JPH10287743A - 中空成形品の製造方法 - Google Patents

中空成形品の製造方法

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JPH10287743A
JPH10287743A JP9334197A JP9334197A JPH10287743A JP H10287743 A JPH10287743 A JP H10287743A JP 9334197 A JP9334197 A JP 9334197A JP 9334197 A JP9334197 A JP 9334197A JP H10287743 A JPH10287743 A JP H10287743A
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JP
Japan
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molded article
lactam
polyalkylene oxide
hollow molded
anionic polymerization
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JP9334197A
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English (en)
Inventor
Koji Onishi
功治 大西
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐衝撃性と耐ガソリン透過性の優れた、薬液容
器に最適な中空成形品を得ること。 【解決手段】 ω−ラクタムのアニオン重合を利用して
中空成形品を得る方法において、多価の炭化水素基を介
して、アルキレンオキシド構造および/またはポリアル
キレンオキシド構造が3個以上結合したポリアルキレン
オキシド誘導体、ω−ラクタムおよび活性化剤を含んで
なる原料(A)とω−ラクタムおよびアニオン重合触媒
を含んでなる原料(B)を各々の原料が液状となる温度
に維持し、両者を混合後直ちに成形金型に供給し、金型
内でアニオン重合して、アイゾット衝撃値が600J/
m以上の中空成形品が本製造方法により得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ω−ラクタムのア
ニオン重合による中空成形品の製造方法に関するもので
り、特に、耐衝撃性、耐油性、耐ガソリン透過性などの
優れた中空成形品の製造方法に関する。更に詳しくは灯
油、ガソリン運搬用に用いられる薬液容器、二輪および
四輪自動車やレジャー・産業用車両などに搭載される耐
油性、耐ガソリン透過性、耐衝撃性が高いオイルタン
ク、ガソリンタンクなどの油貯蔵容器などの中空成形品
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は機械的特性および耐熱
性、耐薬品性、耐ガソリン透過性にすぐれたエンジニア
リングプラスチックとして広く使用されている。 特に
ブロー成形、注型成形、回転成形などの成形方法で成形
されたポリアミド中空成形体は上記の優れた特徴を生か
した薬液容器への応用が注目されている。回転成形によ
ってポリアミド樹脂の中空成形品を製造する方法の例と
しては、例えば、粉末状のポリアミドを回転する型内で
ポリアミドの融点以上に加熱し、溶融させて型内壁面に
溶融ポリマー皮膜を形成した後、冷却・固化させる方法
(例えば米国特許第2629134号明細書、米国特許
第3439079号明細書、ω−ラクタムをアルカリ触
媒および活性化剤により回転成形機内でアニオン重合す
る方法(例えば特公昭41−32号公報、特開昭47−
13667号公報、特開昭47−18996号公報、特
開昭51−106167号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粉末状
のポリアミドを用いて回転成形金型内で成形して得られ
る成形品では耐衝撃性が十分ではなく、、特に高い耐衝
撃性が要求される運搬用薬液容器や二輪車用のガソリン
タンクなどの用途への利用は困難であった。
【0004】一方アニオン重合法によれば、かかる欠点
は特開昭58−21425号公報に記載されているよう
にポリオ−ルなどの柔軟性付与成分を共重合することに
より改善されるが高い耐衝撃性を得るには、大量のポリ
オ−ルを共重合する必要があり、もう一つの要求特性で
ある耐ガソリン透過性に代表されるバリヤ性という薬液
容器に基本的に求められる特性が損なわれると共に機械
強度、熱的特性が低下するという欠点があった。アニオ
ン重合法での他の方法として、衝撃性改良剤をラクタム
に溶解または分散させて重合することにより、衝撃性を
向上せしめんとする方法(特公昭49−11755号公
報、特開昭59−22923号公報、特開昭59−93
726号公報、特開昭62−141025号公報)があ
るが、これらはラクタムへの衝撃性改良剤の溶解度が低
く、十分な耐衝撃性が得られなかったり、また衝撃改良
剤を分散させる方法は、耐衝撃性改良剤の分散が十分で
なく、一般に衝撃改良剤の融点が低いため、重合温度で
衝撃改良剤が溶融凝集するなどの問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、ω−ラクタムのアニ
オン重合を利用して、特殊なポリアルキレンオキシド誘
導体、ω−ラクタムおよび活性化剤からなる原料と、ω
−ラクタムおよびアニオン重合触媒とからなる2種の原
料を液状となる温度に維持し、その状態で両者を混合し
た後成形金型に供給し、金型内でアニオン重合すること
により高い耐衝撃性と耐油性、耐ガソリン透過性および
熱的特性を同時に満足する中空成形品の製造方法を見出
すにいたり、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、(1)ω−ラクタムの
アニオン重合を利用して中空成形品を得る方法におい
て、多価の炭化水素基を介して、アルキレンオキシド構
造および/またはポリアルキレンオキシド構造が3個以
上結合したポリアルキレンオキシド誘導体、ω−ラクタ
ムおよび活性化剤を含んでなる原料(A)およびω−ラ
クタムおよびアニオン重合触媒を含んでなる原料(B)
を各々の原料が液状となる温度に維持し、両者を混合後
直ちに成形金型に供給し、金型内でアニオン重合するこ
とを特徴とする600J/m以上のアイゾット衝撃値を
有する中空成形品の製造方法、(2)ポリアルキレンオ
キシド誘導体がプロピレンオキシド単位とエチレンオキ
シド単位を含有するものである前記中空成形品の製造方
法、(3)原料(A)中のポリアルキレンオキシド誘導
体の配合量が最終生成物中5〜70重量%であることを
特徴とする前記いずれかの中空成形品の製造方法、
(4)中空成形品が回転成形機で成形されることを特徴
とする前記いずれかの中空成形品の製造方法、(5)中
空成形品が油貯蔵容器である前記いずれかの中空成形品
の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく述べ
る。
【0008】本発明で用いられるω−ラクタムは環状ア
ミド化合物であり、炭素数4〜12のものが好ましく用
いられる。例えばピロリドン、バレロラクタム、カプロ
ラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウ
ロラクタムなどをあげることができる。特に好ましい例
としては、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリ
ルラクタム、ラウロラクタムなどである。これらのω−
ラクタムは二種以上を混合して用いてもよい。
【0009】本発明でω−ラクタムと共に原料(A)に
配合されるポリアルキレンオキシド誘導体は、多価の炭
化水素基を介して、アルキレンオキシド構造および/ま
たはポリアルキレンオキシド構造が3個以上結合したポ
リアルキレンオキシド誘導体である。多価の炭化水素基
の価数としては3以上であるが、好ましくは3〜10さ
らに好ましくは3ないし4である。また炭化水素基の炭
素数としては、1〜50の範囲、さらに3〜20の範囲
が好ましく用いられる。アルキレンオキシド構造および
/またはポリアルキレンオキシド構造に起因して、水酸
基をアルキレンオキシド構造および/またはポリアルキ
レンオキシド構造の末端に有するもの、さらに3個以上
有する化合物が好ましく用いられる。アルキレンオキシ
ドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシドお
よびこれらの併用が好ましく用いられる。さらにエチレ
ンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合構造のもの
が好ましく用いられ、プロピレンオキシド/エチレンオ
キシドの構造単位の重量比率が0.05〜20の範囲内
のものが好ましく、さらに0.5〜15の範囲内にある
ものが一層好ましく用いられる。エチレンオキシド構造
とプロピレンオキシド構造とはランダム重合構造であっ
ても、ブロック重合構造であってもよいが、ブロック重
合構造のものが好ましく用いられる。
【0010】本発明において好ましく用いられるポリア
ルキレンオキシドの具体例としては下記一般式(I)、
(II)または(V)で表されるポリアルキレンオキシド
誘導体が使用できる。
【化1】 (式中はアルキレンオキシド構造またはポリアルキレン
オキシド構造を有する有機基で、複数あるR1 は同一で
あっても異なっていてもよい。R2 は水素原子、または
炭素数1〜20の炭化水素基、mは3ないし4を示す)
【化2】 (式中R3 はアルキレンオキシド構造またはポリアルキ
レンオキシド構造で末端が水酸基である有機基で、複数
あるR1 は同一であっても異なっていてもよい。R2 は
式1と同じ、mは3ないし4を示す。)
【0011】
【化3】 (式中R4 はアルキレンオキシド構造またはポリアルキ
レンオキシド構造を有し、末端が水酸基である有機基、
R2 は式Iと同じ、nは自然数。) また(V)式のR4 においては、ポリプロピレンオキシ
ドおよびポリエチレンオキシドがブロック構造をとって
いるものが好ましい。
【0012】ポリアルキレンオキシド単位の重合度は2
〜200の範囲のものが好ましく用いられ、またポリオ
−ル化合物全体の分子量としては、数平均で500以上
20000以下、さらに1000以上、10000以下
のものが好ましく用いられる。ポリオール化合物の分子
量が上記範囲より小さいと得られる成形品の耐衝撃性の
改良効果が低下する傾向があり、逆に上記範囲より大き
くなると、一方の原料であるω−ラクタムとの相溶性が
低下し、成形品が不均一になり、十分な耐衝撃性が発現
し難くなる傾向があるので好ましくない。またポリオー
ル化合物の添加量は、目標とする成形体の要求特性レベ
ルに応じて適宜、選択することができるが、耐衝撃性、
機械物性、経済性のバランスを考慮すれば、5重量%以
上、70重量%以下が好ましく、さらに好ましくは10
重量%以上、50重量%以下、特に10重量%以上、3
0重量%以下の範囲内であることが好ましい。
【0013】本発明の中空成形品の製造方法においては
通常、原料(B)の成分としてω−ラクタムのアニオン
重合触媒が添加される。アニオン重合触媒は、通常用い
られるアニオン重合触媒であればいずれも使用できる。
たとえばアルカリ金属、アルカリ土類金属(以下上記2
種類の金属をアルカリ(土類)金属と称する)、アルカ
リ(土類)金属水素化物、アルカリ(土類)金属水酸化
物、アルカリ(土類)金属酸化物、アルカリ(土類)金
属炭酸塩、アルカリ(土類)金属アルコキシ化合物、ア
ルカリ(土類)金属アリ−ル化合物、トリアルキルアル
ミニウム、グリニヤ−ル試薬などが用いられる。またこ
れらの金属化合物とω−ラクタムとの反応生成物または
塩として利用することも、ω−ラクタムおよびポリオー
ルとの相溶性の面から好ましくい。特に本発明で好まし
く用いられる重合触媒としては、ナトリウムカプロラク
タム、カリウムカプロラクタム、グリニヤ−ル試薬およ
びそのラクタムとの反応物などが挙げられる。
【0014】重合反応におけるアニオン重合触媒の量
は、原料(A)、(B)中のω−ラクタムおよびポリオ
ールの総和に対して、0.01〜10重量%の範囲であ
り、更に0.02〜8重量%の範囲内であることが好ま
しい。
【0015】本発明において原料(A)の成分として添
加される活性化剤としては、イソシアネ−ト化合物、イ
ソシアネ−ト化合物とω−ラクタムとの反応物、ポリア
シルラクタムが好ましく用いられる。ポリアシルラクタ
ムの具体的な例としてはアセチルラクタム、ベンゾイル
ラクタム、アジポイルビスラクタム、テレフタロイルビ
スラクタム、クロロテレフタロイルビスラクタム、セバ
コイルビスラクタム、イソフタロイルビスラクタムなど
が挙げられる。特に好ましい例としては、ヘキサメチレ
ンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、パラ
キシリレンジイソシアネ−ト、メタキシリレンジイソシ
アネ−トおよび、それらのカプロラクタムとの反応物、
アセチルカプロラクタム、テレフタロイルビスカプロラ
クタム、イソフタロイルビスカプロラクタム、アジポイ
ルビスカプロラクタム、セバコイルビスカプロラクタ
ム、クロロテレフタロイルビスカプロラクタムなどが挙
げられる。この重合活性化剤はポリアルキレンオキシド
誘導体とあらかじめ化学反応させておくこともできる。
これら活性化剤の添加量は、原料(A)、(B)中のω
−ラクタムおよびポリオールの総和に対して0.05〜
10重量%の範囲であり、0.07〜7重量%の範囲で
あることが更に好ましい。
【0016】本発明においては採用し得るいくつかの成
形法の内、特に回転成形法が好ましく用いられる。回転
成形における重合温度は、通常用いられるω−ラクタム
のアニオン重合の温度条件が使用できる。即ち重合温度
は130〜200℃の範囲内である。本発明の製造方法
では、原料(A)、(B)が共に液状に維持され、その
状態で両者を混合・攪拌した後、速やかに回転成形金型
に供給し、引き続きアニオン重合することが極めて重要
である。なぜならば本発明で用いられる特定の組成の原
料は、その高い反応性故に2種の原料を速やかに均一混
合体とする必要があり、この要件が満たされて初めて均
一で且つアイゾット衝撃強度600J/m以上という極
めて高い耐衝撃性を有する中空成形品が得られるからで
ある。たとえば(A)、(B)両原料の内一方または両
方が固体の状態で混合された場合には混合物系内が均一
になる前に部分的に重合反応が進行し、その結果得られ
る成形品は不均一で耐衝撃性等の特性が不十分なものと
なるのである。
【0017】本発明の中空成形品には、成形品の機械特
性を改良する目的で、重合性を損なわない範囲におい
て、熱可塑性樹脂やエラストマ−など、他の樹脂が添加
されていても良い。これらの例としては、例えば熱可塑
性樹脂としてはアクリロニトリル/アクリリックスチレ
ン樹脂(AAS)、アクリロニトリル/エチレン/プロ
ピレン/ジエン/スチレン樹脂(AES)、アクリロニ
トリル/スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル/ブ
タジエン/スチレン樹脂(ABS)、液晶ポリマ−(L
CP)、エチレン/塩化ビニル共重合体(E−PV
C)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチ
レン/ビニルアルコ−ル共重合体(EVOH)、塩素化
ポリ塩化ビニル(PVC−C)、塩素化ポリエチレン
(PE−C)、塩素化ポリプロピレン(CPP)、全芳
香族ポリエステル、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリ
アクリレ−ト、ポリアセタ−ル(POM)、ポリアミド
イミド(PAI)、ポリアリレ−ト(PAR)、ポリエ
−テルイミド(PEI)、ポリエ−テルエ−テルケトン
(PEEK)、ポリエチレン(PE)、架橋ポリエチレ
ン、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリ塩化
ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、
ポリオキシベンゾイルエステル、ポリカ−ボネ−ト(P
C)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ポリサルホン(P
SF)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンエ−テ
ル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)、ポリブチレンテレフタレ−ト(PBT)、ポリア
ミド樹脂(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタ
クリル酸メチル(PMMA)、メチルペンテンポリマ−
(TPX)、およびα,β−不飽和カルボン酸および
それらの酸無水物(例えばマレイン酸、無水マレイン
酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸イミ
ド、無水マレイン酸イミド、フマル酸、イタコン酸、ア
クリル酸、メタクリル酸、)、アクリル酸エステル(メ
チルメタクリル酸エステル、グリシジルメタクリル酸エ
ステルなど)などで変性されたPE、PP、PPE、P
Sなどが挙げられる。またエラストマ−としては、例え
ばエチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリ
ル酸共重合体および、これら共重合体中のカルボン酸部
分の一部または全部がナトリウム、リチウム、カリウ
ム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの (アイオノマ
−樹脂)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチ
レン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル
酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体(“g”はグラ
フトを表す、以下同じ)、エチレン/メタクリル酸メチ
ル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル
酸エチル−g−マレイミド共重合体、エチレン/アクリ
ル酸エチル−g−N−フェニルマレイミド共重合体およ
びこれら共重合体の部分ケン化物、エチレン/プロピレ
ン共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジ
エン共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタ
ジエン共重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノル
ボルナジエン共重合体、エチレン/ブテン共重合体およ
びこれらのα,β−不飽和カルボン酸およびその酸無水
物(例えばマレイン酸、無水マレイン酸、無水マレイン
酸イミド、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸など)、アクリル酸エステル(メチ
ルメタクリル酸エステル、グリシジルメタクリル酸エス
テルなど)などで変性された共重合体、少なくとも一個
のビニル芳香族化合物(スチレン、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、1,3
−ジメチルスチレン、ビニルナフタレンなど)を主体と
する重合体とジエン化合物(例えば1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエンなど)を主体とする重合体ブ
ロックからなるブロック共重合体、およびそのブロック
共重合体の水素添加ブロック共重合体、さらにはそれら
の上記α,β−不飽和カルボン酸およびその酸無水物、
アクリル酸エステルなどで変性された共重合体など、ポ
リウレタン系熱可塑性エラストマ−、シリコ−ンゴム、
ポリエステル系熱可塑性エラストマ−、ポリアミド系熱
可塑性エラストマ−などが挙げられる。
【0018】エラストマ−および熱可塑性樹脂は単独で
用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。また、そ
れぞれを溶融混練して樹脂組成物として用いてもよい。
これら添加される熱可塑性樹脂やエラストマ−は、一般
的には粉末状の形で添加される。一方、本発明の原料
A、Bのどちらか一方または両方に添加することができ
る。粉末状樹脂の粒径は材料液の流動性、送液性および
樹脂の沈降性に問題の無い範囲に粉砕し、好ましくは1
mm以下の粒径のものが使用され、特に好ましくは80
メッシュ篩(177μm)を通過したものが用いられ
る。
【0019】本発明の中空成形品には必要に応じて、ガ
ラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、全芳香族ポリア
ミド繊維などの無機または有機の繊維状強化材あるいは
タルク、ワラステナイト、ベントナイト、モンモリロナ
イト、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、
雲母、ガラスビーズ、チタン酸カリウィスカーなどの粉
末状、球状の充填材、二硫化モリブデン、カ−ボンブラ
ック、パラフィン、シリコーンなどを導入することがで
きる。
【0020】本発明の中空成形品には成形性を損わない
限りにおいて、他の添加剤たとえばステアリン酸マグネ
シウムおよびステアリン酸アルミニウムなどからなるス
テアリン酸金属塩などの離型剤、その他に顔料、染料、
難燃剤、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、
帯電防止剤、可塑剤、結晶核剤、発泡剤、強化材などを
添加することもできる。
【0021】以上のようにして得られた中空成形品は耐
衝撃性が改良されており、かつそのバリヤ性から灯油、
ガソリンなどの運搬用容器、自動二輪車、自動車用など
のオイルタンク、ガソリンタンクなどの油貯蔵容器を与
える中空成形品として有用である。
【0022】なお本発明の中空成形品には、その成形品
の外側や内側に、その他の種類の樹脂層を被覆すること
もできる。その樹脂層は本発明の成形の前に設けられて
いても、また本発明の成形の後に設けられてもよい。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0024】なお、中空成形品の評価は下記の方法に従
って実施した。
【0025】 (1)表面外観:肉眼で観測し以下の基準で判定した 良:滑らかで光沢あり 不良:ザラツキあって光沢なし (2)耐衝撃性:得られた成形品からの平面部分切り取
り、切削加工して12.7x63x3mmの試験片を調
製し、ASTM D256の方法に従ってアイゾット衝
撃値を測定した。
【0026】実施例1 ε−カプロラクタム:588g、アニオン重合触媒であ
る臭素化マグネシウムラクタメート(以下MgBr−C
Lと略記):12gの混合物を原料B,ε−カプロラク
タム:384g、活性化剤であるテレフタロイルビスカ
プロラクタム(以下TBCと略記):36g、式(III
)で示されるポリオ−ルTL4500N(分子量:4
500、三洋化成製):180gの混合物を原料Aと
し、原料A、Bそれぞれを約110℃に加温して液状と
した。窒素雰囲気下で両者を混合、攪拌した後素早く直
径70mm、長さ150mmの円筒状の金型に仕込み、
回転成形機を用いて、表1の条件で半球型中空容器を成
形した。この容器の耐衝撃性試験を実施して表1の結果
を得た。ここで得られた成形品は良好な表面外観を有し
ており、アイゾット衝撃値も880J/mと十分な耐衝
撃性を備え、実用的価値の高い成形品であった。
【0027】
【化4】 (式中Rはプロピレンオキシドおよびエチレンオキシド
構造を意味し、プロピレンオキシドとエチレンオキシド
とがブロック重合構造を成している。nは自然数。また
3つのポリアルキレンオキシド構造の末端は水酸基とな
っている。) 比較例1〜3 ポリオ−ルとして分子量4000のポリオキシプロピル
化グリセリン(GP4000,三洋化成製)、ポリオキ
シプロピレングリコ−ル(PP2000,三洋化成
製)、ポリオキシエチレングリコール(PEG200
0、三洋化成製)をそれぞれ用いた他は表1に示した条
件で、実施例1と同様に操作して、円筒状の容器を回転
成形した。この容器の特性を評価し、表1の結果を得
た。これらはいずれもアイゾット衝撃値が600J/m
に満たず、特性不十分な成形品であった。
【0028】比較例4 実施例1で用いた原料Bを加熱溶融・液状化することな
く用いた以外は実施例1と全く同様の操作で回転成形、
成形品の物性評価を行ったが、ここで得られた成形品は
表面外観不良且つ、衝撃強度も150J/mと著しく低
いものであった。
【0029】比較例5 実施例1で用いた原料Aを加熱溶融・液状化することな
く用いた以外は実施例1と全く同様の操作で回転成形、
成形品の物性評価を行ったが、ここで得られた成形品も
表面外観不良且つ、衝撃強度も200J/mと著しく低
いものであった。
【0030】実施例2〜5 使用する原料A、Bの種類と組成及び成形温度を表1に
示すように変えた以外は実施例1と同様に操作して中空
容器を回転成形し、その物性を評価した。ここで得られ
た成形品はいずれも本発明の目的とした耐衝撃性レベル
に到達した優れたものであった。
【0031】
【表1】 なお、表1において「PO/EO」とは「ポリプロピレ
ンオキシドブロック/ポリエチレンオキシドブロックの
比率を意味する。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によって得られた中空成形
品は耐衝撃性が優れ、、かつそのバリヤ性も良好である
ことから灯油、ガソリンなどの運搬用容器、自動二輪
車、自動車などのオイルタンク、ガソリンタンクなどの
油貯蔵容器を与える中空成形品として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 77:00 B29L 22:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ω−ラクタムのアニオン重合を利用して
    中空成形品を得る方法において、多価の炭化水素基を介
    して、アルキレンオキシド構造および/またはポリアル
    キレンオキシド構造が3個以上結合したポリアルキレン
    オキシド誘導体、ω−ラクタムおよび活性化剤を含んで
    なる原料(A)およびω−ラクタムおよびアニオン重合
    触媒を含んでなる原料(B)を各々の原料が液状となる
    温度に維持し、両者を混合後直ちに成形金型に供給し、
    金型内でアニオン重合することを特徴とする600J/
    m以上のアイゾット衝撃値を有する中空成形品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ポリアルキレンオキシド誘導体がプロピ
    レンオキシド単位とエチレンオキシド単位を含有するも
    のである請求項1記載の中空成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 原料A中のポリアルキレンオキシド誘導
    体の配合量が最終生成物中5〜70重量%であることを
    特徴とする請求項1または2いずれかに記載の中空成形
    品の製造方法。
  4. 【請求項4】 中空成形品が回転成形機で成形されるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空成
    形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 中空成形品が油貯蔵容器である請求項1
    〜4いずれかに記載の中空成形品の製造方法。
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