JP3641310B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体の感光層に含まれる電荷発生材料としての微細な有機顔料を、分散工程なしに、可溶性の顔料前駆体から製造し、高い電子写真感受性を可能にした電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体として、主としてセレニウム、酸化亜鉛や硫酸カドミウムなどの無機材料を用いる電子写真感光体が、これまで広範囲に用いられてきた。しかしながら、このような無機感光体は、今日要求される高い性能、例えば光感度、熱安定性、抗湿性や耐久性等を必ずしも満足していない。
【0003】
このような無機感光体の欠点を克服するために、有機顔料を用いる電子写真感光体が開発され、有機電荷発生材料として、様々な有機顔料、例えばアゾ化合物、ペリレン化合物、多環式キノン化合物、キナクリドン化合物および様々な構造のインジゴイド顔料が用いられている(特開昭54−139540号、特開昭56−4148号、特開昭56−119131号、特開昭63−63046号、特開昭63−95455号、特開平1−109352号、米国特許第3839034号、米国特許第4220697号、米国特許第4302521号、米国特許第4431722号、西ドイツ特許第2237680号、西ドイツ特許第2948790号等)。
【0004】
電子写真感光体においては、電子写真の特性上、上記有機顔料の粒径が非常に重要であり、その有機顔料粒子は非常に小さくかつ微細に分散している必要がある。そのため、従来技術では、長時間粉砕することにより有機顔料粉末を分散させている。しかしながら、このような従来技術に従うと、充分に微細な粒径のものを得る場合には、必然的に分散安定性が低くなる。そのため、結果として得られた顔料粉末は、高性能の電子写真感光体での使用の際に、十分満足のいくものではなかった。
【0005】
驚くべきことに、よく分散された非常に微細な顔料粒子を含む、優れた特性を有する電子写真感光体が、分散処理を施す必要なしに、顔料前駆体を使用することによって得られることがわかった。
【0006】
本発明は、導電性支持体と、電荷発生材料として有機顔料を含む感光層とを含む電子写真感光体に関し、前記有機顔料が、可溶性有機顔料前駆体から形成されるものである。好ましくは、有機顔料は、伝導性支持体上にすでに塗布された感光層組成物とともに、可溶性有機顔料前駆体から形成される。
【0007】
本発明は、また、導電性支持体と電荷発生材料として有機顔料を含む感光層とを含む、電子写真感光体の製造方法に関し、
(1)導電性支持体上に可溶性有機顔料前駆体を含む層を形成する工程;および(2)可溶性有機顔料前駆体から、電荷発生有機顔料を化学的に再生する工程を含む。
【0008】
可溶性顔料前駆体は既知の物質である。この物質は、発色団の残基からなり、この発色団の残基は1〜5個の化学的に脱離し得る可溶性基で置換されている。その脱離工程において、非置換の発色団が不溶性の(顔料の)形態で再生する。可溶性有機顔料前駆体から電荷発生有機顔料への再生化学反応は、既知の方法、例えば熱的、化学的、光化学的手段またはこれらを組み合わせた手段により行うことができる。最も適当な手段は、単独で、または、例えば酸のような化学試薬を用いながら行う熱処理である。
【0009】
特に適した可溶性顔料前駆体は、式(I):
【0010】
【化34】
Figure 0003641310
【0011】
(式中、
・xは、0〜4の整数であり;
・Aは、ペリレン類、キナクリドン類、アゾ化合物、アントラキノン類、フタロシアニン類、ジオキサジン類、イソインドリノン類、イソインドリン類、インジゴ類、キノフタロン類またはピロロピロール類である発色団の残基であり、この発色団の残基はD1 基とx個のD2 基に結合した1〜5個のN原子を有し、これによりAのN原子の各々は、他と独立して、0、1または2個の基であるD1 もしくはD2 に結合しており;
・D1 およびD2 は、相互に独立して、式(IIa)、式(IIb)、式(IIc)または式(IId):
【0012】
【化35】
Figure 0003641310
【0013】
(式中、
m、nおよびpは、相互に独立して、0または1であり;
Xは、C1 〜C14アルキレン基またはC2 〜C8 アルケニレン基を表し;
Yは、−T1 −(CH2)q −基(ここで、qは1〜6の整数であり、T1 はC3 〜C6 のシクロアルキレン基である)を表し;
Zは、−T1 −(CH2)r −基(ここで、rは0〜6の整数であり、T1 は上記と同じ)を表し;
1 とR2 は、相互に独立して、水素原子、C1 〜C6 アルキル基、C1 〜C4 アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基またはC1 〜C4 アルキル、C1 〜C4 アルコキシもしくはハロゲンで置換されていてもよい、フェニル基もしくはフェノキシ基を表し;
3 とR4 は、相互に独立して、水素原子、C1 〜C18アルキル基または式:
【0014】
【化36】
Figure 0003641310
【0015】
(式中、X、Y、R1 、R2 、mおよびnは上記と同じ)で示される基を表し;あるいは
3 とR4 は、それらが結合しているN原子と共に、ピロリジニル基、ピペリジニル基またはモルホリニル基を形成し;
1 は、水素原子、シアノ基、Si(R1)3 基、−C(R5)(R6)(R7)基(ここで、R5 はハロゲンであり、R6 とR7 は、相互に独立して水素原子またはハロゲンである)、式:
【0016】
【化37】
Figure 0003641310
【0017】
(式中、R1 とR2 は上記と同じ)で示される基、−SO28 基もしくは−SR8 基(ここで、R8 はC1 〜C4 アルキル基である)、−CH(R9)2 基(ここで、R9 は、C1 〜C4 アルキル、C1 〜C4 アルコキシもしくはハロゲンで置換されていてもよい、フェニル基もしくはフェノキシ基である)または式:
【0018】
【化38】
Figure 0003641310
【0019】
で示される基を表し;
2 は、式:
【0020】
【化39】
Figure 0003641310
【0021】
(式中、
10とR11は、相互に独立して、水素原子、C1 〜C24アルキル基、O、SもしくはNR18によりその炭素鎖が断たれたC1 〜C24アルキル基、C3 〜C24アルケニル基、C3 〜C24アルキニル基、C4 〜C12シクロアルキル基、C4 〜C12シクロアルケニル基または非置換であるかもしくはC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルコキシ、ハロゲン、シアノもしくはニトロで置換されている、フェニル基もしくはビフェニル基を示し;
12、R13およびR14は、相互に独立して、水素、C1 〜C24アルキル基またはC3 〜C24アルケニル基を表し;
15は、水素、C1 〜C24アルキル基、C3 〜C24アルケニル基または式:
【0022】
【化40】
Figure 0003641310
【0023】
で示される基を表し;
16とR17は、相互に独立して、水素原子、C1 〜C6 アルキル基、C1 〜C6 アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、N(R18)(R19)あるいは非置換であるかまたはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1 〜C6 アルキルもしくはC1 〜C6 アルコキシで置換されているフェニル基を表し;
18およびR19は、相互に独立してC1 〜C6 アルキル基であり;
20は、水素またはC1 〜C6 アルキル基であり;そして
21は、水素、C1 〜C6 アルキル基または非置換であるかもしくはC1 〜C6 アルキルで置換されているフェニル基である)で示される基である)で示される基である)
で示される化合物またはその誘導体である。
【0024】
好ましくは、D1 基またはD2 基に結合した、発色団の残基の各N原子は、少なくとも1個のカルボニル基と隣接しているかもしくは結合している。発色団の残基のすべてのN原子がD1 基もしくはD2 基と結合している必要はない。また、A(D1)(D2)x は、付加的な基:
【0025】
【化41】
Figure 0003641310
【0026】
=N−、−NH−または−NH2 基を含んでいてもよい。
【0027】
反対に、1個を超えるD1 基またはD2 基が、単一のN原子に結合し得る(例えば発色団が−NH2 基を含む場合に、1または2個の基D1 またはD2 がそれに結合し、その結果、Aの残りは、
【0028】
【化42】
Figure 0003641310
【0029】
によって示されるであろう)。
【0030】
A基は、式:
【0031】
【化43】
Figure 0003641310
【0032】
の骨格を有する既知の有機顔料の発色団の残基であり、例えば、式:
【0033】
【化44】
Figure 0003641310
【0034】
【化45】
Figure 0003641310
【0035】
【化46】
Figure 0003641310
【0036】
【化47】
Figure 0003641310
【0037】
【化48】
Figure 0003641310
【0038】
(式中、Mは、例えばH2 、Mg、Ca、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Pd、Cd、Sn、Ce、Hg、PbまたはBiである)または式:
【0039】
【化49】
Figure 0003641310
【0040】
(式中、G1 およびG2 は、例えば、相互に独立して、式:
【0041】
【化50】
Figure 0003641310
【0042】
で示される基である)あるいはこれらの既知の誘導体、例えば、発色団のアリール基が、例えば、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ジアルキルアミノ、シアノ、ニトロ、ハロゲノ、アセチル、ベンゾイル、カルボニルもしくはカルバモイルで置換されている化合物である。
【0043】
式(IIa)または(IIb)におけるC1 〜C14アルキレン基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状アルキレン基であり、例えばメチレン、ジメチレン、トリメチレン、1−メチルメチレン、1,1−ジメチルメチレン、1,1−ジメチルジメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、1−エチルジメチレン、1−エチル−1−メチルジメチレン、テトラメチレン、1,1−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、1,1−ジメチルデカメチレン、1,1−ジエチルデカメチレンおよびテトラデカメチレンが挙げられる。
【0044】
式(IIa)または(IIb)の基中のXとして挙げられているC2 〜C8 アルキレン基は、直鎖状もしくは分岐鎖状アルキレン基であり、例えばビニレン、アリレン、メタアリレン、1−メチル−2−ブテニレン、1,1−ジメチル−3−ブテニレン、2−ブテニレン、2−ヘキセニレン、3−ヘキセニレンおよび2−オクテニレンが挙げられる。
【0045】
置換基としてのハロゲンは、クロロ、ブロモ、ヨード、フルオロであってもよく、好ましくはブロモまたはクロロ、より好ましくはクロロである。
【0046】
1 〜C6 アルキル基には、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−アミル、t−アミルおよびヘキシルが挙げられる。C1 〜C18アルキル基としては、例えば上記C1 〜C6 アルキル基に加えて、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルおよびオクタデシルが挙げられる。
【0047】
1 〜C4 アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシが挙げられる。
【0048】
3 〜C6 シクロアルキレン基としては、例えばシクロプロピレンおよびシクロペンチレンが挙げられ、好ましくはシクロヘキシレンである。
【0049】
特に好ましい式(I)の化合物は、xが0または1であり;D1 基およびD2 基が、式(IIIa) 、式(IIIb)、式(IIIc)または式(IIId):
【0050】
【化51】
Figure 0003641310
【0051】
(式中、
mは、0または1であり;
1 は、C1 〜C4 アルキレン基またはC2 〜C5 アルケニレン基であり;
22およびR23は、相互に独立して、水素、C1 〜C4 アルキル基、メトキシ基、クロロまたはニトロ基であり;
3 は、水素、シアノ、トリクロロメチル基、式:
【0052】
【化52】
Figure 0003641310
【0053】
で示される基、−SO2 CH3 基または−SCH3 基であり;
24およびR25は、相互に独立して、水素、C1 〜C4 アルキル基または式:
【0054】
【化53】
Figure 0003641310
【0055】
で示される基であるか、あるいは
24およびR25は、それらが結合しているN原子と共にピペリジニル基を形成し;および
4 は、式:
【0056】
【化54】
Figure 0003641310
【0057】
(式中、R24〜R28は、相互に独立して、水素またはC1 〜C12アルキル基であり;R29は、水素、C1 〜C12アルキル基または式:
【0058】
【化55】
Figure 0003641310
【0059】
で示される基であり;R30は、水素またはC1 〜C4 アルキル基である)
で示される基である)で示される基を表す。
【0060】
特に好ましくは、式(I)において、xが1であり、D1 基およびD2 基が同一の基:
【0061】
【化56】
Figure 0003641310
【0062】
である。
【0063】
式(I)の好ましい化合物は、
(a) 式(IVa)または式(IVb):
【0064】
【化57】
Figure 0003641310
【0065】
(式中、D3 は、水素原子、C1 〜C6 アルキル基、非置換であるかまたはハロゲンもしくはC1 〜C4 アルキルで置換されているフェニル基、ベンジル基もしくはフェネチル基、あるいはD1 基である)で示されるペリレンカルボキシイミド類;
(b) 式(V):
【0066】
【化58】
Figure 0003641310
【0067】
(式中、R31およびR32は、相互に独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜C18アルキル基、C1 〜C4 アルコキシ基またはフェニル基であり;Eは水素原子またはD1 基であるが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるキナクリドン類;
(c) 式(VI):
【0068】
【化59】
Figure 0003641310
【0069】
(式中、R33は水素原子、ハロゲン原子またはC1 〜C18アルキル基を表し;Eは水素原子または基D1 であるが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるジオキサジン類;
(d) 式(VIIa)、式(VIIb)または式(VIIc):
【0070】
【化60】
Figure 0003641310
【0071】
(式中、R34は、式:
【0072】
【化61】
Figure 0003641310
【0073】
で示される基を表し;R35は、水素原子、C1 〜C18アルキル基、ベンジル基または式:
【0074】
【化62】
Figure 0003641310
【0075】
で示される基を表し;ここで、R36およびR37は、相互に独立して、水素原子、C1 〜C18アルキル基、C1 〜C4 アルコキシ基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基を表し;Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるイソインドリン類;
(e) 式(VIII):
【0076】
【化63】
Figure 0003641310
【0077】
(式中、R38は、水素原子、シアノ基、C1 〜C4 アルキル基、C1 〜C4 アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるインジゴ類;
(f) 式(IX):
【0078】
【化64】
Figure 0003641310
【0079】
(式中、R39およびR40は、相互に独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜C4 アルキル基またはC1 〜C4 アルコキシ基を表し;Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるアゾベンズイミダゾロン類;
(g) 式(X):
【0080】
【化65】
Figure 0003641310
【0081】
(式中、Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるアントラキノイド化合物;
(h) 式(XI):
【0082】
【化66】
Figure 0003641310
【0083】
(式中、M1 は、H2 、Zn、Cu、Ni、Fe、Ti(O)またはV(O)を表し;X2 は、−CH(R42)−または−SO2 −を表し;R41は、水素原子、C1 〜C4 アルキル基、N(E)R42、−NHCOR43−、−COR43または式:
【0084】
【化67】
Figure 0003641310
【0085】
で示される基を表し;ここで、R42は、水素原子またはC1 〜C4 アルキル基を表し;R43は、C1 〜C4 アルキル基を表し;R44は、水素原子、ハロゲン原子またはC1 〜C4 アルコキシ基を表し;zは0または1であり;yは1〜4の整数であり;Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるフタロシアニン類;
(i) 式(XII):
【0086】
【化68】
Figure 0003641310
【0087】
(式中、G3 およびG4 は、相互に独立して、式:
【0088】
【化69】
Figure 0003641310
【0089】
(式中、
45およびR46は、相互に独立して、水素、ハロゲン、C1 〜C18アルキル基、C1 〜C18アルコキシ基、C1 〜C18アルキルメルカプト基、C1 〜C18アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、トリフルオロメチル基、C5 〜C6 シクロアルキル基、−CH=N−(C1 〜C18アルキル)、式:
【0090】
【化70】
Figure 0003641310
【0091】
で示される基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ピペラジニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、モルホリニル基、ピペリジニル基またはピロリジニル基を表し;T2 は、−CH2 −、CH(CH3)−、−C(CH3)2 −、−CH=N−、−N=N−、−O−、−S−、−SO−、−SO2 −または−NR51−を表し;R47およびR48は、相互に独立して、水素、ハロゲン、C1 〜C6 アルキル基、C1 〜C18アルコキシ基またはシアノ基を表し;R49およびR50は、相互に独立して、水素、ハロゲンまたはC1 〜C6 アルキル基を表し;R51は、水素またはC1 〜C6 アルキル基を表し;Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるピロロ〔3,4−c〕ピロール類;(j) 式(XIIIa)または式(XIIIb):
【0092】
【化71】
Figure 0003641310
【0093】
【化72】
Figure 0003641310
【0094】
(式中、R52、R53、R54およびR55は、相互に独立して、水素、C1 〜C18アルキル基、C1 〜C4 アルコキシ基、ハロゲンまたはトリフルオロメチル基を表す)で示されるイソインドリノン類;である。
【0095】
式(XI)のフタロシアニン類中、M1 がH2 、CuまたはZnであり;X2 が−CH2 −または−SO2 −であり;R41が水素原子、−NHCOCH3 またはベンゾイル基であり;zが1である化合物が好ましい。
【0096】
式(XII)のピロロ〔3,4c〕ピロール化合物において、好ましくは、G3 およびG4 は、相互に独立しており、式:
【0097】
【化73】
Figure 0003641310
【0098】
(式中、R56およびR57は、相互に独立して、水素、クロロ、ブロモ、C1 〜C4 アルキル基、C1 〜C6 アルコキシ基、C1 〜C6 アルキルアミノ基、シアノ基またはフェニル基を表し;T3 は、−O−、−NH−、−N(CH3)−、−N(C25)−、−N=N−または−SO2 −を表す)で示される基である。
【0099】
式(XII)のピロロ〔3,4c〕ピロール化合物において、より好ましくは、G3 およびG4 は、各々、式:
【0100】
【化74】
Figure 0003641310
【0101】
(式中、R58およびR59は、相互に独立して、水素、メチル基、t−ブチル基、クロロ、ブロモ、シアノ基またはフェニル基を表す)で示される基である。
【0102】
本発明において、使用のための顔料前駆体の種類の選択は、しかしながら、所望の結果、すなわち、非常に小さくかつ微細に分散した有機顔料粒子を含む電子写真感光層になるという結果を得るために必須ではない。便宜上、発色団Aは、その安定性と光電特性の働きで選択される。また、結合したD1 基またはD2 基は、顔料前駆体が室温で安定なように、また穏やかな条件、例えば50〜200℃で酸の濃度が0〜0.1mol/l の条件下で、すでに顔料を再生し得るように、選択される。しかしながら、より過酷な再生条件は、通常その顔料に害を与えない。式(IVa)、式(IVb)、式(V)、式(VI)、式(VIIa)、式(VIIb)、式(VIIc)、式(VIII)、式(IX)、式(X)、式(XI)、式(XII)、式(XIIIa)および式(XIIIb)の顔料前駆体は、特に上記の要求を満たす。
【0103】
顔料前駆体の選択は上記化合物に限定されず、本発明においては、熱的、化学的または光化学的条件あるいはこれらを組み合わせた条件下で顔料に分解する、すべての既知の顔料前駆体が使用において適している。既知のこのような化合物は、例えば以下の式(XIV)の化合物である。
【0104】
したがって、本発明は、また、導電性支持体と、電荷発生材料として式(XIV):
【0105】
【化75】
Figure 0003641310
【0106】
(式中、L1 およびL2 は、相互に独立して、ハロゲン、C1 〜C18アルコキシ基、C2 〜C18ジアルキルアミノ基、C1 〜C18シクロアルキルアミノ基、(N′−C1 〜C6 アルキル)ピペリジノ基またはモルホリノ基であり、M2 は2個の水素または少なくとも2価の金属もしくはオキソ金属を表す)の化合物もしくはその誘導体である顔料前駆体を介して形成される有機顔料を含む感光層とを含む電子写真感光体に関する。
【0107】
式(XIV)のフタロシアニン類の中で、M2 がH2 、Zn、Cu、Ni、Fe、Ti(O)またはV(O)であり、L1 およびL2 が、相互に独立して、C2 〜C18ジアルキルアミノ基、C1 〜C18シクロアルキルアミノ基、(N′−C1 〜C6 アルキル)ピペリジノ基またはモルホリノ基である化合物か、フェニル基群が1〜16個のブロモまたはクロロで置換されているその誘導体が好ましい。
【0108】
より好ましい化合物は、M2 がH2 、ZnまたはCuであり、L1 およびL2 の両方がモルホリノである式(XIV)の化合物か、フェニル基群が4、8、12または16個のクロロで置換されているその誘導体である。
【0109】
式(I)の顔料前駆体、そして特に式(IVa)、式(IVb)、式(V)、式 (VI)、式(VIIa)、式(VIIb)、式(VIIc)、式(VIII) 、式(IX)、式(X)、式(XI)、式(XII)、式(XIIIa)、式(XIIIb)の前駆体は、式A(H)(H)x(XIV)の顔料と、ジカーボネート、トリハロアセテート、アジド、カーボネートまたはアルキリデン−イミノキシホルマートとを、極性有機溶媒と塩基触媒の存在下に反応させることにより製造され得る。例えば、Angewandte Chemie 68/4, 133-150(1956), J. Org. Chem. 22, 127-132(1957), EP-648770 およびEP-648817 に記載されている。
【0110】
式(XIV) の顔料前駆体は、F.Baumann ら〔Angew. Chem. 68, 133-168(1956)おびUSP2,683,643〕およびC.J.Pedersen〔J.Org.Chem.22, 127-132(1957), USP2,662,895, USP2,662,896, USP2,662,897〕に記載されたように製造され得る。
【0111】
相対的に粗い粒径の顔料は、顔料前駆体の上記の製造のための出発物質としても適している。粉砕工程は、通常要求されない。
【0112】
式(I)または式(XIV)の顔料前駆体は、通常の有機溶媒、例えばテトラヒドロフランやジオキサンのようなエーテル系溶媒;エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルまたはジエチレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル系溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ニトロベンゼンまたはN−メチルピロリドンのような両性溶媒;トリクロロエタンのようなハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソールまたはクロロベンゼンのような芳香族炭化水素系溶媒;ピリジン、ピコリンおよびキノリンのようなN含有芳香族ヘテロ環系溶媒に溶解する。好ましい溶媒は、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンである。
【0113】
式(I)および式(XIV)の顔料前駆体は、容易に既知の方法、例えばEP648770またはEP648817に記載された方法によりその顔料に戻り得る。好ましい方法は、
(a)無機酸または有機酸と共に50〜150℃に加熱し、その後30℃以下に冷却する方法;または
(b)酸の不在下に120〜350℃に加熱する方法、である。
【0114】
(a)または(b)の処理において、式(I)においては置換基D1 およびもし該当するならばD2 が、または、式(XIV)においては置換基L1 およびL2 がはずれて、その結果その特有の色の発生により認識できるように本来の顔料に戻る。
【0115】
式(I)および式(XIV)の顔料前駆体は、様々な樹脂との相溶性がよい。
【0116】
したがって、単層型または二層型電子写真感光体は、次のように、式(I)および式(XIV)の顔料前駆体を用いて製造され得る:
(1) 二層型感光層を有する電子写真感光体:
式(I)および式(XIV)の顔料前駆体を有機溶媒に溶解し、その中に、結合剤としてポリカーボ ネート、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルホルマール、アクリル樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびポリビニルピロリドンを分散させることにより得られる組成物を、0.05〜5μm の厚さに導電性支持体上に塗布し、続いて乾燥させてフィルムを得る。その後、得られたフィルムの変色が完了するまで加熱し、本来の顔料の色を示す電荷発生層(CGL)を得る。次に、電荷輸送材料、例えばN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(ジメチルフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン、トリフェニルメタン、スチルベン誘導体、エナミン誘導体またはヒドラゾン誘導体を含む電荷輸送層(CTL)を、電荷発生層上に設ける。
【0117】
あるいは、電荷輸送層上に電荷発生層を積層させて、感光層としてもよい。
【0118】
(2) 単層型感光層を有する電子写真感光体:
式(I)および式(XIV)のその顔料前駆体、その電荷輸送材料およびその樹脂を有機溶媒に溶解し、結果として得られた溶液を導電性支持体上に塗布し乾燥してフィルムを形成させる。その後、得られたフィルムを変色が完了するまで加熱する。
【0119】
単層および二層型のいずれの場合も、その支持体、その感光層およびその電荷輸送層のいずれか2層の間に、下引き層を設けてもよく、またその感光層または電荷輸送層上に表面保護層を設けてもよい。
【0120】
溶媒被覆方法で形成させる代わりに、感光層(または別の層)を、積層方法によりその支持体上に適用してもよい。この場合、積層温度は、好ましくは顔料が積層工程の間形成されるように選択される。この結果、その後の加熱もしくは化学的処理は不要となる。
【0121】
本発明の導電性支持体として、既知のいかなる導電性材料も使用し得る。例示の目的であり本発明の技術的範囲を限定するものではない単なる例として、アルミニウム薄ホイル、または、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリピロールもしくはポリアセチレンフィルムを挙げることができる。他の多くの導電性支持体が当業界でよく知られており、また使用され得る。
【0122】
従来技術においては、高感度の二層型電子写真感光体を、顔料を拡張粉砕操作(extended milling procedure)にかけることによって微細な粒子に砕くことによってのみ製造してきた。その上、従来の、顔料が微細にかつ均質に分散している単層型電子写真感光体は、製造が非常に困難であった。
【0123】
本発明は、感度が改良され、残留電位が引き下げられた二層型または単層型電子写真感光体を製造するための手段を提供する。ここで、極めて単純でしかも良好に再生し得る顔料は、優れていることに、微細なサイズであり、かつ非常に均質に分散している。この即製(インスタント)電子写真感光体、すなわち電荷発生有機顔料が可溶性有機顔料前駆体から形成される感光体は、それゆえに、電子写真法、例えばフォトコピー機やレーザープリンター内で行われる電子写真法において有利に使用し得る。
【0124】
本発明は、更に、電子写真感光体において使用する上で優れた電気的特性を有する、樹脂で処理された顔料を、従来技術にしたがって製造するよりもより短時間で製造するための手段をも提供する。
【0125】
以下の例は、本発明の例示したものである。
【0126】
A.顔料前駆体の製造方法
例A1: 6.0gのジ−t−ブチルジカーボネート(0.0275mol)を、90mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の、1.8gのキナクリドン(0.00576g)と0.3gの4−ジメチルアミノピリジン(0.00246mol)の混合物に加えた。その結果得られた紫色の懸濁液を、大気中の湿度の影響を防止しながら、一晩室温で攪拌した。その懸濁液の色は、黄色がかったオレンジ色に変わった。続いて、その反応混合物を、攪拌しながら100mlの蒸留水に注いだ。その黄色の沈殿物をろ過により分離し、その残渣を蒸留水で洗浄・乾燥して、式:
【0127】
【化76】
Figure 0003641310
【0128】
で示される化合物を2.8g得た。
1H-NMR(CDCl3): 8.74(s,2H); 8.41(d,2H); 7.84(d,2H); 7.72(t,2H); 7.38(t,2H); 1.75(s,18H)
【0129】
例A2: 45.31gのジ−t−ブチルジカーボネート(0.2076mol)を2回にわけて、150mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の、10.31gのインジゴ(0.0393mol)と2.79gの4−ジメチルアミノピリジン(0.0228mol)の懸濁液に加えた。その結果得られた混合物を室温で20時間攪拌する間、その混合物の色が紺色から紫色に変わった。その生成物をろ過により分離し、その残渣をまず20mlのジメチルホルムアミドで、次いで蒸留水で洗浄・乾燥して、式:
【0130】
【化77】
Figure 0003641310
【0131】
で示される化合物の明赤色の固体を9.79g得た。その化合物のさらに5.13gをそのろ液を蒸留水で希釈することによって得た。化合物の合計の終了は、14.93gであった。
1H-NMR(CDCl3): 8.02(d,2H); 7.76(d,2H); 7.61(t,2H); 7.21(t,2H); 1.62(s,18H)
【0132】
例A3: 0.18gの4−ジメチルアミノピリジン(0.00147mol)を、80mlのN,N−ジメチルアセトアミド中の、式:
【0133】
【化78】
Figure 0003641310
【0134】
で示される顔料1.5g(0.00337mol)と9.7gのジ−t−ブチルジカーボネート(0.0444mol)とを含む混合物の溶液に加えた。この結果得られたものを、室温で24時間攪拌した。その反応混合物を、攪拌しながら200mlの蒸留水に注いだ。このようにして得られた黄色の沈殿物をろ過により分離し、その残渣を蒸留水で洗浄し、その後減圧下室温で乾燥して、式:
【0135】
【化79】
Figure 0003641310
【0136】
で示される生成物を2.71g(理論値95%)を得た。
1H-NMR(CDCl3): 8.22(d,2H); 7.83(d,2H); 7.72(t,2H); 7.63(t,2H); 7.56(d,2H); 7.42(d,2H); 1.45(s,36H)
【0137】
例A4:0.2gの4−ジメチルアミノピリジン(0.00164mol)を、50mlのN,N−ジメチルアセトアミド中の、式:
【0138】
【化80】
Figure 0003641310
【0139】
で示されるモノアゾ顔料1.4g(0.0037mol)と2.67gのジ−t−ブチルジカーボネート(0.01221mol)とを含む混合物に加えた。この反応混合物を室温で48時間攪拌したら、オレンジ色の懸濁液が形成された。その黄色の沈殿物をろ過により分離し、その残渣を少量のN,N−ジメチルアセトアミドで、次いで蒸留水で洗浄し、その後減圧下室温で乾燥して、式:
【0140】
【化81】
Figure 0003641310
【0141】
で示される生成物を0.67g(理論値31%)得た。
1H-NMR(CDCl3): 15.9(s,br,1H); 11.17(s,br,1H); 7.94(d,1H); 7.90(d,1H); 7.85(d,1H); 7.64(d,1H); 7.06-7.04(m,2H); 2.65(s,3H); 2.35(s,3H); 2.32(s,3H); 1.64(s,9H)
【0142】
例A5〜A8:以下にリストにした一般式:
【0143】
【化82】
Figure 0003641310
【0144】
で示される化合物を、それぞれ対応するジカーボネートを用いて、例A1に記載の一般的方法にしたがって製造した。
【0145】
【表1】
Figure 0003641310
【0146】
例A9:27.94gのジ−t−ブチルジカーボネート(0.128mol)を、1時間にわたり3回に分けて、500mlのテトラヒドロフラン(モレキュラーシーブで乾燥したもの)中の、14.75gの1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ−〔3,4−c〕ピロール(0.0512mol)と3.23gの4−ジメチルアミノピリジン(0.0264mol)との混合物に加えた。その結果得られた赤色の懸濁液を、大気中の湿度の影響を防止しながら室温で2時間攪拌し、深緑色の溶液を得た。その溶媒を減圧下で留去した。このようにして形成された黄色い残渣を、まず5%炭酸水素ナトリウム水溶液で、次いで水で洗浄し、減圧下で乾燥して、式:
【0147】
【化83】
Figure 0003641310
【0148】
で示される化合物を24.5g(理論値98%)得た。
1H-NMR(CDCl3): 7.75(d,4H); 7.48-7.50(m,6H); 1.40(s,18H)
【0149】
例A10:つづいて、0.85gの4−ジメチルアミノピリジン(0.007mol)と6.55gのジ−t−ブチルジカーボネート(0.030mol)を、250mlのN,N−ジメチルホルムアミド(モレキュラーシーブで乾燥したもの)中の、4.29gの1,4−ジケト−3,6−ビス(4−クロロフェニル)ピロロ〔3,4−c〕ピロール(0.012mol)の懸濁液に加えた。その結果得られた反応混合物を、大気中の湿度の影響を防止しながら室温下で攪拌した。2時間後、更に6.55gのジ−t−ブチルジカーボネートをその反応混合物に加え、72時間攪拌し続けた。つづいて、その反応混合物を、十分に攪拌しながら500mlの蒸留水に注いだ。その沈殿したオレンジがかった褐色の固体をろ過により単離し、その残渣を冷蒸留水で洗浄し、減圧下室温で乾燥して、式:
【0150】
【化84】
Figure 0003641310
【0151】
で示される化合物6.1g(理論値91%)を得た。
1H-NMR(CDCl3): 7.69(d,4H); 7.46(d,4H); 1.44(s,18H)
【0152】
例A11:24.29gのジ−t−ブチルジカーボネート(0.111mol)を、100mlのN,N−ジメチルホルムアミド(モレキュラーシーブで乾燥したもの)中の、8.44gの1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ビス(4−t−ブチルフェニル)ピロロ〔3,4−c〕ピロール(0.021mol)と1.49gの4−ジメチルアミノピリジン(0.0012mol)を含む混合物の溶液に加えた。その結果得られた赤色の懸濁液を、大気中の湿度の影響を防止しながら室温下で3時間攪拌し、そのときその懸濁液の色はオレンジ色に変わった。その沈殿した固体は、ろ過により単離し、その残渣を何回も冷蒸留水で洗浄し、その後減圧下室温で乾燥して、式:
【0153】
【化85】
Figure 0003641310
【0154】
で示される山吹色の固体11.40g(理論値90%)を得た。
1H-NMR(CDCl3): 7.69(d,4H); 7.48(d,4H); 1.43(s,18H); 1.34(s,18H)
【0155】
例A12〜A20:例A9〜A11に記載の一般的方法に従って、式:
【0156】
【化86】
Figure 0003641310
【0157】
で示される2,5−ジヒドロ−ピロロ〔3,4−c〕ピロール誘導体を、式:
【0158】
【化87】
Figure 0003641310
【0159】
で示される、以下にリストした対応化合物から製造した。
【0160】
【表2】
Figure 0003641310
【0161】
例A21〜A24:例A9〜A11に記載の方法のように、式:
【0162】
【化88】
Figure 0003641310
【0163】
で示される化合物を、それぞれ以下にリストした対応化合物から製造した。
【0164】
【表3】
Figure 0003641310
【0165】
例A25:ジ−t−ブチルジカーボネートを等量のジエチルジカーボネートに置き換えた以外は、例A9の手順を同じように繰り返し、式:
【0166】
【化89】
Figure 0003641310
【0167】
で示されるピロロ〔3,4−c〕ピロールを理論値67%の収率で得た。
1H-NMR(CDCl3): 7.75(m,4H); 7.49(m,6H); 4.31(q,4H); 1.22(t,6H)
【0168】
例A26:例A9に記載のように製造された、14.93gのN,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロールを、1.1l の沸騰エタノールから再結晶した。その赤色の沈殿した結晶を、塩化メチレン/酢酸エチル(9:1)溶媒系を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、式:
【0169】
【化90】
Figure 0003641310
【0170】
で示されるジケトピロロ〔3,4−c〕ピロールを得た。
1H-NMR(CDCl3): 9.43(s,br,1H); 8.30(m,2H); 7.81(m,2H); 7.51(m,6H); 1.4(s,9H)
【0171】
例A27〜A33:一般式:
【0172】
【化91】
Figure 0003641310
【0173】
で示される、以下にリストしたモノ置換化合物を、それぞれ対応ジ置換ピロロ〔3,4−c〕ピロール化合物から、例A26と同様の方法で製造した。
【0174】
【表4】
Figure 0003641310
【0175】
例A34:0.28gの固体状の水素化ナトリウム(0.007mol )を、アルゴン雰囲気下で、17mlのテトラヒドロフラン中の、0.5gの1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロール(0.00175mol)の懸濁液に添加した。この結果得られた混合物を24時間攪拌した後、0.67mlのn−ブチルクロロホルマート(0.007mol)をそれに添加し、その結果得られた懸濁液を一晩攪拌した。この混合物をろ過し、そのろ液を減圧下で濃縮した。その残渣を水/ジエチルエーテルにとり、その有機層をMgSO4 で乾燥し、その後減圧下で濃縮した。その残渣をn−ヘキサンにとり、沈殿した黄色の粉末をろ過により集め、少量のn−ヘキサンで洗浄し、黄色の蛍光粉末としてN,N′−ビス(n−ブトキシカルボニル)−1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロールを0.62g(理論値73%)得た。
1H-NMR(CDCl3): 7.72(m,4H); 7.49(m,6H); 4.32(q,4H); 1.23(t,6H)
【0176】
B.微細粒子サイズの顔料の製造
例B1:0.07gの例A1で得られた生成物を、試験管中で10分間180℃で加熱した。このようにして得られた紫色粉末の分析データは、すべて式:
【0177】
【化92】
Figure 0003641310
【0178】
で示される純粋なキナクリドンのそれらと一致した。収率(%換算)は99%であった。
【0179】
例B2:0.07gの例A3で得られた生成物を、1mlのアセトンに溶解し、その結果得られた溶液をただちに1mlの33%HClに加えた。このようにして得られた赤色粉末の分析データは、式:
【0180】
【化93】
Figure 0003641310
【0181】
で示される純粋な顔料のそれらと一致した。換算収率は99%であった。
【0182】
例B3:例A9のように製造された、0.07gのN,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロールを、試験管中で10分間180℃で加熱した。このようにして得られた赤色粉末の分析データは、1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロールのそれらとすべて一致した。収率は99%であった。
【0183】
例B4:例A9のように製造された、0.07gのN,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロールを、ただちに1mlの33%HClに注いだ。このようにして得られた赤色粉末の分析データは、1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロールのそれらとすべて一致した。収率は99%であった。
【0184】
例B5:75mlのテトラヒドロフラン中の、例A10で得られた生成物1.5gとトルエン−4−スルホン酸一水和物5.1gの懸濁液を15時間攪拌しながら還流し、その後30℃に冷却した。その沈殿した顔料をろ過により単離し、引き続いてメタノールと水で洗浄し、乾燥して、赤色粉末(β−1,4−ジケト−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロール)を0.55g(理論値57.2%)を得た。
分析値 C H N Cl
計算値 60.53 2.82 7.84 19.85
実験値 60.38 2.96 7.69 19.42
【0185】
C.インスタント電子写真感光体の製造
例C1
0.3387gの例A9の生成物を、THF中の3.446gの0.65重量%のブチラール樹脂(BM−S、積水化学株式会社により製造)の溶液に溶解し、電荷発生層組成物(C1G)を得た。
【0186】
電荷輸送層組成物(C1T)は、6.00gのトルエン中に、1.00gのN,N′−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N,N′−ジフェニル−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンと1.00gのポリカーボネート(Z−200、三菱瓦斯化学株式会社により製造)を溶解することにより製造した。
【0187】
上記の電荷発生層組成物(C1G)を、ワイヤーバー(KCCロッド番号2、RK-Print-Coat Instruments により製造)を用いて、アルミニウム支持体上に塗布し、45℃で30分間乾燥した。引き続いて、このように得られたサンプルを170℃で20分間熱処理し、そのアルミニウム支持体上に形成されたフィルムが黄色から赤みがかったオレンジ色へ十分に変化したことを確認した。その電荷輸送層組成物(C1T)を、このように形成された電荷発生層(C1G)上に、ワイヤーバー(KCCロッド番号8、RK-Print-Coat Instruments により製造)を用いて塗布し、50℃で60分間乾燥し、二層型電子写真感光体を得た。
【0188】
例C2:0.3115gの例A10の生成物を、1,2−ジクロロエタン中の、5.946gの0.38重量%ブチラール樹脂(BM−S)溶液に80℃で攪拌することにより溶解し、電荷発生層組成物(C2G)を得た。
【0189】
このようにして得られた電荷発生層組成物(C2G)を、ワイヤーバー(2番)を用いて、アルミニウム支持体上に塗布し、45℃で30分間乾燥した。引き続いて、このように得られたサンプルを155℃で15分間加熱処理し、そのアルミニウム支持体上に形成されたフィルムが黄色から赤色に十分に変化したことを確認した。その後、二層型電子写真感光体を、例C1と同様の方法で製造した。
【0190】
例C3:0.300gの例A11の生成物を、THF中の、5.446gの0.41重量%ブチラール樹脂(BM−S)溶液に溶解し、電荷発生層組成物(C3G)を得た。その後、その組成物をワイヤーバー(2番)を用いてアルミニウム支持体上に塗布し、45℃で30分間乾燥した。引き続いて、このようにして得られたサンプルを150℃で30分間加熱処理して、アルミニウム支持体上に形成されたフィルムが黄色からオレンジ色に十分に変化したことを確認した。その後、二層型電子写真感光体を例C1と同様の方法で製造した。
【0191】
例C4:0.3282gの例A1の生成物を、ジクロロメタン中の、5.446gの0.41重量%ブチラール樹脂(BM−S)溶液に溶解し、電荷発生層組成物(C4G)を得た。その後、その組成物をワイヤーバー(2番)を用いてアルミニウム支持体上に塗布し、45℃で30分間乾燥した。引き続いて、このようにして得られたサンプルを150℃で20分間加熱処理して、アルミニウム支持体上に形成されたフィルムが黄色から赤紫色に十分に変化したことを確認した。その後、二層型電子写真感光体を、溶媒としてTHFをトルエンの代わりに使用したことを除いて例C1と同様の方法で製造した。
【0192】
例C5:0.0508gの例A9の生成物、0.50gのN,N′−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N,N′−ジフェニル−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンと0.50gのポリカーボネート(Z−200、三菱瓦斯化学株式会社により製造)を、3.0gのTHFに溶解した。その結果得られた溶液を、ワイヤーバーを用いてアルミニウム支持体上に塗布し、50℃で60分間乾燥した。フィルムの形成後、そのフィルムを更に150℃で30分間加熱処理して単層型電子写真感光体を得た。
【0193】
例C6:単層型電子写真感光体を、例A9の生成物を例A10の生成物0.467gで置き換え、かつフィルム形成後適用すべき熱処理を150℃で15分間行うことを除いて、例C5と同様の方法で製造した。
【0194】
例C7:単層型電子写真感光体を、例A9の生成物を例A11の生成物0.0450gで置き換え、かつフィルム形成後適用すべき熱処理を150℃で60分間行うことを除いて、例C5と同様の方法で製造した。
【0195】
例C8:単層型電子写真感光体を、例A9の生成物を例A1の生成物0.0492gで置き換え、かつフィルム形成後適用すべき熱処理を120℃で60分間行うことを除いて、例C5と同様の方法で製造した。
【0196】
例C9:60gのシクロヘキサノン中の、1.524gの例A9の生成物、0.10gのブチラール樹脂(BM−S、積水化学株式会社により製造)および1.134gのパラトルエンスルホン酸を、110℃で300分間還流した。赤色の沈殿物が得られ、これを吸引ろ過し、水で洗浄した。その残渣(C9R)を80℃で12時間乾燥し、樹脂含有顔料を得た。
【0197】
0.2gのその樹脂含有顔料(C9R)、2.5gのトルエンおよび10gのガラスビーズ(GB−603M、東芝バロティーニ株式会社により製造)を、30ml容量の茶色サンプルガラス瓶に入れた。各ガラス瓶を、振とう機(SA−31、ヤマト科学により製造)上で2、4、6、8または10時間振とうした。このようにして得られた分散液を、ワイヤーバー(2番)を用いてアルミニウム支持体上にそれぞれ塗布・乾燥した。乾燥後、例C1中のように、更に電荷輸送層組成物(C1T)をワイヤーバーを用いて塗布し、二層型電子写真感光体を得た。その製造した電子写真感光体は金属光沢を有し、その顔料粒子が非常に微細であることを確認した。
【0198】
例C10:二層型電子写真感光体を、例A1の生成物を式:
【0199】
【化94】
Figure 0003641310
【0200】
で示される生成物と置き換えることを除いて、例C4と同様に製造した。
【0201】
例C11〜C27:二層型電子写真感光体を、例A9の生成物をそれぞれ例A2〜A5、A8、A12、A16〜A19、A21、A23およびA25〜A29の生成物と置き換えることにより、例C1と同様に製造した。
【0202】
例C28〜C40:単層型電子写真感光体を、例A1の生成物をそれぞれ例A6、A7、A13〜A15、A20、A22、A24およびA30〜A34の生成物と置き換えることにより、例C5と同様に製造した。
【0203】
D.比較用電子写真感光体の製造
【0204】
比較例D1:式:
【0205】
【化95】
Figure 0003641310
【0206】
で示される0.20gの1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロール、2.659gの0.83重量%ブチラール樹脂(BM−S、積水化学株式会社により製造)トルエン溶液および10gのガラスビーズ(GB−603M、東芝バロティーニ株式会社により製造)を、30ml容量の茶色サンプルガラス瓶に入れ、その後それを振とう機(SA−31、ヤマト科学により製造)上で20時間振とうし、対照となる電荷発生層組成物(D1G)を得た。分散液を得た後、それをワイヤーバー(2番)を用いてアルミニウム支持体上に塗布し、50℃で30分間乾燥した。その電荷輸送層組成物(C1T)をワイヤーバー(8番)を用いて、比較用電荷発生層(D1G)上に塗布し、50℃で60分間乾燥し、比較用二層型電子写真感光体を得た。
【0207】
比較例D2:比較用電荷発生層組成物(D2G)と比較用二層型電子写真感光体を、1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロールを式:
【0208】
【化96】
Figure 0003641310
【0209】
で示される1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジ(4−クロロ−フェニル)−ピロロ〔3,4−c〕ピロールと置き換えたことを除き、比較例D1と同様の方法で製造した。
【0210】
比較例D3:比較用電荷発生層組成物(D3G)と比較用二層型電子写真感光体を、1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロールを式:
【0211】
【化97】
Figure 0003641310
【0212】
で示される1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジ(4−t−ブチル−フェニル)−ピロロ〔3,4−c〕ピロールと置き換えたことを除き、比較例D1と同様の方法で製造した。
【0213】
比較例D4:比較用電荷発生層組成物(D4G)と比較用二層型電子写真感光体を、1,4−ジケト−2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニル−ピロロ〔3,4−c〕ピロールを式:
【0214】
【化98】
Figure 0003641310
【0215】
で示されるキナクリドンと置き換えたことを除き、比較例D1と同様の方法で製造した。
【0216】
比較例D5:0.50gの例A9の生成物、0.50gのN,N′−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−N,N′−ジフェニル−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンと0.50gのポリカーボネート(Z−200、三菱瓦斯化学株式会社により製造)を、2.6gのトルエンに溶解した。その後、比較例D1で製造した0.429gの比較用電荷発生層組成物(D1G)をそれに加え、続いて10分間攪拌機を用いて攪拌した。このようにして得られたサンプルをワイヤーバー(8番)を用いてアルミニウム支持体上に塗布し、50℃で60分間乾燥し、比較用単層型電子写真感光体を得た。
【0217】
比較例D6:比較用単層型式電子写真感光体を、比較用電荷発生層組成物(D1G)を例D2の比較用電荷発生層組成物(D2G)と置き換えたことを除き、比較例D5と同様の方法で製造した。
【0218】
比較例D7:比較用単層型式電子写真感光体を、比較用電荷発生層組成物(D1G)を例D3の比較用電荷発生層組成物(D3G)と置き換えたことを除き、比較例D5と同様の方法で製造した。
【0219】
比較例D8:比較用単層型式電子写真感光体を、比較用電荷発生層組成物(D1G)を例D4の比較用電荷発生層組成物(D4G)と置き換えたことを除き、比較例D5と同様の方法で製造した。
【0220】
比較例D9:例D1の同じ電荷発生層組成物(D1G)のサンプルを、例C9のボール粉砕工程に、2、4、6、8または10時間付した。その後、このように処理した各々のサンプルをワイヤーバー(2番)を用いてアルミニウム支持体上に塗布した。乾燥後、電荷輸送層組成物(C1T)をさらにワイヤーバー(8番)を用いて塗布・乾燥し、例1と同様の方法で、比較用二層型電子写真感光体を得た。
【0221】
E.電子写真特性の検討
例C1〜C9と比較例D1〜D9で得られた電子写真感光体の電子写真特性を静電気帯電試験装置(EPA−8100、川口電気製作所により製造)を用いたコロナ放電により試験した。負電荷を例C1〜C4、D1〜D4、C9およびD9の感光体に与えたのに対して、正電荷を例C5〜C8、D5〜D8の感光体に与えた。各感光体の最初の表面電位V0 (v)を測定し、その後その感光体に単色光(10μW/cm2 )を照射し、半減衰露光量E1/2(μJ/cm2)を求めるために表面電位V0 が初期値の半分になるまで時間を測定した。さらに、3.0秒後の表面電位をVres(v)で示した。その結果を、表1〜3にまとめた。
【0222】
【表5】
Figure 0003641310
【0223】
コロナ帯電:−6.0kV
0 :表面電位(v)
res :残留電位(v)
1/2 :600nmでの電子写真感度(μJ/cm2)(C1およびD1)
550nmでの電子写真感度(μJ/cm2)
(C2、C3、D2およびD3)
450nmでの電子写真感度(μJ/cm2)(C4およびD4)
D.D:暗減衰率(%)
【0224】
表1に示したように、顔料前駆体から製造したインスタント二層型電子写真感光体は、顔料が分散した従来の感光体と比較して、改良された電子写真特性を有する。
【0225】
【表6】
Figure 0003641310
【0226】
コロナ帯電:+6.0kV
0 :表面電位(v)
res :残留電位(v)
1/2 :600nmでの電子写真感度(μJ/cm2)(C5およびD5)
550nmでの電子写真感度(μJ/cm2)
(C6、C7、D26よびD7)
450nmでの電子写真感度(μJ/cm2)(C8およびD8)
D.D:暗減衰率(%)
【0227】
表2に示したように、顔料前駆体から製造したインスタント単層型電子写真感光体は、顔料が分散した従来の感光体と比較して、改良された電子写真特性を有する。
【0228】
【表7】
Figure 0003641310
【0229】
コロナ電位:−6.0kV
時間:粉砕時間(h)
0 :表面電位(v)
res :残留電位(v)
1/2 :550nmでの電子写真感度(μJ/cm2)
D.D:暗減衰率(%)
【0230】
表3に示したように、顔料前駆体から製造した樹脂化した顔料は、従来の樹脂化した顔料と比較して、より早く高感度電子写真感光体の感光層に分散する。同じ残留電位に到達するまで、より短い分散(粉砕)時間で済む。

Claims (5)

  1. 導電性支持体と電荷発生材料として有機顔料を含有する感光層とを含む電子写真感光体であって、該有機顔料が、式(I):
    Figure 0003641310
    (式中、
    ・xは、0〜4の整数であり;
    ・Aは、ペリレン類、キナクリドン類、アゾ化合物、アントラキノン類、フタロシアニン類、ジオキサジン類、イソインドリノン類、イソインドリン類、インジゴ類、キノフタロン類またはピロロピロール類である発色団の残基であり、この発色団の残基はD1 基とx個のD2 基に結合した1〜5個のN原子を有し、これによりAのN原子の各々は、他と独立して、0、1または2個のD1 基もしくはD2 基に結合しており;
    ・D1 およびD2 は、相互に独立して、式(IIa)、式(IIb)、式(IIc)または式(IId):
    Figure 0003641310
    (式中、
    m、nおよびpは、相互に独立して、0または1であり;
    Xは、C1 〜C14アルキレン基またはC2 〜C8 アルケニレン基を表し;
    Yは、−T1 −(CH2)q −基(ここで、qは1〜6の整数であり、T1 はC3 〜C6 のシクロアルキレン基である)を表し;
    Zは、−T1 −(CH2)r −基(ここで、rは0〜6の整数であり、T1 は上記と同じ)を表し;
    1 とR2 は、相互に独立して、水素原子、C1 〜C6 アルキル基、C1 〜C4 アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基またはC1 〜C4 アルキル、C1 〜C4 アルコキシもしくはハロゲンで置換されていてもよい、フェニル基もしくはフェノキシ基を表し;
    3 とR4 は、相互に独立して、水素原子、C1 〜C18アルキル基または式:
    Figure 0003641310
    (式中、X、Y、R1 、R2 、mおよびnは上記と同じ)で示される基を表し;あるいは
    3 とR4 は、それらが結合しているN原子と共に、ピロリジニル基、ピペリジニル基またはモルホリニル基を形成し;
    1 は、水素原子、シアノ基、Si(R1)3 基、−C(R5)(R6)(R7)基(ここで、R5 はハロゲンであり、R6 とR7 は、相互に独立して水素原子またはハロゲンである)、式:
    Figure 0003641310
    (式中、R1 とR2 は上記と同じ)で示される基、−SO28 基もしくは−SR8 基(ここで、R8 はC1 〜C4 アルキルである)、−CH(R9)2 基(ここで、R9 は、C1 〜C4 アルキル、C1 〜C4 アルコキシもしくはハロゲンで置換されていてもよい、フェニル基もしくはフェノキシ基である)または式:
    Figure 0003641310
    Figure 0003641310
    で示される基を表し;
    2 は、式:
    Figure 0003641310
    (式中、
    10とR11は、相互に独立して、水素原子、C1 〜C24アルキル基、O、SもしくはNR18によりその炭素鎖が断たれたC1 〜C24アルキル基、C3 〜C24アルケニル基、C3 〜C24アルキニル基、C4 〜C12シクロアルキル基、C4 〜C12シクロアルケニル基または非置換であるかもしくはC1 〜C6 アルキル、C1 〜C6 アルコキシ、ハロゲン、シアノもしくはニトロで置換されている、フェニル基もしくはビフェニル基を示し;
    12、R13およびR14は、相互に独立して、水素、C1 〜C24アルキル基またはC3 〜C24アルケニル基を表し;
    15は、水素、C1 〜C24アルキル基、C3 〜C24アルケニル基または式:
    Figure 0003641310
    で示される基を表し;
    16とR17は、相互に独立して、水素原子、C1 〜C6 アルキル基、C1 〜C6 アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、N(R18)(R19)基あるいは非置換であるかまたはハロゲン、シアノ、ニトロ、C1 〜C6 アルキルもしくはC1 〜C6 アルコキシで置換されているフェニル基を表し;
    18およびR19は、相互に独立して、C1 〜C6 アルキル基であり;
    20は、水素またはC1 〜C6 アルキル基であり;そして
    21は、水素、C1 〜C6 アルキル基または非置換であるかもしくはC1 〜C6 アルキルで置換されているフェニル基である)で示される基である)で示される基である)で示される化合物またはその誘導体である可溶性有機顔料前駆体から形成されることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 式(I)の化合物が、(IVa)または式(IVb):
    Figure 0003641310
    (式中、D3 は、水素原子、C1 〜C6 アルキル基、非置換であるかまたはハロゲンもしくはC1 〜C4 アルキルで置換されているフェニル基、ベンジル基もしくはフェネチル基あるいはD1 基である)で示されるペリレンカルボキシイミド類であるか;
    式(I)の化合物が、式(V):
    Figure 0003641310
    (式中、R31およびR32は、相互に独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜C18アルキル基、C1 〜C4 アルコキシ基またはフェニル基であり;Eは水素原子またはD1 基であるが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるキナクリドン類であるか;
    式(I)の化合物が、式(VI):
    Figure 0003641310
    (式中、R33は水素原子、ハロゲン原子またはC1 〜C18アルキル基を表し;Eは水素原子またはD1 基であるが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるジオキサジン類であるか;
    式(I)の化合物が、式(VIIa)、式(VIIb)または式(VIIc):
    Figure 0003641310
    (式中、R34は、式:
    Figure 0003641310
    で示される基を表し;R35は、水素原子、C1 〜C18アルキル基、ベンジル基または式:
    Figure 0003641310
    で示される基を表し;ここで、R36およびR37は、相互に独立して、水素原子、C1 〜C18アルキル基、C1 〜C4 アルコキシ基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基を表し;Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるイソインドリン類であるか;
    式(I)の化合物が、式(VIII):
    Figure 0003641310
    (式中、R38は、水素原子、シアノ基、C1 〜C4 アルキル基、C1 〜C4 アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるインジゴ類であるか;
    式(I)の化合物が、式(IX):
    Figure 0003641310
    (式中、R39およびR40は、相互に独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜C4 アルキル基またはC1 〜C4 アルコキシ基を表し;Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるアゾベンズイミダゾロン類であるか;
    式(I)の化合物が、式(X):
    Figure 0003641310
    (式中、Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるアントラキノイド化合物であるか;
    式(I)の化合物が、式(XI):
    Figure 0003641310
    (式中、
    1 は、H2 、Zn、Cu、Ni、Fe、Ti(O)またはV(O)を表し;X2 は、−CH(R42)−または−SO2 −を表し;R41は、水素原子、C1 〜C4 アルキル基、N(E)R42、−NHCOR43、−COR43または式:
    Figure 0003641310
    で示される基を表し;ここで、R42は、水素原子またはC1 〜C4 アルキル基を表し;R43は、C1 〜C4 アルキル基を表し;R44は、水素原子、ハロゲン原子またはC1 〜C4 アルコキシ基を表し;zは0または1であり;yは1〜4の整数であり;Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示されるフタロシアニン類であるか;
    式(I)の化合物が、式(XII):
    Figure 0003641310
    (式中、G3 およびG4 は、相互に独立して、式:
    Figure 0003641310
    (式中、
    45およびR46は、相互に独立して、水素、ハロゲン、C1 〜C18アルキル基、C1 〜C18アルコキシ基、C1 〜C18アルキルメルカプト基、C1 〜C18アルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、トリフルオロメチル基、C5 〜C6 シクロアルキル基、−CH=N−(C1 〜C18アルキル)基、式:
    Figure 0003641310
    で示される基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ピペラジニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、モルホリニル基、ピペリジニル基またはピロリジニル基を表し;
    2 は、−CH2 −、−CH(CH3)−、−C(CH3)2 −、−CH=N−、−N=N−、−O−、−S−、−SO−、−SO2 −または−NR51−を表し;
    47およびR48は、相互に独立して、水素、ハロゲン、C1 〜C6 アルキル基、C1 〜C18アルコキシ基またはシアノ基を表し;
    49およびR50は、相互に独立して、水素、ハロゲンまたはC1 〜C6 アルキル基を表し;
    51は、水素またはC1 〜C6 アルキル基を表し;
    Eは水素原子またはD1 基を表すが、少なくとも1個のEはD1 基である)で示される基である)
    で示されるピロロ〔3,4−c〕ピロール類であるか;或いは
    式(I)の化合物が、式(XIIIa)または式(XIIIb):
    Figure 0003641310
    (式中、R52、R53、R54およびR55は、相互に独立して、水素、C1 〜C18アルキル基、C1 〜C4 アルコキシ基、ハロゲンまたはトリフルオロメチル基を表す)で示されるイソインドリノン類である、請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 該顔料前駆体が、式(XIV):
    Figure 0003641310
    (式中、L1 およびL2 は、相互に独立して、ハロゲン、C1 〜C18アルコキシ基、C2 〜C18ジアルキルアミノ基、C1 〜C18シクロアルキルアミノ基、(N′−C1 〜C6 アルキル)ピペリジノ基またはモルホリノ基であり、M2 は2個の水素または少なくとも2価の金属もしくはオキソ金属を表す)の化合物もしくはその誘導体である、請求項1記載の電子写真感光体。
  4. 請求項1記載の電子写真感光体の製造方法であって、
    (1)導電性支持体上に、可溶性有機顔料前駆体を含む層を形成する工程;および
    (2)可溶性有機顔料前駆体から、化学的に電荷発生有機顔料を再生する工程を含む方法。
  5. 電子写真法における、請求項1記載の電子写真感光体の使用。
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