JP2748736B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2748736B2
JP2748736B2 JP22197291A JP22197291A JP2748736B2 JP 2748736 B2 JP2748736 B2 JP 2748736B2 JP 22197291 A JP22197291 A JP 22197291A JP 22197291 A JP22197291 A JP 22197291A JP 2748736 B2 JP2748736 B2 JP 2748736B2
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芳伊 森下
裕子 石川
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靖 杉本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体はSe、CdS等
の無機材料で構成される感光体が主流であったが、最近
は、取扱い上の安全性、価格の点ですぐれる、有機材料
を用いた電子写真感光体が注目されている。この電子写
真感光体には、電荷発生物質と電荷輸送物質とが混在し
た単一層から成る単層型、電荷発生層と電荷輸送層とを
積層した積層型(いわゆる2層構造)感光体がある。
【0003】電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質とし
ては、ポリビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノ
ン(モル比1対1)の混合物のような電子輸送能を有す
る電荷輸送物質、ヒドラゾン、エナミン、ベンジジン誘
導体(特公昭55−42380号公報、特開昭62−2
37458号公報、特公昭59−9049号公報、特開
昭55−7940号公報、特開昭61−295558号
公報、米国特許4,265,990号、米国特許4,3
06,008号、米国特許4,588,666号等)の
ような正孔輸送能を有する電荷輸送物質がある。
【0004】ベンジジン誘導体としては、N,N,
N′,N′−テトラフェニルベンジジン、N,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−ベ
ンジジン、N,N,N′,N′−テトラキス(4−メチ
ルフェニル)−ベンジジン、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(4−メトキシフェニル)−ベンジジン
などが知られているが、これらのベジジン誘導体は、有
機溶剤に対する溶解度が低い、また、比較的酸化されや
すいという欠点がある。つまり、有機溶剤及び/又は結
合剤に対する溶解度が低いために、電荷輸送層を形成す
るための塗布液を調製することが困難であったり、塗膜
作成時にベンジジン誘導体の結晶が析出してしまうこと
がある。また、電荷輸送層を良好な塗膜として形成でき
た場合でも、ベンジジン誘導体の耐酸化性が劣るため
に、くり返し使用した場合に帯電性、暗減衰、感度及び
画質等が低下してしまうという欠点がある。
【0005】これらのベンジジン誘導体と組み合わせる
結合剤としては、ビスフェノールA型ポリカーボネート
(特公昭59−9049号公報)やポリ〔4,4′−シ
クロヘキシリデンフェニレンカーボネート〕(特開昭6
3−278065号公報)などが知られているが、ベン
ジジン誘導体の耐酸化性が劣るために、くり返し使用し
た場合に帯電性、暗衰減、感度及び画質等が著しく低下
するといった欠点がある。
【0006】また、これらのベンジジン誘導体と組み合
わせる電荷発生物質としては、クロロインジウムフタロ
シアニン(特開昭61−84655号公報)、バナジル
フタロシアニン(特開昭61−295558号公報)な
どが知られており、それら組合せによる感光体は比較的
良好な感度を示すが、実用化するにはまだまだ不十分で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術における問題点を改善し、有機溶剤に対する
溶解性及びポリカーボネート樹脂等の結合剤との相溶性
に優れる新規な化合物である含フッ素N,N,N′,
N′−テトラアリールベンジジン誘導体を用いた、感度
が高く、繰り返し使用しても帯電性、暗減衰、感度、画
質等が経時的に劣化しない電子写真感光体を提供するも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)で表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テト
ラアリールベンジジン誘導体を含有することを特徴とす
る電子写真感光体に関する(電子写真感光体1と呼
ぶ)。
【化8】 〔ただし、式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素
原子、アルキル基、アルコキシ基、フルオロアルキル基
又はフルオロアルコキシ基を表わし、R1及びR2のうち
少なくとも一方は、フルオロアルキル基又はフルオロア
ルコキシ基であり、Ar1及びAr2は、それぞれ独立し
てR1及びR2以外の置換基を有してもよいアリール基を
表わす〕
【0009】電子写真感光体1は、導電性支持体上に、
電荷発生物質及び電荷輸送物質を含む光導電層を設けた
電子写真感光体であって、前記電荷輸送物質が一般式
(I)で表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テト
ラアリールベンジジン誘導体であるもの(電子写真感光
体2と呼ぶ)が特性上好ましい。
【0010】電子写真感光体2は、電荷発生物質及び電
荷輸送物質がそれぞれ別個の層に含まれるもの(電子写
真感光体3と呼ぶ)が特性上好ましい。
【0011】電子写真感光体2,3は、導電性支持体と
光導電層間に下引き層を設けたもの(電子写真感光体4
と呼ぶ)が特性上好ましい。
【0012】電子写真感光体1は、光導電層が一般式
(I)で表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テト
ラアリールベンジジン誘導体及び一般式(II)又は
(III)で表わされる分子量が20,000〜15
0,000のポリカーボネート樹脂を含有するもの(電
子写真感光体5と呼ぶ)が特性上好ましい。
【化9】
【化10】 〔ただし、式中、R3及びR4は、それぞれ独立して水素
原子、アルキル基又はアリール基を表わし、R5、R6
7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立
して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール
基を表わす。Zは、置換基を有してもよい炭素環又は置
換基を有してもよい複素環を形成するのに必要な残基を
表わす。〕
【0013】電子写真感光体1は、光導電層が一般式
(I)で表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テト
ラアリールベンジジン誘導体及び一般式(IV)で表わ
される分子量が20,000〜120,000のポリカ
ーボネート共重合体を含有するもの(電子写真感光体6
と呼ぶ)が特性上好ましい。
【化11】 〔ただし、式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8
9、R10、R11 、R 12 及びZは、一般式(II)又は
(III)におけると同義である。R13、R14、R15
16、R17、R18、R19 及びR 20 それぞれ独立して水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表
わす。共重合比率l/m=0.1〜10である。〕
【0014】電子写真感光体1は、光導電層が一般式
(I)で表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テト
ラアリールベンジジン誘導体及び一般式(V)又は(
)で表わされる分子量が20,000〜120,00
0のポリエステルカーボネートを含有するもの(電子写
真感光体7と呼ぶ)が特性上好ましい。
【化12】
【化13】 〔ただし、式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8
9、R10、R11、R12及びZは、一般式(II)又は
(III)におけると同義である。共重合比率l/m=
1〜10である。〕
【0015】電子写真感光体2は、電荷発生物質及び電
荷輸送物質を含む光導電層を設けた電子写真感光体であ
って、前記電荷発生物質が下記一般式(VII)で表わ
されるフタロシアニン、かつ前記電荷輸送物質が一般式
(I)で表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テト
ラアリールベンジジン誘導体であるもの(電子写真感光
体8と呼ぶ)が特性上好ましい。
【化14】 〔ただし、式中、Mは、H 2 はTiOを表わし、
21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表わ
す。k1、k2、k3及びk4は、それぞれ独立して1から
4の整数を表わす。〕
【0016】電子写真感光体3は、電荷発生物質及び電
荷輸送物質がそれぞれ別個の層に含まれる電子写真感光
体であって、該電荷発生層が一般式(VII)で表わさ
れるフタロシアニンとポリエステル樹脂を含み、かつ電
荷輸送層が一般式(I)で表わされる含フッ素N,N,
N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体を含有す
るもの(電子写真感光体9と呼ぶ)が特性上好ましい。
【0017】電子写真感光体3は、電荷発生物質及び電
荷輸送物質がそれぞれ別個の層に含まれる電子写真感光
体であって、該電荷発生層が一般式(VII)で表わさ
れるフタロシアニンとポリビニルアセタール樹脂を含
み、かつ電荷輸送層が一般式(I)で表わされる含フッ
素N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導
体を含有するもの(電子写真感光体10と呼ぶ)が特性
上好ましい。電子写真感光体3は、電荷発生物質及び電
荷輸送物質がそれぞれ別個の層に含まれる電子写真感光
体であって、該電荷発生物質がX線回折図におけるブラ
ック角(2θ±0.2度)が9.3度、10.6度、1
3.2度、15.1度、15.7度、16.1度、2
0.8度、23.3度、26.3度及び27.1度に強
い回折ピークを示すβ型チタニルフタロシアニン、かつ
電荷輸送層が一般式(I)で表される含フッ素N,N,
N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体及び一般
式(II)又は(III)で表される分子量が20,0
00〜150,000のポリカーボネート樹脂を含有す
るもの(電子写真感光体11と呼ぶ)が特性上好まし
い。
【0018】以下、本発明について詳述する。一般式
(I)で表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テト
ラアリールベンジジン誘導体は例えば、次のように製造
することができる。一般式
【化15】 〔ただし、式中、Xはヨウ素又は臭素を表わす〕で表わ
されるハロゲン化ビフェニル誘導体と一般式
【化16】 〔ただし、式中、R1、R2、Ar1及びAr2は前記一般
式(I)におけると同意義である〕で表わされるジアリ
ールアミン化合物とを銅系触媒(銅粉末、酸化銅、ハロ
ゲン化銅等の銅化合物)及び塩基性化合物(炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム等のアルカリ金属の炭酸塩又は水酸化物)の存在下
で、無溶媒又は有機溶媒(ニトロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、キノリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等)共存下で、
180〜260℃で5〜30時間加熱撹拌した後、反応
混合物を塩化メチレンやトルエンなどの有機溶剤に溶解
し、不溶物を分離、溶剤を留去した後、残留物をアルミ
ナカラム等で精製し、ヘキサン、シクロヘキサン等で再
結晶することにより一般式(I)で表わされる含フッ素
N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジンを製造
することができる。
【0019】また、ハロゲン化ビフェニル誘導体、ジア
リールアミン化合物、銅系触媒及び塩基性化合物の使用
量は、通常化学量論量を使用すればよいが、好ましく
は、ハロゲン化ビフェニル誘導体1モルに対して、ジア
リールアミン化合物2〜3モル銅系触媒0.5〜2モ
ル、塩基性化合物1〜2モルの範囲で使用すればよい。
【0020】一般式(I)におけるR1、R2、Ar1
びAr2としては、例えば、次のようなものがあげられ
る。R1及びR2としては、それぞれ独立して、水素原
子、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピ
ル、n−ブチル、tert−ブチル等のアルキル基、メ
トキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキ
シ等のアルコキシ基、トリフルオロメチル、トリフルオ
ロエチル、ヘプタフルオロプロピル基等のフルオロアル
キル基、トリフルオロメトキシ、2,2−ジフルオロエ
トキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1H,1
H−ペンタフルオロプロポキシ、ヘキサフルオロ−is
o−プロポキシ、1H,1H−ヘプタフルオロブトキ
シ、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキ
シ、4,4,4−トリフルオロブトキシ等のフルオロア
ルコキシ基があげられ、R1及びR2の少なくとも一方
は、フルオロアルキル基又はフルオロアルコキシ基であ
る。Ar1及びAr2としては、例えば、それぞれ独立し
てR1、R2以外の置換基を有してもよいフェニル、ビフ
ェニル、ターフェニル、ナフチル等のアリール基があげ
られ、R1、R2以外の置換基としては、例えば、塩素、
フッ素等のハロゲン原子、メチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル
等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロポキ
シ、iso−プロポキシ等のアルコキシ基、フェニル、
トリル等のアリール基があげられ、2個以上置換されて
いてもよい。
【0021】本発明における一般式(I)で表わされる
含フッ素N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジ
ン誘導体としては、例えば、次のような化合物があげら
れる。
【0022】
【化17】
【0023】
【化18】
【0024】
【化19】
【0025】
【化20】
【0026】
【化21】
【0027】
【化22】
【0028】
【化23】
【0029】
【化24】
【0030】
【化25】
【0031】
【化26】
【0032】一般式(I)で表わされる含フッ素N,
N,N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体は、
電子写真感光体に含有させ、電荷輸送物質として機能さ
せることができる。
【0033】本発明に係る電子写真感光体は、電荷輸送
物質及び電荷発生物質が混在して含まれる単一層を導電
性支持体の上に光導電層として構成することができる。
また、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層に含ま
れるように形成したいわゆる2層構造層を導電性支持体
の上に光導電層として構成することもできる。
【0034】即ち、本発明に係る電子写真感光体は、導
電性支持体上に電荷発生物質と一般式(I)で表わされ
るN,N,N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導
体と結合剤を含有する単層型光導電層を設けた電子写真
感光体、また、導電性支持体上に電荷発生物質を含有す
る電荷発生層と一般式(I)で表わされる含フッ素N,
N,N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体と結
合剤を含有する電荷輸送層から形成される積層型光導電
層を設けた電子写真感光体、さらに、導電性支持体と上
記光導電層の間に下引き層を設けた電子写真感光体のい
ずれであつてもよい。
【0035】光導電層には、既知の結合剤、可塑剤、流
動性付与剤、ピンホール抑制剤等の添加剤を使用するこ
とができる。結合剤としては、例えば、スチレン−アク
リル系共重合体、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、
綿状飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート共重合
体、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂、塩化
ビニル−アクリル酸エステル系共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル系共重合体、ポリケトン樹脂、シリコーン樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリ(p−ビニルフェニル)アントラセン、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルピレン、ポリビニルアクリジン、
ポリビニルピラゾリン、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ポリエーテル樹脂、ポリホルマール樹脂、ポリ
(2,6−ジメチルフェニレンオサイド)等があげられ
る。中でも、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネ
ート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート共
重合体、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂、
シリコーン樹脂、ポリホルマール樹脂、ポリ(2,6−
ジメチルフェニレンオキサイド)が好しく、特に、ポリ
エステル樹脂、ポリエステルカーポネート樹脂、ポリカ
ーポネート樹脂、ポリカーボネート共重合体、ポリビニ
ルアセタール樹脂が好ましい。
【0036】本発明における光導電層に用いられるポリ
カーボネート樹脂としては、例えば、一般式式(II)
または(III)で表わされる分子量が20,000〜
150,000のポリカーボネート樹脂があげられる。
【化27】
【化28】 〔ただし、式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8
9、R10、R11、R12及びZは、前記一般式(II)
又は(III)におけると同義である〕
【0037】そのようなポリカーボネート樹脂の具体例
としては、次のものがあげられる。
【化29】
【0038】
【化30】
【化31】 中でも、(II−2)、(II−3)、(II−5)、
(II−7)等のポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0039】さらに、本発明における光導電層に用いら
れるポリカーボネート共重合体としては、例えば、一般
式(IV)で表わされる分子量が20,000〜12
0,000のポリカーボネート共重合体があげられる。
【化32】 〔ただし、式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8
9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R
17、R18、R19、R20、Z及び共重合比率l/mは、前
記の一般式(IV)におけると同義である。〕
【0040】そのようなポリカーボネート共重合体の具
体例としては、次のものがあげられる。
【化33】
【化34】
【0041】さらに、本発明における光導電層に用いら
れるポリエステルカーボネート樹脂としては、例えば、
一般式(V)又は(VI)で表わされる分子量が20,
000〜120,000のポリエステルカーボネート樹
脂があげられる。
【化35】
【化36】 〔ただし、式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8
9、R10、R11、R12、Z及びl/mは、前記一般式
(V)又は(VI)におけると同義である。〕
【0042】そのようなポリエステルカーボネート樹脂
の具体例としては、次のものがあげられる。
【化37】
【化38】
【0043】結合剤としてまた、熱及び/又は光によっ
て架橋する熱硬化型及び光硬化型樹脂も使用できる。い
ずれにしても絶縁性で通常の状態で被膜形成能を有する
樹脂及び/または光によつて硬化し被膜を形成する樹脂
であれば特に制限はない。
【0044】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、
3,3′,4,4′−テトラメチル−1,1′−ビフェ
ニル、3,3″,4,4″−テトラメチル−p−ターフ
ェニル、3,3″,4,4″−テトラメチル−m−ター
フェニル、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタレ
ン、ジブチルフタレート等があげられる。
【0045】流動性付与剤としては、例えば、モダフロ
ー(モンサントケミカル社製)、アクロナール4F(バ
スフ社製)DC3PA(トーレ・シリコン社製)、FC
−170C、FC−430、FC−431(いずれも3
M社製)、等があげられる。ピンホール抑制剤として
は、例えば、ベンゾイン、ジメチルテレフタレート等が
あげられる。
【0046】これらは適宜選択して使用され、その量も
適宜決定されればよい。
【0047】一般式(I)で表わされる含フッ素N,
N,N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体を用
いることにより、感度が高く、繰り返し使用しても帯電
性、暗減衰、感度、画質等が経時的に劣化しない電子写
真感光体が得られるが、必要に応じて、上記電子写真特
性が低下しない範囲で、他の電荷輸送物質を一般式
(I)で表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テト
ラアリールベンジジン誘導体と併用することができる。
【0048】電子写真感光体に適用する場合は、一般式
(I)で表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テト
ラアリールベンジジン誘導体は他の電荷輸送物質、例え
ば、高分子化合物のものでは、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポ
リビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポ
リビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、
ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン等が、低
分子化合物のものでは、フルオレン、フルオレノン、
2,7−ジニトロ−9−フルオレノン、2,4,7−ト
リニトロ−9−フルオレノン、4H−インデノ(1,
2,6)チオフェン−4−オン、3,7−ジニトロ−ジ
ベンゾチオフェン−5−オキサイド、1−ブロムピレ
ン、2−フェニレルピレン、カルバゾール、3−フェニ
ルカルバゾール、2−フェニルインドール、2−フェニ
ルナフタレン、オキサジアゾール、トリアゾール、1−
フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−
(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、2−フェ
ニル−4−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−フェ
ニルオキサゾール、トリフェニルアミン、イミダゾー
ル、クリセン、テトラフェン、アクリデン、これらの誘
導体等、4−N′,N′−ジフェニルアミノベンズアル
デヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、4−N′,
N′−ジトリルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフ
ェニルヒドラゾン、4−N′,N′−ジフェニルアミノ
−2−メチルベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒ
ドラゾン、4−N′,N′ジベンジルアミノベンズアル
デヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、1,1−ビス
(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル
−1,3−ブタジエン、N,N,N′,N′−テトラフ
ェニルベンジジン、N,N′−ジフェニル−N,N′−
ビス(3−メチルフェニル)−ベンジジン、N,N′−
ジ−2−ナフチル−N,N′−bis(3−メチルフェ
ニル)−ベンジジン、N,N,N′,N′−テトラキス
(4−メチルフェニル)−ベンジジン、N,N′−ジフ
ェニル−N,N′−ビス(4−メトキシフェニル)−ベ
ンジジン、N,N,N′,N′−テトラキス(4−メチ
ルフェニル)−トリジン等と併用することができる。
【0049】他の電荷輸送物質の配合割合は、一般式
(I)で表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テト
ラアリールベンジジン誘導体による電子写真特性の向上
を損なわないために該誘導体1重量部に対して1重量部
以下が好ましく、特に0.25重量部以下が好ましい。
【0050】光導電層に含まれる上記の電荷発生物質と
しては、Si、Se、As23、Sb23、Sb2
3、CdS、CdSe、CdTe、ZnO、α型、β
型、τ型、χ型等の各種結晶型の無金属フタロシアン顔
料、銅フタロシアニン、アルミニウムフタロシアニン、
亜鉛フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、コバル
トフタロシアニン等の金属フタロシアニン及びナフタロ
シアニン顔料、アゾ顔料、アントラキノン顔料、インジ
ゴイド顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、多環キ
ノン顔料、スクアリック酸メチン顔料、アズレン顔料、
ピロロピロール顔料などがあげられる。
【0051】顔料としては、これらの他に例えば、特開
昭47−37453号公報、特開昭47−37544号
公報、特開昭47−18543号公報、特開昭47−1
8544号公報、特開昭48−43942号公報、特開
昭48−70538号公報、特開昭49−1231号公
報、特開昭49−105536号公報、特開昭50−7
5214号公報、特開昭50−92738号公報、特開
昭61−162555号公報、特開昭63−20365
号公報、特開平1−45474号公報、特開平2−17
5763号公報等に開示されるものがある。中でも、無
金属フタロシアニン及び又はチタニルフタロシアニンが
好ましい。
【0052】本発明における光導電層に用いられる電荷
発生物質としては、例えば、一般式式(VII)で表わ
されるフタロシアニンがあげられる。
【化39】 〔ただし、式中、M、R21、R22、R23、R24、k1
2、k3及びk4は、前記一般式(VII)におけると
同義である。〕
【0053】そのようなフタロシアニンの具体例として
は、τ型無金属フタロシアニン、χ型無金属フタロシア
ニン、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニルフタ
ロシアニン、X線回折図におけるブラッグ角2θが2
7.3±0.2度に強い回折ピークを示すチタニルフタ
ロシアニン(特開昭63−20365号公報)及び又は
それらの混合物などがあげられる。中でも、X線回折図
におけるブラッグ角(2θ±0.2度)が9.3度、1
0.6度、13.2度、15.1度、15.7度、1
6.1度、20.8度、23.3度、26.3度及び.
27.1度に強い回析ピークを示すβ型チタニルフタロ
シアニンが好ましい。
【0054】単一層構造を採る場合、即ち、単層型光導
電層上における電荷発生物質に対する前記電荷輸送物質
の配合量は前者1重量部当り、後者1〜10重量部が一
般的である。好ましくは前者1重量部当り後者1〜5重
量部である。結合剤の使用量は、電荷発生物質1重量部
当り1〜3重量部であり、3重量部を越えると電子写真
特性が低下する傾向がある。その他、上記可塑剤、添加
剤は、電荷発生物質に対して数重量%以下で適宜使用さ
れる。また、光導電体層全体の厚さとしては5〜100
μmとするのが一般的である。しかし、最終的には光感
度即ち帯電特性を損なわないように配慮して決定するの
が望ましい。
【0055】一方、二層構造を採る場合、電荷発生層
は、上記Si、Seの場合には、真空蒸着法等で導電性
支持体上に厚さ1〜20μm形成できる。また、電荷発
生層と電荷輸送層からなる積層型光導電層において、電
荷発生層は、前記電荷発生物質を真空蒸着法により形成
又は電荷発生物質と結合剤を含有する塗布液を塗布乾燥
させることにより形成できる。
【0056】電荷発生層に電荷発生物質とともに含まれ
る結合剤としては、前記結合剤のうちポリエステル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂、塩化
ビニル−アクリル酸エステル系共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル系共重合体、シリコーン樹脂、フェノール樹
脂が好ましく、特に、ポリエステル樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂が好ましい。
【0057】本発明における電荷発生層に用いられるポ
リエステル樹脂の具体例としては、バイロン200、バ
イロン290(ともに東洋紡(株)商品名)などがあげ
られる。
【0058】さらに、本発明における電荷発生層に用い
られるポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、エ
スレックBL−S、エスレックBM−1、エスレックB
M−2、エスレックBM−S、エスレックBH−3、エ
スレックBH−S、エスレックKS−1、エスレックK
S−5(すべて積水化学工業(株)商品名)などがあげ
られる。また、その他の結合剤として、熱及び又は光に
よって架橋する熱硬化型及び光硬化型樹脂も前記結合剤
と併用することができる。
【0059】前記Si、Se以外の無機物、有機金属顔
料又は有機顔料を電荷発生物質として使用する場合に
は、時として膜形成のために上記結合剤を使用する必要
があり、その使用量は、電荷発生物質1重量部当り通常
0.5〜3重量部であり、3重量部を越えると電子写真
特性が低下する傾向がある。その他、上記可塑剤、添加
剤は、電荷発生物質に対して数重量%以下で適宜使用さ
れる。また、電荷輸送層は、一般式(I)で表わされる
含フッ素N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジ
ン誘導体は結合剤への溶解性が優れるので、該誘導体を
電荷輸送物質として単独で用いる場合には、上記の結合
剤を電荷輸送物質である該誘導体1重量部当り0.5〜
3重量部用いることができる。また、他の電荷輸送物質
を併用する場合、該電荷輸送物質が高分子化合物のとき
には、結合剤を用いなくてもよいが、該高分子化合物1
重量部に対して結合剤を3重量部以下で使用してもよ
い。3重量部を越えると電子写真特性が低下する傾向が
ある。また、上記電荷輸送物質として低分子化合物を併
用するときは、結合剤は一般式(I)の含フッ素N,
N,N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体及び
該低分子化合物の総量1重量部に対して通常0.5〜3
重量部使用される。0.5重量部未満では電荷輸送層の
形成が困難になることがあり、3重量部を越えると電子
写真特性が低下する傾向がある。その他上記可塑剤、添
加剤は上記電荷輸送物質1重量部に対して0.05重量
部以下で適宜使用される。電荷発生層の厚さは通常0.
01〜10μm、好ましくは0.1〜5μmとされる。
0.01μm未満では、電荷発生層を均一に形成するの
が困難になることがあり、10μmを越えると電子写真
特性が低下する傾向がある。また、電荷輸送層の厚さは
通常5〜50μm、好ましくは10〜35μmとされ
る。5μm未満では初期電位が低下しやすく、50μm
を越えると感度が低下する傾向がある。
【0061】しかし、いずれの場合も最終的には光感度
即ち帯電特性を損なわないように配慮して決定するのが
望ましい。光導電層の厚さがあまり厚くなりすぎると層
自体の可撓性が低下する恐れがあるので注意を要する。
【0062】本発明の電子写真感光体を、電荷発生層と
電荷輸送層をもつ二層(積層)構造とする場合、導電性
支持体の上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層
を形成したものが、電子写真 特性上好ましいが、電荷
発生層と電荷輸送層が逆になっていてもよい。導電性支
持体にはアルミニウム、真ちゅう、銅、金等の金属、金
属を蒸着したマイラーフイルムなどが用いられる。
【0063】導電性支持体上に電荷発生物質および電荷
輸送物質を含有する単一層、電荷発生層及び電荷輸送層
からなる二層を形成するには、各層の成分をアセトン、
メチルエチケトン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族
系溶剤、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,
1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶
剤等の溶剤に均一に溶解または分散させたのち、導電性
支持体上に塗布乾燥することができる。このうち、電荷
発生層または電荷輸送層が形成されたのち、その上に電
荷輸送層または電荷発生層を同様に塗布乾燥して二層
(積層)構造とすることができる。
【0064】塗布乾燥は、例えばアプリケータ塗工法、
浸漬塗工法、ドクターブレード塗工法等を用いて所定の
膜厚に塗工し、15分間自然乾燥させた後、50〜15
0℃で30〜90分間乾燥して行うことができる。
【0065】本発明に係る電子写真感光体は、さらに導
電性支持体と光導電層間に下引き層を有してもよい。該
下引き層には、熱可塑性樹脂を使用することが好まし
い。該熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、メ
ラミン樹脂、カゼイン、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ア
クリル酸共重合体樹脂などがあげられるが、ポリアミド
樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂としては、具体的に
は、トレジンMF30、トレジンF30、トレジンEF
30T(以下帝国化学産業(株)製ポリアミド樹脂の商
品名)、M−1276(日本リルサン(株)製ポリアミ
ド樹脂の商品名)等がある。
【0066】下引き層に含有されるこれらの樹脂は、単
独で又は2種類以上混合して用いてもよい。本発明にお
いて、ポリアミド樹脂を使用して下引き層を設ける場合
は、熱硬化性樹脂及び硬化剤をポリアミド樹脂と併用す
ることが好ましい。熱硬化性樹脂及び硬化剤の併用によ
って下引き層の耐溶剤性及び膜の強度は向上し、下引き
層の上に光導電層を設ける際に光導電層形成用溶液中の
溶媒等によるダメージを受けにくくなる。
【0067】熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂が使用でき通常の状態
で被膜を形成できる熱硬化性樹脂であれば特に制限はな
い。これらは熱可塑性樹脂に対して300重量%以下で
使用するのが好ましい。
【0068】硬化剤としては、例えば、トリメリット
酸、ピロメリツト酸などのカルボン酸や、カルボン酸を
有するアミドのオリゴマーなどがあげられる。これら
は、前記熱硬化性樹脂に対して20重量%以下で使用す
ることが好ましい。
【0069】下引き層を形成する方法としては、例え
ば、熱可塑性樹脂、必要に応じて使用される、熱硬化性
樹脂、硬化剤等をメタノール、エタノール、イソプロパ
ノールなどのアルコール溶剤と塩化メチレン、1,1,
2−トリクロロエタンなどのハロゲン系溶剤の混合溶剤
に均一に溶解し、これを導電性基体上に浸漬塗工法、ス
プレー塗工法、ロール塗工法、アプリケータ塗工法、ワ
イヤバー塗工法等の塗工法を用いて塗工し乾燥して形成
することができる。
【0070】下引き層の厚さは、0.01μm〜5.0
μmが好ましく、特に0.05μm〜2.0μmが好ま
しい。薄すぎると均一な電荷発生層が形成出来ず黒ポチ
や白ポチが発生する傾向がある。又厚すぎると残留電位
の蓄積が大きくなり、印字枚数が増加するに従い印字濃
度の低下が発生する傾向がある。本発明になる電子写真
感光体を用いた複写法は、従来と同様、表面に帯電、露
光を施した後、現像を行い、普通紙上に画像を転写し定
着すればよい。
【0071】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明は、これらに限定されるものではない。
【0072】実施例1〜5 τ型無金属フタロシアニン(東洋インキ社製)1重量
部、シリコン樹脂KR−5240(信越化学工業(株)
商品名、固形分15重量%)6.7重量部、テトラヒド
ロフラン38.1重量部を混合し、この混合液をボール
ミル(日本化学陶業製3寸ポットミル)を用いて8時間
混練した。得られた分散液をアプリケータによりアルミ
ニウム板(100mm×700mm、厚さ0.1mm)
上に塗布し、120℃で30分間乾燥して厚さ0.5μ
mの電荷発生層を形成した。
【0073】次に、下記第1表に示した一般式(I)で
表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テトラアリー
ルベンジジン誘導体1.2重量部とビフェノールZ型ポ
リカーボネート樹脂(三菱ガス化学(株)製、Z−20
0)1.8重量部を1,2−ジクロロエタン17gに溶
解して得られた塗布液をアプリケータにより上記基板の
電荷発生層上に塗布し、90℃で30分間乾燥して厚さ
18μmの電荷輸送層を形成して電子写真感光体を得
た。
【0074】前記実施例で得られた電子写真感光体の電
子写真特性を静電記録試験装置(川口電機株式会社製S
P−428)を用いて測定し、結果を表1に示した。な
お、表中の電位V0(−V)は、ダイナミック測定で−
5kVのコロナを10秒間放電したときの帯電電位を示
し、暗減衰(VK)はその後暗所において30秒間放置
したときの電位(V30)からの電位保持率〔(V30/V
0)×100%〕を示し、半減露光量(E50)は10l
uxの白色光で照射し、電位が半分になるまでの光量値
を示す。残留電位VRは10luxの白色光を30秒間
照射した後の電面電位を示す。
【0075】
【表1】
【0076】比較例1 実施例1におけるベンジジン誘導体の代わりに下記化合
物を用いたほかは、同様にして電子写真感光体を作成し
ようとしたところ、下記化合物は、塗布溶剤の1,2−
ジクロロエタンに完全には溶解せず、塗布液を調製する
ことができなかった。
【化40】
【0077】実施例6、7 実施例1と同様にして電荷発生層を形成した後、第2表
に示したベンジジン誘導体1.2重量部とビスフェノー
ルA型ポリカーボネート樹脂(GE社製、商品名レキサ
ン141)1.8重量部を塩化メチレン9重量部と1,
1,2−トリクロロエタン8重量部の混合溶剤に溶解し
て得られた塗布液をアプリケータにより上記の電荷発生
層上に塗布し、120℃で30分間乾燥して厚さ18μ
mの電荷輸送層を形成して電子写真感光体を得た。得ら
れた電子写真感光体の電子写真特性を実施例1と同様に
測定した。それらの結果を表2に示した。
【0078】
【表2】
【0079】実施例8〜10 実施例6のベンジジン誘導体(1.2重量部)とレキサ
ン141(1.8重量部)との配合比に代えて表3に示
すベンジジン誘導体及び配合比を用いて、実施例6と同
様にして電子写真感光体を作製した。得られた電子写真
感光体の電子写真特性の測定結果を表3に示した。
【0080】
【表3】
【0081】比較例2〜4 実施8〜10のベンジジン誘導体の代わりに、表4に示
したベンジジン誘導体を用いたほかは、実施例8〜10
と同様にして電子写真感光体を作製した。得られた電子
写真感光体の電子写真特性の測定結果を表4に示した。
【0082】
【表4】
【0083】実施例11及び比較例5 実施例9及び比較例3で作製した電子写真感光体の繰り
返し使用での特性変化を調べるため、実施例9及び比較
例3で作製した感光体を日立製作所製レーザビームプリ
ンターSL−2000改造機に装着して5,000枚複
写を行った後、SP428を用いて電子写真特性を測定
した。さらに、初期と5,000枚複写試験後に電子写
真学会テストチャートNo.=1−T(1975年版)を
複写して解像度を測定した。それらの結果を表5に示し
た。
【0084】
【表5】
【0085】実施例12,13及び比較例6 実施例1と同様にして電荷発生層を形成した後、表6に
示したベンジジン誘導体1.2重量部とビスフェノール
Z型ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学(株)製、商
品名Z−200)1.8重量部を塩化メチレン9重量部
と1,1,2−トリクロロエタン8重量部の混合溶剤に
溶解して得られた塗布液をアプリケータにより上記の電
荷発生層上に塗布し、120℃で30分間乾燥して厚さ
18μmの電荷輸送層を形成して電子写真感光体を得
た。得られた電子写真感光体の繰り返し使用での特性変
化を調べるため、実施例11及び比較例5と同様な測定
を行った。それらの結果を表6に示した。
【0086】
【表6】
【0087】実施例14〜19 実施例1と同様にして電荷発生層を形成した後、表7に
示したベンジジン誘導体1.2重量部とビスフェノール
A型ポリカーボネート樹脂(GE社製、商品名レキサン
141)1.8重量部を塩化メチレン8.5重量部と
1,2−ジクロロエタン8.5重量部の混合溶剤に溶解
して得られた塗布液をアプリケータにより上記の電荷発
生層上に塗布し、90℃で30分間乾燥して厚さ18μ
mの電荷輸送層を形成して電子写真感光体を得た。得ら
れた電子写真感光体の電子写真特性を実施例1と同様に
測定した。さらに、繰り返し使用での特性変化を調べる
ため、実施例11及び比較例5と同様な測定を行った。
それらの結果を表7に示した。
【0088】
【表7】
【0089】実施例20及び比較例7 実施例1と同様にして電荷発生層を形成した後、第8表
に示したベンジジン誘導体1.2重量部と飽和ポリエス
テル樹脂バイロン290(東洋紡(株)商品名)1.8
重量部を塩化メチレン8.5重量部と1,2−ジクロロ
エタン8.5重量部の混合溶剤に溶解して得られた塗布
液をアプリケータにより上記の電荷発生層上に塗布し、
90℃で30分間乾燥して厚さ18μmの電荷輸送層を
形成して電子写真感光体を得た。比較例7の電子写真感
光体は、電荷輸送層の塗膜作製時にベンジジン誘導体が
析出してしまい、均一な塗膜が得られなかった。得られ
た電子写真感光体の電子写真特性を実施例1と同様に測
定した。さらに、繰り返し使用での特性変化を調べるた
め、実施例11及び比較例5と同様な測定を行った。そ
れらの結果を表8に示した。
【0090】
【表8】
【0091】実施例21〜24 アルコール可溶ポリアミド樹脂M1276(日本リルサ
ン(株)商品名)2.66重量部、メラミン樹脂ML2
000(日立化成工業(株)商品名、固形分50重量
%)5.23重量部及び無水トリメリット酸(和光純薬
工業(株)製)0.28重量部をエタノール62重量部
と1,1,2−トリクロロエタン93重量部に溶解して
得られた塗布液を、浸漬塗工法によりアルミニウム板
(100mm×100mm、厚さ0.1mm)上に塗布
し、140℃で30分間乾燥して厚さ0.3μmの下引
き層を形成した。
【0092】次に、τ型無金属フタロシアニン(東洋イ
ンキ(株)製)3.6重量部、ポリビニルアセタール樹
脂KS−1(積水化学工業(株)商品名)2.4重量
部、テトラヒドロフラン35重量部及び1,2−ジクロ
ロエタン35重量部を混合し、この混合液を硬質ガラス
製ポット及びジルコニアボール(直径5mm、日本化学
陶業(株)製)を用いて6時間ボールミル混練した。得
られた混練液に、テトラヒドロフラン82重量部と1,
2−ジクロロエタン82重量部を加え、8時間超音波分
散した。得られた分散液を浸漬塗工により上記基板の下
引き層上に塗布し、140℃で30分間乾燥して厚さ
0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0093】次に、下記表9に示した一般式(I)で表
わされる含フッ素N,N,N′N′−テトラアリールベ
ンジジン誘導体8.4重量部と下記構造式で表わされる
テトラフェニル骨格含有ポリカーボネート樹脂TP−P
c(出光興産(株)製)12.6重量部を塩化メチレン
65重量部と1,2−ジクロロエタン65重量部に溶解
して得られた塗布液を浸漬塗工し、90℃で30分間乾
燥して厚さ18μmの電荷輸送層を形成して電子写真感
光体を得た。
【化41】 得られた電子写真感光体の電子写真特性を光減衰測定装
置シンシア30(緑屋電気(株)製)を用いて測定し、
その結果を表9に示した。
【0094】なお、表中の暗減衰(DDR5)は、−7
00Vに帯電した後、暗所において5秒間放置したとき
の電位(V5)から求めた電位保持率〔(V5/−70
0)×100%〕を示し、感度は、波長780nmの単
色光を照射した場合、表面電位(−700V)を露光
0.2秒後に半減させるのに要する照射エネルギーを示
す。また、残留電位(VR)は−700Vに帯電した
後、波長780nmで20mJ/m2のエネルギーのパ
ルス光を照射した場合の露光0.2秒後の電位を示す。
【0095】また、上記電子写真感光体の繰り返し使用
での特性変化を調べるため、感光体を日立製作所製レー
ザビームプリンターSL2000改造機に装着して5
0,000枚複写試験を行うとともに、帯電電位
(V0)、露光部の電位(VL)及びそれらの変動量(Δ
0、ΔVL)を測定した。さらに、初期及び50,00
0枚複写試験後に電子写真学会テストチャートNo.=1
−T(1975年版)を複写して解像度を測定した。そ
れらの結果を表9に示した。
【0096】
【表9】
【0097】比較例8及び9 実施例2のベンジジン誘導体の代わりに、表10に示し
たベンジジン誘導体を用いたほかは、実施例21と同様
にして電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感
光体の電子写真特性及び繰り返し使用時の特性変化を実
施例21と同様にして測定し、その結果を表10に示し
た。
【0098】
【表10】
【0099】実施例25〜27及び比較例10、11 実施例21と同様にして下引き層を形成した後、実施例
21の電荷発生層の結合剤をポリビニルアセタール樹脂
から飽和ポリエステル樹脂バイロン290(東洋紡
(株)商品名)とベンゾグアナミン樹脂ML351W
(日立化成工業(株)商品名、固形分60重量%)の混
合系(固形分混合比=9/1)に代えた分散液を浸漬塗
工により上記基板の下引き層上に塗布し、140℃で3
0分間乾燥して厚さ0.3μmの電荷発生層を形成し
た。次に、実施例21のベンジジン誘導体に代えて、表
11に示したベンジジン誘導体を用いたほかは、実施例
21と同様にして電子写真感光体を作製した。得られた
電子写真感光体の電子写真特性及び繰り返し使用時の特
性変化を実施例21と同様にして測定し、その結果を表
11に示した。
【0100】
【表11】
【0101】実施例28〜30及び比較例12、13 実施例21と同様にして下引き層を形成した後、実施例
21の電荷発生層のτ型無金属フタロシアニンを第1図
に示すようなX線回折パターンを有するβ型チタニルフ
タロシアニンに代えたほかは、実施例21と同様にして
調製した分散液を浸漬塗工により上記基板の下引き層上
に塗布し、140℃で30分間乾燥して厚さ0.2μm
の電荷発生層を形成した。次に、実施例21のベンジジ
ン誘導体に代えて、表12に示すベンジジン誘導体を用
いたほかは、実施例21と同様にして電子写真感光体を
作製した。得られた電子写真感光体の電子写真特性及び
繰り返し使用時の特性変化を実施例21と同様にして測
定し、その結果を表12に示した。
【0102】
【表12】
【0103】実施例31、32及び比較例14 実施例21と同様にして下引き層を形成した後、実施例
21の電荷発生層のτ型無金属フタロシアニンを第2図
に示すようなX線回折パターンを有するチタニルフタロ
シアニンに代えたほかは、実施例21と同様にして調製
した分散液を浸漬塗工により上記基板の下引き層上に塗
布し、140℃で30分間乾燥して厚さ0.2μmの電
荷発生層を形成した。次に、実施例21のベンジジン誘
導体に代えて、表13に示すベンジジン誘導体を用いた
ほかは、実施例21と同様にして電子写真感光体を作製
した。得られた電子写真感光体の電子写真特性及び繰り
返し使用時の特性変化を実施例21と同様にして測定
し、その結果を表13に示した。
【0104】
【表13】
【0105】実施例33、34及び比較例15 実施例28のベンジジン誘導体(8.4重量部)とテト
ラフェニル骨格含有ポリカーボネートTP−Pc(1
2.6重量部)との配合比に代えて、表14に示すベン
ジジン誘導体及び配合比を用いて、実施例28と同様に
して電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感光
体の電子写真特性及び繰り返し使用時の特性変化を実施
例21と同様にして測定し、その結果を表14に示し
た。
【0106】
【表14】
【0107】実施例35〜37及び比較例16 実施例21と同様にして下引き層及び電荷発生層を形成
した後、表15に示したベンジジン誘導体10.5重量
部とポリエステルカーボネート樹脂APE−50(バイ
エルジャパン商品名)10.5重量部を塩化メチレン6
5重量部と1,2−ジクロロメタン65重量部に溶解し
て得られた塗布液を浸漬塗工し、90℃で30分間乾燥
して厚さ18μmの電荷輸送層を形成して電子写真感光
体を得た。得られた電子写真感光体の電子写真特性及び
繰り返し使用時の特性変化を実施例21と同様にして測
定し、その結果を表15に示した。
【0108】
【表15】
【0109】実施例38〜40及び比較例17 実施例21と同様にして下引き層及び電荷発生層を形成
した後、表16に示したベンジジン誘導体10.5重量
部とビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂パンライ
トC−1400(帝人(株)商品名)10.5重量部を
塩化メチレン65重量部と1,2−ジクロロメタン65
重量部に溶解して得られた塗布液を浸漬塗工し、90℃
で30分間乾燥して厚さ18μmの電荷発生層を形成し
て電子写真感光体を得た。得られた電子写真感光体の電
子写真特性及び繰り返し使用時の特性変化を実施例21
と同様にして測定し、その結果を表16に示した。
【0110】
【表16】
【0111】製造例1 実施例4で用いた電荷輸送物質のN,N′−ビス(3−
トリフルオロメチルフェニル)−N,N′−ビス(4−
メトキシフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,
4′−ジアミン(例示化合物(I−4))の合成は以下
のようにして行った。
【0112】〔m−トリフルオロメチルアセトアニリド
の合成〕温度計、冷却器及び撹拌機装着1lガラス製丸
底フラスコにm−アミノベンゾトリフルオライド16
1.1g(1モル)及び氷酢酸220mlを仕込み、7
0℃迄昇温後、無水酢酸105ml(1.1モル)を2
時間かけて滴下し、更に1時間維持した。反応終了後、
内容物を減圧下で濃縮・乾燥してm−トリフルオロメチ
ルアセトアニリド201.1gを得た。収率99%、融
点103.6℃。
【0113】〔N−(3−トリフルオロメチルフェニ
ル)−p−アニシジンの合成〕温度計、冷却器及び撹拌
機装着500mlガラス製丸底フラスコにm−トリフル
オロメチルアセトアニリド101.6g(0.5モ
ル)、p−メトキシヨードベンゼン175.5g(0.
75モル)、炭酸カリウム103.8g(0.75モ
ル)及び銅粉末15gを仕込み、3時間かけて180℃
迄昇温し、ついで40時間かけて195℃迄徐々に昇温
した。
【0114】次に内容物を90℃に冷却後ジメチルスル
ホキシド100ml及び40%苛性カリ水溶液200m
lを加え、2時間かけて80℃迄昇温し、ついで4時間
かけて95℃迄徐々に昇温した。反応終了後、内容物を
冷却してトルエン500mlに注ぎ、30分間撹拌して
固形物を濾別し、トルエン層を10%芒硝水、水で洗浄
した。
【0115】最後に減圧下でトルエンを除去し、真空蒸
留により145℃/4Torrの留分を回収して目的の
N−(3−トリフルオロメチルフェニル)−p−アニシ
ジ88.2gを得た。収率66%、融点55.5℃。
【0116】〔例示化合物(I−4)の合成〕温度計、
分水器付凝縮器及び撹拌機装着300mlガラス製丸底
フラスコに98.6%の4,4′−ジヨードビフェニル
40.6g(0.1モル)、99.6%のN−3−トリ
フルオロメチルフェニル−p−アニシジン80.1g
(0.3モル)、炭酸カリウム20.7g(0.15モ
ル)及び銅粉末8gを仕込み、反応温度190〜200
℃で23時間維持した。その際、反応で生成する水は、
分水器により反応系外へ取り出した。
【0117】反応終了後、内容物をトルエン350ml
に希釈し、不溶解物を濾別して得られたトルエン溶液を
減圧下で濃縮して褐色の油状物を得た。次いで、褐色の
油状物にn−ヘキサンを注ぎ、析出した結晶物を濾別
後、酢酸エチル溶媒中で活性炭処理して減圧下で濃縮し
た。
【0118】更に、濃縮物をカラムクロマトグラフィー
(アルミナ/トルエン)で精製して得られた濃縮物をシ
クロヘキサンで再結晶を行って99.8%のN,N′−
ビス(3−トリフルオロメチルフェニル)−N,N′−
ビス(4−メトキシフェニル)−〔1,1′−ビフェニ
ル〕−4,4′−ジアミンの白色結晶34.7gを得た
(収率51.2%)。 融 点 133.7℃ 元素分析値(C40 H30 F6 N2 O2として計
算)
【0119】製造例2 実施例15で用いた電荷輸送物質のN,N′−ビス−
(4−メチルフェニル)−N,N′−ビス〔4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシフェニル)〕−〔1,
1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(例示化合物
(I−36))の合成は、以下のようにして行った。
【0120】〔例示化合物(I−36)の合成〕温度
計、分水器付き凝縮器及び撹拌機装着300mlガラス
製丸底フラスコに純度99.0%の4,4′−ジヨード
ビフェニル100ミリモル、純度99.8%のN−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−p−
トルイジン260ミリモル、炭酸カリウム20.7g及
び銅粉8gを仕込み、220〜240℃で8時間維持し
た。その際、反応で生成する水は、分水器により反応系
外へ取り出した。反応終了後、内容物をトルエン350
mlに希釈し、不溶解物を濾別し、得られたトルエン溶
液を減圧下で濃縮して褐色の油状物を得た。
【0121】次いで、褐色の油状物をカラムクロマトグ
ラフィー(アルミナ/シクロヘキサン)で精製し、濃縮
物をエタノール溶媒中で活性炭処理後、再結晶を行って
純度99.4%のN,N′−ビス(4−メチルフェニ
ル)−N,N′−ビス〔4−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシフェニル〕−〔1,1′−ビフェニル〕−
4,4′−ジアミンの白色結晶33.5gを得た(収率
46.8%)。 融 点 102−3℃ 元素分析値(C42 H34 F6 N2 O2として計
算)
【0122】製造例3 実施例16で用いた電荷輸送物質のN,N′−ビス(3
−メチルフェニル)−N,N′−ビス〔4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシフェニル)〕−〔1,1′−
ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(例示化合物(I−
37))の合成は、以下のようにして行った。
【0123】〔例示化合物(I−37)の合成〕温度
計、分水器付き凝縮器及び撹拌機装着300mlガラス
製丸底フラスコに純度99.0%の4,4′−ジヨード
ビフェニル100ミリモル、純度99.4%のN−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−m−
トルイジン260ミリモル、炭酸カリウム20.7g及
び銅粉8gを仕込み、210〜230℃で12時間維持
した。その際、反応で生成する水は、分水器により反応
系外へ取り出した。反応終了後、内容物をトルエン35
0mlに希釈し、不溶解物を濾別し、得られたトルエン
溶液を減圧下で濃縮して褐色の油状物を得た。
【0124】次いで、褐色の油状物をカラムクロマトグ
ラフィー(アルミナ/トルエン)で精製し、活性炭処理
後、エタノールで再結晶を行って純度98.8%のN,
N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ビス
〔4−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル〕
−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミンの白
色結晶31.7gを得た(収率43.9%)。 融 点 88.2℃ 元素分析値(C42 H34 F6 N2 O2として計
算)
【0125】製造例4 実施例17で用いた電荷輸送物質のN,N′−ジフェニ
ル−N,N′−ビス〔4−(2,2,2−トリフルオロ
エトキシフェニル)〕−〔1,1′−ビフェニル〕−
4,4′−ジアミン(例示化合物(I−56))の合成
は、以下のようにして行った。
【0126】〔例示化合物(I−56)の合成〕温度
計、分水器付き凝縮器及び撹拌機装着300mlガラス
製丸底フラスコに純度99.0%の4,4′−ジヨード
ビフェニル100ミリモル、純度99.7%のN−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−アニ
リン260ミリモル、炭酸カリウム20.7g及び銅粉
8gを仕込み、210〜230℃で10時間維持した。
その際、反応で生成する水は、分水器により反応系外へ
取り出した。反応終了後、内容物をトルエン350ml
に希釈し、不溶解物を濾別し、得られたトルエン溶液を
減圧下で濃縮して褐色の油状物を得た。
【0127】次いで、得られた油状物をメタノール−酢
酸エチル混合溶媒で再結晶を行って得られた黄色結晶物
をカラムクロマトグラフィー(アルミナ/トルエン)で
精製し、濃縮物をシクロヘキサン溶媒中で活性炭処理
後、最後にエタノール−酢酸エチル混合溶媒で再結晶を
行って純度99.6%のN,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス〔4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ
フェニル)〕−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−
ジアミンの白色結晶54.5gを得た(収率80.1
%)。 融 点 130.2℃ 元素分析値(C40 H30 F6 N2 O2として計
算)
【0128】なお、他の例で用いた電荷輸送物質も上記
に準じて合成した。
【0129】
【発明の効果】本発明の有機溶剤及び/又はポリカーボ
ネート樹脂等の結合剤への溶解性が極めて優れる新規な
化合物である含フッ素N,N,N′,N′−テトラアリ
ールベンジジン誘導体を用いた電子写真感光体は、高感
度、低残留電位、高耐久性等の優れた電子写真特性を有
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例28〜30及び比較例12、13におい
て、電荷発生物質として用いたβ型チタニルフタロシア
ニンのX線回折図。
【図2】実施例31、32及び比較例14において、電
荷発生物質として用いたチタニルフタロシアニンのX線
回折図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 靖 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立 化成工業株式会社 茨城研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/06 312

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされる含フッ素
    N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジン誘導体
    を含有することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 〔ただし、式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素
    原子、アルキル基、アルコキシ基、フルオロアルキル基
    またはフルオロアルコキシ基を表わし、R1及びR2のう
    ち少なくとも一方は、フルオロアルキル基又はフルオロ
    アルコキシ基であり、Ar1及びAr2は、それぞれ独立
    してR1、R2以外の置換基を有してもよいアリール基を
    表わす〕。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に、電荷発生物質及び電
    荷輸送物質を含む光導電層を設けた電子写真感光体であ
    って、前記電荷輸送物質が一般式(I)で表わされる含
    フッ素N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジン
    誘導体である請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 電荷発生物質及び電荷輸送物質がそれぞ
    れ別個の層に含まれる請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 導電性支持体と光導電層間に下引き層を
    設けた請求項2又は3記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 光導電層が一般式(I)で表わされる含
    フッ素N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジン
    誘導体及び一般式(II)又は(III)で表わされる
    分子量が20,000〜150,000のポリカーボネ
    ート樹脂を含有する請求項1記載の電子写真感光体。 【化2】 【化3】 〔ただし、式中、R3及びR4は、それぞれ独立して水素
    原子、アルキル基又はアリール基を表わし、R5、R6
    7、R8、R9、R10、R11及びR12はそれぞれ独立し
    て水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基
    を表わす。Zは、置換基を有してもよい炭素環又は置換
    基を有してもよい複素環を形成するのに必要な残基を表
    わす。〕
  6. 【請求項6】 光導電層が一般式(I)で表わされる含
    フッ素N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジン
    誘導体及び一般式(IV)で表わされる分子量が20,
    000〜120,000のポリカーボネート共重合体を
    含有する請求項1記載の電子写真感光体。 【化4】 〔ただし、式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8
    9、R10、R11 、R 12 及びZは、一般式(II)又は
    (III)におけると同義である。R13、R14、R15
    16、R17、R18、R19及びR20はそれぞれ独立して水
    素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表
    わす。共重合比率l/m=0.1〜10である。〕
  7. 【請求項7】 光導電層が一般式(I)で表わされる含
    フッ素N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジン
    誘導体及び一般式(V)又は(VI)で表わされる分子
    量が20,000〜120,000のポリエステルカー
    ボネートを含有する請求項1記載の電子写真感光体。 【化5】 【化6】 〔ただし、式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8
    9、R10、R11、R12及びZは、一般式(II)又は
    (III)におけると同義である。共重合比率l/m=
    1〜10である。〕
  8. 【請求項8】 電荷発生物質及び電荷輸送物質を含む光
    導電層を設けた電子写真感光体であって、前記電荷発生
    物質が下記一般式(VII)で表わされるフタロシアニ
    ン、かつ前記電荷輸送物質が一般式(I)で表わされる
    含フッ素N,N,N′,N′−テトラアリールベンジジ
    ン誘導体である請求項2記載の電子写真感光体。 【化7】 〔ただし、式中、Mは、H 2 はTiOを表わし、
    21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表わ
    す。k1、k2、k3及びk4は、それぞれ独立して1から
    4の整数を表わす。〕
  9. 【請求項9】 電荷発生物質及び電荷輸送物質がそれぞ
    れ別個の層に含まれる電子写真感光体であって、該電荷
    発生層が一般式(VII)で表わされるフタロシアニン
    とポリエステル樹脂を含み、かつ電荷輸送層が一般式
    (I)で表わされる含フッ素N,N,N′,N′−テト
    ラアリールベンジジン誘導体を含有する請求項3記載の
    電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 電荷発生物質及び電荷輸送物質がそれ
    ぞれ別個の層に含まれる電子写真感光体であって、該電
    荷発生層が一般式(VII)で表わされるフタロシアニ
    ンとポリビニルアセタール樹脂を含み、かつ電荷輸送層
    が一般式(I)で表わされる含フッ素N,N,N′,
    N′−テトラアリールベンジジン誘導体を含有する請求
    項3記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 電荷発生物質及び電荷輸送物質がそれ
    ぞれ別個の層に含まれる電子写真感光体であって、該電
    荷発生物質がX線回折図におけるブラッグ角(2θ±
    0.2度)が9.3度、10.6度、13.2度、1
    5.1度、15.7度、16.1度、20.8度、2
    3.3度、26.3度及び27.1度に強い回折ピーク
    を示すβ型チタニルフタロシアニン、かつ電荷輸送層が
    一般式(I)で表される含フッ素N,N,N′,N′−
    テトラアリールベンジジン誘導体及び一般式(II)又
    は(III)で表される分子量が20,000〜15
    0,000のポリカーボネート樹脂を含有する請求項3
    記載の電子写真感光体。
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