり、ほぼ理想的な積分器として動作する。上記電位差信号VMN
VMN=(1/3)(EU+EV+EW
=(1/3)(−k(dΦU/dt+dΦV/dt+dΦW/dt))
ΦUVW:各相鎖交磁束
とすると、積分信号∫VMNdtは、
∫VMNdt=−(k/3)(Φ+Φ+Φ))
となる。このことから、上記電位差信号VMNは運転周波数によって変化するが、積分信号∫VMNdtは運転周波数によって変化しないことが分かる。
したがって、上記電位差信号VMNまたは積分信号∫VMNdtのレベルが目標値か否かを判別して、その電位差信号VMNまたは積分信号∫VMNdtがピーク効率点のときの目標値になるように、位相補正手段によって位相補正角を調整することによって、最大効率運転ができるのである。
(第5実施例)
図43はこの発明の第5実施例のブラシレスDCモータ装置の要部構成図を示している。このブラシレスDCモータ装置は、マイコン,レベル検出器を除いて図24のブラシレスDCモータ装置と同一の構成をしており、マイコン100とレベル検出器6A,6B,…以外は図と説明を省略する。また、図44は上記ブラシレスDCモータ装置のマイコン100のブロック図を示している。このブラシレスDCモータ装置のマイコン100は、第4実施例のブラシレスDCモータ装置のマイコン4のレベル判定部51を除く他の構成部と、速度演算部44からの現在速度信号およびトルク信号を受けて、切替信号を出力するレベル検出信号切替部102と、レベル検出信号切替部102からの切替信号を受けて、レベル検出器6A,6B,…からのレベル検出信号を切り替えるスイッチSWと、そのスイッチSWからのレベル検出信号と回転位置検出器3からの位置信号を受けて、位相量指令信号を出力するレベル判定部101とを備えている。
なお、この第5実施例のブラシレスDCモータ装置は、図45,46に示すように、第4実施例のブラシレスDCモータ装置とは、以下に述べるように特性が異なる。
まず、図45は、上記ブラシレスDCモータ装置において、運転周波数を一定にして、負荷を変化させたときの位相補正角に対する積分信号∫VMNdtの特性を示している。上記ブラシレスDCモータ装置の特性は、位相補正角の進み補正側から遅れ補正側に積分信号∫VMNdtのレベルが徐々に小さくなる略直線となり、負荷が大きいほど位相補正角の進み補正側となる一方、負荷が小さいほど位相補正角の進み補正側から遅れ補正側にほぼ平行に移動する。そして、負荷が大きいときにピーク効率点となる位相補正角φ5では、積分信号∫VMNdtのレベルはV2となる一方、負荷が小さいときにピーク効率点となる位相補正角φ6では、積分信号∫VMNdtのレベルはV3となる。
また、図46は、上記ブラシレスDCモータ装置において、負荷を一定にして、運転周波数を変化させたときの位相補正角に対する積分信号∫VMNdtの特性を示している。上記ブラシレスDCモータ装置の特性は、位相補正角の進み補正側から遅れ補正側に積分信号∫VMNdtのレベルが徐々に小さくなる略直線となり、運転周波数が高いほど位相補正角の進み補正側となる一方、運転周波数が低いほど位相補正角の進み補正側から遅れ補正側にほぼ平行に移動する。そして、運転周波数が高いときにピーク効率点となる位相補正角φ7では、積分信号∫VMNdtのレベルはV4となる一方、運転周波数が低いときにピーク効率点となる位相補正角φ8では、積分信号∫VMNdtのレベルはV5となる。
すなわち、負荷の大小および運転周波数の高低に従ってピーク効率点において積分信号のレベルが一定とならないブラシレスDCモータ装置について、この発明を適用する。
上記構成のブラシレスDCモータ装置において、回転位置検出器3からの位置信号と、速度演算部44からの現在速度信号と外部からの負荷に応じたトルク値を表わすトルク信号とに基づいて、レベル検出信号切替部102は、切替信号をスイッチSWに出力する。すなわち、負荷の変化および運転周波数の変化に応じて、レベル検出器6A,6B,…のうちの一つを選択し、上記積分信号∫VMNdtのレベルを判定する基準値を切り替えるのである。その後、上記マイコン100は、第4実施例の図29,30,31,32のフローチャートに示す割込処理を行って、レベル判定部101は、最大モータ効率となるように位相補正角を調整し、位相補正角指令信号を出力する。したがって、負荷の大小および運転周波数の高低に係わらず、最大効率でモータを運転することができる。
(第6実施例)
図47はこの発明の第6実施例のブラシレスDCモータ装置に用いたマイコンのブロック図を示し、上記ブラシレスDCモータ装置は、図24のブラシレスDCモータ装置とマイコン,レベル検出器を除いて同一の構成をしており、マイコン200とレベル検出器に代わるA/D変換器202以外は図と説明を省略する。なお、回転位置検出器3からの積分信号を受けて、A/D変換器202はA/D変換された積分信号を出力する。
また、上記ブラシレスDCモータ装置は、回転位置検出器3からの位置信号と、速度演算部44からの現在速度信号と、外部からの負荷トルク値を表わすトルク信号と、A/D変換器202からのA/D変換された積分信号とを受けて、位相補正角指令信号をタイマ値演算部42に出力するレベル判定部201を備えている。なお、上記ブラシレスDCモータ装置も、第5実施例と同様に、負荷の大小および運転周波数の高低に従ってピーク効率点において積分信号のレベルが一定とならない。
上記構成のブラシレスDCモータ装置において、電位差レベル判定部201は、速度演算部44からの現在速度信号と外部からのトルク信号とに基づいて、予め設定されたテーブルから目標値を選択して、A/D変換された積分信号のピーク値がその目標値以上か否かを判別する。そして、上記第4実施例の図29,30,31,32のフローチャートに示す割込処理を行って、最大モータ効率となるように位相補正角を調整し、位相補正角指令信号を出力する。したがって、負荷の変化および運転周波数の変化に応じて、目標値を設定し、すなわち積分信号∫VMNdtのレベルを判定する基準値を設定して、最大効率運転となるように位相補正角を調整することによって、負荷の大小および運転周波数の高低に係わらず、最大効率でモータを運転することができる。
(第7実施例)
図48はこの発明の第7実施例のブラシレスDCモータ装置の構成を示しており、301は電機子コイル301a,301b,301cがY結線され、複数の永久磁石を有する回転子310を回転磁界により回転させる固定子、302は上記電機子コイル301a,301b,301cに並列状態に接続され、抵抗302a,302b,302cをY結線した抵抗回路、303は上記抵抗回路302の中性点の電圧VMと電機子コイル301a,301b,301cの中性点の電圧VNとの電位差を表わす電位差信号VMNを検出し、その電位差信号VMNを積分して、積分信号∫VMNdtを出力する積分信号検出器、304は上記積分信号検出器303からの積分信号を受けて、スイッチング信号を出力するマイコン、305は上記マイコン304からのスイッチング信号を受けて、転流制御信号を出力するベース駆動回路である。上記ベース駆動回路305からの転流制御信号をインバータ部320に夫々入力している。なお、上記固定子301と回転子310でブラシレスDCモータ311を構成している。
また、図49は上記マイコン304のブロック図であり、マイコン304は、第4実施例のマイコン4と同一の構成をしており、同一構成部は同一参照番号を付して説明を省略する。
上記積分信号検出器303は、増幅器IC111の非反転入力端子に抵抗回路302の中性点の電圧VMを入力すると共に、増幅器IC111の反転入力端子に抵抗R111を介してグランドGNDを接続し、増幅器IC111の出力端子と反転入力端子との間に抵抗R112を接続した差動増幅器331と、上記差動増幅器331の出力端子に一端が接続された抵抗R113とその抵抗R113の他端とグランドGNDとの間に接続されたコンデンサC111とからなる積分器332とを備えている。そして、上記電機子コイル301a,301b,301cの中性点は、グランドGNDと抵抗R111を介して差動増幅器331の反転入力端子に接続されているので、差動増幅器331は、抵抗回路302の中性点の電圧VMと電機子コイル301a,301b,301cの中性点の電圧VNとの電位差を表わす電位差信号VMNを検出する。
また、上記ブラシレスDCモータ装置は、積分信号検出器303の積分器332からの積分信号∫VMNdtを受けて、レベル検出信号をマイコン304に出力するレベル検出器306を備えている。このレベル検出器306は、図50に示すように、積分器332からの積分信号∫VMNdtを増幅器IC121の反転入力端子に抵抗R121を介して入力すると共に、増幅器IC121の非反転入力端子をグランドGNDに接続している。また、上記増幅器IC121の出力端子にダイオードD1010のアノードを接続し、そのダイオードD101のカソードを増幅器IC121の反転入力端子に接続している。また、上記増幅器IC121の出力端子にダイオードD102のカソードを接続し、そのダイオードD102のアノードを抵抗R122を介して増幅器IC121の反転入力端子に接続している。上記ダイオードD102のアノードと抵抗R122の接続点に増幅器IC122の反転入力端子を抵抗R123を介して接続している。また、上記増幅器IC122の反転入力端子と抵抗R121の積分信号∫VMNdt側の一端との間に抵抗R124を接続し、増幅器IC122の非反転入力端子をグランドGNDに接続している。さらに、上記増幅器IC122の出力端子に抵抗R126を介してコンパレータIC123の反転入力端子を接続し、コンパレータIC123の反転入力端子をコンデンサC101を介してグランドGNDに接続している。一方、上記コンパレータIC123の非反転入力端子に抵抗R127を介して電源を接続すると共に、抵抗R128を介してグランドGNDを接続している。上記抵抗R127と抵抗R128でコンパレータIC123の基準値E3を設定している。
また、上記ブラシレスDCモータ装置は、図48に示すようにモータ311の回転子310の磁石の磁気により、回転子310の回転位置を検出するホール素子312a,312b,312cと、上記ホール素子312a,312b,312cからの各出力信号を受けて、回転子310の回転位置を表わす位置信号を出力する回転位置検出手段としての回転位置検出器313とを備えている。上記回転位置検出器313は、ホール素子312aの出力信号を増幅する増幅器IC112と、ホール素子312bの出力信号を増幅する増幅器IC113と、ホール素子312cの出力信号を増幅する増幅器IC114とを備えると共に、上記増幅器IC112,IC114の両出力信号が夫々入力された論理和回路OR1と、上記増幅器IC112,IC113の両出力信号が夫々入力された論理和回路OR2と、上記増幅器IC113,IC114の両出力信号が夫々入力された論理和回路OR3と、上記論理和回路OR1,OR2,OR3の各出力信号が入力され、位置信号を出力する論理積回路AND1とを備えている。
上記構成において、ブラシレスDCモータが位置検出に従って駆動されているとき、回転子310の回転位置を検出するホール素子312a,312b,312cの出力は、図52(A)〜(C)に示すように、120deg毎に位相の異なる台形状の波形となる。そして、上記回転位置検出器313は、図52(D)に示すように、60deg毎にレベルが切り換わる位置信号を出力する。また、上記積分信号検出器303の増幅器IC111は、非反転入力端子に入力された抵抗回路302の中性点の電圧VMと、増幅器IC111の反転入力端子に入力された電機子コイル301a,301b,301cの中性点の電圧VNとの電位差を表わす電位差信号VMN(図52(E)に示す)を検出すると共に、積分器332によりその電位差信号VMNを積分して、積分信号∫VMNdt(図52(F)に示す)を出力する。上記積分信号∫VMNdtは、回転周波数の3倍の周波数の略正弦波形となる。そして、上記積分器332からの積分信号∫VMNdtを受けて、レベル検出器306は、ダイオードD101,D102と抵抗R121〜R126および増幅器IC121,IC122からなる全波整流回路によって、積分信号∫VMNdtを全波整流する(図52(G)に示す)。そして、全波整流された信号を抵抗R126とコンデンサC101からなる平滑回路により平滑にした後、その平滑信号(図52(H)に示す)をコンパレータIC123で基準値E3と比較し、レベル検出信号(図52(I)に示す)を出力する。すなわち、上記平滑信号のレベルが基準値E3以下のとき、レベル検出信号をHレベルとする一方、平滑信号のレベルが基準値E3を越えるとき、レベル検出信号をLレベルとするのである。
図51は上記マイコン304の割込処理11を示しており、図51のフローチャート以外は、第4実施例の図30,31,32に示すフローチャートと同様の動作を行う。なお、上記マイコン304の外部割込端子に入力される位置信号の立ち上がり,立ち下がり毎に割込処理11を行う。
まず、ステップS201でレベル検出信号がLレベルか否かを判別して、レベル検出信号がLレベルと判別すると、ステップS221に進み、前回位相補正角指令を+1deg(遅れ補正側)とし、図30に示すステップS104に進む。一方ステップS201でレベル検出信号がLレベルでないと判別すると、ステップS222に進み、前回位相補正角指令を−1deg(進み補正側)とし、図30に示すステップS104に進む。
以下、第4実施例と同様にして、負荷の大小および運転周波数の高低に係わらず最大効率でモータを運転することができる。また、電圧パターンの位相を進み補正側から遅れ補正側に徐々に調整して、最大モータ効率点にすることによって、ピーク効率点より遅れ補正側に存する脱調領域に電圧パターンの位相が調整されることがないので、脱調を防止することができる。
(第8実施例)
図53はこの発明の第8実施例のブラシレスDCモータ装置のマイコンのブロック図を示している。このブラシレスDCモータ装置の構成は、マイコン308とレベル検出器307(図54参照)以外は図48に示す第7実施例のブラシレスDCモータと同一の構成をしており、その説明を省略する。同一構成部については、図48が参照される。なお、上記マイコン308は、読込用タイマ60を除き図49に示す第7実施例のマイコン304と同一の構成をしており、同一構成部は同一参照番号を付して説明を省略する。
また、上記レベル検出器307は、図54に示すように、積分器332からの積分信号∫VMNdtが反転入力端子に入力され、かつ、非反転入力端子が抵抗R131を介してグランドGNDに接続されると共に、出力端子と非反転入力端子を抵抗R132を介して接続された増幅器IC131を備えている。上記増幅器IC131と抵抗R131,R132でヒステリシス特性を有するヒステリシスコンパレータを構成している。
上記構成において、ブラシレスDCモータが位置検出に従って駆動されているとき、回転子310の回転位置を検出するホール素子312a,312b,312cの出力は、図55(A)〜(C)に示すように、120deg毎に位相の異なる台形状の波形となる。そして、図48に示す回転位置検出器313は、図55(D)に示すように、60deg毎にレベルが切り換わる位置信号を出力する。上記積分器332からの積分信号∫VMNdtを受けて、レベル検出器307は、積分信号∫VMNdt(図55(F)に示す)が基準値E4を越えると、増幅器IC131の出力端子はLレベルとなり、積分信号∫VMNdtが基準値E5未満になると、増幅器IC131の出力端子はHレベルとなる。すなわち、上記レベル検出器307のレベル検出信号(図55(G)に示す)は、位置信号(図55(D)に示す)と位相の異なる同一周期の信号となる。ところが、上記積分器332からの積分信号∫VMNdtのレベルが小さくなると、積分信号∫VMNが基準値E4を越えなかったり、積分信号∫VMNdtが基準値E5未満にならなかったりして、レベル検出信号は、位置信号に比べて周波数が低くなると共に、デューティ比が異なる。すなわち、上記積分信号∫VMNが所定のレベル以上か否かをレベル検出信号が所定の周期で連続するか否かによって検出することができる。
以下、上記マイコン308の動作を図56,57,58,59のフローチャートに従って説明する。なお、上記マイコン308の外部割込端子に入力される位置信号の立ち上がり,立ち下がり毎に割込処理21を行う。
まず、図56において、割込処理21がスタートすると、ステップS301で前回レベル検出信号がHレベルか否かを判定して、前回レベル検出信号がHレベルと判定すると、ステップS321に進み、今回レベル検出信号がLレベルか否かを判定する。そして、ステップS321で今回レベル検出信号がLレベルと判定すると、ステップS322に進み、カウンタCNT1を+1する一方、今回レベル検出信号がLレベルでないと判定すると、ステップS302に進む。
一方、ステップS301で前回レベル検出信号がHレベルでないと判定すると、ステップS323に進み、今回レベル検出信号がHレベルか否かを判定する。そして、ステップS323で今回レベル検出信号がHレベルと判定すると、ステップS324に進み、カウンタCNT1を+1する一方、今回レベル検出信号がHレベルでないと判定すると、ステップS302に進む。
次に、ステップS302に進み、カウンタCNT2を+1して、ステップS303に進む。そして、ステップS303でカウンタCNT2が3であるか否かを判定して、カウンタCNT2が3であると判定すると、ステップS325に進む一方、カウンタCNT2が3でないと判定すると、図57に示すステップS304に進む。次に、ステップS325でカウンタCNT1が3であるか否かを判定して、カウンタCNT1が3であると判定すると、ステップS326に進み、前回位相補正角指令を+1deg(遅れ補正側)として、ステップS329に進む。一方、ステップS325でカウンタCNT1が3でないと判定すると、ステップS327に進み、カウンタCNT1が0であるか否かを判定する。そして、ステップS327でカウンタCNT1が0であると判定すると、ステップS328に進み、前回位相補正角指令を−1deg(進み補正側)として、ステップS329に進む。一方、ステップS327でカウンタCNT1が0でないと判定すると、ステップS329に進む。次に、ステップS329でカウンタCNT1をクリアし、ステップS330に進み、カウンタCNT2をクリアして、ステップS304に進む。なお、最初の割込処理21がスタートする前に、位相補正角指令に初期値を設定すると共に、カウンタCNT1,CNT2をクリアする。
次に、図57に示すステップS304に進み、位相補正タイマT1(図57ではタイマT1とする)がカウント中か否かを判別して、タイマT1がカウント中と判別すると、ステップS331に進み、タイマT1をストップさせる。すなわち、上記タイマT1がカウント中の場合、次のスタートに備えて、タイマT1をストップさせるのである。次に、ステップS332で電圧パターンを出力して、ステップS305に進む。一方、ステップS304でタイマT1がカウント中でないと判別すると、ステップS305に進む。
次に、ステップS305で補正角(レベル判定部51からの位相補正指令信号に基づく位相補正角)が60deg以上であるか否かを判別して、補正角が60deg以上である場合、ステップS341に進み、補正角が120deg以上か否かを判別する。そして、ステップS341で補正角が120deg以上の場合、ステップS342に進み、位相補正E(図57では補正Eとする)とし、ステップS343に進む。そして、ステップS343で前回が位相補正C(図57では補正Cとする)または位相補正D(図57では補正Dとする)か否かを判別して、前回が位相補正Cまたは位相補正Dであると判別すると、ステップS344に進み、補正切替要求を行った後、ステップS306に進む。一方、ステップS343で前回が位相補正Cまたは位相補正Dでないと判別すると、ステップS306に進む。
一方、ステップS341で補正角が120deg未満の場合、ステップS345に進み、位相補正Dとして、ステップS346に進む。そして、ステップS346で前回が位相補正Cまたは位相補正Eか否かを判別して、前回が位相補正Cまたは位相補正Eであると判別すると、ステップS347に進み、補正切替要求を行った後、ステップS306に進む。一方、ステップS346で前回が位相補正Cまたは位相補正Eでないと判別すると、ステップS306に進む。また、ステップS305で補正角が60deg未満であると判別すると、ステップS351に進み、位相補正Cとして、ステップS352に進む。そして、ステップS352で前回が位相補正Dまたは位相補正Eか否かを判別して、前回が位相補正Dまたは位相補正Dであると判別すると、ステップS353に進み、補正切替要求を行った後、ステップS306に進む。一方、ステップS352で前回が位相補正Eまたは位相補正Dでない場合、ステップS306に進む。
次に、ステップS306でタイマ値TISOUを位相補正C,D,E毎に計算する。すなわち、位相補正Cでは、タイマ値TISOUに位相補正角に応じたタイマ値をセットし、位相補正Dでは、タイマ値TISOUに位相補正角から60deg減算した位相角に応じたタイマ値をセットし、位相補正Eでは、タイマ値TISOUに位相補正角から120deg減算した位相角に応じたタイマ値をセットする。そして、ステップS307に進み、インバータモードを1ステップ進める。
次に、図58に示すステップS308に進み、補正切替要求が有るか否かを判別し、補正切替要求が有る場合、ステップS361に進み、補正切替が位相補正C(図58では補正Cとする)から位相補正D(図58では補正Dとする)または位相補正Dから位相補正E(図58では補正Eとする)に切替わるか否かを判別する。そして、ステップS361で補正切替が位相補正Cから位相補正Dまたは位相補正Dから位相補正Eに切替わると判別すると、ステップS362に進み、補正切替要求を解除し、ステップS362−1でインバータモードを1ステップ戻して、ステップS309に進む。
一方、ステップS361で補正切替が位相補正Cから位相補正Dまたは位相補正Dから位相補正Eに切替わらない場合、すなわち位相補正Dから位相補正Cまたは位相補正Eから位相補正Dに切替わる場合、ステップS363に進み、電圧パターンを出力する。そして、ステップS364に進み、ステップS306で計算したタイマ値TISOUをタイマT1に設定した後、ステップS365でタイマT1をスタートさせる。次に、ステップS366に進み、補正切替要求を解除して、ステップS309に進む。
また、ステップS308で補正切替要求がないと判別すると、ステップS368に進み、ステップS306で計算したタイマ値TISOUをタイマT1に設定し、ステップS369でタイマT1をスタートさせ、ステップS309に進む。
次に、ステップS309で周期測定タイマT2をストップし、周期測定タイマT2のタイマ値を読み込み、ステップS310に進む。次に、ステップS310で周期測定タイマT2をセットしてスタートさせ、次の周期測定を開始する。そして、ステップS311で周期演算部41により周期測定タイマT2の値から周期演算を行い、その演算結果から速度演算部44によりモータの回転速度を演算する。次に、ステップS312で速度制御部45は外部からの速度指令信号に基づき速度制御を行って、電圧指令信号を出力する。
そして、図59Aに示すように、タイマT1のカウントが終了して、タイマT1により割込信号IRQを出力すると、割込処理22がスタートし、ステップS370で電圧パターンを出力して、割込処理22を終了する。
なお、ステップS321,S323の今回レベル検出信号の確認は、図53に示す読込用タイマ60を用いて読み込む。つまり、上記回転位置検出器113からの位置信号の立ち上がり,立ち下がりで読込用タイマ60をスタートして、読込用タイマ60は所定時間計時すると、読込信号(図55(E)に示す)をレベル判定部51に出力する。上記レベル判定部51が読込信号を受けると、図59Bに示す割込処理23がスタートして、上記割込処理23のステップS380でレベル検出信号の読込み(レベル判定部51によりレベル検出信号のレベルがLレベルかHレベルかを判定する)を行った後、この割込処理23を終了する。
こうして、負荷の大小および運転周波数の高低に係わらず、最大効率でモータを運転することができる。また、電圧パターンの位相を進み補正側から遅れ補正側に徐々に調整して、最大モータ効率点にすることによって、ピーク効率点より遅れ補正側に存する脱調領域に電圧パターンの位相が調整されることがないので、脱調を防止することができる。
(第9実施例)
図60はこの発明の第9実施例のAC(交流)モータ装置の構成を示しており、401は電機子コイル401a,401b,401cがY結線され、回転子410を回転磁界により回転させる固定子、402は上記電機子コイル401a,401b,401cに並列状態に接続され、抵抗401a,402b,402cをY結線した抵抗回路、403は上記抵抗回路402の中性点の電圧VMと電機子コイル401a,401b,401cの中性点の電圧VNとの電位差を表わす電位差信号を検出する差動増幅器、404は上記差動増幅器403からの電位差信号を受けて、その電位差信号を積分する積分器、405は上記積分器404からの積分信号を変成器PTを介して受けて、直流成分が除かれた積分信号の実効値を求めるRMS(Root Mean Square)コンバータ、406は上記RMSコンバータ405からの積分信号の実効値を表わす信号を受けて、スイッチング信号を出力するマイコン、407は上記マイコン406からのスイッチング信号を受けて、転流制御信号を出力するベース駆動回路である。上記ベース駆動回路407からの転流制御信号をインバータ部420に夫々入力している。なお、上記固定子401と回転子410でACモータ411を構成している。
図61は上記マイコン406の概略ブロック図を示し、マイコン406は、周波数指令信号f1*を受けて、インバータ出力周波数を表わす信号f1を出力する加速/減速処理部501と、上記加速/減速処理部501からのインバータ出力周波数を表わす信号f1と中性点電圧vnとを受けて、インバータ出力電圧を表わす信号voを出力する電圧処理部502と、上記加速/減速処理部501で求めた出力周波数信号f1と上記電圧処理部502からのインバータ出力電圧を表わす信号voとを受けて、転流制御信号を出力する正弦波PWM処理部503とを備えている。
図62は上記マイコン406の処理を示すフローチャートであり、図62に従ってマイコン406の割込処理31を以下に説明する。なお、上記割込処理31は、図示しないタイマからの0.1〜1秒毎に発生する割込信号により処理される。
まず、割込処理31がスタートすると、ステップS401でインバータ周波数の現在値f1と、中性点電圧の現在値vn(i)、すなわちRMSコンバータ405で求めた積分信号の実効値をそれぞれ入力する。次に、ステップS402でインバータ出力電圧vo(i)を次式により演算する。
vo(i)=vo(i−1)
−sgn{vo(i−1)−vo(i−2)}・sgn{vn(i)−vn(i−1)}・△V
sgn(x):x≧0のとき+1,x<0のとき−1
次に、ステップS403でインバータ出力電圧の最小値vomin(f1)がインバータ出力電圧vo(i)より大きいか否かを判別して、インバータ出力電圧の最小値vomin(f1)がインバータ出力電圧vo(i)より大きいと判別すると、ステップS406に進み、インバータ出力電圧vo(i)を最小値vomin(f1)とした後、ステップS404に進む。一方、ステップS403でインバータ出力電圧の最小値vomin(f1)がインバータ出力電圧vo(i)以下と判別すると、ステップS404に進む。つまり。図63に示すように、インバータ出力電圧の最小値vominはインバータ周波数f1と略比例の関係にあり、ステップS402で求めたインバータ出力電圧vo(i)が最小値vomin以下にならないようにしている。
次に、ステップS404で1サンプル前の値を記憶する。すなわち、上記インバータ出力電圧vo(i)をインバータ出力電圧vo(i−1)に代入し、中性点電圧の現在値Vn(i)を中性点電圧Vn(i−1)に代入するのである。
そして、ステップS405でインバータ出力電圧vo(i)を出力して、この割込処理31を終了する。
したがって、図64に示すように、
vo(i−1)−vo(i−2)>0
vo(i)−vn(i−1)<0
となると、インバータ出力電圧vo(i)は、
vo(i)=vo(i−1)+△V
となる。また、
vo(i−1)−vo(i−2)>0
vo(i)−vn(i−1)>0
となると、インバータ出力電圧vo(i)は、
vo(i)=vo(i−1)−△V
となる。
すなわち、中性点電圧Vnが最小となるようにインバータ出力電圧voを調整し、目標値である最小の中性点電圧Vnを得るようにインバータ出力電圧voを調整するのである。
図65はインバータ周波数f1を30Hzとし、トルクを10,15,20kgfcmとしたときのインバータ出力線間電圧voに対するACモータの効率ηと中性点電圧実効値vnの特性を実験により調べた。この実験の結果より、ACモータの効率ηの最大効率点において、夫々に対応する中性点電圧の特性曲線はほぼ最小値を示していることが分かる。したがって、インバータ周波数f1と中性点の現在値vn(i)に基づいて、所定の割込周期毎に中性点電圧vnが最小になるようにインバータ出力電圧vo(i)を調整することによって、ACモータを最大効率で運転することができる。
上記第4〜第8実施例では、インバータ出力電圧を調整することにより回転速度を制御し、インバータ出力の電圧パターンの位相を調整することにより、モータを最大効率で運転する最適効率制御を行ったが、インバータ出力電圧を調整することにより最適効率制御し、インバータ出力の電圧パターンの位相を調整することにより回転速度の制御を行ってもよい。
また、上記第4〜第8実施例では、ブラシレスDCモータを用い、第9実施例ではACモータを用いたが、モータはこれらに限らず、リラクタンスモータ等にこの発明を適用してもよいのは勿論である。
また、上記第4〜第8実施例では、積分信号のレベルがピーク効率点のときの目標値になるように、位相補正角を調整して、最大効率運転を行ったが、電位差信号のレベルがピーク効率点のときの目標値になるようにしてもよい。また、上記積分信号または電位差信号を用いて、任意の効率における目標値を設定して、任意の効率でモータの運転を行ってもよい。
また、上記第4〜第8実施例では、位相補正手段として位相補正タイマT1,周期測定タイマT2,周期演算部41およびタイマ値演算部42を用いたが、位相補正手段はこれに限らないのは勿論である。
また、上記第4〜第9実施例では、マイコン4(14,100,200,304,308,406)を用いたが、マイコンの代りに論理回路等により構成してもよい。
また、上記第4〜第8実施例では、電機子コイル1a,1b,1c(301a,301b,301c)の電圧パターンの切り換え方式を180度通電方式としたが、電圧パターンの切り換えは180度に限らず、120〜180度の通電方式であればよい。
また、第4,第5,第6実施例では、回転位置検出手段として回転位置検出器3を用いたが、回転位置検出手段はこれに限らず、他の回路構成でもよいのは勿論である。
すなわち、図66に示すように、抵抗回路2の中性点の電圧VMが反転入力端子に接続され、非反転入力端子とグランドGNDとの間に抵抗R21が接続されると共に、出力端子と反転入力端子との間に抵抗R22とコンデンサC21が並列に接続された増幅器IC21と、上記増幅器IC21の出力端子に反転入力端子が接続され、非反転入力端子とグランドGNDとの間に抵抗R23が接続されると共に、出力端子と非反転入力端子との間に抵抗R24を接続した増幅器IC22とを備えたものでもよい。
また、図67に示すように、抵抗回路2の中性点の電圧VMが反転入力端子に接続され、非反転入力端子とグランドGNDとの間に抵抗R31が接続されると共に、出力端子と反転入力端子との間に抵抗R32が接続された増幅器IC31と、その増幅器IC31の出力端子と抵抗R33を介して反転入力端子が接続され、非反転入力端子とグランドGNDとの間に抵抗R34が接続されると共に、出力端子と反転入力端子との間に抵抗R35とコンデンサC31が並列に接続された増幅器IC32と、上記増幅器IC32の出力端子に反転入力端子が接続され、非反転入力端子とグランドGNDとの間に抵抗R36が接続されると共に、出力端子と非反転入力端子との間に抵抗R37を接続して増幅器IC33とを備えたものでもよい。
また、図68に示すように、電機子コイル1a,1b,1cがY結線され、複数の永久磁石を有する回転子10を回転磁界により回転させる固定子1と、上記電機子コイル1a,1b,1cに並列状態に接続され、抵抗2a,2b,2cをY結線した抵抗回路2と、直流電源9の正極側に夫々接続された3つのトランジスタ20a,20b,20cと直流電源9の負極側に夫々接続された3つのトランジスタ20d,20e,20fとから構成され、トランジスタ20d,20e,20fのエミッタがグランドGNDに接続されたインバータ部20を備えたブラシレスDCモータにおいて、電機子コイル1a,1b,1cの中性点の電圧VNが抵抗R41を介して反転入力端子に接続され、抵抗2a,2b,2cの中性点の電圧VMが非反転入力端子に接続されると共に、非反転入力端子とグランドGNDとの間に抵抗R42が接続され、出力端子と反転入力端子との間に抵抗R43が接続された増幅器IC41と、その増幅器IC41の出力端子と抵抗R44を介して反転入力端子が接続され、非反転入力端子とグランドGNDとの間に抵抗R45が接続されると共に、出力端子と反転入力端子との間に抵抗R46とコンデンサC41とが並列に接続された増幅器IC42と、上記増幅器IC42の出力端子に反転入力端子が接続され、非反転入力端子とグランドGNDとの間に抵抗R47が接続されると共に、出力端子と非反転入力端子との間に抵抗R48を接続して増幅器IC43とを備えたものでのよい。
また、上記第6実施例では、積分信号∫VMNdtをA/D変換したが、電位差信号または電位差信号を平滑した信号あるいは積分信号∫VMNdtを平滑した信号をA/D変換して、そのA/D変換された信号を用いてレベル判定を行ってもよい。
また、上記第4実施例では、レベル検出信号のカウントを5回とし、上記第8実施例では、レベル検出信号のカウントを3回としたが、適宜な回数でよい。
また、上記第4実施例では、上記回転位置検出器3の積分器22を積分手段として用いたが、積分手段は、回転位置検出器の積分器とは別に構成してもよい。
また、上記第4〜第6実施例では、回転位置検出手段としての回転位置検出器3により回転子10の回転位置を検出し、上記第4実施例,第5実施例では、ホール素子312a,312b,312cと回転位置検出器313により回転子310の回転位置を検出したが、回転位置検出手段はこれに限らない。例えば、図69に示すように、モータ600の回転子601の軸に連結されたロータリーエンコーダ602と、上記ロータリーエンコーダ602からの回転位置を表わす信号を受けて、位置信号を出力するインターフェース603とを備えたものでもよい。
産業上の利用可能性
本発明のブラシレスDCモータ装置を初めとするモータ装置ならびにモータの制御方法は、インバータエアコン等の空気調和機、電気洗濯機、電気掃除機等の家電機器に用いるのに適している。

Claims (29)

  1. 電圧形インバータ(702,802,912)により駆動されるブラシレスDCモータ(703,803,913)の回転速度および回転子の位置を検出し、検出された回転速度に応答してモータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相を所定の位相に設定すべく電圧形インバータ(702,802,912)に対するスイッチング指令を設定するブラシレスDCモータ制御方法において、
    上記電圧形インバータ(702,802,912)の入力電流とモータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相との間に回転速度毎に関係を有し、
    上記電圧形インバータ(702,802,912)の入力電流を検出し、上記検出された回転速度および検出された入力電流に応答して、上記関係を利用することによって、上記モータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相をモータ効率をほぼ最大にする位相に設定すべく電圧形インバータ(702,802,912)に対するスイッチング指令を設定することを特徴とするブラシレスDCモータ制御方法。
  2. 請求項1に記載のブラシレスDCモータ制御方法において、上記モータ効率をほぼ最大にする位相が、ブラシレスDCモータ(703)を最大効率で駆動するための位相よりも所定値だけ進められたものであるブラシレスDCモータ制御方法。
  3. 電圧形インバータ(702)により駆動されるブラシレスDCモータ(703)の回転速度および回転子の位置を検出し、検出された回転速度に応答してモータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相を所定の位相に設定すべく電圧形インバータ(702)に対するスイッチング指令を設定するブラシレスDCモータ装置において、
    上記電圧形インバータ(702)の入力電流とモータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相との間に回転速度毎に関係を有し、
    上記電圧形インバータ(702)の入力電流を検出する検出手段(705,706)と、
    上記検出された回転速度および検出された入力電流に応答して、上記関係を利用することによって、上記モータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相をモータ効率をほぼ最大にする位相に設定すべく電圧形インバータ(702)に対するスイッチング指令を設定するインバータ制御手段(707)とを有することを特徴とするブラシレスDCモータ装置。
  4. 請求項3に記載のブラシレスDCモータ装置において、インバータ制御手段(707)が、予め実測を行なって得られた、上記回転速度および入力電流に対してモータ効率の最大値を得ることができる位相を保持した位相保持手段をさらに有し、検出された回転速度および検出された入力電流に応答して上記位相保持手段から該当する位相を上記モータ効率をほぼ最大にする位相として読み出して電圧形インバータ(702)に対するスイッチング指令を設定するものであるブラシレスDCモータ装置。
  5. 請求項3に記載のブラシレスDCモータ装置において、インバータ制御手段(707)が、予め実測を行なって得られた、上記回転速度および入力電流に対してモータ効率の最大値を得ることができる位相の変化特性を規定する値を保持した値保持手段(707a)と、値保持手段(707a)に保持した値に基づいて位相を線形近似する線形近似手段(707b)とをさらに有し、検出された回転速度および検出された入力電流に応答して値保持手段(707a)から該当する値を読み出し、線形近似手段(707b)により線形近似して位相を得、得られた位相を上記モータ効率をほぼ最大にする位相として電圧形インバータ(702)に対するスイッチング指令を設定するものであるブラシレスDCモータ装置。
  6. 請求項3に記載のブラシレスDCモータ装置において、インバータ制御手段(707)が、モータ効率を最大にする位相を所定値だけ進めて電圧形インバータに対するスイッチング指令を設定する位相補正手段(707c)をさらに有しているブラシレスDCモータ装置。
  7. 電圧形インバータ(702,802,912)により駆動されるブラシレスDCモータ(703,803,913)の回転速度および回転子の位置を検出し、検出された回転速度に応答してモータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相を所定の位相に設定すべく電圧形インバータ(702,802,912)に対するスイッチング指令を設定するブラシレスDCモータ制御方法において、
    電圧形インバータ(802,912)の出力電圧振幅を上記検出された回転速度に基づいて定まる所定の振幅に設定するとともに、ブラシレスDCモータ(803,913)に対する回転速度指令と上記検出された回転速度との差に応答して、モータ逆起電圧に対する位相を所定の位相に設定すべく、かつ電圧形インバータ(802,912)の端子電圧通電幅を電気角で180゜に設定すべく電圧形インバータ(802,912)に対するスイッチング指令を設定することを特徴とするブラシレスDCモータ制御方法。
  8. 請求項7に記載のブラシレスDCモータ制御方法において、ブラシレスDCモータ(913)の回転子として、永久磁石が回転子の内部に配置されてなるものを採用するブラシレスDCモータ制御方法。
  9. 請求項7に記載のブラシレスDCモータ制御方法において、電圧形インバータ(912)の各相の出力端子に一方の端部が接続された抵抗(914u,914v,914w)の他方の端部を互いに接続して第1中性点電圧を得るとともに、ブラシレスDCモータ(913)の各相の固定子巻線(913u,913v,913w)の一方の端部を互いに接続して第2中性点電圧を得、第1中性点電圧と第2中性点電圧との差に基づいてブラシレスDCモータ(913)の回転子の磁極位置を検出するブラシレスDCモータ制御方法。
  10. 電圧形インバータ(702,802,912)により駆動されるブラシレスDCモータ(703,803,913)の回転速度および回転子の位置を検出し、検出された回転速度に応答してモータ逆起電圧の位相に対するインバータ出力電圧の位相を所定の位相に設定すべく電圧形インバータ(702,802,912)に対するスイッチング指令を設定するブラシレスDCモータ装置において、
    電圧形インバータ(802,912)の出力電圧振幅を上記検出された回転速度に基づいて定まる所定の振幅に設定するとともに、ブラシレスDCモータ(803,913)に対する回転速度指令と上記検出された回転速度との差に応答して、モータ逆起電圧に対する位相を所定の位相に設定すべく、かつ電圧形インバータ(802,912)の端子電圧通電幅を電気角で180゜に設定すべく電圧形インバータ(802,912)に対するスイッチング指令を設定するインバータ制御手段(806,918)とを有することを特徴とするブラシレスDCモータ装置。
  11. 請求項10に記載のブラシレスDCモータ装置において、ブラシレスDCモータ(913)の回転子として、永久磁石が回転子の内部に配置されてなるものを採用するブラシレスDCモータ装置。
  12. 請求項10に記載のブラシレスDCモータ装置において、電圧形インバータ(912)の各相の出力端子に一方の端部が接続され、かつ他方の端部が互いに接続された抵抗(914u,914v,914w)と、抵抗(914u,914v,914w)の他方の端部において得られる第1中性点電圧と、ブラシレスDCモータ(913)の各相の固定子巻線(913u,913v,913w)の互いに接続された端部において得られる第2中性点電圧とを入力として両中性点電圧の差電圧を出力する差電圧出力手段(915)と、差電圧に基づいてブラシレスDCモータ(913)の回転子の磁極位置を検出する回転子位置検出手段(917)とをさらに含むブラシレスDCモータ装置。
  13. 請求項10のブラシレスDCモータ装置を駆動源として採用することを特徴とする電気機器。
  14. 回転子(10,310)と、3相Y結線に接続 された電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)を有 する固定子(1,301)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c, 301a,301b,301c)に印加する電圧のパターンを切り換え るインバータ部(20,320)とを備えるモータ装置におい て、
    上記インバータ部(20,320)の出力を制御する制御手段 と、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2,302)と
    上記回転子(10,310)と上記固定子(1,301)との間の相対的な回転位置を検出して、位置信号を出力する回転位置検出手段(3,312a,312b,312c,313)とを備えると共に
    上記制御手段は、上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)の中性点と上記抵抗回路(2,302)の中性点との電位差を表わす電位差信号のレベルが目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記電位差信号のレベルが上記目標値になるように、上記位置信号から上記電圧のパターンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段(T1,T2,41,42)とを有することを特徴とするモータ装置。
  15. 回転子(10,310)と、3相Y結線に接続 された電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)を有 する固定子(1,301)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c, 301a,301b,301c)に印加する電圧のパターンを切り換え るインバータ部(20,320)とを備えるモータ装置におい て、
    上記インバータ部(20,320)の出力を制御する制御手段 と、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2,302)と
    上記回転子(10,310)と上記固定子(1,301)との間の相対的な回転位置を検出して、位置信号を出力する回転位置検出手段(3,312a,312b,312c,313)とを備えると共に
    上記制御手段は、上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c,)の中性点と上記抵抗回路(2,302)の中性点との電位差を表わす電位差信号のレベルが最高効率を得る目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記電位差信号のレベルが上記目標値になるように、上記位置信号から上記電圧のパターンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段(T1,T2,41,42)とを有することを特徴とするモータ装置。
  16. 回転子(10,310)と、3相Y結線に接続 された電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)を有 する固定子(1,301)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c, 301a,301b,301c)に印加する電圧のパターンを切り換え るインバータ部(20,320)とを備えるモータ装置におい て、
    上記インバータ部(20,320)の出力を制御する制御手段 と、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2,302)と
    上記回転子(10,310)と上記固定子(1,301)との間の相対的な回転位置を検出して、位置信号を出力する回転位置検出手段(3,312a,312b,312c,313)とを備えると共に
    上記制御手段(4,100,304,308)は、上記電機子コイル(1a,1b,1c,302a,302b,302c)の中性点と上記抵抗回路(2,302)の中性点との電位差を表わす電位差信号が積分された積分信号のレベルが目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202,306,307)と、上記レベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202,306,307)の判定結果に基づいて、上記積分信号のレベルが上記目標値になるように、上記位置信号から上記電圧のパターンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段(T1,T2,41,42)とを有することを特徴とするモータ装置。
  17. 回転子(10,310)と、3相Y結線に接続 された電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)を有 する固定子(1,301)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c, 301a,301b,301c)に印加する電圧のパターンを切り換え るインバータ部(20,320)とを備えるモータ装置におい て、
    上記インバータ部(20,320)の出力を制御する制御手段 (4,100,304,308)と、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2,302)と
    上記回転子(10,310)と上記固定子(1,301)との間の相対的な回転位置を検出して、位置信号を出力する回転位置検出手段(3,312a,312b,312c,313)とを備えると共に
    上記制御手段(4,100,304,308)は、上記電機子コイル(1a,1b,1c,302a,302b,302c)の中性点と上記抵抗回路(2,302)の中性点との電位差を表わす電位差信号が積分された積分信号のレベルが最高効率を得る目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202,306,307)と、上記レベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202,306,307)の判定結果に基づいて、上記積分信号のレベルが上記目標値になるように、上記位置信号から上記電圧のパターンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段(T1,T2,41,42)とを有することを特徴とするモータ装置。
  18. 回転子(10,310)と、3相Y結線に接続 された電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)を有 する固定子(1,301)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c, 301a,301b,301c)に印加する電圧のパターンを切り換え るインバータ部(20,320)とを備えるモータ装置におい て、
    上記インバータ部(20,320)の出力を制御する制御手段 と、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2,302)を備えると共に
    上記制御手段は、上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)の中性点と上記抵抗回路(2,302)の中性点との電位差を表わす電位差信号のレベルが目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記電位差信号のレベルが上記目標値になるように、上記インバータ部(20,320)の出力電圧を補正する電圧補正手段とを有することを特徴とするモータ装置。
  19. 回転子(10,310)と、3相Y結線に接続 された電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)を有 する固定子(1,301)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c, 301a,301b,301c)に印加する電圧のパターンを切り換え るインバータ部(20,320)とを備えるモータ装置におい て、
    上記インバータ部(20,320)の出力を制御する制御手段 と、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2,302)を備えると共に
    上記制御手段は、上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)の中性点と上記抵抗回路(2,302)の中性点との電位差を表わす電位差信号のレベルが最高効率を得る目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記電位差信号のレベルが上記目標値になるように、上記インバータ部(20,320)の出力電圧を補正する電圧補正手段とを有することを特徴とするモータ装置。
  20. 回転子(10,310)と、3相Y結線に接続 された電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)を有 する固定子(1,301)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c, 301a,301b,301c)に印加する電圧のパターンを切り換え るインバータ部(20,320)とを備えるモータ装置におい て、
    上記インバータ部(20,320)の出力を制御する制御手段 と、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2,302)を備えると共に
    上記制御手段は、上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)の中性点と上記抵抗回路(2,302)の中性点との電位差を表わす電位差信号が積分された積分信号のレベルが目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202,306,307)と、上記レベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202,306,307)の判定結果に基づいて、上記積分信号のレベルが上記目標値になるように、上記インバータ部(20,320)の出力電圧を補正する電圧補正手段とを有することを特徴とするモータ装置。
  21. 回転子(10,310)と、3相Y結線に接続 された電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)を有 する固定子(1,301)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c, 301a,301b,301c)に印加する電圧のパターンを切り換え るインバータ部(20,320)とを備えるモータ装置におい て、
    上記インバータ部(20,320)の出力を制御する制御手段 と、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2,302)を備えると共に
    上記制御手段は、上記電機子コイル(1a,1b,1c,301a,301b,301c)の中性点と上記抵抗回路(2,302)の中性点との電位差を表わす電位差信号が積分された積分信号のレベルが最高効率を得る目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202,306,307)と、上記レベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202,306,307)の判定結果に基づいて、上記積分信号のレベルが上記目標値になるように、上記インバータ部(20,320)の出力電圧を補正する電圧補正手段とを有することを特徴とするモータ装置。
  22. 複数極の磁石を有する回転子(10)と、3相Y結線に接続された電機子コイル(1a,1b,1c)を有する固定子(1)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c)の中性点と上記抵抗回路(2)の中性点との電位差を表わす電位差信号を検出し、その電位差信号に基づいて、上記回転子(10)と上記固定子(1)の相対的な回転位置を検出して、位置信号を出力する回転位置検出手段(3)と、上記回転位置検出手段(3)の上記位置信号に基づいて、上記電機子コイル(1a,1b,1c)に印加する電圧のパターンを切り換えるインバータ部(20)とを備えるモータ装置において、
    上記回転位置検出手段(3)により検出された上記電位差信号を積分して、モータ効率との間に関係を有する積分信号を出力する積分手段(22)と、
    上記積分手段(22)からの上記積分信号を受けて、上記積分信号のレベルが目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202)と、
    上記レベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202)の判定結果に基づいて、上記積分手段(22)からの上記積分信号のレベルが上記目標値になるように、上記位置信号から上記電圧のパターンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段(T1,T2,41,42)とを備えたことを特徴とするモータ装置。
  23. 請求項2に記載のモータ装置において、上記レベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202)の上記目標値を最大効率のときの上記積分信号のレベルに設定したことを特徴とするモータ装置。
  24. 複数極の磁石を有する回転子(10)と、3相Y結線に接続された電機子コイル(1a,1b,1c)を有する固定子(1)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c)に印加する電圧を出力するインバータ部(20)とを備えるモータ装置において、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c)の中性点と上記抵抗回路(2)の中性点との電位差を表わす電位差信号を積分して、モータ効率との間に関係を有する積分信号を出力する積分手段(22)と、
    上記積分手段(22)からの上記積分信号を受けて、上記積分信号のレベルが目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202)と、
    上記レベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202)の判定結果に基づいて、上記積分手段(22)からの上記積分信号のレベルが上記目標値になるように、上記インバータ部(20)の出力電圧を補正する電圧補正手段とを備えたことを特徴とするモータ装置。
  25. 請求項2に記載のモータ装置において、上記レベル判定手段(6,6A,6B,51,101,201,202)の上記目標値を最大効率のときの上記積分信号のレベルに設定したことを特徴とするモータ装置。
  26. 複数極の磁石を有する回転子(10)と、3相Y結線に接続された電機子コイル(1a,1b,1c)を有する固定子(1)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c)の中性点と上記抵抗回路(2)の中性点との電位差を表わす電位差信号を検出し、その電位差信号に基づいて、上記回転子(10)と上記固定子(1)の相対的な回転位置を検出して、位置信号を出力する回転位置検出手段(3)と、上記回転位置検出手段(3)の上記位置信号に基づいて、上記電機子コイル(1a,1b,1c)に印加する電圧のパターンを切り換えるインバータ部(20)とを備えるモータ装置において、
    上記回転位置検出手段(3)により検出された上記電位差信号を受けて、上記電位差信号のレベルが目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、
    上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記電位差信号のレベルが上記目標値になるように、上記位置信号から上記電圧のパターンを切り換えるまでの時間を調整する位相補正手段を備えたことを特徴とするモータ装置。
  27. 請求項2に記載のモータ装置において、上記レベル判定手段の上記目標値を最大効率のときの上記電位差信号のレベルに設定したことを特徴とするモータ装置。
  28. 複数極の磁石を有する回転子(10)と、3相Y結線に接続された電機子コイル(1a,1b,1c)を有する固定子(1)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c)に対して並列状態で3相Y結線された抵抗回路(2)と、上記電機子コイル(1a,1b,1c)に印加する電圧を出力するインバータ部(20)とを備えるモータ装置において、
    上記電機子コイル(1a,1b,1c)の中性点と上記抵抗回路(2)の中性点との電位差を表わす電位差信号のレベルが目標値に対してどのような関係にあるかを判定するレベル判定手段と、
    上記レベル判定手段の判定結果に基づいて、上記電位差信号のレベルが上記目標値になるように、上記インバータ部(20)の出力電圧を補正する電圧補正手段とを備えたことを特徴とするモータ装置。
  29. 請求項28に記載のモータ装置において、上記レベル判定手段の上記目標値を最大効率のときの上記電位差信号のレベルに設定したことを特徴とするモータ装置。
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