JP3642826B2 - サスペンションアームに用いられるブッシュ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両用サスペンション装置に用いられる防振ブッシュに関するものであり、特に、コーナリングフォースに対するトーコレクト機能を発揮させるようにし、これによって、乗心地性と操縦安定性との両方の性能を向上させるようにしたサスペンション装置用のブッシュに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両におけるサスペンション装置の、その車体への取付部には、振動吸収を目的とした防振ブッシュが設けられている。そして、この防振ブッシュ(ブッシュ)は、凸起乗り越え時等の乗心地性を良くするためには、柔らかくする必要がある。また、一方、操縦安定性を良くするためには、コーナリングフォース等の横方向の力に対して硬くする必要がある。これらの相反する機能を満たすために、ゴム状弾性体を主体とするブッシュにおいて、種々の工夫が成されている。そのようなサスペンション装置のリンク機構取付部等に用いられるブッシュに関して、前後方向のバネ定数は柔らかくし、左右方向のバネ定数は硬くするようにしたものとして、例えば実開平6−8835号公報記載のようなものがある。
【0003】
ところで、このものは、内筒に傾斜面からなる膨出状のハンプ部を設け、一方、これに対向するように外筒の端末部にテーパ面からなる絞り部を設け、これら傾斜面とテーパ面との間にゴム状弾性体を介在させるようにした構成からなるものである。また、このような傾斜面及びテーパ面からなる構成部を軸方向に対の状態で設け、これによって、軸方向の荷重(入力)に対して、ラジアル方向の分力を生じさせるようにしているものである。このような構成からなるブッシュをサスペンションアームの取付部に設けることによって、路面から車輪を介して入力される振動(荷重)等に対して、前後方向は柔らかいバネ特性を形成させるようにするとともに、左右方向(横方向)に対しては、剛性を高く保つことができるようにしているものである。すなわち、乗心地性と操縦安定性との両方の性能を満足させるようにしているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のものは、一つのブッシュの中に、傾斜面とテーパ面とからなる分力発生部が、軸方向に2個、対の状態で設けられているものである。従って、操縦安定性を良くするために軸方向の剛性を上げようとすると、前後方向、すなわち、ラジアル方向のバネ定数も上がり、当該ブッシュの取り付けられるサスペンションアームの前後方向のコンプライアンス特性が低下して、乗心地性能を低下させるという問題点がある。また、ブッシュ自体の構造も複雑になり、ブッシュの製造原価を高くするという問題点がある。このような問題点を解決することとした、サスペンション装置用のブッシュを提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、内筒と、外筒と、これら内外筒間に設けられる防振ゴムとからなる、サスペンションアームに用いられるブッシュにおいて、
上記内筒の外側に、そのラジアル方向に扇状に形成された膨出部からなるものであってその軸線方向の一端面側に傾斜面を有するハンプ部を、前記内筒の軸線方向の一方の端部側に偏らせて設け、前記傾斜面の姿勢を、前記内筒の一方の端部の端面に近い側ほど前記内筒の軸線に近づく傾斜姿勢に設定し、
一方、上記外筒を、その基本横断面形態が、楕円形及び長円形のうちのいずれか一方の形態からなるようにするとともに、前記ハンプ部が前記外筒の軸線方向の一方の端部側に偏よって位置した状態になるように、前記外筒の長さと、前記内筒に対する前記外筒の前記軸線方向での位置とを設定し、
前記外筒の一方の端部側に、前記内筒の軸線に対して前記傾斜面と同一方向に同一角度だけ傾斜して前記ハンプ部の傾斜面と対向するテーパー面を備えたテーパー外筒部と、前記テーパー外筒部の小径側の端部に連なり、直胴状の内筒部分を囲む直胴状の第1の外筒部分とを設け、前記外筒の軸線方向の他方の端部側を直胴状に形成し、
これら構成からなる内筒と外筒とを、当該外筒の長軸側と上記内筒に設けられた上記ハンプ部とが一致するように設置するとともに、このように設置された内外筒間に防振ゴムを充填して一体化し、
更に、前記テーパー外筒部の大径側の端部に連なる直胴状の第2の外筒部分と前記内筒との間に設けられた防振ゴムの部分であって前記外筒の長軸側の防振ゴムの部分に、前記内外筒の軸線方向で前記テーパー外筒部とは反対側に開口し、前記外筒の短軸を挟んで位置する一対の第1のすぐり部を、前記外筒の内周面に沿う円弧状に形成して、一方の前記第1のすぐり部を、前記ハンプ部の円弧状の頂面と前記第2の外筒部分との間に入り込ませ、
前記内筒の軸線方向の他方の端部と、前記外筒の軸線方向の他方の端部との間の防振ゴムの部分であって前記外筒の長軸側の防振ゴムの部分に、前記内外筒の軸線方向で前記テーパー外筒部とは反対側に開口し、前記外筒の短軸を挟んで位置する一対の第2のすぐり部を、前記一対の第1のすぐり部に各別に連なる状態に形成して、一方の前記第2のすぐり部を、前記内外筒の軸線方向で前記ハンプ部及び第1のすぐり部の外方側に位置させ、
前記第1の外筒部分と前記直胴状の内筒部分との間に設けた防振ゴムの部分に第3のすぐり部を形成してある構成を採ることとした。
【0006】
【作用】
上記構成を採ることにより、本発明においては、次のような作用を呈することとなる。すなわち、本発明にかかるブッシュは、図4に示す如く、内筒に設けられたハンプ部、外筒に設けられたテーパ面、これらハンプ部の傾斜面とテーパ面との間に設けられた防振ゴムの一部を成す傾斜ゴム部からなることを基本とするものである。そして、このような構成からなるブッシュが、図6に示す如く、車両のリヤサスペンション装置を形成するリンク機構(アーム)の取付部に、左右対称形に取り付けられているものである。このような構成からなるサスペンション機構を有する車両が、図6の矢印図示のような走行運動をすると、サスペンション機構、特にリヤサスペンション機構には、コーナリングフォース(F)が作用することとなる。
【0007】
すなわち、コーナリング時における外側の車輪には、コーナリングフォースとしてFの力が加わる。そして、このFの力は、リンク機構を介して外筒のところへと伝播される。この外筒のところへ伝播された力は、当該外筒のテーパ面とハンプ部の傾斜面との間の相互作用によって、ブッシュのラジアル方向(P矢印方向)への分力(P)へと変換される。すなわち、Fのコーナリングフォースに対してPの分力が生ずることとなる。一方、内側の車輪についても、同じコーナリングフォースに起因して、ブッシュの外筒にはスラスト力が作用することとなる。このスラスト力は、外筒のテーパ面とハンプ部の傾斜面との間に充填された防振ゴムの傾斜ゴム部の作用によって、P’矢印方向への力(P’)として分力化されることとなる。これらP及びP’の分力によって、サスペンション機構(リヤサスペンション装置)には、車輪をトーイン側へ導くような力(モーメント)が働くこととなる。すなわち、本発明のブッシュが取り付けられたリヤサスペンション装置には、車両の走行運動(コーナリング)時に、ロールステアによるアンダステア現象が生ずることとなる。これによって、コーナリング時における操縦安定性の向上が図られることとなる。
【0008】
また、一方、本ブッシュは、その防振ゴムのところに、すぐり部が設けられており、このすぐり部は、サスペンション機構に組み込まれた状態において、図6に示す如く、車両の前後方向に来るように設置されている。また、この方向には外筒の長軸側が設置されるようになっているので、内筒と外筒との間に介在する防振ゴムのボリュームが多くなっている。従って、前後方向のコンプライアンス特性が上がり、微小凸起乗越え時の乗心地性能を向上させることができるようになる。
【0009】
また、本発明のブッシュは、外筒が楕円形または長円形からなるものであり、しかも、上記ハンプ部の傾斜面が上記外筒の長軸側と合致するように設置されているものである。従って、上記スラスト力を受ける部分、すなわち、傾斜ゴム部、の防振ゴム量が多くなるようになっている。その結果、上記傾斜ゴム部に引張り方向のスラスト力が加わった場合、このスラスト力に起因するラジアル方向の分力は、圧縮方向のスラスト力が作用した場合と同様、リニアに発生することとなる(図7参照)。その結果、コーナリングフォースに対する車輪をトーイン側へ作動させようとするモーメントは、左右輪で同じように発生することとなる。すなわち、車輪へのトーコレクト作用は、リニア(線形)な状態で発揮されることとなる(図8参照)。
【0010】
【実施例】
本発明の実施例について、図1ないし図8を基に説明する。本実施例の構成は、図1に示す如く、パイプ状の内筒1と、基本断面形態が楕円形または長円形を有する円筒状の形態からなるものであって、その一端側にテーパ面31を有する外筒3と、これら内外筒間に設けられるものであってゴム状弾性体からなる防振ゴム2と、からなることを基本とするものである。
【0011】
このような基本構成において、上記内筒1は、基本的には中空状のストレートパイプからなるものであって、その外周部の一部に、図2に示すような膨出部からなるハンプ部11が設けられている構成からなるものである。なお、当該ハンプ11部は、図2及び図3に示す如く、内筒1の外周上に扇状に形成されているものであり、その開き角(θ)は100°ないし120°の角度を有するように形成されているものである。そして、当該ハンプ部11を形成する膨出部の一方側には、約45°ないし55°の傾斜角をもった傾斜面111が設けられるようになっている(図4参照)。また、この傾斜面111は、図4に示す如く、ブッシュとして形成された状態において、上記外筒3のテーパ面31と対向するようになっているものである。
【0012】
このような構成からなる内筒1の外側に設置される外筒3は、図1、図3、及び図4に示す如く、基本断面形態が楕円形または長円形を有する円筒状の形態からなるものであり、その一端側には、上記内筒1のハンプ部11に設けられた傾斜面111と同じ角度の立体角を有するテーパ面31が設けられているものである。そして、これら構成からなる内外筒間には、図3ないし図5に示す如く、ゴム状弾性体からなる防振ゴム2が設けられるようになっているものである。
【0013】
なお、本防振ゴム2は、上記内外筒1、3間にインジェクション手段等によって充填され、更には加硫接着手段等によって、上記内外筒1、3と一体化されるようになっているものである。また、このようにして形成される本防振ゴム2には、図3及び図4に示す如く、円弧状のすぐり部22が、2個対称形を成すように設けられている。なお、このすぐり部22の設けられる位置は、図3に示す如く、外筒3の長軸側33であるXXの方向のみであることが望ましい。そして、このXX方向は、本ブッシュが車両のサスペンション機構に組み込まれた状態において、図6に示す如く、車両の前後方向に位置するようになっているものである。
【0014】
また、本ブッシュのYY方向の断面においては、図5に示す如く、上記すぐり部22は設けられておらず、防振ゴム2が十分に充填されている構成となっている。そして、このYY方向は、本ブッシュがサスペンション機構に組み込まれた状態において、上下方向を向くようになっているものである。また、上記内筒1に設けられたハンプ部11の傾斜面111と上記外筒3のテーパ面31との間には、上記防振ゴム2が、上記インジェクション手段等により充填されており、これによって傾斜ゴム部21が形成されるようになっているものである。このように、本ブッシュがサスペンション機構に組み込まれた状態においては、前後方向については上記外筒3の長軸側33が来るようにし、これによって傾斜ゴム部21のボリュームを十分に確保させるようにするとともに、上下方向については外筒3の短軸側35を持って来るようにし、これによって、上下方向のスペースはあまり多く採らずに、防振ゴム2のボリュームを十分に確保させるようにしているものである。なお、このような構成からなる内筒1、外筒3、及び防振ゴム2は、当該防振ゴム2の加硫接着時に一体的に結合されるようになっているものである。
【0015】
そして、このような構成からなるブッシュが、図6に示す如く、サスペンション装置のリンク機構に、外筒3の長軸側33及び防振ゴム2のすぐり部22が前後方向を向くように、かつ、ハンプ部11の傾斜面111が前側に来るように取り付けられるようになっている。これによって、コーナリングフォースが加わったときに、適正なトーコレクト機能が発揮されるようになっているものである。
【0016】
このような構成からなる本実施例の作用等について説明する。なお、本実施例の作用は、上記作用の欄のところで説明したものと、基本的には同じである。すなわち、上記構成からなるブッシュが、例えば図6に示す如く、リヤサスペンション装置のリンク機構に左右対称形の状態で取り付けられ、更に、このようなリンク機構を有する車両が、図6の矢印図示のような走行運動をすると、本車両のリヤサスペンション装置は、上記ブッシュの作用により、アンダステアの特性を発揮することとなる。
【0017】
その具体的例について、図6を基に説明する。すなわち、図6において、車両が矢印図示方向の走行運動をすると、外側の車輪9にはコーナリングフォースとしてFの力が加わる。このFの力は、リンク機構を介して外筒3のところへと伝播される。そして、この外筒3のところへ伝播された力(F)は、当該外筒3のテーパ面31とハンプ部11の傾斜面111との間の相互作用によって、ブッシュのラジアル方向(P矢印方向)への分力(P)を生じさせる。すなわち、Fのコーナリングフォースに対してPの分力が生ずることとなる。
【0018】
一方、内側の車輪9’側についても、同じコーナリングフォースに起因して、ブッシュの外筒3にはF’の力が作用することとなる。このF’の力は、外筒3のテーパ面31とハンプ部11の傾斜面111との間に充填された防振ゴム2の傾斜ゴム部21の引張り作用によって、P’矢印方向への力(P’)として分力化されることとなる。すなわち、F’の横方向の力に対してP’のラジアル方向の分力が生ずることとなる。これらP及びP’の力によって、サスペンション機構(リヤサスペンション装置)には、車輪9、9’をトーイン側へ導くような力(モーメント)が働くこととなる。すなわち、本実施例のブッシュが取り付けられたリヤサスペンション装置には、車両の走行運動(コーナリング)時に、ロールステアによるアンダステア現象が生ずることとなる。これによって、コーナリング時における操縦安定性の向上が図られることとなる。
【0019】
また、一方、本ブッシュは、図3及び図4に示す如く、その防振ゴム2のところに、すぐり部22が設けられており、このすぐり部22は、サスペンション装置に組み込まれた状態において、図6に示す如く、車両の前後方向に来るように設置されている。また、この方向には外筒3の長軸側33が来るようになっており、内筒1と外筒3との間に介在する防振ゴム2のボリュームも多くなっている。従って、車両の走行運動に対して、前後方向のバネ定数が柔らかくなる。すなわち、前後方向のコンプライアンス特性が向上し、微小凸起乗越え時の乗心地性能を向上させることとなる。このように、本実施例のブッシュをサスペンション機構、特に、リヤサスペンション装置のリンク機構に用いることによって、車両の乗心地性と操縦安定性との両方の性能を向上させることができるようになる。
【0020】
また、本実施例のブッシュは、外筒3が楕円形または長円形の形態からなるものであり、しかも、上記ハンプ部11の傾斜面111が上記外筒3の長軸側33と一致するように設置されているので、スラスト力を受ける部分、すなわち、傾斜ゴム部21、における防振ゴムの量が多くなっている。これらのことから、上記内側の車輪9’側に作用する引張り方向のスラスト力に対するラジアル方向の分力発生状況は、圧縮方向のスラスト力に対する分力発生状況と同じようになる(図7参照)。従って、コーナリングフォースに対する車輪9、9’をトーイン側へ作動させようとするモーメントは、左右輪9、9’において同じように発生することとなる。すなわち、車輪9、9’へのトーコレクト作用は、図8に示す如く、比較的リニア(線形)な状態で発揮されることとなる。これらのことから、ロールステア時におけるアンダステア特性が従来のものに比べて高くなる。その結果、操縦安定性がより高められることとなる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、内筒と、外筒と、これら内外筒間に設けられるものであってゴム状弾性体からなる防振ゴムと、にて形成されるブッシュに関して、上記内筒の外側に、そのラジアル方向に扇状に形成された膨出部からなるものであってその軸線方向の一端面側に傾斜面を有するハンプ部を設け、一方、上記外筒を、その基本断面形態が、楕円形または長円形の形態からなるようにするとともに、上記外筒の一端部側に、上記ハンプ部の傾斜面と対向するように絞り状のテーパ面を設け、これら構成からなる外筒の長軸側と上記内筒に設けられたハンプ部とが一致するように、上記内筒と外筒とを設置するとともに、このように設置された内外筒間にゴム状弾性体からなる防振ゴムを充填して一体化し、更に、当該内外筒間に設けられた防振ゴムの部分であって、上記外筒の長軸側に、当該外筒の内周面に沿うようにすぐり部を設けるようにした構成を採ることとしたので、当該ブッシュを用いたサスペンション機構、特に、リヤサスペンション機構においては、コーナリングフォースによる横力に対して、当該ブッシュのところで、ブッシュのラジアル方向への分力を発生させることができるようになり、この分力によって、車輪をトーイン側へロールステアさせ、車両全体をアンダステア状態に保持することができるようになった。その結果、ブッシュ自体のバネ定数を柔らかくすることによって乗心地性能を向上させるとともに、上記ブッシュの作用により操縦安定性を向上させることができるようになった。すなわち、乗心地性と操縦安定性との両方の性能を向上させることができるようになった。
【0022】
また、本ブッシュの防振ゴムのところ、特に、外筒の長軸側に、円弧状の形態からなるすぐり部を設け、これらすぐり部及び長軸側における防振ゴムのボリュームの多く介在する部分を、車両の前後方向を向くように設置することとしたので、サスペンション機構取付部の前後方向のバネ定数を柔らかくすることができるようになり、これによって、前後方向のコンプライアンス特性を高め、微小凸起乗越え時等の乗心地性能を向上させることができるようになった。すなわち、これらによっても、乗心地性と操縦安定性との両方の性能を向上させることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の主要部を成す内筒の全体構成を示す斜視図である。
【図3】本発明にかかるブッシュを構成する内筒、外筒、防振ゴムの構成を示す正面図である。
【図4】本発明の全体構成を示す縦断面図であって、図3のXX断面図である。
【図5】本発明の全体構成を示す縦断面図であって、図3のYY断面図である。
【図6】本発明にかかるブッシュの装着されたリヤサスペンション機構の概要を示すスケルトン図である。
【図7】本発明にかかるブッシュの荷重−たわみ曲線を示す図である。
【図8】本発明にかかるブッシュを用いたサスペンション機構におけるロールステア時のトーコレクト状態を示す図である。
【符号の説明】
1 内筒
11 ハンプ部
111 傾斜面
2 防振ゴム
21 傾斜ゴム部
22 すぐり部
3 外筒
31 テーパ面
33 長軸側
35 短軸側
9 車輪
9’ 車輪
Claims (1)
- 内筒と、外筒と、これら内外筒間に設けられる防振ゴムとからなる、サスペンションアームに用いられるブッシュにおいて、
上記内筒の外側に、そのラジアル方向に扇状に形成された膨出部からなるものであってその軸線方向の一端面側に傾斜面を有するハンプ部を、前記内筒の軸線方向の一方の端部側に偏らせて設け、前記傾斜面の姿勢を、前記内筒の一方の端部の端面に近い側ほど前記内筒の軸線に近づく傾斜姿勢に設定し、
一方、上記外筒を、その基本横断面形態が、楕円形及び長円形のうちのいずれか一方の形態からなるようにするとともに、前記ハンプ部が前記外筒の軸線方向の一方の端部側に偏よって位置した状態になるように、前記外筒の長さと、前記内筒に対する前記外筒の前記軸線方向での位置とを設定し、
前記外筒の一方の端部側に、前記内筒の軸線に対して前記傾斜面と同一方向に同一角度だけ傾斜して前記ハンプ部の傾斜面と対向するテーパー面を備えたテーパー外筒部と、前記テーパー外筒部の小径側の端部に連なり、直胴状の内筒部分を囲む直胴状の第1の外筒部分とを設け、前記外筒の軸線方向の他方の端部側を直胴状に形成し、
これら構成からなる内筒と外筒とを、当該外筒の長軸側と上記内筒に設けられた上記ハンプ部とが一致するように設置するとともに、このように設置された内外筒間に防振ゴムを充填して一体化し、
更に、前記テーパー外筒部の大径側の端部に連なる直胴状の第2の外筒部分と前記内筒との間に設けられた防振ゴムの部分であって前記外筒の長軸側の防振ゴムの部分に、前記内外筒の軸線方向で前記テーパー外筒部とは反対側に開口し、前記外筒の短軸を挟んで位置する一対の第1のすぐり部を、前記外筒の内周面に沿う円弧状に形成して、一方の前記第1のすぐり部を、前記ハンプ部の円弧状の頂面と前記第2の外筒部分との間に入り込ませ、
前記内筒の軸線方向の他方の端部と、前記外筒の軸線方向の他方の端部との間の防振ゴムの部分であって前記外筒の長軸側の防振ゴムの部分に、前記内外筒の軸線方向で前記テーパー外筒部とは反対側に開口し、前記外筒の短軸を挟んで位置する一対の第2のすぐり部を、前記一対の第1のすぐり部に各別に連なる状態に形成して、一方の前記第2のすぐり部を、前記内外筒の軸線方向で前記ハンプ部及び第1のすぐり部の外方側に位置させ、
前記第1の外筒部分と前記直胴状の内筒部分との間に設けた防振ゴムの部分に第3のすぐり部を形成してある、サスペンションアームに用いられるブッシュ。
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