JP3618767B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、空気入りタイヤ、とくには、ユニフォミティを改善した空気入りラジアルタイヤに関するものであり、乗用車用としてはもちろん、小型トラック用、トラック・バス用などとしても適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乗用車用空気入りラジアルタイヤでは、タイヤのパターンから生じる種々の騒音を低減させることを目的として、ピッチ長の異なる複数種類のピッチを周上で適宜に組み合わせて配列することによってトレッドパターンを形成している。
【0003】
この場合従来は、それぞれのピッチ内に含まれて、トレッド幅方向の延在成分を有するそれぞれの横溝の、陸部表面に対する溝壁角度を一定としたまま、深さが一定のそれぞれの横溝の開口幅の比を、ピッチ比に等しくなるように選択することまたは、それぞれの横溝の溝壁角度を、これも深さを一定としたそれぞれの横溝の溝ボリューム比がピッチ比に等しくなるように選択することが広く行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、それぞれの横溝の開口幅の比をピッチ比に等しくする前者の従来技術にあっては、ピッチ長の長い部分ほどトレッド厚みが厚くなるので、ピッチ長の長い部分と短い部分とのそもそものパターン剛性の差に加え、それらの各部分のトレッド厚みの差に起因して圧縮弾性率の差が著しく大きくなって、タイヤのユニフォミティ、とくにはラジアルフォースバリエーション(以下RFV という)、なかでもその高次成分が悪化し、タイヤの偏摩耗が大きいという問題があり、また、それぞれの横溝の溝ボリューム比をピッチ比に等しくした後者の従来技術にあっては、ピッチ長の長短にかかわらず、トレッド厚み、ひいては、カーカスから陸部表面までの距離はともに等しくなるも、ピッチ長の長い部分と短い部分とのパターン剛性の差は依然として残ることから、RFV を効果的に抑制することができず、偏摩耗の発生を十分に防止することができないという問題があった。
【0005】
この発明は、従来技術の有するかかる問題点を解決することを課題として検討した結果なされたものであり、この発明の目的は、RFV に関し、主には、ピッチ長の差に起因するパターン剛性の差を、トレッド各部の肉厚の差をもって相殺することによって、タイヤのユニフォミティを大きく改善した空気入りタイヤを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面部に、トレッド幅方向の延在成分を有する横溝を設けるとともに、少なくとも二種類の異なるピッチをトレッド周方向に組み合わせてトレッドパターンを形成し、各ピッチにおけるネガティブ率を25〜55%としたところにおいて、それぞれのピッチにおけるネガティブ率を一定とし、それぞれのピッチ内に含まれる前記横溝の深さを一定とするとともに、それらの各溝壁の、陸部表面とのなす角度を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくしたものであり、ここでより好ましくは、前記角度を、ピッチ比と等しいボリューム比をもたらす角度を基準として、ピッチ長の長いブロックではそれより大きく、短かいブロックではそれより小さくする。
【0007】
ここで、基準となる中間ピッチ部分の溝壁に対して、溝壁角度を大きくする割合および小さくする割合は、その中間ピッチ部分と、他のピッチ部分とで、ピッチ比と溝ボリューム比とを等しくするそれぞれの溝壁角度との差の1.5 〜2.5 倍とすることが好ましい。
【0008】
すなわち、1.5 倍未満では、パターン剛性差に見合うトレッド厚みの差をもたらすことができず、長ピッチ部分では剛性大、短ピッチ部分では剛性小のRFV 波形が依然として残ることになるに対し、2.5 倍を越えると、パターン剛性差以上のトレッド厚みの差を生じ、長ピッチ部分でRFV が小さく、短ピッチ部分でRFVが大きい波形となるとともに、トレッド厚みの差が大きくなりすぎることに起因して、偏摩耗の核となるおそれが高い。
【0009】
この発明の、他の空気入りタイヤは、とくに、それぞれのピッチにおけるネガティブ率を一定とするとともに、最外層ベルト層から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの短い部分ほど長くしたものである。
【0010】
この発明の、さらに他のタイヤは、とくに、陸部に残存するベントスピューの横断面積の総和を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくしたものである。
【0011】
【作用】
タイヤの最外層に位置するトレッドゴムは、現在は、押出機によってシート状に連続的に押出し成形した後、適当な長さに裁断して使用に供することが一般的であるため、タイヤ一本に使用される生トレッドゴムの厚みはその全周にわたってほぼ均一となる。
【0012】
かかるトレッドゴムに対しては、横溝の深さ方向のどの部分においても、溝幅比がピッチ比に等しくなるように横溝を形成することまたは、溝ボリューム比がピッチ比に等しくなるように横溝に形成することなどによって、製品としてのタイヤのトレッド厚みを、ピッチ長の長短にかかわらず一定とすることは可能である。
【0013】
しかしながら、これのみにては、前述したように、ピッチ長の長短に起因するパターン剛性の差が依然として残存して、RFV を有効に抑制することは不可能である。
【0014】
これに対し、横溝の溝開口幅の比をピッチ比に等しく設定した場合に比し、ピッチ長さの長い部分でその溝開口幅を狭めてトレッドゴム厚みを薄くする一方、ピッチ長さの短い部分で溝開口幅を広くしてトレッドゴム厚みを厚くしたときは、エア充填状態のタイヤの、タイヤ中心から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの長い部分ほど短くして、パターン剛性要素と、ラジアルランナウト(以下RRO という)とを適正に組み合わせ、この結果として、パターン剛性の差に起因して発生するRFV を、トレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺して、RFV 波形をタイヤの全周にわたって十分均一ならしめることができる。
【0015】
なおここにおいて、各ピッチにおけるネガティブ率を25〜55%とするのは、それが25%未満では一般に溝幅が狭く、溝壁と陸部表面とのなす角度も小さく、一方トレッドボリュームは大きくなるので、溝ボリューム差のトレッドゲージ変動に寄与する比率が非常に小さいことによる。
【0016】
ところで、それぞれのピッチにおけるネガティブ率を一定、いいかえれば、ピッチ比と溝開口幅比とを等しくすることに加え、それぞれの横溝の深さを一定とし、そこで、それぞれの溝壁の、陸部表面とのなす角度を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくした、この発明に係る空気入りタイヤでは、ピッチ長の長い部分でトレッドゴム厚みが薄く、ピッチ長の短い部分でトレッドゴム厚みが厚くなるので、エアー充填状態のタイヤのタイヤ中心から陸部の表面までの距離をピッチ長の短い部分ほど長くしてパターン剛性要素とRRO とを適正に組合せることにより、パターン剛性の差に起因して発生するRFV をトレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺することができる。
【0017】
またここで、この発明に係る他の空気入りタイヤのように、それぞれのピッチにおけるネガティブ率を一定として、最外層ベルト層から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの短い部分ほど長くした場合、いいかえれば、トレッドゴムそれ自体の厚みを、ピッチ長さの短い部分ほど厚くした場合には、RRO が生じるが、これとパターン剛性とを適正に組合せることにより、パターン剛性に起因して発生するRFV をトレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺してRFV をタイヤ全周にわたって十分均一ならしめることができる。
【0018】
そして、さらに他の空気入りタイヤのように、陸部に残存するベントスピューの、それらの長さ方向と直交する方向の横断面積の総和を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくして、エア充填状態のタイヤ中心から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの短い部分ほど長くした場合には、これもまた上述の場合と同様、タイヤの全周にわたってRFV を十分均一ならしめることができる。
【0019】
なおここで、ベントスピューによって調整される、トレッドゴム厚みを模式的に表わすと、
トレッドゴム厚み=(π/4)A2 ・N・L/S ∝ A2 ・N・L/S
S:陸部表面積
A:ベントスピュー径
N:ベントスピュー本数
L:ベントスピュー長さ
となり、これによれば、トレッドゴム厚みは、陸部表面積Sに対して、ベントスピュー径Aおよびベントスピュー本数Nを選択することによって容易にコントロールできることが解かる。
【0020】
【実施例】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の基本概念としての一のトレッド構造を、トレッド部をトレッド周方向に断面として示す略線部分断面展開図であり、図中1はトレッド部を、2は最外層ベルト層をそれぞれ示す。
【0021】
ここでは、相互に異なる三種類のピッチP1 ,P2 ,P3 をトレッド周方向に組み合わせることによってトレッドパターンを形成し、それらのピッチ長を、P1 <P2 <P3 とするとともに、それぞれのピッチ内に含まれて、トレッド幅方向の延在成分を有するそれぞれの横溝3a, 3b, 3cによってそれぞれの陸部4a, 4b, 4cを区画したところにおいて、ピッチ長の最も短い部分の陸部4aの、最外層ベルト層2から陸部表面までの距離G1 と、次に短い部分の陸部4bの、最外層ベルト層2から陸部表面までの距離G2 と、ピッチ長の最も長い部分の陸部4cの同様の距離G3 との相対関係を、G1 >G2 >G3 とすることに加え各ピッチP1 ,P2 ,P3 におけるネガティブ率を38%とする。
【0022】
たとえば、タイヤの加硫成形に当たって、トレッド部1をこのように構成したタイヤは、その加硫成形時には、図1(a)に示すように、最外層ベルト層2がタイヤ半径方向の凹凸を有し、これがため、それぞれの陸部4a, 4b, 4cの表面も、実質上同一の曲率半径の円弧上に位置することになるも、そこへの内圧の充填によって、ベルト、ひいては最外層ベルト層が、トレッド周方向断面内で、図1(b)に示すように、円形形状に膨脹した場合には、前述したそれぞれの距離G1 ,G2 ,G3 の差に基づき、タイヤ中心からそれぞれの陸部表面までの距離、すなわち、それぞれの陸部表面の半径R1 ,R2 ,R3 はR1 >R2 >R3 の相対関係を有することになる。
【0023】
ここで、これらのそれぞれの半径R1 ,R2 ,R3 は、前述したように、ピッチの比、ピッチ長さなどに応じて最適値を決定することになる。
【0024】
かくしてここでは、微小ではあるが、たとえば、加硫モールドの設計に基づき、タイヤにRRO が生じることになり、これをパターン剛性要素と適正に組み合わせることによって、前述したように、RFV を有効に抑制することができる。
【0025】
図2は、上述したようなトレッド構造の一の構成例を示す図であり、図2(a)は、周方向に展開したトレッドパターンの一の繰り返しを示す。
【0026】
ここでは、ネガティブ率を38%としたそれぞれのピッチ内に含まれるそれぞれの横溝を、トレッド幅方向に対してともに同方向へ傾斜して、トレッド周方向の延在成分をも有する傾斜溝13a, 13b, 13c とし、これらの傾斜溝13a, 13b, 13cの溝深さをともに一定とするとともに、それらの溝13a, 13b, 13c の各溝壁の、陸部表面とのなす角度、より正確には、トレッドパターンを図示のような展開状態としたときの陸部表面とのなす角度をともに一定としたところにおいて、各ピッチの長さP1 ,P2 ,P3 と、各ピッチ内に含まれる傾斜溝13a, 13b, 13c のそれぞれの溝開口幅a1 ,a2 ,a3 との関係を、
【数1】
とするとともに、溝開口幅の比をピッチ比と等しくした中間ピッチP2の部分の溝開口幅a2を基準とし、その中間ピッチ部分の溝の溝壁と溝底との交点から、溝深さを一定としてピッチ比に等しい溝ボリーム比をもたらすときの、中間ピッチ部分の溝の、溝壁と溝底との交点に至る距離dに対し、小ピッチP1の部分の溝の開口幅a1を、溝開口幅の比をピッチ比と等しくした場合に比して0.51d〜1.50dの範囲で広幅とし、大ピッチP3の部分の溝の開口幅a3を同様の場合に比して0.51d〜1.50dの範囲で狭幅とする。
【0027】
これがため、それぞれの溝開口幅a1 ,a2 ,a3 は、溝開口幅の比をピッチ比と等しくした、図に実線で示す従来技術の幅に対し、破線で示すように、長ピッチ部分で狭く、短ピッチ部分で広くなる。
【0028】
ところで、この狭くする比率および広くする比率のそれぞれは、図に実線で示すそれぞれの溝開口幅に対し、図2(b)に、それぞれの溝と直交する方向での一方側の各溝壁断面を示すように、基準となる中間ピッチP2 の部分での、現実の溝壁と溝底との交点位置C1 から、ピッチ比に等しい溝ボリューム比をもたらす、図に仮想線で示す溝壁と、その溝底との交点位置C2 までの距離dの51%以上150 %以下とすることが好ましく、好適には70〜130 %の範囲とする。
【0029】
なお以上のことは、図2(a)に仮想線で示すように、二つのピッチ部分にわたって延びる溝および、ピッチ部分の一部だけに延びる溝についても同様であり、これらのうち、前者の場合にあっては、溝開口幅は、一のピッチ部分から他のピッチ部分への遷移部分において、タイヤ横断面方向の溝断面開口幅、各溝側壁の陸部表面とのなす角度がいずれのピッチも等しくなるよう、各ピッチの溝側壁面に直角方向の溝側壁と陸部表面のなす角度を決める。
【0030】
このように構成してなるトレッド構造によれば、溝開口幅の比をピッチ比に等しくした従来技術に比して、長ピッチ部分の溝ボリュームが有効に低減され、短ピッチ部分の溝ボリュームがこれも有効に増加されるので、図1について述べたところが、容易にかつ確実に実現されることになる。
【0031】
この一方において、溝開口幅の比をピッチ比に等しくした従来技術における、最外層ベルト層からそれぞれの陸部表面までの距離G1 ,G2 ,G3 は、それを、図1(a)に示すところに倣って図3に示すと、G3 >G2 >G1 となり、この場合には、タイヤのユニフォミティ、とくにはRFV に関し、それらの距離の差が、前述したように、本来的なパターン剛性の差に起因するRFV の悪化を一層助長することになる不都合がある。
【0032】
ちなみに、図2に示す例におけるそれぞれのピッチP1 ,P2 ,P3 の比を7:9:11とし、それぞれの傾斜溝の溝深さを6.4mm 、各溝壁の、陸部表面に対する角度を105 °とするとともに、ピッチ比が11の部分の溝開口幅を、図2(a)に実線で示すところから、距離dの1.00倍だけ狭くし、また、ピッチ比が7の部分の溝開口幅を距離dの1.00倍だけ広くしてサイズが255/40 ZR 17のタイヤを製造し、この発明の基本概念に基くトレッド構造の、上記の構成例を用いたタイヤと、図2(a)に実線で示すように、溝開口幅の比をピッチ比に等しくした以外はそのタイヤと同一とした比較タイヤとのそれぞれにつき、RFV の高次成分を求めたところ図4に示す通りとなった。
【0033】
なおこの試験に当たっては、9インチ幅のリムに装着して充填内圧を2.0kg/cm2 としたタイヤを、ユニフォミティ試験機の、直径が838.2mm(33インチ) の回転ドラムに、500kg の力で押圧して、その回転ドラムを60rpm の速度で回転させた。
【0034】
ところで、図4に示すそれぞれのグラフは、RFV 波形を生タイヤ要因と加硫要因、いいかえれば加硫金型要因とに分離し、複数本のタイヤの平均波形をフーリエ解析して6次成分を取出したものである。これらのグラフによれば、この出願でとくに問題とする、加硫要因に起因するRFV のピークトウピーク値は、比較タイヤでは1.52kgであるに対し、発明概念に基いた構成例を採用したタイヤでは0.42kgとなり、RFV を極めて効果的に抑制し得ることが明らかである。
【0035】
図5は、この発明に係るトレッド部の構成例を示す図であり、この例では、図5(a)に展開図で示すトレッドパターンの、それぞれのピッチP1 ,P2 ,P3 の部分は、25〜55%の範囲内の、ともに一定のネガティブ率を有する。従って、ピッチ比を、前述したように7:9:11とした場合には、それぞれのピッチ内に含まれるそれぞれの横溝23a, 23b, 23c の溝開口幅b1 ,b2 ,b3 もまた、7:9:11の比を有することになる。
【0036】
またここでは、それぞれの横溝23a, 23b, 23c の深さをともに一定とするとともに、それらの各溝壁の、陸部表面とのなす角度をピッチ長さの長い部分ほど大きくする。ここで、基準となる中間ピッチ部分の溝壁に対して、溝壁角度を大きくする割合および小さくする割合は、図5(b),(c)のそれぞれに、横溝23a, 23cの一方の溝壁を断面として示すように、ピッチ比が9の部分の溝壁5と陸部表面とのなす角度β1 と、他のそれぞれのピッチ部分で、ピッチ比と溝ボリューム比とを等しくするそれぞれの溝壁6a, 6bと陸部表面とのなすそれぞれの角度β2 ,β3 との差の1.5 〜2.5 倍とすることが好ましい。従って、それぞれのピッチ比とそれぞれの溝ボリューム比とを相互に等しくした場合に比して、長ピッチ部分では溝ボリュームが減少し、短ピッチ部分では溝ボリュームが増加することになって、長ピッチ部分での陸部ボリュームの増加割合が、短ピッチ部分での陸部ボリュームの増加割合よりも有効に低減されることになり、この結果として、タイヤへの内圧充填状態の下では、図1(b)に示すように、タイヤ中心から陸部表面までの距離が、短ピッチ部分で最も長く、長ピッチ部分で最も短くなる。
【0037】
そして、ここにおいてもまた、それぞれのピッチP1 ,P2 ,P3 の比を7:9:11とし、それぞれの横溝の深さを6.4mm 、それぞれの横溝の各溝壁の、陸部表面とのなす角度を、短ピッチ部分で99°、中間ピッチ部分で105 °、長ピッチ部分で111 °とした、サイズが255/40 ZR 17の発明タイヤと、それぞれの横溝の各溝壁角度を105 °とした点を除いて発明タイヤと同一の構成の比較タイヤとのそれぞれにつき、図4について述べたと同様にしてRFV 波形を求めたところ、加硫要因に起因するRFV のピークトウピーク値は、比較タイヤでは1.90kgであるに対し、発明タイヤでは0.50kgとなり、RFV の著しい改善が認められた。
【0038】
図6は、この発明の他の構成例を示すトレッド周方向断面図であり、これは、それぞれのピッチにおけるネガティブ率を、25〜55%の範囲内の一定値とするとともに、最外層ベルト層2から、それぞれの陸部4a, 4b, 4cの表面までの距離H1 ,H2 ,H3 を、ピッチの短い部分ほど長くしたものである。
【0039】
この場合、それぞれの横溝3a, 3b, 3cの深さは、図6(a)に示すように、それらの全てにおいて同一とすることの他、図6(b)に示すように、全ての溝底位置を揃えることによって、短ピッチのものほど深くすることもでき、前者によれば、一般的には、ピッチ長の短い部分程溝幅が狭く、溝底半径が小さくなって、耐溝底クラックに不利になるところ、溝底部トレッドゴムゲージが厚くなり耐溝底クラックに有利となる。また、後者によれば、一般にブロック剛性が弱い小ピッチの方が摩耗が速い傾向にあるに対し、これを補うことができる。
【0040】
図7は、この発明のさらに他の構成例を示す、トレッドパターンの周方向展開図であり、これはそれぞれのピッチ部分の陸部4a, 4b, 4cに形成される、少なくとも1個のベントスピュー7a, 7b, 7cの、それらの長さ方向と直交する方向の横断面内での横断面積の総和を、長ピッチ部分ほど大きくし、これをもって、各ピッチ部分の図1もしくは図6に示すような陸部厚みを実現するものである。
【0041】
ここで、ピッチ比を7:9:11とし、スピュー7a, 7b, 7cの横断面積の総和の比を 100 : 240 : 450とした、サイズが255/40 ZR 17の発明タイヤと、スピュー横断面積の総和の比を1:1:1とした比較タイヤ1と、ベントスピューを全く発生させない比較タイヤ2とのそれぞれにつき、前述の場合と同様にして求めたRFV の平均6次成分を図8に示す。このグラフによれば、RFV のピークトウピーク値は、比較タイヤ1では1.70kg、比較タイヤ2では1.60kgであるに対し、発明タイヤでは、それらに対して著しく小さい0.40kgとなることが解かる。
【0042】
以上この発明を図示例に基づいて説明したが、この発明は、トレッド幅方向の延在成分をもつ横溝を設けた、たとえば図9(a), (b), (c) に例示するようなトレッドパターンにも適用し得ることは勿論である。
【0043】
なおこの場合において、図10(a),(b) に示すような、トレッド幅方向の延在成分が極めて少ないジグザグ周方向溝に対しては、この発明を適用しないものとし、一方、図11に示すように、トレッド幅方向の成分が比較的多いジグザグ周方向溝に対してはこの発明を適用するものとする。
【0044】
【発明の効果】
以上に述べたところから明らかなように、この発明によれば、ピッチ比に起因するパターン剛性要素と、この発明に固有のRRO とを適正に組み合わせることにより、パターン剛性の差に起因して発生するRFV 、なかでもその高次成分を、トレッドゴム厚みの差をもって相殺し、RFV 波形をタイヤの全周にわたって十分均一なものとすることができる。
【0045】
加えてここで、各ピッチの長さPと、各ピッチに含まれる横溝の溝開口幅aとの関係を、
【数2】
とするとともに、溝開口幅の比をピッチ比と等しくした中間ピッチP2の部分の溝開口幅a2を基準とし、その中間ピッチ部分の溝の溝壁と溝底との交点から、溝深さを一定としてピッチ比に等しい溝ボリーム比をもたらすときの、中間ピッチ部分の溝の、溝壁と溝底との交点に至る距離dに対し、小ピッチP1の部分の溝の開口幅a1を、溝開口幅の比をピッチ比と等しくした場合に比して0.51d〜1.50dの範囲で広幅とし、大ピッチP3の部分の溝の開口幅a3を同様の場合に比して0.51d〜1.50dの範囲で狭幅とした場合には、横溝の溝開口幅の比をピッチ比に等しく設定した場合に比し、ピッチ長さの長い部分でその溝開口幅を狭めてトレッドゴム厚みを薄くする一方、ピッチ長さの短い部分で溝開口幅を広くしてトレッドゴム厚みを厚くすることによって、エア充填状態のタイヤの、タイヤ中心から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの長い部分ほど短くして、パターン剛性要素と、RRO とを適正に組み合わせ、パターン剛性の差に起因して発生するRFV を、トレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺して、RFV 波形をタイヤの全周にわたって十分均一ならしめることができる。
【0046】
また、それぞれの溝壁の、陸部表面とのなす角度を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくした場合には、ピッチ長の長い部分でトレッドゴム厚みが薄く、ピッチ長の短い部分でトレッドゴム厚みが厚くなるので、エアー充填状態のタイヤのタイヤ中心から陸部表面までの距離をピッチ長の短い部分ほど長くしてパターン剛性要素とRRO とを適正に組合せることにより、パターン剛性の差に起因して発生するRFV をトレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺することができる。
【0047】
さらに、最外層ベルト層から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの短い部分ほど長くした場合には、RRO が生じるが、これとパターン剛性とを適正に組合せることにより、パターン剛性に起因して発生するRFV をトレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺してRFV をタイヤ全周にわたって十分均一ならしめることができる。
【0048】
そしてまた、ベントスピューの横断面積の総和を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくした場合には、これもまた上述の場合と同様、タイヤの全周にわたってRFV を十分均一ならしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本概念として一のトレッド構造を示すトレッド周方向断面図である。
【図2】トレッド構造の構成例を示す図である。
【図3】従来例を示すトレッド周方向断面図である。
【図4】図2に示す構成例を用いたタイヤと比較タイヤとのRFV の高次波形を示すグラフである。
【図5】この発明に係るトレッド部の構成例を示す図である。
【図6】この発明の他の構成例を示す図である。
【図7】この発明に係るベントスピューの形成例を示す展開図である。
【図8】発明タイヤと比較タイヤとのRFV の高次波形を示すグラフである。
【図9】この発明を適用し得る他のトレッドパターンを例示する図である。
【図10】この発明を適用しないトレッドパターンを例示する図である。
【図11】この発明を適用し得るさらに他のトレッドパターンを例示する図である。
【産業上の利用分野】
この発明は、空気入りタイヤ、とくには、ユニフォミティを改善した空気入りラジアルタイヤに関するものであり、乗用車用としてはもちろん、小型トラック用、トラック・バス用などとしても適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乗用車用空気入りラジアルタイヤでは、タイヤのパターンから生じる種々の騒音を低減させることを目的として、ピッチ長の異なる複数種類のピッチを周上で適宜に組み合わせて配列することによってトレッドパターンを形成している。
【0003】
この場合従来は、それぞれのピッチ内に含まれて、トレッド幅方向の延在成分を有するそれぞれの横溝の、陸部表面に対する溝壁角度を一定としたまま、深さが一定のそれぞれの横溝の開口幅の比を、ピッチ比に等しくなるように選択することまたは、それぞれの横溝の溝壁角度を、これも深さを一定としたそれぞれの横溝の溝ボリューム比がピッチ比に等しくなるように選択することが広く行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、それぞれの横溝の開口幅の比をピッチ比に等しくする前者の従来技術にあっては、ピッチ長の長い部分ほどトレッド厚みが厚くなるので、ピッチ長の長い部分と短い部分とのそもそものパターン剛性の差に加え、それらの各部分のトレッド厚みの差に起因して圧縮弾性率の差が著しく大きくなって、タイヤのユニフォミティ、とくにはラジアルフォースバリエーション(以下RFV という)、なかでもその高次成分が悪化し、タイヤの偏摩耗が大きいという問題があり、また、それぞれの横溝の溝ボリューム比をピッチ比に等しくした後者の従来技術にあっては、ピッチ長の長短にかかわらず、トレッド厚み、ひいては、カーカスから陸部表面までの距離はともに等しくなるも、ピッチ長の長い部分と短い部分とのパターン剛性の差は依然として残ることから、RFV を効果的に抑制することができず、偏摩耗の発生を十分に防止することができないという問題があった。
【0005】
この発明は、従来技術の有するかかる問題点を解決することを課題として検討した結果なされたものであり、この発明の目的は、RFV に関し、主には、ピッチ長の差に起因するパターン剛性の差を、トレッド各部の肉厚の差をもって相殺することによって、タイヤのユニフォミティを大きく改善した空気入りタイヤを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面部に、トレッド幅方向の延在成分を有する横溝を設けるとともに、少なくとも二種類の異なるピッチをトレッド周方向に組み合わせてトレッドパターンを形成し、各ピッチにおけるネガティブ率を25〜55%としたところにおいて、それぞれのピッチにおけるネガティブ率を一定とし、それぞれのピッチ内に含まれる前記横溝の深さを一定とするとともに、それらの各溝壁の、陸部表面とのなす角度を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくしたものであり、ここでより好ましくは、前記角度を、ピッチ比と等しいボリューム比をもたらす角度を基準として、ピッチ長の長いブロックではそれより大きく、短かいブロックではそれより小さくする。
【0007】
ここで、基準となる中間ピッチ部分の溝壁に対して、溝壁角度を大きくする割合および小さくする割合は、その中間ピッチ部分と、他のピッチ部分とで、ピッチ比と溝ボリューム比とを等しくするそれぞれの溝壁角度との差の1.5 〜2.5 倍とすることが好ましい。
【0008】
すなわち、1.5 倍未満では、パターン剛性差に見合うトレッド厚みの差をもたらすことができず、長ピッチ部分では剛性大、短ピッチ部分では剛性小のRFV 波形が依然として残ることになるに対し、2.5 倍を越えると、パターン剛性差以上のトレッド厚みの差を生じ、長ピッチ部分でRFV が小さく、短ピッチ部分でRFVが大きい波形となるとともに、トレッド厚みの差が大きくなりすぎることに起因して、偏摩耗の核となるおそれが高い。
【0009】
この発明の、他の空気入りタイヤは、とくに、それぞれのピッチにおけるネガティブ率を一定とするとともに、最外層ベルト層から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの短い部分ほど長くしたものである。
【0010】
この発明の、さらに他のタイヤは、とくに、陸部に残存するベントスピューの横断面積の総和を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくしたものである。
【0011】
【作用】
タイヤの最外層に位置するトレッドゴムは、現在は、押出機によってシート状に連続的に押出し成形した後、適当な長さに裁断して使用に供することが一般的であるため、タイヤ一本に使用される生トレッドゴムの厚みはその全周にわたってほぼ均一となる。
【0012】
かかるトレッドゴムに対しては、横溝の深さ方向のどの部分においても、溝幅比がピッチ比に等しくなるように横溝を形成することまたは、溝ボリューム比がピッチ比に等しくなるように横溝に形成することなどによって、製品としてのタイヤのトレッド厚みを、ピッチ長の長短にかかわらず一定とすることは可能である。
【0013】
しかしながら、これのみにては、前述したように、ピッチ長の長短に起因するパターン剛性の差が依然として残存して、RFV を有効に抑制することは不可能である。
【0014】
これに対し、横溝の溝開口幅の比をピッチ比に等しく設定した場合に比し、ピッチ長さの長い部分でその溝開口幅を狭めてトレッドゴム厚みを薄くする一方、ピッチ長さの短い部分で溝開口幅を広くしてトレッドゴム厚みを厚くしたときは、エア充填状態のタイヤの、タイヤ中心から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの長い部分ほど短くして、パターン剛性要素と、ラジアルランナウト(以下RRO という)とを適正に組み合わせ、この結果として、パターン剛性の差に起因して発生するRFV を、トレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺して、RFV 波形をタイヤの全周にわたって十分均一ならしめることができる。
【0015】
なおここにおいて、各ピッチにおけるネガティブ率を25〜55%とするのは、それが25%未満では一般に溝幅が狭く、溝壁と陸部表面とのなす角度も小さく、一方トレッドボリュームは大きくなるので、溝ボリューム差のトレッドゲージ変動に寄与する比率が非常に小さいことによる。
【0016】
ところで、それぞれのピッチにおけるネガティブ率を一定、いいかえれば、ピッチ比と溝開口幅比とを等しくすることに加え、それぞれの横溝の深さを一定とし、そこで、それぞれの溝壁の、陸部表面とのなす角度を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくした、この発明に係る空気入りタイヤでは、ピッチ長の長い部分でトレッドゴム厚みが薄く、ピッチ長の短い部分でトレッドゴム厚みが厚くなるので、エアー充填状態のタイヤのタイヤ中心から陸部の表面までの距離をピッチ長の短い部分ほど長くしてパターン剛性要素とRRO とを適正に組合せることにより、パターン剛性の差に起因して発生するRFV をトレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺することができる。
【0017】
またここで、この発明に係る他の空気入りタイヤのように、それぞれのピッチにおけるネガティブ率を一定として、最外層ベルト層から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの短い部分ほど長くした場合、いいかえれば、トレッドゴムそれ自体の厚みを、ピッチ長さの短い部分ほど厚くした場合には、RRO が生じるが、これとパターン剛性とを適正に組合せることにより、パターン剛性に起因して発生するRFV をトレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺してRFV をタイヤ全周にわたって十分均一ならしめることができる。
【0018】
そして、さらに他の空気入りタイヤのように、陸部に残存するベントスピューの、それらの長さ方向と直交する方向の横断面積の総和を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくして、エア充填状態のタイヤ中心から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの短い部分ほど長くした場合には、これもまた上述の場合と同様、タイヤの全周にわたってRFV を十分均一ならしめることができる。
【0019】
なおここで、ベントスピューによって調整される、トレッドゴム厚みを模式的に表わすと、
トレッドゴム厚み=(π/4)A2 ・N・L/S ∝ A2 ・N・L/S
S:陸部表面積
A:ベントスピュー径
N:ベントスピュー本数
L:ベントスピュー長さ
となり、これによれば、トレッドゴム厚みは、陸部表面積Sに対して、ベントスピュー径Aおよびベントスピュー本数Nを選択することによって容易にコントロールできることが解かる。
【0020】
【実施例】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の基本概念としての一のトレッド構造を、トレッド部をトレッド周方向に断面として示す略線部分断面展開図であり、図中1はトレッド部を、2は最外層ベルト層をそれぞれ示す。
【0021】
ここでは、相互に異なる三種類のピッチP1 ,P2 ,P3 をトレッド周方向に組み合わせることによってトレッドパターンを形成し、それらのピッチ長を、P1 <P2 <P3 とするとともに、それぞれのピッチ内に含まれて、トレッド幅方向の延在成分を有するそれぞれの横溝3a, 3b, 3cによってそれぞれの陸部4a, 4b, 4cを区画したところにおいて、ピッチ長の最も短い部分の陸部4aの、最外層ベルト層2から陸部表面までの距離G1 と、次に短い部分の陸部4bの、最外層ベルト層2から陸部表面までの距離G2 と、ピッチ長の最も長い部分の陸部4cの同様の距離G3 との相対関係を、G1 >G2 >G3 とすることに加え各ピッチP1 ,P2 ,P3 におけるネガティブ率を38%とする。
【0022】
たとえば、タイヤの加硫成形に当たって、トレッド部1をこのように構成したタイヤは、その加硫成形時には、図1(a)に示すように、最外層ベルト層2がタイヤ半径方向の凹凸を有し、これがため、それぞれの陸部4a, 4b, 4cの表面も、実質上同一の曲率半径の円弧上に位置することになるも、そこへの内圧の充填によって、ベルト、ひいては最外層ベルト層が、トレッド周方向断面内で、図1(b)に示すように、円形形状に膨脹した場合には、前述したそれぞれの距離G1 ,G2 ,G3 の差に基づき、タイヤ中心からそれぞれの陸部表面までの距離、すなわち、それぞれの陸部表面の半径R1 ,R2 ,R3 はR1 >R2 >R3 の相対関係を有することになる。
【0023】
ここで、これらのそれぞれの半径R1 ,R2 ,R3 は、前述したように、ピッチの比、ピッチ長さなどに応じて最適値を決定することになる。
【0024】
かくしてここでは、微小ではあるが、たとえば、加硫モールドの設計に基づき、タイヤにRRO が生じることになり、これをパターン剛性要素と適正に組み合わせることによって、前述したように、RFV を有効に抑制することができる。
【0025】
図2は、上述したようなトレッド構造の一の構成例を示す図であり、図2(a)は、周方向に展開したトレッドパターンの一の繰り返しを示す。
【0026】
ここでは、ネガティブ率を38%としたそれぞれのピッチ内に含まれるそれぞれの横溝を、トレッド幅方向に対してともに同方向へ傾斜して、トレッド周方向の延在成分をも有する傾斜溝13a, 13b, 13c とし、これらの傾斜溝13a, 13b, 13cの溝深さをともに一定とするとともに、それらの溝13a, 13b, 13c の各溝壁の、陸部表面とのなす角度、より正確には、トレッドパターンを図示のような展開状態としたときの陸部表面とのなす角度をともに一定としたところにおいて、各ピッチの長さP1 ,P2 ,P3 と、各ピッチ内に含まれる傾斜溝13a, 13b, 13c のそれぞれの溝開口幅a1 ,a2 ,a3 との関係を、
【数1】
とするとともに、溝開口幅の比をピッチ比と等しくした中間ピッチP2の部分の溝開口幅a2を基準とし、その中間ピッチ部分の溝の溝壁と溝底との交点から、溝深さを一定としてピッチ比に等しい溝ボリーム比をもたらすときの、中間ピッチ部分の溝の、溝壁と溝底との交点に至る距離dに対し、小ピッチP1の部分の溝の開口幅a1を、溝開口幅の比をピッチ比と等しくした場合に比して0.51d〜1.50dの範囲で広幅とし、大ピッチP3の部分の溝の開口幅a3を同様の場合に比して0.51d〜1.50dの範囲で狭幅とする。
【0027】
これがため、それぞれの溝開口幅a1 ,a2 ,a3 は、溝開口幅の比をピッチ比と等しくした、図に実線で示す従来技術の幅に対し、破線で示すように、長ピッチ部分で狭く、短ピッチ部分で広くなる。
【0028】
ところで、この狭くする比率および広くする比率のそれぞれは、図に実線で示すそれぞれの溝開口幅に対し、図2(b)に、それぞれの溝と直交する方向での一方側の各溝壁断面を示すように、基準となる中間ピッチP2 の部分での、現実の溝壁と溝底との交点位置C1 から、ピッチ比に等しい溝ボリューム比をもたらす、図に仮想線で示す溝壁と、その溝底との交点位置C2 までの距離dの51%以上150 %以下とすることが好ましく、好適には70〜130 %の範囲とする。
【0029】
なお以上のことは、図2(a)に仮想線で示すように、二つのピッチ部分にわたって延びる溝および、ピッチ部分の一部だけに延びる溝についても同様であり、これらのうち、前者の場合にあっては、溝開口幅は、一のピッチ部分から他のピッチ部分への遷移部分において、タイヤ横断面方向の溝断面開口幅、各溝側壁の陸部表面とのなす角度がいずれのピッチも等しくなるよう、各ピッチの溝側壁面に直角方向の溝側壁と陸部表面のなす角度を決める。
【0030】
このように構成してなるトレッド構造によれば、溝開口幅の比をピッチ比に等しくした従来技術に比して、長ピッチ部分の溝ボリュームが有効に低減され、短ピッチ部分の溝ボリュームがこれも有効に増加されるので、図1について述べたところが、容易にかつ確実に実現されることになる。
【0031】
この一方において、溝開口幅の比をピッチ比に等しくした従来技術における、最外層ベルト層からそれぞれの陸部表面までの距離G1 ,G2 ,G3 は、それを、図1(a)に示すところに倣って図3に示すと、G3 >G2 >G1 となり、この場合には、タイヤのユニフォミティ、とくにはRFV に関し、それらの距離の差が、前述したように、本来的なパターン剛性の差に起因するRFV の悪化を一層助長することになる不都合がある。
【0032】
ちなみに、図2に示す例におけるそれぞれのピッチP1 ,P2 ,P3 の比を7:9:11とし、それぞれの傾斜溝の溝深さを6.4mm 、各溝壁の、陸部表面に対する角度を105 °とするとともに、ピッチ比が11の部分の溝開口幅を、図2(a)に実線で示すところから、距離dの1.00倍だけ狭くし、また、ピッチ比が7の部分の溝開口幅を距離dの1.00倍だけ広くしてサイズが255/40 ZR 17のタイヤを製造し、この発明の基本概念に基くトレッド構造の、上記の構成例を用いたタイヤと、図2(a)に実線で示すように、溝開口幅の比をピッチ比に等しくした以外はそのタイヤと同一とした比較タイヤとのそれぞれにつき、RFV の高次成分を求めたところ図4に示す通りとなった。
【0033】
なおこの試験に当たっては、9インチ幅のリムに装着して充填内圧を2.0kg/cm2 としたタイヤを、ユニフォミティ試験機の、直径が838.2mm(33インチ) の回転ドラムに、500kg の力で押圧して、その回転ドラムを60rpm の速度で回転させた。
【0034】
ところで、図4に示すそれぞれのグラフは、RFV 波形を生タイヤ要因と加硫要因、いいかえれば加硫金型要因とに分離し、複数本のタイヤの平均波形をフーリエ解析して6次成分を取出したものである。これらのグラフによれば、この出願でとくに問題とする、加硫要因に起因するRFV のピークトウピーク値は、比較タイヤでは1.52kgであるに対し、発明概念に基いた構成例を採用したタイヤでは0.42kgとなり、RFV を極めて効果的に抑制し得ることが明らかである。
【0035】
図5は、この発明に係るトレッド部の構成例を示す図であり、この例では、図5(a)に展開図で示すトレッドパターンの、それぞれのピッチP1 ,P2 ,P3 の部分は、25〜55%の範囲内の、ともに一定のネガティブ率を有する。従って、ピッチ比を、前述したように7:9:11とした場合には、それぞれのピッチ内に含まれるそれぞれの横溝23a, 23b, 23c の溝開口幅b1 ,b2 ,b3 もまた、7:9:11の比を有することになる。
【0036】
またここでは、それぞれの横溝23a, 23b, 23c の深さをともに一定とするとともに、それらの各溝壁の、陸部表面とのなす角度をピッチ長さの長い部分ほど大きくする。ここで、基準となる中間ピッチ部分の溝壁に対して、溝壁角度を大きくする割合および小さくする割合は、図5(b),(c)のそれぞれに、横溝23a, 23cの一方の溝壁を断面として示すように、ピッチ比が9の部分の溝壁5と陸部表面とのなす角度β1 と、他のそれぞれのピッチ部分で、ピッチ比と溝ボリューム比とを等しくするそれぞれの溝壁6a, 6bと陸部表面とのなすそれぞれの角度β2 ,β3 との差の1.5 〜2.5 倍とすることが好ましい。従って、それぞれのピッチ比とそれぞれの溝ボリューム比とを相互に等しくした場合に比して、長ピッチ部分では溝ボリュームが減少し、短ピッチ部分では溝ボリュームが増加することになって、長ピッチ部分での陸部ボリュームの増加割合が、短ピッチ部分での陸部ボリュームの増加割合よりも有効に低減されることになり、この結果として、タイヤへの内圧充填状態の下では、図1(b)に示すように、タイヤ中心から陸部表面までの距離が、短ピッチ部分で最も長く、長ピッチ部分で最も短くなる。
【0037】
そして、ここにおいてもまた、それぞれのピッチP1 ,P2 ,P3 の比を7:9:11とし、それぞれの横溝の深さを6.4mm 、それぞれの横溝の各溝壁の、陸部表面とのなす角度を、短ピッチ部分で99°、中間ピッチ部分で105 °、長ピッチ部分で111 °とした、サイズが255/40 ZR 17の発明タイヤと、それぞれの横溝の各溝壁角度を105 °とした点を除いて発明タイヤと同一の構成の比較タイヤとのそれぞれにつき、図4について述べたと同様にしてRFV 波形を求めたところ、加硫要因に起因するRFV のピークトウピーク値は、比較タイヤでは1.90kgであるに対し、発明タイヤでは0.50kgとなり、RFV の著しい改善が認められた。
【0038】
図6は、この発明の他の構成例を示すトレッド周方向断面図であり、これは、それぞれのピッチにおけるネガティブ率を、25〜55%の範囲内の一定値とするとともに、最外層ベルト層2から、それぞれの陸部4a, 4b, 4cの表面までの距離H1 ,H2 ,H3 を、ピッチの短い部分ほど長くしたものである。
【0039】
この場合、それぞれの横溝3a, 3b, 3cの深さは、図6(a)に示すように、それらの全てにおいて同一とすることの他、図6(b)に示すように、全ての溝底位置を揃えることによって、短ピッチのものほど深くすることもでき、前者によれば、一般的には、ピッチ長の短い部分程溝幅が狭く、溝底半径が小さくなって、耐溝底クラックに不利になるところ、溝底部トレッドゴムゲージが厚くなり耐溝底クラックに有利となる。また、後者によれば、一般にブロック剛性が弱い小ピッチの方が摩耗が速い傾向にあるに対し、これを補うことができる。
【0040】
図7は、この発明のさらに他の構成例を示す、トレッドパターンの周方向展開図であり、これはそれぞれのピッチ部分の陸部4a, 4b, 4cに形成される、少なくとも1個のベントスピュー7a, 7b, 7cの、それらの長さ方向と直交する方向の横断面内での横断面積の総和を、長ピッチ部分ほど大きくし、これをもって、各ピッチ部分の図1もしくは図6に示すような陸部厚みを実現するものである。
【0041】
ここで、ピッチ比を7:9:11とし、スピュー7a, 7b, 7cの横断面積の総和の比を 100 : 240 : 450とした、サイズが255/40 ZR 17の発明タイヤと、スピュー横断面積の総和の比を1:1:1とした比較タイヤ1と、ベントスピューを全く発生させない比較タイヤ2とのそれぞれにつき、前述の場合と同様にして求めたRFV の平均6次成分を図8に示す。このグラフによれば、RFV のピークトウピーク値は、比較タイヤ1では1.70kg、比較タイヤ2では1.60kgであるに対し、発明タイヤでは、それらに対して著しく小さい0.40kgとなることが解かる。
【0042】
以上この発明を図示例に基づいて説明したが、この発明は、トレッド幅方向の延在成分をもつ横溝を設けた、たとえば図9(a), (b), (c) に例示するようなトレッドパターンにも適用し得ることは勿論である。
【0043】
なおこの場合において、図10(a),(b) に示すような、トレッド幅方向の延在成分が極めて少ないジグザグ周方向溝に対しては、この発明を適用しないものとし、一方、図11に示すように、トレッド幅方向の成分が比較的多いジグザグ周方向溝に対してはこの発明を適用するものとする。
【0044】
【発明の効果】
以上に述べたところから明らかなように、この発明によれば、ピッチ比に起因するパターン剛性要素と、この発明に固有のRRO とを適正に組み合わせることにより、パターン剛性の差に起因して発生するRFV 、なかでもその高次成分を、トレッドゴム厚みの差をもって相殺し、RFV 波形をタイヤの全周にわたって十分均一なものとすることができる。
【0045】
加えてここで、各ピッチの長さPと、各ピッチに含まれる横溝の溝開口幅aとの関係を、
【数2】
とするとともに、溝開口幅の比をピッチ比と等しくした中間ピッチP2の部分の溝開口幅a2を基準とし、その中間ピッチ部分の溝の溝壁と溝底との交点から、溝深さを一定としてピッチ比に等しい溝ボリーム比をもたらすときの、中間ピッチ部分の溝の、溝壁と溝底との交点に至る距離dに対し、小ピッチP1の部分の溝の開口幅a1を、溝開口幅の比をピッチ比と等しくした場合に比して0.51d〜1.50dの範囲で広幅とし、大ピッチP3の部分の溝の開口幅a3を同様の場合に比して0.51d〜1.50dの範囲で狭幅とした場合には、横溝の溝開口幅の比をピッチ比に等しく設定した場合に比し、ピッチ長さの長い部分でその溝開口幅を狭めてトレッドゴム厚みを薄くする一方、ピッチ長さの短い部分で溝開口幅を広くしてトレッドゴム厚みを厚くすることによって、エア充填状態のタイヤの、タイヤ中心から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの長い部分ほど短くして、パターン剛性要素と、RRO とを適正に組み合わせ、パターン剛性の差に起因して発生するRFV を、トレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺して、RFV 波形をタイヤの全周にわたって十分均一ならしめることができる。
【0046】
また、それぞれの溝壁の、陸部表面とのなす角度を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくした場合には、ピッチ長の長い部分でトレッドゴム厚みが薄く、ピッチ長の短い部分でトレッドゴム厚みが厚くなるので、エアー充填状態のタイヤのタイヤ中心から陸部表面までの距離をピッチ長の短い部分ほど長くしてパターン剛性要素とRRO とを適正に組合せることにより、パターン剛性の差に起因して発生するRFV をトレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺することができる。
【0047】
さらに、最外層ベルト層から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの短い部分ほど長くした場合には、RRO が生じるが、これとパターン剛性とを適正に組合せることにより、パターン剛性に起因して発生するRFV をトレッドゴム厚みの差をもって有効に相殺してRFV をタイヤ全周にわたって十分均一ならしめることができる。
【0048】
そしてまた、ベントスピューの横断面積の総和を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくした場合には、これもまた上述の場合と同様、タイヤの全周にわたってRFV を十分均一ならしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本概念として一のトレッド構造を示すトレッド周方向断面図である。
【図2】トレッド構造の構成例を示す図である。
【図3】従来例を示すトレッド周方向断面図である。
【図4】図2に示す構成例を用いたタイヤと比較タイヤとのRFV の高次波形を示すグラフである。
【図5】この発明に係るトレッド部の構成例を示す図である。
【図6】この発明の他の構成例を示す図である。
【図7】この発明に係るベントスピューの形成例を示す展開図である。
【図8】発明タイヤと比較タイヤとのRFV の高次波形を示すグラフである。
【図9】この発明を適用し得る他のトレッドパターンを例示する図である。
【図10】この発明を適用しないトレッドパターンを例示する図である。
【図11】この発明を適用し得るさらに他のトレッドパターンを例示する図である。
Claims (3)
- トレッド踏面部に、トレッド幅方向の延在成分を有する横溝を設けるとともに、少なくとも二種類の異なるピッチをトレッド周方向に組み合わせてトレッドパターンを形成し、各ピッチにおけるネガティブ率を25〜55%とした空気入りタイヤであって、
それぞれのピッチにおけるネガティブ率を一定とし、それぞれのピッチ内に含まれる前記横溝の深さを一定とするとともに、それらの各溝壁の、陸部表面とのなす角度を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくしてなる空気入りタイヤ。 - トレッド踏面部に、トレッド幅方向の延在成分を有する横溝を設けるとともに、少なくとも二種類の異なるピッチをトレッド周方向に組み合わせてトレッドパターンを形成し、各ピッチにおけるネガティブ率を25〜55%とした空気入りタイヤであって、
それぞれのピッチにおけるネガティブ率を一定とするとともに、最外層ベルト層から陸部表面までの距離を、ピッチ長さの短い部分ほど長くしてなる空気入りタイヤ。 - トレッド踏面部に、トレッド幅方向の延在成分を有する横溝を設けるとともに、少なくとも二種類の異なるピッチをトレッド周方向に組み合わせてトレッドパターンを形成し、各ピッチにおけるネガティブ率を25〜55%とした空気入りタイヤであって、
陸部に残存するベントスピューの横断面積の総和を、ピッチ長さの長い部分ほど大きくしてなる空気入りタイヤ。
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