JP3639340B2 - Fm多重放送受信装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、FM多重放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
FM多重放送は、文字や図形情報や付加情報等をFM音声放送の電波の隙間に多重して新しいサービスを提供する放送システムである(特開平3−6926号公報参照)。このシステムは欧州のRDSや米国のRBDSで実用化されている。日本においても一部の放送局が1995年4月のサービス開始を目指して準備している。これにはニュース,天気予報,補完番組,音楽番組,交通情報や緊急放送などの表示情報があり、内容により分類されている。この選択は放送局から送られてくるメニューに基づき行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
FM多重放送の受信を開始する操作をしたとき、たとえFM放送を聞いていたとしても、その放送局がFM多重信号を送出しない放送局であったり、FM多重信号を送出しない時間帯であったときは当然ながらFM多重放送を受信することはできない。また、車両等により移動している場合で、受信状況が悪くて弱電界となるときは、FM多重放送を正しく受信することはできずに、情報を表示することはできないことがある。更に、複数の表示情報が送信される為に表示したい情報を即座に表示させることはできない。例えば、番組を選択するためのメニュー情報を表示しようとしても、他の番組を受信することによりメニューの表示が遅れる場合がある。
【0004】
以上のように、FM多重放送の受信を開始する操作をしても即座にFM多重情報を表示しないときがあり、このとき、操作者はいつFM多重情報が表示されるのか、あるいは、このまま待てばいずれFM多重情報が表示されるのかどうかわからないという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その第1の特徴は、FM変調された信号に含まれ1フレームが複数個のブロックで構成されるパケット形式の表示情報をブロック単位の少なくとも同期再生処理と誤り訂正処理を行ったのち、フレーム単位の少なくとも同期再生処理と誤り訂正処理を行うデータ復調回路を備えたFM多重放送受信装置において、前記データ復調回路により前記ブロック単位の処理が終了したときと前記フレーム単位の処理が終了したときの少なくとも一方のとき報知を行う報知手段と、該報知手段が報知したのち、前記データ復調回路によって前記各処理された前記表示情報を表示する表示手段とを備えたことである。
【0006】
第2の特徴は、前記データ復調回路が前記ブロック単位の処理が終了したとき第1の形態で報知を行い、その後、前記フレーム単位の処理が終了したときに第2の形態で報知を行う報知手段を備えたことである。
【0007】
【作用】
受信経過として、ブロック処理やフレーム処理の終了を報知する。また、表示しようとしている表示情報のブロック処理やフレーム処理の終了を報知する。
【0008】
【実施例】
本発明の実施例を図に基づき説明する。まず、本実施例において受信するFM多重放送信号の構成について説明する。本FM多重放送信号は郵政省告示第461号(平成6年8月25日付)に準拠する。
【0009】
FM多重放送の信号はパケット形式であり、1フレームは288ビット×272行(ブロック)のマトリクスで、図1に示す如く、データを伝送する190個のブロック(パケット)及び列方向のパリティを伝送する82個のパリティのブロック(パリティパケット)からなる。パリティパケットはブロック識別符号(BIC)とチェック符号(パリティ)とからなる(図2)。
【0010】
文字情報の種類を示す番組番号はパケットに含まれる。パケット中の番組番号の位置を図3に基づき説明する。(a)はパケットの構成を示し、番組番号はその中のデータパケットに含まれる。(b)はデータパケットの構成を示し、番組番号はその中のデータブロックに含まれる。データブロックは文字・図形の場合144ビットであり、付加情報の場合160ビットである。(c)は文字・図形用のデータグループの構成を示し、1又は複数のデータブロックからなる。何個のデータブロックからなるかは、各データグループ終了符号により判断できる。番組番号はデータブロックの中のデータグループデータに含まれる。尚、付加情報のデータグループの説明は省略する。(d)は番組データの構成を示し、1個のデータグループ中の1又は複数のデータグループデータからなる。先頭は番組管理データで、以降は1又は複数のページデータで構成される。番組番号は番組管理データ,ページデータいずれにも含まれる。(e)は番組管理データ及びページデータの構成を示し、番組番号は夫々番組データヘッダ,ページデータヘッダに含まれる。(f)は番組データヘッダ及びページデータヘッダの構成の先頭部を示し、番組番号はこの中にある。番組番号は8ビットであり、256種類の文字情報の内容を区別することができる。番組番号0がメニュー情報を示し、番組番号254が補完番号を示す。
【0011】
図4は実施例の要部を示すブロック図である。(1)はFM受信回路であり、FMフロントエンド(2),FM−IF検波器(3)とFMステレオ復調回路(4)とからなる。FMフロントエンド(2)はアンテナ(5)から受信した信号を増幅して高周波信号とし、高周波信号とPLL回路(6)からの発振信号を混合して中間周波数信号を出力する。FM−IF検波器(3)はFMフロントエンド(2)から出力される中間周波数信号に対してFM検波を行う。FMステレオ復調回路(4)はFM−IF検波器(3)より入力されたステレオ複合信号を用いてLチャンネル及びRチャンネル信号を再生し、各チャンネル信号を出力する。FMステレオ復調回路(4)から出力された信号は増幅回路(7)で増幅され、スピーカ(8)より音声となって出力される。
【0012】
(9)は多重信号検出回路であり、多重用フィルタ(10)とデータ復調回路(11)とからなる。多重用フィルタ(10)はFMフロントエンド(2)の出力信号から音声信号と雑音成分を取り除き、76kHzに多重されているLMSK(Level controlled Minimum Shift Keying)信号を抽出する。LMSKとは ステレオ音声信号の大きさに応じて多重信号の大きさをコントロールする変調方式である。データ復調回路(11)はLMSK信号を表示可能なデータ信号に復調するものである。多重用フィルタ(10)からの信号をブロック単位及びフレーム単位の処理により同期再生や誤り訂正を行う。ブロック単位の同期再生処理と誤り訂正処理が終了すると(これを以降、ブロックの同期がとれたという)、これを通知する信号を後述の制御回路(13)に送出する。フレーム単位の同期再生処理と誤り訂正処理が終了すると(これを以降、フレームの同期がとれたという)、これを通知する信号を後述の制御回路(13)に送出する。また、データ復調回路(11)は表示情報の内容を区別する番組番号を検出し、この信号を制御回路(13)に送出する。
【0013】
(12)は操作部であり、図5に示す如く複数のキーを有する。この中で、FM多重キー(K1)は他のモードからFM多重モードへの切り替え操作を行うキーであり、FM多重メニューキー(K2)はメニューの表示操作を行うキーであり、選択キー1〜6(K3〜K8)はメニューに表示される文字情報の番組指定を操作するキーである。(13)は制御回路であり、操作部(12)や多重信号検出回路(9)に基づき各部を制御する。(14)はROMであり、制御回路(13)を動作させるプログラムや初期値のデータ等(メニュー情報や各番組情報の番組番号、及び、特定番組とする番組番号等)を記憶する。(15)はRAMであり、制御回路(13)の動作に必要なデータを記憶する。(16)は液晶表示装置であり、FM多重放送のメニュー情報(図2の表示装置(16)の表示)や表示情報の文字あるいはAM/FM放送局の周波数あるいは時刻等を表示する。表示文字数はFM多重放送に準拠して15.5文字×2行以上である。
【0014】
上記の構成により実施例の動作を図に基づき説明する。図6は制御回路(13)の主要な動作を示すフローチャートである。装置の電源が入れられると、ROM(14)のプログラムに基づき制御回路(13)が起動する。このとき、RAM(15)にはメニュー情報や各番組情報の番組番号、及び、表示しようとする表示情報の番組番号等の初期値データがROM(14)より転送される。表示しようとする表示情報の番組番号とは、例えば、番組を選択させたい場合はメニューの番組番号0であり、放送中の音声と関係がある文字を表示させたい場合は補完番組の番組番号254である。
【0015】
TAPE等の他のモードからFM多重のモードに切り替えるために、FM多重キー(K1)が押されると(S1のY)、FM多重放送を受信開始したことを視覚的に報知するために1つのアスタリスク“*”を表示する(S2)。最初の1ブロックの同期が所定時間内に取れると(S3〜S5のN)、制御回路(13)はFM多重放送の信号をキャッチしたことを報知するために2つのアスタリスク“**”を表示する(S6)。1ブロックの同期が所定時間内に取れなかった場合は(S4のN,S5のY)、アスタリスクを全て消去して、“多重放送を受信していません”を表示して(S7)、ステップ1に戻る。ステップS6の次に、最初の1フレームの同期が取れると(S8)、FM多重放送を受信中であることを報知するために3つのアスタリスク“***”を表示する(S9)。受信した1パケット毎に番組番号を調べ、この番組番号がRAM(15)に記憶している表示したい番組番号と一致するか否かを調べる(S10)。一致するまで受信を続け(S10のN)、一致したら(S10のY)、表示したい情報の検出や情報の表示が間近であることを報知するために4つのアスタリスク“****”を表示する(S11)。そして、表示したい情報を全て受信すると(S12のY)、これを表示する(S13)。例えば、表示したい番組として補完番組を指定していれば放送中の音声に密接な文字情報の受信経過の報知と表示を行うことができ、また、メニューを指定していれば使用者に番組の選択を可能にさせる文字情報の受信経過の報知と表示を行うことができる。
【0016】
このように、▲1▼FM多重モードへの切替操作により、FM多重放送を受信開始したこと、▲2▼最初の信号の確認をすることにより、FM多重放送の信号をキャッチしたこと、▲3▼途中の信号の確認をすることにより、受信中であること、▲4▼複数の表示情報がある中で表示しようとする情報を確認することにより、表示間近であることを段階的に報知する。
【0017】
尚、実施例ではアスタリスク“*”の表示数で受信状況のレベルを報知したが、言葉を表す文字でもよい。また、報知手段は液晶表示装置でなく複数のLEDでもよい。さらに、視覚で無く音声合成等の聴覚による報知手段を使用してもよい。受信機が車載用として使用される場合は、聴覚による報知は交通安全上好ましいものである。
【0018】
また、本実施例では最初のフレームの同期時に受信中であることを報知したが、カウンタやタイマを併用して複数フレーム後の同期に報知してもよい。
【0019】
【発明の効果】
前述の理由により、FM多重放送の受信を開始する操作をしても即座にFM多重情報を表示しないときがある。このとき、受信が進行しているか否かを報知することにより、受信可能な場合は使用者に安心感を与え、受信不可能な場合は使用者にこのまま待っても受信できないことを知らせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】FM多重放送の1フレームの構造を示す図である。
【図2】FM多重放送のパリティパケットの構造を示す図である。
【図3】FM多重放送のパケット中の番組番号を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図5】実施例の表示装置と操作部を示す図である。
【図6】本発明の実施例の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 FW受信回路
8 スピーカ
9 多重信号検出回路
11 データ復調回路
12 操作部
13 制御回路
15 RAM
16 表示装置
K2 メニューキー
Claims (2)
- FM変調された信号に含まれ1フレームが複数個のブロックで構成されるパケット形式の表示情報をブロック単位の少なくとも同期再生処理と誤り訂正処理を行ったのち、フレーム単位の少なくとも同期再生処理と誤り訂正処理を行うデータ復調回路を備えたFM多重放送受信装置において、
前記データ復調回路により前記ブロック単位の処理が終了したときと前記フレーム単位の処理が終了したときの少なくとも一方のとき報知を行う報知手段と、該報知手段が報知したのち、前記データ復調回路によって前記各処理された前記表示情報を表示する表示手段とを備えたことを特徴とするFM多重放送受信装置。 - FM変調された信号に含まれ1フレームが複数個のブロックで構成されるパケット形式の表示情報をブロック単位の少なくとも同期再生処理と誤り訂正処理を行ったのち、フレーム単位の少なくとも同期再生処理と誤り訂正処理を行うデータ復調回路を備えたFM多重放送受信装置において、
前記データ復調回路が前記ブロック単位の処理が終了したとき第1の形態で報知を行い、その後、前記フレーム単位の処理が終了したときに第2の形態で報知を行う報知手段を備えたことを特徴とするFM多重放送受信装置。
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