JP3621005B2 - 車両用障害物認識装置、車間制御装置、車間警報装置及び記録媒体 - Google Patents

車両用障害物認識装置、車間制御装置、車間警報装置及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両周囲に送信波を照射して反射波を検出するレーダ手段を用いて車両周囲の障害物を認識する車両用障害物認識装置などに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、レーダ手段によって、車両周囲の所定角度に渡り光波、ミリ波などの送信波を照射し、その反射波を検出することによって、上記車両周囲の障害物を認識する車両用障害物認識装置が考えられている。この種の装置の適用対象としては、例えば、先行車などの障害物を検出して警報を発生する車間警報装置や、先行車と所定の車間距離を保持するように車速などを制御する車間制御装置などが考えられている。
【0003】
このような障害物認識においては、上述した警報発生や車間制御の対象として必要な先行車を適切に認識することが求められ、逆に言えば警報発生や車間制御の対象として必要でない路側物などを誤って先行車として認識しないようにすることが重要である。そのため、従来は、路側物の性質として停止物である点と、自車線上には存在しないということに注目し、路側物を先行車と区別して認識していた。つまり、検出した障害物の相対位置の変化に基づいて停止物であると判断し、さらに障害物の車幅方向の位置に基づいて自車線上以外に存在するものであると判断できれば路側物の可能性が高いのである。なお、先行車が停止する場合も考慮して、移動物体であると判断された障害物が停止しても、それは移動物体が一時的に停止しているだけであって、将来的に移動を再開する可能性が高いので、移動物体であると判定し続ける。
【0004】
ところで、この種の装置では、反射波の検出結果に基づき障害物を所定の面積を有するブロックの集合として認識している。つまり、レーダ手段による反射波の検出結果に基づいて障害物を点として認識し、その認識した点の内、近接するもの同士を結合させるのである。
【0005】
しかしながら、この結合の際に、例えば前方の走行車両と路側に設置された反射板などとを一時的に誤って結合してしまう場合も想定される。例えば図16(1)に例示する状態では、移動物体である先行車と停止物体である路側のリフレクタとは車両の前後方向位置や幅方向位置から見て別個の物体であると判断されるために結合されないが、(2)に示す状態では、先行車とリフレクタとが一時的に近接したため、あたかも車幅方向に連続する一つの物体であるかのように判断されて誤結合されてしまった。
【0006】
このような誤結合状態になった後、図16(3)に示すように先行車両がリフレクタよりも前方に移動したとしても、(2)における物体の属性が(3)ではリフレクタに引き継がれてしまう場合がある。つまり、本来は停止物体のリフレクタが移動物体として認識されてしまうのである。一方、引き継がれなかった先行車両の方は、新規な物標として認識されるにはある程度時間がかかるため、この時点では未認識状態となる。
【0007】
所定の時間が経過すると、図16(4)に示すように先行車は新規物標として把握されるが、リフレクタも移動物体として認識され続けることとなる。そのため、リフレクタを、自車両に急速に接近してくる移動物体であると判断し、不要な減速制御を実行してしまうこととなる。
【0008】
また、図16(2)における物体の属性が(3)でリフレクタに引き継がれてしまうことにより、引き継がれなかった先行車両の方は、(3)の状態では未認識状態となっている。そのため、車間制御や車間警報の先行車を選択する場合には、本来制御対象とすべき先行車を一時的に見失っていることとなる。
【0009】
そこで、本発明は、障害物を認識する際、別個の物体を誤って結合してしまうことによって生じる不都合を防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車両用障害物認識装置においては、レーダ手段による反射波の検出結果に基づいて障害物を点として認識し、その認識した点の内、近接するもの同士を結合して、前記車両周囲の障害物を認識することを前提としている。そのため、上述した図16(1)に例示する状態では、移動物体である先行車と停止物体である路側のリフレクタというように区別されていても、図16(2)に示す状態では、先行車とリフレクタとが一時的に近接して、あたかも車幅方向に連続する一つの物体であるかのように判断されて誤結合されてしまう可能性がある。
【0011】
そして、物体種別判定手段は、障害物の移動状態を検出して停止物体か移動物体かを判定し、且つ移動物体と判定された障害物が停止しても、当該障害物については移動物体であると判定する。これは、例えばこの車両用障害物認識装置にて認識した障害物の中から車間制御や車間警報の制御対象を決める場合、基本的には停止物体については制御対象から除外するが、それまで制御対象であった先行車が停止した場合にも停止物体と認識してしまって制御対象から除外してしまうのは好ましくないため、このようにしている。
【0012】
そのため、実際には停止物体であるリフレクタを「移動物体が一時的に停止している状態」であると判断してしまうと、図16(4)に示すように自車両に急速に接近してくる移動物体であると判断してしまい、不要な減速制御あるいは警報を実行してしまうこととなる。
【0013】
そこで本発明の車両用障害物認識装置は、物体種別判定手段が、認識手段にて認識された障害物が自車と同一車線上に存在する確率である自車線確率が所定値よりも低下した場合には、停止物体か移動物体かの判定を再度実行するようにした。図16に示す状況を考えた場合であっても、リフレクタは路側に存在するものであるため、本来の先行車のみを認識していた場合に比べ、誤結合され、リフレクタのみに移動物体の属性が引き継がれた場合には、当然ながら自車線確率が低下する。したがって、このような状況で再度停止物体か移動物体かの判定を行えば、リフレクタを停止物体であると正しく判定でき、リフレクタを移動物体であると誤判定し続けてしまうことを防止できる。これにより、車間制御や車間警報に利用した場合であっても、不要な減速制御あるいは警報を実行してしまうことがなくなり、別個の物体を誤って結合してしまうことによって生じる不都合を防止することができる。
【0014】
請求項1の場合には、自車線確率に着目したが、請求項2に示すように、相対加速度に着目しても良い。つまり、この場合には、物体種別判定手段が、移動物体の相対加速度が所定値を超えた後の所定時間内については、停止物体か移動物体かの判定を再度実行するのである。ここで、判定するための所定値は、通常の車両ではあり得ないような値を設定すればよい。つまり、移動物体である車両も停止することはあるが、その際、通常に走行していればステップ的に車速が0になることはあり得ない。しかし、停止物体であるリフレクタに移動物体の属性が引き継がれた場合には、移動物体の速度は、それまでの先行車の車速から突然0に変化することとなる。このとき、相対加速度は通常の車両ではあり得ない値が発生する。したがって、相対加速度が(通常の車両ではあり得ない)所定値を超えた場合には、誤結合の可能性が高いため、その後の所定時間内に再度停止物体か移動物体かの判定を行えば、リフレクタを停止物体であると正しく判定でき、リフレクタを移動物体であると誤判定し続けてしまうことを防止できる。
【0015】
また、請求項3に示すように、物体の形状に着目しても良い。この場合には、認識手段が、認識した点の内、近接するもの同士を結合し、前記車両の幅方向の長さを有する線分として認識することで、前記障害物の前記車両の幅方向長さを認識可能であることが前提である。そして、物体種別判定手段にて移動物体であると判定されていた障害物の幅方向長さが所定の誤結合判定値を超えて増大した場合には、別個の障害物が誤って結合されてしまった誤結合状態であると判定する誤結合判定を実行する。そして、誤結合状態であると判定された後の所定時間内については、停止物体か移動物体かの判定を再度実行するのである。誤結合が発生したときには、それ以前の別個に認識されていた物体が結合されてしまうのであるから、当然幅方向の長さが変化すると想定される。そのため、その後の所定時間内に再度停止物体か移動物体かの判定を行えば、リフレクタを停止物体であると正しく判定でき、リフレクタを移動物体であると誤判し続けてしまうことを防止できる。
【0016】
なお、当然ではあるが、請求項1に示した自車線確率に基づく判定開始条件、請求項2に示した相対加速度に基づく判定開始条件、あるいは請求項3に示した誤結合判定条件のいずれか一つでも成立した場合には、停止物体か移動物体かの判定を再度行うようにすることもできる。
【0017】
但し、請求項4に示すように、幅方向長さが所定の誤結合判定値を超えて増大した場合であっても、増大後の幅方向長さが所定の上限値以上でなければ、誤結合状態であるとは判定しないようにしてもよい。これは、誤結合判定自体の誤判定防止(フェイルセーフ)を目的としている。例えば車両に設けられているリフレクタの左右の一方を認識している状態から左右両方を認識する状態に移行した場合にも、幅方向長さの急激な増加が発生するからである。但し、この場合には同一の車両を認識しているので車幅を超えることはない。したがって、車幅に基づいて決めた上限値以上でない場合には、誤結合とは判定しないようにすることで、誤判定を防止している。
【0018】
また、このような誤結合判定を行う際には、請求項5に示すように、前提条件を満たした場合に限って判定を行うようにしてもよい。その前提条件とは、障害物が自車と同一車線上に存在する確率である自車線確率が所定値以上であり且つ所定時間以上同一車線上に存在しており、当該障害物が移動物体である(すなわち車両である)という条件である。これは、「追従中の車両」であるか否かを判定するための条件であり、追従中の車両についてのみ誤結合判定を行えば十分な場合も多いからである。
【0019】
一方、図16(2)に示すように誤結合が生じ、移動物体の属性がリフレクタに引き継がれてしまうと、引き継がれなかった先行車両が新規な物標として認識されるにはある程度時間がかかるため、図16(3)に示すように、この時点では未認識状態となる。したがって、この車両用障害物認識装置にて認識した障害物の中から車間制御や車間警報の制御対象を決める場合、本来制御対象とすべき先行車を一時的に見失ってしまうこととなる。
【0020】
誤結合がなければ継続して制御対象とされていたのに、誤結合によって一時的にではあれ見失ってしまうことは好ましくない。そこで、このような不都合を防止するためになされたのが請求項6に示す車両用障害物認識装置である。この装置の場合には、認識手段が、認識した点の内、近接するもの同士を結合し、前記車両の幅方向の長さを有する線分として認識することで、前記障害物の前記車両の幅方向長さを認識可能であることが前提である。そして、物体種別判定手段にて移動物体であると判定されていた障害物の幅方向長さが所定の誤結合判定値を超えて増大した場合には、別個の障害物が誤って結合されてしまった誤結合状態であると判定する誤結合判定を実行する。そして、誤結合状態であると判定された場合には、誤結合状態となる前の移動物体がその移動状態を保持して存在していると仮定した補間移動物体を作成し、認識対象に加える補間処理を、所定時間実行する。
【0021】
このような補間処理を行うことによって、従来では未認識状態であるため一時的に見失うことになっていた本来の先行車を、補間移動物体として捉えることができる。補間移動物体は、誤結合状態となる前の移動物体がその移動状態を保持して存在していると仮定して作成されたものであり、実際の先行車に近い状態であると推定できるため、この補間移動物体を認識対象に加えることは適切であると言える。もちろん、実際の先行車の挙動が急変した場合を想定すると、補間移動物体の挙動とは異なってくるが、そのような挙動の急変はレアケースであると考えられるため、一般的には問題ない。また、例えば隣車線へ車線変更していく場合には、挙動の急変ではあるが、車間制御や車間警報の対象から除外されるので、結果的にも問題ない。
【0022】
なお、図16(2)で誤結合されても、その後、所定時間が経過して(4)の状態になれば先行車は新規物標として把握される。そのため、この所定時間を、認識手段が補間処理を実行する「所定時間」とすればよい。
また、誤結合判定においては、移動物体である障害物の幅方向長さが所定の誤結合判定値を超えて増大した場合に誤結合状態であると判定している。これは、車両を認識している場合、車幅や車両前後長が一定であるため、幅方向長さが極端に大きくなることは通常考えられない。そのため、認識誤差などを加味した値を誤結合判定値として採用すればよい。
【0023】
但し、この場合も、誤判定防止のために上述した請求項4,5の場合と同様の工夫を施しても良い。つまり、請求項7に示すように、幅方向長さが所定の誤結合判定値を超えて増大した場合であっても、増大後の幅方向長さが所定の上限値以上でなければ、誤結合状態であるとは判定しないようにしたり、請求項8に示すように、前提条件を満たした場合に限って判定を行うようにするのである。
【0024】
ところで、ここまでは、車両用障害物認識装置について説明したが、この装置を用いた車間制御装置や車間警報装置として実現することもできる。
まず、請求項9は、車間制御装置として実現した場合の構成である。この車間制御装置によれば、先行車選択手段が、上述した車両用障害物認識装置にて認識された障害物の中から制御対象の先行車を選択する。そして車間制御手段が、その選択された先行車と自車との間の距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づき、加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させる。
【0025】
なお、実車間物理量としては、例えばレーザ光あるいは送信波などを先行車に対して照射し、その反射光あるいは反射波を受けるまでの時間を検出する構成を採用した場合には、その検出した時間そのものを用いてもよいし、車間距離に換算した値を用いてもよいし、さらには、車速にて除算した車間時間を用いてもよい。また、車間制御量としては、目標加速度や加速度偏差(目標加速度−実加速度)、あるいは目標トルクや目標相対速度などが考えられる。
【0026】
このような車間制御を実行する上で、上述した車両用障害物認識装置を用いれば、図16にて例示したように実際には停止物体のリフレクタを移動物体と誤認識して車間制御の対象としてしまうことがなくなる。つまり、不要な減速制御を防止でき、より適切な車間制御の実現に寄与することができる。
【0027】
また、請求項10は、車間警報装置として実現した場合の構成である。この車間警報装置によれば、先行車選択手段が、上述した車両用障害物認識装置にて認識された障害物の中から制御対象の先行車を選択する。そして車間警報手段が、その選択された先行車と自車との間の距離に相当する物理量である実車間物理量に基づいて所定の警報条件を満たしているか否かの警報判定を行い、警報判定の結果、警報条件を満たしている場合に、車両運転者に対する警報処理を実行する。このような車間警報を実行する上で上述した車両用障害物認識装置を用いれば、実際には停止物体のリフレクタを移動物体と誤認識して車間警報の対象としてしまうことがなくなる。つまり、実際には不要な警報を発してしまうことを防止でき、より適切な車間警報の実現に寄与することができる。
【0028】
なお、請求項11に示すように、このような車両用障害物認識装置の認識手段及び物体種別判定手段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いても良い。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、上述した発明が適用された車間制御用電子制御装置2(以下、「車間制御ECU」と称す。)およびブレーキ電子制御装置4(以下、「ブレーキECU」と称す。)を中心に示す自動車に搭載されている各種制御回路の概略構成を表すブロック図である。
【0030】
車間制御ECU2は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、現車速(Vn)信号、操舵角(str−eng ,S0)信号、ヨーレート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報、アイドル制御やブレーキ制御の制御状態信号等をエンジン電子制御装置6(以下、「エンジンECU」と称す。)から受信する。そして、車間制御ECU2は、この受信したデータに基づいて、車間制御演算や車間警報演算をしている。
【0031】
レーザレーダセンサ3は、レーザによるスキャニング測距器とマイクロコンピュータとを中心として構成されている電子回路であり、スキャニング測距器にて検出した先行車の角度や距離等、および車間制御ECU2から受信する現車速(Vn)信号、カーブ曲率半径R等に基づいて、車間制御装置の一部の機能として先行車の自車線確率を演算し、相対速度等の情報も含めた先行車情報として車間制御ECU2に送信する。また、レーザレーダセンサ3自身のダイアグノーシス信号も車間制御ECU2に送信する。なお、このレーザレーダセンサ3は、同一先行車判定手段としても機能する。
【0032】
なお、前記スキャニング測距器は、車幅方向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、自車と前方物体との距離をスキャン角度に対応して検出可能なレーダ手段として機能している。
【0033】
さらに、車間制御ECU2は、このようにレーザレーダセンサ3から受信した先行車情報に含まれる自車線確率等に基づいて、車間距離制御すべき先行車を決定し、先行車との車間距離を適切に調節するための制御指令値として、エンジンECU6に、目標加速度信号、フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフトダウン要求信号、ブレーキ要求信号を送信している。また警報発生の判定をして警報吹鳴要求信号を送信したり、あるいは警報吹鳴解除要求信号を送信したりする。さらに、ダイアグノーシス信号、表示データ信号等を送信している。なお、この車間制御ECU2は、先行車選択手段、車間制御手段及び車間警報手段に相当する。
【0034】
ブレーキECU4は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、車両の操舵角を検出する操舵角検出手段としてのステアリングセンサ8、車両旋回検出手段としてヨーレートを検出するヨーレートセンサ10、および各車輪の速度を検出する車輪速センサ12から操舵角やヨーレートを求めて、これらのデータをエンジンECU6を介して車間制御ECU2に送信したり、ブレーキ力を制御するためにブレーキ油圧回路に備えられた増圧制御弁・減圧制御弁の開閉をデューティ制御するブレーキアクチュエータ25を制御している。またブレーキECU4は、エンジンECU6を介する車間制御ECU2からの警報要求信号に応じて警報ブザー14を鳴動する。
【0035】
エンジンECU6は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、スロットル開度センサ15、車両速度を検出する車速検出手段としての車速センサ16、ブレーキの踏み込み有無を検出するブレーキスイッチ18、クルーズコントロールスイッチ20、クルーズメインスイッチ22、およびその他のセンサやスイッチ類からの検出信号あるいはボデーLAN28を介して受信するワイパースイッチ情報やテールスイッチ情報を受信し、さらに、ブレーキECU4からの操舵角(str−eng,S0 )信号やヨーレート信号、あるいは車間制御ECU2からの目標加速度信号、フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフトダウン要求信号、警報要求信号、ダイアグノーシス信号、表示データ信号等を受信している。
【0036】
そして、エンジンECU6は、この受信した信号から判定する運転状態に応じて、駆動手段としての内燃機関(ここでは、ガソリンエンジン)のスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ24、トランスミッション26のアクチュエータ駆動段に対して駆動命令を出力している。これらのアクチュエータにより、内燃機関の出力、ブレーキ力あるいは変速シフトを制御することが可能となっている。なお、本実施形態の場合のトランスミッション26は5速オートマチックトランスミッションであり、4速の減速比が「1」に設定され、5速の減速比が4速よりも小さな値(例えば、0.7)に設定された、いわゆる、4速+オーバードライブ(OD)構成になっている。したがって、上述したODカット要求信号が出された場合、トランスミッション26が5速(すなわち、オーバードライブのシフト位置)にシフトしていた場合には4速へシフトダウンする。また、シフトダウン要求信号が出された場合には、トランスミッション26が4速にシフトしていた場合には3速へシフトダウンする。その結果、これらのシフトダウンによって大きなエンジンブレーキが生じ、そのエンジンブレーキにより自車の減速が行われることとなる。
【0037】
また、エンジンECU6は、必要な表示情報を、ボデーLAN28を介して、ダッシュボードに備えられているLCD等の表示装置(図示していない。)に送信して表示させたり、あるいは現車速(Vn)信号、操舵角(str−eng,S0 )信号、ヨーレート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報信号、アイドル制御やブレーキ制御の制御状態信号を、車間制御ECU2に送信している。
【0038】
次に、レーザレーダセンサ3にて行われる処理について説明する。
図2は、メイン処理を示すフローチャートであり、レーザレーダセンサ3は所定間隔でこの処理を実行する。
処理が開始されると、まず、レーザレーダセンサ3に備えられたスキャニング測距器による測距データ(距離・角度の計測データ)が読み込まれる(S1)。次に、認識対象の個々の車両などを物標化する物標化処理を行う(S2)。そして、認識した物標が停止物体か移動物体かを判定する(S3)。その後、物標データを車間制御ECU2へ送信し(S4)、本メイン処理を終了する。
【0039】
次に、前記図2のステップ2にて行われる物標化処理について説明する。
図3のフローチャートに示すように、物標化処理を開始すると、S31にて、測距データに基づいて、障害物を不連続な点として認識し、それらの点の内、近接するもの同士を結合(一体化)し、車両の幅方向の長さのみを有するセグメント(線分)として認識する。ここで「近接」とは、X軸方向、すなわち車両の幅方向の間隔がレーザ光Hの照射間隔以下で、Y軸方向、すなわち車両の前後方向の間隔が3.0m未満である場合とした。つまり、このS31での測距データセグメント化とは、例えば車両の左右のテールランプに具備されている反射板あるいは車体など、1台の車両を複数のスキャン角度において検出したような場合に、各点が同一の車両であると認識するために必要な処理である。例えば測距データが図4(a)に示すようにP1〜P6の6点であった場合には、図4(b)に示すようにセグメント化される。つまり、この例では、図4(a)に示す測距データP1〜P6の内、近接するP1〜P3、P4〜P6をそれぞれ1つのセグメントS1,S2としてセグメント化している。
【0040】
続くS32では、変数iに1を代入してS33へ移行する。 S33では、物標Biが存在するか否かを判定する。物標Bi(iは自然数)とは、後述の処理により一まとまりのセグメントに対して作成される障害物のモデルである。
そして、物標Biが存在する場合(S33:YES)は、S37へ移行して、その物標Biに対応するセグメントを検出する。ここで、物標Biに対応するセグメントとは次のように定義される。図4(c)に例示するように、まず物標Biが前回処理時の位置Bi(n−1) から前回処理時における相対速度(Vx,Vy)で移動したと仮定した場合、現在物標Biが存在するであろう推定位置Bi(n) を算出する。続いて、その推定位置Bi(n) の周囲に、X軸,Y軸方向に所定量△X,△Yの幅を有する推定移動範囲BBを設定する。そして、その推定移動範囲BBに少なくとも一部が含まれるセグメントを対応するセグメントとする。
【0041】
続くS38では、対応するセグメントの有無などに応じて、以下に説明する物標Biのデータ更新処理を実行し、S39にて変数iをインクリメントした後、S33へ移行する。
図5は、S38での物標Biの更新処理を行う物標データ更新ルーチンを表すフローチャートである。
【0042】
処理を開始すると、まず最初のステップS381では、先のステップ37(図3参照)にて対応するセグメントが検出されたか否かを判断する。
対応セグメントが検出されている場合(S381:YES)は、S382へ移行して、認識状態であることを示すために、Fiに1をセットする。続くS383,384では、物標Biに対応するセグメントがなかった回数を計数するナシカウンタCniをリセット(Cni→0)すると共に、対応するセグメントがあった回数を計数するアリカウンタCaiをインクリメント(Cai→Cai+1)する。
【0043】
続くS385では、対応するセグメントのデータを用いて物標Biのデータを更新する。この物標Biのデータ更新について説明する。更新されるデータは、以下の通りである。すなわち、中心座標(X,Y)、幅W、奥行きD、X軸方向,Y軸方向の相対速度(Vx,Vy)、中心座標(X,Y)の過去4回分のデータ、状態フラグFj、自車線確率P及び存在時間Teがそれである。そして、物標Bjの作成時には、上記各データは次のように設定される。なお、状態フラグFjは、物標Bjの状態が、未定状態、認識状態、外挿状態、誤結合補間状態のいずれであるかを表すフラグであり、各状態においてそれぞれFj=0,1,2または3に設定される。また、物標Bjの作成時には未定状態が設定される。
【0044】
この物標Biのデータ更新処理についてさらに説明する。上述したように、対応するセグメントは中心座標及び幅のデータを備えている。このデータを(Xs,Ys),Wsとすると、物標Biの新たな中心座標及び幅も、対応するセグメントと同様、(Xs,Ys),Wsとなる。また、物標Biの新たな相対速度(VX,VY)は、下記式(1)によって表される。
【0045】
(VX,VY)=((Xs−Xk)/dt,(Ys−Yk)/dt)
但し、(Xk,Yk)は、物標Biの過去の中心座標データ(物標Biに備えられたデータは最高で4回前)の内最古のものであり、dtはその中心座標データ測定時からの経過時間である。
【0046】
その後、S386に移行して、以下に示す誤結合判定を実行した後、図3のメインルーチンへ復帰する。
図6は、S386での誤結合判定ルーチンを表すフローチャートである。
処理を開始すると、まず最初のステップS3860では、前回処理時の停止物体フラグが0であるかどうかを判断し、停止物体フラグ=0であれば(S3860:YES)、S3861へ移行する。そのS3861では、前回処理時の自車線確率P(n−1) が90%以上であるかどうかを判断し、P(n−1) ≧90%であれば(S3861:YES)、S3862にて、前回処理時の存在時間Te(n−1) が2秒以上であるかどうかを判断する。そして、Te(n−1) ≧2sであれば(S3862:YES)、S3863へ移行して、前回処理時の物体幅W(n−1) が1m以上であるかどうかを判断する。そして、W(n−1) ≧1mであれば(S3863:YES)、S3864へ移行して、前回処理時の物体奥行きD(n−1) が5m未満であるかどうかを判断する。そして、D(n−1) <5mであれば(S3864:YES)、S3865へ移行する。
【0047】
これらS3860〜S3864の判断処理は、追従中の移動物体であるかどうかを判断するための処理であり、S3860にて移動物体であることを判断し、S3861,S3862にて前回の自車線確率が高くて長時間存在していることを判断し、S3863,S3864にてその物体が車両であることを判断している。これら全ての条件を満たした場合には追従中の物体であるとして、S3865以降のさらなる判断を行う。一方、S3860〜S3864のいずれかで否定判断、つまりいずれか一つの条件でも満たさない場合には、追従中の移動物体でないとしてS3869へ移行し、誤結合フラグを0にセットした上で、本判定処理ルーチンを終了する。
【0048】
続いて、S3865以降の処理について説明する。S3865では、物体幅の変化(W(n)−W(n−1))が0.8mよりも大きいかどうかを判断して、0.8m以下であれば(S3865:NO)、S3866へ移行して、物体奥行きの変化(D(n)−D(n−1))が1mよりも大きいかどうかを判断する。この奥行きの変化が1m以下であれば(S3866:NO)、S3869へ移行し、誤結合フラグを0にセットした上で、本判定処理ルーチンを終了する。
【0049】
一方、物体幅の変化(W(n)−W(n−1))が0.8mよりも大きい場合(S3865:YES)、あるいは物体奥行きの変化(D(n)−D(n−1))が1mよりも大きい場合には(S3866:YES)、S3867へ移行し、今回処理時の物体幅W(n) が2.7m以上であるかどうかを判断する。そして、W(n) ≧2.7mであれば(S3867:YES)、S3868へ移行し、誤結合フラグを1にセットした上で、本判定処理ルーチンを終了し、一方、W(n) <2.7mであれば(S3867:NO)、S3869へ移行し、誤結合フラグを0にセットした上で、本判定処理ルーチンを終了する。つまり、S3865,S3866に示すように、物体幅の変化や物体奥行きの変化によって誤結合と考えられる場合であっても、今回処理時の物体幅W(n) が2.7m未満であれば(S3867:NO)、誤結合フラグは立てないようにしている(S3869)。これによって、フェイルセーフ、つまり「誤結合判定」自体の誤判定を防止している。
【0050】
図5のフローチャートの説明に戻り、物標Biに対応するセグメントがなかった場合(S381:NO)には、S387へ移行して、その物標Biの状態フラグFiが3に設定され誤結合補間状態を表しているか否かを判断する。最初にここへ移行したときはFi=0(未定状態)または1(認識状態)であるので、否定判断されてS391へ移行する。
【0051】
S391では、その物標Biの状態フラグFiが2に設定され外挿状態を表しているか否かを判断する。最初にここへ移行したときはFi=0または1であるので、否定判断してS392へ移行する。
S392では、アリカウンタCaiの値が6以上であるか否かを判断し、Cai<6(S392:NO)の場合は、ステップ390へ移行して物標Biに関する全てのデータを消去して図3のメインルーチンへ復帰する。すなわち、物標Biに対応するセグメントが検出されている間はステップ381〜386の処理を繰り返しアリカウンタCaiも徐々に増加するが(S384)、6周期未満に物標Biを見失った場合(S392:NO)は、その物標Biに関するデータを消去するのである。この処理により、一時的に検出された物標Biのデータを消去することができ、不要な路側物のデータを除去してより正確に障害物(物標Bi)の認識を行うことができる。
【0052】
一方、アリカウンタCai≧6(S392:YES)と判断した場合、すなわち、物標Biを6周期以上追跡した後見失った場合は、S393へ移行し、物標Biが外挿状態であるとして状態フラグFiを2にセットする。
続くS394では、ナシカウンタCniをインクリメントする。
【0053】
さらに、続くS395では、ナシカウンタCniが5以上になったか否かを判断する。そして、Cni<5の場合は否定判断されてS396へ移行し、物標Biのデータを算出値で更新して図3のメインルーチンに復帰する。すなわち、相対速度(VX ,VY )および幅Wが変化しないものと仮定して、物標Biの中心座標(X,Y)を算出するのである。
【0054】
このように、物標Biを6周期以上追跡した後見失った場合は、物標Biを外挿状態(Fi=2)として、その後の物標Biのデータを算出値により更新する(S396)。また、このときS391よりS394へ直接移行し、ナシカウンタCniを徐々にインクリメントする。そして、Cni≧5となると、すなわち、物標Biを5周期以上続けて見失った場合は、前述のS390へ移行して物標Biに関するデータを消去する。以上の処理によって、6周期以上追跡して存在が確認された障害物(物標Bi)を一時的に見失っても、再び発見すれば(S381:YES)、同一の障害物として引続き追跡することができる。
【0055】
一方、S387で肯定判断された場合、すなわち物標Biの状態フラグFiが3に設定され、誤結合補間状態を表している場合には、S388へ移行し、ナシカウンタCniをインクリメントする。そして、続くS389では、ナシカウンタCniが10以上になったか否かを判断する。Cni<10の場合は(S389:NO)S396へ移行し、物標Biのデータを算出値で更新するが、Cni≧10の場合(S389:YES)、すなわち、補間物標Biを作成してから10周期以上経過した場合は、S390へ移行して物標Biに関するデータを消去する。
【0056】
つまり、このS387,S388,S389のステップの処理の実行により、ナシカウンタCniが10以上になるまでは図3のS332での補間物標Bkが保持、更新されることとなる。
図3に戻って、このS33,S37,S38,S39からなるループにより、全ての物標Bi(i=1,2,…)のデータを更新すると、最後にS39にてインクリメントされた変数iに対応する物標Biは存在しなくなる。すると、S33で否定判断されて、S331へ移行する。
【0057】
S331では誤結合フラグが0以外であるかどうかを判断する。図6のS3868にてフラグ1が設定されていれば、このS331にて肯定判断されてS332へ移行し、補間物標Bkを作成してから、S34へ移行する。一方、図6のS3869にてフラグ0が設定されていれば、このS331にて否定判断されてS34へ移行する。
【0058】
S332にて作成する補間物標Bkは、誤結合される前の物標がそのまま存在していると仮定したものであり、誤結合される前の相対速度(Vx,Vy)に固定されている。そして、その補間物標Bkが時間と共にどのような相対位置(X,Y)を取るかを追跡していく。なお、S332にて補間物標Bkを作成した際の状態フラグFkは、誤結合補間状態(3)とし、またナシカウンタCniを0とする。
【0059】
S34では、対応物標のないセグメントが有るかどうかを判断し、どの物標Biにも対応しなかったセグメントがあれば(S34:YES)、S35に移行する。前述のように、始動時には物標Biが作成されていないので、S31にてセグメントを認識していれば、その全てのセグメントは対応する物標Biのないセグメントである。この場合はS35へ移行する。
【0060】
S35では、物標Biの個数が所定値未満であるか否かを判断する。この所定値は次のように設定される。レーザ光が掃引照射される所定角度内に出現する先行車両等の障害物の個数には通常ある程度の上限がある。そして、その上限を超えて障害物を認識した場合は、不必要な路側物を検出している場合がほとんどである。そこで、所定値をその上限に対してある程度大きく設定しておけば、所定値以内の個数の物標として認識される障害物を監視するだけで車間制御を実行することができるのである。始動時には物標Biの個数が所定値未満であるので(S35:YES)、S36へ移行する。
【0061】
S36では、各セグメントに対して車両に近接したものから順に物標Bj(j=1,2,…)を作成する。なお、物標Bjを順次作成する途中で、物標の総数が上記所定値に達したときは、それ以上物標Bjを作成しない。
S36の処理後はS361へ移行する。 また、全てのセグメントがいずれかの物標Biに対応したのであれば(S34:NO)、S35,S36の処理を行うことなく、S361へ移行する。また、物標Biの個数が所定値以上の場合(S35:NO)も、S36の処理を行うことなくS361へ移行する。
【0062】
S361では、次のマージ条件に適合する二つの物標Bm,Bnを一つの物標Bmにまとめて一旦処理を終了する。すなわち、マージ条件とは次の五つの条件である。▲1▼.マージをする側の物標Bmが認識状態(Fm=1)であり、出現後6周期以上認識されている。▲2▼.マージをされる側の物標Bnが認識状態(Fn=1)である。▲3▼.二物標Bm,Bnの最左端から最右端までの長さ、すなわち後述のようにマージ後の幅Wmが3.0m以内。▲4▼.中心座標のY軸方向の差が3.0m以内▲5▼.相対速度VY の差が3.0km/h以内。なお、この条件は、一台の自動車に設けられた二つのリフレクタ(後部反射器)を個々の物標Bm,Bnとして認識した場合、各物標Bm,Bnを後から一つにまとめるのに好適な条件である。そして、この条件を満たしたとき、各物標Bm,Bnのセグメントの最左端から最右端に至る幅を有し中心のY座標が両物標Bm,BnのY座標を幅Wm,Wnで重み付けをした平均値となるセグメントを想定し、この幅および中心座標を新たに物標Bmの幅Wmおよび中心座標(Xm,Ym)とするのである。また、相対速度,過去4回分のデータ,および状態フラグFmは、マージをする側の物標Bmのものをそのまま使用する。更に、マージをされる側の物標Bnのデータは全て削除する。この処理によって、一台の先行車両に対しては一つの物標Bmを作成することができる。
【0063】
このS361の処理後、本物標化処理ルーチン(図3)を終了する。
次に、図2のステップS3にて行われる停止物体判定処理について図7のフローチャートを参照して説明する。なお、この処理は全物標に対して実施する。
図7の最初のステップS511では、前回の停止物体フラグが0であるかどうかを判断する。停止物体である、すなわち停止物体フラグが0でない場合には(S511:NO)、S512へ移行し、判定対象の物標のY軸方向の相対速度VY に−1を掛けた値が自車速に0.7を掛けた値よりも大きいか、又は判定対象の物標のY軸方向の相対速度VY に自車速を足した値が10Km/h以下であるか、という条件成立を判定する。この条件が成立した場合には(S512:YES)、停止物体フラグを1にセットして(S513)、本処理ルーチンを終了する。S512での条件が成立しない場合には、S517へ移行し、停止物体フラグを0にセットして、本処理ルーチンを終了する。
【0064】
また、前回の停止物体フラグが0であった場合であっても、即座にS517へ移行して停止物体フラグを0にセットするのではなく、S514,S515,516の3つの条件判定を行う。まずS514では、相対加速度異常フラグ成立後の0.5秒以内であるかどうかを判断し、0.5秒を過ぎていれば(S514:NO)、S515へ移行する。S515では自車線確率が50%未満であるかどうかを判断し、自車線確率が50%以上であれば(S515:NO)、S516へ移行する。S516では、誤結合フラグ成立後0.5秒以内であるかどうかを判断し、0.5秒を過ぎていれば(S516:NO)、S517へ移行して停止物体フラグを0にし、本処理ルーチンを終了する。
【0065】
一方、相対加速度異常フラグ成立後の0.5秒以内である場合は(S514:YES)、S512へ移行する。また、相対加速度異常フラグ成立後の0.5秒を過ぎていても、自車線確率が50%未満である場合には(S515:YES)、S512へ移行する。さらに、自車線確率が50%以上であっても、誤結合フラグ成立後0.5秒以内である場合は(S516:YES)、S512へ移行する。
【0066】
以上は、レーザレーダセンサ3にて行われる処理説明であったが、次に車間制御ECU2にて実行される処理について説明する。
図8は、車間制御ECU2が実行するメイン処理を示すフローチャートであり、最初のステップS100においてはレーザレーダセンサ3から先行車に関するデータなどのレーザレーダデータを受信し、続くS200ではエンジンECU6から現車速(Vn)や目標車間時間などのエンジンECUデータを受信する。
【0067】
これらの受信データに基づき、先行車選択(S300)、目標加速度演算(S400)及び減速要求判定(S900)の各処理を実行する。これらの各処理の詳細は後述する。その後、推定Rの演算を行い(S1000)、レーザレーダセンサ3側へは、現車速(Vn)や推定Rなどのレーザレーダデータを送信し(S1100)、エンジンECU6へは、目標加速度やフューエルカット要求、ODカット要求、3束シフトダウン要求、警報要求などのエンジンECUデータを送信する(S1200)。
【0068】
以上は処理全体についての説明であったので、続いて、S300,S400,及びS900に示した各処理の詳細について順番に説明する。
まず、S300での先行車選択サブルーチンについて図9のフローチャートを参照して説明する。
【0069】
最初のステップS310においては、先行車候補群を抽出する。この処理は、レーザレーダセンサ3より受信した全ての物標データについて、自車線確率が所定値よりも大きいものを抽出する処理である。ここで、自車線確率とは、各物標が自車両の推定進行路上に存在する確率であり、レーザレーダセンサ3内にて演算処理され、車間制御ECU2に物標データの一部として送信される。
【0070】
続くS320では先行車候補があるか否かを判断する。先行車候補がなければ(S320:NO)、先行車データを先行車未認識時のデータに設定して、本処理ルーチンを終了する。一方、先行車候補があれば(S320:YES)、S330へ移行し、車間距離が最小の物標を先行車として選択する。その後S340へ移行し、先行車データとしてS330で選択された物標のデータを設定し、本処理ルーチンを終了する。
【0071】
次に、S400での目標加速度演算サブルーチンについて図10(a)のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS410においては、先行車を認識中であるかどうかを判断する。先行車を認識中でなければ(S410:NO)、先行車を未認識の場合の値を目標加速度として設定し(S450)、本サブルーチンを終了する。
【0072】
一方、先行車を認識中であれば(S410:YES)、S420へ移行して車間偏差比を演算する。この車間偏差比(%)は、現在車間から目標車間を減算した値(車間偏差)を目標車間で除算し100を掛けた値である。ここで、目標車間は車速に応じて可変とするここで、より運転者の感覚に合致させることができる。
【0073】
さらに、続くS430にて相対速度を演算する。そして、このようにS420,S430にて車間偏差比と相対速度が得られたら、続くS440において、それら両パラメータに基づき、図10(b)に示す制御マップを参照して目標加速度を得る。なお、この制御マップは、車間偏差比(%)として−96,−64,−32,0,32,64,96の7つの値、相対速度(Km/h)として16,8,0,−8,−16,−24の6つの値に対する目標加速度を示すものであるが、マップ値として示されていない値については、マップ内では直線補間により演算した値を採用し、マップ外ではマップ端の値を採用する。また、マップ内の値を用いる場合においても、所定の上下限ガードを施すことも考えられる。S440の処理後は、本サブルーチンを終了する。
【0074】
次に、S900での減速要求判定サブルーチンについて図11のフローチャートを参照して説明する。
この減速要求判定は、フューエルカット要求判定(S910)、ODカット要求判定(S920)、3速シフトダウン要求判定(S930)及びブレーキ要求判定(S940)を順番に行って終了する。各制御について説明する。
【0075】
まず、S910のフューエルカット要求判定サブルーチンについて、図12のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS911においてフューエルカット要求中であるかどうか判断し、フューエルカット要求中でなければ(S911:NO)、加速度偏差が参照値Aref11よりも小さいかどうか判断する(S913)。そして、加速度偏差<Aref11であれば(S913:YES)、フューエルカット要求成立として(S915)、本サブルーチンを終了する。また、加速度偏差≧Aref11であれば(S913:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0076】
一方、フューエルカット要求中であれば(S911:YES)、S917へ移行し、加速度偏差が参照値Aref12よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度偏差>Aref12であれば(S917:YES)、フューエルカット要求を解除して(S919)、本サブルーチンを終了するが、加速度偏差≦Aref12であれば(S917:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0077】
次に、S920のODカット要求判定サブルーチンについて、図13のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS921においてODカット要求中であるかどうか判断し、ODカット要求中でなければ(S921:NO)、加速度偏差が参照値Aref21よりも小さいかどうか判断する(S923)。そして、加速度偏差<Aref21であれば(S923:YES)、ODカット要求成立として(S925)、本サブルーチンを終了する。また、加速度偏差≧Aref21であれば(S923:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0078】
一方、ODカット要求中であれば(S921:YES)、S927へ移行し、加速度偏差が参照値Aref22よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度偏差>Aref22であれば(S927:YES)、ODカット要求を解除して(S929)、本サブルーチンを終了するが、加速度偏差≦Aref22であれば(S927:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0079】
次に、S930の3速シフトダウン要求判定サブルーチンについて、図14のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS931において3速シフトダウン要求中であるかどうか判断し、3速シフトダウン要求中でなければ(S931:NO)、加速度偏差が参照値Aref31よりも小さいかどうか判断する(S933)。そして、加速度偏差<Aref31であれば(S933:YES)、3速シフトダウン要求成立として(S935)、本サブルーチンを終了する。また、加速度偏差≧Aref31であれば(S933:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0080】
一方、3速シフトダウン要求中であれば(S931:YES)、S937へ移行し、加速度偏差が参照値Aref32よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度偏差>Aref32であれば(S937:YES)、3速シフトダウン要求を解除して(S939)、本サブルーチンを終了するが、加速度偏差≦Aref32であれば(S937:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0081】
次に、S940のブレーキ要求判定サブルーチンについて、図15のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS941においてフューエルカット要求中であるかどうか判断し、フューエルカット要求中でなければ(S941:NO)、ブレーキ要求を解除して(S951)、そのまま本サブルーチンを終了する。一方、フューエルカット要求中であれば(S941:YES)、ブレーキ要求中であるかどうか判断し(S943)、ブレーキ要求中でなければ(S943:NO)、加速度偏差が参照値Aref41よりも小さいかどうか判断する(S945)。そして、加速度偏差<Aref41であれば(S945:YES)、ブレーキ要求成立として(S947)、本サブルーチンを終了する。また、加速度偏差≧Aref41であれば(S945:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0082】
一方、ブレーキ要求中であれば(S943:YES)、S949へ移行し、加速度偏差が参照値Aref42よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度偏差>Aref42であれば(S949:YES)、ブレーキ要求を解除して(S951)、本サブルーチンを終了するが、加速度偏差≦Aref42であれば(S949:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0083】
なお、図12〜図15のフローチャートの説明中に用いた参照値Aref11,Aref12,Aref21,Aref22,Aref31,Aref32,Aref41,Aref42について、補足説明しておく。これらの参照値は、以下に示すようなしきい値となっている。
Figure 0003621005
これらのしきい値の大小関係は、以下のようになる。
Figure 0003621005
このような関係は、作動指示と作動解除指示のチャタリングが発生しないために必要である。
(b)各減速手段間の作動指示しきい値の関係
0>Aref11≧Aref21≧Aref31≧Aref41
これは、より発生減速度の小さな手段が先に作動されることが望ましいからである。
(c)各減速手段間の作動解除しきい値の関係
Aref12≧Aref22≧Aref32≧Aref42>0
これは、発生減速度のより大きな手段が先に解除されることが望ましいからである。
【0084】
このように、本実施形態のシステムによれば、図7に示すように、前回の停止物体フラグが0であったとしても(S511:YES)、相対加速度異常フラグ成立後の0.5秒以内である場合(S514:YES)、または、相対加速度異常フラグ成立後の0.5秒を過ぎていても、自車線確率が50%未満である場合(S515:YES)、あるいは、自車線確率が50%以上であっても、誤結合判定フラグ成立後0.5秒以内である場合は(S516:YES)、S512へ移行し、再度、停止物体か移動物体かの判定を行う。
【0085】
図16に示す状況を考えた場合であっても、リフレクタは路側に存在するものであるため、本来の先行車を認識していた場合に比べ、誤結合され、リフレクタのみに移動物体の属性が引き継がれた場合には、当然ながら自車線確率が低下する。したがって、誤結合状態である可能性が高いと言える。
【0086】
また、移動物体である車両も停止することはあるが、その際、通常に走行していればステップ的に車速が0になることはあり得ない。しかし、停止物体であるリフレクタに移動物体の属性が引き継がれた場合には、移動物体の速度は、それまでの先行車の車速から突然0に変化することとなる。例えば図17のタイムチャートには、リフレクタを移動物体と誤認識した場合の車間制御の様子を示したが、リフレクタを先行車と誤認識した直後の先行車車速は急激に(略ステップ的に)0になっている。したがって、先行車の加速度は負に大きな値を取るが、このような値は真の先行車であれば、通常の挙動として考えられない。したがって、誤結合状態である可能性が高いと言える。
【0087】
また、誤結合が発生したときには、それ以前には別個に認識されていた物体が結合されてしまうのであるから、当然幅方向あるいは前後方向の長さが変化すると想定される。そのため、レーダの検出誤差よりも大きな物体の形状変化が発生したときには、誤結合状態である可能性が高いと言える。
【0088】
そのため、このような条件が満たされた場合に再度停止物体か移動物体かの判定を行えば、リフレクタを停止物体であると正しく判定でき、リフレクタを移動物体であると誤判定し続けてしまうことを防止できる。これにより、車間制御において不要な減速制御を実行してしまうことがなくなる。
【0089】
また、本実施形態のシステムによれば、図6の誤結合判定によって誤結合フラグが1にされた場合には(S3868)、図3のS332において補間物標Bkを作成している。そして、通常はナシカウンタが5以上であれば(図3のS395:YES)、物標データBiを消去するが、誤結合補間状態の場合には(図5のS387:YES)、S388及びS389のステップの処理の実行により、ナシカウンタCniが10以上になるまでは、このような補間物標Bkが保持、更新されることとなる。
【0090】
したがって、従来は図16(3)に例示するように、誤結合によって未認識状態であると判断され、一時的に見失うことになっていた本来の先行車を、図18(3)(B)に例示するように、補間物標Bkとして捉え続けることができる。補間物標Bkは、誤結合状態となる前の移動物体(先行車両)がその移動状態を保持して存在していると仮定して作成されたものであるため、実際の先行車に近い状態であると推定できる。そのため、この補間移動物体を認識対象に加えることは適切であると言える。
【0091】
また、図6のS3865,S3866に示すように、物体幅又は物体の奥行きの少なくとも一方が、それぞれ対応する所定の誤結合判定値(物体幅の場合は0,8m、物体の奥行きの場合は1m)を超えて増大した場合に誤結合状態であると判定することを前提としているが、S3867に示すように、物体幅が2.7m未満ならば、誤結合状態であるとは判定しないようにしてもよい。これは、誤結合判定自体の誤判定防止(フェイルセーフ)を目的としている。例えば車両に設けられているリフレクタの左右の一方を認識している状態から左右両方を認識する状態に移行した場合にも、幅方向長さの急激な増加が発生するからである。但し、この場合には同一の車両を認識しているので車幅を超えることはない。したがって、車幅に基づいて決めた上限値以上でない場合には、誤結合とは判定しないようにすることで、誤判定を防止している。
【0092】
以上、本発明はこのような実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得る。それらのいくつかを説明する。
(1)上述した図3のS332についての説明中、誤結合される前の物標が、誤結合される前の相対速度(Vx,Vy)に固定された状態で存在すると仮定して、補間物標Bkを作成した。これ以外にも、例えば誤結合される前の相対加速度が継続していると仮定して補間物標を作成してもよい。
【0093】
また、実際の先行車の挙動が急変した場合と想定したとき、補間物標が実際の物標よりも離れる方向に異なる状態よりも、接近する方向に異なる状態の方が望ましいと考えられる。これは、車間制御においては、自車両が先行車に誤って接近してしまうよりも、誤って離れてしまう方が望ましい状態であると考えられるからである。また、車間警報においても、誤って警報が吹鳴されないよりも、誤って吹鳴された方が望ましい状態であると考えられる。
【0094】
この考え方より、相対速度や相対加速度が継続しているとして補間物標を作成するのは、特に先行車両が接近中、つまり自車両に近づく方向への相対速度、相対加速度を持っている場合に限り、そうでない場合には、相対速度=0、あるいは相対加速度=0として補間物標を作成してもよい。
【0095】
このようにすると、補間中に先行車の挙動が急変し、近づく方向への相対速度、相対加速度を持った場合に発生し得る「補間物標よりも実際の物標の方が接近した状態」となることを緩和することができる。
(2)上記実施形態では、車両用障害物認識装置を備えた車間制御装置として実現した例を説明したが、車間警報装置として実現しても同様の効果が発揮される。つまり、車間警報を実行する際には、車間警報の対象となる先行車を選択し、その先行車と自車との間の距離に相当する物理量である実車間物理量に基づいて所定の警報条件を満たしているか否かの警報判定を行い、警報判定の結果、警報条件を満たしている場合に、車両運転者に対する警報処理を実行する。したがって、停止物体であるリフレクタを移動物体と誤認識して車間警報の対象としてしまうことがなくなり、実際には不要な警報を発してしまうことを防止できる。
【0096】
また、適用先としてはこのような車間制御装置や車間警報装置に限定されることはない。例えば、認識した障害物を表示するといったシステムに適用することも考えられる。
(3)減速手段としては、上述した実施形態で説明したものも含め、採用可能なものを挙げておく。ブレーキ装置のブレーキ圧を調整して行うもの、内燃機関に燃料が供給されるのを阻止するフューエルカット制御、前記内燃機関に接続された自動変速機がオーバードライブのシフト位置となるのを禁止するオーバードライブカット制御、前記自動変速機を高位のシフト位置からシフトダウンさせるシフトダウン制御、前記内燃機関の点火時期を遅らせる点火遅角制御、前記自動変速機が備えたトルクコンバータをロックアップ状態にするロックアップ制御、前記内燃機関からの排気の流動抵抗を増加させる排気ブレーキ制御およびリターダ制御を実行して行うものなどである。
【0097】
(4)また、上記実施形態においては、車間距離をそのまま用いていたが、車間距離を車速で除算した車間時間を用いても同様に実現できる。つまり、相対速度と車間時間偏差比をパラメータとする目標加速度の制御マップを準備しておき、制御時には、その時点での相対速度と車間時間偏差比に基づいて目標加速度を算出して、車間制御を実行するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の車間制御装置のシステムブロック図である。
【図2】レーザレーダセンサにおいて実行される認識処理を示すフローチャートである。
【図3】図2の認識処理中で実行される物標化処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図4】レーザレーダセンサにおける前方車両の認識処理の概要を示す説明図である。
【図5】図3の物標化処理中で実行される物標データ更新処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図5の物標データ更新処理中で実行される誤結合判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図2の認識処理中で実行される停止物体判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】車間制御ECUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】図8のメイン処理中で実行される先行車選択サブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】(a)は図8のメイン処理中で実行される目標加速度演算サブルーチンを示すフローチャート、(b)は制御マップの説明図である。
【図11】図8のメイン処理中で実行される減速要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】図11の減速要求判定中で実行されるフューエルカット要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】図11の減速要求判定中で実行されるODカット要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】図11の減速要求判定中で実行される3速シフトダウン要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】図11の減速要求判定中で実行されるブレーキ要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】誤結合によって生じる不都合を示す説明図である。
【図17】誤結合によってリフレクタに先行車の属性が引き継がれた場合の先行車車速や加速度などを示す説明図である。
【図18】誤結合によって生じる不都合を防止する本発明手法を示す説明図である。
【符号の説明】
2…車間制御用電子制御装置(車間制御ECU)
3…レーザレーダセンサ
4…ブレーキ電子制御装置(ブレーキECU)
6…エンジン電子制御装置(エンジンECU)
8…ステアリングセンサ
10…ヨーレートセンサ
12…車輪速センサ
14…警報ブザー
15…スロットル開度センサ
16…車速センサ
18…ブレーキスイッチ
20…クルーズコントロールスイッチ
22…クルーズメインスイッチ
24…スロットルアクチュエータ
25…ブレーキアクチュエータ
26…トランスミッション
28…ボデーLAN

Claims (11)

  1. 車両周囲の所定角度に渡り送信波を掃引照射し、反射波を検出するレーダ手段と、
    該レーダ手段による反射波の検出結果に基づいて障害物を点として認識し、その認識した点の内、近接するもの同士を結合して、前記車両周囲の障害物を認識する認識手段と、
    該認識手段にて認識された障害物の移動状態を検出して停止物体か移動物体かを判定し、且つ移動物体と判定された障害物が停止しても、当該障害物については移動物体であると判定する物体種別判定手段と、
    を備えた車両用障害物認識装置において、
    前記物体種別判定手段は、前記認識手段にて認識された障害物が自車と同一車線上に存在する確率である自車線確率が所定値よりも低下した場合には、前記停止物体か移動物体かの判定を再度実行すること
    を特徴とする車両用障害物認識装置。
  2. 車両周囲の所定角度に渡り送信波を掃引照射し、反射波を検出するレーダ手段と、
    該レーダ手段による反射波の検出結果に基づいて障害物を点として認識し、その認識した点の内、近接するもの同士を結合して、前記車両周囲の障害物を認識する認識手段と、
    該認識手段にて認識された障害物の移動状態を検出して停止物体か移動物体かを判定し、且つ移動物体と判定された障害物が停止しても、当該障害物については移動物体であると判定する物体種別判定手段と、
    を備えた車両用障害物認識装置において、
    前記物体種別判定手段は、前記移動物体の相対加速度が所定値を超えた後の所定時間内については、前記停止物体か移動物体かの判定を再度実行すること
    を特徴とする車両用障害物認識装置。
  3. 車両周囲の所定角度に渡り送信波を掃引照射し、反射波を検出するレーダ手段と、
    該レーダ手段による反射波の検出結果に基づいて障害物を点として認識し、その認識した点の内、近接するもの同士を結合して、前記車両周囲の障害物を認識する認識手段と、
    該認識手段にて認識された障害物の移動状態を検出して停止物体か移動物体かを判定し、且つ移動物体と判定された障害物が停止しても、当該障害物については移動物体であると判定する物体種別判定手段と、
    を備えた車両用障害物認識装置において、
    前記認識手段は、
    前記認識した点の内、近接するもの同士を結合し、前記車両の幅方向の長さを有する線分として認識することで、前記障害物の前記車両の幅方向長さを認識可能であり、
    前記物体種別判定手段にて移動物体であると判定されていた障害物の前記幅方向長さが所定の誤結合判定値を超えて増大した場合には、別個の障害物が誤って結合されてしまった誤結合状態であると判定する誤結合判定を実行し、
    前記物体種別判定手段は、前記誤結合判定が成立した後の所定時間内については、前記停止物体か移動物体かの判定を再度実行すること
    を特徴とする車両用障害物認識装置。
  4. 請求項3に記載の車両用障害物認識装置において、
    前記認識手段は、
    前記物体種別判定手段にて移動物体であると判定されていた障害物の前記幅方向長さが所定の誤結合判定値を超えて増大した場合であっても、増大後の幅方向長さが所定の上限値以上でなければ、前記誤結合状態であるとは判定しないこと
    を特徴とする車両用障害物認識装置。
  5. 請求項3又は4に記載の車両用障害物認識装置において、
    前記認識手段は、
    前記障害物が自車と同一車線上に存在する確率である自車線確率が所定値以上であり且つ所定時間以上同一車線上に存在しており、当該障害物が前記物体種別判定手段によって移動物体であると判定された場合に限って、前記誤結合判定を実行すること
    を特徴とする車両用障害物認識装置。
  6. 車両周囲の所定角度に渡り送信波を掃引照射し、反射波を検出するレーダ手段と、
    該レーダ手段による反射波の検出結果に基づいて障害物を点として認識し、その認識した点の内、近接するもの同士を結合して、前記車両周囲の障害物を認識する認識手段と、
    該認識手段にて認識された障害物の移動状態を検出して停止物体か移動物体かを判定し、且つ移動物体と判定された障害物が停止しても、当該障害物については移動物体であると判定する物体種別判定手段と、
    を備えた車両用障害物認識装置において、
    前記認識手段は、
    前記認識した点の内、近接するもの同士を結合し、前記車両の幅方向の長さを有する線分として認識することで、前記障害物の前記車両の幅方向長さを認識可能であり、
    前記物体種別判定手段にて移動物体であると判定されていた障害物の前記幅方向長さが所定の誤結合判定値を超えて増大した場合には、別個の障害物が誤って結合されてしまった誤結合状態であると判定する誤結合判定を実行し、
    誤結合状態であると判定された場合には、当該誤結合状態となる前の移動物体がその移動状態を保持して存在していると仮定した補間移動物体を作成し、認識対象に加える補間処理を、所定時間実行すること
    を特徴とする車両用障害物認識装置。
  7. 請求項6に記載の車両用障害物認識装置において、
    前記認識手段は、
    前記物体種別判定手段にて移動物体であると判定されていた障害物の前記幅方向長さが所定の誤結合判定値を超えて増大した場合であっても、増大後の幅方向長さが所定の上限値以上でなければ、前記誤結合状態であるとは判定しないこと
    を特徴とする車両用障害物認識装置。
  8. 請求項6又は7に記載の車両用障害物認識装置において、
    前記認識手段は、
    前記障害物が自車と同一車線上に存在する確率である自車線確率が所定値以上であり且つ所定時間以上同一車線上に存在しており、当該障害物が前記物体種別判定手段によって移動物体であると判定された場合に限って、前記誤結合判定を実行すること
    を特徴とする車両用障害物認識装置。
  9. 自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、
    請求項1〜8のいずれかに記載の車両用障害物認識装置と、
    前記車両用障害物認識装置にて認識された障害物の中から制御対象の先行車を選択する先行車選択手段と、
    前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づいて車間制御量を算出し、その算出された車間制御量に基づき前記加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させる車間制御手段と、
    を備えることを特徴とする車間制御装置。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の車両用障害物認識装置と、
    前記車両用障害物認識装置にて認識された障害物の中から制御対象の先行車を選択する先行車選択手段と、
    前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量に基づいて所定の警報条件を満たしているか否かの警報判定を行い、当該警報判定の結果、警報条件を満たしている場合に、車両運転者に対する警報処理を実行可能な車間警報手段と、
    を備えることを特徴とする車間警報装置。
  11. 請求項1〜8のいずれか記載の車両用障害物認識装置の認識手段及び物体種別判定手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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