JP3605392B2 - 表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置及びその製造方法に関し、一層詳細には、所望の輝度で確実に発光する表示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数個の表示装置が導光板上に配列されてなる大画面ディスプレイの一例を図38に示す。この大画面ディスプレイ100は、直視型で薄型・高輝度・広視野角等の特徴を有している。ガラスやアクリル樹脂等からなる導光板102の一面(背面)に、後述する表示装置10が縦方向及び横方向にそれぞれ複数個配列されており、薄型の大画面ディスプレイを構成している。表示装置10の配列を任意に変更することで、通常の長方形のディスプレイのほかにも、横長あるいは縦長、円形状など様々な形状の画面を形成することができる。また、導光板を湾曲させておけば、曲面ディスプレイを形成することもできる。
【0003】
表示装置10の概略断面を図39に示す。この表示装置10は、アクチュエータ基板12と、光導波板14と、両者の間に介在された複数個の桟16とを有している。光導波板14と桟16とは、接着剤17を介して互いに接合されている。また、アクチュエータ基板12は、複数個の桟16に囲繞される位置に、該アクチュエータ基板12側又は光導波板14側へ指向して変位可能なアクチュエータ部18を有している。このアクチュエータ部18と、該アクチュエータ部18上に設けられた画素構成体20とにより、単位ドット22が構成される。表示装置10においては、後述するように、この単位ドット22が複数個設けられている。
【0004】
単位ドット22は、具体的には以下のように構成されている。即ち、アクチュエータ部18が備えられた位置に対応するアクチュエータ基板12の内部には、空所24が形成されている。従って、アクチュエータ基板12のアクチュエータ部18が備えられた箇所は、他の箇所に比して肉厚が薄くなっている(以下、この部分を薄肉部12aという)。
【0005】
このアクチュエータ部18は、圧電/電歪体材料又は反強誘電体材料からなる形状保持層26と、該形状保持層26の下面に設けられたカラム電極28と、アクチュエータ基板12の下面から該アクチュエータ基板12に設けられたスルーホール13を介して形状保持層26の側面及び上面にかけて形成されたロー電極30とを備えてなる。
【0006】
また、アクチュエータ部18上に形成された画素構成体20は、白色散乱体層32と、色フィルタ層34と、透明層36の積層体である。そして、後述するように、画素構成体20が光導波板14に当接した際に、該光導波板14の内部を導波してきた光38を反射する。この場合、光38は、色フィルタ層34の色に応じた色に着色されて光導波板14の外部へと放出される。これにより、単位ドット22が、色フィルタ層34に応じた色で発光を起こす。
【0007】
従って、色フィルタ層34の色を単位ドット22ごとに異ならせ、ある単位ドット22では赤、別の単位ドット22では緑、また別の単位ドット22では青の発光が得られるようにすれば、表示装置10全体では光の三原色を備えるようになるので、該表示装置10は全ての色を発光することができる。以下、赤色の発光を起こす単位ドット22が1個以上並設されてなる群をレッドドットといい、その参照符号を22Rとする。同様に、緑色、青色の発光を起こす単位ドットが1個以上並設されてなる群を、それぞれ、グリーンドット(参照符号は22G)、ブルードット(参照符号は22B)という。
【0008】
通常、図40に示されるように、レッドドット22R、グリーンドット22G及びブルードット22Bは並設され、これらによって1個の画素40が構成される。表示装置10は、このような画素40を複数個有しており、レッドドット22R、グリーンドット22G及びブルードット22Bの発光状態に応じて、様々な色を表示する。その結果、大画面ディスプレイ100の導光板102に画像が表示される。
【0009】
以上のような構成の表示装置10において、図39に示すように、画素構成体20(透明層36)の上端面が光導波板14に当接する際には、該光導波板14の内部を導波してきた光38は、透明層36及び色フィルタ層34を透過した後、白色散乱体層32により反射され、散乱光42として光導波板14の外部へと放出される。その結果、表示装置10は、色フィルタ層34に対応する色で発光を起こす。
【0010】
そして、カラム電極28とロー電極30との間に電圧を印加すると、例えばカラム電極28が正極である場合は、カラム電極28からロー電極30へ指向する電場が生じ、その結果、形状保持層26中において分極が誘起され、該形状保持層26にカラム電極28へ指向する歪みが生じる。この歪みによって、図41に示すように、アクチュエータ部18が屈曲変形し、該アクチュエータ部18全体が下方へ変位して、画素構成体20の上端面が光導波板14から離間する。この場合、光38は、画素構成体20により反射されることなく光導波板14の内部を導波する。従って、光38が光導波板14の外部へと放出されることはない。即ち、この場合、表示装置10は消光状態となる。
【0011】
両電極28、30の電位差が小さくなるように印加電圧を変化させると、形状保持層26の歪みはヒステリシス的に除去される。即ち、形状保持層26の歪みは、カラム電極28とロー電極30との電位差が減少し始めた当初はほとんど除去されない。そして、更に電位差が減少すると、歪みは急激に除去され、最終的に、画素構成体20の上端面が再び光導波板14に当接して表示装置10が発光状態となる(図39参照)。
【0012】
以上から諒解されるように、カラム電極28とロー電極30との間の電位差を調整することにより、表示装置10の輝度や発光色を調整できると共に、表示装置10を発光状態から消光状態へ、又は、消光状態から発光状態へと切り換えることができる。
【0013】
表示装置10の発光状態又は消光状態は、導光板102の表示装置10が配列された面とは別の面(主面)に全て表示される。即ち、大画面ディスプレイ100においては、この主面が表示画面として機能する。
【0014】
表示装置10は、例えば、以下のようにして製造されている。まず、安定化酸化ジルコニウム等からなる平板上に、安定化酸化ジルコニウム等からなる切片板を複数個載置し、更に該切片板上に安定化酸化ジルコニウム等からなる薄肉平板を載置する。
【0015】
この状態で焼成処理してこれらを互いに接合することにより、空所24及び薄肉部12aを有するアクチュエータ基板12が得られる。なお、アクチュエータ基板12の下面から空所24に至る貫通孔12bを焼成処理前に予め設けておくことにより、焼成処理による基板12の変形を抑制することができる。焼成処理を行っている間に、空所24となる空隙内のガスが膨張しても、その膨張分は貫通孔12bを介して外部へと排出されるからである。
【0016】
なお、スルーホール13は、前記した平板、切片板及び薄肉平板のそれぞれに予め設けられたスルーホール同士を重ね合わせることにより、又は、焼成処理後の基板12に貫通孔を設けることにより形成される。
【0017】
次いで、カラム電極28、形状保持層26及びロー電極30をこの順序で、フォトリソグラフィ法、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相蒸着(CVD)法、あるいはめっき等の膜形成法によって形成し、アクチュエータ基板12上にアクチュエータ部18を設ける。
【0018】
次いで、このアクチュエータ部18を囲繞するように、桟16の前駆体を形成する。即ち、アクチュエータ部18を囲繞するように、熱硬化性樹脂をアクチュエータ基板12上に析出させる。そして、桟16の前駆体の上端面に接着剤17を塗布する。
【0019】
次いで、白色散乱体層32の前駆体、色フィルタ層34の前駆体及び透明層36の前駆体をこの順序でアクチュエータ部18上に形成する。これにより、画素構成体20の前駆体が得られる。これらの各前駆体もまた、上述した膜形成法により形成することができる。
【0020】
次いで、光導波板14を桟16の前駆体及び画素構成体20の前駆体の上端面に載置し、光導波板14の上面及び基板12の下面の双方から押圧する。
【0021】
この状態で全体を加熱処理することにより、桟16の前駆体、接着剤17及び画素構成体20を同時に硬化させる。この硬化に伴い、桟16及び画素構成体20が形成されると共に、桟16が接着剤17を介して光導波板14に接合され、かつ画素構成体20がアクチュエータ部18上に接合されて、単位ドット22(表示装置10)が完成されるに至る。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、桟16の前駆体や画素構成体20の前駆体は、加熱処理の際にそれぞれ若干の収縮を伴う。無論、それぞれの前駆体の高さや加熱処理条件は、この収縮分が考慮された上で、桟16や画素構成体20が所望の寸法となるように設定されている。
【0023】
しかしながら、各前駆体の析出高さや加熱処理条件が上記したように設定された場合であっても、画素構成体20の寸法が不足することがある。このような事態が発生すると、表示装置10を発光状態にしようとしても、画素構成体20の上端面と光導波板14との間に間隙が生じ、単位ドット22の輝度が低くなる。即ち、所望の輝度が得られなくなる。
【0024】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、表示装置が発光する際に画素構成体を光導波板に確実に当接させることが可能であり、このため、発光の際の輝度を所望のものとすることができる表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表示装置は、アクチュエータ部を有するアクチュエータ基板と、光導波板と、前記光導波板と前記アクチュエータ基板との間に介在されて、かつ、前記アクチュエータ部を囲繞する桟と、前記アクチュエータ部上に接合された画素構成体とを具備し、無負荷状態である際に、前記画素構成体が前記光導波板に近接していることを特徴とする。
【0026】
このような構成とすることにより、表示装置の使用に伴って画素構成体が収縮を起こした場合であっても、発光状態において画素構成体と光導波板との間に大きな間隙が生じることが回避され、輝度の低下を抑えることができる。
【0027】
なお、ここでいう無負荷状態とは、アクチュエータ部が駆動源によって付勢されていない状態のことを意味する。勿論、駆動源はアクチュエータ部を付勢するものであり、電源や熱機関、流体等が例示される。
【0028】
近接とは、無負荷状態での画素構成体と光導波板との距離が駆動状態で前記画素構成体と前記光導波板とが離間する距離の30%以下であることを指す。好ましくは、10%以下である。
【0029】
また、アクチュエータ部は、主に電圧印加によって駆動されるが、前記画素構成体と前記光導波板とを離間させるために印加する電圧とは逆極性の電圧を印加することで、画素構成体を光導波板に押接させることができる。
【0030】
特に、無負荷状態である際に、前記画素構成体が前記光導波板に押接させるようにすれば、表示装置の使用に伴って画素構成体が収縮を起こした場合であっても、発光状態において画素構成体と光導波板との間に間隙が生じることが回避され、表示装置を所望の輝度で確実に発光させることができる。
【0031】
なお、画素構成体のうち、光導波板に対向する面に、画素構成体の光導波板に対する離隔性を向上させる目的で接着抑制剤を充填するなどの処理を行うことが好ましい。これにより、応答性の高速化と高輝度の両立を図ることが可能となり、しかも、画素構成体と光導波板間の距離を容易に制御することも可能となる。
【0032】
なお、無負荷状態である際の画素構成体の光導波板への押接は、例えば、前記画素構成体がアクチュエータ部によって前記光導波板側に付勢されることによって実現される。この場合、画素構成体を光導波板に押接させるための装置を必要としないので、表示装置の製造コストの上昇を招くことがない。また、アクチュエータ部が光導波板側へ指向して変位するように該アクチュエータ部を付勢する等して画素構成体を光導波板に押接させる必要もない。従って、アクチュエータ部の動作誤差が減少するので信頼性が向上する。しかも、消費電力や消費燃料の量が減少するので、表示装置の駆動コストを低減することができる。
【0033】
また、本発明に係る表示装置の製造方法は、アクチュエータ部を有するアクチュエータ基板又は光導波板のいずれか一方に前記アクチュエータ部を囲繞する桟前駆体を形成する工程と、前記アクチュエータ部上又は前記光導波板上のいずれか一方に画素構成体前駆体を形成する工程と、前記桟前駆体あるいは該桟前駆体が硬化されることにより形成された桟と前記画素構成体前駆体とを介して前記アクチュエータ基板と前記光導波板とを互いに接合する工程と、前記アクチュエータ部上の前記画素構成体前駆体を硬化させて画素構成体とする工程と、桟前駆体を硬化させて桟とする工程とを備え、前記画素構成体前駆体硬化工程を行う際、前記アクチュエータ部を変位させると共に、前記画素構成体前駆体を前記光導波板に当接させた状態で硬化させることを特徴とする。
【0034】
アクチュエータ部を変位させることにより、画素構成体前駆体が光導波板に押圧される。この状態の画素構成体前駆体が硬化されてなる画素構成体は、表示装置が発光する際、光導波板に近接又は接触あるいは押接するようになる。特に、画素構成体のうち、光導波板と対向する面に例えば接着抑制剤を介在させた場合においては、接着抑制剤と光導波板とが接触あるいは発光を阻害しない程度の微小な隙間が形成される程度に、前記画素構成体が光導波板に近接又は接触あるいは押接することとなる。
【0035】
この場合、前記桟前駆体硬化工程を前記画素構成体前駆体硬化工程より先に行うことが好ましい。光導波板が確実に位置決めされるので、光導波板で画素構成体前駆体を確実に押圧させることができるようになる。
【0036】
なお、画素構成体前駆体を光導波板上に形成した場合には、接合工程において画素構成体前駆体をアクチュエータ部上に接合すればよい。
【0037】
ここで、電圧が印加されることによりアクチュエータ部が変位するものである場合、電圧を印加することにより該アクチュエータ部を変位させることが好ましい。印加電圧を設定することによってアクチュエータ部の変位量を簡便かつ精密に調整することができる。
【0038】
また、本発明に係る表示装置の製造方法は、アクチュエータ部を有するアクチュエータ基板の前記アクチュエータ部上に画素構成体前駆体を形成する工程と、前記アクチュエータ基板又は光導波板のいずれか一方に前記アクチュエータ部を囲繞する桟前駆体を形成する工程と、前記桟前駆体と前記画素構成体前駆体あるいは該画素構成体前駆体が硬化されることにより形成された画素構成体とを介して前記アクチュエータ基板と前記光導波板とを互いに接合する工程と、前記画素構成体前駆体を硬化させて画素構成体とする工程と、前記桟前駆体を硬化させて桟とする工程とを備え、前記桟前駆体が硬化することに伴って収縮することにより前記画素構成体を前記光導波板に押接させることを特徴とする。
【0039】
この場合、画素構成体がアクチュエータ部上に確実に形成されるので、得られた表示装置においては、画素構成体が確実に光導波板に接触又は離間する。
【0040】
更に、本発明に係る表示装置の製造方法は、アクチュエータ部を有するアクチュエータ基板又は光導波板のいずれか一方に前記アクチュエータ部を囲繞する桟前駆体を形成する工程と、前記光導波板に画素構成体前駆体を形成する工程と、前記桟前駆体と前記画素構成体前駆体とを介して前記アクチュエータ基板と前記光導波板とを互いに接合すると共に、前記画素構成体を前記アクチュエータ部上に配置する工程と、前記アクチュエータ部上の前記画素構成体前駆体を硬化させて画素構成体とする工程と、前記桟前駆体を硬化させて桟とする工程とを備え、前記桟前駆体が硬化することに伴って収縮することにより前記画素構成体を前記光導波板に押接させることを特徴とする。
【0041】
この製造方法においては、光導波板側に画素構成体を形成するので、画素構成体同士の端面の面積を一定に揃え易い。
【0042】
これらの製造方法では、桟前駆体が硬化することに伴って収縮することにより画素構成体が光導波板に押接されるようになるので、無負荷状態である際に、画素構成体を光導波板に確実に押接するようになる。
【0043】
いずれの場合においても、画素構成体前駆体硬化工程においてアクチュエータ部を変位させ、光導波板で画素構成体前駆体を当接させた状態で該画素構成体前駆体の硬化を行うことが好ましい。また、桟前駆体硬化工程においてアクチュエータ部を変位させ、光導波板で画素構成体を当接させた状態で該桟前駆体の硬化を行うことが好ましい。表示装置の発光時に、画素構成体の上端面が光導波板に一層確実に接触するようになる。
【0044】
そして、アクチュエータ部が上記したように電圧が印加されることにより変位するものである場合、電圧を印加することにより該アクチュエータ部を変位させればよい。
【0045】
更にまた、本発明に係る表示装置の製造方法は、アクチュエータ部を有するアクチュエータ基板又は光導波板のいずれか一方に前記アクチュエータ部を囲繞する桟を形成する工程と、前記アクチュエータ部上又は前記光導波板上のいずれか一方に画素構成体前駆体を形成する工程と、前記桟と前記画素構成体前駆体とを介して前記光導波板と前記アクチュエータ基板とを互いに接合する工程と、前記アクチュエータ部上の前記画素構成体前駆体を硬化させて画素構成体とする工程とを備え、前記画素構成体前駆体硬化工程を行う際、前記アクチュエータ部を変位させると共に、前記画素構成体前駆体を前記光導波板に当接した状態で硬化させることを特徴とする。
【0046】
この製造方法は、セラミックス製の柱状部材又は柱状部位からなる桟を形成する場合に採用される。この製造方法においても、アクチュエータ部が変位されることにより、画素構成体前駆体が光導波板に当接されながら硬化されるので、この状態の画素構成体前駆体が硬化されてなる画素構成体が、表示装置が発光する際に、光導波板を確実に接触するようになる。
【0047】
この場合も、画素構成体前駆体を光導波板上に形成した場合には、接合工程において画素構成体前駆体をアクチュエータ部上に接合すればよい。
【0048】
更にまた、本発明に係る表示装置の製造方法は、アクチュエータ部を有するアクチュエータ基板の前記アクチュエータ部上に画素構成体の一部の前駆体を形成した後、硬化させて画素構成体の一部を形成する工程と、前記アクチュエータ基板に前記アクチュエータ部を囲繞する桟前駆体を形成する工程と、前記桟前駆体の上面を規定した後、前記桟前駆体を硬化して桟とする工程と、前記アクチュエータ基板上の前記画素構成体の一部の上に前記画素構成体の他の一部の前駆体を形成する工程と、前記桟と前記画素構成体前駆体とを介して光導波板と前記アクチュエータ基板とを互いに接合する工程と、前記アクチュエータ部上の前記画素構成体の他の一部の前駆体を硬化させて画素構成体とする工程とを備える。
【0049】
この場合、前記桟の形成工程において、前記画素構成体の一部を面出し用板材に当接させた状態で前記桟前駆体を硬化させることが好ましい。
【0050】
なお、上記した各製造方法においては、前記桟前駆体、前記桟、前記アクチュエータ基板、前記光導波板又は該光導波板上に形成された光遮蔽層のいずれかに接着剤を塗布する接着剤塗布工程を行い、前記接着剤を硬化させることにより前記桟前駆体あるいは前記桟と前記画素構成体前駆体あるいは前記画素構成体を介して前記アクチュエータ基板と前記光導波板を互いに接合するようにしてもよい。
【0051】
更に、前記接合工程より先に前記光導波板の表面に付着した有機物を除去する有機物除去工程を行うことが好ましい。画素構成体前駆体が光導波板に接着されてしまうことを回避することができ、アクチュエータ部が変位した際に、画素構成体と光導波板とを確実に離間又は当接させることができる。有機物を除去する方法の例としては、光導波板の洗浄処理又は有機物の灰化処理を挙げることができる。
【0052】
添付した図面と協同する次の好適な実施の形態例の説明から、上記の目的及び他の目的、特徴及び利点がより明らかになるであろう。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る表示装置につき好適な実施の形態を挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、図38〜図41に示される構成要素と対応する構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図1に、本実施の形態に係る表示装置50が備える単位ドット52の概略断面図を示す。この表示装置50は、アクチュエータ部18を有するアクチュエータ基板12と、光導波板14と、フィラー54を含有する樹脂硬化物からなり、アクチュエータ基板12と光導波板14との間に介在された桟56と、アクチュエータ部18上に接合された画素構成体58とを具備している。
【0055】
また、この表示装置50においては、桟56と光導波板14との間に光遮蔽層60が介在されており、該光遮蔽層60は、フィラー62を含有するフィラー含有接着剤64を介して桟56に接合されている。そして、画素構成体58の上端面には、接着抑制剤66が塗布されている。従って、接着抑制剤66を含めて前記画素構成体58が構成されることになる。
【0056】
桟56は、図2に示すように、アクチュエータ部18の4方の隅角部の外側に形成されており、これにより該アクチュエータ部18を囲繞している。又は、図3に示すように、アクチュエータ基板12のアクチュエータ部18以外の箇所を全て被覆するように形成されていてもよい。
【0057】
この桟56の構成は、フィラー54を含有する樹脂硬化物からなるという点を除き、上述した表示装置10の桟16の構成に準拠している。なお、樹脂硬化物としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、光硬化性樹脂、吸湿硬化性樹脂、常温硬化性樹脂等を硬化させたもの等が例示される。
【0058】
フィラー54を含有する桟56は、上記桟16に比して硬度が高く、かつ耐熱性や強度、寸法安定性が高い。また、表示装置50の内部温度上昇に伴う収縮量が桟16に比して著しく小さい。換言すれば、フィラー54を含有させることによって、樹脂硬化物の硬度や耐熱性、強度を向上させることができ、かつ、熱による膨張・収縮量を著しく減少させることができる。
【0059】
従って、表示装置50の内部温度が上昇した際にも、光導波板14と画素構成体20との接触又は離間が確実に行われる。このため、後述するように、単位ドット52(表示装置50)を確実に発光・消光させることができる。
【0060】
なお、フィラー54の好適な例としては、セラミックス、プラスチックあるいはガラス等の高強度物質を挙げることができる。このような高強度物質は、桟56の強度を向上させる。
【0061】
桟56の原材料である樹脂におけるフィラー54の割合は、0.1〜80重量%が好ましい。0.1重量%未満であると、硬度や耐熱性、強度を向上させる効果に乏しい。また、80重量%を超えると、樹脂の割合が低いので接着能が乏しくなる。より好ましいフィラー54の割合は、5〜50重量%である。
【0062】
また、フィラー54の大きさは、桟56の寸法にもよるが、0.1〜50μmであることが好ましい。0.1μm未満であると、硬度や耐熱性、強度を向上させる効果に乏しい。また、50μmを超えると、桟56の強度が低下することがある。
【0063】
画素構成体58の構成は、無負荷状態である際に該画素構成体58が光導波板14を押圧しているという点と、該画素構成体58の上端面に接着抑制剤66が形成されているという点を除き、上記単位ドット22における画素構成体20の構成に準拠している。即ち、この画素構成体58は、白色散乱体層32、色フィルタ層34、透明層36及び接着抑制剤66の積層体であり、該接着抑制剤66は透明層36の上端面に形成されている(図1参照)。
【0064】
そして、上記単位ドット22と同様に、アクチュエータ部18は、カラム電極28とロー電極30との間に電圧が印加されると、カラム電極28が例えば正極である場合、アクチュエータ基板12側に前記電圧レベルに応じて連続的に変位する。また、両電極28、30の電位差が小さくなるように印加電圧を変化させると、アクチュエータ部18は光導波板14側へ連続的に変位する。
【0065】
更に電圧を変化させ、ゼロを超えて電圧の極性が逆になると、アクチュエータ部18は、より一層、光導波板板14側へ変位する。なお、前記逆極性の電圧レベル(絶対値レベル)を上げていくと、アクチュエータ部18は、今度は、アクチュエータ基板12側へ変位することとなる。
【0066】
ここで、無負荷状態である際、画素構成体58は、薄肉部12aの弾性により光導波板14側に指向して付勢されており、これにより光導波板14に押接している。このため、光導波板14の内部を導波してきた光38が画素構成体58によって確実に反射され、散乱光42として光導波板14の外部へと放出される。従って、単位ドット52(表示装置50)を所望の輝度で発光させることができる。
【0067】
無負荷状態で画素構成体58が光導波板14に近接している場合、その距離は、駆動時に離間する距離の30%以下、距離にして1μm以下が望ましい。更に好ましくは、駆動時に離間する距離の10%以下、距離にして0.3μm以下である。この範囲ならば、離間の確実性と輝度の確保の両者を満足させることができる。
【0068】
画素構成体58(透明層36)の上端面に形成された接着抑制剤66は、画素構成体58の前駆体である画素構成体前駆体に予め塗布もしくは添加されたもの、あるいは光導波板14とアクチュエータ基板12とが接合され、画素構成体前駆体58aが硬化したのちに、添加されたものであり、後述するように、該画素構成体前駆体が光導波板14に接着することを抑制する。更に、表示装置50の発光時において画素構成体58が光導波板14に当接する際、両者が接着することを防止する。しかも、接着抑制剤66が介在されることによって画素構成体58と光導波板14との間隙が狭くなる。更には、接着抑制剤66が画素構成体58の上端面の凹凸による光導波板14との隙間を効果的に埋める。
【0069】
表示装置50が発光する際には、上記したようにアクチュエータ部18の付勢により画素構成体58が光導波板14に押接するが、両者の間隙が接着抑制剤66によって狭められているので、押接が一層起こり易くなる。このため、該表示装置50の輝度が向上する。即ち、表示装置50を所望の輝度で発光させることが一層容易となる。
【0070】
接着抑制剤66としては、光38を高効率で光導波板14から画素構成体58へ入射することができるという点から、屈折率が1.30〜1.70のものが好適であり、屈折率が1.38〜1.55のものがより好適である。これは、光導波板14として、安価で簡便に利用することができる透明なガラスやアクリルの屈折率と近く、光38をより高効率で光導波板14から画素構成体58へ入射させることができるからである。
【0071】
画素構成体前駆体の光導波板14への接着抑制能に優れ、かつ屈折率が上記したような範囲であるものとしては、シリコーン系の物質(液状、グリース状、ゴム状、樹脂状等)、特に、シリコーンオイル単体、もしくはそれを主とした混合物を例示することができる。
【0072】
具体的には、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、シリコーングリース、シリコーンオイルコンパウンド又はこれらの混合物等が挙げられる。
【0073】
特に、シリコーンオイルであるジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、変性シリコーンオイルであるメチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、末端反応性シリコーンオイル、シリコーンオイルコンパウンドであるメチルハイドロジエンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサンは、接着抑制能に優れるので好適である。
【0074】
とりわけ、上記したような各シリコーンオイルとシリコーングリースとの混合物からなる接着抑制剤66を使用した場合、シリコーングリースがシリコーンオイルを把持し、このためにシリコーンオイルが光導波板14に付着することや、画素構成体58の上面から流出して減少するということが回避され、その結果、光導波板14を導波してきた光38が高効率で画素構成体58に入射されるようになるので好適である。
【0075】
接着抑制剤66は、画素構成体前駆体58aに添加するようにしてもよい。このようにすると、接着抑制剤66は、画素構成体前駆体58aが硬化する際に、接着抑制剤66の一部が画素構成体58から分離して光導波板14との界面に析出してくることとなる。この場合、接着抑制剤66の添加量を0.1〜50重量%とすることが好ましい。0.1重量%未満であると接着抑制能が乏しくなる。また、50重量%を超えると、この画素構成体前駆体を硬化する際に、画素構成体58に亀裂や空洞が発生することがある。また、アクチュエータ部18が下方へ変位しても単位ドット52が消光状態とならないことがある。より好ましい接着抑制剤66の添加量は、0.5〜10重量%である。
【0076】
これは、画素構成体のパターン形成段階で、パターニング性をより向上させると共に、多数存在する画素構成体が安定して効果(光導波板に付着しないという効果)を得られるからである。また、接着抑制剤を添加する場合、画素構成体を構成する層のうち、少なくとも光導波板に最も近い透明層に添加するのがより望ましい。
【0077】
この理由は、光導波板との界面に効果的に接着抑制剤を形成できるためである。接着抑制剤を透明層のみ添加する場合、添加量は、透明層に対して0.1〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%である。
【0078】
桟56にフィラー含有接着剤64を介して接合された光遮蔽層60は、Cr、Al、Ni、Ag等の光吸収能が低い金属や、カーボンブラック、黒顔料、黒染料を含有する樹脂、あるいは光散乱性の低い透明樹脂硬化物等からなる。このため、光導波板14を導波してきた光38のうち、光遮蔽層60に入射されたものが該光遮蔽層60や桟56の上端面に反射されることはない。即ち、光遮蔽層60はブラックマトリックスとして機能する。
【0079】
フィラー62が含有されたフィラー含有接着剤64は、上記した接着剤17に比して硬度や耐熱性、強度が高くなる。フィラー62の好適な例としては、セラミックス、プラスチックあるいはガラス等の高強度物質を挙げることができる。このような高強度物質は、光導波板14を確実に支持する。
【0080】
フィラー含有接着剤64におけるフィラー62の割合は、0.1〜50重量%であることが好ましい。0.1重量%未満であると、硬度や耐熱性、強度を向上させる効果に乏しい。また、50重量%を超えると、熱硬化性樹脂の割合が低いので接着能が乏しくなる。より好ましいフィラー62の割合は、5〜30重量%である。
【0081】
このフィラー62により、光導波板14と桟56とが確実に所定間隔離間される。即ち、単位ドット52を備える表示装置50の内部温度が上昇すると、フィラー含有接着剤64の硬化成分(樹脂)は収縮するが、フィラー62は収縮しない。従って、図1に示すように、光導波板14と桟56との間隔Dがフィラー62の大きさ以下となることはない。このため、光導波板14と画素構成体20とを確実に離間させることができ、単位ドット52を確実に消光させることができる。
【0082】
このことから諒解されるように、フィラー62は、球体であると好適である。即ち、光導波板14がフィラー62により確実に支持されるからである。この場合、粒径が略均等であることが望ましい。間隔Dが略一定幅に揃うようになるからである。また、フィラー62の直径は0.1〜10μmであることが好ましい。0.1μm未満であると、光導波板14と桟56とを離間させる効果に乏しく、50μmを超えると、フィラー含有接着剤64の接着強度が低下することがある。
【0083】
フィラー含有接着剤64の硬化成分(樹脂)は、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、吸湿硬化性樹脂、常温硬化性樹脂等を好適な例として挙げることができる。
【0084】
具体的には、アクリル系樹脂、変性アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、メタクリル系樹脂、変性メタクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、特殊シリコーン変性ポリマー、ポリカーボネート系樹脂、天然ゴム、合成ゴム等が例示される。
【0085】
特に、ビニルブチラール系樹脂、アクリル系樹脂、変性アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、あるいはこれらの2種以上の混合物は接着強度に優れるので好適であり、とりわけ、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、あるいはこれらの混合物が好適である。
【0086】
なお、図4に示すように、セラミックスからなる柱状部材により桟を構成してもよい。以下、この桟の参照符号を68とし、樹脂硬化物からなる桟56と区別する。また、桟68を有する表示装置の参照符号を70とし、その単位ドットの参照符号を72とする。
【0087】
上記した表示装置50、70は、例えば、以下に説明する第1〜第6の実施の形態に係る製造方法(以下、第1〜第6の製法という)によって製造することができる。
【0088】
まず、表示装置50が得られる第1の製法について説明する。この第1の製法は、アクチュエータ基板12のアクチュエータ部18又は光導波板14のいずれか一方にアクチュエータ部18を囲繞する桟前駆体を形成する工程と、アクチュエータ部18上又は前記光導波板14上のいずれか一方に画素構成体前駆体を形成する工程と、前記桟前駆体あるいは該桟前駆体が硬化されることにより形成された桟56と前記画素構成体前駆体とを介して基板12と光導波板14とを互いに接合する工程と、アクチュエータ部18上の前記画素構成体前駆体を硬化させて画素構成体58とする工程と、前記桟前駆体を硬化させて桟56とする工程とを有する。
【0089】
そして、前記画素構成体前駆体硬化工程を行う際には、アクチュエータ部18が変位されて前記画素構成体前駆体が光導波板14に押接された状態で硬化される。
【0090】
第1の製法においては、桟前駆体形成工程、画素構成体前駆体形成工程はいずれを先に行ってもよい。また、桟前駆体硬化工程、画素構成体前駆体硬化工程もいずれを先に行ってもよいが、光導波板14が確実に位置決めされるので画素構成体58を光導波板14に確実に押接させることができるという点から、桟前駆体硬化工程を先に行うことが好ましい。
【0091】
以下、第1の製法を、桟前駆体形成工程を画素構成体前駆体形成工程より先に行うと共に、桟前駆体及び画素構成体前駆体を共にアクチュエータ基板12のアクチュエータ部18上に形成し、かつ桟前駆体硬化工程を画素構成体前駆体硬化工程より先に行う場合を具体例として、図5のフローチャート並びに図6〜図15の工程図に基づき説明する。
【0092】
まず、図6に示すように、アクチュエータ基板12上にアクチュエータ部18を形成する。ここで、アクチュエータ基板12は、一面から他面に至る貫通孔12bが形成された平板上の該貫通孔12bを閉塞しない位置に複数個の切片板が載置され、更に該切片板上に薄肉平板が載置されたものを焼成して一体化することにより得ることができる。切片板同士の間の空隙が空所24となり、空所24上が薄肉部12aとなる。
【0093】
なお、図6に示すスルーホール13は、前記した平板、切片板及び薄肉平板のそれぞれに予め設けられたスルーホール同士を重ね合わせることによって形成される。又は、焼成処理後の基板12に貫通孔を設けることにより形成してもよい。
【0094】
貫通孔12bが形成された平板、切片板及び薄肉平板の構成材料としては、例えば、安定化酸化ジルコニウム、部分安定化酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ムライト等の高耐熱性、高強度及び高靱性を兼ね備えるものが好適に採用される。なお、平板、切片板及び薄肉平板は全て同一材料としてもよく、それぞれ別の材料としてもよい。
【0095】
そして、このアクチュエータ基板12の薄肉部12a上に、フォトリソグラフィ法、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相蒸着(CVD)法、あるいはめっき等の膜形成法によって、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の各金属、あるいはこれらのうちの2種類以上を構成成分とする合金等の導電材料からなるカラム電極28を形成する。
【0096】
次いで、カラム電極28上に形状保持層26を形成する。形状保持層26の構成材料としては、電場により分極あるいは相転移を起こす材料が選定される。即ち、形状保持層26は、圧電/電歪体材料又は反強誘電体材料から構成される。
【0097】
圧電/電歪体材料の好適な例としては、ジルコン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、ニッケルタンタル酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、マグネシウムタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、あるいはこれらのうちの2種類以上からなる複合酸化物を挙げることができる。また、これらの圧電/電歪体材料には、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン等が固溶されていてもよい。
【0098】
一方、反強誘電体材料の好適な例としては、ジルコン酸鉛、ジルコン酸鉛及びスズ酸鉛の複合酸化物、ジルコン酸鉛、スズ酸鉛及びニオブ酸鉛の複合酸化物等を挙げることができる。これらの反強誘電体材料も、上記したような各元素が固溶されていてもよい。
【0099】
次いで、アクチュエータ基板12の下面から該基板12に設けられたスルーホール13を介して形状保持層26の側面及び上面にかけて、上記したような導電材料からなるロー電極30を形成する。
【0100】
このようにして形成されたカラム電極28、形状保持層26及びロー電極30と基板12の薄肉部12aとによりアクチュエータ部18が構成される。
【0101】
そして、工程SA11(図5参照)において、図2及び図7に示すように、アクチュエータ部18の4方の隅角部の外側に、フィラー54を含有するエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等からなる長尺な厚膜を形成する。この厚膜が桟前駆体56aである。勿論、図3に示すように、基板12上のアクチュエータ部18以外の箇所を全て被覆するように桟前駆体56aを形成してもよい。
【0102】
次いで、工程SA12(図5参照)において、加熱処理により桟前駆体56aを硬化して桟56とする。この際には、それ以上収縮しない状態にまで桟前駆体56aを硬化させることが望ましい。これにより、表示装置50の内部温度上昇に伴う桟56の収縮量が著しく小さくなる。従って、消光状態における表示装置50の輝度の経時変化が著しく抑制される。
【0103】
次いで、工程SA13(図5参照)において、図8に示すように、白色散乱体層32の前駆体32a、色フィルタ層34の前駆体34a、透明層36の前駆体36aをアクチュエータ部18上にこの順序で形成することにより、画素構成体前駆体58aを形成する。又は、図示しないが、白色散乱体層32の前駆体32aを形成する前に、金属からなる光反射層を形成してもよい。この場合、光反射層を形成する前に、更に絶縁層を形成することが望ましい。
【0104】
画素構成体前駆体58aにおける白色散乱体層32の前駆体32aは、酸化チタン等が予め分散されたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて形成することができる。また、色フィルタ層34の前駆体34aは、蛍光顔料が予め分散されたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて形成することができる。更に、透明層36の前駆体36aは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて形成することができる。
【0105】
なお、白色散乱体層32の前駆体32aや色フィルタ層34の前駆体34aはこの時点で硬化させてもよい。また、両前駆体32a、34aの形成や硬化は、桟前駆体56aを形成する前に行ってもよい。
【0106】
次いで、工程SA14(図5参照)において、図9に示すように、上記したようなシリコーン系の物質等からなる接着抑制剤66を透明層36の前駆体36aの上端面に塗布する。又は、透明層36の前駆体36aに接着抑制剤66を添加するようにしてもよい。更に、接着抑制剤66が予め添加された樹脂を用いて透明層36の前駆体36aを形成するようにしてもよい。この手法については後述する。
【0107】
なお、形状保持層26の前駆体26aから透明層36の前駆体36aに至るまでの各層やロー電極30等は、上記したような膜形成法により形成することができる。
【0108】
次いで、工程SA15(図5参照)において、図10に示すように、桟56の上端面にフィラー含有接着剤64を塗布する。塗布方法としては、上記したような膜形成法が挙げられる。
【0109】
一方、光導波板14においては、工程SB11(図5参照)において、図11に示すように、上記したような膜形成法により光導波板14の表面に光遮蔽層60を形成する。この光遮蔽層60は、上記したように、Cr、Al、Ni、Ag等の光吸収能が低い金属や、カーボンブラック、黒顔料、黒染料を含有する樹脂、あるいは光散乱性の低い透明樹脂硬化物等からなり、桟56上に載置される位置に形成される。
【0110】
光遮蔽層60が形成された後の光導波板14の表面には、不要な有機物が残留している場合がある。例えば、光遮蔽層60をフォトリソグラフィ法により形成した場合には、光導波板14の表面にフォトレジストが残留することがある。このような不要な有機物が表面に残留している光導波板14を画素構成体前駆体58a上に載置すると、画素構成体前駆体58aの光導波板14への接着が容易に起こるようになる。この場合、アクチュエータ部18を下方へ変位させても画素構成体58が光導波板14から所定間隔離間せず、その結果、該画素構成体58を有する単位ドット52を完全な消光状態にすることができない。
【0111】
また、光導波板14に光遮蔽層60を形成しない場合であっても、例えば人間の汗や皮脂等の有機物が付着した機器や装置等に光導波板14が接触することにより、前記有機物が光導波板14に付着してしまうことがある。このような場合にも、上記と同様に、単位ドット52を完全な消光状態にすることができないことがある。
【0112】
従って、光導波板14を桟56に接合する前に、工程SB12(図5参照)において、不要な有機物を予め除去しておくことが望ましい。具体的には、光導波板14を洗浄処理する。又は、光導波板14の表面に残留した不要な有機物に対して、灰化処理を行ってもよい。
【0113】
光導波板14の洗浄処理は、例えば、光導波板14を酸性溶液中に浸漬することにより行われる。あるいは、光導波板14を超純水中に浸漬して超音波洗浄を行ってもよい。更に、光導波板14を酸性溶液中に浸漬して超音波洗浄を行ってもよい。
【0114】
また、灰化処理においては、例えば、プラズマによる電子衝突解離により気相の酸素原子を生成させ、次いで、該酸素原子と光導波板14の表面に残留した不要な有機物とを反応させて揮発性生成物とする。この揮発性生成物が処理装置(プラズマアッシャ)の内部から排気されることにより、前記有機物が揮散除去される。
【0115】
灰化処理の別の例としては、オゾン分解が挙げられる。即ち、オゾン雰囲気中で光導波板14を熱処理することにより、又は、オゾン雰囲気中で光導波板14に対して遠赤外線を照射することにより、有機物がオゾンと反応して揮発性生成物となる。勿論、熱処理と遠赤外線照射を同時に行ってもよい。
【0116】
なお、光遮蔽層60が有機物からなる場合、該光遮蔽層60が除去されず、かつ光導波板14の画素構成体58に対向する端面の有機物が除去される条件下において有機物除去工程SB12を行うことはいうまでもない。また、光遮蔽層60の構成材料として、不要な有機物が残存しない材料を用いた場合は、当然に、この有機物除去工程SB12を省略することができる。
【0117】
また、図示していないが、光導波板14の画素構成体前駆体58aに対向する端面に接着抑制剤66を塗布するようにしてもよい。有機物が除去された光導波板14上には均一に接着抑制剤66が塗布されるので、表示装置50を消光状態とする際に、光導波板14と画素構成体58とが確実に離間する。しかも、光導波板14と画素構成体58との当接時に両者が接着することが一層防止され、かつ接着抑制剤66により両者の間隙が一層狭くなる。
【0118】
次いで、工程SC11(図5参照)において、不要な有機物が除去された光導波板14と桟56とを、フィラー含有接着剤64を介して互いに接合する。即ち、各光遮蔽層60が各桟56上に重なるように、桟56及び画素構成体前駆体58a上に光導波板14を載置する(図11参照)。この載置により、アクチュエータ基板12と光導波板14との間に、フィラー含有接着剤64が塗布された桟56及び光遮蔽層60と画素構成体前駆体58aとが介在される。
【0119】
この状態で、光導波板14の上面及び基板12の下面の双方から表示装置50を押圧し、フィラー含有接着剤64を光導波板14に接着させる。この際の押圧方法としては、特に限定されるものではないが、分銅による押圧、CIP(静水圧加圧)法、フリップチップボンダによる加圧、定値制御や低圧プレス法、真空包装法等を好適に採用することができる。
【0120】
ここで、真空包装法とは、図12に示すように、桟56上に光遮蔽層60を介して光導波板14を当接させた状態のものを真空包装袋80内に入れ、次いで該真空包装袋80内を真空引きする方法である。真空引きの際に、光導波板14の上面と基板12の下面とが真空包装袋80から押圧されることにより、桟56がフィラー含有接着剤64を介して光導波板14に接着される。なお、画素構成体前駆体58aには、上記したように接着抑制剤66が添加又は塗布されているので、桟56が光導波板14に接着される際に、画素構成体前駆体58aが接着されることはない。
【0121】
真空包装法においては、アクチュエータ基板12に反りやうねりがある場合であっても、該アクチュエータ基板12と光導波板14とが均等に押圧される。即ち、真空包装法は、アクチュエータ基板12に反りやうねりがある場合であっても、桟前駆体56aを確実に光導波板14に接着させることができるという利点を有する。従って、各単位ドット52の輝度が均一な表示装置50を得ることができる。
【0122】
ここで、真空包装法の好ましい2つの方法について図13及び図14を参照しながら説明する。
【0123】
まず、第1の方法は、図13に示すように、桟56上に光遮蔽層60を介して光導波板14を当接させた状態のものを、剛性板200と共に真空包装袋80内に入れ、次いで該真空包装袋80内を真空引きする方法である。これにより、基板12や光導波板14への反りの発生を効果的に低減することができる。
【0124】
剛性板200は、図13に示すように、光導波板14側に設置してもよいし、アクチュエータ基板12側に設置してもよい。また、両側に設置してもよい。
【0125】
好ましい形態としては、図13に示すように、剛性板200を光導波板14側に設置することである。その理由は、光導波板14の板面における反りを低減することが画面品質の向上への寄与度が高いことと、アクチュエータ基板12にうねりがあった場合でも、均等に加圧可能であるという真空包装法の特長を最大に生かせるからである。なお、光導波板14の板面における反りが大きいと、例えば画像がやや歪んで見えたり、多数の表示装置50を並べて大画面を構成する際に、表示装置50間の継ぎ目が目立つという不都合を招くおそれがある。
【0126】
剛性板200の材質は、特に限定されないが、石英ガラスなどが好ましく使用できる。剛性板200のサイズも特に限定されないが、光導波板14とほぼ同じかそれよりやや大きい方が好ましい。
【0127】
次に、第2の方法は、図14に示すように、桟56上に光遮蔽層60を介して光導波板14を当接させた状態のものを枠202内に入れた状態で真空包装袋80内に入れ、次いで該真空包装袋80内を真空引きする方法である。これにより、アクチュエータ基板14や光導波板14の端部付近における応力集中による不具合を効果的に低減することができる。
【0128】
枠202がない場合、光導波板14及びアクチュエータ基板12の端部には、応力が集中しやすく、このために生ずる歪みが画面品質の劣化を招くおそれがある。アクチュエータ基板12と光導波板14を囲むように枠202を設けることで、枠202によって圧力の一部を支え、光導波板14及びアクチュエータ基板12の端部に発生する応力集中を緩和することができる。
【0129】
枠202の配置は、光導波板14及びアクチュエータ基板12の外周を囲む形態(4辺構造)が最も効果があるが、3辺構造の枠を設置したり、棒状のものを2辺に対応して設置するようにしてもよい。
【0130】
光導波板14の上面からアクチュエータ基板12の下面までの距離をMとしたとき、枠202の厚みtは、例えば光導波板14の上面のうち、枠202に対向する端部と、枠202の上端面のうち、内周の端部とを結ぶ線と水平線とのなす角θが−90°<θ≦80°を満足する大きさであることが好ましい。また、枠202の内面から光導波板14の端部(あるいはアクチュエータ基板の端部)までの距離dは、真空包装袋80が光導波板14の上面全面(あるいはアクチュエータ基板12の下面全面)に行き渡る程度の距離であればよい。
【0131】
そして、桟56を光遮蔽層60へ接着した後は、フィラー含有接着剤64の硬化成分を硬化させる。例えば、該硬化成分が熱硬化性樹脂である場合、加熱処理を行う。この硬化により、桟56が堅固に光導波板14に接合される。
【0132】
最後に、工程SC12(図5参照)において、アクチュエータ部18上の画素構成体前駆体58aを硬化させて画素構成体58とする。即ち、白色散乱体層32の前駆体32a、色フィルタ層34の前駆体34a及び透明層36の前駆体36aを全て硬化して、白色散乱体層32、色フィルタ層34及び透明層36とする。これにより、複数個の単位ドット52を備える表示装置50が得られるに至る。
【0133】
なお、フィラー含有接着剤64の硬化成分の硬化や画素構成体前駆体硬化工程SC12は、表示装置50を真空包装袋80内に入れて行ってもよいが、表示装置50を真空包装袋80から取り出して行うことが望ましい。真空包装袋80中で基板12側と光導波板14側とから押圧したままで画素構成体前駆体58aを硬化すると、アクチュエータ基板12や桟56が僅かではあるが歪み、このために単位ドット52ごとに光導波板14と画素構成体58との当接状態にばらつきが生じることがあるからである。
【0134】
この場合、表示装置50を所望の輝度で発光させることが困難となる。勿論、他の方法により、アクチュエータ基板12と光導波板14とを接合した場合においても、桟前駆体56aや画素構成体前駆体58aを硬化させる際には、表示装置50を押圧から解放することが望ましい。
【0135】
なお、光導波板14とアクチュエータ基板12との間に反りやうねり等の形状の差がある場合は、接合を確実に行うために、真空包装内で硬化させることが好ましい。
【0136】
また、画素構成体前駆体硬化工程SC12を行う際には、図15に示すように、アクチュエータ部18をアクチュエータ基板12側へ指向して変位させると共に、画素構成体前駆体58aを光導波板14に当接させた状態で該画素構成体前駆体58aを硬化させることが好ましい。このような状態で形成された画素構成体58は、アクチュエータ部18からの押圧力を受けるので、無負荷状態である際に確実に光導波板14に押接する。従って、単位ドット52(表示装置50)を所望の輝度で発光させることができるからである。
【0137】
アクチュエータ部18をアクチュエータ基板12側へ指向して変位させるには、カラム電極28とロー電極30との間に電圧を印加すればよい。このように電圧が印加されることにより、形状保持層26がアクチュエータ基板12側へ指向して屈曲変形する。そして、これに追従してカラム電極28、ロー電極30及び基板12の薄肉部12aも同方向に屈曲変形する。これにより、アクチュエータ部18全体がアクチュエータ基板12側へ指向して変位する。
【0138】
この変位量は、印加電圧を設定することによって簡便かつ精密に調整することができる。従って、例えば桟前駆体56aから桟56への硬化前後の収縮率が製造ロット毎に異なるような場合においても、画素構成体前駆体硬化工程SC12を行う際のアクチュエータ部18の変位量を好適な範囲に調整することができる。しかも、表示装置50の駆動電圧(表示装置50を消光状態から発光状態又は発光状態から消光状態とする電圧)の設定を最適化する際に有用となる。
【0139】
アクチュエータ部18は、分極や相転移などの性質から変位特性にヒステリシスを持つのが一般的である。この場合には、電圧を一旦画素構成体硬化時の電圧より大きい電圧を印加する過程を経ることが好ましい。その電圧は、駆動時に発光をOFFさせる電圧と同等ないしそれ以上であるとなおよい。
【0140】
この処理は、アクチュエータ部18の変位特性を実際に駆動する際の特性曲線に一致させる働きをする。単なる一定の電圧を印加しただけでは、残留電荷などの初期状態に影響されるおそれがあるが、このようなヒステリシス特性を加味した電圧印加法により、更に精密にアクチュエータ部18の変位量を制御することができる。
【0141】
次に、第2の製法について図16〜図18を参照しながら説明する。なお、第1の製法に対応する工程については名称を同一とし、その詳細な説明を省略する。
【0142】
まず、第1の製法に準拠して、アクチュエータ基板12の薄肉部12a上にアクチュエータ部18を形成する。即ち、カラム電極28、形状保持層26、ロー電極30をこの順序で薄肉部12a上に形成する(図6参照)。
【0143】
次に、工程SA21(図18参照)において、桟前駆体56aをアクチュエータ基板12上に形成し、その後、工程SA22(図18参照)において、前記桟前駆体56aを硬化して桟56とする。
【0144】
一方、工程SB21(図18参照)において、図17に示すように、上記したような膜形成法により光導波板14の表面に光遮蔽層60を形成する。次いで、工程SB22(図18参照)において、不要な有機物を予め除去する。その後、工程SA23(図18参照)において、図16に示すOの時点で、光導波板14上に形成された光遮蔽層60にフィラー含有接着剤64を塗布した後、次の工程SB24(図18参照)において、光導波板14を予備的に加熱することによりフィラー含有接着剤64を若干硬化させる。
【0145】
次いで、フィラー含有接着剤64を若干硬化した時点(図16中のA)で、工程SA23(図18参照)において、アクチュエータ基板12のアクチュエータ部18上に画素構成体前駆体58aを形成した後、工程SA24(図18参照)において、図17に示すように、上記したようなシリコーン系の物質等からなる接着抑制剤66を透明層36の前駆体36aの上端面に塗布する。
【0146】
次に、工程SC21(図18参照)において、図17に示すように、光遮蔽層60が桟56上に載置されるように光導波板14と桟56とを重ね合わせ、上記した真空包装法等により、桟56及び画素構成体前駆体58aを介してアクチュエータ基板12と光導波板14とを接合する。
【0147】
その後、全体を加熱することによりフィラー含有接着剤64を更に硬化させると共に、画素構成体前駆体58aの硬化を開始する。この場合、フィラー含有接着剤64の硬化が略終了した時点(図16中のB)では、画素構成体前駆体58aの硬化は未だ終了していない。従って、この状態でアクチュエータ部18を変位させながら画素構成体前駆体硬化工程SC22を行うことにより、表示装置50を得ることができる。
【0148】
桟56の形成硬化は必要に応じて複数回行ってもよい。また、既に硬化した桟56をスペーサとして、2回目以降の桟部を真空包装等の手段で面出しすることも好ましく用いられる。これにより、桟56の頭頂部の高さをほぼ一様に揃えることができる。
【0149】
また、以下のようにすれば、画素構成体前駆体形成工程SA23を桟前駆体形成工程SA21より先に行った場合でも、画素構成体前駆体58aを桟前駆体56aよりも後に硬化させることができる。
【0150】
即ち、第1に、桟前駆体56aの原材料である樹脂に比して硬化速度が遅い樹脂を使用して画素構成体前駆体58aを形成することである。例えば、互いに成分組成比が異なる二液硬化性樹脂のうち硬化速度が速い方を桟前駆体56aの原料とし、遅い方を画素構成体前駆体58aの原料とする。
【0151】
第2に、桟前駆体56aの原料樹脂として画素構成体前駆体58aの原料樹脂よりも低温で硬化する樹脂を選定し、低温で加熱することにより桟前駆体56aを硬化して桟56とした後に、高温で加熱することにより画素構成体前駆体58aを硬化して画素構成体58とすることである。
【0152】
第3に、桟前駆体56aの原料樹脂として、画素構成体前駆体58aの原料樹脂よりも高温で軟化する樹脂を選定することである。
【0153】
第4に、例えば、桟前駆体56aの原料樹脂として熱硬化性樹脂を選定し、かつ画素構成体前駆体58aの原料樹脂として光硬化性樹脂を選定し、加熱することにより桟前駆体56aを硬化して桟56とした後に、光を照射することにより画素構成体前駆体58aを硬化して画素構成体58とすることである。勿論、これらの方法の中から選択された2つ以上の方法を組み合わせて行うようにしてもよい。
【0154】
なお、画素構成体前駆体58aは、光導波板14上に形成してもよい。この場合、接合工程SC21において、画素構成体前駆体58aをアクチュエータ部18上に載置及び接合すればよい。
【0155】
次に、第3の製法について図19のフローチャートを参照しながら説明する。なお、第1の製法に対応する工程については名称を同一とし、その詳細な説明を省略する。
【0156】
まず、第1の製法に準拠して、アクチュエータ基板12の薄肉部12a上にアクチュエータ部18を形成する。即ち、カラム電極28、形状保持層26、ロー電極30をこの順序で薄肉部12a上に形成する(図6参照)。
【0157】
次いで、工程SA31(図19参照)において、アクチュエータ部18上に画素構成体前駆体58aを形成し、工程SA32において、この画素構成体前駆体58aの上端面に接着抑制剤66を塗布する。又は、上記したように、透明層36の前駆体36aに接着抑制剤66を添加するようにしてもよい。更に、接着抑制剤66が予め添加された樹脂を用いて透明層36の前駆体36aを形成するようにしてもよい。
【0158】
次に、工程SA33において、アクチュエータ部18を囲繞するようにアクチュエータ基板12上に桟前駆体56aを形成する。そして、工程SA34において、桟前駆体56aの上端面にフィラー含有接着剤64を塗布する。
【0159】
次に、工程SC31において、前記光遮蔽層60の形成と前記不要な有機物の除去が行われた光導波板14を、該光導波板14の下面が画素構成体前駆体58aの上端面に当接するように桟前駆体56aの上端面に載置する。
【0160】
この際、光遮蔽層60は、桟前駆体56a上に載置される。この状態で、上記した真空包装法等によって、アクチュエータ基板12の下面と光導波板14の上面とから表示装置50を押圧する。この押圧により、桟前駆体56aと画素構成体58を介してアクチュエータ基板12と光導波板14とが互いに接合される。
【0161】
次に、工程SC32において、画素構成体前駆体58aを硬化させ、画素構成体58とする。
【0162】
次に、工程SC33において、桟前駆体56aを硬化させて桟56とすると共に、フィラー含有接着剤64を硬化させる。この際、桟56の高さは桟前駆体56aに比して低くなる。即ち、桟前駆体(樹脂)56aが硬化して桟(樹脂硬化物)56となる際には、収縮を伴うからである。
【0163】
この収縮により、必然的にアクチュエータ基板12と光導波板14とが互いに接近する。その結果、光導波板14がアクチュエータ基板12側へ指向して画素構成体58を押圧するようになる。即ち、無負荷状態である際に画素構成体58が光導波板14に押接する表示装置50が得られるに至る。この桟前駆体硬化工程SC33において、アクチュエータ部18をアクチュエータ基板12側へ指向して変位させるようにしてもよい。このような状態で形成された画素構成体58は、アクチュエータ部18からの押圧力を受けるので、無負荷状態である際に確実に光導波板14に押接することとなる。
【0164】
なお、画素構成体前駆体形成工程SA31は、桟前駆体形成工程SA33の後に行うようにしてもよい。
【0165】
また、画素構成体前駆体硬化工程SC32は、接合工程SC31の前に行うようにしてもよい。この場合、画素構成体前駆体58a上に寸法規定治具や面出しガラスを載置しながら硬化を行うようにすると、上端面が平滑な画素構成体58が得られるので好ましい。また、寸法規定治具や面出しガラスを載置した後に接合工程SC31と同様の加圧方法によりこれらを押圧するようにするとより好ましい。更に、桟前駆体56aは、光導波板14に形成するようにしてもよい。
【0166】
そして、以下のようにすれば、画素構成体前駆体形成工程SA31を桟前駆体形成工程SA33より後に行った場合でも、画素構成体前駆体58aを桟前駆体56aよりも先に硬化させることができる。
【0167】
即ち、第1に、桟前駆体56aの原材料である樹脂に比して硬化速度が速い樹脂を使用して画素構成体前駆体58aを形成することである。例えば、互いに成分組成比が異なる二液硬化性樹脂のうち硬化速度が遅い方を桟前駆体56aの原料とし、速い方を画素構成体前駆体58aの原料とする。
【0168】
第2に、桟前駆体56aの原料樹脂として、画素構成体前駆体58aの原料樹脂よりも低温で軟化する樹脂を選定することである。
【0169】
第3に、例えば、桟前駆体56aの原料樹脂として熱硬化性樹脂を選定し、かつ画素構成体前駆体58aの原料樹脂として光硬化性樹脂を選定し、光を照射することにより画素構成体前駆体58aを硬化して画素構成体58とした後に、加熱することにより桟前駆体56aを硬化して桟56とすることである。勿論、これらの方法の中から選択された2つ以上の方法を組み合わせて行うようにしてもよい。
【0170】
次に、第4の製法について図20のフローチャートを参照しながら説明する。なお、第1の製法に対応する工程については名称を同一とし、その詳細な説明を省略する。
【0171】
まず、第1の製法に準拠して、アクチュエータ基板12の薄肉部12a上にアクチュエータ部18を形成する。即ち、カラム電極28、形状保持層26、ロー電極30をこの順序で薄肉部12a上に形成する(図6参照)。
【0172】
次いで、工程SB41によって光遮蔽層60が形成され、更に、工程SB42によって表面から不要な有機物が除去された光導波板14に、工程SB43(図20参照)において、画素構成体前駆体58aを形成する。なお、この場合には、接着抑制剤66が予め添加された樹脂を用いて透明層36の前駆体36aを形成する場合を例として説明する。
【0173】
一方、工程SA41において、アクチュエータ部18を囲繞するようにアクチュエータ基板12上に桟前駆体56aを形成する。そして、工程SA42において、桟前駆体56aの上端面にフィラー含有接着剤64を塗布する。
【0174】
次に、工程SC41において、該光導波板14の下面が画素構成体前駆体58aの上端面に当接し、かつ画素構成体前駆体58aがアクチュエータ部18上に配置されるように、桟前駆体56aの上端面に載置する。この載置により、桟前駆体56aと画素構成体前駆体58aを介して基板12と光導波板14とが互いに接合される。
【0175】
この状態で、工程SC42において、画素構成体前駆体58aを硬化させて画素構成体58とする。ここで、上記したように画素構成体前駆体58aには接着抑制剤66が予め添加されており、従って、該画素構成体前駆体58aの光導波板14に対する接着力は弱い。このため、画素構成体58は、アクチュエータ部18側に堅固に接合される。
【0176】
次に、工程SC43において、桟前駆体56aを硬化させて桟56とすると共に、フィラー含有接着剤64を硬化させる。この硬化に伴い桟前駆体56aの硬化成分である樹脂が収縮するので、アクチュエータ基板12と光導波板14とが互いに接近し、光導波板14がアクチュエータ基板12側へ指向して画素構成体58を押圧するようになる。即ち、無負荷状態である際に画素構成体58が光導波板14に押接する表示装置50が得られるに至る。なお、桟前駆体56aは、光導波板14に形成するようにしてもよい。
【0177】
また、第3及び第4の製法においては、画素構成体前駆体58aを硬化させる際、アクチュエータ部18を変位させて画素構成体前駆体58aの上端面を光導波板14に当接させるようにしてもよい。この場合、表示装置50が発光する際に、画素構成体58の上端面が光導波板14に一層確実に当接するようになるので好適である。
【0178】
第3及び第4の製法では、桟前駆体56aとする樹脂中のフィラー54の量を調整すれば、桟前駆体56aを硬化する際の収縮量を所望の範囲とすることができる。
【0179】
次に、セラミックス製の桟68を有する表示装置70(図4参照)が得られる第5の製法について説明する。
【0180】
この第5の製法においては、アクチュエータ基板12上に該基板12のアクチュエータ部18を囲繞する桟68を形成する工程が行われる。この桟68は、上記したようにセラミックスからなる柱状部材又は柱状部位であり、従って、この第5の製法は桟前駆体硬化工程を必要としない。以上の点を除いては、上記第1の製法に準拠して行われる。
【0181】
以下、第5の製法を、柱状部材により桟68を形成すると共に、画素構成体前駆体58aを基板12のアクチュエータ部18上に形成する場合を具体例として、図21に示すフローチャートに基づき説明する。なお、第1の製法に対応する工程については名称を同一とし、その詳細な説明を省略する。
【0182】
まず、工程SA51において、一面から他面に至る貫通孔12bが形成された平板上の前記貫通孔12bを閉塞しない位置に複数個の切片板が載置され、該切片板上に薄肉平板が載置され、更に該薄肉平板上に柱状部材が載置されたものを焼成して一体化することによりアクチュエータ基板12を作製する。切片板同士の間の空隙が空所24となり、空所24上が薄肉部12aとなる。そして、薄肉部12aを囲繞するように載置された柱状部材が桟68となる。
【0183】
この桟68の構成材料としては、貫通孔12bが形成された平板、切片板及び薄肉平板と同様に、安定化酸化ジルコニウム、部分安定化酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ムライト等の高耐熱性、高強度及び高靱性を兼ね備えるものが好適に採用される。また、桟68の構成材料は、平板、切片板及び薄肉平板と同一にしてもよく、別にしてもよい。このようにして桟68を形成した後は、第1の製法に準拠して、基板12の薄肉部12a上にアクチュエータ部18を形成する。即ち、カラム電極28、形状保持層26、ロー電極30をこの順序で薄肉部12a上に形成する。
【0184】
次に、工程SA52において、第1の製法に準拠して画素構成体前駆体58aを形成する。
【0185】
次に、工程SA53において、接着抑制剤66を画素構成体前駆体58aに塗布又は添加する。又は、接着抑制剤66が予め添加された樹脂を用いて透明層36の前駆体36aを形成するようにしてもよい。
【0186】
次に、工程SA54において、桟68の上端面にフィラー含有接着剤64を塗布する。
【0187】
次に、工程SC51において、前記光遮蔽層60の形成及び前記不要な有機物の除去が行われた光導波板14と桟68とを、フィラー含有接着剤64を介して互いに接合する。即ち、各光遮蔽層60が各桟68上に重なるように、桟68及び画素構成体前駆体58a上に光導波板14を載置する。この載置により、アクチュエータ基板12と光導波板14との間に、フィラー含有接着剤64が塗布された桟68及び光遮蔽層60と画素構成体前駆体58aとが介在される。
【0188】
この状態で、上記した真空包装法等によって光導波板14の上面及びアクチュエータ基板12の下面の双方から表示装置70を押圧し、フィラー含有接着剤64を光導波板14に接着させる。その後、表示装置70を真空包装袋80から取り出してフィラー含有接着剤64の硬化成分を加熱処理等により硬化させ、桟68を光導波板14に堅固に接合する。この場合も、フィラー含有接着剤64をそれ以上収縮しない状態にまで硬化させることが好ましい。
【0189】
最後に、工程SC52において、アクチュエータ部18上の画素構成体前駆体58aを加熱処理により硬化して画素構成体58とすることにより、表示装置70が得られるに至る。この画素構成体前駆体硬化工程SC52を行う際には、第1の製法と同様に、アクチュエータ部18を基板12側へ指向して変位させると共に、画素構成体前駆体58aを光導波板14に押接させた状態で該画素構成体前駆体58aを硬化させることが好ましい。
【0190】
次に、桟68を有し、桟68の高さが必要十分かつ一様に形成された表示装置50(図1参照)が得られる第6の製法について説明する。
【0191】
この第6の製法は、アクチュエータ部18を有するアクチュエータ基板12の前記アクチュエータ部18上に画素構成体58の一部の前駆体を形成した後、硬化させて画素構成体58の一部を形成する工程と、アクチュエータ基板12にアクチュエータ部18を囲繞する桟前駆体56aを形成する工程と、桟前駆体56aの上面を規定した後、該桟前駆体56aを硬化して桟56とする工程と、アクチュエータ基板12上の画素構成体58の一部の上に該画素構成体58の他の一部の前駆体を形成する工程と、桟56と画素構成体前駆体58aとを介して光導波板14とアクチュエータ基板12とを互いに接合する工程と、アクチュエータ部18上の画素構成体前駆体58aを硬化させて画素構成体58とする工程とを備える。
【0192】
特に、この第6の製法では、前記桟形成工程において、画素構成体58の一部を面出し用の板材に当接させた状態で前記桟前駆体56aを硬化させるようにしている。
【0193】
以下、第6の製法の具体例を図22〜図32を参照しながら説明する。なお、第1の製法に対応する工程については名称を同一とし、その詳細な説明を省略する。
【0194】
まず、第1の製法に準拠して、アクチュエータ基板12の薄肉部12a上にアクチュエータ部18を形成する。即ち、カラム電極28、形状保持層26、ロー電極30をこの順序で薄肉部12a上に形成する(図6参照)。
【0195】
次に、工程SA61(図22参照)において、基板12のアクチュエータ部18上に画素構成体58を構成する白色散乱体層32、色フィルタ層34及び透明層36の各前駆体32a、34a及び36aのうち、白色散乱体層32及び色フィルタ層34の各前駆体32a及び34aを形成した後、工程SA62(図22参照)において、図23に示すように、加熱処理によりこれら白色散乱体層32及び色フィルタ層34の各前駆体32a及び34aを硬化して白色散乱体層32及び色フィルタ層34とする。
【0196】
次に、工程SA63(図22参照)において、図24に示すように、桟前駆体56aをアクチュエータ基板12上に形成する。
【0197】
その後、工程SA64(図22参照)において、図25に示すように、桟前駆体56aの上面に面出し用の板材210を載置し、更に、板材210をアクチュエータ基板12側に向けて加圧する。この加圧方法としては、上述した様々な手法が適用されるが、真空包装法が好ましく適用される。また、加圧の段階においては、カラム電極28とロー電極30との間に電圧を印加して、アクチュエータ部18を基板12側へ指向して変位させてもよい。この面出し工程によって、色フィルタ層34までの部分がスペーサとなって、桟前駆体56aの高さが規定されることになる。
【0198】
次に、工程SA65(図22参照)において、加熱処理して桟前駆体56aを硬化して桟56とする。
【0199】
次に、工程SA66(図22参照)において、図26に示すように、予め接着抑制剤66が添加された透明層36の前駆体36aを色フィルタ層34上に形成する。
【0200】
ここで、透明層36の前駆体36aに接着抑制剤66を添加する手法について図28を参照しながら説明する。
【0201】
まず、ステップS1において、透明層36の構成材料であるエポキシ樹脂等の有機樹脂に、前記前記接着抑制剤66及びその他の添加剤等からなる透明層36の前駆体36aのペーストを調製する。
【0202】
接着抑制剤66としては、単体では、透明層36の構成材料である有機樹脂に容易に混ざらないものが選定され、ライカイ機等で攪拌混合することにより、もしくはその他の添加剤として、溶剤、酸等を添加することにより、該溶剤及び/又は酸の存在によって前記接着抑制剤66と有機樹脂とが混ざるような材料を添加することで、接着抑制剤66が、透明層36の前駆体36aの中に均一に分散又は溶解されたペーストが調製される。
【0203】
透明層36の構成材料である有機樹脂として、例えばエポキシ樹脂等を使用したとき、接着抑制剤66としては、例えばシリコーンオイル、シリコーングリース等が好ましく使用され、更に、溶剤としては、キシレン、トルエン、エタノール等のほか、アルコール系、エステル系、炭化水素系、多価アルコール系などが使用され、また、酸としては、硫酸、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等が好ましく使用される。
【0204】
次に、ステップS2において、前記透明層36の前駆体36aを例えばスクリーン印刷法にて色フィルタ層34上に形成する(図26参照)。
【0205】
その後、ステップS3(後述する画素構成体前駆体硬化工程SC63までのエージング期間)において放置、もしくは溶剤等が前記接着抑制剤66と有機樹脂とを混ぜる用途に添加されている場合には、その溶剤等が蒸発することで、その結果、透明層36の構成材料である有機樹脂と接着抑制剤66との互いの非親和性によって、接着抑制剤66が透明層36の前駆体36aの表面にしみ出す(析出する)こととなる。しみ出しを効果的に発生させる手段として、前記エージング時に振動を加えることも好ましく用いられる。即ち、アクチュエータ部18に電圧を印加して、アクチュエータ部18自体を振動させることにより、画素構成体前駆体58aを振動させると効果的である。更には、光導波板14を重ね合わせた後の工程において振動させても効果がある。また、加振器等を用いてアクチュエータ基板12を振動させることも有効である。
【0206】
これにより、後述する工程SC63にて、フィラー含有接着剤64を硬化する際の透明層36と光導波板14との接着を抑制し、硬化後の透明層36と光導波板14との離間を容易にする。
【0207】
一方、光導波板14においては、工程SB61(図22参照)において、図26に示すように、上記したような膜形成法により光導波板14の表面に光遮蔽層60を形成する。
【0208】
次に、工程SB62(図22参照)において、不要な有機物を除去する。この除去には、上述したように、光導波板14の洗浄処理や有機物の灰化処理等が好ましく使用される。
【0209】
その後、必要であれば、次の工程SB63において、光導波板14のうち、画素構成体58と対向する部分に選択的に接着抑制剤66を塗布する。この接着抑制剤66としては、例えばrainX(PENNZOIL−QUAKER STATE 社製)やKS−9001(信越シリコーン社製)等を使用することができる。
【0210】
次に、工程SB64(図22参照)において、光導波板14上に形成された光遮蔽層60にフィラー含有接着剤64を塗布した後、次の工程SB65(図22参照)において、光導波板14を予備的に加熱することによりフィラー含有接着剤64を若干硬化させる。
【0211】
次に、工程SC61(図22参照)において、図27に示すように、光遮蔽層60が桟56上に載置されるように光導波板14と桟56とを重ね合わせ、上記した真空包装法等により、桟56及び画素構成体前駆体58aを介してアクチュエータ基板12と光導波板14とを接合する。
【0212】
その後、工程SC62(図22参照)において、アクチュエータ部18に対して電圧を印加して、アクチュエータ部18をアクチュエータ基板12側へ指向して変位させる。
【0213】
その後、工程SC63(図22参照)において、フィラー含有接着剤64を更に硬化させると共に、透明層36の前駆体36aを硬化させて透明層36とすることによって表示装置50が構成される。
【0214】
前記工程SC62を行う際には、アクチュエータ部18をアクチュエータ基板12側へ指向して変位させると共に、透明層36の前駆体36aを光導波板14に当接させた状態で該透明層36の前駆体36aを硬化させることが好ましい。また、工程SC61〜工程SC63においては、真空包装内で行うようにしてもよい。
【0215】
前記表示装置50において、透明層36に添加された接着抑制剤66のしみ出し量が多い場合には、透明層36の離間の際に、例えば図29に示すように、透明層36の上端面と光導波板14との間隔が狭い部分において局部的に接着抑制剤66が橋渡し状態となって、画像表示上、白点欠陥を引き起こすおそれがある。
【0216】
その対策として、透明層36の少なくとも上端面を高揮発性液体で洗浄することにより、先の工程において添加され、透明層36の上端面にしみ出した接着抑制剤66を一旦除去し、更にその後、硬化した透明層36の離間に適した種類の接着抑制剤66を透明層36の上端面に適量塗布する。この塗布によって、接着抑制剤66の材質や量を容易に制御することができるため、接着抑制機能として好ましい種類及び量の接着抑制剤66を透明層36の上端面に形成することができる。なお、高揮発性液体としては、シロキサンやフロリナート等を使用することができる。
【0217】
洗浄は、光導波板14とアクチュエータ基板12との隙間から高揮発性液体を注入して洗い流した後、真空環境にて揮発させる方法が好ましく用いられる。また、接着抑制剤66の塗布方法として、接着抑制剤66を、例えば高揮発性液体等の溶媒中に混合あるいは溶解し、それを注入する方法が好ましく用いられる。
【0218】
その他の洗浄方法として、スピナー等の遠心力を利用したり、エアーを吹き込んで不要な接着抑制剤66や洗浄用の液体を飛散させる方法も用いられる。
【0219】
更なる対策としては、透明層36の上面が粗面になっていれば、しみ出した接着抑制剤66が凹部に溜まるかたちとなり、しみ出し量が多くても、上述のような橋渡し現象は生じなくなる。しかも、接着抑制剤66が透明層36の上端面の凹凸による光導波板14との隙間を効果的に埋めるかたちになるため、表示装置50が発光状態の場合には、透明層36の上端面が光導波板14に確実に当接することとなり、表示装置50を所望の輝度で発光させることが一層容易となる。
【0220】
透明層36の表面を粗面にする手法としては、前述の図28に示すステップS1の工程において、透明層36の構成材料である有機樹脂と、接着抑制剤及びその他の添加剤を混合する際に、高粘度のグリースも介在(混和)させればよい。
【0221】
これにより、その後のエージング期間(ステップS3)において、高粘度のグリースが透明層36の前駆体36aの上部に浮上するかたちとなり、図30A及び図30Bに示すように、該前駆体36aの上端面にしわ状の凹凸212が容易に形成されることとなる。これらの対策により、画像表示上の白点欠陥等を防止することが可能となる。
【0222】
上記した第1〜第6の製法において、光遮蔽層60を形成することなく光導波板14と桟56、68とを互いに接合するようにしてもよい。
【0223】
また、フィラー含有接着剤64を使用することなく、桟前駆体56aに基板12又は光導波板14を接着させた後、桟前駆体56aを硬化させることにより桟前駆体56aと基板12又は光導波板14とを互いに接合するようにしてもよい。
【0224】
また、図31に示すように、表示装置50(又は表示装置70)の外周部を封止材220にて封止することが好ましい。これにより、外的環境から表示装置50(又は表示装置70)の内部を保護することができ、特に、水蒸気や油、薬品などの浸入を防ぐことができる。
【0225】
封止材220の材質としては、樹脂材料が好ましい。もちろん、フィラー等を添加するようにしてもよい。封止材220の色は黒色が好ましい。散乱光を小さくすることができるからである。
【0226】
また、図32に示すように、封止材220は、光遮蔽層60によって光導波板14と隔離されていることが好ましい。封止材220が直接光導波板14に触れていると、光が散乱するからである。
【0227】
次に、画素の配列についての好ましいいくつかの具体例を以下に説明する。まず、第1の具体例に係る画素配列は、例えば図33に示すように、1つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)の平面形状として、垂直方向を長軸とする長円形としたとき、水平方向に並ぶ3つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)と、垂直方向に並ぶ2つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)の合計6つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)にて1つの画素90を構成した例である。色フィルタ層34の配列は、図33では、左から右に向かって、赤(R)、緑(G)及び青(B)とした場合を示している。
【0228】
第2の具体例に係る画素配列は、図34に示すように、水平方向に並ぶ3つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)にて1つの画素90を構成した例であるが、1つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)の平面形状が、第1の具体例に係る画素配列の場合とは異なり、1つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)の平面形状が垂直方向を長軸とする長円形であって、特に、長軸の長さLが第1の具体例に係る画素配列における1つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)の長軸の長さnの約2倍となっている。この場合、開口率をより大きくでき、光の利用率を高めることができるという利点がある。なお、色フィルタ層34の配列は、図34では、左から右に向かって、赤(R)、緑(G)及び青(B)とした場合を示している。
【0229】
第3の具体例に係る画素配列は、図35に示すように、水平方向に並ぶ2つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)と、垂直方向に並ぶ2つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)の合計4つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)にて1つの画素90を構成した例である。
【0230】
この場合、1つのアクチュエータ部18(又は画素構成体90)の平面形状は、4隅が面取りされたほぼ矩形状とされている。
【0231】
ここで、1つのアクチュエータ部18の平面形状と変位量との関係でみると、垂直方向の長さnを一定としたとき、水平方向の長さ(幅W)を大きくするほど変位量を大きくできる。この第3の具体例では、アクチュエータ部18の変位量を最大にとるために、水平方向の長さWを最大にして、垂直方向の長さnとほぼ同一にした例を示す。なお、色フィルタ層34の配列は、図35では、緑(G)を市松配列させ、残りに赤(R)と青(B)を配列させた例を示している。
【0232】
第4の具体例に係る画素配列は、図36に示すように、3つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)にて1つの画素90を構成した例であって、1つの画素90を構成する3つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)の各中心位置を結ぶ線が逆三角形状とされた配置形態となっている。
【0233】
特に、この例では、1つの画素90を構成する3つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)のうち、2つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)の各平面形状が垂直方向の長さnと水平方向の長さWがほぼ同じとされた矩形状(正方形状)とされ、残りの1つのアクチュエータ部18(又は画素構成体58)の平面形状が水平方向の長さmが、垂直方向の長さnのほぼ2倍とされた矩形状(長方形状)とされている。
【0234】
この第4の具体例に係る画素配列によれば、第3の具体例に係る画素配列の場合よりも、開口率を大きくとることができ、光の利用率を向上させることができる。なお、色フィルタ層34の配列は、図36では、長方形状のものを緑(G)とし、残りに赤(R)と青(B)を配列させた例を示している。
【0235】
第1〜第4の具体例に係る画素配列において、配線のスペースは、必要に応じて設ければよい。また、色フィルタ層34の配色については、特性を考慮して決定すればよい。
【0236】
また、上述の例では、無負荷状態である際に画素構成体58が光導波板14を押圧し、かつ、該画素構成体58のうち、光導波板14に対向する面に接着抑制剤66(しみ出した場合を含む)を介在させた例について説明したが、その他、無負荷状態において、接着抑制剤66の下層にある透明層36が光導波板14に押接せずに、接着抑制剤66が光導波板14に接触する形態でもよいし、図37に示すように、画素構成体58の最上層に存する接着抑制剤66(しみ出した場合を含む)と光導波板14間に微小な隙間92が形成されるような形態でもよい。
【0237】
なお、この発明に係る表示装置及びその製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施の形態に係る表示装置の単位ドットの概略断面図である。
【図2】図2は、桟の構成の一例を示す平面図である。
【図3】図3は、桟の構成の別の一例を示す平面図である。
【図4】図4は、本実施の形態の変形例に係る表示装置の単位ドットの概略断面図である。
【図5】図5は、第1の製法のフローチャートである。
【図6】図6は、アクチュエータ基板の薄肉部上にアクチュエータ部を形成した状態を示す説明図である。
【図7】図7は、アクチュエータ基板上に桟前駆体を形成した状態を示す説明図である。
【図8】図8は、アクチュエータ部上に画素構成体前駆体を形成した状態を示す説明図である。
【図9】図9は、画素構成体前駆体の上端面に接着抑制剤が塗布された状態を示す説明図である。
【図10】図10は、桟前駆体の上端面にフィラー含有接着剤を塗布した状態を示す説明図である。
【図11】図11は、表面に光遮蔽層が形成された光導波板を桟上に載置する状態を示す説明図である。
【図12】図12は、真空包装法により光導波板の上面とアクチュエータ基板の下面とから押圧している状態を示す説明図である。
【図13】図13は、真空包装法による第1の方法を示す説明図である。
【図14】図14は、真空包装法による第2の方法を示す説明図である。
【図15】図15は、アクチュエータ部をアクチュエータ基板側へ指向して変位させ、かつ、画素構成体前駆体を光導波板に当接させた状態を示す説明図である。
【図16】図16は、フィラー含有接着剤と画素構成体前駆体との硬化状態を示すグラフである。
【図17】図17は、光遮蔽層にフィラー含有接着剤を塗布した状態を示す説明図である。
【図18】図18は、第2の製法のフローチャートである。
【図19】図19は、第3の製法のフローチャートである。
【図20】図20は、第4の製法のフローチャートである。
【図21】図21は、第5の製法のフローチャートである。
【図22】図22は、第6の製法のフローチャートである。
【図23】図23は、アクチュエータ部上に白色散乱体層及び色フィルタ層を形成した状態を示す説明図である。
【図24】図24は、アクチュエータ基板上に桟前駆体を形成した状態を示す説明図である。
【図25】図25は、桟前駆体の高さを面出し用の板材で規定した状態を示す説明図である。
【図26】図26は、色フィルタ層上に透明層の前駆体(接着抑制剤添加)を形成し、更に、光導波板の表面に光遮蔽層とフィラー含有接着剤を形成した状態を示す説明図である。
【図27】図27は、桟上に光導波板を接合させた状態を示す説明図である。
【図28】図28は、透明層の前駆体に接着抑制剤を添加する手法を示す工程図である。
【図29】図29は、透明層と光導波板間に接着抑制剤が橋渡しをしている状態を示す説明図である。
【図30】図30Aは、透明層の上端面を粗面にした状態を示す断面図である。
図30Bは、透明層の上端面を示す上面図である。
【図31】図31は、表示装置の外周部に封止材を設けた状態を一部省略して示す断面図である。
【図32】図32は、表示装置の外周部に封止材を設けた状態を一部省略して示す上面図である。
【図33】図33は、第1の具体例に係る画素配列を示す平面図である。
【図34】図34は、第2の具体例に係る画素配列を示す平面図である。
【図35】図35は、第3の具体例に係る画素配列を示す平面図である。
【図36】図36は、第4の具体例に係る画素配列を示す平面図である。
【図37】図37は、画素構成体と光導波板間に微小な隙間が形成された形態を示す説明図である。
【図38】図38は、表示装置が導光板上に複数個配列されてなる大画面ディスプレイの概略全体図である。
【図39】図39は、関連する技術に係る表示装置の概略断面説明図である。
【図40】図40は、レッドドット、グリーンドット及びブルードットからなる画素の概略構成図である。
【図41】図41は、図39の表示装置のカラム電極とロー電極との間に電圧を印加することによりアクチュエータ部を基板側へ変位させ、画素構成体を光導波板から離間させた状態を示す概略断面図である。
Claims (13)
- アクチュエータ部(18)を有するアクチュエータ基板(12)と、光導波板(14)と、前記光導波板(14)と前記アクチュエータ基板(12)との間に介在されて、かつ、前記アクチュエータ部(18)を囲繞する桟(56又は68)と、前記アクチュエータ部(18)上に接合された画素構成体(58)とを具備し、
前記アクチュエータ部は形状保持層を有し、
無負荷状態で、前記画素構成体(58)が前記光導波板(14)に近接しており、
無負荷状態で、前記光導波板(14)と前記画素構成体(58)との距離が1μm以下であり、
無負荷状態での前記画素構成体(58)と前記光導波板(14)との距離は、駆動状態で前記画素構成体(58)と前記光導波板(14)とが離間する距離の30%以下に近接しており、
前記画素構成体(58)と前記光導波板(14)とを離間させるために前記アクチュエータ部(18)に印加する電圧とは逆極性の電圧を印加することで、前記画素構成体(58)と前記光導波板(14)とを押接させることを特徴とする表示装置。 - アクチュエータ部(18)を有するアクチュエータ基板(12)又は光導波板(14)のいずれか一方に前記アクチュエータ部(18)を囲繞する桟前駆体(56a)を形成する工程と、
前記桟前駆体(56a)を硬化させて桟(56)とする工程と、
前記アクチュエータ部(18)上又は前記光導波板(14)上のいずれか一方に画素構成体前駆体(58a)を形成する工程と、
前記桟(56)、前記アクチュエータ基板(12)、前記光導波板(14)又は該光導波板(14)上に形成された光遮蔽層(60)のいずれかに接着剤(64)を塗布する工程と、
前記桟(56)と前記画素構成体前駆体(58a)とを介して前記アクチュエータ基板(12)と前記光導波板(14)とを互いに接合する工程と、
前記接着剤(64)を硬化させる工程と、
前記アクチュエータ部(18)上の前記画素構成体前駆体(58a)を硬化させて画素構成体(58)とする工程と、
を備え、
前記接着剤を前記画素構成体前駆体より先に硬化させることを特徴とする表示装置の製造方法。 - 請求項2記載の製造方法において、
前記画素構成体前駆体形成工程で前記光導波板(14)上に形成された前記画素構成体前駆体(58a)を前記接合工程で前記アクチュエータ部(18)上に接合することを特徴とする表示装置の製造方法。 - 請求項2又は3記載の製造方法において、
前記画素構成体前駆体硬化工程を行う際、前記アクチュエータ部(18)を変位させると共に、前記画素構成体前駆体(58a)を前記光導波板(14)に当接させた状態で硬化させることを特徴とする表示装置の製造方法。 - アクチュエータ部(18)を有するアクチュエータ基板(12)の前記アクチュエータ部(18)上に画素構成体前駆体(58a)を形成する工程と、
前記アクチュエータ基板(12)又は光導波板(14)のいずれか一方に前記アクチュエータ部(18)を囲繞する桟前駆体(56a)を形成する工程と、
前記桟前駆体(56a)と前記画素構成体前駆体(58a)とを介して前記基板(12)と前記光導波板(14)とを互いに接合する工程と、
前記画素構成体前駆体(58a)を硬化させて画素構成体(58)とする工程と、
前記桟前駆体(56a)を硬化させて桟(56)とする工程と、
を備え、
前記画素構成体前駆体を前記桟前駆体よりも先に硬化させ、
前記桟前駆体(56a)が硬化することに伴って収縮することにより、前記画素構成体(58)を前記光導波板(14)に押接させることを特徴とする表示装置の製造方法。 - アクチュエータ部(18)を有するアクチュエータ基板(12)又は光導波板(14)のいずれか一方に前記アクチュエータ部(18)を囲繞する桟前駆体(56a)を形成する工程と、
前記光導波板(14)に画素構成体前駆体(58a)を形成する工程と、
前記桟前駆体(56a)と前記画素構成体前駆体(58a)とを介して前記アクチュエータ基板(12)と前記光導波板(14)とを互いに接合すると共に、前記画素構成体前駆体(58a)を前記アクチュエータ部(18)上に配置する工程と、
前記アクチュエータ部(18)上の前記画素構成体前駆体(58a)を硬化させて画素構成体(58)とする工程と、
前記桟前駆体(56a)を硬化させて桟(56)とする桟前駆体硬化工程と、
を備え、
前記画素構成体前駆体を前記桟前駆体より先に硬化させ、
前記桟前駆体(56a)が硬化することに伴って収縮することにより、前記画素構成体(58)を前記光導波板(14)に押接させることを特徴とする表示装置の製造方法。 - 請求項5又は6記載の製造方法において、
前記画素構成体前駆体硬化工程を行う際、前記アクチュエータ部(18)を変位させると共に、前記画素構成体前駆体(58a)を前記光導波板(14)に当接させた状態で硬化させることを特徴とする表示装置の製造方法。 - 請求項5又は6記載の製造方法において、
前記桟前駆体硬化工程を行う際、前記アクチュエータ部(18)を変位させると共に、前記画素構成体(58)を前記光導波板(14)に当接させた状態で硬化させることを特徴とする表示装置の製造方法。 - アクチュエータ部(18)を有するアクチュエータ基板(12)又は光導波板(14)のいずれか一方に前記アクチュエータ部(18)を囲繞する桟(56)を形成する工程と、
前記アクチュエータ部(18)上又は前記光導波板(14)上のいずれか一方に画素構成体前駆体(58a)を形成する工程と、
前記桟(56)、前記アクチュエータ基板(12)、前記光導波板(14)又は該光導波板(14)上に形成された光遮蔽層(60)のいずれかに接着剤(64)を塗布する工程と、
前記桟(56)と前記画素構成体前駆体(58a)とを介して前記光導波板(14)と前記アクチュエータ基板(12)とを互いに接合する工程と、
前記接着剤(64)を硬化させる工程と、
前記アクチュエータ部(18)上の前記画素構成体前駆体(58a)を硬化させて画素構成体(58)とする工程と、
を備え、
前記接着剤を前記画素構成体前駆体より先に硬化させることを特徴とする表示装置の製造方法。 - 請求項9記載の製造方法において、
前記画素構成体前駆体形成工程で前記光導波板(14)上に形成された前記画素構成体前駆体(58a)を前記接合工程で前記アクチュエータ部(18)上に接合することを特徴とする表示装置の製造方法。 - 請求項9又は10記載の製造方法において、
前記画素構成体前駆体硬化工程を行う際、前記アクチュエータ部(18)を変位させると共に、前記画素構成体前駆体(58a)を前記光導波板(14)に当接させた状態で硬化させることを特徴とする表示装置の製造方法。 - 請求項4、7、8又は11記載の製造方法において、
前記アクチュエータ部(18)に電圧を印加することにより該アクチュエータ部(18)を変位させることを特徴とする表示装置の製造方法。 - 請求項2〜12のいずれか1項に記載の製造方法において、
前記接合工程より先に前記光導波板(14)の表面に付着した有機物を除去する工程を行うことを特徴とする表示装置の製造方法。
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