JP3628140B2 - 中空成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ω−ラクタムのアニオン重合による中空成形品の製造方法に関するものでり、特に、耐衝撃性、耐油性、耐ガソリン透過性などの優れた中空成形品の製造方法に関する。更に詳しくは灯油、ガソリン運搬用に用いられる薬液容器、二輪および四輪自動車やレジャー・産業用車両などに搭載される耐油性、耐ガソリン透過性、耐衝撃性が高いオイルタンク、ガソリンタンクなどの油貯蔵容器などの中空成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド樹脂は機械的特性および耐熱性、耐薬品性、耐ガソリン透過性にすぐれたエンジニアリングプラスチックとして広く使用されている。 特にブロー成形、注型成形、回転成形などの成形方法で成形されたポリアミド中空成形体は上記の優れた特徴を生かした薬液容器への応用が注目されている。回転成形によってポリアミド樹脂の中空成形品を製造する方法の例としては、例えば、粉末状のポリアミドを回転する型内でポリアミドの融点以上に加熱し、溶融させて型内壁面に溶融ポリマー皮膜を形成した後、冷却・固化させる方法(例えば米国特許第2629134号明細書、米国特許第3439079号明細書、ω−ラクタムをアルカリ触媒および活性化剤により回転成形機内でアニオン重合する方法(例えば特公昭41−32号公報、特開昭47−13667号公報、特開昭47−18996号公報、特開昭51−106167号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粉末状のポリアミドを用いて回転成形金型内で成形して得られる成形品では耐衝撃性が十分ではなく、、特に高い耐衝撃性が要求される運搬用薬液容器や二輪車用のガソリンタンクなどの用途への利用は困難であった。
【0004】
一方アニオン重合法によれば、かかる欠点は特開昭58−21425号公報に記載されているようにポリオ−ルなどの柔軟性付与成分を共重合することにより改善されるが高い耐衝撃性を得るには、大量のポリオ−ルを共重合する必要があり、もう一つの要求特性である耐ガソリン透過性に代表されるバリヤ性という薬液容器に基本的に求められる特性が損なわれると共に機械強度、熱的特性が低下するという欠点があった。アニオン重合法での他の方法として、衝撃性改良剤をラクタムに溶解または分散させて重合することにより、衝撃性を向上せしめんとする方法(特公昭49−11755号公報、特開昭59−22923号公報、特開昭59−93726号公報、特開昭62−141025号公報)があるが、これらはラクタムへの衝撃性改良剤の溶解度が低く、十分な耐衝撃性が得られなかったり、また衝撃改良剤を分散させる方法は、耐衝撃性改良剤の分散が十分でなく、一般に衝撃改良剤の融点が低いため、重合温度で衝撃改良剤が溶融凝集するなどの問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ω−ラクタムのアニオン重合を利用して、特定の構造のポリアルキレンオキシド誘導体、ω−ラクタムおよび活性化剤からなる原料と、ω−ラクタムおよびアニオン重合触媒とからなる2種の原料を特定の狭い温度範囲に液状で維持し、その温度で両者を混合した後成形金型に供給し、金型内で急速に昇温して所定の温度範囲でアニオン重合することにより高い耐衝撃性と耐油性、耐ガソリン透過性および熱的特性を同時に満足する中空成形品の製造方法を見出すにいたり、本発明に到達した。
【0006】
すなわち本発明は、
(1)ω−ラクタムのアニオン重合を利用して中空成形品を得る方法において、炭素数1〜50、価数3〜10の炭化水素基プロピレンオキシド単位とエチレンオキシド単位を含有するポリアルキレンオキシド構造が3個以上結合したポリアルキレンオキシド誘導体ω−ラクタムおよび活性化剤を含んでなる原料(A)およびω−ラクタムおよびアニオン重合触媒を含んでなる原料(B)からなる2種の原料(A)、(B)を調製し、各々の原料温度を原料融点より5〜30℃高い温度で液状とし、ついで両者を混合後直ちに成形金型に供給し、金型内で3分以内に130〜200℃になるように加熱してアニオン重合することを特徴とするアイゾット衝撃値が600J/m以上の中空成形品の製造方法、
(2)原料(A)、(B)各々の混合前の温度が原料融点より7〜15℃高い温度の範囲内であり、両者の混合後の成形金型内の加熱速度が2分以内に140〜180℃になるような速度である中空成形品の製造方法、
(3)原料(A)中のポリアルキレンオキシド誘導体の配合量が最終生成物中5〜70重量%であることを特徴とする前記いずれかの中空成形品の製造方法、
(4)中空成形品が回転成形機で成形されることを特徴とする前記いずれかの中空成形品の製造方法、
(5)中空成形が油貯蔵容器である前記いずれかの中空成形品の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく述べる。
【0008】
本発明で用いられるω−ラクタムは環状アミド化合物であり、炭素数4〜12のものが好ましく用いられる。例えばピロリドン、バレロラクタム、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウロラクタムなどをあげることができる。特に好ましい例としては、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウロラクタムなどである。これらのω−ラクタムは二種以上を混合して用いてもよい。
【0009】
本発明で用いられるω−ラクタムと共に原料(A)に配合されるポリアルキレンオキシド誘導体は、炭素数1〜50、価数3〜10の炭化水素基プロピレンオキシド単位とエチレンオキシド単位を含有するポリアルキレンオキシド構造が3個以上結合したポリアルキレンオキシド誘導体である。ポリアルキレンオキシド構造に起因して、水酸基をポリアルキレンオキシド構造の末端に有するもの、さらに3個以上有する化合物が好ましく用いられる。さらにエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合構造のものが好ましく用いられ、プロピレンオキシド/エチレンオキシドの構造単位の重量比率が数にして0.05〜20の範囲内のものが好ましく、さらに0.5〜15の範囲内にあるものが一層好ましく用いられる。エチレンオキシド構造とプロピレンオキシド構造とはランダム重合構造であっても、ブロック重合構造であってもよいが、ブロック重合構造のものが好ましく用いられる。
【0010】
本発明において好ましく用いられるポリアルキレンオキシドの具体例としては下記一般式(I)、(II)または(V)で表されるポリアルキレンオキシド誘導体が使用できる。
【化1】
Figure 0003628140
(式中 はポリアルキレンオキシド構造を有する有機基で、複数あるRは同一であっても異なっていてもよい。Rは水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素基、mは3ないし4を示す)
【化2】
Figure 0003628140
(式中R はポリアルキレンオキシド構造で末端が水酸基である有機基で、複数ある 3 は同一であっても異なっていてもよい。Rは式(I)と同じ、mは3ないし4を示す)
【0011】
【化3】
Figure 0003628140
(式中R はポリアルキレンオキシド構造を有し、末端が水酸基である有機基、Rは式(I)と同じ、nは自然数。)
また(V)式のRにおいては、ポリプロピレンオキシドおよびポリエチレンオキシドがブロック構造をとっているものが好ましい。
【0012】
ポリアルキレンオキシド単位の重合度は2〜200の範囲のものが好ましく用いられ、またポリオ−ル化合物全体の分子量としては、数平均で500以上20000以下、さらに1000以上、10000以下のものが好ましく用いられる。ポリオール化合物の分子量が上記範囲より小さいと得られる成形品の耐衝撃性の改良効果が低下する傾向があり、逆に上記範囲より大きくなると、一方の原料であるω−ラクタムとの相溶性が低下し、成形品が不均一になり、十分な耐衝撃性が発現し難くなる傾向があるので好ましくない。またポリオール化合物の添加量は、目標とする成形体の要求特性レベルに応じて適宜、選択することができるが、耐衝撃性、機械物性、経済性のバランスを考慮すれば、5重量%以上、70重量%以下が好ましく、さらに好ましくは10重量%以上、50重量%以下、特に10重量%以上、30重量%以下の範囲内であることが好ましい。
【0013】
本発明の中空成形品の製造方法においては通常、原料(B)の成分としてω−ラクタムのアニオン重合触媒が添加される。アニオン重合触媒は、通常用いられるアニオン重合触媒であればいずれも使用できる。たとえばアルカリ金属、アルカリ土類金属(以下上記2種類の金属をアルカリ(土類)金属と称する)、アルカリ(土類)金属水素化物、アルカリ(土類)金属水酸化物、アルカリ(土類)金属酸化物、アルカリ(土類)金属炭酸塩、アルカリ(土類)金属アルコキシ化合物、アルカリ(土類)金属アリ−ル化合物、トリアルキルアルミニウム、グリニヤ−ル試薬などが用いられる。またこれらの金属化合物とω−ラクタムとの反応生成物または塩として利用することも、ω−ラクタムおよびポリオールとの相溶性の面から好ましくい。特に本発明で好ましく用いられる重合触媒としては、ナトリウムカプロラクタム、カリウムカプロラクタム、グリニヤ−ル試薬およびそのラクタムとの反応物などが挙げられる。
【0014】
重合反応におけるアニオン重合触媒の量は、原料(A)、(B)中のω−ラクタムおよびポリオールの総和に対して、0.01〜10重量%の範囲であり、更に0.02〜8重量%の範囲内であることが好ましい。
【0015】
本発明において原料(A)の成分として添加される活性化剤としては、イソシアネ−ト化合物、イソシアネ−ト化合物とω−ラクタムとの反応物、ポリアシルラクタムが好ましく用いられる。ポリアシルラクタムの具体的な例としてはアセチルラクタム、ベンゾイルラクタム、アジポイルビスラクタム、テレフタロイルビスラクタム、クロロテレフタロイルビスラクタム、セバコイルビスラクタム、イソフタロイルビスラクタムなどが挙げられる。特に好ましい例としては、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、パラキシリレンジイソシアネ−ト、メタキシリレンジイソシアネ−トおよび、それらのカプロラクタムとの反応物、アセチルカプロラクタム、テレフタロイルビスカプロラクタム、イソフタロイルビスカプロラクタム、アジポイルビスカプロラクタム、セバコイルビスカプロラクタム、クロロテレフタロイルビスカプロラクタムなどが挙げられる。この重合活性化剤はポリアルキレンオキシド誘導体とあらかじめ化学反応させておくこともできる。これら活性化剤の添加量は、原料(A)、(B)中のω−ラクタムおよびポリオールの総和に対して0.05〜10重量%の範囲であり、0.07〜7重量%の範囲であることが更に好ましい。
【0016】
本発明においては採用し得るいくつかの成形法の内、特に回転成形法が好ましく用いられる。本発明では回転成形における温度制御は極めて重要である。即ち、ポリアルキレンオキシド誘導体、ω−ラクタムおよび活性化剤を含んでなる原料(A)およびω−ラクタムとアニオン重合触媒を含んでなる原料(B)からなる2種の原料を調製し、各々の原料温度を原料融点より5〜30℃、さらに好ましくは7〜15℃高い温度の範囲内に制御して液状に維持し、両者を混合後直ちに成形金型に供給し、金型内で3分以内に、さらに好ましくは2分以内に130〜200℃の重合温度に到達せしめる迅速な昇温パターンで加熱してアニオン重合することによって初めてアイゾット衝撃値600J/m以上という高い耐衝撃性と良好な成形性、外観を有する中空成形品を製造することが可能なのである。
【0017】
上記の温度パターンから外れた場合、たとえば原料(A)、(B)の温度が上記の範囲より高い場合には、本原料組成の高い反応性故に混合後金型内での昇温前に一部重合反応が起こり増粘が起こるため成形品に偏肉が起こるなどの問題が生じやすいので好ましくない。またたとえば、原料混合後、金型内での昇温速度が上記範囲よりも遅い場合には得られる成形品の耐衝撃性が不足するので好ましくない。
【0018】
本発明の中空成形品には、成形品の機械特性を改良する目的で、重合性を損なわない範囲において、熱可塑性樹脂やエラストマ−など、他の樹脂が添加されていても良い。これらの例としては、例えば熱可塑性樹脂としてはアクリロニトリル/アクリリックスチレン樹脂(AAS)、アクリロニトリル/エチレン/プロピレン/ジエン/スチレン樹脂(AES)、アクリロニトリル/スチレン樹脂 (AS)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)、液晶ポリマ−(LCP)、エチレン/塩化ビニル共重合体(E−PVC)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/ビニルアルコ−ル共重合体(EVOH)、塩素化ポリ塩化ビニル(PVC−C)、塩素化ポリエチレン(PE−C)、塩素化ポリプロピレン(CPP)、全芳香族ポリエステル、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリアクリレ−ト、ポリアセタ−ル(POM)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアリレ−ト(PAR)、ポリエ−テルイミド(PEI)、ポリエ−テルエ−テルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、架橋ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオキシベンゾイルエステル、ポリカ−ボネ−ト(PC)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ポリサルホン(PSF)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンエ−テル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレ−ト(PBT)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、メチルペンテンポリマ− (TPX)、およびα,β−不飽和カルボン酸およびそれらの酸無水物(例えばマレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸イミド、無水マレイン酸イミド、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、)、アクリル酸エステル(メチルメタクリル酸エステル、グリシジルメタクリル酸エステルなど)などで変性されたPE、PP、PPE、PSなどが挙げられる。またエラストマ−としては、例えばエチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体および、これら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全部がナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの (アイオノマ−樹脂)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体(“g”はグラフトを表す、以下同じ)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレイミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N−フェニルマレイミド共重合体およびこれら共重合体の部分ケン化物、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジエン共重合体、エチレン/ブテン共重合体およびこれらのα,β−不飽和カルボン酸およびその酸無水物(例えばマレイン酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸イミド、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸など)、アクリル酸エステル(メチルメタクリル酸エステル、グリシジルメタクリル酸エステルなど)などで変性された共重合体、少なくとも一個のビニル芳香族化合物(スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレンなど)を主体とする重合体とジエン化合物(例えば1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなど)を主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体、およびそのブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体、さらにはそれらの上記α,β−不飽和カルボン酸およびその酸無水物、アクリル酸エステルなどで変性された共重合体など、ポリウレタン系熱可塑性エラストマ−、シリコ−ンゴム、ポリエステル系熱可塑性エラストマ−、ポリアミド系熱可塑性エラストマ−などが挙げられる。
【0019】
エラストマ−および熱可塑性樹脂は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。また、それぞれを溶融混練して樹脂組成物として用いてもよい。これら添加される熱可塑性樹脂やエラストマ−は、一般的には粉末状の形で添加される。一方、本発明の原料のラクタム液のどの液に添加してもよい。粉末状樹脂の粒径は材料液の流動性、送液性および樹脂の沈降性に問題の無い範囲に粉砕し、好ましくは1mm以下の粒径のものが使用され、特に好ましくは80メッシュ篩(177μm)を通過したものが用いられる。
【0020】
本発明の中空成形品には必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、全芳香族ポリアミド繊維などの無機または有機の繊維状強化材あるいはタルク、ワラステナイト、ベントナイト、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、雲母、ガラスビーズ、チタン酸カリウィスカーなどの粉末状、球状の充填材、二硫化モリブデン、カ−ボンブラック、パラフィン、シリコーンなどを導入することができる。
【0021】
本発明の中空成形品には成形性を損わない限りにおいて、他の添加剤たとえばステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸アルミニウムなどからなるステアリン酸金属塩などの離型剤、その他に顔料、染料、難燃剤、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、結晶核剤、発泡剤、強化材などを添加することもできる。
【0022】
以上のようにして得られた中空成形品は耐衝撃性が改良されており、かつそのバリヤ性から灯油、ガソリンなどの運搬用容器、自動二輪車、自動車用などのオイルタンク、ガソリンタンクなどの薬液容器、油貯蔵容器を与える中空成形品として有用である。
【0023】
なお本発明の中空成形品には、その成形品の外側や内側に、その他の種類の樹脂層を被覆することもできる。その樹脂層は本発明の成形の前に設けられていても、また本発明の成形の後に設けられてもよい。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0025】
なお、中空成形品の評価は下記の方法に従って実施した。
【0026】
Figure 0003628140
(2)耐衝撃性:得られた成形品からの平面部分切り取り、切削加工して12.7x63x3mmの試験片を調製し、ASTM D256の方法に従ってアイゾット衝撃値を測定した。
【0027】
実施例1
ε−カプロラクタム:588g、アニオン重合触媒である臭素化マグネシウムラクタメート(以下MgBr−CLと略記):12gの混合物を原料B,ε−カプロラクタム:384g、活性化剤であるテレフタロイルビスカプロラクタム(以下TBCと略記):36g、式(III )で示されるポリオ−ルTL4500N(分子量:4500、三洋化成製):180gの混合物を原料Aとし、原料A、Bそれぞれをその融点(約70℃)よりも10℃高い約80℃に加温して液状とした。窒素雰囲気下で両者を混合、攪拌した後素早く直径70mm、長さ150mmの円筒状の金型に仕込み、回転成形機を用いて、表1に示す昇温条件で円筒型中空容器を成形した。この容器の耐衝撃性試験を実施して表1の結果を得た。ここで得られた成形品は偏肉もなく均一で、良好な表面外観を有しており、アイゾット衝撃値も880J/mと十分な耐衝撃性を備え、実用的価値の高い成形品であった。
【化4】
Figure 0003628140
(式中Rはプロピレンオキシドおよびエチレンオキシド構造を意味し、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとがブロック重合構造を成している。nは自然数。また3つのポリアルキレンオキシド構造の末端は水酸基となっている。)
【0028】
比較例1〜3
ポリオ−ルとして分子量4000のポリオキシプロピル化グリセリン(GP4000,三洋化成製)、ポリオキシプロピレングリコ−ル(PP2000,三洋化成製)、ポリオキシエチレングリコール(PEG2000、三洋化成製)をそれぞれ用いた他は表1に示した条件で、実施例1と同様に操作して、円筒状の容器を回転成形した。この容器の特性を評価し、表1の結果を得た。これらはいずれもアイゾット衝撃値が600J/mに満たず、特性不十分な成形品であった。
【0029】
比較例4
実施例1で用いた原料A、Bの温度を120℃とした以外は実施例1と全く同様の操作で回転成形、成形品の物性評価を行ったが、ここで得られた成形品は偏肉が著しく、且つ衝撃強度も350J/mと著しく低いものであった。
【0030】
比較例5
実施例1で用いた原料A、Bを混合後の金型内での昇温速度を160℃到達まで5分とした以外は実施例1と全く同様の操作で回転成形、成形品の物性評価を行ったが、ここで得られた成形品も偏肉が大きく不均一で且つ、衝撃強度も250J/mと著しく低いものであった。
【0031】
実施例2〜4
使用する原料A、Bの種類と組成及び成形温度条件を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様に操作して中空容器を回転成形し、その物性を評価した。ここで得られた成形品はいずれも本発明の目的とした耐衝撃性レベルに到達した優れたものであった。
【0032】
【表1】
Figure 0003628140
なお、表1において「PO/EO」とは「ポリプロピレンオキシドブロック/ポリエチレンオキシドブロックの比率を意味する。
【0033】
【発明の効果】
本発明の方法によって得られた中空成形品は耐衝撃性が優れ、、かつその耐ガソリン透過性も良好であることから灯油、ガソリンなどの運搬用容器、自動二輪車、自動車などのオイルタンク、ガソリンタンクなどの油貯蔵容器を与える中空成形品として有用である。

Claims (5)

  1. ω−ラクタムのアニオン重合を利用して中空成形品を得る方法において、炭素数1〜50、価数3〜10の炭化水素基プロピレンオキシド単位とエチレンオキシド単位を含有するポリアルキレンオキシド構造が3個以上結合したポリアルキレンオキシド誘導体ω−ラクタムおよび活性化剤を含んでなる原料(A)およびω−ラクタムおよびアニオン重合触媒を含んでなる原料(B)からなる2種の原料(A)、(B)を調製し、各々の原料温度を原料融点より5〜30℃高い温度で液状とし、ついで両者を混合後直ちに成形金型に供給し、金型内で3分以内に130〜200℃になるように加熱してアニオン重合することを特徴とするアイゾット衝撃値が600J/m以上の中空成形品の製造方法。
  2. 原料(A)、(B)各々の混合前の温度が原料融点より7〜15℃高い温度の範囲内であり、両者の混合後の成形金型内の加熱速度が2分以内に140〜180℃になるような速度である請求項1記載の中空成形品の製造方法。
  3. 原料(A)中のポリアルキレンオキシド誘導体の配合量が最終生成物中5〜70重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の中空成形品の製造方法
  4. 中空成形品が回転成形機で成形されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空成形品の製造方法
  5. 中空成形が油貯蔵容器である請求1〜4のいずかに記載の中空成形品の製造方法
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