JP3614234B2 - 共振器型弾性表面波フィルタ - Google Patents

共振器型弾性表面波フィルタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
共振器型弾性表面波フィルタ(以下、共振器型SAW(urface coustic ave )フィルタともいう。)は、梯型回路構成のタイプおよび二重モードタイプに分類できる。前者は、原理的に低損失、高減衰量、狭帯域、そして整合回路不要という特徴を有する。梯型回路構成の共振器型SAWフィルタは、SAW共振子を梯(ラダー)型に接続し構成される。梯型に接続されるSAW共振子のうち、SAWフィルタの入力端子および出力端子間に直列な接続関係となるものは直列腕SAW共振子と称され、一方、入力端子(出力端子)および接地端子間に並列な接続関係となるものは並列腕SAW共振子と称される。直列腕、並列腕いずれのSAW共振子も、基本的には、圧電基板と、これに作製されたすだれ状電極および反射器とで構成される。すだれ状電極はIDTとも呼ばれるもので多数の電極指で構成されている。反射器はすだれ状電極の両側に距離tを隔てて設けられている。この反射器は典型的には多数の金属スリットパタンを並置したグレーティング反射器で構成される。各電極指、各金属スリットパタンは一般にλ/2ピッチで配置されている。さらにすだれ状電極と反射器との距離t(電極指および金属スリットパタン間のピッチ)も、一般に、λ/2とされている。また交差長が一定であるSAW共振子は正規型のSAW共振子と呼ばれている。ここでλは、直列腕、並列腕の各SAW共振子それぞれで励振したい弾性表面波の波長であり、直列腕、並列腕の各共振子で異なる波長である。
【0003】
梯型回路構成の共振器型SAWフィルタであって一段構成のものでは、得られる減衰量が小さい。減衰量を大きくするために、多段梯型にすることが行なわれている。あまり多段にすると挿入損失が増加したり、またフィルタが大型化するのでそれを回避するために、梯型回路部分に高域側の減衰特性改善用のSAW共振子をさらに縦続接続してSAWフィルタを構成する技術が知られている(例えば文献I:IEEE TRANSACTIONS ON ULTRASONICS, FERROELECTRICS,AND FREQUENCY CONTROL(アイイーイーイ トランザクションズ オン ウルトラソニックス フェロエレクトリクス アンド フリケンシ コントロール) ,VOL.42,NO.4,JULY.1995,pp.495−508。特に、Fig.15(a) 中やTABLE IV中の素子3,4)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、梯型回路部分に高域側の減衰特性改善用のSAW共振子を縦続接続した構成の共振器型SAWフィルタの場合、以下のような問題点があった。これについて図27を参照して説明する。図27は、梯型回路部分に高域側の減衰特性改善用のSAW共振子を縦続接続した構成の共振器型SAWフィルタ10についての回路構成図である。この図27において、11はそれぞれ直列腕SAW共振子、13はそれぞれ並列腕SAW共振子、17は梯型回路部分、17aは梯型回路部分における各段、19は高域側の減衰特性改善用のSAW共振子である。
【0005】
この従来技術では 第1に、高域側の減衰特性改善用のSAW共振子19を設けた分だけ通過域の挿入損失が増加するという問題が生じる。
【0006】
第2に、高域側の減衰特性改善用のSAW共振子19については、これを設ける目的上、その***振周波数が直列腕SAW共振子11の***振周波数より高くなるように設計する必要がある。そのため減衰特性改善用のSAW共振子19は、これに具わるすだれ状電極の電極指のピッチや、反射器の金属スリットパタンのピッチが、直列腕SAW共振子11の場合より短くされたものとなる。このため、減衰特性改善用のSAW共振子19自身の共振周波数はSAWフィルタでの通過域より高域になるから、当該SAWフィルタ10では、通過域でのインピーダンス整合性が悪化するという問題が生じる。
【0007】
第3に、高域側の減衰特性改善用のSAW共振子19を設ける分、SAWフィルタ10の大きさは大きくなるという問題が生じる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、すだれ状電極と該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されている、1段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタに関する。そして、直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対し、アポダイズ法に従う重み付けを実施してあり、しかも、該重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値だけ相対的にずれた構造のものとしてあり、並列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対し、アポダイズ法に従う重み付けを実施してあることを特徴とする。ただし、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子それぞれについては、前記重み付けの程度によって前記反射器を具えない場合があっても良い。
かかる発明においては、並列腕弾性表面波共振子のすだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対し、アポダイズ法に従う重み付けを実施することが望ましい。
本発明によれば、直列腕弾性表面波共振子のすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対してアポダイズ法に従う重み付けを実施し、且つ、該重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値だけ相対的にずれた構造としたので、共振器型弾性表面波フィルタの特性を向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照していくつかの実施の形態について説明する。しかしながら説明に用いる各図は、この発明を理解出来る程度に概略的に示してあるにすぎない。また、各図において同様な構成成分については同一の番号を付して示しその重複する説明を省略する。なお、以下の説明では、説明を容易にするために、すだれ状電極と反射器との距離tについて考慮した発明を第1の発明と称することにする。またこの第1の発明の構成にさらにすだれ状電極についての重み付け技術を付加した発明を第2の発明と称することにする。
【0013】
1.第1の発明の説明
1−1.基本構成の説明
図1は第1発明の実施の形態の共振器型弾性表面波フィルタ20の全体構成を説明するための図である。ただし、多段梯型回路構成した共振器型弾性表面波フィルタに本発明を適用した例について示してある。また、この図1では奇数段の構成例を示しているが、本発明は偶数段(T型、π型)の構成例にも適用出来る(第2の発明において同じ)。また、図2(A)は該フィルタ20に備わる個々のSAW共振子のうちの、この発明の特徴となるSAW共振子の構成を説明するための図である。また、図2(B)は該フィルタ20に備わる個々のSAW共振子のうちの、図2(A)に示したもの以外のSAW共振子の構成を説明するための図である。また図3は該フィルタ20に備わる個々のSAW共振子の周波数に関する設計方法の説明図である。
【0014】
この共振器型弾性表面波フィルタ20は、所望の段数に応じた数のSAW共振子21a〜21n、23a〜23nを梯(ラダー)型接続して構成してある。ただし、該フィルタ20における直列腕SAW共振子21a〜21nのうちの少なくとも1個は、後に図2(A)を参照して詳述するように、すだれ状電極と反射器との距離tを所定値としたSAW共振子で構成し、残りのSAW共振子は既に説明した正規型のSAW共振子で構成してある。以下、詳細に説明する。
【0015】
先ず、SAW共振子21a〜21n、23a〜23nいずれのものも、従来同様に、圧電基板31と、これに作製されたすだれ状電極33および反射器35とで構成する。これらSAW共振子21a〜21n、23a〜23nは、好ましくは共通な圧電基板31に作製する。また直列腕SAW共振子21a〜21nそれぞれに備わるすだれ状電極33は、多数の電極指33aをλ /2のピッチで配置した構成となっており、しかも、多数の電極指33aのうちの例えば偶数番の電極指同士は電気的に接続し、奇数番の電極指同士は電気的に接続した構成となっている。また並列腕SAW共振子23a〜23nそれぞれに備わるすだれ状電極33は、電極指33aをλ /2のピッチで配置したこと以外は直列腕SAW共振子21a〜21nと同様な構成となっている。ここで、λ は直列腕SAW共振子で励振される弾性表面波の波長、λ は並列腕SAW共振子で励振される弾性表面波の波長である。これら波長λ 、λ は、周知のようにまた後に図3を用いて説明することからも理解出来るように、直列腕、並列腕で異なる(以下、同様。)。奇数番の電極指同士の接続点33xや偶数番の電極指同士の接続点33yは、他のSAW共振子との接続端子、或は当該フィルタ20の入力端子、或は当該フィルタ20の出力端子として使用される。また、いずれのSAW共振子においても反射器35はすだれ状電極33の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けてある。しかし、この距離tであるが、直列腕SAW共振子21a〜21nのうちの少なくとも1個のSAW共振子については、(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ の範囲の値としてあり(図2(A)参照)、その他の直列腕SAW共振子については、λ /2(図2(B)参照)としてある。なお、この場合の距離tは、すだれ状電極33における最も反射器に近い電極指33aと、反射器35における最もすだれ状電極に近い金属スリットパタン35aとの中心間距離をいっている(以下、特別の説明がない限り同様。)。また、いずれの反射器35も、従来同様に、多数の金属スリットパターン35aを、直列腕SAW共振子用のものにあってはλ /2、並列腕SAW共振子用のものにあってはλ /2のピッチで、配置したグレーティング反射器で構成してある。すだれ状電極33や反射器35は、例えば、アルミニウム、または銅、またはシリコンを数%含むアルミニウム合金により構成する。ここですだれ状電極33の膜厚Hは、SSBW(Surface Skimming Bulk Wave)に起因するスプリアスを抑制する意味から、従来公知の通り、波長λとの関係においてH/λ≧Cなる関係を満足する膜厚とする。このSSBWは励振された弾性表面波の基本モードが疑似弾性表面波の場合に主に発生する。例えば、圧電基板31として36°回転Y板LiTaO を用いて通過帯域幅25MHzをもつ800MHz帯の梯型構成の共振器型SAWフィルタを構成するとした場合なら、H/λ≧0.08〜0.1なる関係を満足するような膜厚とする。
【0016】
また、図3に示した様に、従来同様に、直列腕SAW共振子21a〜21nそれぞれは、その共振周波数がf1でかつ***振周波数がf2となるように設計する。また、並列腕SAW共振子23a〜23nそれぞれは、その共振周波数がf3でかつ***振周波数がf4となるように設計する。しかも、上記f2とf3とが一致するように(実質的に一致も含む)直列腕SAW共振子21a〜21nおよび並列腕SAW共振子23a〜23nをそれぞれ設計する。こうすると、バンドパスフィルタを構成できる。
【0017】
1−2.(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ の根拠
次に、梯型回路構成の共振器型SAWフィルタにおいて、それに備わる直列腕SAW共振子のうちの少なくとも1個の直列腕SAW共振子の、すだれ状電極と反射器との距離tを、(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ とするのが良い理由について説明する。
【0018】
このため、正規型のSAW共振子(例えば図2(B)参照)についてすだれ状電極とその両側の反射器とのそれぞれの距離t(以下、単に「距離t」と略称することもある。)を0.5λ〜λ(λ:波長)までの範囲で種々に違え、それらSAW共振子の伝送特性をそれぞれ調べる。ここでは、距離tを0.500λ、0.625λ、0.750λ、0.875λ、λの5水準とした5つのSAW共振子を用いる。また、それぞれのSAW共振子について直列腕接続した状態(後の図22(C)に示した状態)での各SAW共振子ごとの伝送特性を調べる。ただし、各SAW共振子のすだれ状電極は、アルミニウム、または銅、またはシリコンを数%含むアルミニウム合金で構成する。さらにすだれ状電極は、その電極対数が120、交差長が100μm、静電容量C が4.80pFのものとする。この静電容量C は、基板として36°回転Y板LiTaO を用い、かつ、単位長、単位対当たりの静電容量を4×10 pFとし、
=(対(つい)数)×(交差長)×(単位長、単位対当たり静電容量)
の式で計算した。この静電容量C の算出法は、例えば文献II(信学技報US95−25,EMD95−21,CPM95−33(1995−07),p42) に説明されているものである。
【0019】
距離tを0.500λとしたSAW共振子の伝送特性を図4(A)に、また距離tを0.625λとしたSAW共振子の伝送特性を図4(B)に、また距離tを0.750λとしたSAW共振子の伝送特性を図5(A)に、また距離tを0.875λとしたSAW共振子の伝送特性を図5(B)に、また距離tをλとしたSAW共振子の伝送特性を図6にそれぞれ示した。ただし、図4〜図6では、横軸1目盛りは20MHz、縦軸1目盛りは5dBとしてある。また、各伝送特性では、これら特性中に出現している減衰極やスプリアスに、マーカーMx〜Mzを付してある。ここで、マーカーMxで示される減衰極は、SAW共振子の***振周波数に起因する減衰極である。このマーカーMxの周波数位置を説明の都合上、以下、「周波数位置f 」ともいう。また表1に、上記減衰極やスプリアスそれぞれについての減衰量を示した。
【0020】
【表1】
Figure 0003614234
【0021】
図4〜図6の各伝送特性をみると、先ず、すだれ状電極と反射器との距離tを0.625λにすると、距離tを0.500λとした場合に見られたSSBWのスプリアスすなわち図4(A)にてマーカーMyの位置に出現していたスプリアスが消えるが、代わりにマーカーMzの位置に比較的帯域幅の広いスプリアスが発生してくる。このスプリアスの発生する周波数位置はすだれ状電極と反射器との距離tが広がっていくと低周波数側(図5(A)、図5(B)中のマーカーMzの位置参照)に移動して行き、距離tがλになると距離tが0.500λであったときの特性に戻ることが分かる(図4(A)と図6参照)。このような伝送特性の変化からみて、このマーカーMzで示されるスプリアス(以下、「距離tに起因するスプリアス」ともいう。)は、それが周波数位置f から適性に高域側にあるなら、SAW共振子の高域側の減衰域の減衰特性を改善するためのポールとして使用できると考えられる。ここで適性に高域側とは、距離tに起因するスプリアスの位置が周波数位置f に対しあまりに近いと該スプリアスが減衰域の特性改善用ポールとして意味をなさず、あまりに遠いと(例えば高域側の減衰域の幅をあまり越えるようであると)該スプリアスが減衰域の特性改善用ポールとして意味をなさないから、これらを除いた範囲である。図4〜図6の例でいえば、距離tを0.625λとした場合、および距離tを0.750とした場合それぞれは、スプリアスが適性に高域側にある例といえる。ここで周波数位置f と、距離tに起因するスプリアスの位置との周波数差をΔfとすると、距離tを0.625λとした場合ではΔfは20MHz、距離tを0.750λとした場合ではΔfは10MHzとなっている。そこで、このΔfの適性範囲が5〜25MHzであると仮定し、そしてこのようにΔfを示させることができる距離tを、上記の値から推定する。なおΔfの適性範囲が5〜25MHzと仮定した根拠は次の通りである。通過帯域25MHzの800MHz帯のSAWフィルタでは、一般的な規格からして、高域の減衰域は25MHzは必要である。このような減衰域を得たい場合に、距離tに起因するスプリアスが減衰域の特性改善用ポールとして意味をもつのは、周波数位置f より適性に高い範囲すなわち周波数位置f から5〜25MHz高域側の範囲と考えられるからである。距離tを0.625λ、距離tを0.750λとした場合のΔfは、上述の通り20MHz、10MHzであるから、距離tが0.625λ〜0.750λ近傍での距離tに対するΔfの変化率は、(20−10)/(0.625−0.750)λ=−8MHz/0.1λになる。実際には実験のバラツキの影響によりΔfの変化率は−8MHz〜−10MHzと考えられる。また、P=0.625λ付近のΔfの変化率よりもt=0.750λ付近のΔfの変化率の方が大きいと考えられるのでここでは、t=0.625λ付近でのΔfの変化率を−8MHz/0.1λと考え、t=0.750付近でのΔfの変化率を−10MHz/0.1λと考える。そして、この前者の変化率を基に、Δfを25MHzとし得る距離tを推定する。すなわち、0.625λ−(25−20)×0.1λ÷8=0.625−0.0625≒0.56λと推定する。また、後者の変化率を基に、Δfを5MHzとし得る距離tを推定する。すなわち、0.750λ−(5−10)×0.1λ÷10=0.750+0.050≒0.800λと推定する。よって、この推定値に誤差も考慮に入れるとすだれ状電極と反射器との距離tに起因するスプリアスがフィルタの高域減衰域の特性改善に意味を持つようにできるのは、当該距離tが0.55λ〜0.81λの範囲といえる。さらに、この距離tに起因するスプリアスの発生位置は図4〜図6をみて分かるようにλ/2の周期で繰り返されるから、すだれ状電極と反射器との距離tに起因するスプリアスがフィルタの高域減衰域の特性改善に意味を持つようにできるのは、当該距離tが(n/2+0.55)λ〜(n/2+0.81)λの範囲と一般化できることが分かる(nは0または正の整数)。ただし、nを1以上とすると、すだれ状電極と反射器との距離tがその分大きくなる。これは弾性表面波をSAW共振子内に閉じ込めて伝送損失を少なくする意味からは好ましくない。したがって、好ましくはn=0とするのが良い。
【0022】
1−3.実施例および比較例
次に、実施例として、4段T型梯型回路構成の共振器型SAWフィルタであって、すべての直列腕SAW共振子についてのすだれ状電極と反射器との距離tを17λ /24(0.708λ )とし、すべての並列腕SAW共振子についての距離tを0.5λ としたSAWフィルタを構成し、そしてその伝送特性を調べる。図7(A)にこの実施例のSAWフィルタ37の回路構成図を示し、図7(B)にその伝送特性を示した。なお、図7(A)において、38はそれぞれすだれ状電極と反射器との距離tを17λ /24としてある直列腕SAW共振子、39はそれぞれすだれ状電極と反射器との距離tをλ /2としてある並列腕SAW共振子である。各直列腕SAW共振子38は静電容量が4.84pFのもの、各並列腕SAW共振子39は静電容量が1.96pFのものを用いる。また、図7(B)では、マーカMa〜Mb間は通過帯域、Mc〜Md間は高域側減衰域を示している(図8(B)において同じ。)。また、図7(B)において横軸1目盛りは20MHz、縦軸1目盛りは10dBとしてある(図8(B)において同じ。)。
【0023】
また、比較例として、4段T型梯型回路構成の共振器型SAWフィルタであって、直列腕、並列腕それぞれ距離tをλ /2、λ /2としたSAW共振子で構成した梯型回路部分を有し、かつ、この梯型回路部分の後段に高域側の減衰特性改善用のSAW共振子をさらに縦続接続してあるSAWフィルタを構成し、そしてその伝送特性を調べる。図8(A)にこの比較例のSAWフィルタ40の回路構成図を示し、図8(B)にその伝送特性を示した。なお、図8(A)において、41はそれぞれ距離tをλ /2とした直列腕SAW共振子、43はそれぞれ距離tをλ /2とした並列腕SAW共振子、45は距離tをλ /2とした高域側の減衰特性改善用のSAW共振子である。ここで、λ は高域側の減衰特性改善用のSAW共振子で励振される弾性表面波の波長である。各直列腕SAW共振子41は静電容量が4.84pFのもの、各並列腕SAW共振子43は静電容量が1.96pFのもの、高域側の減衰特性改善用のSAW共振子45は静電容量が5.76pFのものを用いる。また、図7(B)および図8(B)の各伝送特性中のマーカーMa〜Mdについての減衰量を表2に示す。
【0024】
【表2】
Figure 0003614234
【0025】
図7(B)および図8(B)それぞれの特にマーカMc〜マーカMdに渡る高域側減衰域の特性同士を比較することで分かるように、実施例のフィルタ37では、高域側の減衰特性改善用のSAW共振子を用いていないにもかかわらず、比較例のものと同様の減衰特性改善効果が得られることが分かる。また、表2、図7(B)および図8(B)それぞれの例えばマーカMaの位置での挿入損失同士、マーカーMbの位置での挿入損失同士をそれぞれ比較することで分かるように、実施例のフィルタ37では高域側の減衰特性改善用のSAW共振子を用いていない分、通過域の挿入損失が改善されていることが分かる。また、実施例のフィルタ30では高域側の減衰特性改善用のSAW共振子を用いていない分、フィルタの小型化が図れることが分かる。
【0026】
上述の説明では、多段梯型構成の共振器型SAWフィルタ中の全ての直列腕SAW共振子についてのすだれ状電極と反射器との距離tを(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ の範囲の値でかつ同じ値とした例を、説明した。しかし、この発明はこれに限られない。1段梯型構成の共振器型SAWフィルタにももちろん適用出来、その場合も実施例と同様の効果が得られる。また、多段梯型構成の共振器型SAWフィルタにおける全部の直列腕SAW共振子にではなく少なくとも1個について距離tを(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ の値としても高域側減衰域改善用のポールは生じるから実施例と同様の効果が得られる。また、多段梯型構成の共振器型SAWフィルタにおける直列腕SAW共振子の少なくとも2個について上記距離tを所定範囲の値とする思想を適用する際にそれら共振子ごとの上記距離tを、(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ の範囲において一部違えたり全部違えても良い。このように距離tを違えた直列腕共振子を含むようにした方が、減衰域改善用のポールが複数個所に生じるので特性改善効果が高まる(これについては後述の第2の発明の第1の実施の形態の実施例2の結果説明において詳述する。)。
【0027】
また、上述の説明では、特定の圧電基板材料、特定の電極材料、特定の使用周波数、通過帯域幅において発明を説明した。しかし、すだれ状電極および反射器を構成する金属材料を上記例示以外の他の金属に変えた場合、また、圧電基板の材料、使用周波数および通過帯域幅が上記例示以外のものであっても、すだれ状電極膜厚H/λとスプリアスとの条件は若干変化するが、この第1の発明を適用出来、その場合も実施の形態と同様の効果が得られる。
【0028】
2.第2の発明の説明
上述の第1の発明の実施の形態の説明から明らかように、梯型回路構成の共振器型SAWフィルタにおける直列腕SAW共振子のすだれ状電極と反射器との距離tを(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ の範囲とすることで、種々の利点が得られることが分かる。このため、第1の発明によれば充分に実用に耐えるフィルタが実現できる。しかし、より特性に優れるフィルタを構成しようとした場合、上記第1の発明の構成では、通過域に生じるリップルについて改善の余地がまだある。この第2の発明はその対策を考慮したものである。以下、詳細に説明する。
【0029】
先ず、通過域のリップルについて説明する。例えば図7を用いて説明した第1の発明に係る多段構成の共振器型SAWフィルタ37の伝送特性におけるリップルに着目した場合、図9に概略的に示した伝送特性図に示すように、通過域51中の低域側(低周波数端)に生じるリップルRL と通過域51中の高域側(高周波数端)に生じるリップRH と、高域側減衰域53よりさらに高域に生じるリップルRが比較的顕著である。リップルRL は並列腕SAW共振子39(図7(A)参照)の高次モードに起因して発生するもの、リップルRH は直列腕SAW共振子38(図7(A)参照)の高次モードに起因して発生するもの、リップルRは直列腕SAW共振子38のSSBWに起因して発生するものである。なお図9において、55は低域側減衰域、57は並列腕SAW共振子39の共振周波数による減衰極、59は直列腕SAW共振子38の***振周波数による減衰極、61はすだれ状電極と反射器との距離tを(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ の範囲としてある直列腕SAW共振子のスプリアスによる減衰極である。並列腕SAW共振子39のSSBWに起因して発生するリップルは、減衰極59付近に存在するが、ここではそれは省略してある。
【0030】
通過域におけるリップルRL およびRH は、通過域の特性に悪影響を及ぼすのでそれらは抑制されるのが好ましい。なかでも、並列腕SAW共振子の高次モードによるリップルRL の影響が大きく、それが原因で通過域中の低域側の挿入損失が高域側より増加し、そのため、平坦な通過帯域特性が得られないという問題が生じる。これらリップルRL 、RH の問題を解決するため、この第2発明では、第1発明の構成にさらに以下に説明するような構成を付加する。
【0031】
2−1.第2発明の第1の実施の形態
先ず、通過域における低域側のリップルRL を抑制する例を説明する。図10(A)、(B)はその説明図であり、第2発明の第1の実施の形態の共振器型SAWフィルタ70の回路構成図および概略的な伝送特性図である。このSAWフィルタ70では、直列腕SAW共振子71のうちの少なくとも1個については、図2(A)を参照して既に説明したと同様に、すだれ状電極と反射器との距離tを(n/2+0.55)λ〜(n/2+0.81)λの範囲としてある。そのようにしない直列腕SAW共振子が残っている場合は、それらは距離tがλ /2正規型のSAW共振子とする。また、すべての並列腕SAW共振子73は、すだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してある。すべての並列腕SAW共振子73のすだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対し、アポダイズ法に従う重み付けを実施したフィルタでは、詳細な理由および特性は後述するが、図10(B)に概略的に示した伝送特性図のように、通過域における低域側のリップルRL を抑制することができる。以下、(a) 並列腕SAW共振子に対する重み付けの具体例、(b) 重み付けを50%以上とする根拠、(c) 実験結果について順に説明する。
【0032】
2−1−1.並列腕SAW共振子での重み付け
並列腕SAW共振子に実施するアポダイズ法に従う重み付けの具体例について図11、図12を参照して説明する。図11の例の場合、すだれ状電極を構成している電極指33aのうちのすべて(すなわち100%)の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けであって菱形の重み付けを実施してある。すなわち、すだれ状電極33の両端から中央に向かうに従い交差長が長くなるように重み付けをしてある。図11の特に(A)図において菱形状の破線で囲まれる領域内が重み付けにより出来たSAW励振領域81であり、直角三角形状の破線で囲まれる領域それぞれはダミー領域83a〜83dである。ただしダミー領域といえど、この領域にある電極指部分は実質に反射器として機能する。重み付けがされた各電極指における、ダミー領域83a〜83dに所属する部分が、反射器として機能することについて図11(B)を参照して説明する。ここで、図11(B)は図11(A)に示したSAW共振子のs部分の拡大図である。図11(B)においてI−I線を境にその上側の電極指部分81x,81y,81zそれぞれはSAW励振領域81内のもの、I−I線を境にその下側の電極指部分83x,83y,83zはダミー領域83d内のものである。
【0033】
図11(B)の構成においては、電極指部分81xにより励振されたSAWは先ず電極指部分81xからλ/2離れた位置にある電極指部分83yで反射され(図中85参照)、この電極指部分83yで反射しきれないSAWは次に電極指部分81xから2λ/2離れた位置にある電極指部分83zで反射される(図中87参照)。このように電極指部分81xで励振されたSAWは電極指部分81xからnλ/2(n=1,2,・・)離れた位置にある他の電極指部分で反射される。同様に電極指部分81yで励振されたSAW(図中89)はこの電極指部分81yからnλ/2(n=1,2,・・)離れた位置にある電極指部分83z、・・で反射される。このように重み付けにより出来たダミー領域中の電極指部分はすだれ状電極内部では反射器の役割をすることになり、すだれ状電極両端部から外部へSAWが漏れることを少なくする役割を果たす。したがって、重み付けの程度によっては例えば上記の実験例では重み付けを100%実施した並列腕SAW共振子では、すだれ状電極両側に距離λ/2(本願発明の波長の記号で述べるならλ /2)隔てて反射器35(図2(B)参照)を設けなくとも良い場合が生じる(図11(A)ではその例を示している。)。もちろん、反射器35を設けなくとも良い重み付けの程度は100%未満の場合もあり得ると考える。
【0034】
また、図12は、並列腕SAW共振子のすだれ状電極における全電極指のうち50%程度の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施した例を示している。50%程度の重み付けをする場合、一般には、すだれ状電極の両端から25%程度ずつ電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けをするのが一般的であるので、ここでもそうしている。このような場合では、図12中、略正三角形状の破線で囲まれた領域それぞれが重み付けによりできたSAW励振領域91a,91bであり、直角三角形状の破線で囲まれた領域それぞれはダミー領域93a〜93dである。重み付けされていないすだれ状電極領域(四角形状の破線で囲まれた領域)もSAW励振領域(正規領域)95である。このような重み付けの場合もダミー領域93a〜93d内の電極指部分それぞれは実質的に反射器として機能するが、この場合は、重み付け率が少ない分ダミー領域が狭いから、ダミー領域内の電極指部分だけではSAW励振領域で励振されたSAWの反射効率が低下しSAWが外部に漏れてしまう。従って、図12のようにすだれ状電極33の両端に距離λ/2を隔てたグレーティング反射器35をそれぞれ設ける。なお、この場合の反射器35は、金属スリットパターン本数が50本程度の反射器で良い。
【0035】
2−1−2.重み付けを50%以上とする根拠
次に、梯型回路構成の共振器型SAWフィルタにおいて、それに備わるすべての並列腕SAW共振子に50%以上の重み付けをするのが良い理由について説明する。
【0036】
このため、正規型でかつ距離tがλ/2のSAW共振子(例えば図2(B)参照)におけるすだれ状電極の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを0〜100%の範囲で種々に違えたSAW共振子を構成し、そしてそれらの伝送特性および反射特性をそれぞれ調べる。ここでは、重み付けなし(0%)、重み付け33%、重み付け50%、重み付け83%、重み付け100%の5水準とした5つのSAW共振子を用いる。また、それぞれのSAW共振子について並列腕接続した状態(図13(C)に示した状態)での伝送特性および反射特性を調べる。ただし、重み付けは図12に例示したと同様、すだれ状電極の両端から菱形状に行う。また、各SAW共振子のすだれ状電極は、アルミニウム、または銅、またはシリコンを数%含むアルミニウム合金で構成する。さらにすだれ状電極は、その電極対数が120、交差長が100μm、静電容量C が4.80pFのものとする。この静電容量C は、基板として36°回転Y板LiTaO を用い、かつ、単位長、単位対当たりの静電容量を4×10 pFとし、
=(対(つい)数)×(交差長)×(単位長、単位対当たり静電容量)
の式で計算した。この静電容量C の算出法は、例えば文献II(信学技報US95−25,EMD95−21,CPM95−33(1995−07),p42) に説明されているものである。
【0037】
重み付けなしのSAW共振子の伝送特性を図13(A)にまたその反射特性を図13(B)に示した。また、重み付けを33%としたSAW共振子の伝送特性を図14(A)にまたその反射特性を図14(B)に示した。また、重み付けを50%としたSAW共振子の伝送特性を図15(A)にまたその反射特性を図15(B)に示した。また、重み付けを83%としたSAW共振子の伝送特性を図16(A)にまたその反射特性を図16(B)に示した。また、重み付けを100%としたSAW共振子の伝送特性を図17(A)にまたその反射特性を図17(B)に示した。いずれの反射特性もスミスチャートで示している。高次モードに起因するスプリアスの変化はスミスチャートで見たほうが分かり易いからである。また、各伝送特性および反射特性では、各特性中に出現している減衰極、スプリアスにマーカーM1〜M4(M4は図15以降)を付してある。ここで、マーカーM1で示される減衰極は、SAW共振子の***振周波数に起因する減衰極である。マーカーM2で示されるスプリアスは高次モードに起因するリップルである。マーカーM3はマーカーM1より20MHz高い周波数位置にありこの周波数位置はSAW共振子を梯型回路構成した800MHz帯のSAWフィルタでは通過帯域の低周波数端にあたる周波数である。また、表3にマーカーM3の減衰量を示す。
【0038】
【表3】
Figure 0003614234
【0039】
図13〜図17の各特性を比較すると分かるように、重み付けの割合を増加してゆくと、反射特性(スミスチャート)上のマーカーM2付近の不連続なへこみがなくなっていく。詳細には、重み付けの割合が約50%以上になると重み付けの効果が現れマーカーM2付近の不連続なへこみがほとんどなくなり高次モードのスプリアスが十分に抑制されることが分かる。同時に、重み付けの割合が0〜100%へ増加してゆくと伝送特性上のマーカーM3の損失が−1.9426dBから−0.5201dBへ減少(表3参照)することから、通過域での低損失化も図れることが分かる。ただし、50%以上の菱形重み付けを実施した場合マーカーM2の周波数位置以外に別の高次モード(図15〜図17のマーカーM4)が生じる。しかし、この高次モードの周波数位置はフィルタの通過帯域から低域にずれた位置であるので、この高次モードによる通過帯域への影響はほとんどない。
【0040】
これらのことから、すだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してあるSAW共振子によって、梯型構成の共振器型SAWフィルタのすべての並列腕共振子をそれぞれ構成すると、フィルタの通過帯域中の低域側リップルRL (並列腕SAW共振子の高次モードに起因するスプリアス)を抑制出来ることが理解出来る。
【0041】
2−1−3.実施例1、実施例2
次に、実施例1として、4段T型梯型回路構成の共振器型SAWフィルタであって、すべての直列腕SAW共振子についてすだれ状電極と反射器との距離tを17λ /24(0.708λ )とし、すべての並列腕SAW共振子については距離tをλ /2としかつそれぞれのすだれ状電極にアポダイズ法に従う100%の重み付け(菱形重み付け)を実施したSAWフィルタを構成し、そしてその伝送特性を調べる。図18(A)にこの実施例1のSAWフィルタ100の回路構成図を示し、図18(B)にその伝送特性を示した。なお、図18(A)において、101は距離tを17λ /24としてある直列腕SAW共振子、103は距離tをλ /2としてありかつすだれ状電極に100%菱形重み付けをした並列腕SAW共振子である。各直列腕SAW共振子101は静電容量が4.84pFのもの、各並列腕SAW共振子103は静電容量が1.96pFのものを用いる。また、図18(B)の伝送特性図中には、第1発明における図7(B)と同様、マーカーMa〜マーカーMdを付してある(図19(B)において同じ。)。また、図18(B)において横軸1目盛りは20MHz、縦軸1目盛りは10dBとしてある(図19(B)において同じ。)。
【0042】
また、実施例2として、実施例1の構成における3個の直列腕SAW共振子について、すだれ状電極と反射器との距離tを、1つは16λ /24(0.667λ )とし、1つは17λ /24(0.708λ )とし、1つは18λ /24(0.750λ )とし、それ以外は実施例1と同様にして4段T型梯型回路構成の共振器型SAWフィルタを構成する。そしてその伝送特性を調べる。図19(A)にこの実施例2のSAWフィルタ110の回路構成図を示し、図19(B)にその伝送特性を示した。なお、図19(A)において、111a〜111cは、距離tをそれぞれ16λ /24、17λ /24、18λ /24と互いに違えた直列腕SAW共振子、113は距離tをλ /2としてありかつすだれ状電極に100%菱形重み付けをした並列腕SAW共振子である。各直列腕SAW共振子111a〜111cは静電容量が4.84pFのものを、各並列腕SAW共振子113は静電容量が1.96pFのものを用いる。
【0043】
なお、図18(B)および図19(B)の各伝送特性中のマーカーMa〜Mdの減衰量を表4に示す。
【0044】
【表4】
Figure 0003614234
【0045】
第1発明の実施例で説明したフィルタ30では、マーカーMaでの損失とマーカーMbでの損失の差が、(−2.03−(−1.50))=−0.53であったのに対し(表2参照)、第2発明の実施例1のフィルタ100ではそれが(−1.97−(−2.02))=0.05、第2発明の実施例2のフィルタ110ではそれが(−2.03−(−1.84))=−0.19となることが分かる。これらのことから、第2発明の実施の形態によれば、通過域特性の平坦化が達成できることが分かる。これは、通過域中の低域側のリップRL が抑制出来たことを意味する。ここで、第1発明の実施例で説明したフィルタ30(図7参照)のマーカーMa位置での損失と、第2発明の実施例1および実施例2の各フィルタ100、110それぞれのマーカーMa位置での損失を比較すると、両者に差が見られないので、第2発明では通過域中の低域側のリップルRH が抑制されていないように感じるかもしれない。しかし、これは製造バラツキなどの他の要因によるものであるので、これによって第2発明の第1の実施の形態が有する効果は否定されない。
【0046】
また、この実施例1と実施例2とから、次の点も明らかになった。すなわち、第1発明についての効果なのであるが、複数個の直列腕SAW共振子を具える多段梯型構成の共振器SAWフィルタでは、これら直列腕SAW共振子それぞれのすだれ状電極と反射器との距離tを違えた方が、高域側減衰特性が改善されるのである。これは、図18(B)、図19(B)それぞれのマーカーMcとマーカーMdとの間の周波数域で、実施例2の方が減衰量が大きくできている(山がつぶれた状態になっている)ことから明確である。これは、実施例2の方が減衰域特性改善用のポールが多数出現することに起因する。
【0047】
2−2.第2発明の第2の実施の形態
次に、通過域における低域側のリップルRL および高域側のリップルRH 双方を抑制する例を説明する。図20(A)、(B)はその説明図であり、第2発明の第2の実施の形態の共振器型SAWフィルタ120の回路構成図および概略的な伝送特性図である。このSAWフィルタ120では、直列腕SAW共振子121のうちの少なくとも1個については、図2(A)を参照して既に説明したと同様に、すだれ状電極と反射器との距離tを(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ の範囲としてある。しかも、直列腕SAW共振子121のうちの少なくとも1個については、そのすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してある。そのようにしない直列腕SAW共振子が残っている場合は、それらは距離tがλ /2のSAW共振子とする。なお、距離tを(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ の範囲とすることと、30〜80%の重み付けをすることを、ある直列腕SAW共振子に対しそれぞれ実施しても良いし、あるSAW共振子に対しては距離tの工夫のみを実施し、別のSAW共振子には重み付けのみを実施するというように、別々の直列腕SAW共振子に対し実施しても良い。いずれをとるかは設計に応じ決めることが出来る。後に、同じ直列腕共振子に対し、距離tを(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ の範囲とすることと、30〜80%の重み付けをすることとを、実施した例(図21に示す例)説明する。また、第1の実施の形態と同様に、すべての並列腕SAW共振子123は、すだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してある。
【0048】
直列腕SAW共振子121のうちの少なくとも1個について、そのすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対し、アポダイズ法に従う重み付けを実施したフィルタでは、詳細な理由および特性は後述するが、図20(B)に概略的に示した伝送特性図のように、通過域における高域側のリップルRH を抑制することができる。また、該1の実施の形態で説明したことであるが、すべての並列腕SAW共振子123に対する重み付けにより、通過域における低域側のリップルRL を抑制することができる。よって、この第2の実施の形態のフィルタ120では、第1の発明の効果に加え、通過域における低域側のリップルRL および高域側のリップルRH 双方も抑制できる。以下、(a) 直列腕SAW共振子に対しての重み付けの具体例、(b) 重み付けを30〜80%とする根拠について順に説明する。
【0049】
2−2−1.直列腕SAW共振子での重み付け
直列腕SAW共振子に実施するアポダイズ法に従う重み付けの具体例について図21を参照して説明する。図21の例の場合、すだれ状電極を構成している電極指33aのうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けであって菱形の重み付けを実施してある。すなわち、すだれ状電極33の両端から、全電極指数の15〜40%ずつの電極指に対し中央に向かうに従い交差長が長くなるように重み付けをしてある。なお、すだれ状電極の両端に設ける反射器35は、すだれ状電極の両端からλ/2の距離を隔てて(図21(B)参照)設けてある。この図21の特に(A)図において略二等辺三角形状の破線で囲まれる領域内が重み付けにより出来たSAW励振領域131a,131bであり、直角三角形状の破線で囲まれる領域それぞれはダミー領域133a〜133dである。ダミー領域といえど、この領域中の電極指部分は実質的に反射器として機能する。その理由は第1の実施の形態において図11を参照して説明した理由と同じであるので、図21(C)中にSAWの反射を135として示すのみで、説明は省略する。ただし、この第2の実施の形態では重み付けされた電極指を次のように工夫してある。これを特に図21(C)を参照して説明する。ここで図21(C)は図21(A)に示したSAW共振子のs部分の拡大図である。図21(C)においてI−I線を境にその上側の電極指部分131x,131y,131zそれぞれはSAW励振領域131a内のもの、I−I線を境にその下側の電極指部分133x,133y,133zはダミー領域133d内のものである。
【0050】
重み付けされた各電極指において、それらのSAW励振領域内に所属する電極指部分同士は従来同様λ/2ピッチで配置された構造となっている。またダミー領域内に所属する電極指部分同士も従来同様λ/2ピッチで配置された構造となっている。しかし、電極指部分131xと電極指部分133xとの関係、電極指部分131yと電極指部分133yとの関係、電極指部分131zと電極指部分133zとの関係から分かるように、SAW励振領域に所属する電極指部分とダミー領域に所属する電極指部分との位置関係を、電極指の並ぶ方向に沿って、相対的に0.05λ〜0.31λの範囲の任意の値分ずらしてある。従って、電極指の配置方向に沿っての、電極指部分131xと電極指部分133xとの距離(間隔)など(図21(B)中のt1)は、0.05λ〜0.31λの範囲の任意の同値になる。しかも、電極指部分131xと電極指部分133x、電極指部分131zと電極指部分133zのように、同一電極指のそれぞれ一部ずつがSAW励振領域或はダミー領域に所属する電極指は、境界線I−Iのところで電極指の一部が鍵状の形状になる。これらのことから、例えばある電極指と、これに対しては反射器として機能する電極指(例えば電極指部分131xと電極指部分133y)との距離tは、λ/2+0.05λ〜λ/2+0.31λ、すなわち0.55λ〜0.81λとなる。このことから分かるように、従来の正規型のSAW共振子において距離tを(n/2+0.55)λ〜(n/2+0.81)λとした場合と、30〜80%の重み付けをしたSAW共振子とでは同じ反射条件となり同じ反射効果がある。
【0051】
2−2−2.重み付けを30%〜80%とする根拠
次に、梯型回路構成の共振器型SAWフィルタにおいて、それに備わる直列腕SAW共振子のうちの少なくとも1個の直列腕SAW共振子のすだれ状電極に30〜80%の重み付けをするのが良い理由について説明する。
【0052】
このため、正規型でかつ距離tがλ/2のSAW共振子(例えば図2(B)参照)におけるすだれ状電極の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを0〜100%の範囲で種々に違えたSAW共振子を構成し、そしてこれらの伝送特性および反射特性をそれぞれ調べる。ここでは、重み付けなし(0%)、重み付け33%、重み付け50%、重み付け83%、重み付け100%の5水準とした5つのSAW共振子を用いる。また、それぞれのSAW共振子について直列腕接続した状態(図22(C)の状態)での伝送特性および反射特性を調べる。ただし、重み付けは図21に例示したと同様、すだれ状電極の両端から菱形状に行う。また、各SAW共振子のすだれ状電極は、アルミニウム、または銅、またはシリコンを数%含むアルミニウム合金で構成する。さらにすだれ状電極は、その電極対数が120、交差長が100μm、静電容量C が4.80pFのものとする。この静電容量C は、基板として36°回転Y板LiTaO を用い、かつ、単位長、単位対当たりの静電容量を4×10 pFとし、
=(対(つい)数)×(交差長)×(単位長、単位対当たり静電容量)
の式で計算した。この静電容量C の算出法は、例えば文献II(信学技報US95−25,EMD95−21,CPM95−33(1995−07),p42) に説明されているものである。
【0053】
重み付けなしのSAW共振子の伝送特性を図22(A)にまたその反射特性を図22(B)に示した。また、重み付けを33%としたSAW共振子の伝送特性を図23(A)にまたその反射特性を図23(B)に示した。また、重み付けを50%としたSAW共振子の伝送特性を図24(A)にまたその反射特性を図24(B)に示した。また、重み付けを83%としたSAW共振子の伝送特性を図25(A)にまたその反射特性を図25(B)に示した。また、重み付けを100%としたSAW共振子の伝送特性を図26(A)にまたその反射特性を図26(B)に示した。いずれの反射特性もスミスチャートで示している。高次モードに起因するスプリアスの変化はスミスチャートで見たほうが分かり易いからである。また、各伝送特性および反射特性では、特性中に出現している減衰極、スプリアスに、マーカーM1〜M4(M4は図25以降)を付してある。ここで、マーカーM1で示される減衰極は、SAW共振子の***振周波数に起因する減衰極である。マーカーM2で示されるスプリアスは高次モードに起因するスプリアスである。この高次モードによるスプリアスは反射特性上(スミスチャート上)ではマーカーM2付近の不連続なへこみの点に対応している。またマーカーM3で示されるスプリアスは、***振周波数による減衰極の周波数位置から20MHz低い周波数位置にあり、この周波数位置はSAW共振子を梯型回路構成した800MHz帯の共振器型SAWフィルタでは通過帯域の高周波数端にあたる周波数である。また、表5に、マーカーM3の減衰量を示す。
【0054】
【表5】
Figure 0003614234
【0055】
図22〜図26の各特性を比較すると分かるように、重み付けの割合を増加してゆくと、反射特性(スミスチャート)上のマーカーM2付近の不連続なへこみがなくなっていく。詳細には、重み付けの割合が約30〜80%になると重み付けの効果が十分に現われるのでマーカーM2の高次モードのスプリアスが抑制されることが分かる。また、約80%以上の菱形重み付けを施すとマーカーM2以外に別のスプリアス(図25,図26のマーカーM4)が生じる。このスプリアスの周波数位置は、フィルタの通過帯域の中央付近になるだけでなくM4のリップルの影響によりM3の損失も増加するので、菱形重み付けを80%以上施したSAW共振子は、梯型構成の共振器型SAWフィルタの直列腕SAW共振子としては利用出来ない。
【0056】
これらのことから、すだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してあるSAW共振子によって、梯型構成の共振器型SAWフィルタの少なくとも1個の直列腕共振子を構成すると、フィルタの通過帯域中の高域側リップルRH (直列腕SAW共振子の高次モードに起因するスプリアス)を抑制出来ることが理解出来る。
【0057】
2ー3.第2発明の第3の実施の形態
上述の第1の実施の形態では、直列腕SAW共振子についての距離tと、並列腕共振子についての重み付けとを考慮し例を説明し、また、第2の実施に形態では、直列腕SAW共振子についての距離tと、並列腕共振子についての重み付けと、直列腕共振子についての重み付けとを考慮した例を説明した。しかし、この第2発明では、梯型構成の共振器型SAWフィルタの少なくも1個の直列腕共振子のすだれ状電極と反射器との距離tを(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ とし、かつ、少なくとも1個の直列腕共振子のすだれ状電極に30〜80%の重み付けを実施する構成をとっても良い。すなわち、第2の実施の形態の構成から、並列腕SAW共振子のすだれ状電極に対しての重み付けを行う構成を除いた構成をとっても良い。この場合は、減衰域の特性改善と、通過域中の高域側リップルRH の抑制とが図れる。
【0058】
上述の第2の発明の各実施の形態では、多段型の例について説明したが、この第2の発明は1段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにももちろん適用出来る。
【0059】
また、この第2の発明を多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタに適用する場合において、以下の様な構成をとる場合も上記の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0060】
先ず、2個以上の並列腕SAW共振子を含む多段フィルタ(2段T型は該当しない趣旨)においては、これら並列腕SAW共振子に対し実施する重み付けの割合が50%以上であれば、各並列腕SAW共振子ごとで重み付け割合が一部違っても互いに違っていても良い。
【0061】
また、2個以上の直列腕SAW共振子を含む多段フィルタ(2段π型は該当しない趣旨)において少なくとも2個の直列腕SAW共振子に対し重み付けを実施する場合は、重み付けの割合が30〜80%であれば、これら直列腕SAW共振子ごとで重み付け割合が一部違っても互いに違っていても良い。
【0062】
また、2個以上の直列腕SAW共振子を含む多段フィルタ(2段π型は該当しない趣旨)において少なくとも2個の直列腕SAW共振子に距離tの工夫と重み付けの工夫とをそれぞれ実施する場合は、重み付けの割合が30〜80%の範囲であればこれら直列腕SAW共振子ごとで重み付け割合が一部違っても互いに違っていても良く、また、SAW励振領域に所属する電極指部分とダミー領域に所属する電極指部分との相対的な位置ずれ距離(図21(C)中のt1)が0.05λ〜0.31λの範囲であればこれら直列腕SAW共振子ごとで該距離t1が一部違っても互いに違っていても良い。
【0063】
また、上述の実施の形態では、直列腕SAW共振子およびまたは並列腕SAW共振子に対しアポダイズ法であって重み付け軌跡が菱形になる方法で重み付けをした。しかし、重み付け軌跡が他の形になるように(例えばcosine状になるように)交差長に重み付けをするアポダイズ法であっても実施の形態と同様の効果が得られる。
【0064】
また、すだれ状電極および反射器を構成する金属材料を上記例示以外の他の金属に変えた場合、また、圧電基板の材料、使用周波数および通過帯域幅が上記例示以外のものであっても、すだれ状電極膜厚H/λとスプリアスとの条件は若干変化するが、この第2発明を適用出来、その場合も実施の形態と同様の効果が得られる。
【0065】
【発明の効果】
上述した説明から明らかなように、この発明の梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタによれば、これに備わる直列腕弾性表面波共振子におけるすだれ状電極と反射器との距離tを(n/2+0.55)λ 〜(n/2+0.81)λ の範囲の値としてある。このため、当該直列腕SAW共振子自体が、通過域より高域側に信号減衰用のポールを生じさせるようになる。そのため、高域側の減衰特性改善用のSAW共振子を特別に用いることなく、高域側の減衰特性の改善が図れる。したがって、高域側の減衰特性改善用のSAW共振子を用いていた場合に生じていた問題を解決できる。
【0066】
また、この発明の梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタであって、並列腕弾性表面波共振子およびまたは直列腕弾性表面波共振子のすだれ状電極に重み付けをさらに実施した構成のフィルタでは、該重み付けによりフィルタの通過域中のリップル発生を抑制できる。このため、高域側の減衰特性改善用のSAW共振子を特別に用いることなく、高域側の減衰特性の改善が図れ、しかも、フィルタの通過域特性をさらに改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の説明図であり、第1の発明に係るフィルタの回路構成を示した図である。
【図2】第1の発明の説明図であり、(A)は直列腕SAW共振子として用いたSAW共振子の説明図、(B)は並列腕SAW共振子として用いたSAW共振子の説明図である。
【図3】第1の発明の説明図であり、各SAW共振子の周波数についての設計法の説明図である。
【図4】第1の発明の説明図であり、距離tの好適範囲の説明図(その1)である。
【図5】第1の発明の説明図であり、距離tの好適範囲の説明図(その2)である。
【図6】第1の発明の説明図であり、距離tの好適範囲の説明図(その3)である。
【図7】第1の発明の実施例の説明図である。
【図8】第1の発明の比較例の説明図である。
【図9】第2の発明の説明図であり、第2の発明が解決しようとする課題の説明図である。
【図10】第2発明の第1の実施の形態の説明図である。
【図11】第2発明の第1の実施の形態の説明図であり、並列腕SAW共振子に重み付けを100%する場合の具体例の説明図である。
【図12】第2発明の第1の実施の形態の説明図であり、並列腕SAW共振子に重み付けを50%する場合の具体例の説明図である。
【図13】並列腕SAW共振子に対する重み付けを0%とした際の伝送特性および反射特性の説明図である。
【図14】並列腕SAW共振子に対する重み付けを33%とした際の伝送特性および反射特性の説明図である。
【図15】並列腕SAW共振子に対する重み付けを50%とした際の伝送特性および反射特性の説明図である。
【図16】並列腕SAW共振子に対する重み付けを83%とした際の伝送特性および反射特性の説明図である。
【図17】並列腕SAW共振子に対する重み付けを100%とした際の伝送特性および反射特性の説明図である。
【図18】第2発明第1実施形態の実施例1の説明図である。
【図19】第2発明の第1実施形態の実施例2の説明図である。
【図20】第2発明第2の実施の形態の説明図である。
【図21】第2発明第2の実施の形態の説明図であり、直列腕SAW共振子に重み付けをする場合の具体例の説明図である。
【図22】直列腕SAW共振子に対する重み付けを0%とした際の伝送特性および反射特性の説明図である。
【図23】直列腕SAW共振子に対する重み付けを33%とした際の伝送特性および反射特性の説明図である。
【図24】直列腕SAW共振子に対する重み付けを50%とした際の伝送特性および反射特性の説明図である。
【図25】直列腕SAW共振子に対する重み付けを83%とした際の伝送特性および反射特性の説明図である。
【図26】直列腕SAW共振子に対する重み付けを100%とした際の伝送特性および反射特性の説明図である。
【図27】課題の説明図である。
【符号の説明】
20:多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタ
21a〜21n:直列腕SAW共振子(少なくとも1個はt=0.55λ 〜0.81λ
23a〜23n:正規型の並列腕SAW共振子
33:すだれ状電極
33a:電極指
35:反射器
35a:金属スリットパタン
81:SAW(弾性表面波)励振領域
83a〜83d:ダミー領域
81x〜81z:SAW励振領域内の(SAW励振領域に所属する)電極指部分
83x〜83z:ダミー領域内の(ダミー領域に所属する)電極指部分

Claims (12)

  1. すだれ状電極と該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されている、1段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対し、アポダイズ法に従う重み付けを実施してあり、しかも、該重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値だけ相対的にずれた構造のものとしてあること
    を特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子については、前記重み付けの程度によって前記反射器を具えない場合があっても良い。)。
  2. すだれ状電極と該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されている、1段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対し、アポダイズ法に従う重み付けを実施してあり、しかも、該重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値だけ相対的にずれた構造のものとしてあり、
    並列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対し、アポダイズ法に従う重み付けを実施してあることを特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子それぞれについては、前記重み付けの程度によって前記反射器を具えない場合があっても良い。)。
  3. すだれ状電極と、該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されている、多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    少なくとも1個の直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してあり、しかも、該共振子における前記重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値だけ相対的にずれた構造のものとしてあること
    を特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子については、前記重み付けの程度によってはすだれ状電極両側の反射器を具えない場合があっても良い。)。
  4. すだれ状電極と、該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されていて、かつ、2個以上の直列腕弾性表面波共振子を含む、多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    少なくとも2個の直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けをそれぞれ実施してあり、しかも、これら共振子ごとの前記重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値であって各共振子に共通な値だけ相対的にずれた構造のものとしてあること
    を特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子については、前記重み付けの程度によってはすだれ状電極両側の反射器を具えない場合があっても良い。)。
  5. すだれ状電極と、該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されていて、かつ、2個以上の直列腕弾性表面波共振子を含む、多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    少なくとも2個の直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けをそれぞれ実施してあり、しかも、これら共振子ごとの前記重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値だけ(ただし一部の共振子については他の共振子と異なる値とする)相対的にずれた構造のものとしてあること
    を特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子については、前記重み付けの程度によってはすだれ状電極両側の反射器を具えない場合があっても良い。)。
  6. すだれ状電極と、該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されていて、かつ、2個以上の直列腕弾性表面波共振子を含む、多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    少なくとも2個の直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けをそれぞれ実施してあり、しかも、これら共振子ごとの前記重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値であって各共振子ごとで異なる値だけずれた構造のものとしてあること
    を特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子については、前記重み付けの程度によってはすだれ状電極両側の反射器を具えない場合があっても良い。)。
  7. すだれ状電極と、該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されている、多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    少なくとも1個の直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してあり、しかも、該共振子における前記重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値だけ相対的にずれた構造のものとしてあり、
    すべての並列腕弾性表面波共振子におけるすだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してあること
    を特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子それぞれについては、前記重み付けの程度によって前記反射器を具えない場合があっても良い。)。
  8. すだれ状電極と、該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されていて、かつ、2個以上の直列腕弾性表面波共振子を含む、多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    少なくとも2個の直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けをそれぞれ実施してあり、しかも、これら共振子ごとの前記重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値であって各共振子に共通な値だけ相対的にずれた構造のものとしてあり、
    すべての並列腕弾性表面波共振子におけるすだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してあること
    を特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子それぞれについては、前記重み付けの程度によって前記反射器を具えない場合があっても良い。)。
  9. すだれ状電極と、該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されていて、かつ、2個以上の直列腕弾性表面波共振子を含む、多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    少なくとも2個の直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けをそれぞれ実施してあり、しかも、これら共振子ごとの前記重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値だけ(ただし一部の共振子については他の共振子と異なる値とする)相対的にずれた構造のものとしてあり、
    すべての並列腕弾性表面波共振子におけるすだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してあること
    を特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子それぞれについては、前記重み付けの程度によって前記反射器を具えない場合があっても良い。)。
  10. すだれ状電極と、該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されていて、かつ、2個以上の直列腕弾性表面波共振子を含む、多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    少なくとも2個の直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けをそれぞれ実施してあり、しかも、これら共振子ごとの前記重み付けした各電極指は、該重み付けで生じた弾性表面波励振領域内に所属する電極指部分とダミー領域内に所属する電極指部分との位置関係が電極指の並ぶ方向に沿って0.05λ1 〜0.31λ1 の範囲のいずれかの値であって各共振子ごとで異なる値だけずれた構造のものとしてあり、
    すべての並列腕弾性表面波共振子におけるすだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してあること
    を特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子それぞれについては、前記重み付けの程度によって前記反射器を具えない場合があっても良い。)。
  11. すだれ状電極と、該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されていて、かつ、2個以上の直列腕弾性表面波共振子を含む、多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    少なくとも1個の直列腕弾性表面波共振子については前記距離tを(n/2+0.55)λ1 〜(n/2+0.81)λ1 の範囲のいずれかの値としてあり、
    距離tを前記範囲のいずれかの値とした直列腕弾性表面波共振子とは別の少なくとも1個の直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けをそれぞれ実施してあること
    を特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、nは0または任意の正の整数であり、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また前記直列腕弾性表面波共振子については、前記重み付けの程度によって前記反射器を具えない場合があっても良い。)。
  12. すだれ状電極と、該すだれ状電極の両側に距離tを隔ててそれぞれ設けられた反射器とを具える弾性表面波共振子により、直列腕弾性表面波共振子および並列腕弾性表面波共振子がそれぞれ構成されていて、かつ、2個以上の直列腕弾性表面波共振子を含む、多段梯型回路構成の共振器型弾性表面波フィルタにおいて、
    少なくとも1個の直列腕弾性表面波共振子については前記距離tを(n/2+0.55)λ1 〜(n/2+0.81)λ1 の範囲のいずれかの値としてあり、
    距離tを前記範囲のいずれかの値とした直列腕弾性表面波共振子とは別の少なくとも1個の直列腕弾性表面波共振子についてはすだれ状電極を構成している電極指のうちの30〜80%の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けをそれぞれ実施してあり、
    すべての並列腕弾性表面波共振子におけるすだれ状電極を構成している電極指のうちの50%以上の電極指に対しアポダイズ法に従う重み付けを実施してあること
    を特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ(ただし、nは0または任意の正の整数であり、λ1 は前記直列腕弾性表面波共振子で励振される弾性表面波の波長である。また、前記直列腕弾性表面波共振子および並列腕共振子それぞれについては、前記重み付けの程度によって前記反射器を具えない場合があっても良い。)。
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