JP2014056126A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 結晶性ポリエステルの軟化点と含有量、及びトナーの粒度分布を最適化して、高速印刷における低温定着および高精細画像の形成を可能にする。
【解決手段】
高速印刷における低温定着を実現するために、結着樹脂、着色剤およびワックスを含むトナー組成物を溶融混練後、粉砕、分級して製造されるトナーを使用する。結着樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂よりなる。結晶性ポリエステル樹脂は、軟化点が85〜120℃の範囲にあり、結着樹脂100重量部に対して5〜30重量%含有する。トナーは、体積中位粒径(D50)が5.5〜7.5μmであり、3μm以下、4μm以下、5μm以下のそれぞれの粒径を有するトナー粒子の含有率を所定の個数%%以下とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば複写機などの電子写真方式の画像形成装置に関する。
近年、定着装置においては、定着ローラと加熱ローラとの間に定着ベルトを掛け渡し、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラを圧接させた構成のベルト定着方式が使用されるようになってきた。このベルト定着装置では、熱容量が小さい定着ベルトを加熱するため、ウォームアップ時間が短くなり、また定着ローラにハロゲンランプ等の熱源を内蔵する必要がないので、スポンジゴム等からなる低硬度の弾性層を厚く設けることができ、広いニップ幅を確保することができる。
しかし、ニップ幅が広いベルト定着方式においても、面圧が低くなることでオフセット現象を生じやすいという問題があり、ベルト定着方式だけで定着性と高速化を全て解決できるわけではない。このため、トナー自体の定着性についても、様々な検討がなされており、例えば、特許文献1には、結着樹脂として軟化点が低い結晶性ポリエステルを含有したトナーが開示されている。
特許文献1の電子写真用トナーは、樹脂Aの結晶性ポリエステルと樹脂Bの非晶性ポリエステルとを主成分とする結着樹脂を含有している。また、樹脂Bの非晶性ポリエステルの単量体として、芳香族化合物を50重量%以上、好ましくは60〜95重量%含有したものを用いる。これにより、樹脂Aの結晶性ポリエステルと樹脂Bの非晶性ポリエステルの基本骨格が異なるため、トナー製造時の混練りの際にも、樹脂Aと樹脂Bとが互いに相溶することなく、樹脂Aの結晶性ポリエステルの低温溶融性を維持することができる。
特開2001−222138号公報
しかしながら、特許文献1の電子写真用トナーは、結晶性ポリエステルの含有により低温定着性を向上することができるが、トナー製造時の混練りの際に、結晶性ポリエステルの結晶性が壊れやすく、結晶性が壊れると耐久性のない軟質な樹脂となってしまう。そして、このような混錬物を粉砕すると、劈開した表面に軟質化した樹脂が露出するため、トナーの耐久性や保存性が低下し、流動性も低下するので画質が劣化する問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、高速印刷における低温定着が可能であり、高精細の画像を形成できる画像形成装置を提供する。
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、定着ローラと、加熱部材と、定着ローラ及び前記加熱部材の外周に巻回された無端状の定着ベルトと、定着ベルトを介して定着ローラと対向する加圧ローラとを有する定着手段を備えた画像形成装置であって、定着手段のプロセス速度が200〜600mm/secであり、少なくとも結着樹脂、着色剤およびワックスを含むトナー組成物を溶融混練後、粉砕、分級して製造されるトナーを使用し、結着樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂よりなり、結晶性ポリエステル樹脂は、軟化点が85〜120℃の範囲にあり、結着樹脂100重量部に対して5〜30重量%含有してなり、トナーは、体積中位粒径(D50)が5.5〜7.5μmであり、3μm以下の粒径を有するトナー粒子の含有率が1.5〜10個数%、4μm以下の粒径を有するトナー粒子の含有率が5〜30個数%、5μm以下の粒径を有するトナー粒子の含有率が15〜55個数%、10μm以上の粒径を有するトナー粒子の含有率が1.5個数%以下である粒度分布を有することを特徴とする。
また、結晶性ポリエステル樹脂は、α、ω−直鎖アルカンジオールよりなるアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸よりなる酸成分より合成されることを特徴とする。
また、非晶性ポリエステル樹脂は、120〜155℃の軟化点を有することを特徴とする。
また、非晶性ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物よりなるアルコール成分と酸成分より合成されることを特徴とする。
また、非晶性ポリエステル樹脂において、少なくともトリメリット酸、若しくは無水トリメリット酸よりなる酸成分より合成され、且つ、THF不溶分を含有することを特徴とする。
また、トナーは、軟化点が50℃以上100℃以下のワックスを含み、ワックスの酸価が2.0mgKOH/g未満、水酸基価が5.0mgKOH/g未満であることを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、高速印刷における低温定着が可能であり、高精細の画像を形成できる画像形成装置を提供することができる。
画像形成装置に備えられた定着手段である定着ユニットの構成を示す軸方向の断面図である。
本発明は、結晶性ポリエステルの粒径が小さいと混錬時に結晶性が壊れやすく、トナーを小粒径化するほど軟質化した樹脂の露出が増加する傾向があることを見出し、結晶性ポリエステルを含有するトナーの粒度分布において、小粒径の粒子が含まれる割合を減らすことにより、ベルト定着方式による高速印刷と低温定着を可能にした画像形成装置を実現するものである。
本発明の一実施形態について図1及び表1〜表10に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態は、一般的な画像形成装置と同様に、光学系ユニット、4組の可視像形成ユニット、中間転写ベルト、二次転写ユニット、定着ユニット、内部給紙ユニット及び手差し給紙ユニットを備えており、定着ユニットについては高速化に対応したベルト定着方式を採用した。以下、画像形成工程における一般的な説明は省略し、本発明の画像形成装置における定着ユニットと特徴的構成となるトナーについて詳細に説明する。
(定着ユニット)
図1は画像形成装置に備えられた定着手段である定着ユニットの構成を示す軸方向の断面図である。。定着ユニット15は、記録紙Pの表面に形成された未定着のトナー画像を、熱及び圧力によって記録紙P上に定着させるものである。なお、この未定着のトナー画像は、例えば、非磁性トナーからなる非磁性一成分現像剤、非磁性トナーとキャリアからなる非磁性二成分現像剤、磁性トナーからなる磁性現像剤等の現像剤によって形成される。
図1に示すように、定着ユニット15は、面状発熱ベルト定着方式であり、定着ローラ30と、加圧ローラ31と、無端状の定着ベルト32と、定着ベルト32を懸架し加熱するための加熱部材33と、加圧ローラ31を熱するための熱源であるヒータランプ34と、定着ベルト32、加圧ローラ31各々の温度を検出する温度検出手段を構成する温度センサとしてのサーミスタ35A、35Bとを備えている。
定着ローラ30及び加圧ローラ31は、所定の荷重(例えば216N)で互いに圧接されて、両ローラ間に定着ローラと加圧ローラとが互いに当接する定着ニップ部Nを形成している。なお、以下に説明する、本願の実施例では、定着ニップ部Nの記録紙搬送方向のニップ幅を7mmとしている。
この定着ニップ部Nに未定着トナー画像が形成された記録紙を給紙し、定着ニップ部Nを通過させることで、記録紙Pにトナー画像が定着される。記録紙Pが定着ニップ部Nを通過する時には、定着ベルト32は記録紙Pのトナー画像形成面に当接する一方、加圧ローラ31は記録紙Pにおけるトナー画像形成面とは反対側の面に当接するようになっている。
定着ローラ30は、定着ベルト32を介して、加圧ローラ31に圧接することで定着ニップ部Nを形成すると同時に、回転駆動することにより定着ベルト32を搬送する。定着ローラ30としては、例えば、内側から順に芯金30a、弾性層30bが形成された2層構造のものを用いることができる。芯金30aには、例えば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属或いはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層30bにはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適している。なお、本実施例では、定着ローラ30は、直径が30mmで、芯金30aに直径15mmのステンレス鋼、弾性層30bに厚さ7.5mmのシリコンスポンジゴムを用いている。
加圧ローラ31としては、例えば、内側から順に芯金31a、弾性層31b、離型層31cが形成された3層構造のものを用いることができる。芯金31aには、例えば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属或いはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層31bにはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料等が用いられる。
また、離型層31cには、PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が適している。なお、本実施例では、加圧ローラ31は、直径は30mmで、芯金31aに直径24mm、肉厚2mmの鉄(STKM)、弾性層31bに厚さ3mmのシリコンソリッドゴム、離型層31cに厚さ30μmのPFAチューブを用いている。
また、加圧ローラ31の内部には、加圧ローラ31を加熱するヒータランプ34が配置されている。ヒータランプ34に図示しない電源回路および制御回路により電力を供給することにより、ヒータランプ34が発光し、ヒータランプ34から赤外線が放射される。これにより、加圧ローラ31の内周面が赤外線を吸収して加熱され、加圧ローラ31全体が加熱される。なお、本実施例では、定格電力400Wのヒータランプ34を使用している。
定着ベルト32は、加熱部材33によって所定の温度に加熱され、定着ニップ部Nを通過する未定着トナー画像が形成された記録紙Pを加熱するためのものである。本実施例では、定着ベルト32は、直径45mmで加熱部材33と定着ローラ30によって懸架され、定着ローラ30に所定の角度θで巻きかかっている。この角度θは、定着ベルト32が定着ローラ30と接触している部分の角度であり、定着ベルト32が定着ローラ30の表面から離れる両ポイントそれぞれに定着ローラ30の回転中心より延ばした2本の線分の成す角度である。
定着ベルト32は、定着ローラ30の回転時には、定着ローラ30に従動して回転するようになっている。定着ベルト32としては、例えば、特に図示してはいないが、ポリイミド等の耐熱樹脂或いはステンレスやニッケル等の金属材料からなる中空円筒状の基材の表面に、弾性層として耐熱性及び弾性に優れたエラストマー材料(例えばシリコンゴム)が形成され、さらにその表面に離型層として耐熱性及び離型性に優れた合成樹脂材料(例えばPFAやPTFE等のフッ素樹脂)が形成された3層構成のものを用いることができる。エラストマー材料及び離型層は、定着ベルト32の外周側に形成される。さらに、基材にポリイミド等の耐熱樹脂を用いる場合、フッ素樹脂を内添することがより好ましい。こうすることで、加熱部材33との摺動負荷をさらに低減することができる。本実施例の定着ベルト32は、基材に厚さ70μmのポリイミド、弾性層に厚さ150μmのシリコンゴム、離型層に厚さ30μmのPFAチューブを用いており、θ=185°である。
加熱部材33は、定着ベルト32と接して、定着ベルト32を所定の温度に加熱するものであり、抵抗発熱体42を有している。また、図1に示すように、定着ベルト32、加圧ローラ31の各々の周面には、温度検知手段としてのサーミスタ35A、35Bが配設されており、それぞれの表面温度を検出するようになっている。そして、各サーミスタ35A、35Bにより検出された温度データに基づいて、温度制御手段としての制御回路(図示せず)が、定着ベルト32、加圧ローラ31の表面温度を所定の温度にするように、加熱部材33の抵抗発熱体42及びヒータランプ34への供給電力を制御する。なお、本実施例ではサーミスタ35Aは非接触式、サーミスタ35Bは接触式サーミスタを用いている。
また、加熱部材33における基材40は、その両側のジャーナル部(図示せず)が定着ユニット15のサイドフレーム(図示せず)に固定されている。これにより、加熱部材33は、定着ベルト32との摩擦力で回転しない構成となっている。
次に、上記構成を有する定着ユニット15の動作と効果について記載する。定着ユニット15は、定着ニップ部Nに所定の定着速度及び複写速度で未定着トナー像が形成された記録紙が搬送され、熱と圧力によって定着が行われる。なお、定着速度とはプロセス速度のことであり、定着ベルトの送り速度に相当する。また、複写速度とは1分あたりのコピー枚数のことである。印刷速度の高速化に対応するため定着手段のプロセス速度は200mm/sec以上であることが好ましい。また、プロセス速度は600mm/sec以下であることが好ましい。600mm/secよりも速いと定着ベルトへの熱供給が不十分になったりベルトに蛇行が生じたりするので良好な定着が行えない。
定着ローラ30は、図示しない駆動手段である駆動モータ等によって回転駆動される。また、定着ベルト32及び加圧ローラ31は、定着ローラ30の回転に従動して回転する。したがって、定着ベルト32及び加圧ローラ31は、図1に示すように、逆方向に回転される。これにより、記録紙Pが定着ニップ部Nを通過する。
加熱部材33で発生した熱は、アルミ製パイプよりなる基材40を介して定着ベルト32に伝わるため、抵抗発熱体42のパターン形状に起因する過熱ムラが、基材40により抑制される。
また、基材40の外周面には、PTFEよりなるコート層46が設けられているので、加熱部材33と定着ベルト32との間の摩擦係数が抑制されスムーズに摺動することができる。さらに、基材が樹脂よりなる定着ベルト32であれば、樹脂の基材にフッ素樹脂を内添することで、加熱部材33と定着ベルト32とを、より一層スムーズに摺動することができる。
また、アルミ製パイプよりなる基材40により、抵抗発熱体42における長手方向の熱伝導性も向上するため、小サイズ紙を連続通紙した場合の非通紙部昇温も抑制される。また、基材40は、通紙部分における定着ベルトとの非接触領域、つまり、基材40中で定着ベルト32の加熱に寄与しない領域が切除されており、軸方向断面が円弧状をなす部分に、抵抗発熱体42が形成されている構成としているので、基材40の熱容量が低減され、ウォームアップ時間の短縮や温度追従性の改善、消費電力の削減が可能となる。
(トナー及び現像剤)
本発明のトナーは、少なくとも結晶性ポリエステルを含有する結着樹脂、着色剤およびワックスを含むトナー組成物を溶融混練後、粉砕、分級して製造されるトナーである。
結晶性ポリエステル樹脂は、そのシャープメルト特性から低温定着性に優位に働くが、混錬で結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が崩れ、結晶性が崩れた樹脂部分は、ガラス転移温度Tgが極端に低いものとなり、樹脂が軟質化する。そのため、粉砕時に結晶性が崩れ軟質化した樹脂部分に沿って劈開し、トナー粒子表面に軟質化した樹脂部分が露出することになる。トナーを小粒径化するほど軟質化した樹脂部分の露出が増加し、保存性や耐久性の低いトナーとなる。また、外添剤の保持も十分になされないためトナーの凝集が起こり流動性の低いトナーとなる。しかしながら、高精細な画像を実現するためにはトナーの小粒径化は必要であり、低温定着性の改善のためには結晶性ポリエステルを含有させることも有用である。
そこで、本発明では、結晶性ポリエステルの軟化点と含有量、及びトナーの粒度分布について検討し、高精細な画像を実現するため、低温定着性に優れ、保存性や耐久性及び流動性に優れるトナーを提供できる本発明を見出した。
本発明は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂よりなる結着樹脂と、着色剤およびワックスを含むトナー組成物を溶融混練後、粉砕、分級して製造されるトナーであって、トナーの体積中位粒径(D50)が5.5〜7.5μmであり、3μm以下、4μm以下および5μm以下の粒径を有するトナー粒子の含有率がそれぞれ1.5〜10個数%、5〜30個数%および15〜55個数%であり、かつ10μmより大きい粒径を有するトナー粒子の含有率が1.5個数%以下である粒度分布を有する。この粒度分布を達成することにより精細な高画質画像を形成することが可能となる。
粒度分布において、3μm以下、4μm以下および5μm以下の粒径を有するトナー粒子の含有率(個数%:全個数を100とした割合)が、それぞれ10個数%、30個数%および55個数%を超えると、結晶性が崩れ、軟質化した樹脂部分の露出が多くなり、保存性や耐久性及び流動性が悪化する。また、同粒度分布において、それぞれ1.5個数%、5個数%および15個数%未満であると小粒径トナーが少なすぎるため高精細な画像を実現することができない。また、トナー粒子の体積中位粒径(D50)が5.5μmより小さくなると、粉砕において結晶性が崩れ、軟質化した樹脂部分の露出が多くなり、保存性や耐久性及び流動性が悪化する。体積中位粒径(D50)が7.5μmより大きくなると高精細な画像形成が困難となる。
(非晶性ポリエステル樹脂)
非晶性ポリエステル樹脂は、公知の多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を含む単量体を縮重合させることにより得られる。
2価アルコール成分としては、例えばポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス4−ヒドロキシフェニルプロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス4−ヒドロキシフェニルプロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス4−ヒドロキシフェニルプロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス4−ヒドロキシフェニルプロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのプロピレン付加物、ビスフェノールAのエチレン付加物、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
酸成分としては、2価のカルボン酸成分および3価以上のカルボン酸成分などが挙げられる。2価のカルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、およびこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキルエステル等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラメチレンカルボキシルメタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸およびこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸またはその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。
本発明の非晶性ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物よりなるアルコール成分と酸成分より合成されることが好ましい。ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス4−ヒドロキシフェニルプロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス4−ヒドロキシフェニルプロパンがより好ましい。
本発明の非晶性ポリエステル樹脂は、酸成分に少なくともトリメリット酸、若しくは無水トリメリット酸を含むことが好ましい。また、前記非晶性ポリエステル樹脂が、100〜155℃の軟化点を有する非晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。特に、90〜120℃の軟化点を有する結晶性ポリエステルを5〜30重量%含有させて使用する場合は、120〜155℃の軟化点を有する非晶性ポリエステル樹脂であることがより好ましい。非晶性ポリエステル樹脂の軟化点が120℃よりも低いとトナーの耐オフセット性や保存性に問題が生じる。また、軟化点が155℃よりも高いと低温定着性を確保することができない。
特に、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物をアルコール成分として、カルボン酸成分と縮重合させて製造した非晶性ポリエステルに、α,ω−直鎖アルカンジオールをアルコール成分として、カルボン酸成分と縮重合させて製造した結晶性ポリエステルを含ませた場合、相溶性の関係からの結晶性ポリエステルの結晶性が保持されやすくなり結晶性ポリエステルのシャープメルト特性が顕著に表われ低温定着性に優位に働く。
また、非晶性ポリエステルにおいて、酸成分に少なくともトリメリット酸を含ませて製造した非晶性ポリエステルを含有させることにより、非晶性ポリエステルに分子量が107以上の超高分子量成分を含ませることができる。この超高分子量成分は、混錬により分子量が105〜107の範囲に低分子量化されるが、耐オフセット性の改善効果を発揮する。この非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルの組み合わせによりトナーとして保存性・耐久性の改善効果も認められる。
(結晶性ポリエステル樹脂)
本発明において、結晶性ポリエステル樹脂とは、高化式フローテスター((株)島津製作所製、CFT−500D)を用いて測定された軟化点と、示差走査熱量測定(セイコー電子工業社製、DSC210)によって測定された最大吸熱ピーク(軟化点)のピーク温度との比(軟化点/融解熱の最大ピーク温度)が0.8以上1.2以下であるポリエステル樹脂をいう。また、非晶性ポリエステル樹脂とは、軟化点と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化点/融解熱の最大ピーク温度)が1.2より大きいポリエステル樹脂をいう。
結晶性ポリエステルは、α,ω−直鎖アルカンジオールを含有したアルコール成分として、脂肪族ジカルボン酸化合物を含有したカルボン酸成分と縮重合させて得られたポリエステルであることが好ましい。この組み合わせで製造した結晶性ポリエステルは結晶性が良好であり、特に、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物をアルコール成分として、カルボン酸成分と縮重合させて製造した非晶性ポリエステルに含有させて使用することで、混錬においても相溶性の観点から結晶性が保持されやすく、トナーの保存性や耐久性の改善が図れる。
α,ω−直鎖アルカンジオールとしては、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられ、なかでも炭素数2〜8のジオールが好ましく、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールがより好ましい。α,ω−直鎖アルカンジオールの含有量は、アルコール成分中、90〜100モル%が好ましく、95〜100モル%がより好ましい。
肪族ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中では、炭素数2〜8のジカルボン酸化合物が好ましく、フマル酸がより好ましい。なお、脂肪族ジカルボン化合物とは、前記の如く、脂肪族ジカルボン酸、その無水物及びそのアルキル(炭素数1〜3)エステルを指すが、これらの中では、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。芳香族事カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの無水物が好ましい。脂肪族ジカルボン酸化合物、又は芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、90〜100モル%が好ましく、95〜100モル%がより好ましい。
結晶性ポリエステルは、例えばアルコール成分とカルボン酸成分を、不活性ガス雰囲気中にて、好ましくは120〜230℃の温度で反応させること等により得ることができる。この反応において、必要に応じて公知のエステル化触媒や重合禁止剤を用いてもよい。又、重合反応の後半に反応系を減圧することにより、反応を促進させてもよい。アルコール成分とカルボン酸成分を反応させる際のモル比は、アルコール成分/カルボン酸成分が50/50〜60/40であることが好ましく、50/50〜55/45であることが更に好ましい。
本発明の結晶性ポリエステルは85〜120℃の軟化点を有する。軟化点が85℃未満の結晶性ポリエステルは製造が困難であり、粉砕時にトナー表面に露出した結晶性ポリエステルがトナーの保存性、あるいは凝集性を悪化させる。また、本発明における発色性の改善効果が顕著に認められなくなる。軟化点が120℃を超えると低温定着性の改善効果が認められなくなる。
また、本発明の結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルよりなる結着樹脂において、結晶性ポリエステルは結着樹脂100重量部に対して5〜30重量%で含有させることが好ましい。5重量%未満であると結晶性ポリエステルによる低温定着性の改善効果が認められない。30重量%を超えるとトナー粒子内での結晶性ポリエステルの分散性が低下し耐高温オフセット性が悪化する。また、トナーの保存性、凝集性あるいは発色性の改善効果にも問題が生じる。
(着色剤)
着色剤として、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、ブラックトナー用着色剤などが挙げられる。
イエロートナー用着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー180などのアゾ系顔料、C.I.ピグメントイエロー185、黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料などが挙げられる。
マゼンタトナー用着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
シアントナー用着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー 25、C.I.ダイレクトブルー86などが挙げられる。
ブラックトナー用着色剤としては、例えば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。これら各種カーボンブラックの中から、得ようとするトナーの設計特性に応じて、適切なカーボンブラックを適宜選択すればよい。
これらの顔料以外にも、紅色顔料、緑色顔料などを使用できる。着色剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。また、同色系のものを2種以上用いることができ、異色系のものをそれぞれ1種または2種以上用いることもできる。
着色剤の使用量は特に制限されないが、結着樹脂100重量部に対して、1〜15重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。着色剤をこの範囲で用いることによって、トナーの各種物性を損なうことなく、高い画像濃度を有し、画質品位の非常に良好な画像を形成することができる。さらにトナーの消費量を抑え、低コスト化に寄与できる。着色剤の添加量が1重量部より少ないと十分な画像濃度を得ることが困難となる。また15重量部を超えると色再現性に問題が生じやすくなる。
(ワックス)
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレン−ポリプロピレンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素系ワックス、アルコール変性炭化水素ワックス、エステルワックス、カルナウバワックス、アミド系ワックス等のいずれも使用することができるが、結着樹脂との相溶性および離型性、軟化点の観点から、パラフィンワックス、エステルワックス、マイクロクリスタリンワックスが好ましい。ワックスは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
ワックスの軟化点は、トナーの低温定着性の確保の観点から50℃以上100℃以下が好ましく、60℃以上90℃以下がより好ましい。本発明のトナーには、このように軟化点の低い低軟化点ワックスが、結晶性ポリエステル樹脂、低分子量非晶性ポリエステル樹脂および高分子量非晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂中に均一に分散されているので、トナーの低温定着性が良好である。
ワックスの酸価は、2.0mgKOH/g未満が好ましく、1.0mgKOH/g未満がより好ましい。ワックスの酸価が2.0mgKOH/g以上であると、結着樹脂との相溶性が高く、定着時の染み出しが悪くなり、トナーの低温定着性の改善を図ることが困難である。
ワックスの水酸基価は、5.0mgKOH/g未満が好ましく、3.0mgKOH/g未満がより好ましい。ワックスの水酸基価が5.0mgKOH/g以上であると、結着樹脂との相溶性が高く、定着時の染み出しが悪くなり、トナーの低温定着性の改善を図ることが困難である。
ワックスの含有量は、結着樹脂100重量部に対して0.5重量%〜10重量%が好ましく、1重量%〜8重量%がより好ましい。
(電荷制御剤)
電荷制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用のものを使用できる。正電荷制御用の電荷制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、ベンジル酸誘導体の金属化合物(金属はボロン、アルミニウムなど)、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)などが挙げられる。
電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。トナー原料の溶融混練物における電荷制御剤の含有量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜5重量%であることが好ましい。電荷制御剤の添加量が0.5重量%よりも少ないと電荷制御剤の効果が発揮できず、5重量%を超えると過多帯電等の問題が生じる。
(外添剤)
本発明のトナーの外添剤は、平均一次粒子径1〜50nm、好ましくは5〜30nmの小粒径無機微粒子を含むことが好ましい。外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子などの酸化物微粒子が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの酸化物微粒子は、保存安定性の点で、シリコンオイル、シランカップリング剤、ジメチルジクロールシラン(DDS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などの疎水化処理剤で表面処理されているのが好ましい。小粒径無機微粒子は、トナー粒子の表面に外添されることにより、コロのように機能し、トナー粒子の流動性を確保することができる。小粒径無機微粒子の平均一次粒子径が1nm未満、あるいは50nmを超えると、流動性の確保に問題が生じる。
また、小粒径無機微粒子と併用して平均一次粒子径70〜150nm、好ましくは90〜120nmの大粒径無機微粒子とを含んでもよい。大粒径無機粒子は、トナー粒子同士の付着力、トナーとキャリアとの付着力およびトナーと各種部材との付着力を低減させるスペーサ効果を有する。この効果により、小粒径無機微粒子の離脱を抑制してトナーの流動性が確保しやすくなり、現像性、転写性およびクリーニング性を向上させることができる。また、大粒径無機粒子の平均一次粒子径が70nm未満であると、上記のようなスペーサ効果を十分に発揮することができない。一方、大粒径無機粒子平均一次粒子径が150nmを超えると、感光体を劣化させる原因となる。
外添剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%配合されてなる。外添剤が結着樹脂100重量部に対して0.1重量%未満であると、外添剤の効果が得られず、トナーの流動性が低下して現像性、転写性およびクリーニング性に問題が生じる。一方、外添剤が結着樹脂100重量部に対して5重量%を超えると、定着不良や光学濃度が低下を招き、トナーの経時変化により遊離外添剤の量が増加して、キャリアや感光体に悪影響を及ぼして帯電性の不安定化や感光体のフィルミングの原因となる。
(トナーの製造)
トナー原料の溶融混練物の好ましい形態は、着色剤4〜12重量%、ワックス1〜6重量%および電荷制御剤0.5〜4重量%を含み、残部が結着樹脂である形態などが挙げられる。トナー原料の溶融混練は、例えば、トナー原料を混合機で乾式混合し、得られる混合物を混練機で溶融混練することによって行われる。溶融混練は、結着樹脂の溶融温度以上の温度(通常は80〜200℃程度、好ましくは100〜150℃程度)に加熱しながら行われる。ここで混合機としては公知のものを使用でき、例えば、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサー、メカノミルなどのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル、ハイブリダイゼーションシステム、コスモシステムなどが挙げられる。混練機としても公知のものを使用でき、例えば、二軸押し出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、例えば、TEM−100B(商品名、東芝機械(株)製)、PCM−65/87(商品名、(株)池貝製)などの1軸もしくは2軸の押出機、ニーディックス(商品名、三井鉱山(株)製)などのオープンロール方式のものが挙げられる。
溶融混練にて得られる溶融混練物を冷却し、固化させてバインダ樹脂および着色剤を含む樹脂組成物を得る。溶融混練によって得られた樹脂組成物は、ハンマーミルまたはカッターミルなどによって、例えば100μm〜5mm程度の粒径を有する粗粉砕物に粉砕される。その後、このような粗粉砕物を、例えば15μm以下の粒径の微粉体になるまでさらに粉砕する。粗粉砕物の粉砕には、例えば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機または高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に粗粉砕物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機などを用いることができる。粉砕機による粉砕後、トナー粒子から微粉を除去するために分級を行なう。
以上のようにして製造されたトナー粒子には、外添剤が外添される。外添剤は、外添されなくてもよいが、外添剤を外添することによって、粉体流動性、摩擦帯電性、転写性、クリーニング性等の改善効果を得ることができる。
(トナーの粒度分布)
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤およびワックスを含むトナー組成物を溶融混練後、粉砕、分級して製造されるトナーであって、トナーの体積中位粒径(D50)が5.5〜7.5μmであり、3μm以下、4μm以下および5μm以下の粒径を有するトナー粒子の含有率がそれぞれ1.5〜10個数%、5〜30個数%および15〜55個数%であり、かつ10μmより大きい粒径を有するトナー粒子の含有率が1.5個数%以下である粒度分布を有する。この粒度分布を達成することによりトナーの保存性・耐久性を改善することができ流動性の高いトナーが得られ、現像性が向上し精細な高画質画像を達成することができる。トナーの粒度分布は、粉砕、分級装置の設定条件を変更することにより達成される。
トナーの粒度分布は、測定機としてコールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)を用いて測定した。測定は、アパチャー径:100μm、測定粒径範囲:2〜60μm、解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)、電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)、分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテルHLB 13.6)5%電解液の条件で、分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させ、ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布を求める。
(樹脂の平均分子量)
以下の方法により得られる、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布を示すチャートから、数平均分子量及び重量平均分子量を求める。
(試料溶液の調製)
濃度が0.5g/100mlになるように樹脂をテトラヒドロフラン中に溶解する。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業社製、FP−200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(分子量分布測定)
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶解液としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定化させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)
分析カラム:TSKgel superHZM−Hを3本連結(東ソー社製)
(樹脂の軟化点)
高化式フローテスター((株)島津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これによりフローテスターのプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするときh/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
(結晶性ポリエステル樹脂及びワックスの軟化点、ガラス転移点)
示差走査熱量測定(セイコー電子工業社製、DSC210)を用い、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温し、その温度から5分間で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定する。結晶性ポリエステル樹脂及びワックスの軟化点はDSCにて観測される最大吸熱ピーク(融解ピーク)のピーク温度とする。ガラス転移点は、ガラス転移点以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間の最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点とする。
(樹脂およびワックスの酸価)
JIS K0070の方法に基づき測定する。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
(ワックスの水酸基価)
JIS K0070の方法に基づき測定する。
(THF不溶分)
樹脂試料を微粉砕し、42メッシュ(目開き:355μm)の篩を通過した試料粉体5.0g採取し、濾過助剤ラジオライト(#700)5.0gとともに150ml容の容器に入れ、この容器内にTHF溶解液100gを注入し、ボールミル架台に載せて5時間以上にわたって回転させて充分に試料を溶解させる。一方、加圧濾過器内に直径7cmの濾紙(No.2)を置き、その上にラジオライトを均一にプレコートし、少量のTHF溶解液を加えて濾紙を濾過器に密着させた後、前記容器内の内容物を濾過器内に流し込む。さらに100mlの溶解液により充分に洗浄して濾過器に流し込み、容器の器壁に付着物が残留しないようにする。その後、濾過器の上蓋を閉じ、濾過を行う。濾過は4kg/cm以下の加圧下で行い、溶解液流出が止まった後、溶解液100mlで洗浄後、更に加圧濾過を行う。以上の操作終了後、濾紙及びその上の残渣ならびにラジオライトの全てをアルミホイルに載せて真空乾燥器に入れ、温度85℃、圧力100mmHGで10時間乾燥させ得られた乾固物の重量を測定し、THF不溶分の重量比率を計算する。
次に、実施例及び比較例を用いて、本発明のトナーを具体的に説明する。
(結晶性ポリエステル樹脂のサンプルA〜E)
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマーおよびエステル化触媒としての酸化ジブチルスズ20g、ハイドロキノン12gを窒素導入管、脱水管、攪拌器を装備した5リットル容の4つ口フラスコに入れ、160℃で8時間かけて反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.0kPa以下の減圧下にて反応を行って、サンプルA〜Eの所望の軟化点を有する結晶性ポリエステル樹脂を得た。
(非晶性ポリエステル樹脂のサンプル1〜4)
表2に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマーおよびエステル化触媒としての酸化ジブチルスズ20gを窒素導入管、脱水管、攪拌機および熱電対を装備した容量10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気、撹拌下、温度220℃で6時間反応させた後、同温度、圧力8.3kPaで1時間反応させた。その後、180℃まで冷却し、ハイドロキノンを添加し、210℃まで段階昇温を行った後、無水トリメリット酸を添加し、1時間常圧反応を行ったあと、さらに50kPaにて反応を行って、サンプル1〜4の所望の軟化点を有する非晶性ポリエステルを得た。
(非晶性ポリエステル樹脂のサンプル5、6)
上記で製造したサンプル2〜4の非晶性ポリエステル樹脂を表3に示す割合でヘンシェルミキサーにより十分混合した後、得られた混合物を、オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山社製)を用いて溶融混練し、サンプル5、6の非晶性ポリエステルを得た。連続式二本ロール型混練機のロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が115℃及び混練物排出側が90℃であり、低回転側ロールの原料投入側が75℃及び混練物排出側が35℃であった。
(着色剤と帯電制御剤)
検討には、着色剤としてはカーボンブラック(MA100、三菱化成社製)を、帯電制御剤としてはベンジル酸誘導体のホウ素化合物(LR−147、日本カーリット社製)を使用した。
(ワックス)
トナーに含有するワックスとしては、表4に示すワックス1〜3のいずれかを使用した。なお、表中において、ワックス1の商品名は、WEP−5(日油社製)であり、ワックス2の商品名は、HNP−9(日本精鑞社製)であり、ワックス3の商品名は、カルナウバワックスNo.1(加藤洋行社製)である。
(実施例1)
表5に示すように、サンプルAの結晶性ポリエステル、サンプル1の非晶性ポリエステル、着色剤MA100、帯電制御剤LR−147、ワックス1(WEP−5)をヘンシェルミキサーで十分混合した後、得られた混合物を、オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山社製)を用いて溶融混練した。連続式二本ロール型混練機のロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が125℃及び混練物排出側が100℃であり、低回転側ロールの原料投入側が75℃及び混練物排出側が35℃であった。得られた混練物を冷却、粗粉砕した後、流動槽式粉砕機(AFG:アルパイン社製)にて、ローター回転数:8000rpm、Air圧力:1.0MPaの条件で粉砕し、ローター式分級機(TTSP:アルパイン社製)にて分級を行い、表5の実施例1に示す粒度分布で、体積中位粒径(D50)が6.42μmのトナー粒子を得た。トナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ「R976S」(日本アエロジル社製、平均一次粒径7nm)2重量部をヘンシェルミキサーにて混合し外添した。
(実施例2〜5、比較例1、2)
実施例1と同様に、表5に示すトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を冷却、粗粉砕した後、流動槽式粉砕機(CGS16型:アルピネ社製)にて、ローター回転数:8000rpm、Air圧力:1.0MPaの条件と、ローター回転数:7000rpm、Air圧力:0.9MPaの条件と、ローター回転数:9000rpm、Air圧力:1.2MPaの条件とで粉砕し、ローター式分級機(TTSP:アルピネ社製)にて分級を行い、分級された粒子の配合を変えることにより、実施例2〜5及び比較例1、2に示す粒度分布、体積中位粒径(D50)のトナー粒子を得た。
(実施例6〜8、比較例3、4)
結晶性ポリエステルの含有量について検討するため、表6に示す添加量にして、実施例1と同様に溶融混練し、得られた混練物を冷却、粗粉砕した後、粉砕・分級を行い、実施例6〜8及び比較例3、4に示す粒度分布、体積中位粒径(D50)のトナー粒子を得た。
(実施例9、10、比較例5、6)
結晶性ポリエステルの軟化点について検討するため、表1に示した軟化点のサンプルB、C、D、Eを使用して、実施例1と同様にして溶融混練し、得られた混練物を冷却、粗粉砕した後、粉砕・分級を行い、実施例9、10及び比較例5、6に示す粒度分布、体積中位粒径(D50)のトナー粒子を得た。
(実施例11、12、比較例7、8)
非晶性ポリエステル樹脂について検討するため、表2及び表3に示したサンプル3〜5の非晶性ポリエステル樹脂を使用して、実施例1と同様にして溶融混練し、得られた混練物を冷却、粗粉砕した後、粉砕・分級を行い、実施例11、12及び比較例7、8に示す粒度分布、体積中位粒径(D50)のトナー粒子を得た。
(実施例13、比較例9)
ワックスについて検討するため、表4に示したワックス2、3を使用して、実施例1と同様にして溶融混練し、得られた混練物を冷却、粗粉砕した後、粉砕・分級を行い、実施例13及び比較例9に示す粒度分布、体積中位粒径(D50)のトナー粒子を得た。
(キャリアの製造)
フェライト原料(KDK社製)をボールミルにて混合した後、ロータリーキルンにて900℃で仮焼した。得られた仮焼粉を、湿式粉砕機(粉砕媒体としてスチールボール使用)により平均粒子径2μm以下にまで微粉砕した。得られたフェライト粉末をスプレードライ方式により造粒し、造粒物を1300℃で焼成した。焼成後、クラッシャを用いて解砕することで、体積平均粒子径が約40μmであり、体積抵抗率が3×10Ω・cmのフェライト成分からなるコア粒子を得た。
次に、ジメチルシリコーン樹脂(東芝シリコン社製)100重量部と、硬化剤としてオクチル酸5重量部とをトルエンに溶解することによって前記コア粒子を被覆する熱硬化性シリコーン樹脂層を形成するための被覆用塗液を得た。この被覆用塗液中にコア粒子を浸漬させる浸漬被覆装置を用いて、コア粒子に樹脂層を被覆した。その後、トルエンを完全に蒸発除去し、190℃で30分間キュアリングを行うことでキャリアを得た。得られたキャリアは、体積平均粒子径が43μmであり、被覆率が100%であり、体積抵抗率が2×1012Ω・cmであり、飽和磁化が65emu/gであった。
(2成分現像剤の製造)
ナウタミキサ(ホソカワミクロン株式会社製、型式:VL−0)を用いて、得られた実施例1〜13及び比較例1〜9の各トナーの6重量部と、キャリアの94重量部を25分間撹拌混合することにより2成分現像剤を製造した。
(評価)
上記の2成分現像剤を用いて、以下に示す低温定着性、耐高温オフセット性、耐フィルミング性、トナー保存性、流動性、帯電性、白地かぶり、光学濃度、画質のそれぞれの評価を行った。
(低温定着性の評価)
カラー複合機の定着手段のプロセス速度は360mm/secに設定し、上記実施例及び比較例の2成分現像剤を充填した。100000枚のエージング印刷後、定着ベルトの表面温度を100℃から160℃まで10℃ずつ順次上昇させて評価サンプルを印刷した。この評価サンプルのベタ部分と白地部分との間を、学振式堅牢度試験機において1kgの荷重を載せた砂消しゴムによって3往復擦過し、擦過前後の光学反射密度(像濃度)を反射濃度計(マクベス社製)にて測定し、下記式によって定着率(%)を算出した。定着率が70%を超える際の最低温度を定着温度とした。
定着率(%)=((擦過後の像濃度)/(擦過前の像濃度))×100
○:良好(定着温度が140℃以下、及び、オフセットが発生していない。)
△:可 (定着温度が150℃以下、及び、オフセットが発生していない。)
×:不可(定着温度が150℃より高い、或は、オフセットが発生)
(耐高温オフセット性の評価)
カラー複合機の定着手段のプロセス速度は360mm/secに設定し、上記実施例及び比較例の2成分現像剤を充填した。100000枚のエージング印刷後、定着ベルトの表面温度を150℃から230℃まで10℃ずつ順次上昇させて評価サンプルを印刷した。印刷した評価サンプルの画像を目視によって観察し、記録用紙の白地となるべき白地部に定着ベルトからトナーが再転写されているか否かを確認し、再転写されている場合を高温オフセット現象が発生していると判断し、再転写されていない場合を高温オフセット現象が発生していないと判断した。
○:良好(高温オフセット温度が210℃以上)
△:可 (高温オフセット温度が200℃以上)
×:不可(高温オフセット温度が200℃未満)
(耐フィルミング性の評価)
耐フィルミング性を評価するため、カラー複合機の定着手段のプロセス速度は360mm/secに設定し、上記実施例及び比較例の2成分現像剤を充填し、連続プリントテストを行った。連続プリントテストとして具体的には、温度20℃湿度45%の環境下にて、紙の上に印字されるプリント画像のカバレージが6%となるテキスト画像を100枚間欠で100000(100K)枚印字した。100000(100K)枚印刷後、感光体表面へのトナー組成物のフィルミングの有無を目視で評価した。
○:良好。感光体表面にフィルミングが発生していない。
×:不良。感光体表面にフィルミングの発生が認められる。
(保存性)
各トナーを、温度40℃・湿度60%の環境条件下に72時間放置後、150メッシュのふるいに5gのせ、パウダーテスター(細川ミクロン社製)の加減抵抗機のメモリを3にして1分間振動を与える。振動後の150メッシュのふるいの上に残ったトナーの質量を測定し残存質量比を求め、下記の基準により評価した。
○:良好(残存質量比が20%未満)
△:可 (残存質量比が20%以上30未満)
×:不可(残存質量比が30%以上)
(流動性評価)
カラー複合機の定着手段のプロセス速度は360mm/secに設定し、上記実施例及び比較例の2成分現像剤を充填した。100000枚のエージング印刷後、嵩比重測定器(JISかさ比重測定器、筒井理化学器械株式会社製)を用い、JIS K5101−12−1(顔料および体質顔料の静置法による見掛け密度又は見掛け比容を測定する一般試験方法)に従って、各2成分現像剤の流動性の評価を行った。嵩比重値が大きいほど、流動性が良好であることを示す。評価基準は以下の通りである。
○:良好(嵩比重値が0.39g/cm3以上)
△:可 (嵩比重値が0.35g/cm3以上0.39g/cm3未満)
×:不可(嵩比重値が0.35g/cm3未満)
(帯電性評価)
カラー複合機の定着手段のプロセス速度は360mm/secに設定し、上記実施例及び比較例の2成分現像剤を充填した。感光体上に現像されないように調整した状態で現像器のみ3分間連続駆動した後、現像剤を採取し、吸引式小型帯電量測定装置(トレックジャパン株式会社製、型式:210HS−2A)を用いて、2成分現像剤の帯電量を測定し下記の基準により評価した。
○:良好(帯電量が30μC/g以上40μC/g未満)
△:可 (帯電量が25μC/g以上30μC/g未満あるいは40μC/g以上45μC/g未満)
×:不可(帯電量が25μC/g未満あるいは45μC/g以上)
(白地かぶり評価)
カラー複合機の定着手段のプロセス速度は360mm/secに設定し、上記実施例及び比較例の2成分現像剤を充填した。100000枚のエージング印刷後に印刷した評価サンプルの白紙部分を目視により評価した。評価基準は以下の通りである。
○:良好(白地かぶりがほとんど認められない)
△:可 (白地かぶりが若干認められるが実用上は問題ない)
×:不可(白地かぶりが多い)
(光学濃度評価)
カラー複合機の定着手段のプロセス速度は360mm/secに設定し、評価サンプルのべた部分の記録紙面上でのトナー付着量が0.8mg/cm2となるように調整し、上記2成分現像剤を充填した。100000枚のエージング印刷後に印刷した評価サンプルのべた部分の画像について光学濃度評価を行った。光学濃度は、分光測色計(商品名;X−Rite938:日本平版機材(株)製)を用い評価した。
○:良好 (光学濃度が1.8以上)
△:可 (光学濃度が1.6以上1.8未満)
×:不可 (光学濃度が1.6未満)
(画質評価)
カラー複合機の定着手段のプロセス速度は360mm/secに設定し、上記実施例及び比較例の2成分現像剤を充填した。100000枚のエージング印刷後に印刷した評価サンプルのハーフトーン画像を、以下の評価基準に従って目視で画質評価を行った。
○:良好 (ハーフトーンの一部に粒状感があっても、全体的に滑らか)
△:可 (ハーフトーンの所々にムラが見られ、やや粒状感が感じられる)
×:不可 (ハーフトーンにムラ・粒状感が目立つ、またはトナーの飛び散りが見られる)
(総合評価)
以上の各評価結果に基づいて、次の基準で総合的に評価した。
◎:特に良好(各評価結果に△および×がない)
○:良好 (各評価結果に×がなく、△が3つ以下である)
×:不可 (各評価結果のいずれか1つ以上に×がある、或は、△が4つ以上である)
実施例1〜13、比較例1〜9における評価結果を表10に示す。ベルト定着方式の定着手段と結晶性ポリエステル樹脂を含有したトナーを用いて高速印刷を行う場合、本発明の画像形成装置は、結晶性ポリエステル樹脂の添加量、軟化点、及びトナーの粒度分布を規定することにより、表10の実施例1〜13に示す結果のように、低温定着性、耐高温オフセット性、耐フィルミング性、トナー保存性、流動性、帯電性、白地かぶり、光学濃度、画質の全ての評価項目において優れた画像形成を行うことができた。
具体的には、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂よりなる結着樹脂と、着色剤およびワックスを含むトナー組成物を溶融混練後、粉砕、分級して製造されるトナーであって、表4から表9に示すように実施例1〜13は、トナーの体積中位粒径(D50)が5.5〜7.5μmであり、3μm以下、4μm以下および5μm以下の粒径を有するトナー粒子の含有率がそれぞれ1.5〜10個数%、5〜30個数%および15〜55個数%であり、かつ10μmより大きい粒径を有するトナー粒子の含有率が1.5個数%以下である粒度分布を有するトナーである。このような粒度分布を達成する実施例1〜13は、表10に示すように、全ての評価項目において良好な結果を示した。
これに対して、比較例1〜9は、表4から表9に示したように、本発明の結晶性ポリエステル樹脂の添加量、軟化点、及びトナーの粒度分布を外れるため、上記いずれかの評価項目において問題が生じた。
具体的には、比較例1は、粒度分布において、3μm以下、4μm以下および5μm以下の粒径を有するトナー粒子の含有率が、それぞれ10個数%、30個数%および55個数%を超えるものであり、小粒径トナーを多く含んでいるため、結晶性が崩れやすく、軟質化した樹脂部分の露出が多くなって、耐高温オフセット性、耐フィルミング、流動性が悪化した。
一方、比較例2は、同粒度分布におけるトナー粒子の含有率が、それぞれ1.5個数%、5個数%および15個数%未満であるものであり、また、体積中位粒径(D50)が7.5μmより大きいため、小粒径トナーが少なすぎて画質が悪化した。
また、比較例3は、結晶性ポリエステル樹脂の添加量が5重量部以下であるため、170℃の定着温度が必要となり低温定着性に問題が生じた。一方、比較例4は、結晶性ポリエステル樹脂の添加量が30重量部以上であるため、トナー粒子内での結晶性ポリエステル樹脂の分散性が低下し耐高温オフセット性が悪化した。また、保存性、流動性、白地かぶりに問題が生じた。
また、比較例5は、結晶性ポリエステル樹脂の軟化点が120℃以上であるため、低温定着性の改善効果が認められなくなった。一方、比較例6は、結晶性ポリエステル樹脂の軟化点が85℃以下であるため、結晶性が崩れやすく、軟質化した樹脂部分の露出が多くなって、耐高温オフセット性、耐フィルミング性、流動性が悪化した。
また、比較例7は、非晶性ポリエステル樹脂の軟化点が120℃以下であるため、耐高温オフセット性、白地かぶりが悪化した。一方、比較例8は、非晶性ポリエステル樹脂の軟化点が155℃以上であるため、低温定着性が確保できなかった。
また、比較例9は、軟化点が50℃以上100℃以下のワックスを含むが、ワックスの酸価が2.0mgKOH/g以上であり、水酸基価が5.0mgKOH/g以上であるため、耐高温オフセット性、耐フィルミング性が悪化した。
したがって、本発明の画像形成装置によれば、結晶性ポリエステルの添加量、軟化点、及びトナーの粒度分布を最適化することにより、高速印刷における低温定着が可能となり、高精細の画像を形成することができる。
15 定着ユニット(定着手段)
30 定着ローラ
31 加圧ローラ
33 加熱部材
32 定着ベルト
40 基材
42 抵抗発熱体

Claims (6)

  1. 定着ローラと、加熱部材と、前記定着ローラ及び前記加熱部材の外周に巻回された無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを介して前記定着ローラと対向する加圧ローラとを有する定着手段を備えた画像形成装置であって、
    前記定着手段のプロセス速度が200〜600mm/secであり、
    少なくとも結着樹脂、着色剤およびワックスを含むトナー組成物を溶融混練後、粉砕、分級して製造されるトナーを使用し、
    前記結着樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂よりなり、
    前記結晶性ポリエステル樹脂は、軟化点が85〜120℃の範囲にあり、結着樹脂100重量部に対して5〜30重量%含有してなり、
    前記トナーは、体積中位粒径(D50)が5.5〜7.5μmであり、
    3μm以下の粒径を有するトナー粒子の含有率が1.5〜10個数%、
    4μm以下の粒径を有するトナー粒子の含有率が5〜30個数%、
    5μm以下の粒径を有するトナー粒子の含有率が15〜55個数%、
    10μm以上の粒径を有するトナー粒子の含有率が1.5個数%以下である粒度分布を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記結晶性ポリエステル樹脂は、α,ω−直鎖アルカンジオールよりなるアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸よりなる酸成分より合成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記非晶性ポリエステル樹脂は、120〜155℃の軟化点を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記非晶性ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物よりなるアルコール成分と酸成分より合成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記非晶性ポリエステル樹脂において、少なくともトリメリット酸、若しくは無水トリメリット酸よりなる酸成分により合成され、且つ、THF不溶分を含有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記トナーは、軟化点が50℃以上100℃以下のワックスを含み、前記ワックスの酸価が2.0mgKOH/g未満、水酸基価が5.0mgKOH/g未満であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017151253A (ja) * 2016-02-24 2017-08-31 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー
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