JP3595739B2 - 車間制御装置、車間警報装置及び記録媒体 - Google Patents

車間制御装置、車間警報装置及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車を先行車に追従させて走行させるための車間制御装置や車間が所定の安全車間よりも短くなった場合に所定の警報処理を実行する車間警報装置などに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の走行安全性を向上させると共に、運転者の操作負担を軽減するための技術として、自車を先行車に自動的に追従させる車間制御装置が知られている。その追従のさせ方は、自車と先行車との実車間距離と予め設定された目標車間距離との差である車間偏差がなくなるように制御する手法である。具体的には、この車間偏差と相対速度(先行車速度に対する自車速度)とに基づいて目標加速度を算出し、自車の加速度がその目標加速度となるように、加速装置や減速装置を制御するのである。
【0003】
なお、車間距離そのものではなく、例えば車間距離を自車の車速で除算した値(以下「車間時間」と称す)を用いても同様に実現できる。また、実際には、レーザ光あるいは送信波などを先行車に対して照射し、その反射光あるいは反射波の受けるまでの時間を検出して車間距離を算出しているため、その検出された時間そのものを用い、実時間と目標時間にて同様の制御を実行してもよい。このように車間距離に相当する物理量であれば実現可能なため、これらを含めて「車間物理量」と記すこととする。また、上述した目標加速度も、「車間制御量」の一具体例であり、それ以外にも加速度偏差(目標加速度−実加速度)や、目標トルク、あるいは目標相対速度としてもよい。但し、以下の説明中、理解を容易にする目的で、必要に応じて「車間物理量」の例として車間距離、「車間制御量」の一例として目標加速度を用いる場合がある。
【0004】
このような車間制御においては、前方検出レーダなどによって検出した車両前方の複数の物体から適宜制御対象を選択することとなるが、例えば特開平5−203737号には、前方検出領域を複数に分割し、各領域内の最も近距離の物体についてそれぞれ危険度を相対速度に基づいて判定し、車速を制御したり警報を行ったりする技術が開示されている。また、特開平10−95246号には、特に車線変更動作中において自車両の推定進行路内に存在する物体の内、各々を制御対象として選択したときに、最も自車が減速すべきであると判断される一つの物体を制御対象として選択し、車速制御する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらはいずれも、前方に検出される物体が車両であることを前提とした制御方法である。しかしながら、前方検出レーダ、特にレーザレーダにおいては、検出された物体が車両であるか否かを確実に判断できない状況があり得る。例えば、対面通行道路の中央しきり線上に設置されたポールコーンや、路側に設置されたガードレール脚柱などは、それらの設置間隔をレーザレーダの検出周期で割った値と車速とが等しい時には、あたかも移動する自車両に対して所定の位置関係を保つ物体、つまり移動物体であると判断されてしまうことがある。これらの検出物体は、検出距離のばらつき等から車両であるかは疑わしいにもかかわらず、確実に「車両でない」とは判断できないため、制御対象から除外してしまうことはできない。また、これらは自車両の進行路内において近距離に存在するため、制御対象として選択してしまう。そして、これらの物体は、あたかも移動する自車両に対して所定の位置関係を保つように判断されるとは言え、実際には停止物体であるため、自車両からの距離がばらついて検出されると、誤って大きな相対速度を持った物体であると判断してしまう。したがって、自車両を不要に減速制御させてしまう可能性があるという問題があった。
【0006】
また、これまでは車間制御についての問題点を挙げたが、実車間距離が所定の警報距離よりも短くなった場合に警報音などを鳴らして車両運転者に注意を喚起する際にも同様の問題が生じる。つまり、実際には警報すべき先行車は存在しないのに、ポールコーンやガードレール脚柱の存在によって無用な警報がなされてしまい、運転フィーリングが悪化するのである。
【0007】
そこで、本発明は、誤った先行車選択による不要な減速制御を防止し、運転フィーリングを向上させた車間制御を実現することを第1の目的とする。
また、誤った先行車選択による不要な警報を防止し、運転フィーリングを向上させた車間警報を実現することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するためになされた請求項1に記載の車間制御装置においては、物体認識手段が、認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出し、先行車選択手段が、物体認識手段にて算出された物体の相対位置に基づき、物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択する。そして車間制御手段が、先行車選択手段によって選択された先行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づいて車間制御量を算出し、その算出された車間制御量に基づき加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させることを前提とする。
【0009】
なお、実車間物理量としては、例えばレーザ光あるいは送信波などを先行車に対して照射し、その反射光あるいは反射波の受けるまでの時間を検出する構成を採用した場合には、その検出した時間そのものを用いてもよいし、車間距離に換算した値を用いてもよいし、さらには、車速にて除算した車間時間を用いてもよい。また、車間制御量としては、目標加速度や加速度偏差(目標加速度−実加速度)、あるいは目標トルクや目標相対速度などが考えられる。
【0010】
そして、本発明の車間制御装置は、車両確度判定手段をさらに備えることで、より適切な車間制御を実行できるようにした。すなわち、車両確度判定手段は、物体認識手段にて認識された物体が車両である確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以外、未定の3種類に分類して判定する。この判定結果を利用して先行車選択手段が次のような先行車選択を行う。つまり、車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両以外を除く物体の中から第1の先行車を選択し、当該第1の先行車の車両確度が未定である場合には、さらに、車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両である物体の中から第2の先行車を選択する。そして車間制御手段は、第1の先行車の車両確度が車両である場合には、当該第1の先行車を制御対象の先行車として車間制御を実行し、一方、第1の先行車の車両確度が未定である場合には、当該第1の先行車の相対速度を略0であるとみなして車間制御量を算出すると共に、第2の先行車に対する車間制御量を算出し、それら第1及び第2の先行車に対する車間制御量の内で減速側により大きく制御可能な方の制御量に基づいて車間制御を実行するのである。
【0011】
なお、車両確度の判定手法については、種々考えられるが、例えば自車速と物体の相対速度とから物体の速度を求め、移動物体であるか否かを判定したり、物体が発生させる相対加速度に基づいて判定する方法(例えば特開平9−178842号に開示)や、物体の形状が通常の車両の形状と異なることに基づいて判定する方法(例えば特開平9−184882号に開示)などが挙げられる。もちろん、これらの方法を用いたものに限られず、車両である確からしさを少なくとも車両、車両以外、未定の3種類に分類して判定できればどのような方法でも構わない。
【0012】
本発明の場合には、車両確度が車両以外の場合には制御対象の先行車として選択されない。但し、車両確度が「未定」の物体については制御対象から除くことはせずに、次のように対処する。つまり、第1の先行車の車両確度が未定である場合には、車両確度が車両である物体の中から第2の先行車を選択する。そしてその第1の先行車の相対速度を略0であるとみなして車間制御量を算出すると共に、第2の先行車に対する車間制御量を算出し、それら第1及び第2の先行車に対する車間制御量の内で減速側により大きく制御可能な方の制御量に基づいて車間制御を実行する。
【0013】
上述した解決課題において説明したように、車両であるか否かを確実に判断できない物体が存在することを考慮していないことが原因となって、自車両を不要に減速制御させてしまうといった問題が発生していると考えられる。これに対して本発明の場合には、車両であるか否かを確実に判断できない物体、すなわち車両確度が「未定」の物体に対しては、相対速度を略0であるとみなして先行車の候補としておき、それとは別に車両確度が「車両の」の物体から先行車候補を得る。そして、それらに対する車間制御量を考えた場合に、減速側により大きく制御可能な方の制御量に基づいて車間制御を実行する。そのため、例えば車両確度が「未定」の物体(例えばポールコーン)を第1の先行車として選択しているときに真の先行車(車両確度が「車両」の物体)が接近してきて減速が必要な場合には、車両確度が「車両」の物体は第2の先行車として選択され、この第2の先行車に対する車間制御量が減速側に大きくなるため、こちらを制御対象の先行車として選択して車間制御を行う。また、この真の先行車に対して減速が必要なければ、ポールコーンのような車両確度が「未定」の物体を制御対象の先行車として選択してしまう可能性がある。しかしこの場合は、先行車の相対速度が略0であるとみなして算出した車間制御量に基づいて車間制御を行うため、誤って大きく減速制御してしまうことがなく、運転者が感じる違和感を排除あるいは軽減させることができる。つまり、本発明によれば、誤った先行車選択による不要な減速制御を防止し、運転フィーリングを向上させた車間制御を実現することができる。
【0014】
なお、請求項2に示すように、第1の先行車を選択する際には、車両確度が車両以外を除く物体の中で最も近距離に存在するものを選択し、第2の先行車を選択する際には、車両確度が車両である物体の中で最も近距離に存在するものを選択することが考えられる。一般的には自車両から最も近距離に存在する物体を先行車として選択することが好ましいからである。
【0015】
また、これまでの説明では、第1の先行車の車両確度が未定である場合、第1の先行車の相対速度を略0であるとみなして車間制御量を算出していたが、その代わりに、請求項3に示すように、車間制御量を、自車両が加減速しないような値とみなしてもよい。例えば車間制御量として目標加速度を用いるのであれば目標加速度=0とみなすのである。第1先行車の相対速度を略0とみなした場合には、第1先行車が制御対象の先行車として選択された場合に自車両が加減速してしまう場合も想定されるが、このようにすれば、自車両が加減速することがなくなる。
【0016】
そのため、運転者が感じる違和感をより確実に排除することができる。
また、第1の目的を達成するために請求項4記載の構成を採用しても良い。請求項4記載の車間制御装置は、上述した請求項1記載の車間制御装置が前提とした構成と同様の前提構成を備え、車両確度判定手段をさらに備えると共に、車間制御手段が、次のような処理を行うことを特徴とする。すなわち、車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物体については当該物体の相対速度を略0であるとみなして車間制御量を算出すると共に、車両確度が車両である物体についても車間制御量を算出し、これらの内で減速側に最も大きく制御可能な制御量に基づいて車間制御を実行するのである。
【0017】
請求項1記載の車間制御装置の場合には、多くても2つの先行車の車間制御量を算出するだけで済んでいたが、この請求項4の場合には、車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両以外を除く全ての物体について車間制御量を算出することとなり、3つ以上の物体に対する車間制御量を算出しなくてはならない場合も想定される。しかし、このようにすることで、例えば2台前、3台前の先行車を考慮した車間制御も可能となる。例えば、直前の先行車は自車両よりも高速で走行しているが、2台前の先行車が自車両よりも低速で走行している場合には、直前の先行車が将来的に減速し、結果的に自車両も減速しなくてはならない状況が生じ得る。その場合、直前の先行車のみを考慮していると、一旦加速した後にすぐに減速する、といった制御をしてしまう可能性があるが、2台前の先行車を考慮すれば加速せずに減速に移行でき、より運転フィーリングを向上させた車間制御を実現することができる。
【0018】
なお、このような構成を前提とした場合であっても、上述した請求項3と同様の工夫を施すこともできる。つまり、請求項5に示すように、請求項4記載の車間制御装置において、先行車選択手段が、車両確度が未定の物体については、当該物体の相対速度を略0であるとみなして車間制御量を算出する代わりに、当該物体に対する車間制御量を、自車両が加減速しないような値とみなすのである。車両確度が未定の物体の相対速度を略0とみなした場合には、その物体が制御対象の先行車として選択された場合に自車両が加減速してしまう場合も想定されるが、このようにすれば、自車両が加減速することがなくなる。
【0019】
一方、請求項6に示すように、上述した請求項1〜5のいずれか記載の車間制御装置において、車間制御手段が、制御対象の先行車として車両確度が未定の物体が選択されている際には、減速制御は実行しないようにしてもよい。減速制御を実行しないための処理としては、例えばブレーキ装置などの減速装置の駆動を禁止することなどが考えられる。このようにすれば、少なくとも減速制御は禁止できるため、不要な減速がなされることを防止することができる。
【0020】
ここまでの説明は第1の目的を達成するためになされた車間制御装置に関するものであったが、次に、第2の目的を達成するためになされた車間警報装置に関する発明について説明する。
請求項7に記載の車間警報装置においては、物体認識手段が、認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出し、先行車選択手段が、物体認識手段にて算出された物体の相対位置に基づき、物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択する。そして車間警報手段が、少なくとも、先行車選択手段によって選択された先行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との相対速度に基づいて警報判定値を算出し、警報判定値が所定の警報条件を満たしている場合に、車両運転者に対する警報処理を実行することを前提とする。
【0021】
そして、本発明の車間警報装置は、車両確度判定手段をさらに備えることで、より適切な車間警報を実行できるようにした。すなわち、車両確度判定手段は、物体認識手段にて認識された物体が車両である確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以外、未定の3種類に分類して判定する。この判定結果を利用して先行車選択手段が次のような先行車選択を行う。つまり、車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両以外を除く物体の中から第1の先行車を選択し、当該第1の先行車の車両確度が未定である場合には、さらに、車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両である物体の中から第2の先行車を選択する。そして車間警報手段は、第1の先行車の車両確度が車両である場合には、第1の先行車を制御対象の先行車として車間警報を実行する。一方、第1の先行車の車両確度が未定である場合には、第1の先行車の相対速度を略0であるとみなして警報判定値を算出すると共に、第2の先行車に対する警報判定値を算出し、それら第1及び第2の先行車に対する警報判定値の内で警報の必要度合いがより大きな方の判定値に基づいて車間警報を実行するのである。
【0022】
車間警報においても、上述した車間制御の場合と同様に、車両であるか否かを確実に判断できない物体が存在することを考慮していないことが原因となって、不要な警報処理が発生してしまうといった問題がある。これに対して本発明の場合には、車両であるか否かを確実に判断できない物体、すなわち車両確度が「未定」の物体に対しては、相対速度を略0であるとみなして先行車の候補としておき、それとは別に車両確度が「車両の」の物体から先行車候補を得る。そして、それらに対する警報判定値を考えた場合に、より警報の必要度合いが大きな判定値に基づいて車間警報を実行する。そのため、例えば車両確度が「未定」の物体(例えばポールコーン)を第1の先行車として選択しているときに真の先行車(車両確度が「車両」の物体)が接近してきて減速が必要な場合には、車両確度が「車両」の物体は第2の先行車として選択され、この第2の先行車に対する警報判定値の方が、より警報必要度合いが大きくなるため、こちらの警報判定値に基づいて車間警報が行われる。なお、警報必要度合いが「より大きい」だけであって、その場合の警報判定値によっては実際の警報処理が不要な場合も当然あり得る。また、この真の先行車に対する警報判定値よりも、ポールコーンのような車両確度が「未定」の物体の警報判定値の方が警報必要度合いが大きくなり、この未定物体を制御対象の先行車として選択してしまう可能性がある。しかしこの場合は、先行車の相対速度が略0であるとみなして算出した警報判定値に基づいて車間警報を行うため、実際に警報処理がなされることはほとんどないと考えられる。そのため、運転者が感じる違和感を排除あるいは軽減させることができる。つまり、本発明によれば、誤った先行車選択による不要な警報を防止し、運転フィーリングを向上させた車間警報を実現することができる。
【0023】
なお、車間警報装置においても、請求項8に示すように、第1の先行車を選択する際には、車両確度が車両以外を除く物体の中で最も近距離に存在するものを選択し、第2の先行車を選択する際には、車両確度が車両である物体の中で最も近距離に存在するものを選択することが考えられる。一般的には自車両から最も近距離に存在する物体を先行車として選択することが好ましいからである。
【0024】
また、上述した車間制御装置についての説明で、請求項4に示すように、車両確度が車両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物体については当該物体の相対速度を略0であるとみなして車間制御量を算出すると共に、車両確度が車両である物体についても車間制御量を算出し、これらの内で減速側に最も大きく制御可能な制御量に基づいて車間制御を実行する旨を述べた。同様のことを車間警報装置において実行しても良い。つまり、請求項9に示すように、車両確度が車両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物体については当該物体の相対速度を略0であるとみなして警報判定値を算出すると共に、車両確度が車両である物体についても警報判定値を算出し、これらの内で警報の必要度合いが最も大きな警報判定値に基づいて車間警報を実行するのである。
【0025】
請求項7記載の車間警報装置の場合には、多くても2つの先行車の警報判定値を算出するだけで済んでいたが、この請求項9の場合には、3つ以上の物体に対する警報判定値を算出しなくてはならない場合も想定される。しかし、このようにすることで、例えば2台前、3台前の先行車を考慮した車間警報も可能となる。例えば、直前の先行車は自車両よりも高速で走行しているが、2台前の先行車が自車両よりも低速で走行している場合には、直前の先行車が将来的に減速し、結果的に自車両も減速しなくてはならない状況が生じ得る。その場合、直前の先行車のみを考慮していると、警報されない可能性があるが、2台前の先行車を考慮すれば早期に適切な警報を実行することができる。
【0026】
また、上述の車間警報装置の場合には、「警報判定値」という概念を用い、その判定値に基づいて警報処理を実行するようにしたが、請求項10に示す車間警報装置の場合は、前提となる車間警報手段が、実車間物理量が、少なくとも自車と先行車との相対速度に基づく所定の警報条件を満たしている場合に警報処理を実行するものである。この場合は、第1の先行車の車両確度が未定である場合に車間警報手段が次のような車間警報を実行する。すなわち、第1の先行車の相対速度を略0であるとみなして警報判定を実行すると共に、第2の先行車に対する警報判定を実行し、それら第1及び第2の先行車に対する警報判定の結果いずれかが警報実行条件を満たしていれば車間警報を実行するのである。
【0027】
なお、このタイプの車間警報装置においても、請求項10に示すように、第1の先行車を選択する際には、車両確度が車両以外を除く物体の中で最も近距離に存在するものを選択し、第2の先行車を選択する際には、車両確度が車両である物体の中で最も近距離に存在するものを選択することが考えられる。
【0028】
そして、このような構成を前提とする場合であっても、請求項9のような車間警報制御も可能である。すなわち、請求項12に示すように、車両確度が車両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物体については当該物体の相対速度を略0であるとみなして警報判定を実行すると共に、車両確度が車両である物体についても警報判定を実行し、これらの内のいずれかが警報実行条件を満たしていれば車間警報を実行するのである。
【0029】
一方、これまでの説明では第1の先行車の車両確度が未定である場合であっても警報判定値を算出したり、警報判定を実行することを前提としていたが、請求項7〜12の車間警報装置について、次のようにしてもよい。
請求項7又は8記載の車間警報装置においては、請求項13に示すように、車間警報手段が、第1の先行車の車両確度が未定である場合は警報判定値を算出せず、第2の先行車に対する警報判定値に基づいて車間警報を実行する。また、請求項9記載の車間警報装置においては、請求項14に示すように、車間警報手段が、車両確度が未定の物体については警報判定値を算出せず、車両確度が車両である物体について警報判定値を算出し、これらの内で警報の必要度合いが最も大きな警報判定値に基づいて車間警報を実行する。また、請求項10又は11記載の車間警報装置においては、請求項15に示すように、車間警報手段が、第1の先行車の車両確度が未定である場合は警報判定を実行せず、第2の先行車に対する警報判定の結果、警報実行条件を満たしていれば車間警報を実行する。さらに、請求項12記載の車間警報装置においては、請求項16に示すように、車間警報手段が、車両確度が未定の物体については警報判定を実行せず、車両確度が車両である物体について警報判定を実行し、これらの内のいずれかが警報実行条件を満たしていれば車間警報を実行する。
【0030】
このようにすれば、車両確度が未定の物体に対しては警報がなされることがなくなる。
なお、請求項17,18に示すように、このような車間制御装置の先行車選択手段、車間制御手段及び車両確度判定手段をコンピュータシステムにて実現する機能、あるいは車間警報装置の先行車選択手段、車間警報手段及び車両確度判定手段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いても良い。
【0031】
また、車間制御装置における減速手段としては、例えば自車に搭載されたブレーキ装置に対するブレーキ圧を調整して発生させた制動力により車両を減速させたり、例えば内燃機関のスロットルバルブを全閉させることにより、内燃機関に制動力(いわゆるエンジンブレーキ)を発生させたり、例えば自動変速器をシフトダウンさせることにより、自動変速器に制動力を発生させるようにしてもよい。さらには、これらの制御を組み合わせて、車両に制動力を発生させるようにしてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は、上述した発明が適用された車間制御用電子制御装置2(以下、「車間制御ECU」と称す。)およびブレーキ電子制御装置4(以下、「ブレーキECU」と称す。)を中心に示す自動車に搭載されている各種制御回路の概略構成を表すブロック図である。
【0033】
車間制御ECU2は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、現車速(Vn)信号、操舵角(str−eng ,S0)信号、ヨーレート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報、アイドル制御やブレーキ制御の制御状態信号等をエンジン電子制御装置6(以下、「エンジンECU」と称す。)から受信する。そして、車間制御ECU2は、この受信したデータに基づいて、車間制御演算や車間警報演算をしている。
【0034】
レーザレーダセンサ3は、レーザによるスキャニング測距器とマイクロコンピュータとを中心として構成されている電子回路であり、スキャニング測距器にて検出した先行車の角度や距離等、および車間制御ECU2から受信する現車速(Vn)信号、カーブ曲率半径R等に基づいて、車間制御装置の一部の機能として先行車の自車線確率を演算し、相対速度等の情報も含めた先行車情報として車間制御ECU2に送信する。また、レーザレーダセンサ3自身のダイアグノーシス信号も車間制御ECU2に送信する。なお、このレーザレーダセンサ3は、同一先行車判定手段としても機能する。
【0035】
なお、前記スキャニング測距器は、車幅方向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、自車と前方物体との距離をスキャン角度に対応して検出可能な測距手段として機能している。
【0036】
さらに、車間制御ECU2は、このようにレーザレーダセンサ3から受信した先行車情報に含まれる自車線確率等に基づいて、車間距離制御すべき先行車を決定し、先行車との車間距離を適切に調節するための制御指令値として、エンジンECU6に、目標加速度信号、フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフトダウン要求信号、ブレーキ要求信号を送信している。また警報発生の判定をして警報吹鳴要求信号を送信したり、あるいは警報吹鳴解除要求信号を送信したりする。さらに、ダイアグノーシス信号、表示データ信号等を送信している。なお、この車間制御ECU2は、先行車選択手段、車間制御手段及び車間警報手段に相当する。
【0037】
ブレーキECU4は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、車両の操舵角を検出する操舵角検出手段としてのステアリングセンサ8、車両旋回検出手段としてヨーレートを検出するヨーレートセンサ10、および各車輪の速度を検出する車輪速センサ12から操舵角やヨーレートを求めて、これらのデータをエンジンECU6を介して車間制御ECU2に送信したり、ブレーキ力を制御するためにブレーキ油圧回路に備えられた増圧制御弁・減圧制御弁の開閉をデューティ制御するブレーキアクチュエータ25を制御している。またブレーキECU4は、エンジンECU6を介する車間制御ECU2からの警報要求信号に応じて警報ブザー14を鳴動する。
【0038】
エンジンECU6は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、スロットル開度センサ15、車両速度を検出する車速検出手段としての車速センサ16、ブレーキの踏み込み有無を検出するブレーキスイッチ18、クルーズコントロールスイッチ20、クルーズメインスイッチ22、およびその他のセンサやスイッチ類からの検出信号あるいはボデーLAN28を介して受信するワイパースイッチ情報やテールスイッチ情報を受信し、さらに、ブレーキECU4からの操舵角(str−eng,S0 )信号やヨーレート信号、あるいは車間制御ECU2からの目標加速度信号、フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフトダウン要求信号、警報要求信号、ダイアグノーシス信号、表示データ信号等を受信している。
【0039】
そして、エンジンECU6は、この受信した信号から判断する運転状態に応じて、駆動手段としての内燃機関(ここでは、ガソリンエンジン)のスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ24、トランスミッション26のアクチュエータ駆動段に対して駆動命令を出力している。これらのアクチュエータにより、内燃機関の出力、ブレーキ力あるいは変速シフトを制御することが可能となっている。なお、本実施形態の場合のトランスミッション26は5速オートマチックトランスミッションであり、4速の減速比が「1」に設定され、5速の減速比が4速よりも小さな値(例えば、0.7)に設定された、いわゆる、4速+オーバードライブ(OD)構成になっている。したがって、上述したODカット要求信号が出された場合、トランスミッション26が5速(すなわち、オーバードライブのシフト位置)にシフトしていた場合には4速へシフトダウンする。また、シフトダウン要求信号が出された場合には、トランスミッション26が4速にシフトしていた場合には3速へシフトダウンする。その結果、これらのシフトダウンによって大きなエンジンブレーキが生じ、そのエンジンブレーキにより自車の減速が行われることとなる。
【0040】
また、エンジンECU6は、必要な表示情報を、ボデーLAN28を介して、ダッシュボードに備えられているLCD等の表示装置(図示していない。)に送信して表示させたり、あるいは現車速(Vn)信号、操舵角(str−eng,S0 )信号、ヨーレート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報信号、アイドル制御やブレーキ制御の制御状態信号を、車間制御ECU2に送信している。
【0041】
次に、レーザレーダセンサ3にて行われる処理について説明する。
図2は、メイン処理を示すフローチャートであり、レーザレーダセンサ3は所定間隔でこの処理を実行する。
処理が開始されると、まず、レーザレーダセンサ3に備えられたスキャニング測距器による測距データ(距離・角度の計測データ)が読み込まれる(S1)。次に、認識対象の個々の車両などを物標化する物標化処理を行う(S2)。そして、認識した物標が車両である確からしさを示す車両確度を判定する(S3)。その後、物標データを車間制御ECU2へ送信し(S7)、本メイン処理を終了する。
【0042】
次に、前記図2のステップ2にて行われる物標化処理について説明する。この物標化処理に関しては、既に本出願人が出願した特願平6−112779号(特開平7−318652号)にて説明している物標化処理と同様であるので、その説明は簡略化する。
【0043】
図3のフローチャートに示すように、物標化処理を開始すると、S31にて、測距データに基づいて、障害物を不連続な点として認識し、それらの点の内、近接するもの同士を一体化し、車両の幅方向の長さのみを有するセグメント(線分)として認識する。ここで「近接」とは、X軸方向、すなわち車両の幅方向の間隔がレーザ光Hの照射間隔以下で、Y軸方向、すなわち車両の前後方向の間隔が3.0m未満である場合とした。セグメント化とは、測距データの各点を所定の条件により同一と想定される物体毎に1つのセグメントとしてまとめる処理である。この処理は、例えば車両の左右のテールランプに具備されている反射板あるいは車体など、1台の車両を複数のスキャン角度において検出したような場合に、各点が同一の車両であると認識するために必要な処理である。
【0044】
続くS32では、変数iに1を代入してS33へ移行する。 S33では、物標Biか否かを判断する。物標Bi(iは自然数)とは、後述の処理により一まとまりのセグメントに対して作成される障害物のモデルである。始動時には物標Biが作成されていないので、否定判断して続くステップS34へ移行する。
【0045】
S34では、対応する物標Biのないセグメントがあるか否かを判断する。前述のように、始動時には物標Biが作成されていないので、S31にてセグメントを認識していれば、その全てのセグメントは対応する物標Biのないセグメントである。この場合、肯定判断してS35へ移行する。
【0046】
S35では、物標Biの個数が所定値(レーザ光Hが掃引照射される所定角度内に出現する障害物の個数の上限値にマージンを加えた値)未満であるか否かを判断する。始動時には物標Biの個数が前記所定値未満であるので、肯定判断してS36へ移行する。
【0047】
S36では、各セグメントに対して車両に近接したものから順に物標Bj(j=1,2,…)を作成し、一旦本物標化処理ルーチンを終了する。なお、物標Bjを順次作成する途中で、物標の総数が前記所定値に達したときは、それ以上物標Bjを作成しない。
【0048】
ここで、各物標Bjは次のようなデータを備えている。すなわち、中心座標(X,Y)、幅W、X軸方向,Y軸方向の相対速度VX ,VY 、中心座標(X,Y)の過去4回分のデータ、および、状態フラグFjがそれである。そして、物標Bjの作成時には、前記各データは次のように設定される。中心座標(X,Y)および幅Wは、セグメントの中心座標および幅をそのまま使用する。また、VX =0,VY =車速の−1/2倍、過去4回分のデータは空、Fj=0に設定する。なお、状態フラグFjは、物標Bjの状態が、未定状態,認識状態,または外挿状態のいずれであるかを表すフラグであり、未定状態の場合は、Fj=0に設定される。尚、物標Bjの作成時には未定状態が設定される。
【0049】
一方、S33にて物標Biである(YES)と判断した場合、S37へ移行して、その物標Biに対応するセグメントを検出する。尚、物標Biに対応するセグメントとは、既に出願されている特願平6−112779号の図5に基づいて説明される内容と同じであり、そのセグメントの選択方法も同号の図6に基づいて説明される内容と同じであるので、その説明は省略する。
【0050】
続くS38では、対応するセグメントの有無などに応じて、以下に説明する物標Biのデータ更新処理を実行し、S39にて変数iをインクリメントした後、S33へ移行する。
なお、S33での物標Biのデータ更新処理についても、既に出願されている特願平6−112779号の図7に基づいて説明される内容と同じであるので、その説明は省略した。
【0051】
上述した処理により、セグメントとして認識された障害物が過去に認識された物標Biと同一であるか否かを良好に判断することができる。このため、物標Biに対応する障害物の自車両に対する相対速度(VX,VY)を、正確に算出することができる。
【0052】
次に、前記図2のステップ3にて行われる車両確度判定処理について図4のフローチャートを参照して説明する。なお、この処理は全物標に対して実施する。
車両確度判定処理の最初のステップS51では、判定対象の物標のY軸方向の相対速度VY に−1を掛けた値が自車速に0.7を掛けた値よりも大きいか、又は判定対象の物標のY軸方向の相対速度VY に自車速を足した値が10Km/h以下であるか、という条件成立を判定する。これは停止物体か否かを判定するための条件判定処理であり、条件が成立した場合には(S51:YES)、車両確度を「車両以外」として(S60)、本処理ルーチンを終了する。
【0053】
一方、条件が成立しない場合には(S51:NO)、車両確度が「車両以外」を除く「車両」あるいは「未定」のいずれかであるため、それらのいずれであるかをS52〜S57にて判定する。
まずS52では、(相対速度今回値−前回値)を測距周期で割ることによって相対加速度を算出する。そして、続くS53では、S52で算出した相対加速度の絶対値が所定値αArよりも大きいか否かを判断する。この所定値αArは、制御対象として想定している車両においては取り得ないような値であり、S53で肯定判断された場合には、S59へ移行して車両確度を「未定」としてから、本処理ルーチンを終了する。つまり、S51での相対速度に着目した判定では移動物体であると判定されるために「車両以外」ではないとし、但し、相対加速度に着目したS53での判定では、通常の車両においては取り得ないような値となっているため、車両確度は「未定」としたのである。
【0054】
S54〜S57も同様の考え方で判定している。すなわち、S54では、物標幅が所定値αOWよりも大きいか否かを判断し、S55では物標の奥行きが所定値αODよりも大きいか否かを判断する。これら2つの所定値αOW,αODは、それぞれ通常の車両においては取り得ないような車幅及び車両の前後長であり、S53あるいはS54で肯定判断された場合には、S59へ移行して、やはり車両確度を「未定」とする。また、S56では、物標幅の変化、つまり幅今回値から幅前回値を引いた値の絶対値が所定値αOWC よりも大きいか否かを判断し、S57では物標の奥行きの変化、つまり奥行き今回値から奥行き前回値を引いた値の絶対値が所定値αODC よりも大きいか否かを判断する。これら2つの所定値αOWC, αODC についても、それぞれ通常の車両においては取り得ないような車幅及び車両の前後長の変化量が設定されている。
【0055】
したがって、S53〜S57で全て否定判断、すなわち相対加速度、物標幅、物標奥行き、物標幅変化及び物標奥行き変化の観点での全ての条件を通常の車両が取り得る範囲内であった場合には、車両確度を「車両」としてから(S58)、本処理ルーチンを終了する。
【0056】
以上は、レーザレーダセンサ3にて行われる処理説明であったが、次に車間制御ECU2にて実行される処理について説明する。
図5は、車間制御ECU2が実行するメイン処理を示すフローチャートであり、最初のステップS100においてはレーザレーダセンサ3から先行車に関するデータなどのレーザレーダデータを受信し、続くS110ではエンジンECU6から現車速(Vn)や目標車間時間などのエンジンECUデータを受信する。
【0057】
これらの受信データに基づき、第1先行車選択(S300)、第1目標加速度演算(S400)及び第1警報判定(S490)の各処理を実行する。これらの各処理の詳細は後述する。その後、第1先行車を認識中であり且つその第1先行車の車両確度が「未定」であるか否かを判断し(S500)、そうであれば(S500:YES)、第2先行車選択(S600)、第2目標加速度演算(S700)、制御先行車判定(S800)、第2警報判定(S890)、減速要求判定(S900)及び警報発生判定(S990)の各処理を実行する。これらの各処理の詳細は後述する。その後、推定Rの演算を行い(S1000)、レーザレーダセンサ3側へは、現車速(Vn)や推定Rなどのレーザレーダデータを送信し(S1100)、エンジンECU6へは、目標加速度やフューエルカット要求、ODカット要求、3束シフトダウン要求、警報要求などのエンジンECUデータを送信する(S1200)。
【0058】
一方、S500にて否定判断、つまり、認識中の第1先行車の車両確度が「車両」である場合には、S600での第2先行車の選択を行わず、S1300へ移行して制御先行車を第1先行車に決定し、続くS1400では目標加速度を第1先行車に対する第1目標加速度に決定する。そして、S1500にて第2警報要求を解除した後、S900へ移行する。
【0059】
以上は処理全体についての説明であったので、続いて、S300,S400,S490,S600,S700,S800,S890,S900及びS990に示した各処理の詳細について順番に説明する。なお、これらの処理の内で、S490,S890,S990は警報関連の処理であるため、それ以外の車間制御関連の処理を最初に説明し、その後警報関連の処理を説明することとする。
【0060】
まず、S300での第1先行車選択サブルーチンについて図6のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS310においては、第1先行車候補群を抽出する。この処理は、レーザレーダセンサ3より受信した全ての物標データについて、自車線確率が所定値よりも大きいものを抽出する処理である。ここで、自車線確率とは、各物標が自車両の推定進行路上に存在する確率であり、レーザレーダセンサ3内にて演算処理され、車間制御ECU2に物標データの一部として送信される。
【0061】
続くS320では先行車候補があるか否かを判断する。先行車候補がなければ(S320:NO)、第1先行車データを先行車未認識時のデータに設定して、本処理ルーチンを終了する。一方、先行車候補があれば(S320:YES)、S330へ移行し、車間距離が最小の物標を先行車として選択する。その後S340へ移行し、第1先行車データとしてS330で選択された物標のデータを設定し、本処理ルーチンを終了する。
【0062】
次に、S400での第1目標加速度演算サブルーチンについて図7(a)のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS410においては、第1先行車を認識中であるかどうかを判断する。第1先行車を認識中でなければ(S410:NO)、先行車を未認識の場合の値を第1目標加速度として設定し(S450)、本サブルーチンを終了する。
【0063】
一方、第1先行車を認識中であれば(S410:YES)、S420へ移行して車間偏差比を演算する。この車間偏差比(%)は、現在車間から目標車間を減算した値(車間偏差)を目標車間で除算し100を掛けた値である。ここで、目標車間は車速に応じて可変とするここで、より運転者の感覚に合致させることができる。
【0064】
さらに、続くS430にて相対速度を演算する。この相対速度演算は、図8のフローチャートに示すように、まず先行車の車両確度が「未定」か否かを判断し(S431)、車両確度が「未定」でない場合、すなわち車両確度が「車両」である場合には(S431:NO)、相対速度に対してローパスフィルタを施し(S432)、本サブルーチンを終了する。一方、車両確度が「未定」である場合には、相対速度として所定値を設定し(S433)、本サブルーチンを終了する。なお、S433で相対速度として設定する所定値は略0である。つまり、未定物体についての相対速度は、実際の測距データから得た相対速度ではなく、固定的に0Km/h付近の値に設定する。
【0065】
図7(a)の処理説明に戻り、このようにS420,S430にて車間偏差比と相対速度が得られたら、続くS440において、それら両パラメータに基づき、図7(b)に示す制御マップを参照して目標加速度を得る。なお、この制御マップは、車間偏差比(%)として−96,−64,−32,0,32,64,96の7つの値、相対速度(Km/h)として16,8,0,−8,−16,−24の6つの値に対する目標加速度を示すものであるが、マップ値として示されていない値については、マップ内では直線補間により演算した値を採用し、マップ外ではマップ端の値を採用する。また、マップ内の値を用いる場合においても、所定の上下限ガードを施すことも考えられる。S440の処理後は、本サブルーチンを終了する。
【0066】
S490の第1警報判定については後述することとし、次に、S600での第2先行車選択サブルーチンについて図9のフローチャートを参照して説明する。最初のステップS610においては、第2先行車候補群を抽出する。上述した図6のS310での第1先行車候補群抽出においては、レーザレーダセンサ3より受信した全ての物標データについて、自車線確率が所定値よりも大きいものを抽出したが、このS610での第2先行車候補群抽出においては、さらに車両確度が「車両」であるものに限定して抽出する。つまり、自車線確率が所定値より大きくても車両確度が「未定」の物標は抽出しない。
【0067】
その後のS620〜S650の処理は、図6のS320〜350と同様の内容である。すなわち、先行車候補がなければ(S620:NO)、第2先行車データを先行車未認識時のデータに設定して(S650)本処理ルーチンを終了し、一方、先行車候補があれば(S620:YES)、車間距離が最小の物標を先行車として選択し(S630)、第2先行車データとしてS630で選択された物標のデータを設定して(S640)、本処理ルーチンを終了する。
【0068】
次に、S700での第2目標加速度演算サブルーチンについて図10のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS710においては、第2先行車を認識中であるかどうかを判断する。第2先行車を認識中でなければ(S710:NO)、先行車を未認識の場合の値を第2目標加速度として設定し(S750)、本サブルーチンを終了する。
【0069】
一方、第2先行車を認識中であれば(S710:YES)、S720へ移行して車間偏差比を演算し、続くS730にて相対速度に対してローパスフィルタを施した後、S740において、車間偏差比と相対速度の両パラメータに基づき、図7(b)に示す制御マップを参照して第2目標加速度を得る。
【0070】
なお、図7(a)のS430での相対速度演算においては、図8に示すように、先行車の車両確度が「未定」である場合には相対速度として所定値を設定していたが、この第2先行車の場合には車両確度が「車両」のものしか存在しないので、図10のS730に示すように、一律に相対速度に対してローパスフィルタを施すようにした。
【0071】
次に、S800での制御先行車判定ルーチンについて、図11のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS810においては、第2先行車を認識中であるかどうかを判断する。第2先行車を認識中でなければ(S810:NO)、第1先行車しか存在しないこととなる。そのため、第1先行車を制御先行車として決定し(S850)、S400にて演算した第1目標加速度を制御に用いる目標加速度として決定し(S860)、本ルーチンを終了する。
【0072】
一方、第2先行車を認識中であれば(S810:YES)、第1先行車と第2先行車が両方存在するため、そのいずれを制御対象の先行車とするか決定する必要がある。そこで、続くS820では第2目標加速度が第1目標加速度よりも小さいか否かを判断する。S820で肯定判断された場合には、第2先行車の方が第1先行車よりも、より減速度合いの大きな目標加速度を必要としていることとなる。そのため、第2先行車を制御先行車として決定し(S830)、S700にて演算した第2目標加速度を制御に用いる目標加速度として決定し(S840)、本ルーチンを終了する。また、S820で否定判断された場合には、第1先行車の方が第2先行車よりも、より減速度合いの大きな目標加速度を必要としていることとなるため、S850へ移行する。つまり、第2先行車を認識中でない場合と同様、第1先行車を制御先行車として決定し、第1目標加速度を制御に用いる目標加速度として決定する。
【0073】
S890の第2警報判定については後述することとし、次に、S900での減速要求判定サブルーチンについて図12のフローチャートを参照して説明する。この減速要求判定は、フューエルカット要求判定(S910)、ODカット要求判定(S920)、3速シフトダウン要求判定(S930)及びブレーキ要求判定(S940)を順番に行って終了する。各制御について説明する。
【0074】
まず、S910のフューエルカット要求判定サブルーチンについて、図13のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS911においてフューエルカット要求中であるかどうか判断し、フューエルカット要求中でなければ(S911:NO)、加速度偏差が参照値Aref11よりも小さいかどうか判断する(S913)。そして、加速度偏差<Aref11であれば(S913:YES)、フューエルカット要求成立として(S915)、本サブルーチンを終了する。また、加速度偏差≧Aref11であれば(S913:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0075】
一方、フューエルカット要求中であれば(S911:YES)、S917へ移行し、加速度偏差が参照値Aref12よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度偏差>Aref12であれば(S917:YES)、フューエルカット要求を解除して(S919)、本サブルーチンを終了するが、加速度偏差≦Aref12であれば(S917:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0076】
次に、S920のODカット要求判定サブルーチンについて、図14のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS921においてODカット要求中であるかどうか判断し、ODカット要求中でなければ(S921:NO)、加速度偏差が参照値Aref21よりも小さいかどうか判断する(S923)。そして、加速度偏差<Aref21であれば(S923:YES)、ODカット要求成立として(S925)、本サブルーチンを終了する。また、加速度偏差≧Aref21であれば(S923:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0077】
一方、ODカット要求中であれば(S921:YES)、S927へ移行し、加速度偏差が参照値Aref22よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度偏差>Aref22であれば(S927:YES)、ODカット要求を解除して(S929)、本サブルーチンを終了するが、加速度偏差≦Aref22であれば(S927:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0078】
次に、S930の3速シフトダウン要求判定サブルーチンについて、図15のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS931において3速シフトダウン要求中であるかどうか判断し、3速シフトダウン要求中でなければ(S931:NO)、加速度偏差が参照値Aref31よりも小さいかどうか判断する(S933)。そして、加速度偏差<Aref31であれば(S933:YES)、3速シフトダウン要求成立として(S935)、本サブルーチンを終了する。また、加速度偏差≧Aref31であれば(S933:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0079】
一方、3速シフトダウン要求中であれば(S931:YES)、S937へ移行し、加速度偏差が参照値Aref32よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度偏差>Aref32であれば(S937:YES)、3速シフトダウン要求を解除して(S939)、本サブルーチンを終了するが、加速度偏差≦Aref32であれば(S937:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0080】
次に、S940のブレーキ要求判定サブルーチンについて、図16のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS941においてフューエルカット要求中であるかどうか判断し、フューエルカット要求中でなければ(S941:NO)、ブレーキ要求を解除して(S951)、そのまま本サブルーチンを終了する。一方、フューエルカット要求中であれば(S941:YES)、ブレーキ要求中であるかどうか判断し(S943)、ブレーキ要求中でなければ(S943:NO)、加速度偏差が参照値Aref41よりも小さいかどうか判断する(S945)。そして、加速度偏差<Aref41であれば(S945:YES)、ブレーキ要求成立として(S947)、本サブルーチンを終了する。また、加速度偏差≧Aref41であれば(S945:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0081】
一方、ブレーキ要求中であれば(S943:YES)、S949へ移行し、加速度偏差が参照値Aref42よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度偏差>Aref42であれば(S949:YES)、ブレーキ要求を解除して(S951)、本サブルーチンを終了するが、加速度偏差≦Aref42であれば(S949:NO)、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0082】
なお、図13〜図16のフローチャートの説明中に用いた参照値Aref11,Aref12,Aref21,Aref22,Aref31,Aref32,Aref41,Aref42について、補足説明しておく。これらの参照値は、以下に示すようなしきい値となっている。
Figure 0003595739
これらのしきい値の大小関係は、以下のようになる。
Figure 0003595739
このような関係は、作動指示と作動解除指示のチャタリングが発生しないために必要である。
(b)各減速手段間の作動指示しきい値の関係
0>Aref11≧Aref21≧Aref31≧Aref41
これは、より発生減速度の小さな手段が先に作動されることが望ましいからである。
(c)各減速手段間の作動解除しきい値の関係
Aref12≧Aref22≧Aref32≧Aref42>0
これは、発生減速度のより大きな手段が先に解除されることが望ましいからである。
【0083】
以上は車間制御関連の処理の説明であったので、続いて、警報関連の処理であるS490,S890,S990の詳細について図17〜図19を参照して説明する。
まず、S490での第1警報判定サブルーチンについて、図17のフローチャートを参照して説明する。
【0084】
最初のステップS491では、第1警報要求を現在指示中であるかどうかを判断する。第1警報要求中でなければ(S491:NO)、所定の条件成立を判断して警報要求を指示するための処理(S492,S493,S494)を実行する。
【0085】
S492では、以下の算出式に示すように、車速と相対速度に応じて警報距離を算出する。
警報距離=f(車速,相対速度)
次に、この警報距離よりも車間距離が短い状態が生じているかどうかを判断し(S493)、車間距離が警報距離以上の場合には(S493:NO)、そのまま本処理ルーチンを終了する。そして、警報距離よりも車間距離が短い場合には(S493:YES)、第1警報要求を成立させる(S494)。
【0086】
一方、S491にて肯定判断、すなわち、第1警報要求中であれば、所定の条件成立を判断して警報要求を解除するための処理(S495,S496,S497)を実行する。
S495では、第1警報要求が成立した後1秒経過したかどうかを判断する。第1警報要求成立後1秒経過していなければ(S495:NO)、そのまま本処理ルーチンを終了する。これは、警報処理を実行した場合、少なくとも1秒間はその状態を続けるためである。
【0087】
そして、第1警報要求が成立した後1秒経過すると(S495:YES)、続いて、車間距離が警報距離以上かどうかを判断し(S496)、車間距離が警報距離未満の場合には(S496:NO)、そのまま本処理ルーチンを終了する。そして、車間距離が警報距離以上の場合には(S496:YES)、第1警報要求を解除する(S497)。
【0088】
次に、S890での第2警報判定サブルーチンについて、図18のフローチャートを参照して説明する。
この処理は、図17で説明した第1警報判定と同様の処理であり、第1警報要求が第2警報要求に代わっただけである。つまり、第2警報要求中でなければ(S891:NO)、警報距離を算出し(S892)、この警報距離よりも車間距離が短い状態が生じているかどうかを判断する(S893)。そして、車間距離が警報距離以上の場合には(S893:NO)、そのまま本処理ルーチンを終了するが、警報距離よりも車間距離が短い場合には(S893:YES)、第2警報要求を成立させる(S894)。
【0089】
一方、第2警報要求中であれば(S891:YES)、第2警報要求が成立した後1秒経過したかどうかを判断し(S895)、第2警報要求成立後1秒経過していなければ(S895:NO)、そのまま本処理ルーチンを終了する。そして、第2警報要求が成立した後1秒経過すると(S895:YES)、車間距離が警報距離以上かどうかを判断し(S896)、車間距離が警報距離未満の場合には(S896:NO)、そのまま本処理ルーチンを終了する。そして、車間距離が警報距離以上の場合には(S896:YES)、第2警報要求を解除する(S897)。
【0090】
次に、S990での警報発生判定サブルーチンについて、図19のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS991では、第1警報要求中であるかどうかを判断する。第1警報要求中であれば(S991:YES)、警報要求成立として(S992)、本ルーチンを終了する。また、第1警報要求中でなければ(S991:NO)、第2警報要求中であるかどうかを判断する(S993)。そして、第2警報要求中であれば(S993:YES)、警報要求成立として(S992)、本ルーチンを終了するが、第2警報要求中でなければ(S993:NO)、警報要求解除として(S994)、本ルーチンを終了する。
【0091】
このS992において警報要求が成立した旨は、図5のS1200でのエンジンEUUデータとしてエンジンECU6へ送信される。そして、エンジンECU6からブレーキECU4に対して指示することによって、ブレーキECU4は警報ブザー14を鳴動する。一方、S994において警報要求が解除されたことがエンジンECU6へ伝わると、ブレーキECU4を介して警報ブザー14が停止されることとなる。
【0092】
このように、本実施例のシステムによれば、車間制御及び車間警報を実行する際、車両確度が車両以外の場合には制御対象の先行車として選択しない。但し、車両確度が「未定」の物体については制御対象から除くことはせずに、次のように対処する。つまり、第1の先行車の車両確度が未定である場合には、車両確度が車両である物体の中から第2の先行車を選択する(図5のS500)。
【0093】
そして、車間制御の場合には、その第1の先行車の相対速度を略0、つまり0Km/h付近の値であるとみなして(図8のS433)、車間制御量である第1の目標加速度を算出する(図5のS400)。それと共に、第2の先行車に対する第2の目標加速度を算出し(図5のS700)、それら第1及び第2の先行車に対する目標加速度の内で減速側により大きく制御可能な方を、実際の車間制御に用いる目標加速度として選択する(図5のS800,図11)。
【0094】
そのため、例えば車両確度が「未定」の物体(例えばポールコーン)を第1の先行車として選択しているときに真の先行車(車両確度が「車両」の物体)が接近してきて減速が必要な場合には、車両確度が「車両」の物体は第2の先行車として選択され、この第2の先行車に対する第2の目標加速度が減速側に大きくなるため、こちらを制御対象の先行車として選択して車間制御を行う。また、この真の先行車に対して減速が必要なければ、ポールコーンのような車両確度が「未定」の物体を制御対象の先行車として選択してしまう可能性がある。しかしこの場合は、先行車の相対速度が略0であるとみなして算出した第1の目標加速度に基づいて車間制御を行うため、誤って大きく減速制御してしまうことがなく、運転者が感じる違和感を排除あるいは軽減させることができる。つまり、誤った先行車選択による不要な減速制御を防止し、運転フィーリングを向上させた車間制御を実現することができるのである。
【0095】
また、車間警報の場合には、その第1の先行車の相対速度を0Km/h付近の値であるとみなして(図8のS433)、警報距離を算出する(図17のS492)。そして、この警報距離に基づいて第1警報要求の成立の有無を判断する。それと共に、第2の先行車に対する警報距離を算出し(図18のS892)、この警報距離に基づいて第2警報要求の成立の有無を判断する。そして、これら第1あるいは第2の警報要求のいずれか一方でも成立していれば、実際の警報処理を行うための警報要求が成立したと判断している(図19)。
【0096】
そのため、車両確度が「未定」の物体(例えばポールコーン)を第1の先行車として選択しているときには、その第1の先行車の相対速度が略0であるとみなして算出した警報距離に基づいて警報要求の成立判定を行うため、実際に警報処理がなされることはほとんどないと考えられる。そして、この状態で真の先行車(車両確度が「車両」の物体)が接近してきて警報が必要な場合には、車両確度が「車両」の物体は第2の先行車として選択され、この第2の先行車に対する警報距離に基づく判定で警報要求が成立すれば、車間警報が行われる。したがって、実際には必要のない状況で警報がなされることを防止でき、必要な状況では適切に警報がなされるため、運転者が感じる違和感を排除あるいは軽減させることができる。つまり、誤った先行車選択による不要な警報を防止し、運転フィーリングを向上させた車間警報を実現することができるのである。
【0097】
なお、本実施例では、図6のS330,図9のS630に示すように、第1の先行車及び第2の先行車を選択する際、それぞれ最も近距離に存在するものを選択している。一般的には自車両から最も近距離に存在する物体を先行車として選択することが好ましいからである。
【0098】
以上、本発明はこのような実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得る。それらのいくつかを説明する。
(1)上記実施形態では、第1の先行車の車両確度が未定である場合、第1の先行車の相対速度を略0であるとみなして車間制御量としての第1の目標加速度を算出していたが、その代わりに、第1の目標加速度自体を、自車両が加減速しないような値に設定してもよい。つまり第1の目標加速度=0とするのである。第1先行車の相対速度を略0とみなした場合には、第1先行車が制御対象の先行車として選択された場合に自車両が加減速してしまう場合も想定されるが、このようにすれば、自車両が加減速することがなくなる。
【0099】
(2)また、上記実施形態では第1の先行車の車両確度が「車両」であれば、第1の目標加速度のみ演算し、第1の先行車の車両確度が「未定」であっても、第2の先行車の第2の目標加速度を演算するにとどまっていた。これに対して、車両確度が車両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物体については当該物体の相対速度を略0であるとみなして目標加速度を算出し、車両確度が車両である物体についても目標加速度を算出し、これらの内で減速側に最も大きく制御可能な目標加速度に基づいて車間制御を実行してもよい。
【0100】
上記実施形態の場合には、多くても2つの先行車の目標加速度を算出するだけで済んでいたが、この場合には3つ以上の物体に対する目標加速度を算出しなくてはならない場合も想定される。しかし、このようにすることで、例えば2台前、3台前の先行車を考慮した車間制御も可能となる。例えば、直前の先行車は自車両よりも高速で走行しているが、2台前の先行車が自車両よりも低速で走行している場合には、直前の先行車が将来的に減速し、結果的に自車両も減速しなくてはならない状況が生じ得る。その場合、直前の先行車のみを考慮していると、一旦加速した後にすぐに減速する、といった制御をしてしまう可能性があるが、2台前の先行車を考慮すれば加速せずに減速に移行でき、より運転フィーリングを向上させた車間制御を実現することができる。
【0101】
もちろん、車間警報についても同様の手法を適用すれば、より運転フィーリングを向上させた車間警報を実現できることとなる。
(3)また、制御対象の先行車として車両確度が未定の物体が選択されている際には、減速制御は実行しないようにしてもよい。具体的には、例えば上記実施形態の図13の処理を図20の処理に置き換える。この図20の処理の内、S1911,S1913,S1915,S1917,S1919は、それぞれ図13のS911,S913,S915,S917,S919と同じである。変わっている部分は、S1911の判断処理で肯定・否定いずれの判断がされた場合であっても、先行車の車両確度が「未定」であるか否かを判断している(S1912,S1916)。そして、フューエルカット要求中でない場合は(S1911:NO)、先行車の車両確度が「未定」であれば(S1912:YES)、S1913でのフューエルカット要求成立の有無の判定自体を行うことなく、無条件に処理を終了する。一方、フューエルカット要求中である場合は(S1911:YES)、先行車の車両確度が「未定」であれば(S1916:YES)、無条件にS1919へ移行してフューエルカット要求を解除する。
【0102】
フューエルカット要求判定の場合について説明したが、それ以外のODカット要求判定、3速シフトダウン要求判定、ブレーキ要求判定についても、同様に変更した処理とすればよい。このようにすることで、制御対象の先行車として車両確度が未定の物体が選択されている際には、減速制御は実行されなくなる。
【0103】
(4)また、車間警報の実施方法について、上記実施形態では第1の先行車及び第2の先行車に対して警報要求の有無を判断し、いずれか一方でも成立していれば警報要求が成立したと判断した。このような実施形態に限らず、以下のように実現してもよい。
【0104】
まず、第1の先行車の車両確度が「車両」であれば、第1の先行車について警報判定値として「車間距離−警報距離」を算出する。この値が負側に大きくなるほど警報の必要度合いが大きいと考えてよい。この警報判定値が所定値(例えば0)未満であったとき警報要求が成立するとし、所定値以上であったとき警報要求は非成立であるとする。一方、第1の先行車の車両確度が「未定」であれば、第2の先行車についても同様に警報判定値を算出し、それぞれの警報判定値を比較して、小さい方の警報判定値に基づいて車間警報を実行する。すなわち、小さい方の車間警報値が所定値未満であったとき警報要求が成立するとし、所定値以上であったとき警報要求は非成立であるとする。
【0105】
このような実施形態においては、車間警報として数段階の警報処理を実行する場合にも容易に拡張することができる。つまり、上記警報要求を判断する所定値として複数の値を用意しておき、警報判定値の値に応じた適切な段階の警報処理を実行するのである。このようにすれば、より運転フィーリングを向上させた車間警報を実現することができる。
【0106】
(5)減速手段としては、上述した実施形態で説明したものも含め、採用可能なものを挙げておく。ブレーキ装置のブレーキ圧を調整して行うもの、内燃機関に燃料が供給されるのを阻止するフューエルカット制御、前記内燃機関に接続された自動変速機がオーバードライブのシフト位置となるのを禁止するオーバードライブカット制御、前記自動変速機を高位のシフト位置からシフトダウンさせるシフトダウン制御、前記内燃機関の点火時期を遅らせる点火遅角制御、前記自動変速機が備えたトルクコンバータをロックアップ状態にするロックアップ制御、前記内燃機関からの排気の流動抵抗を増加させる排気ブレーキ制御およびリターダ制御を実行して行うものなどである。
【0107】
(6)また、上記実施形態においては、車間距離をそのまま用いていたが、車間距離を車速で除算した車間時間を用いても同様に実現できる。つまり、相対速度と車間時間偏差比をパラメータとする目標加速度の制御マップを準備しておき、制御時には、その時点での相対速度と車間時間偏差比に基づいて目標加速度を算出して、車間制御を実行するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の車間制御装置のシステムブロック図である。
【図2】レーザレーダセンサにおいて実行される認識処理を示すフローチャートである。
【図3】図2の認識処理中で実行される物標化処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図4】図2の認識処理中で実行される車両確度判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】車間制御ECUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】図5のメイン処理中で実行される第1先行車選択サブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】(a)は図5のメイン処理中で実行される第1目標加速度演算サブルーチンを示すフローチャート、(b)は制御マップの説明図である。
【図8】図7の第1目標加速度演算処理中で実行される相対速度演算サブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図5のメイン処理中で実行される第2先行車選択サブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図5のメイン処理中で実行される第2目標加速度演算サブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図5のメイン処理中で実行される制御先行車判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】図5のメイン処理中で実行される減速要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】図12の減速要求判定中で実行されるフューエルカット要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】図12の減速要求判定中で実行されるODカット要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】図12の減速要求判定中で実行される3速シフトダウン要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】図12の減速要求判定中で実行されるブレーキ要求判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図17】図5のメイン処理中で実行される第1警報判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】図5のメイン処理中で実行される第2警報判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図19】図5のメイン処理中で実行される警報発生判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図20】別実施形態のフューエルカット要求判定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…車間制御用電子制御装置(車間制御ECU)
3…レーザレーダセンサ
4…ブレーキ電子制御装置(ブレーキECU)
6…エンジン電子制御装置(エンジンECU)
8…ステアリングセンサ
10…ヨーレートセンサ
12…車輪速センサ
14…警報ブザー
16…車速センサ
18…ブレーキスイッチ
20…クルーズコントロールスイッチ
22…クルーズメインスイッチ
24…スロットルアクチュエータ
25…ブレーキアクチュエータ
26…トランスミッション
28…ボデーLAN

Claims (18)

  1. 自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、
    認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出する物体認識手段と、
    前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択する先行車選択手段と、
    前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づいて車間制御量を算出し、その算出された車間制御量に基づき前記加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させる車間制御手段と、
    を備える車間制御装置において、
    前記物体認識手段にて認識された前記物体が車両である確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以外、未定の3種類に分類して判定する車両確度判定手段を備え、
    前記先行車選択手段は、
    前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両以外を除く物体の中から第1の先行車を選択し、
    当該第1の先行車の車両確度が未定である場合には、さらに、前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両である物体の中から第2の先行車を選択し、
    前記車間制御手段は、
    前記第1の先行車の車両確度が車両である場合には、当該第1の先行車を制御対象の先行車として車間制御を実行し、
    一方、前記第1の先行車の車両確度が未定である場合には、当該第1の先行車の相対速度を略0であるとみなして車間制御量を算出すると共に、前記第2の先行車に対する車間制御量を算出し、それら第1及び第2の先行車に対する車間制御量の内で減速側により大きく制御可能な方の制御量に基づいて前記車間制御を実行すること、
    を特徴とする車間制御装置。
  2. 請求項1記載の車間制御装置において、
    前記先行車選択手段は、
    前記第1の先行車として、前記車両確度が車両以外を除く物体の中で最も近距離に存在するものを選択し、
    前記第2の先行車として、前記車両確度が車両である物体の中で最も近距離に存在するものを選択すること、
    を特徴とする車間制御装置。
  3. 請求項1又は2記載の車間制御装置において、
    前記車間制御手段は、
    前記第1の先行車の車両確度が未定である場合、当該第1の先行車の相対速度を略0であるとみなして車間制御量を算出する代わりに、当該第1の先行車の車間制御量を、自車両が加減速しないような値とみなすこと、
    を特徴とする車間制御装置。
  4. 自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、
    認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出する物体認識手段と、
    前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択する先行車選択手段と、
    前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づいて車間制御量を算出し、その算出された車間制御量に基づき前記加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させる車間制御手段と、
    を備える車間制御装置において、
    前記物体認識手段にて認識された前記物体が車両である確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以外、未定の3種類に分類して判定する車両確度判定手段を備え、
    前記車間制御手段は、
    前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物体については当該物体の相対速度を略0であるとみなして車間制御量を算出すると共に、車両確度が車両である物体についても車間制御量を算出し、これらの内で減速側に最も大きく制御可能な制御量に基づいて前記車間制御を実行すること、
    を特徴とする車間制御装置。
  5. 請求項4記載の車間制御装置において、
    前記車間制御手段は、
    前記車両確度が未定の物体については、当該物体の相対速度を略0であるとみなして車間制御量を算出する代わりに、当該物体に対する車間制御量を、自車両が加減速しないような値とみなすこと、
    を特徴とする車間制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の車間制御装置において、
    前記車間制御手段は、
    制御対象の先行車として車両確度が未定の物体が選択されている際には、減速制御は実行しないこと、
    を特徴とする車間制御装置。
  7. 認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出する物体認識手段と、
    前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択する先行車選択手段と、
    少なくとも、前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との相対速度に基づいて警報判定値を算出し、前記警報判定値が所定の警報条件を満たしている場合に、車両運転者に対する警報処理を実行可能な車間警報手段と、
    を備える車間警報装置において、
    前記物体認識手段にて認識された前記物体が車両である確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以外、未定の3種類に分類して判定する車両確度判定手段を備え、
    前記先行車選択手段は、
    前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両以外を除く物体の中から第1の先行車を選択し、
    当該第1の先行車の車両確度が未定である場合には、さらに、前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両である物体の中から第2の先行車を選択し、
    前記車間警報手段は、
    前記第1の先行車の車両確度が車両である場合には、当該第1の先行車を制御対象の先行車として車間警報を実行し、
    一方、前記第1の先行車の車両確度が未定である場合には、当該第1の先行車の相対速度を略0であるとみなして警報判定値を算出すると共に、前記第2の先行車に対する警報判定値を算出し、それら第1及び第2の先行車に対する警報判定値の内で警報の必要度合いがより大きな方の判定値に基づいて前記車間警報を実行すること、
    を特徴とする車間警報装置。
  8. 請求項7記載の車間警報装置において、
    前記先行車選択手段は、
    前記第1の先行車として、前記車両確度が車両以外を除く物体の中で最も近距離に存在するものを選択し、
    前記第2の先行車として、前記車両確度が車両である物体の中で最も近距離に存在するものを選択すること、
    を特徴とする車間警報装置。
  9. 認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出する物体認識手段と、
    前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択する先行車選択手段と、
    少なくとも、前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との相対速度に基づいて警報判定値を算出し、前記警報判定値が所定の警報条件を満たしている場合に、車両運転者に対する警報処理を実行可能な車間警報手段と、
    を備える車間警報装置において、
    前記物体認識手段にて認識された前記物体が車両である確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以外、未定の3種類に分類して判定する車両確度判定手段を備え、前記車間警報手段は、
    前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物体については当該物体の相対速度を略0であるとみなして警報判定値を算出すると共に、車両確度が車両である物体についても警報判定値を算出し、これらの内で警報の必要度合いが最も大きな警報判定値に基づいて前記車間警報を実行すること、
    を特徴とする車間警報装置。
  10. 認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出する物体認識手段と、
    前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択する先行車選択手段と、
    前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量が、少なくとも自車と先行車との相対速度に基づく所定の警報条件を満たしているか否かの警報判定を行い、当該警報判定の結果、警報条件を満たしている場合に、車両運転者に対する警報処理を実行可能な車間警報手段と、
    を備える車間警報装置において、
    前記物体認識手段にて認識された前記物体が車両である確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以外、未定の3種類に分類して判定する車両確度判定手段を備え、
    前記先行車選択手段は、
    前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両以外を除く物体の中から第1の先行車を選択し、
    当該第1の先行車の車両確度が未定である場合には、さらに、前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両である物体の中から第2の先行車を選択し、
    前記車間警報手段は、
    前記第1の先行車の車両確度が車両である場合には、当該第1の先行車を制御対象の先行車として車間警報を実行し、
    一方、前記第1の先行車の車両確度が未定である場合には、当該第1の先行車の相対速度を略0であるとみなして警報判定を実行すると共に、前記第2の先行車に対する警報判定を実行し、それら第1及び第2の先行車に対する警報判定の結果いずれかが警報実行条件を満たしていれば前記車間警報を実行すること、
    を特徴とする車間警報装置。
  11. 請求項10記載の車間警報装置において、
    前記先行車選択手段は、
    前記第1の先行車として、前記車両確度が車両以外を除く物体の中で最も近距離に存在するものを選択し、
    前記第2の先行車として、前記車両確度が車両である物体の中で最も近距離に存在するものを選択すること、
    を特徴とする車間警報装置。
  12. 認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出する物体認識手段と、
    前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、自車線領域内に存在する物体の中から自車に対する先行車を選択する先行車選択手段と、
    前記先行車選択手段によって選択された先行車と自車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量が、少なくとも自車と先行車との相対速度に基づく所定の警報条件を満たしているか否かの警報判定を行い、当該警報判定の結果、警報条件を満たしている場合に、車両運転者に対する警報処理を実行可能な車間警報手段と、
    を備える車間警報装置において、
    前記物体認識手段にて認識された前記物体が車両である確からしさを示す車両確度を、少なくとも車両、車両以外、未定の3種類に分類して判定する車両確度判定手段を備え、
    前記車間警報手段は、
    前記車両確度判定手段によって判定された車両確度が車両以外を除く全ての物体について、車両確度が未定の物体については当該物体の相対速度を略0であるとみなして警報判定を実行すると共に、車両確度が車両である物体についても警報判定を実行し、これらの内のいずれかが警報実行条件を満たしていれば前記車間警報を実行すること、
    を特徴とする車間警報装置。
    可能な記録媒体。
  13. 請求項7又は8記載の車間警報装置において、
    前記車間警報手段は、
    前記第1の先行車の車両確度が未定である場合は前記警報判定値を算出せず、前記第2の先行車に対する警報判定値に基づいて前記車間警報を実行すること、
    を特徴とする車間警報装置。
  14. 請求項9記載の車間警報装置において、
    前記車間警報手段は、
    前記車両確度が未定の物体については警報判定値を算出せず、車両確度が車両である物体について警報判定値を算出し、これらの内で警報の必要度合いが最も大きな警報判定値に基づいて前記車間警報を実行すること、
    を特徴とする車間警報装置。
  15. 請求項10又は11記載の車間警報装置において、
    前記車間警報手段は、
    前記第1の先行車の車両確度が未定である場合は前記警報判定を実行せず、前記第2の先行車に対する警報判定の結果、警報実行条件を満たしていれば前記車間警報を実行すること、
    を特徴とする車間警報装置。
  16. 請求項12記載の車間警報装置において、
    前記車間警報手段は、
    車両確度が未定の物体については警報判定を実行せず、車両確度が車両である物体について警報判定を実行し、これらの内のいずれかが警報実行条件を満たしていれば前記車間警報を実行すること、
    を特徴とする車間警報装置。
  17. 請求項1〜6のいずれか記載の車間制御装置の先行車選択手段、車間制御手段及び車両確度判定手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  18. 請求項7〜16のいずれか記載の車間警報装置の先行車選択手段、車間警報手段及び車両確度判定手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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