JP6017794B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、乗用車をはじめとする各種車両に用いられる空気入りタイヤに関する。特には、操縦安定性を維持しつつ低燃費性を改善した空気入りタイヤに関する。
自動車の低燃費化の要求は近年ますます高まり、タイヤの転がり抵抗を低減することが強く求められている。転がり抵抗を低減するためには、(1)シリカを多量に配合することにより加硫後のゴム組成物のヒステリシスロスを低減すること、(2)タイヤのショルダー部やサイドウォール部などの剛性を適度に小さく設定することなどが試みられている。
一方、トレッドパターンに起因するパターンノイズを低減するために、トレッドパターンのブロック(島状の陸部)がなすタイヤ周方向のピッチを周期的に変動させることも行われている。下記特許文献1においては、このようなタイヤにおいて、さらに騒音を低減すべく、「トレッドパターンのピッチが相対的に大きい部分ではトレッドゴム層の硬度(又はモジュラス)を相対的に低くし、前記トレッドパターンのピッチが相対的に小さい部分ではトレッドゴム層の硬度(又はモジュラス)を相対的に高く」する(0006段落など)ことが提案されている。このようにすることで、「ピッチの大小に拘らずトレッド剛性を実質的に均一にすることができ」るので「振動を低減することができ」、しかも、「ピッチの大きさに起因するグリップ力のバラツキを打ち消す」ことで、「操縦安定性を向上」できるとしている(0012段落)。
他方、下記特許文献2においては、ブロックパターンの蹴り出し側エッジ部の初期の摩耗を低減しつつ、「ブロックの打音による騒音を低減」すべく、踏み込み側エッジ部に丸みを付けるとともに、蹴り出し側エッジ部に弾性率の大きいゴム部を配置することが提案されている(0005段落、0031段落など)。
上記に説明した特許文献1及び2により、タイヤ周面上での変形の度合いをなるべく均一にすることが、タイヤの種々の性能を発揮する上で好ましいことを示唆するものと考えられる。特許文献1においては、トレッドパターンをなすブロックのタイヤ周方向の寸法の違いを相殺するようにゴム層の硬度を調整して、変形などの度合いを均一化させるものと考えられる。特許文献2においては、蹴り出しの際に、蹴り出し側エッジ部に応力が集中することから、この部分の弾性率を大きくすることにより、均一化を図るものと捉えることができる。
また、下記特許文献3においては、キャップトレッドを有するタイヤにおいてトレッドのベース部(「アンダートレッド層」)についてのゴム硬度をセンター部で高くすることにより低燃費性を維持しつつ、操縦安定性を向上することが提案されている。特許文献3の表2の結果などによると、センター部からショルダー部にわたる全ての領域でゴム硬度が高いのが操縦安定性に有利であり、逆に全ての領域でゴム硬度が低いのが転がり抵抗の低減には有利である。特許文献3は、上記の構成により、操縦安定性及び低転がり抵抗を図るものである。
特開2005−047446公報 特開平11−078428公報 特開平05−246212公報
本件発明者は、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減させるべく鋭意検討する中で、全体的なゴム配合組成の改良や、タイヤ横断面内での剛性分布の最適化以外の手法がありうるのではないかと考えるに至った。すなわち、本件発明は、転がり抵抗を低減させる新たな手法を提供しようとするものである。
本件発明者は、上記に鑑みさらに鋭意検討する中で、上記特許文献1と同様にトレッドパターンのブロックがなすタイヤ周方向のピッチを周期的に変動させたタイヤにおいて、トレッドパターンのピッチが相対的に小さい領域でトレッドゴムの硬度を相対的に小さく設定するという、上記の均一化とは逆の条件を設定することを偶然に試みた。そして、意外にも、操縦安定性など他の性能にほとんど悪影響を与えることなく、転がり抵抗を低減できることを見出した。
すなわち、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッドパターンのピッチをタイヤ周方向に周期的に変動させたタイヤにおいて、トレッドのゴム硬度をトレッドパターンのピッチに応じて変動させ、該ピッチが小さい領域ほど、ゴム硬度を小さく設定し、ゴム硬度の切り替わる境界部が、ピッチが切り替わる箇所にて、ブロック間の横溝を滑らかに結ぶ曲線に沿って設定されることを特徴とする。ここで、ゴム硬度は、JIS K 6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)に準拠して測定される値である。特には、23℃といった常温にて測定される値である。
好ましい実施形態において、ゴム硬度(JIS K 6253、タイプA、23℃)は、55〜75の範囲内にて、数段階に設定される。一の好ましい実施形態において、トレッドパターンのピッチが3段階または5段階に設定され、ゴム硬度も、これに応じて3段階または5段階に設定される。一の好ましい実施形態において、ゴム硬度の中心値が62〜66に設定され、ピッチが次の段階に切り替わるごとにゴム硬度が2〜5だけ、例えば3だけ増加または減少するように設定される。すなわち、中心のピッチ値を有する領域でのゴム硬度が62〜66の範囲内の値、例えば64に設定され、これより1段階ピッチ値の大きい領域ではゴム硬度が、例えば67に設定される。
好ましい実施形態において、ゴム硬度の切り替わる境界部は、トレッドの幅方向またはこれに斜めに延びるブロック間の溝(横溝)に沿って設定される。また、好ましい実施形態において、タイヤ周方向に連続するリブパターン(例えばセンターリブ)を横切る際には、このパターンをトレッド幅方向の両側から挟む陸部のブロック(例えば、クォーターブロック)間の横溝同士を、滑らかな曲線に沿って結ぶようにして境界部を設定することができる。したがって、ゴム硬度の切り替わる境界部は、トレッドの全幅にわたって、横溝同士を滑らかに結んでいく曲線に沿って設定することができる。
本発明によれば、トレッド面またはその近傍でのゴム硬度をタイヤ周方向の領域ごとに適当な具合に設定するだけで、操縦安定性をほぼ維持しつつ、転がり抵抗を低減することができる。
実施例1の空気入りタイヤにおけるトレッドパターン、並びに、相異なるゴム硬度が設定された各領域について示すパターン図(トレッド面の部分展開図)である。 実施例1の空気入りタイヤのトレッドにおける、ゴム硬度の異なるゴム層同士の界面の様子を示す模式的なタイヤ周方向の部分断面図である。 実施例2の空気入りタイヤについてのタイヤトレッドの模式的な部分断面図である。トレッド面に垂直で、かつタイヤ周方向に延びるように切断した断面にて、ゴム層同士の界面を模式的に示す。 実施例2の空気入りタイヤについての、図1に対応するパターン図である。 実施例2の空気入りタイヤのトレッドにおける、図2に対応するタイヤ周方向の部分断面図である。 ゴム層同士の界面の形状を階段状とした変形例についての、図2及び図5に対応するタイヤ周方向の部分断面図である。
好ましい実施形態において、ゴム硬度が切り替わる境界部は、ゴム層同士が重なり合う帯状の領域により形成される。すなわち、ゴム硬度が互いに異なるゴム層同士の界面は、トレッド面に対して傾斜することとなる。この帯状の領域の幅は、好ましくは、よりピッチの大きい方の、主たるブロック(タイヤ周方向寸法がほぼピッチ値に相当するブロック)におけるタイヤ周方向寸法の10〜40%、より好ましくは20〜30%である。主たるブロックのタイヤ周方向寸法は、厳密には、ピッチの寸法値から、トレッドを横切る方向へと延びる溝の幅を差し引いた寸法である。なお、ゴム層同士が重なり合うにあたり、一方のゴム層が断面でテール状に、薄い縁部を有することがありうる。このような場合、一方のゴム層の厚みが、全体の厚み(2つのゴム層の合計の厚み)の10%未満、特には5%未満である場合には、薄い縁部の影響を無視することができる。すなわち、薄い方のゴム層も充分な厚みを有する場合にだけ、ゴム層同士が重なり合う領域とすることができる。
上記のように、ゴム硬度が互いに異なるゴム層の端部同士を重ね合わせることで、トレッドの剛性が急激に変化するのを防ぎ、操縦安定性の低下を防止または抑制することができる。特には、ゴム層同士を重ね合わせる幅を、比較的大きくとることによって、剛性の変化を、さらになだらかなものとすることができる。そのため、ゴム硬度を周方向で変動させることに起因する操縦安定性への悪影響をほとんどまたは完全に防止することができる。
また、好ましい実施形態において、ゴム層同士が重なり合う帯状領域は、トレッドパターンのピッチ値が相対的に大きい領域の側に偏っている。すなわち、ゴム層同士が重なり合う帯状領域の中心線は、上述のブロック間の溝の中心線よりも、よりピッチ値が大きいブロックの側にずれた位置にある。好ましい一実施形態において、上記帯状領域の一方の縁は、溝の領域またはその近傍にあり、他方の縁は、よりピッチ値が大きいブロックの内部を通るように延びる。このように、ゴム層同士が重なり合う帯状領域を、よりピッチ値が大きいブロックの側へ偏らせて配置するならば、ゴム硬度が相対的に小さい領域が、溝の近傍に位置して、溝の近傍の箇所での変形を促進することとなると考えられる。すなわち、「倒れ込み」による転がり抵抗の低減を実現する上で有利であると考えられる。
好ましい実施形態において、上記のゴム層同士が重なり合う領域では、よりゴム硬度が小さいゴム層がトレッドの表面側に位置する。したがって、タイヤ回転軸及びトレッド面に垂直な断面において、ゴム硬度の異なるゴム層同士の界面は、トレッド表面に露出する境界線からトレッド内部へと向かうにつれて、よりピッチ値が大きい領域の側へと向かうように延びる。このような構成により、トレッドが路面に接する際、よりゴム硬度が小さいゴム層の影響が先に現れることとなり、タイヤ周方向で、ゴム硬度が切り替わることにより影響をさらに小さくすることができると考えられる。すなわち、操縦安定性を維持する上で、より有利となると考えられる。
また、好ましい実施形態において、ゴム層同士の界面がトレッド表面に現れる境界線は、溝を外れた位置にある。前述のように、ゴム層同士が重なり合う幅がある程度大きい場合には、該境界線が溝を外れた位置に来ることとなる。特には、重なり合う領域が、よりピッチ値が大きいブロックの方へと偏る場合には、トレッド表面に現れる境界線が、さらに溝から離間されることとなる。特には、重なり合う領域の幅が、よりピッチ値が大きい方のブロックのタイヤ周方向寸法の20〜30%などである場合、トレッド表面に現れる境界線は、溝の領域から、かなり遠い位置に来ることとなる。なお、トレッド内部側の、ゴム層同士が重なり合う領域の他方の縁は、溝に重なる領域またはその近傍に配置することができる。好ましい一形態において、ゴム層同士が重なり合う帯状の領域は、溝の箇所からオフセットされてトレッド表面に現れる境界線と、この境界線から見て遠い側の溝の縁との間の領域となっている。
一実施形態において、タイヤ周方向の領域ごとにゴム硬度を違えるためのゴム組成物の配合の相違は、配合成分の比率の相違によって実現される。例えば、ゴム成分が、2種類のジエンゴムの混合物であり一方のジエンゴムが他方のジエンゴムに比べて耐摩耗性能に貢献するがグリップ性を低下させるものである場合、これら2種のジエンゴムの配合比率を調整することによって実現できる。また、カーボンブラックまたはシリカといった充填剤の配合比率の調整によっても実現される。他の好ましい実施形態においては、例えば、駆動輪用タイヤにのみガラス転移点(Tg)の高いスチレンブタジエンゴムを配合することによって、または、別の品種のカーボンブラックを用いるといったように充填剤の種類を違えることによって実現される。
好ましい実施形態において、空気入りタイヤのトレッド部には、周方向に連続または部分的に断続する3本以上の主溝が備えられ、これにより、4列以上の陸部が形成されている。ここで、陸部は、典型的には、ブロックの列により形成されるが、一つまたは複数の陸部が、タイヤ周方向に連続するリブパターンであっても良い。なお、タイヤ周方向に部分的に連続している場合も、本願においては、ブロックの列と捉えることとする。
タイヤトレッドが、キャップトレッドと、ベーストレッドからなるものである場合、これらのいずれか、または、両方について、タイヤ周方向の所定領域ごとに、ゴム硬度の異なるゴム層により形成することができる。しかし、この場合、少なくともキャップトレッドについて、ゴム硬度の異なるゴム層により形成するのが好ましく、製造工程を簡易にするためには、キャップトレッドのみについて、ゴム硬度の異なるゴム層により形成するのが好ましい。なお、所定領域に所定のゴム層を配置するためには、例えば、タイヤ成形用ドラムの所定位置にリボン状の未加硫部材を、適宜切断しつつ貼り付ける方法及び装置(特開2005-53083など)を用いることができる。また、特許文献1中に記載の方法を用いることもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
まず、実施例1の空気入りタイヤ1の構成について、図1〜2を用いて説明する。図1のトレッドパターン図に示す具体例において、タイヤ周方向に延びる3本の主溝13、及び4本の陸部が備えられる。図示の具体例において、各陸部は、ショルダーブロック11-1、11-5の列、クォーターブロック(メディエートブロック)11-2、11-4の列、及びセンターブロック11-3の列により形成されており、全体で点対称のパターンをなしている。なお、中央線上の陸部では、ブロック11-3同士が、中央線の近傍でタイヤ周方向に互いに連続している。また、タイヤ周方向に隣接するブロック11は、互いに、主溝13よりも細い横溝12により隔てられており、図示の例で、ブロック11-1〜11-5の各列の横溝12が主溝13に合わさる位置は、隣の列の横溝12が該主溝13に合わさる位置と近接している。すなわち、隣り合う列の横溝12同士をそれぞれ結び合わせた場合、トレッド全幅にわたる1つの滑らかな曲線(折れ曲がりのない曲線)を想定することができる。
一方、図1のトレッドパターン図に示す具体例において、トレッドパターンのタイヤ周方向のピッチが、周期的に変動しており、順に、3つのピッチPL、PM、PSのいずれかをとる。図示の具体例で、大ピッチPL→中ピッチPM→小ピッチPS→中ピッチPM→大ピッチPL・・と繰り返されている。そして、タイヤトレッドが、ゴム硬度(図中の「JIA A-H」)が互いに異なる3種のゴム層HL、HM、HSからなり、大ピッチPLの領域はゴム硬度が高め(ゴム硬度68)のゴム層HLにより形成され、中ピッチPMの領域はゴム硬度が中程度(ゴム硬度65)のゴム層HMにより形成され、小ピッチPSの領域はゴム硬度が低め(ゴム硬度62)のゴム層HSにより形成されている。また、これらゴム層HL、HM、HS同士の間の境界線14は、ピッチの異なるブロック11L、11M、11S間の溝12の内部、特には、溝底に位置している。そのため、図に太い破線にて示すように、ゴム層HL、HM、HS間の境界線14は、上述の、トレッド全幅にわたる1つの滑らかな曲線と一致している。
図2には、ゴム層HL、HM間の境界線14の箇所について、タイヤ周方向に沿った模式的な断面図により示す。図2に示すように、ゴム層HL、HM間の界面15は、横溝12の近傍に位置し、特に、トレッド表面に現れる境界線14は、横溝12の底面に位置する。なお、図示の例で、ゴム層HL、HM同士の接着面積を充分にとるべく、界面15は、タイヤ周方向断面にて斜めに延びている。すなわち、キャップトレッド21の裏面に現れる界面15の縁17は、横溝12の近傍にあるものの、境界線14とは、タイヤ周方向に少し離間した位置にある。
図2に示すように、タイヤトレッド(トレッドゴム)25が、キャップトレッド21とベーストレッド22とからなり、キャップトレッド21のみが、複数種のゴム硬度のゴム層により形成されている。すなわち、ベーストレッド22は、単一のゴム組成物により形成されている。なお、図示の例で、ベーストレッド22の内面側には、ベルト層23及びカーカス層24が積層されている。
次に、実施例2の空気入りタイヤ1'の構成について、図3〜5を用いて説明する。図2に対応する断面図である図5、及び、これよりも大きな領域を模式的に示す図3の模式的な断面図に示すように、実施例2においては、ゴム硬度の異なるゴム層HL、HM、HS同士が重なりあう領域16の幅が、大きくとられている。その他の点では、実施例1と全く同一である。
図示の具体例において、裏面側に現れる界面15の縁17は、実施例1の具体例と同様に、横溝12の一方の縁の近傍にあるが、トレッド表面に現れる境界線14は、横溝12の他方の側へと大きくずらされている。したがって、ゴム層HL、HM、HS間の界面15は、トレッド表面に垂直の、タイヤ周方向の断面にて、傾斜面をなしている。このように傾斜面をなすことで、タイヤ周方向における剛性の変化は、段差なしに連続的に行われる。そのため、操縦安定性に対する悪影響を防止または抑制することができる。また、ゴム層同士の接着面積が大きくする効果も得られる。
図3及び図5に示すように、ゴム層HL、HM、HS間の界面は、トレッド表面に現れる境界線14が、よりピッチの大きいブロック11L、11M中に位置するようになっている。このため、ゴム層HL、HM、HS同士が重なりあう領域16では、結果的に、よりゴム硬度の小さいゴム層HM、HSが、トレッド表面の側に位置する。また、図3及び図5に示すように、図示の具体例において、ゴム層HL、HM、HS同士の界面15がなす傾斜面は、トレッド表面の境界線14の近傍で、トレッド表面にほぼ垂直に延びており、裏面側の縁17へと向かうにつれて傾斜が徐々に小さくなっている。そのため、車両走行時にタイヤのトレッド表面が路面と接触するにあたり、よりゴム硬度の小さいゴム層の影響が出やすくなっている。
図1と同様のトレッドパターン図である図4には、ゴム層同士が重なり合う帯状の領域16を具体的に示す。図示の具体例において、裏面側の縁17は、各横溝12における、よりピッチが小さい方の縁を一筆書き状に結ぶ滑らかな曲線をなしている。そして、トレッド表面の境界線14は、裏面側の縁17がなす曲線を、タイヤ周方向に平行移動させた、同一形状の曲線である。すなわち、帯状の領域16の幅は、トレッドの全幅にわたって一定となっている。
また、図4に示す具体例において、帯状の領域16の幅は、よりピッチが大きい方のブロック11のタイヤ周方向寸法の25%に設定されている。そのため、図示の具体例において、最もピッチの大きいブロック11Lでは、タイヤ周方向の両側から、よりピッチの小さいブロック11Mと隣り合うことから、タイヤ周方向のほぼ半分が、ゴム層同士の重なり合う領域16となっている。
次に、図5に対応する断面図である図6には、変形例の空気入りタイヤ1"の要部を示す。この変形例は、ゴム層同士の界面の形状のみ実施例2と異なっている。ゴム層同士の界面について、階段状とすることで、界面の面積をより大きくしたものである。但し、製造工程は、多少複雑となる。
以下に、具体的な試験及びその結果について説明する。これは、上記実施例1〜2の空気入りタイヤ、及び、上記特許文献1〜2に対応する比較例1〜2の空気入りタイヤ、並びに、従来の一般的な空気入りタイヤを作製し、その性能を評価したものである。
実施例1〜2、比較例1〜2及び従来例の空気入りタイヤは、キャップトレッドをなす各ゴム層について、ゴム硬度が、65,62及び68のいずれかの値になるようにしたものである。配合組成の一例において、キャップトレッドをなすゴム層は、スチレンブタジエンゴムと、シス含量の高いブタジエンゴムとからなるゴム成分100重量部に、オイル約40重量部と、カーボンブラック約5重量部とシリカ粉約55重量部と、イオウ及び加硫促進剤並びに老化防止剤などが配合されてなるものであり、スチレンブタジエンゴムとブタジエンゴムとの配合比率などを適宜に調整することにより、ゴム硬度を上記の所定値に調整した。
従来例は、キャップトレッドの全体を、ゴム硬度が中程度(ゴム硬度65)のゴム層により形成した他は、トレッドパターンなど、実施例1と全く同一としたものである。比較例1は、上記特許文献1に準拠して、実施例1と同一のピッチ変化及びトレッドパターンを有するようにして作製したタイヤであって、実施例1の空気入りタイヤにおける、ゴム硬度が高め(ゴム硬度68)のゴム層HLの配置領域と、ゴム硬度が低め(ゴム硬度62)のゴム層HSの配置領域とを逆にしたものである。また、比較例2は、上記特許文献1に準拠して、ピッチに変化を設けず、蹴り出し側エッジ部のゴム硬度を68とし、それ以外の領域のゴム硬度を65としたものである。なお、ゴム硬度を大きくする部分の幅は、蹴り出し側エッジから、ブロックのタイヤ周方向寸法の25%までの領域とした。
タイヤ成形用ドラム上でリボン状のゴム部材を所定箇所に貼り付けていく方法で、所定の構造のタイヤを成形し、160℃×30分の加硫成形により、タイヤサイズが175/65R14の空気入りタイヤを作製した。そして、下記の方法にて試験を行った。
<低ころがり抵抗性>
テスト用走行ドラムにて、標準速度(60km/hr)で走行を行い、転がり抵抗を計測した。測定結果は、逆数をとり、従来例における測定値の逆数を100とする指数にて、下記表1中に示す。指数が大きいほど、転がり抵抗が小さく、低転がり抵抗性が良好であることを示す。
<湿潤路面操縦安定性>
排気量1800ccのセダンの各車輪に装着し、出願人会社所有の試験用摩耗走行コースにて、タイヤのローテーションを行わずに標準速度(60km/hr)で断続的に走行を続け、停止時ごとに、中央の主溝の箇所での摩耗の程度を測定した。そして、トレッド溝深さ1mmあたりの走行距離を求めた。測定結果は、従来例における測定値を100とする指数にて、下記表1中に示す。
Figure 0006017794
上記比較例1においては、ピッチが相対的に小さい領域のブロック(小ブロック)についてゴム硬度を高めとした結果、低ころがり抵抗性が、ゴム硬度を均一とした場合(従来例)よりも低下した。但し、全体的な剛性の向上により、操縦安定性は向上した。また、比較例2では、蹴り出し部のみゴム硬度を高めとした結果、低ころがり抵抗性が、従来例よりも低かったが、比較例1よりは高かった。また、操縦安定性は、従来例と同程度であった。
これに対し、実施例1では、低ころがり抵抗性が、従来例に比べ顕著に向上した。但し、操縦安定性は、少し低下した。実施例2では、トレッド表面に現れる境界線が、実施例1のように横溝の溝底に位置する代わりに、ピッチの大きい側のブロック内にその寸法の25%だけオフセット(位置ずらし)した結果、操縦安定性を従来例と同一とすることができた。しかも、実施例1と同様の低ころがり抵抗性が得られた。
本発明の空気入りタイヤは、セダン型小型乗用車やコンパクトカーなどの乗用車用を始めとし、ライトトラック用などの各種用途の車両に装着し使用することができる。
1…空気入りタイヤ; 11…ブロック(島状の陸部);
11L、11M、11S…大中小の各ピッチのブロック; 12…横溝;
13…周方向の主溝; 14…トレッド表面での、硬度の異なるゴム層の境界線;
15…硬度の異なるゴム層の界面; 16…ゴム層が重なり合う帯状領域;
17…キャップトレッド裏面での、界面の縁; 21…キャップトレッド;
22…ベーストレッド; 23…ベルト層; 24…カーカス層;
25…トレッドゴム HL、HM、HS…ゴム硬度68、65及び62のゴム層;
PL、PM、PS…トレッドパターンにおける大中小のピッチ

Claims (2)

  1. トレッドパターンのタイヤ周方向のピッチを周期的に変動させた空気入りタイヤにおいて、トレッドのゴム硬度を、前記ピッチに応じて変動させ、該ピッチが小さい領域ほど、ゴム硬度を小さく設定し
    ゴム硬度の切り替わる境界部が、ピッチが切り替わる箇所にて、ブロック間の横溝を滑らかに結ぶ曲線に沿って設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記境界部は、ゴム硬度の異なるゴム層同士が重ねあわされた帯状の領域として設けられ、この帯状領域の幅は、よりピッチが大きい方のブロックにおけるタイヤ周方向寸法の10〜40%に設定されることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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