JP4911486B2 - 有機トランジスタ - Google Patents

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Description

本発明は、有機半導体を用いて形成された薄膜を有する有機トランジスタに関するものである。
電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)は、バイポーラトランジスタと並んで重要なスイッチング素子、増幅素子として広く利用されている。これまで、シリコンを用いたトランジスタなどが実用化され、広い範囲にわたって応用されている。電界効果トランジスタは、ソース電極とドレイン電極との間にある半導体層中のキャリアの輸送を、絶縁層を介したゲート電極を用いて制御することにより、その特性を示す。キャリアが、電子の場合をn型、正孔の場合をp型という(モノポーラ素子)。また、モノポーラ素子に対して、電子と正孔の両方のキャリアを輸送することができるものはバイポーラ素子と呼ばれる。
特にMOS(Metal Oxide Semiconductor)構造と呼ばれる金属酸化物を絶縁層に用いた素子は、論理ゲート素子、インバータ回路、メモリ素子等幅広く応用されている。中でも、シリコン上に二酸化ケイ素の熱酸化膜を有するMOS−FETが良く知られている。
Siに代表される無機半導体素子は、非常に複雑な製造工程を何度も繰り返すため、その作製には膨大なコストがかかる。また、製造時に高温で処理をする過程が含まれるため、フレキシブルなプラスチック基板を用いたり、有機物の半導体を用いることが困難である。それと比較して、有機トランジスタの場合には、プラスチック基板を用いた素子の作製も可能であるので、フレキシブルかつ軽量なトランジスタとして期待されている。
近年、有機EL、有機レーザー、有機太陽電池、有機トランジスタなどといった、有機材料を活性な層に用いるデバイスが注目を集めている。有機半導体材料を用いる利点として、さまざまな材料を設計することが可能であり、数多くの付加価値を付与できるなどという点が挙げられる。有機トランジスタを例にとると、これまでのSiプロセスでは必要不可欠であった高温処理を必要としないため、プラスチック基板上に作製することが可能であり、フレキシブル・軽量・壊れにくいなどといった付加価値を付与することができる。また、作製プロセスも非常に簡便することができ、材料の設計次第では、溶剤に可溶な半導体材料を得ることができる。それによって、スクリーン印刷やインクジェット印刷といった印刷法を応用することも可能になり、生産性・コストといった面で無機半導体に比べ非常に有利である。
電界効果トランジスタの動作特性は、絶縁層の静電容量、素子構成(チャネル長、チャネル幅)、半導体層のキャリア移動度が大きく関与している。有機半導体材料においては、高い移動度を持つ材料の開発が活発に行われている。また、経年変化に対する素子特性の劣化も問題となっており、安定性の高い有機半導体材料の開発も重要である。
特開2001−94107号公報 特開2002−198539号公報 Applied Physics Letters誌 2001年 78巻 228頁 Advanced Materials誌 1999年 11巻 480頁
本発明の目的は、無機半導体デバイスに比べて簡便なプロセスで素子を作製することが可能であり、かつ長時間安定したトランジスタ特性を示す有機トランジスタを提供することにある。
本発明は、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、及び有機半導体層を有するトランジスタにおいて、前記有機半導体層が、下記一般式[1]で表される化合物を含有することを特徴とする有機トランジスタに関する。
Figure 0004911486
(式中AとBは、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の複素環基、または置換もしくは未置換のアリール基を表す。)
また本発明は、AとBが、それぞれ独立に下記一般式[2]で表される上記有機トランジスタに関する。
Figure 0004911486
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、または置換もしくは未置換のアミノ基を表し、R〜Rの置換基同士が互いに結合してシクロアルキル環、複素環、または芳香族炭化水素環を形成しても良い。)
また本発明は、さらに、ゲート絶縁膜を有する上記有機トランジスタに関する。
本発明によれば、優れたON/OFF比と、高い経時安定性を併せ持つ有機トランジスタ素子を提供することができた。
本発明は、トランジスタの構成要素のうちの一つである有機半導体層が、一般式[1]で示される化合物を含有することを特徴とする。
Figure 0004911486
(式中AとBは、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の複素環基、または置換もしくは未置換のアリール基を表す。)
また本発明は、一般式[1]中のAとBがそれぞれ独立に下記一般式[2]で表される上記の有機トランジスタに関する。
Figure 0004911486
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、または置換もしくは未置換のアミノ基を表し、R〜Rの置換基同士が互いに結合してシクロアルキル環、複素環、または芳香族炭化水素環を形成しても良い。)
本発明における一般式[1]で示される化合物のAとBはそれぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の複素環基、または置換もしくは未置換のアリール基を表す。
本発明における一般式[2]で示される化合物のR〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、または置換もしくは未置換のアミノ基を表し、R〜Rの置換基同士が互いに結合してシクロアルキル環、複素環、または芳香族炭化水素環を形成しても良い。
本発明における置換もしくは未置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、2−フェニルイソプロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、α−フェノキシベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−メチルフェニルベンジル基、α,α−ジトリフルオロメチルベンジル基、トリフェニルメチル基、α−ベンジルオキシベンジル基等の鎖状又は分岐状のアルキル基がある。さらに、環状のアルキル基(シクロアルキル環)として、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基がある。
本発明における複素環基としては、単環複素環基もしくは縮合多環複素環基がある。
単環複素環基としては、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、イミダジアゾリル基等がある。
縮合多環複素環基としては、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナジニル基、ベンゾフリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ピラニル基等がある。その他の縮合多環基として、1−テトラリル基、2−テトラリル基、テトラヒドロキノリル基等がある。
アリール基としては、単環アリール基もしくは縮合多環アリール基がある。
単環アリール基としては、フェニル基がある。
縮合多環アリール基としては、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、フルオレニル基、アセナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、トリフェニレニル基等がある。
さらに、本発明において、複素環基またはアリール基としては、2つ以上の複素環基(単環複素環基もしくは縮合多環複素環基)および/またはアリール基(単環アリール基もしくは縮合多環アリール基)が、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子からなる群より選ばれる1種以上の原子を含む非芳香環構造単位を介して連結した基であってもよい。
炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子からなる群より選ばれる1種以上の原子を含む非芳香環構造単位は、2価以上であり、鎖状、分岐状または環状であり、芳香環(複素環基またはアリール基)を含まないものである。好ましくは、原子数1〜40個である。非芳香環構造単位を例示するならば、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、スルフィニル基などの他、アルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基などの残基が例示できる。
複素環基またはアリール基が直接ないしは非芳香環構造単位を介して連結する場合には、複素環基またはアリール基の数は2〜10個であり、それぞれの複素環基またはアリール基同士が2カ所以上で結合する場合もあり得る。さらには、複素環基またはアリール基は、少なくとも1つが縮合多環複素環基または縮合多環アリール基であってもよく、単環と縮合環との間の結合もありうる。
複素環基またはアリール基が有する置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基等が挙げられ、置換基同士が結合して環を形成していてもよい。
具体的には、2個以上の複素環基またはアリール基が直接結合した例としては、ビナフチル、ビキノリン、フラボン、フェニルトリアジン、ビスベンゾチアゾール、ビチオフェン、チエニルベンゼン、フェニルベンゾトリアゾール、フェニルベンズイミダゾール、フェニルアクリジン、ビス(ベンゾオキサゾリル)チオフェン、ビス(フェニルオキサゾリル)ベンゼン、ビフェニリルフェニルオキサジアゾール、ジフェニルベンゾキノン、ジフェニルイソベンゾフラン、ジフェニルピリジン、ジベンジル、ジフェニルフルオレンの骨格を有する残基が挙げられる。
また、2個以上の複素環基またはアリール基が非芳香環構造単位を介して結合した例としては、ジベンジルナフチルケトン、ジベンジリデンシクロヘキサノン、スチルベン、ジスチリルナフタレン、(フェニルエチル)ベンジルナフタレン、ジフェニルエーテル、ジメチルジフェニルアミン、ベンゾフェノン、安息香酸フェニル、ジフェニル尿素、ジフェニルスルフィド、ジフェニルスルホン、ジフェノキシビフェニル、ビス(フェノキシフェニル)スルホン、ジフェニルメタン、ビス(フェニルイソプロピル)ベンゼン、ビス(フェノキシフェニル)プロパン、ジフェニルヘキサフルオロプロパン、ジフェノキシベンゼン、エチレングリコールジフェニルエーテル、ネオペンチルグリコールジフェニルエーテル、ジピコリルアミン、ジピリジルアミン、トリフェニルアミンの骨格を有する残基が挙げられる。
また、縮合多環アリール基として好ましくは、炭素数10〜40個からなる縮合多環アリール基、または、少なくとも1つの炭素数10〜40個からなる縮合多環アリール基を含むアリール基2〜10個が直接連結した基である。その具体例は、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ペンタセン、ペリレン、アズレン、コロネン、ルビセン、デカシクレン、1,1−ビナフタレン、9,9−ビアントラセン等がある。
ハロゲン原子の具体例は、弗素、塩素、臭素、ヨウ素等がある。
置換もしくは未置換のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、1,1,1−テトラフルオロエトキシ基、ベンジルオキシ基等がある。
置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフトキシ基、ビナフチルオキシ基、メチルフェノキシ基、ジヘキシルフェノキシ基、ジフェニルアミノフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、シアノナフトキシ基、クロロアントラニルオキシ基などがある。
置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、チエニルオキシ基、フリルオキシ基、ピロールオキシ基、ビチエニルオキシ基、キノリルオキシ基、フェニルチエニルオキシ基、ピリジルオキシ基、チエノチエニルオキシ基などがある。
置換もしくは未置換のアミノ基としては、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基等がある。
また、置換基同士で、それぞれ互いに結合して、置換もしくは未置換の、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、フェニル環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環、フルオレン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピロリン環、ピラゾリン環、インドール環、キノリン環、キノキサリン環、キサンテン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントロリン環等を新たに形成しても良い。
本発明の一般式[1]の化合物の代表例を例示化合物(1)〜(59)として具体的に例示するが、これらに限られるものではない。なお、例示化合物中のMeはメチル基、Etはエチル基、Hexはヘキシル基を示す。
例示した化合物は、例えば、米国特許4579949により開示された合成法に従い合成できる。
本発明において、例えば、例示化合物(1)は以下のように合成した。
コハク酸ジメチル11.4g、3−クロロベンゾニトリル30.1g、ナトリウムブトキシド21.1gをアミルアルコール500gに溶解し、6時間還流させた。冷却した後、沈殿物をろ過し、酢酸、メタノールで洗浄することにより、例示化合物(1)を30.3g得た。
Figure 0004911486
Figure 0004911486
Figure 0004911486
Figure 0004911486
Figure 0004911486
一般式[1]で表される化合物を有機トランジスタ素子の活性層(有機半導体層)として用いることにより、経時変化に対して劣化の少ないトランジスタを提供することができる。当該活性層を使用できる有機トランジスタの具体的な構成および仕様は、公知の有機トランジスタのいずれもを使用することができる。
好適な構成としては、図1示すI〜Xの構成が挙げられる。
なお、図1中、Aはソース電極およびドレイン電極(2つの電極の一方がソース電極であり、もう一方がドレイン電極である。)、Bはゲート電極、Cは有機半導体層、Dはゲート絶縁膜、Eは基板を表す。図1中、II、IV、VI、VIIIは、基板がゲート電極を兼ねている例である。
一般式[1]で表される化合物を有機トランジスタ素子の活性層として利用するには、真空蒸着法によって基板上に成膜させることが望ましい。この際、基板を加熱しておくことにより特性を向上させることもできる。また、適切な有機溶媒に溶解させた溶液を用いて、スピンコート、ドロップキャスト、インクジェット法、スクリーン印刷法等によって基板上に成膜させることも可能である。
また、基板としてガラス基板やシリコン基板を用いることができるが、軽量・フレキシブルといった観点から、ポリエチレン、ポリエチレンテレフテレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン、ポリイミド、ボリカーボネート、セルローストリアセテートなどのプラスチックフィルムを用いることもできる。素子の構成によっては、基板そのものが電極を兼ねる場合がある。
本発明おいて、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されない。具体的には、金、白金、パラジウム、アルミニウム、インジウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、スズ、鉛、インジウム・スズ酸化物(ITO)、銀ペースト、カーボンペースト、グラファイト、グラッシーカーボン、リチウム、フッ化リチウム/アルミニウム積層、カルシウム/アルミニウム積層、シリコン、ルテニウム、マンガン、イットリウム、チタニウム等およびそれらの合金が用いられるが、これらに限定されるものではない。合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。合金の比率は、蒸着源の温度、雰囲気、真空度等により制御され、適切な比率に選択される。ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極は、必要があれば二層以上の層構成により形成されていても良い。さらには、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、PEDOT/PSSといった有機材料を用いた導電性電極を用いることもできる。
電極の作製方法としては、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれの方法を適用することができる。また、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成してもよい。
また、電極表面を自己集合単分子膜(self−assembled monolayer:SAM)を用いて表面修飾することにより、電極表面の表面エネルギーを低下させ、有機半導体材料の結晶成長、結晶配列、有機半導体材料と電極との塗れ性などを改善することができる。たとえば、金電極を用いた場合には、アルカンチオールなどを用いて表面修飾することが望ましい。
ゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、特に、比誘電率の高い無機酸化物が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられる。より好ましくは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
ゲート絶縁膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などのドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法などのウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤あるいは水に必要に応じて界面活性剤などの分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えばアルコキシ体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。
親水性のゲート絶縁膜は、様々な化学的表面処理を行うことにより、その性質を親水性から疎水性へと変化させることができる。これにより、ゲート絶縁膜と疎水性の有機半導体層の塗れ性などを大きく改善したり、半導体材料の結晶性を向上させることができる。また、リーク電流を少なくするといった効果も得られる。代表的な表面処理材料としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、オクチルトリクロロシラン(OTS)、7−オクテニルトリクロロシラン(VTS)、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FTS)、ベンジルトリクロロシラン(BTS)などのシラン系材料が好ましいが、これに限定されるものではない。
また、有機ゲート絶縁膜としては、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、シアノエチルプルラン、アクリロニトリルなどがある。また、それらの共重合体も同様に利用可能である。
以下実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
ゲート電極としての抵抗率0.02Ω・cmのSiウェハーに、熱酸化膜を形成してゲート絶縁層とした後、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を用いて表面処理を行った。真空蒸着法(真空度:2.2×10−6torr、蒸着速度:0.5Å/sec)により、例示化合物(7)を70nm積層させた。さらに、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着してソース電極およびドレイン電極を形成した。ソース電極およびドレイン電極の膜厚は300nmで、チャネル幅W=5mm、チャネル長L=20μmの有機トランジスタ素子1を作製した。
例示化合物(7)に代えて例示化合物(13)を用い、有機トランジスタ素子1と同様の方法で有機トランジスタ素子2を作製した。
例示化合物(7)に代えて例示化合物(59)を用い、有機トランジスタ素子1と同様の方法で有機トランジスタ素子3を作製した。
例示化合物(7)に代えて下記化合物Aを用い、有機トランジスタ素子1と同様の方法で有機トランジスタ素子4を作製した。
Figure 0004911486
以上のようにして作製した有機トランジスタ素子を用いて、大気下・40℃の条件においてトランジスタ素子を保管し、そのトランジスタ特性の経時変化を比較した。ソース電極とドレイン電極の間に−30Vの電圧を印加し、ゲート電極に20Vから−50Vの範囲で電圧を掃引させた際の、ソース電極とドレイン電極の間の最大電流値(ON電流)と最小電流値(OFF電流)の比をON/OFF比とした。それぞれの素子において、素子作成直後のON/OFF比を1としたときの、一日後、一週間後、一ヵ月後におけるON/OFF比の相対値を以下のとおりであった。
Figure 0004911486
表1に示す素子1〜3の他、上述の種々の化合物を用いた有機トランジスタ素子においても、素子1〜3と同様に優れたON/OFF比の相対値を示した。
従来までに知られている有機半導体材料は、大気下に放置した場合、その薄膜に対して酸素等のドーピング起こり、特性が低下することが知られている。しかし、本発明の半導体性材料を活性層に用いて作製した有機トランジスタ素子は、大気下においても経時に対して高い安定性を示すことがわかる。
本発明の有機トランジスタの構成の一実施態様を示す概念図である。
符号の説明
A ソース電極またはドレイン電極
B ゲート電極
C 有機半導体層
D ゲート絶縁膜
E 基板

Claims (3)

  1. ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、及び有機半導体層を有するトランジスタにおいて、前記有機半導体層が、下記一般式[1]で表される化合物を含有することを特徴とする有機トランジスタ。
    Figure 0004911486

    (式中AとBは、それぞれ独立に、フェニル基または置換フェニル基を表し、
    置換フェニル基が有する置換基は、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ナフチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、メチルチオ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基、およびビス(ジメチルアミノフェニル)アミノ基からなる群から選択され、置換基同士が互いに結合してシクロアルキル環、複素環、または芳香族炭化水素環を形成しても良い。
  2. AとBが、それぞれ独立に下記一般式[2]で表される請求項1記載の有機トランジスタ。
    Figure 0004911486

    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ナフチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、メチルチオ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基、またはビス(ジメチルアミノフェニル)アミノ基を表し、R〜Rの置換基同士が互いに結合してシクロアルキル環、複素環、または芳香族炭化水素環を形成しても良い。)
  3. さらに、ゲート絶縁膜を有する請求項1又は2記載の有機トランジスタ。
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