JP3641549B2 - 物品保管管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の物品を収納するための容器を、物品の貸出返却を受け付ける受付部と前記容器の複数を収納する棚との間で搬送する搬送手段と、
前記棚に収納される各容器の収納位置および各容器の物品の充填率を管理しながら、前記搬送手段の搬送作動を実行して、物品の貸出および返却を管理する管理手段とが設けられた物品保管管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる物品保管管理システムは、多数の物品を棚に集中的に収納して保管スペースの減少を図りながらも、物品の貸出および返却の省力化を図るようにしたものである。
説明を加えると、このようなシステムの従来例として、例えば特開平7−285621号公報には、物品としての図書を保管管理する図書保管管理システムが開示されいる。そして、この図書保管管理システムでは、各容器の図書の充填率を管理しながら各図書を容器に収納すべく管理しながら、返却された図書を入庫するときには、充填率の低い容器から自動的に選択されて受付部に搬出され、その容器に返却する図書が収納されると、その容器が再び棚内に戻されて収納されるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のものでは、返却作業時に、充填率の低い容器から受付部に搬出されるため、棚内に収納されている容器の充填率が平均的に高くなっていくので、返却された図書が多数であると、返却された図書をすべて容器に収納する前に容器が満杯になることが多くあり、容器が満杯になるごとに棚内から容器を受付部に搬出する必要があるので、返却作業を必ずしも効率よく行うことができなかった。
【0004】
そこで、本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、返却作業の作業効率を向上させることが可能となる物品保管管理システムを提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、管理手段に作業を指示する指示手段が、容器に収納された物品を他の容器に詰替えることによって、空の容器を作成する詰替えモードを指示できるように構成され、管理手段が、詰替えモードを指示手段にて指示されるに伴って、充填率が満杯で無い容器を詰替え作業を行う作業箇所に搬出するように、搬送手段の搬送作動を制御するように構成されている。
したがって、返却作業時には、詰替えモードにおいて作成された空の容器を受付部に搬出し、返却された物品が多数であっても、その空の容器に充分に物品を収納することができるので、むやみに棚内から容器を搬出することなく、返却作業の作業効率を向上させることが可能となる。
また、請求項1に記載の発明によれば、管理手段が、設定期間内において受付部への出庫実績があるか否かについて各容器ごとに管理して、詰替えモードにおいて、出庫実績の無い容器を出庫実績のある容器よりも優先して、作業箇所に搬出するように、搬送手段の作動を制御するように構成されている。
つまり、詰替えモードにおいて、出庫実績の無い容器を出庫実績のある容器よりも優先して、作業箇所に搬出するので、出庫実績の無い物品どうしを集めて別の容器に収納することができ、この容器を棚の奥側に収納するなどして、物品を適切に収納することもできる。
【0006】
請求項2に記載の発明によれば、詰替えモードにおいて、出庫容器数設定モードと作成容器数設定モードとを指示手段にて選択できるように構成され、
管理手段は、出庫容器数設定モードが選択されたときには、指示手段にて設定される個数分、充填率が満杯で無い容器を作業箇所に搬出するように、搬送手段の搬送作動を制御し、
そして、作成容器数設定モードが選択されたときには、指示手段にて設定された個数分の空の容器が作成されるまで、充填率が満杯で無い容器を作業箇所に搬出するように、搬送手段の作動を制御するように構成されている。
したがって、作業量が把握し易い出庫容器数設定モードと、必要に応じて作成する空の容器数を設定できる作成容器数設定モードとが選択することができるので、必要に応じてそれぞれのモードを選択することができ、使い勝手のよいものとなる。
【0008】
請求項3に記載の発明によれば、管理手段が、詰替えモードにおいて、充填率の低い容器を優先して、作業箇所に搬出するように、搬送手段を制御するように構成されている。
したがって、充填率の低い容器を優先して作業箇所に搬出するので、作業箇所において、容器からの物品の取出し作業を少なくすることができ、詰替えモードにおける作業効率を向上させることが可能となる。
【0009】
請求項4に記載の発明によれば、管理手段が、詰替えモードにおいて、出庫実績の無い容器を出庫実績のある容器よりも優先し、かつ、出庫実績の無い容器のうちでは充填率の低い容器を優先して、作業箇所に搬出するように、搬送手段の作動を制御するように構成されている。
したがって、出庫実績の無い物品どうしを集めて別の容器に収納することができるとともに、詰替えモードにおける作業効率を向上させることができる。
【0010】
請求項5に記載の発明によれば、管理手段が、各容器の分別データと、各容器に収納される物品の識別データと、各物品のサイズとを関連付けて記憶して、その記憶情報に基づいて、各容器の物品の充填率を管理しながら各物品をサイズ別に仕分けして容器に収納すべく管理するように構成されているので、物品の識別データ別に仕分けして容器に収納するものと比較して、容器に隙間なく収納することができ、物品の収納効率を向上させることが可能となる。
また、詰替えモードにおいて、容器が収納している物品のサイズを指示手段にて選択できるように構成され、管理手段が、詰替えモードにおいて、指示手段にて指示されたサイズの物品を収納し、かつ、充填率が満杯で無い容器を作業箇所に搬出するように、搬送手段の搬送作動を制御するように構成されているので、物品のサイズごとに空の容器を作成することができ、必要に応じた物品の詰替えを実行することが可能となる。
【0011】
請求項6に記載の発明によれば、容器として、寸法が大小に異なる複数種が設けられ、棚が、寸法の異なる複数の容器のそれぞれに対応する収納部を備えているので、容器を棚の収納部に効率よく収納することができる。
また、管理手段が、各容器の物品の充填率の管理を、各容器の大きさ情報に基づいて実行して、各容器の物品の充填率を確実に管理しながら、さらに、詰替えモードにおいて、容器の大きさを併せて指示手段にて指示できるように構成され、管理手段が、詰替えモードにおいて、指示手段にて指示された大きさで、指示されたサイズの物品を収納し、かつ、充填率が満杯で無い容器を作業箇所に搬出するように、搬送手段の搬送作動を制御するように構成されているので、容器の詰替え作業を容器の大きさにより行うことができ、必要に応じた詰替え作業を実行することが可能となる。
【0012】
請求項7に記載の発明によれば、空の容器を貯留する貯留箇所が、受付部と棚との間の搬送経路の途中に設けられ、管理手段が、詰替えモードにおいて、空の状態に作成された容器の入庫が指示されるに伴って、その容器を貯留箇所に搬送して保管すべく、搬送手段の搬送作動を制御するように構成されている。
したがって、返却された物品を入庫する際に、受付部と棚との間に設けられた貯留箇所から空の容器を受付部に搬出することができるので、棚から受付部に容器を搬出するものと比較して、容器の搬送距離を短縮することができ、返却作業効率をより一層向上させることが可能となる。
【0013】
請求項8に記載の発明によれば、棚が、物品収納部を縦横に複数個備えるラック部分を、棚奥行き方向に並べ、かつ、棚奥行き方向の両端の間に位置するものを棚奥行き方向に駆動移動自在に備えて、隣接するラック部分の間に搬送手段の搬送通路を選択的に形成するように構成されているので、隣接するラック部分の間ごとに搬送手段の搬送通路を設ける必要もなく、保管スペースの減少を図ることができ、さらに、管理手段が、詰替えモードにおいて、複数の搬送通路のうちのひとつを形成する状態に棚を維持させて、その選択した搬送通路を通して、容器を作業箇所に搬出するように、搬送手段の搬送作動を制御するように構成されているので、複数の搬送通路のうちのひとつを人為的や自動的に選択し、搬送通路を選択し直すことなく、選択された搬送通路を通して集中して容器を作業箇所に搬送することができ、詰替え作業を効率よく行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品としての図書の貸出や返却を受け付ける受付部Kと、複数の図書を収納するための容器Yの複数を収納する棚Rと、図書のサイズおよび厚さを入力するための計測部としても機能する作業ステーションSと、受付部Kと棚Rとの間や、作業ステーションSと棚Rとの間で容器Yを搬送する搬送手段TPと、棚Rに収納される各図書の収納位置および各容器Yの図書の充填率を管理しながら、搬送手段TPの搬送作動を実行して、図書の貸出および返却を管理する管理手段P(図12参照)とが設けられて、物品としての図書を保管管理する図書保管管理システムが構成されている。
【0015】
本実施形態の図書保管管理システムは、受付部Kおいて使用者と図書館員との間で図書の受け渡しが行われる、いわゆる閉架式の図書保管部であり、そして、使用者が出入り可能な状態で棚に図書を保管する、いわゆる開架式の図書保管部をも備える図書館内に設置されているものとして説明する。すなわち、前記棚Rや作業ステーションSが、図書館を構成する建物の地下に設置され、前記受付部Kが建物の1階に設けられている。
【0016】
本実施形態においては、基本的には、A4、A5、B5、B6のそれぞれのサイズの書籍類、A2サイズの新聞類、および、その他の異形サイズの書物類を、図書として扱うようになっている。
そして、容器Yとしては、図9および図10に示すように、棚Rに収納した状態において、棚横幅方向に沿う幅Lや高さHが大小に異なり、棚奥行き方向に沿う幅Wが同じに形成された、大型容器YLと小型容器YSとが用意されている。前記大型容器YLには、基本的には、A 2サイズの新聞類(図9(イ)参照)や、A4サイズおよびB5サイズの書籍類(図9(ロ)参照)が収納され、小型容器YSには、基本的には、A5サイズおよびB6サイズの書籍類(図10(イ)(ロ)参照)や、その他異形サイズの書物類(図10(ハ)参照)が収納されることになる。
【0017】
各容器Yに収納される図書については、上述の充填率の管理、つまり、各容器Yの図書の充填率が管理される。このため、各容器Yへの書籍、新聞、および書物類の収納形態も定義されて、その充填率が管理される。具体的に説明すると、大型容器YLでは、新聞を順次積み重ねて収納する平置き形態(図9(イ)参照)や、A4やB5の書籍を縦姿勢で2列に並べる縦置き形態(図9(ロ)参照)が選択され、また、小型容器YSでは、A4やB5の書籍を横向きの縦姿勢で 1列に並べる横置き形態(図10(イ)参照)と、A5やB6の書籍を縦姿勢で 2列に並べる縦置き形態(図10(ロ)参照)と、書物類を順次積み重ねて収納する平置き形態(図10(ハ)参照)が選択される。なお、書籍を縦姿勢で2列に並べる縦置き形態を選択して書籍を収納する場合には、間仕切りMが容器Yにセットされるようになっている。
そして、各収納形態において、新聞、書籍、および書物類の並び方向での最大寸法、つまり図書を収納可能な最大寸法が予め設定され、その最大寸法から図書の厚みを順次減算して求められる空き寸法が小さいほど充填率が高いものとなり、本実施形態では、前記空き寸法を空きスペースと呼称する。
なお、各容器Yには、各容器Yを識別するための容器ナンバーをバーコードとして表示するバーコード表示体BCが装着されている。ちなみに、このバーコード表示体BCには、容器ナンバーが数字にて目視可能に記載されている。
【0018】
図1、図6および図8に示すように、前記棚Rは、大型容器YLを収納するための大型容器用の棚部RLと、小型容器YSを収納するための小型容器用の棚部RSとを備えている。
大型容器用の棚部RLおよび小型容器用の棚部RSのそれぞれは、前記容器Yの収納部40を長手方向および上下方向に複数個備えるラック部分1Lおよび1Sを、棚奥行き方向に複数並べて備えている。そして、複数のラック部分1Lおよび1Sのうちの両端の間に位置するラック部分が、棚奥行き方向に駆動移動自在に構成され、隣接するラック部分1の間にスタッカクレーン2の移動通路Tが選択的に形成されるようになっている。また、スタッカクレーン2を載せて搬送するトラバーサ3が、棚Rの横幅方向一端部に沿って走行するように設けられている。
そして、前記ラック部分1L,1Sの収納部40は、図11に示すように、左右一対の物品保持部40Aにて奥行き方向にひとつの容器Yを支持するように構成されている。
【0019】
図1〜図5に示すように、前記受付部Kは、使用者との間で図書館員が図書の受け渡しを行うサービスカウンターK1、そのサービスカウンターK1に隣接して設けられて、図書の搬送のための中継を行うサービスステーションT1、リファレンスカウンターK2、および、そのリファレンスカウンターK2に隣接して設けられて、サービスステーションK2と同様に、図書の搬送のための中継を行うリファレンスステーションT2を備えている。
前記サービスカウンターK1と前記リファレンスカウンターK2とは、基本的には同じ作業が行えるものであるが、通常は主として、サービスカウンターK1が使用される。そして、サービスカウンターK1の作業量が多過ぎるときに作業の援助を行う場合や、サービスカウンターK1やサービスステーションT1のメンテナンス作業を行うときに作業を継続する場合などにおいて、リファレンススカウンターK2やリファレンスステーションT2が使用される。
【0020】
前記搬送手段TPについて説明すると、前記建物の地下に設けた作業ステーションSに対応させて、図1および図6に示すように、コの字状の作業ステーション形成用のコンベヤ5が設置されて、スタッカークレーン2が、このコンベヤ5に対して容器Yの移載、つまり容器Yの搬出を行うようになっている。また、トラバーサ3には、それを作業用ステーションSに対応する位置に位置させたときに、作業ステーション形成用のコンベヤ5から搬出される容器Yを受け取る受け継ぎコンベヤ3Aが設けられ、スタッカークレーン2が、この受け継ぎコンベヤ3Aに対して容器Yの移載、つまり容器Yの搬入を行うようになっている。
【0021】
建物の地下から一階のサービスステーションT1の近くに向けて、垂直搬送用の高速リフター6が設置されている。図8にも示すように、この高速リフター6の地下に対応する部分であって上下中間部には、棚Rへの入庫用コンベヤ7と棚Rからの出庫用コンベヤ8とが設置されている。これら入庫用コンベヤ 7および出庫用コンベヤ8に対して、スタッカークレーン2が容器Yの移載を行うようになっている。
【0022】
図1および図2に示すように、前記高速リフター6の一階に対応する部分には、ロの字状のサービスステーション形成用のコンベヤ4が接続されている。このコンベヤ4には、容器Yの向きを変更するターンコンベヤ部4Aを備えている。
【0023】
図1および図8に示すように、前記高速リフター6の地下に対応する部分であって上端部には、第1中継コンベヤ9が設けられている。この第1中継コンベヤ9は、軌道式搬送台車10との間で容器Yを移載する、搬出用コンベヤ部9Aおよび搬入用コンベヤ部9Bとを備えている。
前記軌道式搬送台車10は、前記リファレンスステーションT2の下方側に位置させて設けた第2中継コンベヤ11と、前記高速リフター6に接続する前記第1中継コンベヤ9との間での搬送を行う。第2中継コンベヤ11は、第1中継コンベヤ9と同様に、軌道式搬送台車10との間で容器Yを移載する搬出用コンベヤ部11Aおよび搬入用コンベヤ部11Bを備えている。
図4にも示すように、前記第2中継コンベヤ11と前記リファレンスステーションT2に対応させて設けたリファレンスステーション形成用のコンベヤ12との間に、垂直搬送用のリフター13が設置されている。
【0024】
また、図3、図5、および図7に示すように、開架式の図書保管部と本閉架式の図書保管部との間での図書の搬送、サービスカウンターK1とサービスステーションT1との間での図書の搬送、リファレンスカウンターK2とリファレンスステーションT2との間の搬送、および、新規に図書館に入庫した図書の搬送など、図書館内での図書の運搬に用いる手押し式の台車Dが多数設けられている。
【0025】
前記管理手段Pについて説明する。図12に示すように、図書館の全体の図書の保管情報などを管理するホストコントローラP1と、前記建物の地下に設置されて、図書保管管理システムの全体を管理するシステムコントローラP2とが、通信可能に接続され、管理手段Pが、ホストコントローラP1とシステムコントローラP2とから構成されている。
前記ホストコントローラP1には、前記サービスカウンターK1に設置される第1端末21、前記リファレンスカウンターK2に設置される第2端末22、前記作業ステーションSに設置される第3端末23、図書館の管理室などに設置される第4端末24、利用者のサービスフロアに設置される第5端末25などの多数の端末が接続される。
【0026】
第4端末24は、図書館に新規に入庫される図書の書名など、新規に入庫される図書に関連する情報をホストコントローラP1に入力して、図書館において管理する図書として登録するのに利用されるとともに、その入庫する図書を識別する識別データ、本実施形態では図書ナンバーを表示する表示具としてのバーコード表示体Bを発行する発行機24Aを備えている。このバーコード表示体Bには、図書ナンバーがバーコードとして表示され、加えて、図書ナンバーが数字にて目視可能に記載されるようになっている。
なお、発行されたバーコード表示体Bは、入庫される図書に貼付などにより装着されることは勿論である。
また、バーコード表示体Bが装着された図書、すなわち、ホストコントローラP1に登録された図書は、前記台車Dを用いて諸々の箇所に搬送される。そして、本閉架式保管部において保管管理する場合には、地下の作業ステーションSに運搬される。なお、作業ステーションSでの作業については、「初期登録作業」として後述する。
【0027】
第5端末25は、利用者が借りたい図書を検索する目的で利用され、借りる目的の図書の情報、すなわち図書の名前や図書を識別する図書ナンバーなどの諸々の情報を印字した貸出要求書を出力するプリンター25Aを備えている。この貸出要求書は、本閉架式保管部に保管されている図書を借りる場合には、前記サービスカウンターK1において、図書館員に渡されることになる。
【0028】
第1〜第3端末21〜23は、図書館に保管管理されている図書の検索や、図書の貸出状況など、ホストコントローラP1の管理情報を検索したり、登録されている図書の貸出や返却の情報や、登録済の図書の登録を除去する情報など、ホストコントローラP1に各種の情報を入力するために使用されるものであって、第1および第2端末21,22には、前記図書に装着されたバーコード表示体Bを読み取るバーコードリーダBRや、各種の情報を出力するプリンターRTを備えている。
【0029】
前記システムコントローラP2は、前記第1および第2端末と同様に、図書館に保管管理されている図書の検索や、図書の貸出状況など、ホストコントローラP1の管理情報を検索したり、登録されている図書の貸出や返却の情報や、登録済の図書の登録を除去する情報など、ホストコントローラP1に各種の情報を入力するためにも使用されるものであって、前記第 1および第2端末と同様に、バーコードリーダBRやプリンターRTを備えているが、その使用目的に加えて、本閉架式保管部つまり本図書保管管理システムの運用の全体を管理している。
【0030】
説明を加えると、このシステムコントローラP2には、サービスステーションT1に設置される第1設定器U1、リファレンスステーションT2に設置される第2設定器U2、前記作業ステーションSに設置される第3設定器U3、前記作業ステーションSに設置されて、図書のサイズおよび厚さを計測する計測手段として用いる計測器J、前記作業ステーションSの近くに設置されて、搬送手段TPの作動状況をモニタリングするために用いるモニタリング用端末U4、スタッカークレーン2やトラバーサ3を備えた移動棚として構成された棚Rの作動を管理する棚管理コントローラU5、および、搬送手段TPの作動を管理する搬送用コントローラU6が接続されている。なお、前記搬送用コントローラU6は、高速リフター6やコンベヤ類のそれぞれに対応して設置される多数のコントローラから構成されるものである。
【0031】
前記第1〜第3設定器U1〜U3のそれぞれは、容器Yのバーコード表示体BCや図書のバーコード表示体Bを読み取るバーコードリーダーCRを備えており、そのバーコードリーダCRを用いて、図書を入出庫する容器Yを特定する情報や、入出庫する図書を特定する情報を入力することができるようになっている。
【0032】
前記計測器Jは、図13にも示すように、図書の測定箇所として用いる矩形状の載置台30と、その載置台30の角部に立設されたL字状の位置決め体31とを備えると共に、超音波センサなどを利用した厚さ検出センサ32、並びに、超音波センサなどを利用した幅検出用のサイズ検出センサ33および高さ検出用のサイズ検出センサ34を備えている。そして、図書の角部を位置決め体31に当てつけた状態で図書を載置台31に載置することにより、厚さ検出センサ32が、自己の設置位置から図書の上面までの距離を測ることにより、図書の厚さを計測し、サイズ検出センサ33および34が、自己の設置位置から図書の側面まで距離を測ることにより、図書の幅と高さとを含むサイズを計測するようになっている。
なお、図書の厚さおよびサイズの計測は、基本的には、ホストコントローラP1にて登録処理された図書のうちで、閉架式の本図書保管管理システムでの管理が指定された図書を対象として行われるものであって、後記する「初期登録作業」にて説明するように、バーコードリーダーCRにて計測対象の図書の識別情報を入力するなど、先ず計測対象の図書を識別する図書ナンバーを入力して、計測対象の図書を特定したのちに実際の計測を開始する順序で行われる。
【0033】
以下、本図書保管管理システムの作業について説明する。
本システムの作業としては、入庫作業として、「通常入庫作業」と「空きスペース指定入庫作業」とがあり、出庫作業として、「通常の出庫作業」と「相乗り入庫作業」とがあり、その他の作業として、「詰替え作業」、「蔵書点検作業」、「リロケーション」、「初期登録作業」などの作業があり、「通常入庫作業」と「通常の出庫作業」が通常入出庫作業であり、その他の作業が特別入出庫作業であり、次に各作業について説明する。
なお、これらの作業のいずれを実行するかの選択は、第1〜第3端末21〜23や第1〜第3設定器U1〜U2にて行うことになり、第1〜第3端末21〜23や第1〜第3設定器U1〜U2が指示手段として作用する。また、これらの作業は、各所で行えるものであるが、以下の説明においては、主として実行する箇所を特定して説明する。
【0034】
[通常入庫作業]
通常入庫作業は、主として、サービスカウンターK1を用いて行われるものであって、図1に示すように、先ず、サービスカウンターK1の第1端末21が備えるバーコードリーダーBRにて、利用者から返却された返却図書のバーコード表示体Bを読み取って、返却する図書の識別情報、つまり図書ナンバーを入力する。
次に、返却する図書を必要に合わせて台車Dに載せて、サービスステーションT1に運搬する。第1設定器U1にて「通常入庫」を設定したのち、バーコードリーダCRにて、返却図書のバーコード表示体Bを読み取って、返却する図書の識別情報、つまり図書ナンバーを入力する。複数の図書がある場合には、複数の図書の図書ナンバーを順次入力する。その図書ナンバーの入力が終了すれば、設定を入力する。
この設定の入力に伴って、システムコントローラP2が、基本的には、小型容器YSのうちの設定された図書を収納可能な容器Yを検索して、検索した容器YをサービスステーションT1に搬出する作業指令を棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになる。そして、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6が、指令された容器Yを搬出するために作動して、対象とする容器YがサービスステーションT1に搬送される。なお、搬出される容器Yは、サービスステーションT1への搬出が短時間で行えるものから、例えば、出庫用コンベヤ8に近い側のラック部分1L,1Sの容器Yや、ラック部分1L,1Sの横幅方向のトラバーサ3側の容器Yから優先して搬出される。
容器Yが到着すると、バーコードリーダCRを用いて容器Yのバーコード表示体BCを読み取るなどにより、容器Yの識別情報を入力する。そして、返却する図書のバーコード表示体BをバーコードリーダCRにて読み取って、その容器Yに図書を収納することを入力した後、図書を容器Yに収納する。その容器Yに収納可能な図書の全てを収納すると、完了を入力する。
完了が入力されるに伴い、システムコントローラP2は、図書の収納が完了した容器Yを棚Rに搬入すべく、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになる。そして、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6が、指令された容器Yを棚Rに搬入するために作動して、対象とする容器Yが棚Rに搬入される。
このとき、システムコントローラP2は、入庫が指令された図書が残存するか否かを判断して、残存する場合には、その残存する図書を収納する容器Yを上述と同様に検索することになる。その後の手順は、上記と同様である。
【0035】
[空スペース指定入庫作業]
この空スペース指定入庫作業は、上記通常入庫作業と同様に、サービスカウンターK1の第1端末が備えるバーコードリーダーBRにて、返却図書のバーコード表示体Bを読み取って、返却する図書の図書ナンバーを入力する。そして、図書ナンバーの入力が終了した返却する図書を、必要に合わせて台車Dに載せてサービスステーションT1に運搬する。
次に、第1設定器U1にて「空きスペース指定入庫」を設定した後、引き続いて、図14に示す第1設定器U1の表示画面に表示された内容に基づいて、必要事項を入力する。すなわち、入庫する図書のサイズから判断して、タイプの選択を入力し、希望する空きスペース、および、必要とする容器数を入力し、設定完了を設定ボタンの操作により入力する。ここで、空きスペースとして、平置き形態の容器の場合は、空容器から30cmまでの範囲で選択でき、縦置き1列形態の容器の場合は、空容器から60cmまでの範囲で選択でき、縦置き2列形態の容器の場合は、空容器から120cmまでの範囲で選択できる。
ちなみに、上記表示画面において、スペースの選択の横側には、各スペースに対応して現在存在する容器数が表示される。
【0036】
上記入力に伴って、システムコントローラP2が、設定された容器Yを検索して、検索した容器YをサービスステーションT1に搬出する作業指令を棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになり、指令された容器YがサービスステーションT1に搬送される。なお、搬出される容器Yは、サービスステーションT1への搬出が短時間で行えるものから、例えば、出庫用コンベヤ8に近い側のラック部分1L,1Sの容器Yや、ラック部分1L,1Sの横幅方向のトラバーサ3側の容器Yから優先して搬出される。
容器Yが到着すると、「通常入庫作業」と同様に、バーコードリーダーCRを用いて容器Yのバーコード表示体BCを読み取るなどにより、容器Yの識別情報を入力する。そして、返却する図書のバーコード表示体BをバーコードリーダCRにて読み取った後、図書を容器Yに収納する。その容器Yに収納可能な図書の全てを収納すると、完了を入力する。
完了が入力されるに伴い、システムコントローラP2が、図書の収納が完了した容器Yを棚Rに搬入すべく、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に作業を指令することになり、容器Yが棚Rに搬入される。
このとき、システムコントローラP2は、指令された容器Yが残存するか否かを判断して、残存する場合には、その残存する容器Yを上述と同様に検索することになり、その後の手順は、上記と同様である。
【0037】
[通常の出庫作業]
通常の出庫作業は、上述した貸出要求書がサービスカウンターK1にて図書館員に渡されることによっておこなわれる。図書館員は、第1設定器U1にて「通常出庫」を設定した後、貸出要求書に記載された図書ナンバーを入力する。複数の図書がある場合には、全ての図書について図書ナンバーを入力することは勿論である。なお、例示はしないが、図書の識別情報が入力されるに伴って、その入力された図書の図書ナンバーおよび図書名、その図書を収納する容器を識別する容器ナンバーなどの容器Yの識別情報、並びに、図書のタイプが、第1設定器U1の表示画面に表示される。
図書の識別情報の入力が完了すると、設定を入力する。
【0038】
設定の入力に伴って、システムコントローラP1が、入力された図書を収納する容器Yの収納位置を検索して、検索した容器YをサービスステーションT1に搬出する作業指令を棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになる。そして、棚コントローラU5や搬送用コントローラU6が、指令された容器Yを搬出するために作動して、対象とする容器YがサービスステーションT1に搬送される。
容器Yが到着すると、バーコードリーダCRを用いて容器Yのバーコード表示体BCを読み取るなどにより、容器Yの識別情報を入力する。その入力に伴って、例示はしないが、その容器Yから取り出す図書の図書ナンバー、および、図書名が第1設定器U1の表示画面に表示される。
表示された図書を容器Yから取り出して、その図書のバーコード表示体BをバーコードリーダCRにて読み取ると、表示されている図書のうちでバーコードを読み取られた図書に対応する部分が、赤色など他の部分と異なる色に変化して、取り出された図書であることが明示される。
【0039】
その容器Yについての全ての図書の取り出しが完了すると、完了を入力する。完了が入力されるに伴い、システムコントローラP2が、図書の取り出しが完了した容器Yを棚Rに搬入すべく、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになり、容器Yが棚Rに搬入される。
このとき、システムコントローラP2は、指令された容器Yが残存するか否かを判断して、残存する場合には、その残存する容器Yを上述と同様に検索することになり、その後の手順は、上記と同様である。
図書館員は、貸出要求書に記載された全ての図書の取り出しが完了すると、それらの図書のうちの一つの図書に貸出要求書を挟む。そして、必要に応じて、取り出した図書を台車Dに載せて、サービスカウンターK1に運んで利用者に手渡すことになる。
【0040】
[相乗り入庫作業]
この相乗り入庫作業は、上述の「通常の出庫作業」を行う際に、利用者から返却された図書であって、出庫された容器Yに収納可能な図書がある場合には、その容器Yに図書を収納して入庫するものであり、上記した「通常の出庫作業」において、その容器Yについての全ての図書の取り出しが完了したときに、上述した「完了を入力」する代わりに、「相乗り入庫」を設定することにより、開始される。
そして、この相乗り入庫作業は、通常の入庫作業と同様に、入庫する図書のバーコード表示体BをバーコードリーダCRにて読み取って、表示画面に表示された図書名を確認しながら、容器Yに図書を収納する。全ての図書の収納が完了すると、設定を入力する。
設定が入力されるに伴い、システムコントローラP2が、作業が完了した容器Yを棚Rに搬入すべく、棚コントローラU5や搬送用コントローラU6に作業を指令することになり、容器Yが棚Rに搬入される。
このとき、システムコントローラP2は、出庫のために指令された容器Yが残存するか否かを判断して、残存する場合には、その残存する容器Yを上述と同様に検索することになり、その後の手順は上記と同様である。
図書館員は、貸出要求書に記載された全ての図書の取り出しが完了すると、それらの図書のうちの一つの図書に貸出要求書を挟む。そして、必要に応じて、取り出した図書を台車Dに載せて、サービスカウンターK1に運んで利用者に手渡すことになる。
【0041】
[詰替え作業]
この詰替え作業は、空の容器Yを作成するために、図書の詰替えにより容器Yの充填率を高めるように図書の詰替えを行うものであり、主として、作業ステーションSにて行われる。
すなわち、作業ステーションSに設けた第3設定器U3にて「詰替え」を設定したのち、引き続いて、図15に示す第3設定器U3の表示画面に表示された内容に基づいて、必要事項を入力する。
先ず出庫設定方法を選択する。この出庫設定方法としては、出庫する容器Yの総数を指定する出庫容器数設定と、詰替え作業によって作成する容器数を指定する作成空容器数設定とがあり、これらのいずれかを選択する。ちなみに、出庫容器数設定の場合には、詰替え作業の結果として、作成される空の容器数はわからないものであるが、作業量を把握し易いものである。
次に容器Yのタイプの選択を行い、引き続き容器数を入力して、設定を入力する。ちなみに、容器Yのタイプが選択された時点で、その容器Yのタイプの現在の充填率を含めた全体の状態が表示されるようになっており、容器数の設定の目安となるようになっている。
【0042】
上記の設定が入力されるに伴って、システムコントローラP2が、設定された容器Yを検索して、検索した容器Yを作業ステーションSに搬出する作業指令を棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになり、指令された容器Yが作業ステーションSに搬送される。
容器Yが到着すると、バーコードリーダCRを用いて容器Yのバーコード表示体BCを読み取るなどにより、容器Yの識別情報を入力する。この情報の入力に伴って、第3設定器U3の表示画面に、その容器Yに現在収納されている図書のすべてについて、その図書ナンバーと図書名が表示される。
次に行う作業は、その容器Yを空にするため図書を取り出す取出し作業と、その容器Yを満杯にするために図書を収納する収納作業とがあり、取り出した図書が存在する状態であれば、いずれをも任意に選択できるものであるが、先ず取出し作業について説明する。
【0043】
取出し作業は、容器Yの識別情報を入力したあと、引き続き、図書を容器Yから取出して、その図書のバーコード表示体BをバーコードリーダーBRにて読み取ることによって行われる。この読み取りに伴い、表示画面に表示されている図書の情報のうちでバーコードを読み取られた図書に対応する部分が、赤色など他の部分と異なる色に変化して、取り出された図書であることが明示される。
その容器Yから全ての図書を取出した後、設定を入力するに伴って、システムコントローラP2が、全ての図書が取出されて空となった容器Yを棚Rに搬入すべく、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に作業を指令することになり、容器Yが棚Rに搬入される。
引き続いて、システムコントローラP2は、作業ステーションSに次に搬送する容器Yを検索して、上述と同様に、検索した容器Yを作業ステーションSに搬出する作業指令を棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになり、指令された容器Yが作業ステーションSに搬送される。
【0044】
収納作業は、上述した容器Yの識別情報を入力したあと、先ず、第3設定器U3にて入庫を設定処理する。この入庫の設定に引き続き、容器Yのバーコード表示体BをバーコードリーダーCRにて読み取って、図書を収納する容器Yを確定する。次に、収納する図書のバーコード表示体BをバーコードリーダーBRにて読み取ることによって、収納する図書を確定した後、その図書を容器Yに収納する。このようにして、容器Yが満杯になるまで順次図書を収納することになり、容器Yが満杯になると、完了を入力する。
完了が入力されるに伴い、システムコントローラP2が、作業が完了した容器Yを棚Rに搬入すべく、棚コントローラU5や搬送用コントローラU6に作業を指令することになり、容器Yが棚Rに搬入される。
このとき、システムコントローラP2は、出庫すべき容器Yが残存するか否かを判断して、残存する場合には、その残存する容器Yを上述と同様に検索することになり、その後の手順は上記と同様である。
【0045】
以上の説明の如く、詰替え作業は、基本的には取出し作業を実行したのち、その取出し作業にて取出した図書を、収納作業にて容器Yに収納する手順で行われれる。なお、取出し作業と収納作業は、通常、人為的に行われるものであるが、ロボットなどにより自動的に行うようにしてもよい。
【0046】
ちなみに、本実施形態では、棚Rを移動棚形式に構成している関係上、この詰替え作業にて扱う容器Yとしては、棚Rの各ラック部分1Lおよび1Sのうちで、空きスペースの多い容器Yが多く存在するラック部分を優先して選択して、そのラック部分の容器Yを集中して入出庫することが望ましいものであり、スタッカクレーン2の移動通路Tが選択的に形成され、その状態を維持させて、容器Yを搬出するようになっている。
そして、そのように選択されたラック部分1Lおよび1Sに収納される容器Yのうちでは、出庫実績が無い容器Yを出庫実績がある容器Yより優先し、かつ、出庫実績が無い場合やある場合のそれぞれにおいて、空きスペースが多い容器Yほど優先する方が望ましいものであり、本実施形態においては、システムコントローラP2が上記優先関係に基づいて出庫する容器Yを自動的に選択するようになっている。
また、上記優先関係において、サービスステーションT1への搬出が短時間で行えるものから、例えば、出庫用コンベヤ8に近い側のラック部分1L,1Sの容器Yや、ラック部分1L,1Sの横幅方向のトラバーサ3側の容器Yから優先して搬出される。
入出庫用の出入り部E側の容器Yから優先して搬出される。
【0047】
このようにして、充填率の低い容器Yから作業ステーションSに搬出し、作業ステーションSにおける取出し作業を少なくし、詰替え作業の作業効率を向上させながら、空の容器Yを作成することができ、「通常入庫作業」において、とくに、入庫する図書が多数であるときに有効で、この空の容器Yに充分に図書を収納することができ、「通常入庫作業」の作業効率を向上させることができる。
【0048】
[蔵書点検作業]
この蔵書点検作業は、容器Yに収納されている図書が、システムコントローラP2が記憶している通りであるか否かを検査するためのものであり、主として、作業ステーションSにて行われる。
すなわち、作業ステーションSに設けた第3設定器U3にて「蔵書点検」を設定したのち、引き続いて、図16に示す第3設定器U3の表示画面に表示された内容に基づいて、必要事項を入力する。
先ず容器Yのタイプを選択する。次に、選択した容器Yのタイプ、つまり大型容器YLまたは小型容器YSに対応する棚部RLまたはRSのうちで、作業対象とするラック部分1Lまたは1Sを選択すると共に、点検する容器数をテンキーより入力し、最後に設定を入力する。
なお、各棚部RLおよびRSの各ラック部分1Lおよび1Sは、並び順にアイル番号が付されており、図16においては、このアイル番号が表示されるようになっている。
【0049】
設定の入力に伴って、システムコントローラP2が、設定された容器Yを検索して、検索した容器Yを作業ステーションSに搬出する作業指令を棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになり、指令された容器Yが作業ステーションSに搬送される。
容器Yが到着すると、バーコードリーダCRを用いて容器Yのバーコード表示体BCを読み取るなどにより、容器Yの識別情報を入力する。この情報の入力に伴って、第3設定器U3の表示画面に、その容器Yに現在収納されている図書のすべてについて、その図書ナンバーと図書名が表示される。
この表示が行われた時点で、容器Y内の図書の全てを台車Dに移し替えるなどにより、容器Yから一旦取出す。そして、取出しが完了すれば、今度は、取出した図書のバーコード表示体BをバーコードリーダCRにて読み取り、再び収納する図書を確定する情報を入力したのち、図書を容器Yに収納することになる。
上記の読み取りに伴い、表示画面に表示されている表示されている図書の情報のうちでバーコードを読み取られた図書に対応する部分が、赤色など他の部分と異なる色に変化して、以前に収納されていて再び収納される図書であることが明示される。従って、バーコードを読み取っても表示が変化しない場合には、システムコントローラP2が、図書の収納を正しく管理していない図書である。このような図書に対する処理としては、第3設定器U3にて、入庫を指令して容器Yに収納するか、削除を設定して別途処理することになる。
【0050】
このようにして、その容器Yから取出した全ての図書を容器Yに収納する作業を行うことになる。そして、全ての図書の収納作業が終了した時点では、表示画面に表示されている図書の情報の全てが、赤色など他の部分と異なる色に変化するはずであるが、変化しない図書部分が存在する場合もある。このような場合は、システムコントローラP2が、容器Yに収納されていない図書を収納されているものとして記憶する図書の情報であり、削除の設定を行うことになる。
一つの容器Yに対する作業の完了に伴って、完了を入力すると、システムコントローラP2が、蔵書点検が終了した容器Yを棚Rに搬入すべく、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになり、容器Yが棚Rに搬入される。
このとき、システムコントローラP2は、作業ステーションSに次に搬送する容器Yが残存するか否かを判断して、残存する場合には次の容器Yを検索して、上述と同様に、検索した容器Yを作業ステーションSに搬出する作業指令を棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになり、指令された容器Yが作業ステーションSに搬送される。その後の手順は、上記と同様である。
【0051】
[リロケーション]
このリロケーション作業は、半年または1年などの設定期間内において、入出庫の実績の無い容器Yを、棚Rの奥側に配置替えすることを目的とするものであり、作業用ステーションSの第3設定器U3から「リロケーション」が設定されると、配置替え作業が開始される。
すなわち、システムコントローラP2は、記憶管理している容器Yの出庫実績に基づいて、上記設定期間内において出庫の実績の無い容器Yと、それが収納されている棚内の位置とを検索する。次に、その出庫実績の無い容器Yよりも棚Rの奥側に位置する容器Yのうちで、出庫実績のある容器Yを検索して、その出庫実績のある容器Yを、棚R内に予め設けた仮置き収納部に移動させる。そして、次に出庫実績の無い容器Yを、出庫実績がある容器Yが収納されていた収納部40に収納し、最後に出庫実績がある容器Yを出庫実績の無い容器Yが収納されていた収納部40に収納する。
以上の手順で、出庫実績の無い容器Yが出庫実績のある容器Yよりも棚の奥側になるように、容器Yの配置替えが行われることになる。
【0052】
[初期登録作業]
この初期登録作業は、上述した如く、ホストコントローラP1にて登録処理された図書のうちで、閉架式の本図書保管管理システムでの管理が指定された図書を対象として行われるものであって、主として作業ステーションSにて実行される。
すなわち、作業用ステーションSの第3設定器U3から「初期登録」が設定されると、初期登録作業が開始されることになり、そして、図17に示す第3設定器U3の表示画面に表示された内容に基づいて、必要事項を入力しながら作業を進めることになる。
図17に示す表示画面には、ホストコントローラP1からシステムコントローラP2を経由して、第3設定器U3に通信された「登録対象となる図書の情報」が表示されている。また、第4端末24の説明のときに記載した如く、登録対象となる図書が台車Dに載せられて作業ステーションSに予め搬送されている。
作業者は、登録対象とする図書の情報を入力する。この入力方法は、表示画面内からマウスのクリックなどにより登録対象の図書を直接選択する、登録対象とする図書のバーコード表示体BをバーコードリーダCRにて読み取る、または、図書の図書ナンバーを表示画面のテンキーを用いて入力する、のうちのいずれかによって行う。
登録対象の図書が選択されるに伴い、表示画面に表示されている表示されている図書の情報のうちで選択された図書に対応する部分が、反転表示状態に変化して、図書の選択が正しく行われたことが確認できる。
【0053】
次に、登録対象の図書を計測器Jの計測箇所にセットし、表示画面のサイズ読み込みボタンを用いて、計測器Jの計測の開始を指示する。計測器Jの計測が終了すると、その計測結果および登録日が表示される。つまり、図書の高さおよび幅、並びに厚さが表示されると共に、登録日が表示され、高さおよび幅から求まる図書のタイプ(A4、B5など)が併せて表示される。
ちなみに、計測を失敗したときなどにおいては、表示画面のサイズ入力/ 変更を指定することにより、登録データを修正できるようになっている。
このようにして図書の登録を順次行なうことになり、そして、図書の登録を終了するときには、表示画面の設定完了を指定する。
【0054】
設定完了が入力されるに伴って、システムコントローラP2は、登録された図書を収納する容器Yを検索して、検索した容器Yを作業ステーションSに搬出する作業指令を棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになる。そして、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6が、指令された容器Yを搬出するために作動して、対象とする容器Yが作業ステーションSに搬送される。
容器Yが到着すると、バーコードリーダCRを用いて容器Yのバーコード表示体BCを読み取るなどにより、容器Yの識別情報を入力する。そして、その容器Yに収納する図書のバーコード表示体BをバーコードリーダCRにて読み取って、その容器Yに図書を収納することを入力した後、図書を容器Yに収納する。その容器Yに収納可能な図書の全てを収納すると、完了を入力する。
【0055】
完了が入力されるに伴い、システムコントローラP2は、図書の収納が完了した容器Yを棚Rに搬入すべく、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6に指令することになる。そして、棚管理コントローラU5や搬送用コントローラU6が、指令された容器Yを棚Rに搬入するために作動して、対象とする容器Yが棚Rに搬入される。
このとき、システムコントローラP2は、初期登録済で入庫前の図書、つまり入庫を必要とする図書が残存するか否かを判断して、残存する場合には、その残存する図書を収納する容器Yを上述と同様に検索することになる。その後は手順は、上記と同様である。
【0056】
以上のように、本実施形態では、物品として図書の場合について説明したが、図書以外の各種物品(例えば、CDやテープカセットなど)でもよい。
【0057】
[別実施形態]
(1)上記実施形態では、「詰替え作業」において、作業ステーションSに搬出された容器Yの取出し作業が終了すると、この空の状態に作成された容器Yを棚Rに収納するように構成しているが、「詰替え作業」において、空の状態に作成された容器の入庫が指示されるに伴って、その容器Yを受付部Kと棚Rとの間の搬送経路の途中に設けられている貯留箇所に保管するように構成してもよい。
【0058】
つまり、図18に示すように、高速リフター6の地下に対応する部分であって上端部の第1中継コンベヤ9から容器Yを移載する貯留用コンベヤ41が設けられ、貯留用コンベヤ41が、空の状態に作成された容器Yを保管する貯留箇所としての段積み式の貯留装置42と第1中継コンベヤ9との間で、容器Yの移載自在に構成されている。そして、貯留装置42は、大型容器YLを保管するための大型容器用の貯留装置42Aと、小型容器YSを保管するための小型容器用の貯留装置42Bとが設けられ、貯留用コンベヤ41も、大型容器用の貯留装置42Aと第1中継コンベヤ9との間で移載自在な大型容器用の貯留用コンベヤ41Aと、小型容器用の貯留装置42Bと第1中継コンベヤ9との間で移載自在な小型容器用の貯留用コンベヤ41Bが設けられている。
【0059】
つまり、「詰替え作業」における取出し作業と収納作業を、作業ステーションSにおいて行う場合には、取出し作業が終了すると、空の状態に作成された容器Yを積み重ねて作業ステーションSの脇に保管するようにする。
また、「詰替え作業」における取出し作業と収納作業を、サービスステーションT1やリファレンスステーションT2において行う場合には、取出し作業が終了すると、空の状態に作成された容器Yを貯留装置42に保管すべく、搬送用コントローラU6に指令する。そして、搬送用コントローラU6が、指令された容器Yを貯留装置42に保管するために作動して、対象とする容器Yが貯留装置42に保管される。
【0060】
このようにして、空の容器Yを貯留装置42や作業ステーションSの脇に保管しながら、「通常入庫作業」のときには、貯留装置42に保管されている空の容器Yを優先的にサービスステーションT1に搬送するようにしてもよく、あるいは、棚Rから容器Yを搬送するか、貯留装置42から容器Yを搬送するか、選択することができるようにしてもよい。
【0061】
(2)上記実施形態では、「詰替え作業」において、容器Yを搬出するラック部分1L,1Sを自動的に選択して、スタッカクレーン2の移動通路Tを選択的に形成するように構成しているが、受付部Kに選択装置を設けて、容器Yを搬出するラック部分1L,1Sを人為的に選択できるように構成してもよい。
【0062】
(3)上記実施形態では、ラック部分1L,1Sの収納部40は、左右一対の容器支持部40Aにて奥行き方向にひとつの容器Yを支持するように構成されているが、ラック部分1L,1Sの収納部に、左右一対の物品保持部を奥行き方向に複数設け、奥行き方向に複数の容器Yを支持するように構成してもよい。
【0063】
(4)上記実施形態では、「通常入庫作業」と「通常の出庫作業」の通常入出庫作業の他に、「空きスペース指定入庫作業」、「相乗り入庫作業」、「詰替え作業」、「蔵書点検作業」、「リロケーション」および、「初期登録作業」のそれぞれの特別入出庫作業を実行できるように構成しているが、特別入出庫作業としては、「リロケーション」と「詰替え作業」でもよく、「詰替え作業」の作業が実行できるものであればよい。
【0064】
(5)上記実施形態では、複数のラック部分1L,1Sのうちの両端の間に位置するラック部分が、棚奥行き方向に駆動移動自在に構成されている移動式のものであるが、隣接するラック部分1の間にスタッカクレーン2の移動通路を形成するように固定設置する固定式のものでもよく、棚Rのラック部分1L,1Sを上下あるいは水平方向に回転させて、固定位置の物品出し入れ部に移動させる回転ラック式でもよい
【0065】
(6)上記実施形態では、図書のバーコード表示体Bと容器Yのバーコード表示体BCを用いて、図書を保管管理するように構成しているが、バーコードに代えて、ICチップなど、その他の記憶媒体を用いるようにしてもよい。
【0066】
(7)上記実施形態では、寸法が大小に異なる複数種の容器Yを設けているが、容器Yのサイズは2種類に限られることなく、3種類以上でもよく、逆に、1種類でもよい。
さらに、容器Yの別形態として、搬送用の大きめの容器が、複数のサブ容器を格納できるようにし、そのサブ容器の中に、管理する物品を収納させるように構成してもよい。
【0067】
(8)上記実施形態では、各物品をサイズによって仕分けて容器Yに収納させるとともに、各容器Yの棚Rでの収納位置も適宜変更させる、いわゆるフリーロケーション式の収納形態を用いたが、各物品の棚Rにおける収納位置を固定する固定ロケーション式の収納形態でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図書保管管理システムの全体を示す斜視図
【図2】受付部の一部を示す平面図
【図3】受付部の全体を示す斜視図
【図4】別の受付部の一部を示す斜視図
【図5】別の受付部の全体を示す斜視図
【図6】棚と作業ステーションを示す平面図
【図7】作業ステーションを示す斜視図
【図8】棚と搬送手段を示す平面図
【図9】容器の収納形態を示す斜視図
【図10】別の容器の収納形態を示す斜視図
【図11】棚の収納部の正面図
【図12】制御構成のブロック図
【図13】計測手段の計測状態を示す斜視図
【図14】表示画面を示す図
【図15】表示画面を示す図
【図16】表示画面を示す図
【図17】表示画面を示す図
【図18】別実施形態の棚と搬送手段を示す平面図
【符号の説明】
21,22,23 指示手段
40 収納部
42 貯留箇所
K 受付部
P 管理手段
R 棚
S,T1,T2 作業箇所
TP 搬送手段
U1,U2 指示手段
Y 容器
Claims (8)
- 複数の物品を収納するための容器を、物品の貸出返却を受け付ける受付部と前記容器の複数を収納する棚との間で搬送する搬送手段と、
前記棚に収納される各容器の収納位置および各容器の物品の充填率を管理しながら、前記搬送手段の搬送作動を実行して、物品の貸出および返却を管理する管理手段とが設けられた物品保管管理システムであって、
前記管理手段に作業を指示する指示手段が、容器に収納された物品を他の容器に詰替えることによって、空の容器を作成する詰替えモードを指示できるように構成され、
前記管理手段が、前記詰替えモードを前記指示手段にて指示されるに伴って、充填率が満杯で無い容器を詰替え作業を行う作業箇所に搬出するように、前記搬送手段の搬送作動を制御するように構成され、
前記管理手段が、設定期間内において前記受付部への出庫実績があるか否かについて各容器ごとに管理して、前記詰替えモードにおいて、出庫実績の無い容器を出庫実績のある容器よりも優先して、前記作業箇所に搬出するように、前記搬送手段の作動を制御するように構成されている物品保管管理システム。 - 前記詰替えモードにおいて、出庫容器数設定モードと作成容器数設定モードとを前記指示手段にて選択できるように構成され、
前記管理手段は、
前記出庫容器数設定モードが選択されたときには、前記指示手段にて設定される個数分、充填率が満杯で無い容器を前記作業箇所に搬出するように、前記搬送手段の搬送作動を制御し、そして、
前記作成容器数設定モードが選択されたときには、前記指示手段にて設定された個数分の空の容器が作成されるまで、充填率が満杯で無い容器を前記作業箇所に搬出するように、前記搬送手段の作動を制御するように構成されている請求項1記載の物品保管管理システム。 - 前記管理手段が、前記詰替えモードにおいて、充填率の少ない容器を優先して、前記作業箇所に搬出するように、前記搬送手段を制御するように構成されている請求項1または2記載の物品保管管理システム。
- 前記管理手段が、前記詰替えモードにおいて、出庫実績の無い容器を出庫実績のある容器よりも優先し、かつ、出庫実績の無い容器のうちでは充填率の少ない容器を優先して、前記作業箇所に搬出するように、前記搬送手段の作動を制御するように構成されている請求項1記載の物品保管管理システム。
- 前記管理手段が、各容器の分別データと、各容器に収納される物品の識別データと、各物品のサイズとを関連付けて記憶して、その記憶情報に基づいて、各容器の物品の充填率を管理しながら各物品をサイズ別に仕分けして容器に収納すべく管理するように構成され、
前記詰替えモードにおいて、容器が収納している物品のサイズを前記指示手段にて選択できるように構成され、
前記管理手段が、前記詰替えモードにおいて、前記指示手段にて指示されたサイズの物品を収納し、かつ、充填率が満杯で無い容器を作業箇所に搬出するように、前記搬送手段の搬送作動を制御するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品保管管理システム。 - 前記容器として、寸法が大小に異なる複数種が設けられ、
前記棚が、寸法の異なる複数の容器のそれぞれに対応する収納部を備え、
前記管理手段が、各容器の物品の充填率の管理を、各容器の大きさ情報に基づいて実行するように構成され、
前記詰替えモードにおいて、容器の大きさを併せて前記指示手段にて指示できるように構成され、
前記管理手段が、前記詰替えモードにおいて、前記指示手段にて指示された大きさで、指示されたサイズの物品を収納し、かつ、充填率が満杯で無い容器を作業箇所に搬出する ように、前記搬送手段の搬送作動を制御するように構成されている請求項3に記載の物品保管管理システム。 - 空の容器を貯留する貯留箇所が、前記受付部と前記棚との間の搬送経路の途中に設けられ、
前記管理手段が、前記詰替えモードにおいて、空の状態に作成された容器の入庫が指示されるに伴って、その容器を前記貯留箇所に搬送して保管すべく、前記搬送手段の搬送作動を制御するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の物品保管管理システム。 - 前記棚が、物品収納部を縦横に複数個備えるラック部分を、棚奥行き方向に並べ、かつ、棚奥行き方向の両端の間に位置するものを棚奥行き方向に駆動移動自在に備えて、隣接する前記ラック部分の間に前記搬送手段の搬送通路を選択的に形成するように構成され、
前記管理手段が、前記詰替えモードにおいて、複数の搬送通路のうちのひとつを形成する状態に前記棚を維持させて、その選択した搬送通路を通して、容器を前記作業箇所に搬出するように、前記搬送手段の搬送作動を制御するように構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の物品保管管理システム。
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