JP3625906B2 - 手術用顕微鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡や、その他の映像情報を観察視野内に表示可能な手術用顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科等では手術用顕微鏡下で行われる外科手術であるマイクロサージャリが盛んに行われている。さらに、より低侵襲な手術を行うことを目的として、マイクロサージャリには、内視鏡による観察が併用されている。
【0003】
このような手術用顕微鏡と内視鏡との組み合わせについては、例えば特開平3−105305公報や、特願平6−56234号等に示されている。前者は、顕微鏡観察、内視鏡観察のいずれにおいても同一の接眼レンズ(表示手段)により観察ができるもので、顕微鏡観察像および、内視鏡観察像の切換え、重畳が行える顕微鏡装置について開示されている。また、後者も、前者と同様に、同一の観察手段(表示手段)により、顕微鏡観察像および、内視鏡観察像の切換え、重畳が行える顕微鏡装置であるが、後者では特にどちらか一方の観察像の一部に、他方の観察像を合成し、挿入させる表示手段を設けた構成について開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実際にマイクロサージャリに内視鏡を利用する場合には、顕微鏡観察下の視野内で死角となる範囲を内視鏡によって観察することが主な使用方法となるため、内視鏡の使用時には複雑かつ、微細な三次元構造をなす体腔内深部へ、即ち術部へ内視鏡を正確に位置決めする必要がある。この操作は、当然、周囲の正常組織を侵襲しないように顕微鏡観察下で慎重に行わなければならず、且つ、その時の内視鏡で観察する場所も確認しなければならないので、その操作が難しく、手間が掛かる問題がある。
【0005】
また、前述した特開平3−105305号公報の手術用顕微鏡装置では、体腔内での内視鏡のオリエンテーションをつける場合には、顕微鏡観察像と内視鏡観察像を重畳した観察像により行うが、体腔内で同じ場所を観察していても両者の観察像は視点が異なるため、術者は異なる像を重畳した観察像を観察することになる。しかし、このような観察像においては、正確に両者の像を確認することは難しく、有効でないばかりか、各々の観察像における正確な情報さえも得ることが難しくなるおそれもある。
【0006】
また、特願平6−56234号に記されているように、顕微鏡観察像および内視鏡観察像の何れか一方の観察像(主観察像)の一部に、他方の観察像(補助観察像)を合成し、両者の観察像を表示する表示手段では、主に観察している主観察像の表示画面の一部が常に切欠された状態で保持されることになる。そのため、観察対象部位が主観察像の視野の中心付近に配置されていない場合には合成している他方の補助観察像(小画面)に主観察像の観察対象部位が遮られてしまう場合があるので、それをなくすためには術者が術中にスイッチ操作により合成像の位置や、大きさをいちいち変更する面倒な操作が必要になる問題がある。
【0007】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、顕微鏡観察と他の装置による観察とを併用して手術を行う場合に、それらの操作性を向上し、より確実に手術が行える手術用顕微鏡装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、術部を観察するための観察手段と、前記観察手段による画像と異なる画像を取得するための画像取得手段と、前記観察手段による画像と前記画像取得手段による画像を表示するための共通の表示手段と、前記観察手段の観察している術部の合焦位置を検出する合焦位置検出手段と、前記合焦位置検出手段による検出結果に基いて、前記表示手段における前記画像収得手段による画像の表示位置を変更する表示位置変更手段と、を有することを特徴とする手術用顕微鏡装置である。
請求項2の発明は、前記観察手段は、手術用顕微鏡によって形成され、前記画像取得手段は、内視鏡によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡装置である。
請求項3の発明は、術部を観察するための観察手段と、前記観察手段による画像と異なる画像を取得するための画像取得手段と、前記観察手段による画像と前記画像取得手段による画像を表示するための共通の表示手段と、前記観察手段の観察している術部の注視点位置を検出する注視点位置検出手段と、前記注視点位置検出手段による検出結果に基いて、前記表示手段における前記画像取得手段による画像の表示位置を変更する表示位置変更手段と、を有することを特徴とする手術用顕微鏡装置である。
請求項4の発明は、前記観察手段は、手術用顕微鏡によって形成され、前記画像取得手段は、内視鏡、または術前あるいは術中に必要な画像データ信号を出力する機器によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の手術用顕微鏡装置である。
【0009】
上記構成により、術者は複雑な操作なしに、顕微鏡観察像と、他の観察手段である内視鏡観察像とを同時に観察できる上に、合成された補助観察像の子画面の映像が主観察像の観察対象部位に重なった場合には、自動的にその状態を検知し、主観察像の観察対象部位から外れた位置に子画面の合成位置を移動させるようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図5を参照して説明する。図1は本実施の形態の手術用顕微鏡装置全体の概略構成を示すものである。この手術用顕微鏡装置には手術用顕微鏡(第1の観察手段)1と、この顕微鏡1の観察視野の死角となる領域などを観察するための斜視用内視鏡(第2の観察手段)2とが設けられている。
【0011】
また、図2は手術用顕微鏡1の全体構成を示すものである。この手術用顕微鏡1には架台3が設けられている。この架台3は、床面を移動自在であるベースプレート4と、このベースプレート4の略中央に立設された支柱5とから構成されている。
【0012】
さらに、架台3の上端部には多段アーム式の操作アームユニット6が配設されている。この操作アームユニット6には第1〜第3の各アーム7,8,9がそれぞれ設けられている。ここで、第1アーム7は一端が支柱5の上端に軸O を中心に回動自在に取付けられている。この第1アーム7には図示しない照明用の光源が内蔵されている。
【0013】
また、第1アーム7の他端には第2アーム8の一端が軸O を中心に回動自在に取付けられている。この第2アーム8は上下方向に移動操作を行うリンク機構とバランス調整用のガススプリングとからなるパンタグラフアームによって形成されている。
【0014】
また、第2アーム8の他端には第3アーム9が軸O を中心に回動自在に取付けられている。さらに、この第3アーム9には俯仰アーム10の基端部が軸O を中心として回動自在に取付けられている。この俯仰アーム10の先端部には手術用顕微鏡1の観察ヘッド11が軸O を中心として回動自在に取付けられている。この観察ヘッド11には手術用顕微鏡1の鏡体部12と、接眼光学ユニット(表示手段)13と、ハンドル14とがそれぞれ設けられている。そして、この観察ヘッド11は軸O を中心とした鏡体部12の術者の観察方向に対する前後方向の俯仰と、軸O を中心とした術者の左右方向の俯仰とをそれぞれ可能とした状態で支持されている。
【0015】
更に、操作アームユニット6の各軸O 〜O における回動部(関節部)には図3に示す電磁ブレーキ15が各々設けられている。また、各電磁ブレーキ15はそれぞれ制御スイッチ16を介して電源部17に接続されている。なお、制御スイッチ16は観察ヘッド11のハンドル14に配設されている。さらに、電源部17は架台3の支柱5に内蔵されている。そして、ハンドル14の制御スイッチ16によって各電磁ブレーキ15のロック、フリーの操作が行われ、鏡体部12が空間的に自在に位置調整されるように構成されている。
【0016】
また、手術用顕微鏡1の鏡体部12には図4に示すように左右の観察光路18,19と、左右の観察光路18,19に共通の対物レンズ20とが設けられている。さらに、左側の観察光路18には変倍光学系21a、結像レンズ22aおよびRGB撮像素子23aが対物レンズ20側から順次配設されている。同様に、右側の観察光路19には変倍光学系21b、結像レンズ22bおよびRGB撮像素子23bが対物レンズ20側から順次配設されている。なお、RGB撮像素子23a,23bは各々図示しない色分解プリズムと、その各色に対応すべくR、G、Bの各色の撮像素子が取付けられて構成されている。
【0017】
また、接眼光学ユニット13には図1に示すように術者の左右の目に各々対応する観察モニタ24a,24bが設けられている。そして、左目用の観察モニタ24aには左目用接眼レンズ25aが対向配置され、同様に右目用の観察モニタ24bには右目用接眼レンズ25bが対向配置されている。
【0018】
また、斜視用内視鏡2には患者の体内に挿入される挿入部26と、この挿入部26の手元側の端部に配設された接眼部27とが設けられている。さらに、斜視用内視鏡2の接眼部27には斜視用内視鏡2の観察像を撮像するTVカメラ28が図示しないアダプタを介して取付けられている。そして、コントロールユニット36によって制御されるTVカメラ28によって斜視用内視鏡2の観察画像信号が生成されるようになっている。
【0019】
また、本実施の形態の手術用顕微鏡装置には図1に示す電気制御系が設けられている。この電気制御系では手術用顕微鏡1の左右のRGB撮像素子23a,23bはプロセッサ29a,29bに各々接続されている。これらのプロセッサ29a,29bは、RGB撮像素子23a,23bによる信号を画像信号として生成すべく回路構成されている。さらに、両プロセッサ29a,29b間は信号線30を介して接続され、左RGB撮像素子23a側のプロセッサ29aから右RGB撮像素子23b側のプロセッサ29bに同期信号が入力されるようになっている。
【0020】
また、左RGB撮像素子23a側のプロセッサ29aには映像信号中の低周波成分のみを抽出するローパスフィルタ回路(以下LPFと記す)31およびコンパレータ回路等で構成される画像挿入位置検出回路(観察位置検出手段)32がそれぞれ接続されている。ここで、LPF31には右RGB撮像素子23b側のプロセッサ29bが接続されているとともに、積分回路、コンパレータ回路からなる低周波成分位置検出回路33が接続されている。さらに、画像挿入位置検出回路32には低周波成分位置検出回路33および後述するモード設定回路34がそれぞれ接続されている。
【0021】
そして、左RGB撮像素子23aからプロセッサ29aに伝送された映像信号中の低周波成分のみがローパスフィルタ回路31によって抽出されて低周波成分位置検出回路33に入力され、この入力信号にもとづいて低周波成分位置検出回路33によって低周波成分位置が検出されるようになっている。さらに、この低周波成分位置検出回路33からの検出信号が画像挿入位置検出回路32に入力され、この画像挿入位置検出回路32からモード設定回路34に顕微鏡観察像の合焦位置を示す画像挿入位置情報が出力されるようになっており、撮像した映像信号を利用する画像挿入位置検出手段が構成されている。
【0022】
また、左RGB撮像素子23a側のプロセッサ29aにはスーパーインポーズ回路35aが接続されている。同様に、右RGB撮像素子23b側のプロセッサ29bにはスーパーインポーズ回路35bが接続されている。さらに、スーパーインポーズ回路35a,35bには内視鏡用TVカメラ28のコントロールユニット36がそれぞれ接続されているとともに、モード設定回路34がそれぞれ接続されている。
【0023】
ここで、モード設定回路34にはハンドル14の制御スイッチ16およびモードスイッチ(表示位置変更手段)37がそれぞれ接続されている。このモードスイッチ37には、左目用接眼レンズ25aおよび右目用接眼レンズ25bを通して観察モニタ24a,24bの画像を観察して術部Oの立体観察を行う際に図5(A)に示す接眼光学ユニット13の表示画面38に表示される複数の表示モードを選択する複数の操作スイッチが設けられている。例えば、本実施の形態では次の表1の表示モード一覧に示すように“0”、“1”、“2”の各表示モードを選択して後述する観察モードとスーパーインポーズすべく内視鏡2による観察画像の大きさを選択する3つの操作スイッチが設けられている。
【0024】
【表1】
Figure 0003625906
【0025】
そして、モード設定回路34にはこのモードスイッチ37の各操作スイッチからの信号出力およびハンドル14の制御スイッチ16からの信号出力がそれぞれ入力されるようになっている。このモード設定回路34によってスーパーインポーズ回路35a,35bに選択されたモード信号を送信するロジック回路が構成されている。
【0026】
さらに、スーパーインポーズ回路35aにはプロセッサ29aからの顕微鏡観察用の映像信号と、内視鏡用TVカメラ28のコントロールユニット36からの内視鏡2の観察用の映像信号が入力されるようになっている。そして、このスーパーインポーズ回路35aはモード設定回路34から出力される制御信号に応じて、スーパーインポーズする斜視用内視鏡2の画像信号の縮小処理を行う図示しない画像信号処理回路と、その縮小された斜視用内視鏡2の観察画像を顕微鏡1の観察用画像信号にスーパーインポーズするための図示しない合成処理回路とから構成されている。なお、他方のスーパーインポーズ回路35bについても同様であり、ここでの説明は省略する。
【0027】
また、一方のスーパーインポーズ回路35aからの画像信号は術者の左目用観察モニタ24aに入力されるとともに、他方のスーパーインポーズ回路35bからの画像信号が術者の右目用の観察モニタ24bに入力されるようになっている。そして、各モニタ24a,24bに表示される画像が接眼レンズ25a,25bを経て術者の左右の目に各々目視されるようになっている。
【0028】
次に、上記構成の手術用顕微鏡装置の作用について説明する。まず、手術用顕微鏡装置の使用時には図4に示すように手術用顕微鏡1と斜視用内視鏡2とが組合わせて使用される。
【0029】
ここで、手術用顕微鏡1によって得られる術部Oの観察画像は鏡体部12の対物レンズ20から左右の観察光路18,19に導かれる。そして、対物レンズ20から左側の観察光路18に導かれた観察画像は変倍光学系21a、結像レンズ22aにより左側のRGB撮像素子23aに導かれて撮像され、プロセッサ29aにより、顕微鏡観察用の左目画像信号として生成される。同様にして、対物レンズ20から右側の観察光路19に導かれた観察画像は変倍光学系21b、結像レンズ22bにより右側のRGB撮像素子23bに導かれて撮像され、プロセッサ29bにより、顕微鏡観察用の右目画像信号として生成される。
【0030】
また、斜視用内視鏡2による観察像は、TVカメラ28により撮像され、コントロールユニット36にて内視鏡観察用の画像信号が生成される。このとき、斜視用内視鏡2からは主に手術用顕微鏡1によって得られる術部Oの観察画像の死角となる部分O´の観察像が観察される。
【0031】
そして、顕微鏡観察を用いて手術を行う場合、術者はモードスイッチ37の操作スイッチによって例えば表1に示す表示モード一覧に示した“0”の顕微鏡画像のみの表示モードを選択する。この時、モード設定回路34からは、スーパーインポーズ回路35a,35bに表示モード“0”の信号が送られる。
【0032】
この場合、スーパーインポーズ回路35aでは、プロセッサ29aからの顕微鏡観察用の映像信号のみを接眼光学ユニット13の左目用の観察モニタ24aに出力し、表示させる。同様に、スーパーインポース回路35bでも、プロセッサ29bからの顕微鏡観察用の画像信号のみを右目用の観察モニタ24bに表示させる。そして、術者は、左目で左目用の接眼レンズ25aを通して観察モニタ24aの画像を観察し、同時に右目で右目用の接眼レンズ25bを通して観察モニタ24bの画像を観察することにより、術部Oの立体観察を行うことができる。
【0033】
また、俯仰アーム10のハンドル14を支持した状態で、制御スイッチ16をON操作することにより、手術用顕微鏡1の鏡体部12を支持する操作アームユニット6のすべてのアームの関節に設けられている電磁ブレーキ15がフリー状態になる。この状態で、術者は、術部Oを観察するために鏡体部12を空間的に任意の位置に移動させることができる。そして、制御スイッチ16をOFF操作することにより、前述のすべての電磁ブレーキ15がロック状態に切換え操作され、鏡体部12の位置固定が行われる。
【0034】
また、術者が手術用顕微鏡1による顕微鏡観察の死角となる部分O´を観察したい場合には斜視用内視鏡2による観察画像が用いられる。この場合には、モードスイッチ37の操作スイッチによって“1”の表示モードが選択される。このときには次に説明する通り、画像挿入位置検出回路32による画像挿入位置の検出作用が行われる。
【0035】
このときの画像挿入位置検出回路32による画像挿入位置の検出作用を次に説明する。まず、左RGB撮像素子23a側のプロセッサ29aによる映像信号からLPF31により、映像における観察点でない位置情報として映像信号中の低周波成分のみが抽出される。ここで、抽出された映像信号中の低周波成分は低周波成分位置検出回路33の積分回路、コンパレータ回路により2値化変換されたのち、画像挿入位置検出回路32によってプロセッサ29aからの同期信号に従い、映像信号中の低周波成分の位置が判定される。そして、この位置情報が画像挿入位置検出回路32から顕微鏡観察像の合焦位置を示す画像挿入位置信号としてモード設定回路34に出力される。
【0036】
さらに、画像挿入位置検出回路32から出力される画像挿入位置信号に従いモード設定回路34からスーパーインポーズ回路35a,35bに制御信号が出力される。
【0037】
また、この動作は、モード設定回路34に接続されるハンドル14の制御スイッチ16からの信号により手術用顕微鏡1の鏡体部12の位置を変更する操作の終了時毎に繰り返し実施される。なお、手術用顕微鏡1の鏡体部12を全く操作しない場合は画像挿入位置検出回路32から出力される画像挿入位置信号が変化したとしてもモード設定回路34からはスーパーインポーズ回路35a,35bに制御信号が出力されることが防止され、画像挿入位置の変更が停止されることにより、術中、必要以上に接眼光学ユニット13の表示画面38の切換え動作が行われることが防止されている。
【0038】
また、一方のスーパーインポーズ回路35aでは次のスーパーインポーズ処理が行われる。まず、画像信号処理回路により、コントロールユニット36から伝送される斜視用内視鏡2による観察用の画像信号を縮小処理する。続いて、画像挿入位置検出回路32からの情報にもとづいて検出される顕微鏡観察像の合焦位置と重ならない部分に斜視用内視鏡2の観察画像の表示位置を決定する。そして、合成処理回路によりプロセッサ29aからの顕微鏡観察用の画像信号にスーパーインポーズを行い、図5(A)に示す接眼光学ユニット13の表示画面38に手術用顕微鏡1による顕微鏡観察視野が表示される親画面38aと、この親画面38aの一部に斜視用内視鏡2の観察画像が表示される子画面38bとを同時に表示させる親子画面が形成される。
【0039】
このとき、同時に他方のスーパーインポーズ回路35bでも同様のスーパーインポーズ処理が行われる。すなわち、プロセッサ29bからの顕微鏡観察用の画像信号に対し、内視鏡観察による画像の大きさを縮小処理した内視鏡画像の表示位置を画像挿入位置検出回路32からの情報により、決定し、合成処理回路によりプロセッサ29bからの顕微鏡観察用の画像信号にスーパーインポーズを行い、図5(A)に示す親子画面が形成される。そのため、術者は、図5(A)に示す接眼光学ユニット13の親画面38aに表示される顕微鏡観察画像による術部Oの立体視を行いながら、接眼光学ユニット13の子画面38bに表示される内視鏡観察による画像、すなわち術部Oの観察画像の死角となる部分O´の観察像を同時に観察することができる。
【0040】
また、手術が進行するに従って、観察部位は少しずつ体腔内に進んで行くが、術者はそれに従い手術用顕微鏡1の鏡体部12の位置を移動させる操作を行う。この鏡体部12の移動操作時には手術用顕微鏡1の鏡体部12に取り付けられている図示しない焦準機構を、図示しないフットスイッチにより操作するか、鏡体部12に設けられたハンドル14の制御スイッチ16を操作することにより、各アームに設けられている電磁クラッチ16を解除し、鏡体部12の位置を変更することにより術部Oの位置の変化に対応していく。
【0041】
この時、画像挿入位置検出回路32は、画像挿入位置信号をモード設定回路34に出力しているため、図5(B)に示すように親画面38aの顕微鏡観察画像の合焦中心Pがスーパーインポーズされた子画面38bの内視鏡観察画像の影になる位置(同図中で接眼光学ユニット13の表示画面38の右上位置)まで移動する場合には、予めスーパーインポーズ回路35a,35bによって親画面38aの顕微鏡観察画像の一部にスーパーインポーズされた子画面38bの内視鏡観察画像の表示位置を図5(C)に示すように親画面38aの顕微鏡観察画像の合焦中心Pがスーパーインポーズされた子画面38bの内視鏡観察画像の影にならない位置(同図中で表示画面38の左上位置)に変更することができる。そのため、術者は常にスーパーインポーズされた子画面38bの内視鏡画像に邪魔されることなく親画面38aの顕微鏡観察画像を観察することができる。
【0042】
さらに、顕微鏡観察下において斜視用内視鏡2の位置決め操作を慎重に行い、観察部位を決定したのち、次にモードスイッチ37で表示モード“2”の表示モードが選択され、内視鏡画像と顕微鏡画像とを反転させるモード設定が行われる。
【0043】
この場合、スーパーインポーズ回路35aでは、モード設定回路34からの信号によって、プロセッサ29aからの顕微鏡観察画像を、画像信号処理回路により縮小処理し、合成処理回路によりコントロールユニット36からの内視鏡観察用の画像信号にスーパーインポーズを行い、観察モニタ24aに表示させる。同時に、スーパーインポーズ回路35bでも同様に、コントロールユニット36からの内視鏡観察用の画像信号に対し、プロセッサ29bからの顕微鏡観察用の画像信号を画像信号処理回路により縮小処理したのち、合成処理回路によりスーパーインポーズして観察モニタ24bに表示させる。
【0044】
これにより術者は、接眼光学ユニット13の表示画面38の親画面38aの視野の一部に常に表示される子画面38bの顕微鏡観察画像を確認しながら、親画面38aに表示される内視鏡2による観察画像を同時に観察することができる。
【0045】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では、術者はモードスイッチ37の操作による簡単なモード変更により手術用顕微鏡1の顕微鏡画像による術部Oの立体観察と、斜視用内視鏡2による顕微鏡観察の死角部分O´の画像観察が行えるばかりでなく、手術用顕微鏡1の顕微鏡画像による立体観察を行いながら斜視用内視鏡2の観察画像を同時に観察できるので、斜視用内視鏡2の位置決め操作を手術用顕微鏡1の顕微鏡画像観察下において高精度に実施できる。そのため、手術用顕微鏡1の顕微鏡観察と他の装置である斜視用内視鏡2による観察とを併用して手術を行う場合に、それらの操作性を向上し、より確実に手術を行うことができる。
【0046】
また、刻々と変化する術部Oにおいて、接眼光学ユニット13の表示画面38の子画面38bに表示される常に位置決めされた斜視用内視鏡2の観察像がメインである親画面38aに表示される顕微鏡観察像を妨げない位置に自動的に配置されるため、術者は手術の進行を妨げる子画面38bの内視鏡像の表示位置変更のスイッチ操作を行う必要がなくなり、手術自体に集中することができる。このため、手術時間の短縮、ならびに手術の安全性の向上を図ることができる。
【0047】
さらに、手術用顕微鏡1の顕微鏡観察下の手術において、特に内視鏡2などの第2の観察手段を併用する場合に、内視鏡2により観察すべき位置のアライメント操作を行うことが必要であるが、上記構成により、顕微鏡1の観察視野内にて内視鏡2による観察像を同時に観察できるばかりでなく、煩わしい操作が必要最小限で行える。
【0048】
なお、本実施の形態では単眼の斜視用内視鏡2を手術用顕微鏡1と組合わせて使用した場合について例に挙げて示したが、これに代えて立体視用内視鏡や、直視内視鏡を使用してもよい。
【0049】
また、図6乃至図8(D)は本発明の第2の実施の形態を示すものである。図6は本実施の形態における手術用顕微鏡装置全体の概略構成を示すものである。この手術用顕微鏡装置には手術用顕微鏡(第1の観察手段)41と、この顕微鏡41の観察視野の死角となる領域などを観察するための斜視用内視鏡(第2の観察手段)42とが設けられている。
【0050】
ここで、手術用顕微鏡41には第1の実施の形態と同じ構成の架台3の操作アームユニット6によって空間的に位置自在に移動可能に支持された観察ヘッド11が設けられている。この観察ヘッド11の鏡体部12には左右の観察光路43,44と、左右の観察光路43,44に共通の対物レンズ45とが設けられている。
【0051】
さらに、左側の観察光路43には変倍光学系46a、第1のレンズ47a、第2のレンズ48aが対物レンズ45側から順次配設されている。同様に、右側の観察光路44には変倍光学系46b、第1のレンズ47b、第2のレンズ48bが対物レンズ45側から順次配設されている。
【0052】
ここで、左側の観察光路43の第1のレンズ47aは変倍光学系46aからの像を第1のレンズ47aと第2のレンズ48aとの間のQ 位置に結像させるように構成されている。また、第2のレンズ48aは、その像をアフォーカルに戻すように設けられている。このQ の位置は、物体面と共役な位置に設定されている。
【0053】
さらに、右側の観察光路44の第1のレンズ47bおよび第2のレンズ48bも同様に配置されている。すなわち、第1のレンズ47bは変倍光学系46bからの像を第1のレンズ47bと第2のレンズ48bとの間のQ 位置に結像させるように構成されている。また、第2のレンズ48bは、その像をアフォーカルに戻すように設けられている。このQ の位置は、物体面と共役な位置に設定されている。そして、第1のレンズ47bと第2のレンズ48bとの間のQ 位置に液晶シャッタ49が配置されている。
【0054】
この液晶シャッタ49には図7(B)に示すように右側の観察光路44の光束径Lより大きなシャッタ板49aが設けられている。このシャッタ板49aには図7(B)中に斜線部Aで示す小さな第1の領域49bと、斜線部Bで示す大きな第2の領域49cとが設けられている。そして、これらの第1の領域49bと、第2の領域49cとは独立にON状態(光透過状態)と、OFF状態(光遮蔽状態)とに切換え操作可能になっている。
【0055】
さらに、観察ヘッド11には一回結像タイプの接眼鏡筒(表示手段)50が設けられている。この接眼鏡筒50の左側光路には術者の左目51aに対応する左目用接眼レンズ52aが設けられている。同様に、接眼鏡筒50の右側光路には術者の右目51bに対応する右目用接眼レンズ52bが設けられている。
【0056】
また、左側観察光路43には左目用の接眼レンズ52aと第2のレンズ48aとの間にプリズム53が介設されている。さらに、右側観察光路44には右目用の接眼レンズ52bと第2のレンズ48bとの間にビームスプリッタ54が介設されている。これらのプリズム53およびビームスプリッタ54は光路切換え部材55により、それぞれの観察光軸上で、それぞれ独立に挿脱自在に支持されている。
【0057】
また、右側観察光路44内に挿入されたビームスプリッタ54の側方にはリレーレンズ56およびミラー57がそれぞれ左側観察光路43内に挿入されたプリズム53および右側観察光路44内に挿入されたビームスプリッタ54に対して左右の各観察光路43,44の光軸方向と直交する光軸方向に沿って離間対向配置されている。
【0058】
さらに、ビームスプリッタ54側からの光がミラー57によって反射される方向には3倍速モニタ58が離間対向配置されている。そして、この3倍速モニタ58とミラー57との間にはRGB液晶カラーシャッタ59およびレンズ60が順次介設されている。
【0059】
また、3倍速モニタ58は垂直周波数180Hzの白黒モニタである。そして、RGB液晶カラーシャッタ59はこの3倍速モニタ58のモニタ面に配設されている。
【0060】
さらに、RGB液晶カラーシャッタ59には液晶カラーシャッタ駆動回路61が接続されている。そして、RGB液晶カラーシャッタ59はこの液晶カラーシャッタ駆動回路61から供給される図7(A)に示すカラーシャッタ駆動信号により、時分割でR、G、Bの色付けをするように構成されている。なお、液晶カラーシャッタ59は3倍速モニタ58の表示画像を投影する光路上で、光路切換え部材55により、挿脱自在に支持されている。
【0061】
そして、3倍速モニタ58により表示された画像は、液晶カラーシャッタ59、レンズ60、ミラー57、リレーレンズ56を経てビームスプリッタ54に入射されたのち、このビームスプリッタ54で反射された光成分が対物レンズ45から右側観察光路44内の変倍光学系46b、第1のレンズ47b、液晶シャッタ49、第2のレンズ48bを経て導光される光束と合成された状態で、一回結像タイプの接眼鏡筒50の右側光路に入射され、赤外光のみを全反射するダイクロイックミラー62、右目用接眼レンズ52bを経て術者の右目51bに入射されるようになっている。
【0062】
また、ビームスプリッタ54に入射された3倍速モニタ58の画像の光束の一部は、このビームスプリッタ54を透過してプリズム53に入射するように構成されている。そして、プリズム53に入射された光束は、一回結像タイプの接眼鏡筒50の左側光路に入射され、左目用の接眼レンズ52aを経て術者の左目51aに入射されるように構成されている。
【0063】
また、接眼鏡筒50の右側光路には右目用の接眼レンズ52bとビームスプリッタ54との間にダイクロイックミラー62が介設されている。さらに、右側光路上の光がダイクロイックミラー62で反射される方向には術者の右目51bに右目用接眼レンズ52bを介して赤外光を投影する赤外光投影用のIR−LED63が配設されている。このIR−LED63とダイクロイックミラー62との間には投影レンズ64、第1のハーフミラー65、第2のハーフミラー66が順次介設されている。
【0064】
また、IR−LED63とダイクロイックミラー62との間の光路上の光が第1のハーフミラー65によって反射される方向には術者の右目51bの角膜に赤外光が投影された際の水晶体後面の反射によるプルキンエ効果像をとらえるための2次元半導***置検出素子としての第1のPSD(ポジション・センシティブ・ライトディテクタ)67が配設されている。なお、この第1のPSD67と第1のハーフミラー65との間にはレンズ68が介設されている。
【0065】
同様に、IR−LED63とダイクロイックミラー62との間の光路上の光が第2のハーフミラー66によって反射される方向には第2のPSD69が配設されている。なお、この第2のPSD69と第2のハーフミラー66との間にはレンズ70が介設されている。
【0066】
ここで、第1のPSD67、第2のPSD69は右目51bの虹彩部分と共役な位置に配置されている。そして、右目51bの角膜に赤外光が投影された際の水晶体後面の反射によるプルキンエ効果像はダイクロイックミラー62、ハーフミラー66、ハーフミラー65、レンズ68を通して第1のPSD67に、同様に、ダイクロイックミラー62、ハーフミラー66、レンズ70を通して第2のPSD69に入射され、瞳孔中心を検出するようになっている。
【0067】
また、斜視用内視鏡42には患者の体内に挿入される挿入部71と、この挿入部71の手元側の端部に配設された接眼部72とが設けられている。さらに、斜視用内視鏡42の接眼部72には斜視用内視鏡42の観察像を撮像するTVカメラ73が図示しないアダプタを介して取付けられている。そして、コントロールユニット74によって制御されるTVカメラ73によって斜視用内視鏡42の観察画像信号が生成されるようになっている。
【0068】
また、本実施の形態の手術用顕微鏡装置では第1の実施の形態と同様に接眼鏡筒50の左目用接眼レンズ52aおよび右目用接眼レンズ52bを覗いた際に形成される表示画面に表示される複数種類の観察画像の表示モードを選択する図示しないスイッチを備えるモードスイッチ81が設けられている。このモードスイッチ81には前述した第1の実施の形態で示した3モードの表示モード(表1に示す“0”、“1”、“2”の各表示モード)の他に、図7(D)または図7(E)に示すように顕微鏡観察視野82内にデータ画像83を重畳させた状態で表示する“データオン”モードを選択するデータオンモード選択機能が新たに設けられている。そして、このモードスイッチ81では第1の実施の形態と同様の3モードの表示モードと、“データオン”モードとの計4モードの表示モードのうちから所望の表示モードが選択が可能になっている。
【0069】
さらに、このモードスイッチ81はフットスイッチ85に内蔵されている。このフットスイッチ85は図2に示す顕微鏡41の支柱5内に配設されたマルチプレクサ86に接続されている。
【0070】
また、マルチプレクサ86にはコントロールユニット74と、術前あるいは術中に必要な神経モニタ機器、MRIもしくはCT等の機器からの画像データ信号を蓄えている画像メモリ87と、イメージスキャナ88と、光路切換え駆動回路89と、スーパーインポーズ回路90とがそれぞれ接続されている。そして、マルチプレクサ86はモードスイッチ81からの信号に応じてコントロールユニット74から伝送される内視鏡42からの観察画像信号を供給するとともに、画像メモリ87と、光路切換え駆動回路89にモードスイッチ81からの信号に対応した駆動信号を供給する回路によって形成されている。
【0071】
ここで、画像メモリ87にはイメージスキャナ88が接続されている。そして、イメージスキャナ88から出力される画像信号がデータ化され、画像メモリ87に蓄積されるようになっている。
【0072】
さらに、光路切換え駆動回路89は光路切換え部材55に接続されている。そして、光路切換え部材55は光路切換え駆動回路89から駆動信号にもとづいてプリズム53、ビームスプリッタ54、RGB液晶カラーシャッタ59がそれぞれ独立に各光路内に挿脱操作されるようになっている。
【0073】
また、スーパーインポーズ回路90はマルチプレクサ86を介して入力されるモードスイッチ81からの出力信号に応じて表示する画像の種類と大きさを変える図示しない画像縮小処理回路から構成されている。このスーパーインポーズ回路90にはRGBデコーダ91と、液晶シャッタ駆動回路92と、注視点演算回路93とがそれぞれ接続されている。さらに、スーパーインポーズ回路90にはRGBデコーダ91を介してコンバータ94が接続されている。このコンバータ94には3倍速モニタ58および液晶カラーシャッタ駆動回路61がそれぞれ接続されている。
【0074】
そして、スーパーインポーズ回路90から出力される画像信号はRGBデコーダ91を介してコンバータ94に入力されるようになっている。また、コンバータ94からのシリアルRGB画像信号が3倍速モニタ58に入力されるようになっている。
【0075】
さらに、RGBデコーダ91はスーパーインポーズ回路90から出力される画像信号がコンポジット信号である場合には、RGB画像信号に変換するように構成されている。また、コンバータ94はRGBデコーダ91からのRGB画像信号を図7(A)に示すシリアルRGB画像信号に変換すべく図示しない画像信号圧縮処理回路と、図示しないスイッチング回路と、液晶カラーシャッタ駆動回路61を介してRGB液晶カラーシャッタ59を制御する図示しない液晶コントロール回路とから構成されている。
【0076】
また、液晶シャッタ駆動回路92には液晶シャッタ49が接続されている。この液晶シャッタ49はモードスイッチ81からの制御信号に応じてコントロールされる図示しない液晶コントロール回路を備えている。
【0077】
また、注視点演算回路93には注視点検出回路(観察位置検出手段)95が接続されている。この注視点検出回路95にはIR−LED63、第1のPSD67および第2のPSD69がそれぞれ接続されている。
【0078】
次に、上記構成の手術用顕微鏡装置の作用について説明する。まず、手術用顕微鏡装置の使用時には第1の実施の形態と同様に手術用顕微鏡41と斜視用内視鏡42とが組合わせて使用される。
【0079】
そして、術者が顕微鏡観察を行う場合には、モードスイッチ81によって“0”モードが選択され、顕微鏡観察のみの表示モードが設定される。この時、マルチプレクサ86はスーパーインポーズ回路90にモードスイッチ81からの出力信号は伝達するが、その他の映像信号は出力しない。さらに、マルチプレクサ86からは光路切換え駆動回路89にも駆動信号を出力しないため、光路切換え部材55は図8(A)に示す初期状態で保持される。このとき、プリズム53およびビームスプリッタ54は左右の顕微鏡観察光路43,44から外れた位置で保持されるとともに、液晶カラーシャッタ59も3倍速モニタ58とミラー57との間の光路から外れた位置で保持される。
【0080】
そして、この状態ではコントロールユニット74からの内視鏡画像はマルチプレクサ86からスーパーインポーズ回路90へ出力されない状態で保持される。さらに、液晶シャッタ駆動回路92には図7(B)に示すように液晶シャッタ49の第1の領域49bと、第2の領域49cとを共にON状態で保持する制御信号が出力され、液晶シャッタ駆動回路92によって液晶シャッタ49が第1の領域49bと、第2の領域49cとを共にON状態(光透過状態)で保持する状態に駆動される。
【0081】
そのため、手術用顕微鏡41による術部Oの観察像は対物レンズ45から左側の観察光路43の変倍光学系46a、第1のレンズ47a、第2のレンズ48aを経て一回結像タイプの接眼鏡筒50の左側接眼レンズ52aにより結像される。さらに、この術部Oの観察像は同時に、対物レンズ45から右側の観察光路44の変倍光学系46b、第1のレンズ47b、液晶シャッタ49、第2のレンズ48bおよびダイクロイックミラー62を経て一回結像タイプの接眼鏡筒50の右側接眼レンズ52bにより結像される。そのため、術者が接眼鏡筒50の左側接眼レンズ52aおよび右側接眼レンズ52bを同時に覗くことにより、手術用顕微鏡41による術部Oの立体観察を行うことができる。
【0082】
また、術者が斜視用内視鏡42による観察を行う場合には、まずモードスイッチ81により“1”モードが選択され、一部内視鏡観察の表示モードが設定される。このとき、マルチプレクサ86はモードスイッチ81からの信号によりスーパーインポーズ回路90にモードスイッチ81からの出力信号とコントロールユニット74から送られる斜視用内視鏡42の観察画像とを出力し、光路切換え駆動回路89に“1”モードの一部内視鏡観察の表示モードに対応する駆動信号を出力する。
【0083】
これにより、光路切換え部材55は図8(B)に示すように液晶カラーシャッタ59を3倍速モニタ58とミラー57との間の光路内に挿入して3倍速モニタ58の画像表示面に配置した状態で、かつビームスプリッタ54を右側観察光路44中に挿入する状態に駆動される。なお、プリズム53は左側観察光路43から外れた位置で保持される。
【0084】
また、スーパーインポーズ回路90はマルチプレクサ86を経由したモードスイッチ81からの信号により、画像縮小処理回路にてコントロールユニット74からの斜視用内視鏡42の観察画像の縮小処理を行う。
【0085】
さらに、スーパーインポーズ回路90からの出力信号にもとづいて液晶シャッタ駆動回路92が駆動される。このとき、図7(B)に示す液晶シャッタ49のシャッタ板49aのうち斜線部Bの第2の領域49cのみをON状態(光透過状態)、斜線部Aの第1の領域49bはOFF状態(光遮蔽状態)に切換え操作する制御信号が液晶シャッタ駆動回路92に出力され、液晶シャッタ49が駆動される。
【0086】
また、スーパーインポーズ回路90から出力された“1”の表示モードの画像信号は、RGBデコーダ91でRGB画像信号に変換されたのち、コンバータ94によって図7(A)に示す垂直周波数180HzのシリアルRGB画像信号に変換される。そして、この信号がコンバータ94から3倍速モニタ58に入力され、3倍速モニタ58に表示される。このとき、3倍速モニタ58で表示される画像はRGB画像信号の各色の画像の輝度分であり、白黒画像である。
【0087】
さらに、コンバータ94のRGB液晶コントロール回路により、3倍速モニタ58に表示されるシリアルRGB画像信号に対応して液晶カラーシャッタ駆動回路61が駆動され、3倍速モニタ58で表示される白黒画像にR、G、Bの色付けを行う次の色付け操作が行なわれる。このとき、液晶カラーシャッタ駆動回路61からはRGB液晶カラーシャッタ59に図7(A)に示す通りRGBの3色に対応するカラーシャッタ駆動信号が出力される。そして、3倍速モニタ58に表示される表示画像R1に応じてRGB液晶カラーシャッタ59が“R”(RED)の発色となる。そのため、この場合には3倍速モニタ58に表示される表示画像R1がRGB液晶カラーシャッタ59を通してレンズ60側に導かれる際にR色に着色され、R色の内視鏡画像が形成される。
【0088】
ここで、液晶カラーシャッタ59は図7(A)に示すカラーシャッタ駆動信号のタイミングで駆動されているため、以下、G色の内視鏡画像およびB色の内視鏡画像も同様に順次形成される。そのため、3倍速モニタ58で表示された白黒の内視鏡画像(RGB画像信号の各色の画像の輝度分)が液晶カラーシャッタ59を透過する際にRGBの3色に着色される動作がカラーシャッタ駆動信号のタイミングに同期して順次繰り返されるので、この液晶カラーシャッタ59を透過した内視鏡画像によってカラー映像が形成される。
【0089】
さらに、液晶カラーシャッタ59を透過して形成されたカラー映像の内視鏡画像はレンズ60、ミラー57、リレーレンズ56を経てビームスプリッタ54に入射される。ここで送られるカラー映像の内視鏡画像は上記レンズ系とビームスプリッタ54により、液晶シャッタ49の斜線部Aの第1の領域49bに対応する位置に挿入される。そのため、術者が接眼鏡筒50の左側接眼レンズ52aおよび右側接眼レンズ52bを同時に覗いた際に、図7(C)に示すように顕微鏡観察視野82内の斜線部Cにカラー映像の内視鏡画像が挿入された状態で、手術用顕微鏡41による術部Oの立体観察と、カラー映像の内視鏡画像の観察とを同時に行うことができる。このとき、手術用顕微鏡41による術部Oの顕微鏡観察像は液晶シャッタ49により、挿入された内視鏡観察像に対応する部分(シャッタ板49aのうち斜線部Aの第1の領域49b)は光束が遮蔽されているので、挿入された内視鏡観察画像が無理なく観察される。
【0090】
さらに、この“1”モードである一部内視鏡観察の表示モードでの手術用顕微鏡41による術部Oの立体画像と、カラー映像の内視鏡画像の同時観察中、観察ヘッド11の鏡体部12に内蔵されたIR−LED63より発光された赤外光は、投影レンズ64によりハーフミラー65,66、ダイクロイックミラー62、接眼レンズ52bを経て術者の右目51bの角膜に投影され、水晶体後面の反射によるプルキンエ効果像を引き起こし、再び、接眼レンズ52bを介して、ダイクロイックミラー62、ハーフミラー66、レンズ70を経て2次元半導***置検出素子としてのPSD69に入射される。
【0091】
このとき、接眼レンズ52bおよびダイクロイックミラー62を経てハーフミラー66に導光されたプルキンエ効果像の一部はハーフミラー66を透過する。そして、この透過光はハーフミラー65側に導かれた後、このハーフミラー65で反射されてレンズ68を経て同様にPSD67に入射される。これにより、術者の右目51bの瞳孔中心が検出される。
【0092】
また、PSD67,69からの検出信号は注視点検出回路95に入力される。そして、この注視点検出回路95でプルキンエ効果像と瞳孔中心の検出データから術者の注視点を算出するステップS1の処理が行われる。さらに、この注視点検出回路95からの出力信号は注視点演算回路93に入力される。そして、この注視点演算回路93で注視点が観察視野内のどの位置にあるかを判定するステップS2の処理が行われる。
【0093】
具体的に説明すると図7(C)の顕微鏡観察視野82内のD点の部分が注視点となる場合の様に、顕微鏡観察視野82内の斜線部Cに挿入されているカラー映像の内視鏡画像のスーパーインポーズ画面と注視点Dとの間が離れている場合にはその位置関係の情報をそのまま次のステップ3に伝達する処理が行われる。
【0094】
また、顕微鏡観察視野82内のE点の部分が注視点となる場合の様に、斜線部Cのスーパーインポーズ画面と注視点Eとの間が比較的近い場合にはスーパーインポーズ画面が注視点Eの邪魔になると判断した上で、ステップ3に移行する処理が行われる。さらに、斜線部Cのスーパーインポーズ画面を注視していると判断した場合にはその情報をステップ3に伝達する処理が行われる。
【0095】
そして、ステップS3において一定期間の停留により、スーパーインポーズ画面が術者の注視点の邪魔になるか否かが最終判定される。ここで、最終判定がNOの時、即ちスーパーインポーズ画面と注視点との間が離れている状態と判断された場合と、YESでもNOでもない場合、即ちスーパーインポーズ画面と注視点とが重なり、スーパーインポーズ画面を注視している状態と判断された場合はステップS1に戻る。
【0096】
また、最終判定がYESの時、即ちスーパーインポーズ画面と注視点との間が近く、スーパーインポーズ画面が注視点の邪魔になると判断された場合には次のステップS4に移り、注視点演算回路93からスーパーインポーズ回路90に挿入された内視鏡観察画像の表示位置を変更する制御信号が出力される。この場合には現在、図7(C)に示すように顕微鏡観察視野82内の右上角部に配置された斜線部Cに挿入されているカラー映像の内視鏡画像のスーパーインポーズ画面が顕微鏡観察視野82内の右上角部以外の位置、例えば顕微鏡観察視野82内の左上角部、或いは左下角部等のように斜線部Cのスーパーインポーズ画面と注視点Eとが離れる位置に移動された状態で表示される。このため、術者は常にスーパーインポーズされた内視鏡画像に邪魔されることなく顕微鏡観察画像を観察することができる。
【0097】
また、術者が術中に監視している神経モニタの波形や、術前あるいは術中のCT、MRI等のデータ画像83を顕微鏡観察視野82内に合成して合わせて観察する場合には術者はモードスイッチ81を操作して“データオン”モードを選択する。このとき、画像メモリ87には予めイメージスキャナ88を用いてデータ化された画像信号が複数蓄えられている。そして、モードスイッチ81によりフットスイッチ85の機能が顕微鏡操作から画像変更に切換えられる。この場合にはフットスイッチ85から信号を受けたマルチプレクサ86は、スーパーインポーズ回路90に画像メモリ87に蓄えられている画像データ信号を出力し、光路切換え駆動回路89に、モードスイッチ81で選択された“データオン”モードに対応する駆動信号を出力する。
【0098】
また、光路切換え駆動回路89より駆動信号を受け取った光路切換え部材55は、図8(C)に示すようにビームスプリッタ54のみを右側顕微鏡観察光路44に挿入した状態に駆動される。
【0099】
さらに、スーパーインポーズ回路90はマルチプレクサ86を経由したモードスイッチ81からの信号により、画像縮小処理回路にてマルチプレクサ86からのデータ画像の縮小処理を行う。このとき、液晶シャッタ駆動回路92では図7(B)に示す液晶シャッタ49のシャッタ板49aの斜線部Aの第1の領域49bおよび斜線部Bの第2の領域49cのすべてをON状態(光透過状態)に切換え操作する制御信号が液晶シャッタ駆動回路92に出力され、液晶シャッタ49が駆動される。
【0100】
また、スーパーインポーズ回路90から出力された“データオン”のデータ画像信号はRGBデコーダ91にて画像信号に変換されてからコンバータ94に入力される。続いて、このコンバータ94から出力されるRGB画像信号が3倍速モニタ58に入力される。
【0101】
さらに、3倍速モニタ58で一部に表示されたデータ画像は、白黒画像であるが3倍速モニタ58の性能をフルに発揮すべく高解像度で表示される。この3倍速モニタ58に表示された白黒画像のデータ画像はレンズ60、ミラー57、リレーレンズ56を経てビームスプリッタ54に入射される。そして、これらのレンズ系とビームスプリッタ54により、図7(C)に示すように顕微鏡観察視野82内の右上角部Cに白黒画像のデータ画像が挿入される。
【0102】
このとき、顕微鏡観察像は“1”モードの一部内視鏡観察の表示モードと同様に観察され、図7(D)に示すようにデータ画像83は顕微鏡観察視野82内の右上角部Fに挿入された状態で観察される。
【0103】
さらに、この“データオン”モードの場合でも“1”モードの一部内視鏡観察の表示モードと同様に、術者の顕微鏡観察画像の注視点が検出されているため、挿入されたデータ画像83が術者の顕微鏡観察視野82内の注視点Gの領域の影になってしまう場合には、データ画像83の表示位置を図7(E)のように顕微鏡観察視野82内の注視点Gの領域の影にならない位置に変更した状態で表示される。そのため、この場合も術者は常にスーパーインポーズされたデータ画像83に邪魔されることなく顕微鏡観察画像を観察することができる。
【0104】
また、本実施の形態のRGB液晶カラーシャッター方式のディスプレイである3倍速モニタ58は、解像力という面では白黒モニタの解像力をフルに生かしてカラー化が可能であるが、反面、RGB液晶カラーシャッタ59での透過率が低いために明るさの点では問題がある。特に、図7(C)に示すように顕微鏡観察像が表示されている顕微鏡観察視野82内にデータ画像83を挿入した状態で重ねる場合には問題がある。
【0105】
そこで、本実施の形態では、このRGB液晶カラーシャッタ59を挿脱自在に設けている。これにより、単にデータ画像83のデータ表示の場合はカラーである必要性も低く、逆にRGB液晶カラーシャッタ59のために3倍速モニタ58は、輝度出力をUPさせていることを利用すれば、このRGB液晶カラーシャッタ51を外すことで顕微鏡観察像にデータ画像83を重像させることも可能になる。
【0106】
また、術者が手術用顕微鏡41による顕微鏡観察下において、斜視用内視鏡42の操作を慎重に行い、観察部位を決定し状態で、モードスイッチ81の切換え操作により“内視鏡観察画像のみ”の表示モードを選択することができる。この場合にはマルチプレクサ86はモードスイッチ81からの信号によりスーパーインポーズ回路90にモードスイッチ81の信号とコントロールユニット74からの内視鏡観察画像を出力し、光路切換え駆動回路89に“内視鏡観察画像のみ”の表示モードの駆動信号を出力する。
【0107】
これにより、光路切換え部材55は、図8(D)のように液晶カラーシャッタ59を3倍速モニタ58の画像表示面に挿入し、ビームスプリッタ54を右側観察光路44中に挿入し、プリズム53を左側観察光路43中に挿入する状態に駆動される。
【0108】
このとき、スーパーインポーズ回路90はマルチプレクサ86を経由したモードスイッチ81からの信号により、コントロールユニット74からの斜視用内視鏡42からの観察画像をRGBデコーダ91に伝達する。この場合、斜視用内視鏡42からの観察画像の縮小処理は行われず、フルサイズの斜視用内視鏡42からの観察画像が伝達される。
【0109】
また、スーパーインポーズ回路90の液晶コントロール回路からは図7(B)に示すように液晶シャッタ49の第1の領域49bおよび第2の領域49cの両方をOFF状態(光遮蔽状態)で保持する制御信号が液晶シャッタ駆動回路92に出力され、この液晶シャッタ駆動回路92によって液晶シャッタ49が駆動される。
【0110】
さらに、スーパーインポーズ回路90から出力された“内視鏡観察画像のみ”の表示モードの画像信号は、RGBデコーダ91にてRGB画像信号に変換されてからコンバータ94においてシリアルRGB画像信号に変換される。そして、この信号が3倍速モニタ58に入力され、表示される。
【0111】
この3倍速モニタ58で表示された内視鏡画像は、液晶カラーシャッタ59が図7(A)に示すタイミングで駆動されているため、カラー映像となり、レンズ系とビームスプリッタ54により、図7(C)に示す顕微鏡観察視野82において点線で囲まれた部位に斜視用内視鏡42からの観察画像が表示される。この時、右側観察光路44は液晶シャッタ49により、左側観察光路43はプリズム53によりそれぞれ顕微鏡観察像の光束が遮蔽されているので、術者が接眼鏡筒50の左側接眼レンズ52aおよび右側接眼レンズ52bを同時に覗いた際に、挿入された内視鏡観察画像は術者の両目51a,51bにより無理なく観察される。
【0112】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではモードスイッチ81の“1”モードである一部内視鏡観察の表示モードでの手術用顕微鏡41による術部Oの立体画像と、カラー映像の内視鏡画像との同時観察中、術者の顕微鏡観察画像の注視点を検出し、ここで検出された注視点の領域の影にならない位置に内視鏡画像の位置を変更した状態で表示させることができるので、本実施の形態のように光学的観察の手術用顕微鏡においても、第1の実施の形態と同様の内視鏡観察を同時に行うことができる。
【0113】
また、顕微鏡観察像の性能を劣化させることなく、その顕微鏡観察像の一部で十分な表示能力を持つ内視鏡観察像や、各種診断機器等の複数のデータ画像を術者の観察のメインである顕微鏡観察像を妨げない位置に表示させることができるので、術者は手術の進行を妨げる内視鏡像の表示位置変更のスイッチ操作を行う必要がなくなり、手術自体に集中することができる。
【0114】
また、フットスイッチ85の機能が、必要に応じて顕微鏡操作と、画像切換え操作とに変更できるため、それぞれの機能専用のフットスイッチ85を別個に設ける場合に比べて手術室の床面の構成を簡素化することができる。
【0115】
以上により、手術用顕微鏡41の顕微鏡観察下での斜視用内視鏡42の観察のための操作性が向上し、手術用顕微鏡41の顕微鏡観察下で内視鏡観察を併用する場合でも安全に手術を遂行することができるため、術者は手術に専念でき、手術時間の短縮につながる効果がある。
【0116】
また、内視鏡像以外の手術中に必要な映像情報、例えば神経のモニタリング像等も上記構成により、簡単な操作で顕微鏡観察視野内にて術部と同時に観察できる。このため術者は、手術手技に集中することができ、周囲の正常組織を損傷することなく確認しながら行えることから、安全にそして敏速に作業を進めることができる。
【0117】
また、図9乃至図11(B)は本発明の第3の実施の形態を示すものである。図9は本実施の形態における手術用顕微鏡装置全体の概略構成を示すものである。この手術用顕微鏡装置には手術用顕微鏡(第1の観察手段)101と、この顕微鏡101の観察視野の死角となる領域などを観察するための第2の実施の形態と同じ構成の斜視用内視鏡(第2の観察手段)102とが設けられている。
【0118】
ここで、手術用顕微鏡101には第1の実施の形態と同じ構成の架台3の操作アームユニット6によって空間的に位置自在に移動可能に支持された観察ヘッド11が設けられている。この観察ヘッド11の鏡体部12には左右の観察光路103,104と、左右の観察光路103,104に共通の対物レンズ105とが設けられている。
【0119】
さらに、左側の観察光路103には変倍光学系106aと、光路分割手段としてのビームスプリッタ107aとが対物レンズ105側から順次配設されている。同様に、右側の観察光路104には変倍光学系106bと、光路分割手段としてのビームスプリッタ107bとが対物レンズ105側から順次配設されている。
【0120】
また、鏡体部12内の左側の観察光路103にはビームスプリッタ107aで反射された光の光路上に結像レンズ108aと、RGB撮像素子109aとが順次配設されている。同様に、鏡体部12内の右側の観察光路104にはビームスプリッタ107bで反射された光の光路上に結像レンズ108bと、RGB撮像素子109bとが順次配設されている。ここで、左右のRGB撮像素子109a,109bは、各々プロセッサ110a,110bに接続され、顕微鏡観察画像を生成するようになっている。なお、左右のプロセッサ110a,110b間は接続されており、左側のプロセッサ110aからの出力信号が右側のプロセッサ110bに入力されるようになっている。
【0121】
また、鏡体部12内の左側の観察光路103にはビームスプリッタ107aを透過した光の光路上に挿脱自在に挿入される可動ミラー111aが設けられている。同様に、鏡体部12内の右側の観察光路104にはビームスプリッタ107bを透過した光の光路上に挿脱自在に挿入される可動ミラー111bが設けられている。ここで、左右の可動ミラー111a,111bは図9中に実線で示すようにビームスプリッタ107a,107bを透過した光の光路上に挿入された挿入位置と、同図中に点線で示すようにビームスプリッタ107a,107bを透過した光の光路上から外れた位置とにそれぞれ回動可能に支持されている。なお、図9中に点線で示す光路上から外れた位置が初期状態として設定されている。
【0122】
また、左側の観察光路103に挿入された可動ミラー111aの外側には投影レンズ112aおよびミラー113aが順次配設されている。さらに、ミラー113aによって反射される光路上には術者の左目用の観察モニタ114aが離間対向配置されている。
【0123】
同様に、右側の観察光路104に挿入された可動ミラー111bの外側には投影レンズ112bおよびミラー113bが順次配設されている。さらに、ミラー113bによって反射される光路上には術者の右目用の観察モニタ114bが離間対向配置されている。
【0124】
そして、手術用顕微鏡101による術部Oの観察像は対物レンズ105から左右の観察光路103,104にそれぞれ導光されるようになっている。ここで、左側の観察光路103の変倍光学系106aを通してビームスプリッタ107aに入射された観察像の一部はこのビームスプリッタ107aを透過し、残りはこのビームスプリッタ107aで反射されるようになっている。さらに、ビームスプリッタ107aで反射された観察像の光成分は結像レンズ108aによってRGB撮像素子109aに結像されるようになっている。
【0125】
また、ビームスプリッタ107aを透過した光は可動ミラー111a側に導かれるようになっている。ここで、ビームスプリッタ107aを透過した光の光路上に可動ミラー111aが挿入されていない場合にはビームスプリッタ107aを透過した光は第2の実施の形態に示されているような一回結像タイプの接眼鏡筒(BI)50の左側光路の左目用接眼レンズ52a側に導かれるようになっている。また、ビームスプリッタ107aを透過した光の光路上に可動ミラー111aが挿入されている場合には左目用の観察モニタ114aの画像がミラー113aおよび投影レンズ112aを経て可動ミラー111aで反射されたのち、接眼鏡筒50の左側光路の左目用接眼レンズ52a側に導かれるようになっている。
【0126】
また、右側の観察光路104の変倍光学系106bを通してビームスプリッタ107bに入射された観察像の一部はこのビームスプリッタ107bを透過し、残りはこのビームスプリッタ107bで反射されるようになっている。さらに、ビームスプリッタ107bで反射された観察像の光成分は結像レンズ108bによってRGB撮像素子109bに結像されるようになっている。
【0127】
また、ビームスプリッタ107bを透過した光は可動ミラー111b側に導かれるようになっている。ここで、ビームスプリッタ107bを透過した光の光路上に可動ミラー111bが挿入されていない場合にはビームスプリッタ107bを透過した光は第2の実施の形態に示されているような一回結像タイプの接眼鏡筒50の右側光路の右目用接眼レンズ52b側に導かれるようになっている。また、ビームスプリッタ107bを透過した光の光路上に可動ミラー111bが挿入されている場合には右目用の観察モニタ114bの画像がミラー113bおよび投影レンズ112bを経て可動ミラー111bで反射されたのち、接眼鏡筒50の右側光路の右目用接眼レンズ52b側に導かれるようになっている。
【0128】
また、本実施の形態の手術用顕微鏡装置では第1、第2の各実施の形態と同様に接眼鏡筒50の左目用接眼レンズ52aおよび右目用接眼レンズ52bを覗いた際に形成される表示画面に表示される複数種類の観察画像の表示モードを選択する図示しないスイッチを備えるモードスイッチ115が設けられている。このモードスイッチ115はフットスイッチ116内に設置されている。さらに、このモードスイッチ115には第1の実施の形態と同様に顕微鏡101による観察モードとスーパーインポーズすべく斜視用内視鏡102による観察画像の大きさを選択する複数の操作スイッチが設けられている。このモードスイッチ115はモード設定回路117に接続されている。そして、このモードスイッチ115からの信号出力がモード設定回路117に出力されるようになっている。
【0129】
また、モード設定回路117には左右のスーパーインポーズ回路118a,118bがそれぞれ接続されている。そして、このモード設定回路117はモードスイッチ115で選択されたモード信号を左右のスーパーインポーズ回路118a,118bに送信するロジック回路によって構成されている。
【0130】
さらに、フットスイッチ116には観察画像内に表示される指標を操作する術者用の指標操作スイッチ119が配設されている。この指標操作スイッチ119は指標作成回路120に接続されている。この指標作成回路120には術者用と同様に見学者用の指標操作スイッチ121も接続されている。そして、この指標作成回路120は左右のスーパーインポーズ回路118a,118bにそれぞれ接続されている。
【0131】
また、左側のスーパーインポーズ回路118aにはプロセッサ110aと、内視鏡102用のTVカメラ122のコントロールユニット123と、左目用の観察モニタ114aと、見学者用の外部モニタ124とがそれぞれ接続されている。
【0132】
ここで、斜視用内視鏡102には患者の体内に挿入される挿入部125と、この挿入部125の手元側の端部に配設された接眼部126とが設けられている。さらに、斜視用内視鏡102の接眼部126には斜視用内視鏡102の観察像を撮像するTVカメラ122が図示しないアダプタを介して取付けられている。そして、コントロールユニット123によって制御されるTVカメラ122によって斜視用内視鏡102の観察画像信号が生成されるようになっている。
【0133】
また、左側のスーパーインポーズ回路118aにはさらにプロセッサ110aによって生成された顕微鏡観察用の映像信号と、内視鏡用TVカメラ122のコントロールユニット123によって生成された内視鏡観察用の映像信号が入力されるようになっている。そして、このスーパーインポーズ回路118aはモード設定回路117からの信号に応じて、スーパーインポーズする内視鏡観察画像の縮小処理を行う画像信号処理回路(図示しない)と、その縮小された内視鏡観察画像を顕微鏡観察用画像信号にスーパーインポーズするための合成処理回路(図示しない)とから構成されている。
【0134】
さらに、右側のスーパーインポーズ回路118bにはプロセッサ110bと、斜視用内視鏡102用のTVカメラ122のコントロールユニット123と、右目用の観察モニタ114bとがそれぞれ接続されている。この右側のスーパーインポーズ回路118bにはプロセッサ110bによって生成された顕微鏡観察用の映像信号と、内視鏡用TVカメラ122のコントロールユニット123によって生成された内視鏡観察用の映像信号が入力されるようになっている。そして、このスーパーインポーズ回路118bはモード設定回路117からの信号に応じて、スーパーインポーズする内視鏡観察画像の縮小処理を行う画像信号処理回路(図示しない)と、その縮小された内視鏡観察画像を顕微鏡観察用画像信号にスーパーインポーズするための合成処理回路(図示しない)とから構成されている。
【0135】
また、スーパーインポーズ回路118a,118bからの画像信号は、各々術者の右目用観察モニタ114aと左目用の観察モニタ114bに入力されるようになっている。
【0136】
次に、上記構成の手術用顕微鏡装置の作用について説明する。まず、手術用顕微鏡装置の使用時には第1、第2の実施の形態と同様に手術用顕微鏡101と斜視用内視鏡102とが組合わせて使用される。
【0137】
そして、術者が顕微鏡観察を行う場合にはモードスイッチ115によって“顕微鏡観察のみ”のモードを選択する。この時、モード設定回路117からは駆動信号が何も出力されないため、可動ミラー111a,111bは初期状態である図9の点線で示す光路上から外れた位置で保持されている。
【0138】
そのため、この場合には術部Oの観察像は対物レンズ105から左側の観察光路103の変倍光学系106aおよびビームスプリッタ107aを順次介して一回結像タイプの接眼鏡筒50の左目用接眼レンズ52aにより結像される。さらに、この術部Oの観察像は同時に、対物レンズ105から右側の観察光路104の変倍光学系106bおよびビームスプリッタ107bを順次介して一回結像タイプの接眼鏡筒50の右目用接眼レンズ52bにより結像される。そのため、術者が接眼鏡筒50の左側接眼レンズ52aおよび右側接眼レンズ52bを同時に覗くことにより、手術用顕微鏡101による術部Oの立体観察を行うことができる。なお、図10(A)は手術用顕微鏡101による観察像を示すもので、127は接眼視野、128は顕微鏡観察像の撮像範囲である。
【0139】
また、術者が顕微鏡観察の死角O´を観察する場合には斜視用内視鏡102が用いられる。この場合にはモードスイッチ115によって“一部内視鏡画像”の表示モードが選択される。そして、モード設定回路117からこの情報がスーパーインポーズ回路118a,118bに出力される。
【0140】
このとき、同時にモード設定回路117から図示しない可動ミラー駆動回路に駆動信号が供給される。そして、可動ミラー111a,111bは図9中に点線で示すように左右の顕微鏡観察光路上から外れた初期状態の位置から同図中に実線で示すように左右の顕微鏡観察光路の中に挿入される挿入位置まで回動駆動される。
【0141】
また、左右のスーパーインポーズ回路118a,118bではモード設定回路117からの情報が入力されたのち、画像信号処理回路によりコントロールユニット123からの内視鏡観察用の画像信号が縮小処理されるとともに、合成処理回路によりプロセッサ110a,110bからの顕微鏡観察用の画像信号に縮小処理された内視鏡観察用の画像信号をスーパーインポーズする処理が行われる。そして、このスーパーインポーズ回路118a,118bからの画像信号が左右の観察モニタ114a,114bに入力され、左右の観察モニタ114a,114bに図10(B)に示すように接眼視野127内の手術用顕微鏡101による観察像129の一部に斜視用内視鏡102による観察像130を挿入させたスーパーインポーズ画像が表示される。
【0142】
さらに、左側の観察モニタ114aに表示された画像はミラー113a、投影レンズ112a、可動ミラー111aを経て観察鏡筒50の左目用接眼レンズ52aに入射される。
【0143】
このとき、同時に右側の観察モニタ114bに表示された画像は同様にミラー113b、投影レンズ112b、可動ミラー111bを経て観察鏡筒50の右目用接眼レンズ52bに入射される。そのため、術者は接眼鏡筒50の左側接眼レンズ52aおよび右側接眼レンズ52bを同時に覗くことにより、手術用顕微鏡101の観察像129による立体視を行いながら、斜視用内視鏡102による観察像130を同時に観察することができる。
【0144】
また、顕微鏡画像を撮像するRGB撮像素子109a,109bに投影される顕微鏡観察像のサイズは、観察鏡筒50から光学的に顕微鏡像を観察する場合と同じになるように結像レンズ108a,108bの曲率が定められている。これにより、図10(A)に示す光学的に顕微鏡像を観察する場合の接眼視野127の撮像範囲128と、図10(B)に示す観察モニタ114a,114b上に表示される顕微鏡101の観察像129の投影倍率とを同じ大きさに設定することができる。
【0145】
また、術者が教育のためなどで顕微鏡101の観察視野内の術部Oの一点に指標を投影したい場合にはモードスイッチ115によって“一部指標”の表示モードを選択する。このとき、モード設定回路117からはこの情報がスーパーインポーズ回路118a,118bに出力される。
【0146】
また、同時にモード設定回路117から図示しない可動ミラー駆動回路に駆動信号が供給される。そのため、可動ミラー111a,111bは左右の顕微鏡観察光路から外れた初期状態の位置から図9中に実線で示すように左右の顕微鏡観察光路の中に挿入される挿入位置まで回動駆動される。
【0147】
この状態で、術者がフットスイッチ116に配設されている術者用指標操作スイッチ119を操作すると、指標作成回路120によって術者用指標操作スイッチ119の操作に対応する部位に指標を作成し、スーパーインポーズ回路118a,118bに出力する。
【0148】
また、見学者用の指標操作スイッチ121を操作した場合にも同様に、指標作成回路120によって指標操作スイッチ121の操作に対応する部位に指標を作成し、スーパーインポーズ回路118a,118bに出力するようになっている。そのため、見学者用の指標操作スイッチ121を操作することにより、術者以外の者も指標を操作できるようになっている。
【0149】
そして、スーパーインポーズ回路118a,118bでは合成処理回路によりプロセッサ110a,110bからの顕微鏡観察用の画像信号、或いは内視鏡観察用の画像信号に指標を挿入するスーパーインポーズする処理が行われる。そして、このスーパーインポーズ回路118a,118bからの画像信号が左右の観察モニタ114a,114bに入力され、左右の観察モニタ114a,114bに図11(B)に示すように接眼視野127内の手術用顕微鏡101による観察像129の一部に矢印等の指標131を挿入させたスーパーインポーズ画像が表示される。
【0150】
また、左側の観察モニタ114aに表示された画像はミラー113a、投影レンズ112a、可動ミラー111aを経て観察鏡筒50の左目用接眼レンズ52aに入射される。
【0151】
このとき、同時に右側の観察モニタ114bに表示された画像は同様にミラー113b、投影レンズ112b、可動ミラー111bを経て観察鏡筒50の右目用接眼レンズ52bに入射される。そのため、術者は、顕微鏡観察像または内視鏡観察像の一部に、指標131を投影した画像を観察することができる。
【0152】
また、左側のスーパーインポーズ回路118aは見学者用のモニタ124にも接続されているため、このモニタ124に図11(A)に示すように手術用顕微鏡101による観察像129の一部に矢印等の指標131を挿入させたスーパーインポーズ画像を表示させることができる。そのため、見学者は顕微鏡101の接眼鏡筒50の左側接眼レンズ52aおよび右側接眼レンズ52bを観察することなしに術者の示す指標131とそれに対応する観察像129を観察することができる。
【0153】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では顕微鏡画像を撮像するRGB撮像素子109a,109bに投影される顕微鏡観察像のサイズを観察鏡筒50から光学的に顕微鏡像を観察する場合と同じになるように結像レンズ108a,108bの曲率を設定したので、図10(A)に示す光学的に顕微鏡像を観察する場合の接眼視野127の撮像範囲128と、図10(B)に示す観察モニタ114a,114b上に表示される顕微鏡101の観察像129の投影倍率とを同じ大きさに設定することができる。そのため、顕微鏡101の光学観察像を表示させる表示モードと、観察モニタ114a,114bのモニタ観察像を顕微鏡101内に表示させる表示モードとの切換え時においても観察モニタ114a,114bの観察像の表示サイズが顕微鏡101の光学観察像と変わらないため、術者は光学的に顕微鏡像を観察する場合とモニタ観察に切換えた場合との違和感も無く、眼の疲労をも防げるという利点を有する。
【0154】
さらに、本実施の形態ではRGB撮像素子109a,109bに像を投影する結像レンズ108a,108bにより撮像される顕微鏡像の倍率を設定しているが、スーパーインポーズ回路118a,118b等により電気的に画像を縮小、拡大して対応することも可能である。
【0155】
また、見学者用の指標操作スイッチ121および見学者用の外部モニタ124を設け、モニタ124に図11(A)に示すように手術用顕微鏡101による観察像129の一部に矢印等の指標131を挿入させたスーパーインポーズ画像を表示させるようにしたので、術者が見学者に手術の重要部位を鉗子等の手術器具を使用せずに示すことができる。そのため、教育時等でも手術を中断することなく指導することができる。
【0156】
さらに、指標131を操作するための術者用の指標操作スイッチ119および見学者用の操作スイッチ121をそれぞれ設けたので、指導者が執刀中のときはもちろんのこと、見学中においても的確に手術の重要部位を執刀者に教えることができる。そのため、教育の効率アップ、さらには手術時間の短縮にも役立つ効果がある。
【0157】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
【0158】

(付記項1) 術部を観察するための第1の観察手段と、前記術部、またはその近辺を観察するための第2の観察手段を有し、これらの観察像を得るための共通の観察要素を有する手術用顕微鏡において、少なくとも一方の観察手段に、観察している位置を検出する観察位置検出手段と、前記観察位置検出手段により、他方の観察手段からの映像の表示位置を変更する表示位置変更手段とを有することを特徴とする手術用顕微鏡。
【0159】
(付記項2) 付記項1に記載の手術用顕微鏡であって、前記第1の観察手段は、顕微鏡観察手段であり、前記第2の観察手段は、内視鏡観察手段であることを特徴とする手術用顕微鏡。
【0160】
(付記項3) 術部を観察するための顕微鏡観察手段と、前記術部、またはその近辺を観察するための内視鏡観察手段を有し、これらの観察像を得るための共通の観察要素を有する手術用顕微鏡において、顕微鏡観察手段に、観察している術部の合焦位置を検出する合焦位置検出手段と、前記合焦位置検出手段により、内視鏡観察手段からの映像の表示位置を変更する表示位置変更手段とを有することを特徴とする手術用顕微鏡。
【0161】
(付記項4) 術部を観察するための第1の観察手段と、同じく術部を観察するための第2の観察手段を有し、これらの観察像を得るための共通の観察手段を有する手術用顕微鏡において、少なくとも一方の観察手段に観察位置検出手段と、前記観察位置検出手段により他方の観察手段からの映像信号の表示位置を変更する表示位置変更手段とを有することを特徴とする手術用顕微鏡。
【0162】
(付記項5) 術部を観察するための顕微鏡観察手段と、同じく術部を観察するための内視鏡観察手段を有し、これらの観察像を得るための共通の観察手段を有する手術用顕微鏡において、顕微鏡観察手段に合焦位置検出手段を有し、前記合焦位置検出手段により内視鏡観察手段からの映像信号の表示位置を変更する表示位置変更手段とを有することを特徴とする手術用顕微鏡。
【0163】
(付記項6) 前記表示位置変更手段は画像を合成するスーパーインポーズ回路であることを特徴とする付記項5に記載の手術用顕微鏡。
(付記項7) 前記合焦位置検出手段は、パッシブ方式の測距手段であることを特徴とする付記項5に記載の手術用顕微鏡。
【0164】
(付記項8) 術部を観察するための顕微鏡観察手段と、同じく術部を観察するための内視鏡観察手段を有し、これらの観察像を得るための共通の観察手段に画像表示手段と、その画像を左右の観察像に挿脱自在とすべく2つの光路選択手段及び合成手段を備えた手術用顕微鏡において、異なる画像信号を入力し、入力信号または操作入力に応じて前記光路選択手段及び合成手段を独立に起動させ、表示すべく画像信号を前記画像表示手段に供給する制御手段を有することを特徴とする手術用顕微鏡。
【0165】
(付記項9) 前記画像信号の制御を手術用顕微鏡の入力手段と共用することを特徴とする付記項8に記載の手術用顕微鏡。
(付記項10) 前記画像信号の制御を注視点検出手段に従って行うことを特徴とする付記項8に記載の手術用顕微鏡。
【0166】
(付記項11) 術部を観察するための観察手段と、前記術部を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像を表示するための第1の表示手段と、前記観察手段内に撮像手段により撮像された画像を表示するための第2の画像表示手段を有する手術用顕微鏡において、前記第1の画像表示手段と、第2の画像表示手段の対応する部位に少なくとも1つ以上の指標を投影する表示手段と、前記指標の操作入力を少なくとも1つ以上の操作手段により独立して行うことができる操作手段を有することを特徴とする手術用顕微鏡。
【0167】
(付記項12) 前記観察手段に2つの表示手段と投影光学系を有し、前記観察手段の左右の観察光路の各々において同時に切換え可能とする光路切換え手段を設けたことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0168】
(付記項13) 光学観察像、画像による観察像のいずれかが選択観察可能な手術用顕微鏡において、接眼レンズより観察されるいずれの像においても同一の倍率で投影される各々の光学系を有することを特徴とする手術用顕微鏡。
【0169】
【発明の効果】
本発明によれば第1の観察手段および第2の観察手段のうち少なくともいずれか一方に、観察している位置を検出する観察位置検出手段と、表示手段に表示される他方の観察手段からの観察像の表示位置を観察位置検出手段からの検出情報にもとづいて変更する表示位置変更手段とを設けたので、顕微鏡観察と他の装置による観察とを併用して手術を行う場合に、それらの操作性を向上し、より確実に手術を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における手術用顕微鏡装置全体の概略構成図。
【図2】第1の実施の形態の手術用顕微鏡の全体構成を示す側面図。
【図3】第1の実施の形態の電磁ブレーキの接続状態を示す概略構成図。
【図4】第1の実施の形態の手術用顕微鏡装置による観察対象部位の観察状態を示す概略構成図。
【図5】第1の実施の形態における接眼光学ユニットの表示画面に表示される観察画像の表示状態を示す平面図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の手術用顕微鏡装置全体の概略構成図。
【図7】(A)は第2の実施の形態のRGB液晶カラーシャッタモニタの動作を説明するためのタイミングチャートを示す図、(B)は同実施の形態の液晶シャッタを示す平面図、(C)は同実施の形態の顕微鏡観察像を示す平面図、(D)は同実施の形態の顕微鏡の観察視野内に表示されるデータ画像の一例を示す平面図、(E)は同実施の形態の顕微鏡の観察視野内に表示されるデータ画像の他の例を示す平面図。
【図8】第2の実施の形態の光路切換え部材の作動状態を説明するための説明図。
【図9】本発明の第3の実施の形態の手術用顕微鏡装置全体の概略構成図。
【図10】(A)は第3の実施の形態の光学的顕微鏡観察像を示す平面図、(B)は同実施の形態の観察モニタ上の顕微鏡観察像の一部に内視鏡観察像がスーパーインポーズ表示された状態を示す平面図。
【図11】(A)は第3の実施の形態の観察モニタ上に表示された顕微鏡観察像に指標がスーパーインポーズ表示された状態を示す平面図、(B)は同実施の形態の外部モニタ上に表示された顕微鏡観察像に指標がスーパーインポーズ表示された状態を示す平面図。
【符号の説明】
1,41,101…手術用顕微鏡(第1の観察手段)、2…斜視用内視鏡(第2の観察手段)、13…接眼光学ユニット(表示手段)、32…画像挿入位置検出回路(観察位置検出手段)、37,81,115…モードスイッチ(表示位置変更手段)、42,102…斜視用内視鏡(第2の観察手段)、50…接眼鏡筒(表示手段)、95…注視点検出回路(観察位置検出手段)。

Claims (4)

  1. 術部を観察するための観察手段と、
    前記観察手段による画像と異なる画像を取得するための画像取得手段と、
    前記観察手段による画像と前記画像取得手段による画像を表示するための共通の表示手段と、
    前記観察手段の観察している術部の合焦位置を検出する合焦位置検出手段と、
    前記合焦位置検出手段による検出結果に基いて、前記表示手段における前記画像収得手段による画像の表示位置を変更する表示位置変更手段と、
    を有することを特徴とする手術用顕微鏡装置。
  2. 前記観察手段は、手術用顕微鏡によって形成され、
    前記画像取得手段は、内視鏡によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡装置。
  3. 術部を観察するための観察手段と、
    前記観察手段による画像と異なる画像を取得するための画像取得手段と、
    前記観察手段による画像と前記画像取得手段による画像を表示するための共通の表示手段と、
    前記観察手段の観察している術部の注視点位置を検出する注視点位置検出手段と、
    前記注視点位置検出手段による検出結果に基いて、前記表示手段における前記画像取得手段による画像の表示位置を変更する表示位置変更手段と、
    を有することを特徴とする手術用顕微鏡装置。
  4. 前記観察手段は、手術用顕微鏡によって形成され、
    前記画像取得手段は、内視鏡、または術前あるいは術中に必要な画像データ信号を出力する機器によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の手術用顕微鏡装置。
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