JP3605288B2 - 回路基板の配線経路決定方法、装置及び情報記憶媒体 - Google Patents

回路基板の配線経路決定方法、装置及び情報記憶媒体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のインナーリードからその周囲にマトリックス配置されたランドへの配線経路を決定する回路基板の配線経路決定方法、装置及び情報記憶媒体に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
半導体装置の小型化を追求するとベアチップ実装が理想的であるが、品質の保証及び取り扱いが難しいため、パッケージ形態に加工することで対応してきた。特に、多端子化の要求に応じたパッケージ形態として、近年、BGA(ボールグリットアレー)型パッケージが開発されてきた。
【0003】
BGA型パッケージの一つとして、フレキシブルな回路基板を用いたものがある。このような回路基板には、ICの端子群と接続されるインナーリード群が設けられ、このインナーリード群の周囲に、マトリックス状に配置されたボールランド群が設けられている。各ランドには、必要に応じて半田ボールが設けられている。そして、この回路基板はICを実装した状態で、前記半田ボールを介してマザーボード等に面実装されるように構成されている。
【0004】
このような回路基板を用いる場合に、前記インナーリード群を構成する各リードと、その周囲に配置されたランド群を構成する各ランドボールとの配線経路をどのように決定するかが重要となる。
【0005】
特に、今日用いられる回路基板は、実装されるICの多端子化により、実装用の回路基板上に設けられるインナーリードや、ランドボールの数も多い。従って、各インナーリードから各ボールランドへ、互いに配線を交差させることなく、その配線経路をいかに効率よく設計するかが、回路基板の開発期間を短縮し、且つ低コスト化を図る上で重要な課題となる。
【0006】
しかし、従来の手法は、設計者が、各インナーリードと各ランドとの配線経路の設定を、図面上において手作業で且つ試行錯誤的に行っていた。このため、その作業に時間と手間がかかり、短時間で且つ低コストの回路基板の設計を行うことができないという問題があった。
【0007】
すなわち、ボールランドの間隔や、使用する配線リードの幅等の各種パラメータにより、各ランド間を通過可能な配線の本数が異なる。従って、前記配線経路は、各ランド間の配線数が許容本数を上回ることなく、しかも各配線が互いに交差することがないように決定することが必要となる。
【0008】
しかし、設計者が、各インナーリードと各ランドとの配線経路の設定を、図面上において手作業で且つ試行錯誤的に行う従来の手法では、作業途中で配線が不可能なランドが出現した場合には、再度パラメータを変更して配線経路の設定を最初からやり直さなければならないため、いきおい設計作業は、作業者の経験と勘等に頼らざるを得ないという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インナーリード群とその周囲にマトリクス配置されたランド群との間の配線経路の決定を効率良く且つ短期間で行うことが可能な回路基板の配線経路決定方法、装置及び情報記憶媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)前記目的を達成するため、本発明は、
矩形状に配置されたインナーリード群と、前記インナーリード群の周囲を矩形状に囲むようにマトリクス状に配置されたランド群との配線経路を決定する方法において、
前記ランド群を、矩形状の各辺に相当する台形領域に4分割し、ランドのマトリクス配置が同一の台形領域を特定する第1の工程と、
ランドのマトリクス配置が異なる各分割領域毎に、対応するインナーリード群とランド群との配線経路を決定する第2の工程と、
決定された配線経路を、ランドのマトリクス配置が同一の他の分割領域の配線経路として転用する第3の工程と、
を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の情報記憶媒体は、
入力情報に基づき、矩形状に配置されたインナーリード群と、前記インナーリード群の周囲を矩形状に囲むようにマトリクス状に配置されたランド群とを有する仮想回路基板を設定する手段と、
前記仮想回路基板のインナーリード群とランド群との配線経路を決定する手段
としてコンピュータを機能させるプログラムが記憶されたコンピュータ読みとり可能な情報記憶媒体において、
前記配線経路を決定する手段は、
前記ランド群を、仮想的に前記矩形状をしたランド群の4つの外辺を底辺とする4つの台形形状をした分割領域に4分割処理する第1の手段と、
前記4分割処理された前記4つの分割領域から、ランドのマトリクス配置が異なる分割領域毎に、そのインナーリード群とランド群との配線経路を決定する処理を行う第2の手段と、
決定された配線経路を、ランドのマトリクス配置が同一の他の分割領域の配線経路として転用し、前記他の分割領域の配線経路を決定する処理を行なう第3の手段と、
を含み、
前記第1の手段は、
隣接する前記台形形状をした各分割領域が、台形側辺に相当する1列分のランド列を面共有部として共有するように、前記ランド群に対する前記4分割処理を行い、
前記第2の手段は、
配線対象となる台形の分割領域を、マトリクスの中心の少なくとも2行のランドから構成される中心共有部と、その両側に位置する一対の処理面と、各処理面の外側に位置する前記面共有部とに細分割するための処理を行う手段と、
前記分割領域の配線経路の決定を、前記中心共有部、処理面、面共有部の順に行ない、しかも前記面共有部では、隣接する分割領域と各ランドへの配線を分担するように配線経路を決定するための決定手段と、
を含み、
前記決定手段は、
前記各ランドの周囲に、所定のルールで開制御され隣接ランドとの間を通過する配線経路数をカウントする複数のカウンタを仮想配置するための手段と、
配線経路決定済みのインナーリードに隣接する次のインナーリードと所定のルールで決定された次の配線対象ランドとの配線経路を、開カウンタの存在するランド間を、直前の配線経路と配線が交差せずに通過するように決定する処理を、前記中心共有部、処理面、面共有部の順に行なうための配線経路決定手段と、
カウント値が超過した開カウンタ及び対応するランドの配線経路が決定した開カウンタを閉制御し、対応するランドを介して前記閉制御されたカウンタと反対側に位置する閉カウンタを開制御し新たな配線を導く経路を設定するためのカウンタ制御手段と、
を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、インナーリード群の周囲を矩形状に囲むようにマトリクス配置されたランド群を、矩形状の各辺に相当する台形形状に4分割する。4分割された台形形状の分割領域には、ランドのマトリクス配置が同一のものが存在する。
【0013】
例えば、マトリクス配置されたランド群が、インナーリード群の周囲を正方形状に囲むように形成されている場合には、前記4つの分割領域のマトリクス配置は同一なものとなる。
【0014】
また、例えばインナーリード群の周囲を長方形状に囲む場合、相対向する辺に相当する各分割領域同士は、ランドのマトリクス配置が同一となる。
【0015】
従って、本発明によれば、ランドのマトリクス配置が異なる分割領域に対してのみ、インナーリード群とランド群との配線経路を決定する処理を行い、決定された配線経路を、ランドのマトリクス配置が同一の他の分割領域の配線経路として転用する。
【0016】
このようにすることにより、インナーリード群とランド群との配線経路の決定のための処理を大幅に低減し、回路基板の開発設計のための期間の短縮及びコストの低減を図ることができる。
【0017】
特に、インナーリード群を、正方形状に囲むにマトリクス配置されたランド群を有する回路基板であっては、4分割された一つの分割領域に対してのみ回線経路を決定すれば、残りの3つの分割領域に対しては決定された配線経路を使い回すことができるため、配線経路の決定のための負荷をほぼ1/4まで低減することができる。
【0018】
また、インナーリード群を長方形状に囲むようにマトリクス状に配置されたランド群にあっては、長方形状の2辺に相当する2つの分割領域の配線経路を決定すれば、この配線経路を残りの2つの分割領域の配線経路として使い回すことができるため、回線経路の決定のための負荷を1/2まで低減することができる。
【0019】
(2)ここにおいて前記第1の工程は、
隣接する分割領域が、台形側辺に相当する1列分のランド列を面共有部として共有するように、前記ランド群の分割を行い、
前記第2の工程は、
対象となる台形の分割領域を、マトリクスの中心の少なくとも2行のランドから構成される中心共有部と、その両側に位置する一対の処理面と、各処理面の外側に位置する前記面共有部とに細分割する工程と、
前記分割領域の配線経路の決定を、前記中心共有部、処理面、面共有部の順に行なう決定工程と、
を含み、前記面共有部では、隣接する分割領域と各ランドへの配線を分担するように配線経路を決定することが好ましい。
【0020】
また、前記第1の情報は、
隣接する分割領域が、台形側辺に相当する1列分のランド列を面共有部として共有するように、前記ランド群の分割を行なうための情報を含み、
前記第2の情報は、
配線対象となる台形の分割領域を、マトリクスの中心の少なくとも2行のランドから構成される中心共有部と、その両側に位置する一対の処理面と、各処理面の外側に位置する前記面共有部とに細分割するための情報と、
前記分割領域の配線経路の決定を、前記中心共有部、処理面、面共有部の順に行ない、しかも前記面共有部では、隣接する分割領域と各ランドへの配線を分担するように配線経路を決定するための決定情報と、
を含むように形成することが好ましい。
【0021】
本発明によれば、インナーリードとランドとの配線を最短経路で且つ左右ほぼ対称となるように行うことができる。
【0022】
特に、本発明によれば、配線経路の決定を、中心共有部から、その両側に位置する処理面へ向けて順次行うため、分割領域における配線経路の決定を短時間で効率的に行うことができる。
【0023】
さらに、本発明によれば、台形形状をした分割領域上における配線経路の決定を、中心共有部、その両側に位置する一対の処理面、さらに各処理面の外側に位置する面共有部とに細分割し、細分割された領域の特殊性を考慮しながら、配線経路の決定を効率的に行うことができる。
【0024】
ここにおいて、前記中心共有部は、台形形状をした分割領域の中心の2行のランドとして構成することが、この部分の配線を効率良く行う上で好ましい。
【0025】
又、本発明においては、隣接する分割領域が、その台形側辺に相当する一列分のランド列を面共有部として共有している。
【0026】
即ち、台形形状した分割領域同士が接する領域では、特殊な配線が必要となることがある。本発明では、このような領域を、通常のルールで配線パターンが決定される処理面とは別の領域として細分割し、この領域の特性に応じた配線パターンの決定を行う。これにより、分割領域の配線パターンの決定を、さらに効率良く行うことができる。
【0027】
ここにおいて、面共有部の配線パターンは、隣接する分割領域同士が、配線対称とするランドをそれぞれ分担するようにする。例えば、この領域のランド数が10個ある場合には、それぞれの分割領域が均等にランドを5個づつ分担することが好ましい。
【0028】
さらに好ましくは、各分割領域は、面共有部のランドを、1個おきに分担し、その配線経路を決定するように構成すればよい。これにより、面共有部における配線経路の決定を、より効率良く行うことが可能となる。
【0029】
(3)又、本発明において、
前記決定工程は、
前記各ランドの周囲に、所定のルールで開制御され隣接ランドとの間を通過する配線経路数をカウントする複数のカウンタを仮想配置する工程と、
配線経路決定済みのインナーリードに隣接する次のインナーリードと所定のルールで決定された次の配線対象ランドとの配線経路を、開カウンタの存在するランド間を、直前の配線経路と配線が交差せずに通過するように決定する処理を、前記中心共有部、処理面、面共有部の順に行なう配線経路決定工程と、
カウント値が超過した開カウンタ及び対応するランドの配線経路が決定した開カウンタを閉制御し、対応するランドを介して前記閉制御されたカウンタと反対側に位置する閉カウンタを開制御し新たな配線を導く経路を設定するカウンタ制御工程と、
を含むことが好ましい。
【0030】
また、本発明において、
前記決定情報は、
前記各ランドの周囲に、所定のルールで開制御され隣接ランドとの間を通過する配線経路数をカウントする複数のカウンタを仮想配置するための情報と、
配線経路決定済みのインナーリードに隣接する次のインナーリードと所定のルールで決定された次の配線対象ランドとの配線経路を、開カウンタの存在するランド間を、直前の配線経路と配線が交差せずに通過するように決定する処理を、前記中心共有部、処理面、面共有部の順に行なうための配線経路決定情報と、
カウント値が超過した開カウンタ及び対応するランドの配線経路が決定した開カウンタを閉制御し、対応するランドを介して前記閉制御されたカウンタと反対側に位置する閉カウンタを開制御し新たな配線を導く経路を設定するためのカウンタ制御情報と、
を含むことが好ましい。
【0031】
本発明によれば、前記各分割領域における配線経路の決定を、各ランドの周囲に仮想配置したカウンタを用いて自動的に行うことができる。
【0032】
(4)又、本発明において、
前記配線経路決定工程は、
マトリクス配置されたランドから、その外周に位置して設けられたメッキリードへの配線経路を、開カウンタの存在する間を、直前の配線経路と配線が交差せずに通過するように決定し、
前記カウンタ制御工程は、
前記メッキリードとランドとの配線経路決定処理によりカウント値が超過した開カウンタを閉制御し、対応するランドを介して前記閉制御カウンタと反対側に位置する閉カウンタを開制御し、新たな配線を導く領域を設定する処理を行うことが好ましい。
【0033】
また、本発明において、
前記配線経路決定情報は、
マトリクス配置されたランドから、その外周に位置して設けられたメッキリードへの配線経路を、カウンタの開いているランド間を、直前の配線経路と配線が交差せずに通過するように決定するための情報を含み、
前記カウンタ制御情報は、
前記メッキリードとランドとの配線経路決定処理によりカウント値が超過した開カウンタを閉制御し、対応するランドを介して前記閉制御カウンタと反対側に位置する閉カウンタを開制御し、新たな配線を導く領域を設定する処理を行うための情報を含むことが好ましい。
【0034】
本発明によれば、各ランドの仮想配置されたカウンタを用いて、各ランドとその外周に配置されたメッキリードとの配線経路を自動的に決定することができる。
【0035】
(5)又、本発明において、
マトリクス配置された各ランドには、予め優先順位が割り付けられ、
前記配線経路決定工程は、
前記各ランドの優先順位及びカウント値の超過したカウンタの有無に基づき、次の配線対象ランドを決定する工程と、
決定された前記配線対象ランドとインナーリードとの間の配線経路を、開カウンタの存在位置に基づき決定するする処理を行なう工程と、
を含むことが好ましい。
【0036】
また、本発明の情報記憶媒体は、
マトリクス配置された各ランドに割り付けられた優先順位の情報を含み、
前記配線経路決定情報は、
前記各ランドの優先順位及びカウント値の超過したカウンタの有無に基づき、次の配線対象ランドを決定するための情報と、
決定された前記配線対象ランドとインナーリードとの間の配線経路を、開カウンタの存在位置に基づき決定するする処理を行なうための情報と、
を含むことが好ましい。
【0037】
本発明によれば、仮想配置されたカウンタのカウント値と、各ランドに予め割り付けられた優先順位とに基づき、配線経路が決定される毎に、次に配線の対象となるランドの決定と、そのランドへの配線経路の決定と自動的に且つ効率よく行うことができる。
【0038】
なお前記優先順位とは、他の制約がなければ、優先順位や高いランドが配線対象ランドとして優先的に決定される順位をいう。
【0039】
(6)又、本発明において、
マトリクス配置された各ランドの優先順位は、次のように設定することが好ましい。
【0040】
まず、前記マトリクス配置されたランド群が形成する矩形状の各辺を通る中心線と、前記矩形状の対角線を想定する。
【0041】
そして、前記中心線と対角線によって8分割された各台形領域に含まれる各ランドの優先順位を、対角線に沿って斜め方向に隣接するランドを結ぶ複数列の斜めのラインを優先順位設定ラインとしたときに、前記対角線から遠い優先順位設定ラインに含まれるランドの優先順位が高く、しかも同一の優先順位設定ライン上に位置するランドはランド群の外周側に位置するほど優先順位が高くなるように設定する。
【0042】
言い換えると、前記優先順位は、
前記中心共有部を両処理面側に2分割する基準ラインを想定し、インナーリードと反対側に位置する各ランドから基準ライン側に斜め方向に隣接するランドを結ぶ複数列の斜のラインを優先順位設定ラインとし、インナーリード反対側に位置するランドが基準ラインに近い優先順位設定ラインに含まれるランドの優先順位が高く、しかも同一の優先順位設定ライン上に位置するランドはインナーリード反対側に位置するものほど優先順位が高くなるように設定することが好ましい。
【0043】
これにより、台形形状に分割された各分割領域における配線経路を、その中心の中心共有部、その両側に位置する処理面、及び最外側に位置する面共有部の順に効率良く決定することができる。
【0044】
特に、本発明によれば、各インナーリードとランドとの配線を、分割領域全体から見た場合に最短距離で、且つほぼ左右対称に効率よく行うことができる。
【0045】
(7)又、前記配線経路決定工程は、
前記前記中心共有部に属し、前記基準ラインの両側に位置する最も優先順位の高い一対のランドに対し、基準ライン側の第1のカウンタ及びインナーリードの反対側に位置する第4カウンタを開制御し、これら第1及び第4のカウンタと反対側に位置する第2,第3のカウンタを閉制御するとともに、前記基準ラインに隣接する行に属する各ランドの基準ライン側カウンタを開制御する初期設定を行う工程と、
前記開カウンタで導かれる経路に沿って、基準となる各インナーリードと前記一対のランドとの基準配線経路を決定する工程と、
前記基準配線経路と交差せずに、前記基準配線経路側から前記面共有部側に向けて配線経路を決定する処理を繰り返し行う工程と、
を含むことが好ましい。
【0046】
また、前記配線経路決定情報は、
前記前記中心共有部に属し、前記基準ラインの両側に位置する最も優先順位の高い一対のランドに対し、基準ライン側の第1のカウンタ及びインナーリードの反対側に位置する第4カウンタを開制御し、これら第1及び第4のカウンタと反対側に位置する第2,第3のカウンタを閉制御するとともに、前記基準ラインに隣接する行に属する各ランドの基準ライン側カウンタを開制御する初期設定を行うための情報と、
前記開カウンタで導かれる経路に沿って、基準となる各インナーリードと前記一対のランドとの基準配線経路を決定する工程と、
前記基準配線経路と交差せずに、前記基準配線経路側から前記面共有部側に向けて配線経路を決定する処理を繰り返し行うための情報と、
を含むことが好ましい。
【0047】
本発明において、基準ラインの両側に位置する最も優先順位の高いランドは、その分割領域に対応する中央のインナーリードから見て、分割領域の反対側に位置するランドとなる。
【0048】
本発明では、この一対のランドを、最初に配線経路の決定対象となるランドとして設定する。そして、この一対のランドの周囲に存在する複数のカウンタの内、中心共有部側の第1のカウンタ、インナーリードと反対側に位置する第4のカウンタを開制御し、これとは反対側、即ちインナーリード側に位置する第2のカウンタ、及び面共有部側に位置する第3のカウンタを閉制御する。
【0049】
さらに、基準ラインに隣接する行に位置する各ランドの基準ライン側カウンタを開制御する。即ち、前記配線対称ランドの中心共有部側に位置する第1のカウンタと同じ行に属するカウンタを開制御する。
【0050】
このようにして、仮想配置されたカウンタの初期設定を行い、基準となるインナーリードと前記一対の配線対称ランドとの基準配線経路を決定する。
【0051】
そして、台形の分割領域における配線経路の決定処理を、この基準配線経路側からその両側の面共有部側へ向け順次繰り返して行う。
【0052】
このようにすることにより、分割領域の配線経路の決定処理をより効率よく行うことができる。
【0053】
(8)本発明の方法は、
配線用のパラメータを入力する工程を含み、
前記配線経路決定工程は、
入力されたパラメータに基づき、前記配線経路を決定する処理を行うことが好ましい。
【0054】
また、本発明の情報記憶媒体は、
配線用のパラメータを入力するための情報を含み、
前記配線経路決定情報は、
入力されたパラメータに基づき、前記配線経路を決定する処理を行う情報を含むことが好ましい。
【0055】
以上の構成とすることにより、配線用のパラメータに応じた配線経路の決定を、自動的に行うことができる。
【0056】
特に、入力した配線用パラメータによって、配線ができないと判断された場合には、新たなパラメータの入力を行えば良いため、最適パラメータをもった回路基板の設計を短時間で且つ効率的に行うことができる。
【0057】
(9)又、本発明に係る配線経路決定装置は、
配線用のパラメータを入力する手段と、
前記方法を用いて、矩形状に配置されたインナーリード群と、前記インナーリード群の周囲を矩形状に囲むようにマトリクス状に配置されたランド群との配線経路を決定する手段と、
を含むことを特徴とする。
【0058】
このようにすることにより、インナーリード群とランド群との配線経路を自動的に且つ効率良く決定することができる装置を実現することができる。
【0059】
(10)又、本発明の配線基板は、
矩形状に配置されたインナーリード群と、
前記インナーリード群の周囲を矩形状に囲むようにマトリクス状に配置されたランド群と、
前記インナーリード群とランド群とを電気的に接続するパターン配線群と、
を含み、
前記パターン配線群は、
前記ランド群を対称な複数の領域に仮想分割したとき、各分割領域毎に同一パターンで配線されていることを特徴とする。
【0060】
ここにおいて、
前記ランド群が、
インナーリード群の周囲を正方形状に囲むように配置された場合には、
前記パターン配線群は、
前記ランド群を前記正方形状の各辺に相当する4つの対称領域に仮想分割したとき、各分割領域毎に同一パターンで配線されてる。
【0061】
また、前記ランド群が、
インナーリード群の周囲を長方形状に囲むように配置された場合には、
前記パターン配線群は、
前記ランド群を前記長方形状の隣接する2辺に相当する2つの対称領域に仮想分割したとき、各分割領域毎に同一パターンで配線される。
【0062】
【発明の実施の形態】
次に、本発明な好適な実施の形態を図面に基づき、詳細に説明する。
【0063】
(1)本発明が適用される回路の概要
図1には、本発明が適用されるフィルムキャリアテープを示す概略図である。
【0064】
同図において、樹脂で形成されるテープ状のフィルム10に、デバイスホール12及びスプロケットホール14が形成されている。
【0065】
フィルム10には、デバイスホール12を正方形状に囲むように形成されたインナーリード群20と、インナーリード群の周囲を矩形状に囲むようにマトリクス配置されたランド群30と、ランド群30の周囲を囲むように配置されたメッキリード16が形成されている。さらに、前記インナーリード群20を構成する各インナーリード22と、前記ランド群30を構成する各ランド32との間には、一対一の関係で第1の配線リード40が形成され、さらに各ランド32とメッキリード16との間には第2の配線リード42が形成されている。前記インナーリード群22、ランド群30、第1、第2の配線リード40、42及びメッキリード16は、テープ基板上に銅箔をエッチングして形成されている。
【0066】
前記各ランド32は、図示しないボール端子を設けるための領域である。前記インナーリード22は、一方の端部がデバイスホール12から突出し、他端が前記第1のリード40に接続されるようになっている。
【0067】
デバイスホール12の内側で、半導体チップ18の電極(図示せず)にインナーリード22の端部がボンディングされる。
【0068】
各ランド32は、第2のリード42を介してメッキリード16と接続されている。このため、メッキリード16を介して、全てのランド32及びリード22、40、42が導通するので、これらに電気メッキを施すことが可能になっている。
【0069】
そして、このフィルム10に半導体チップ18が搭載された後、フィルム10は、図中鎖線で示すテープ回路基板11として打ち抜かれる。
【0070】
このようなテープ回路基板11を設計するに際し、矩形形状したインナーリード群20と、その周囲に矩形状に配置されたランド群30との間において、互いに配線を交差させずに、前記第1の配線リード40の配線経路をどのように決定するかが重要な課題となる。さらにはランド群30とその周囲に配置されたメッキリード16との間において、互いに配線を交差させずに、前記第2の配線リード42の配線経路をどのように決定するかが重要な課題となる。
【0071】
特に、前記インナーリード群20を構成する各インナーリード22と、マトリクス状に配置されたランド群30を構成する各ランド32とは、基本的に一対一の関係にある。また、一対一でない場合、例えばインナーリードが少ない場合またはボールランドが少ない場合は、多い方を単独で存在させる。このため、限られたスペースの中で前記インナーリード群20とランド群30との配線経路、すなわち配線パターンをどのように決定するかが、回路基板11の開発設計に当たっての重要な課題となる。
【0072】
とりわけ、前記ランド群30内において、互いに隣接するランド32の間を配線できるリード40、42の本数には制限がある。この制限の中で、隣接するリードを互いに交差させずに、全てのインナーリード22とランド32とを決選するための配線パターンを、回路基板11の製造に先立って設計し、決定することは極めて重要である。
【0073】
従来は、このような配線経路の決定を、設計者が手作業で試行錯誤的に行ってていた。このため、配線経路の決定に時間と手間がかかりすぎ、これが回路基板開発にあたっての大きな課題となっていた。
【0074】
本実施の形態の課題は、前述した第1、第2の配線リード40、42の配線経路の決定を、回路設計段階において自動的に且つ効率よく行うことを可能とすることにある。
【0075】
(2)回路基板の設計装置
図2には、前述したテープ回路基板11、より具体的にはフィルム10の配線経路を決定し、回路基板を設計するための設計装置の一例が示されている。
【0076】
本実施の形態の設計装置は、オペレータが操作する入力部110と、各種CPU、メモリ等を用いて構成されたデータ処理部120と、各種の情報が記憶された情報記憶媒体130と、出力部140とを含んで構成される。
【0077】
前記情報記憶媒体130には、回路設計用のアルゴリズムや各種データ等の情報が記憶されている。この情報には、後述する配線経路の決定のためのアルゴリズムや、回路パターンの設計のためのアルゴリズム及びその他必要なアルゴリズムをもつプログラムやデータが含まれ、処理部120を、仮想基板設定部122、配線経路決定部124として機能させる。
【0078】
図3には、配線経路決定演算のためのフローチャートが示されている。
【0079】
ステップS10で、設計者は回路基板のデータや、配線経路決定のための各種パラメータの入力を行う。図4、図5にはその一例が示されている。
【0080】
例えば、図1に示すテープ回路基板11を設計する場合には、矩形状にマトリクス配置されたランド群30のサイズを入力する。ここでは、各ランドをそれぞれセルとしてとらえ、前記ランド群30の大きさを、複数のセルがマトリクス配置されたフレームの大きさとして入力する。具体的には、フレーム外周の縦、横のそれぞれの長さa1、a2、前記縦及び横のフレームの厚さb1、b2をフレームサイズとして入力する。さらに、前記フレームを構成するセルの数、即ちランド32の数を入力する。
【0081】
さらに、図5に示すようにマトリクスを構成する各セルのサイズ、各セルに存在するランド32のランドサイズ、ランドギャップを入力する。さらに、図5(C)に示すように、各ランド32の間の領域を通過するように配線する、各リード40、42のリード線幅、リード間ギャップを入力する。
【0082】
このような入力が終了すると、次にステップS12で、処理部120は回路基板11を設計するための処理を行う。
【0083】
まず、仮想基板設定部122は、入力されたデータに基づき、例えば図1に示す回路を仮想的に設計する。
【0084】
この時、前記マトリクスのセルサイズ、各ランド32間の通過不可能な領域、通過可能領域、リード線ピッチ等は以下の計算式に基づいて求められる。
セルサイズ=フレームサイズ÷セル数
通過不可領域=ランドサイズ+(ランドギャップ×2)
通過可能領域=セルサイズ−通過不可領域
リード線ピッチ =リード線幅+リード間ギャップ
このようにして求めた、通過不可領域、通過可能領域等のデータを用いて、縦及び横方向に隣接するランド32の間を通過可能なリード40、42の本数と、斜め方向に隣接するランド32間を通過可能な斜線部通過可能本数を、次式に基づき求める。なお、通過可能本数、斜線部通過可能本数の乗余は切り捨てる。
通過可能本数=(通過可能領域+リード間ギャップ)÷リード線ピッチ
斜線部通過可能本数=
(通過可能領域+リード間ギャップ)×√2÷リード線ピッチ
配線経路決定部128は、インナーリード群20とランド群30との間を結ぶ第1の配線リード40の配線経路、及びランド群30とメッキリード16間を結ぶ第2の配線リード42の配線経路を、各ランド間を通過する配線の本数が前記通過可能本数以内に納まるように、しかも各リードが互いに交差することがないように決定する。
【0085】
そして、データ処理部120は、全ての配線経路の決定が終了した時点で、そのデータを出力部140を介して出力する。
【0086】
なお、入力されたパラメータでは、前述した各リード40、42の配線が不可能である場合、ステップS14で、データ処理部120は、出力部140を介してエラーメッセージを出力する。この時、設計者は入力部110から、例えばランドサイズ、ランドギャップ、リード線幅、リード間ギャップなどの新たなパラメータを再度入力すればよい。これにより、データ処理部120はこの新たなパラメータに基づき、ステップS12で示す配線経路決定のための演算処理を行い、ステップS14で、その演算結果を出力部140から出力する。
【0087】
このようにして、本実施の形態の装置によれば、設計者は配線用のパラメータを入力することにより、インナーリード群20とランド群30とを結ぶ第1の配線リード40の配線経路の決定と、ランド群30とメッキリード16とを結ぶ第2の配線リード42の配線経路の決定等を自動的に行うことができる。
【0088】
以下にその詳細を説明する。
【0089】
(3)配線領域の分割
図6には、矩形形状に配置されたインナーリード群20の外周に、前記インナーリード群20の周囲を矩形形状に囲むようにマトリクス配置されたランド群30が概略的に示されている。ここにおいて、ランド群30内の各セル34は、ランド32の存在する領域を仮想的に表している。なお、ここで図示されるセル数は、説明を簡単にするために、実際のセル数よりも大幅に少ない数として設定されている。
【0090】
(3−1)4つの分割領域への分割
本実施の形態において、配線リード40、42の配線経路を決定するにあたり、矩形形状とをしたランド群30を、矩形状の各辺に相当する台形領域に仮想的に4分割する。ここでは、矩形形状をしたランド群30を一対の対角線202−1、202−2に沿って、台形形状した4つの分割領域200−1、200−2…200−4に仮想分割する。
【0091】
さらに、この矩形形状したランド群30に対して、図中上下左右に直交する一対の中心線204−1、204−2を想定する。
【0092】
なお、各分割領域200において、その台形の両側辺に相当する一列分のランド列は、隣接する分割領域と共有する領域、即ち、面共有部220−1、220−2とする。
【0093】
(3−2)分割領域の細分割
図7には、各分割領域200の一例が示されている。ここでは分割領域200を、前記中心線204を挟んでその両側に位置する2行のランドから構成される中心共有部210と、台形の両側辺に相当する領域に位置する面共有部220−1、220−2と、中心共有部210と面共有部220との間に位置する処理面230−1、230−2とに細分割する。そして、後述するように、この分割領域200の配線経路の決定を、中心線204の左側の領域から、中心共有部210、処理面230−1、220−1の順で行い、その次に中心線204の右側の領域に対し、中心共有部210、処理面230−2、面共有部220−2の順で行っている。なお、これ以外にも、中心共有部210から、順次その両側に位置する処理面230−1、230−2、面共有部220−1、220−2へ向け順次行っても良い。
【0094】
このようにすることにより、分割領域200における配線リード40、42の配線を、中心線204を介して左右ほぼ対称な配線とすることができる。
【0095】
なお、このような配線を行うに際し、後述するように、処理面230−1、230−2の配線は、通常のアルゴリズムに従って行うが、中心共有部210での配線は、その両側の処理面230−1、230−2へ配線経路を展開する処理の関係から、一部特殊な結線処理の手法を採用する。さらに面共有部220−1、220−2における配線は、隣接する分割領域との関係から一部特殊な結線処理の手法を採用する。なお具体的な結線処理の手法は後述する。
【0096】
このようにして、本実施の形態によれば、ほぼ台形形状をした分割領域200の配線経路を決定する。この時、4つの分割領域200−1、200−2、200−3、200−4のランドマトリクスが同一である場合には、1つの分割領域の配線経路を決定すれば、この分割領域200の配線経路を、そのまま他の分割領域の配線経路として転用することができる。すなわち、図8(A)に示すように、分割領域200−1の配線経路を決定すれば、次に同8(B)に示すように、この配線経路を、分割領域200−2の配線経路として転用し、さらに同8(C)に示すように、他の分割領域200−3の配線経路として転用し、さらに同8(D)に示すように、分割領域200−4の配線経路として転用することができる。このように、1つの分割領域200−1の配線リード40、42の配線パターンを決定することにより、この配線パターンを残りの3つの領域200−2、200−3、200−4の配線パターンとして使い回すことができるため、配線経路の決定に要する演算負荷を、大幅に低減することができる。
【0097】
また、ランド群30の相対向する分割領域のみが、同一のランドマトリクス配置の分割領域として形成されている場合には、まず図9(A)に示すように、分割領域200−1、200−2の配線経路を決定し、その後図9(B)に示すように、分割領域200−1の配線経路を分割領域200−3の配線経路として転用し、分割領域200−2の経路を相対抗する分割経路200−4の配線経路として転用する。
【0098】
このようにすることにより、配線経路の決定のための負荷を大幅に低減することができる。
【0099】
(4)分割領域における配線経路の決定
次に、各分割領域200における、第1、第2のリード40、42の配線経路を決定するための詳細を説明する。
【0100】
図10には、前記分割領域200の概略が示されている。ここにおいて、中心線204と同方向を行、これと直交する方向を列として定義する。
【0101】
(4−1)リード番号
図11には、分割領域200の内側に位置するインナーリード群20の説明図が示されている。このインナーリード群20において、各インナーリード22は中心線204の両側に位置するインナーリードからその両側方向に向けて、リード番号が1、2、3・・・と割り付けられる。
【0102】
そして、インナーリード22は、割付番号が若い方から順に、配線対象リードとして順次選択される。
【0103】
(4−2)ランドの優先順位
図12には、マトリクス配置された各ランド32にあらかじめ割り付けられた優先順位の1例が示されている。ここでは、図7に示す分割領域200において、中心線204の左側の領域のランド群に対して割り付けられた優先順位を表す。
【0104】
まず、中心線204の左側に隣接する行に存在するランド32、すなわち中心共有部210の中心線204の左側に位置するランド32は、メッキリード16側に位置するランド32ほど、優先順位が高く設定されている。これにより、他に制約条件がなければ、中心共有部210のランドは、矢印で示す順番で順次配線対象ランドとして選択されることになる。
【0105】
また、処理面230及び面共有部220では、マトリクス配置された各ランドの優先順位は、次のように設定する。
【0106】
前記中心線204と対角線202によって8分割された各台形領域に含まれる各ランドの優先順位を、対角線202に沿って斜め方向に隣接するランドを結ぶ複数列の斜めのラインを優先順位設定ラインを想定する。そして、前記対角線202から遠い優先順位設定ラインに含まれるランドの優先順位が高く、しかも同一の優先順位設定ライン上に位置するランドはランド群の外周側に位置するほど優先順位が高くなるように設定する。これにより、他に制約条件がなければ、処理面230及び面共有面220のランドは、矢印で示す順番で順次配線対象ランドとして選択されることになる。
【0107】
なお、分割領域200において、中心線204の右側の領域は、図12に示す優先順位と、その優先順位が線対称となるように、優先順位が割付られる。
【0108】
このような優先順位の割付を行うことにより、図11に示すように、各インナーリード22は、その中心線204側のリードから順に配線対象リードとして選択されていき、さらに各ランドは、図12に示すようにあらかじめ割り付けられた優先順位に従って配線対象ランドとして選択されていく。従って、何ら他に制約がなければ、図11に示すリード番号と対応したインナーリード22と図12に示す優先順位に従ったランドとが、順番に結線されるように、各リード40の配線経路が決定されていくことになる。
【0109】
(4−3)仮想カウンタを用いた配線経路の決定処理
ところで、各ランド32の間を通過できるリード40、42の通過可能本数は所定本数に制限されることは前述した。本実施の形態では、最大4本に制限されているものとする。
【0110】
このような制限の下では、配線対象ランドを、図12に示す優先順位に従って単純に順次選択し、その配線経路を決定していくことはできない。
【0111】
そこで、本実施の形態の配線回路決定部124は、仮想カウンタ設定制御部126及び対象ランド決定部128として機能するように構成されている。
【0112】
仮想カウンタ設定制御部126は、以下に詳述するように、各ランド32の周囲に、隣接するランドとの間の領域を通過するリード40、42の本数をカウントするカウンタ300を仮想設定する。
【0113】
対象ランド決定部128は、前述した各ランド32の優先順位及び前記仮想カウンタ300のデータに基づき、配線対象となるランド32をその都度決定する。
【0114】
そして、配線回路決定部124は、決定された配線対象ランド32と、リード22,16とを結ぶ配線リード40,42の配線経路を、前記カウンタ300のデータに基づき決定する。
【0115】
以下にその詳細を説明する。
【0116】
図13に示すように、マトリクス配置された各ランド32の周囲には、行及び列方向に合計4個の仮想カウンタが仮想設置されている。ここでは、ランド32の周囲に、隣接ランドとの間にそれぞれ第1〜第4のカウンタ300−1,300−2,300−3,300−4が仮想設置されている。
【0117】
本実施の形態の配線経路決定用のアルゴリズムは、各ランド32間の領域への新たなリード40、42の配線経路の設定を、そのランド間に設置されたカウンタ300が開状態に制御されている場合にのみ許可するように構成されている。
【0118】
従って、仮想配置されたカウンタ300の開閉状態を制御することにより、配線リード40、42の配線経路を自動的に決定することができる。
【0119】
各カウンタ300は、開制御された開カウンタ状態となった場合に、当該開カウンタ300の存在するリード間32、32の領域を通過するように決定されたリード40、42の本数をカウントする動作を行う。各カウンタ300は、閉制御された閉カウンタ状態にあるときには、このようなカウント動作は行わない。
【0120】
図14には、前記仮想カウンタ300の開閉制御のためのルールが概略的に示されている。図14(A)に示すように、隣接するランド32は、互いにカウンタ300を共有するものとする。
【0121】
図15には、中心共有部210における配線経路決定のための手順が概略的に示されている。
【0122】
まず、最初に対象となるインナーリードは、図11に示すリード番号が1番のインナーリード22である。このインナーリードの配線対象ランド32Tは、中心共有部210において優先順位が一番高いランド、すなわちメッキリード16側に位置するランド32−1である。
【0123】
A:カウンタの初期設定
本実施の形態の仮想カウンタ設定制御部124は、この1本目の配線リード40、42の配線経路を決定するために、最初の配線対象ランド32−1(32T)の周囲の仮想カウンタ300を、図14(B)に示すように初期設定する。
【0124】
すなわち、中心線204側に位置する第1の仮想カウンタ300−1と、メッキリード16側に位置する第4の仮想カウンタ300−4を開制御し、この第1、第4の仮想カウンタ300−1、300−4と、ランド32−1を挟んで相対向する第2、第3の仮想カウンタ300−2、300−3を閉制御する。
【0125】
さらに、この配線対象ランド32−1と同じ行に属するランド32−2、32−3、32−4の、中心線204側の仮想カウンタ(第1の仮想カウンタ)300を同様に開制御する。
【0126】
これ以外のカウンタは全て閉じた状態に制御する。このようにして、配線経路の決定処理に先立って、仮想カウンタの初期設定を行う。
【0127】
B:カウント動作
本実施の形態では、配線対象インナーリード22と、配線対象ランド32−1との間の配線経路を、開カウンタ300の存在する領域をリード40が通過するように決定する。さらに、配線対象ランド32−1と、メッキリード16との間の配線リード42の経路を、開カウンタの存在する領域をリード42が通過するように決定する。
【0128】
これにより、図15に示すように、1本目の第1の配線リード40及び第2の配線リード42の配線経路が決定されることになる。
【0129】
この時、配線リード40、42の配線経路に位置する各開カウンタ300は、そのカウント値をインクリメントするように制御される。
【0130】
C:配線対象ランド周囲のカウンタ制御
配線対象ランド32−1に対する配線リード40、42の配線経路が決定されると、次に配線対象ランド32−1の周囲に図14(B)に示すように開閉制御されている各仮想カウンタ300−1、・・・300−4は、次に図14(C)に示すように開閉制御される。すなわち、第1、第4のカウンタ300−1、300−4は閉制御され、第2、第3のカウンタ300−2、300−3は開制御される。
【0131】
これにより、次の配線対象ランドに対する配線リード40、42の新たな配線のための予定経路が設定されることになる。
【0132】
D:2番目以降の配線経路決定時の制御
2番目のインナーリード22と、2番目の配線対象ランド32−2との間を結ぶ第1の配線リード40−2の経路は、図16に示すように開カウンタ300の存在する領域に基づいて決定される。同様に配線対象ランド32−2と、メッキリード16との間を結ぶ第2の配線リード42−2の配線経路も、開カウンタの存在する領域に基づき決定される。そして、これら配線リード40−2、42−2の配線経路に位置する仮想カウンタ300のカウント値はインクリメントされる。
【0133】
そして、配線経路の決定後、配線対象ランド32−2の周囲に位置する仮想カウンタ300は、図14(C)に示すルールに従って開閉制御される。すなわち第1及び第4のカウンタ300−1、300−4は閉制御され、第2、第3の仮想カウンタ300−2、300−3は開制御される。
【0134】
E:中心共有部特有の配線ルール
同様にして3本目のインナーリードを22−3と、3番目の配線対象ランド32との配線経路の決定を行う。なお、中心共有部210では、中心線204を介して右側と左側の領域で、ほぼ左右対称となるように、配線リード40の配線経路を決定することが好ましい。このために、インナーリード22とランド40との間の配線は、中心線204側に位置する仮想カウンタ300の値が2以内の時だけ許容されるように制限される。
【0135】
従って、図16に示すように、カウンタ300A3、300A4が開いていても、配線経路決定部128は、このカウンタ300A3、300A4の存在する領域に第1の配線リード40の配線経路を設定することを許可しない。このため、図12に示す優先順位に従えば、次の配線対象ランドは32−3となるはずであるが、ここでは前述したカウンタの配線制限ルールが優先する。そして、この条件の下で配線が可能なランドを配線対象ランドとして決定する。ここでは、図17に示すようにインナーリード側のカウンタ32−4が配線対象ランド32Tとして決定される特殊処理が行われる。そして、3番目のインナーリードを22と、この配線対象ランド32−4との間を結ぶ第1の配線リード40の配線経路が決定される。なお、このとき第2の配線リード42の配線経路の決定処理は、前述したカウンタの配線制限ルールの制約を受けない。このため、第2の配線リード42の配線経路は、開カウンタの存在位置に基づき、直前の配線リード42−2と交差しないように決定される。
【0136】
そして、配線リード40、42の通過したランド32間に位置するカウンタのカウント値は、自動的にインクリメントされる。
【0137】
F:特殊処理時における配線対象ランド周囲のカウンタ制御
また、配線経路が決定したランド32−3周囲のカウンタは、図14(D)に示すように開閉制御される。すなわち、図14(D)に示すように、ランド32の中心線204側のカウンタ300のみが開いてる状態で、当該ランド32への配線経路が決定した場合には、開カウンタ300−1のみが閉制御され、これと逆方向に位置する第3のカウンタ300−3のみが開制御される。
【0138】
図17に示すように配線経路が決定されると、次に次に図18に示すように、開カウンタ300の存在位置と、前述したランドの優先順位とに基づき、32−3のランドが4番目の配線対象ランド32Tとして決定される。そして、開カウンタの存在位置のデータに基づき、第1、第2の配線リード40、42の配線経路が決定される。
【0139】
このようにして、中心共有部210に属する各ランド32とインナーリード22との間の配線経路が自動的に決定されることになる。
【0140】
G:カウンタの他の制御ルール
なお、仮想カウンタ300の開閉制御のルールには、前述したもの以外に、図14(D)に示すよう、開カウンタのカウント値が超過した場合、すなわち、カウント値が4を上回った場合には、その開カウンタ300を閉じ、ランド32を挟んで逆方向に位置するカウンタ300を開く制御を行うというルールがある。
【0141】
H:カウンタ制御ルールのまとめ
本実施の形態におけるカウンタの制御ルールをまとめると以下のようになる。
【0142】
まず、カウンタの初期設定ルールをまとめる。
【0143】
(第1のルール)
一番最初の配線対象ランド32Tに対しては、図14(B)に示すように、第1、第4のカウンタ300−1、300−4を開き、第2、第3のカウンタ300−2、300−3を閉じる初期設定を行う。
【0144】
(第2のルール)
最初に配線対象となるランド32Tと同じ行に属するランドの、中心線204側に位置する仮想カウンタ300を開き、それ以外のカウンタは閉じる初期設定を行う。
【0145】
次に、配線経路決定処理動作中におけるカウンタの制御ルールをまとめる。
【0146】
(第1のルール)
図14(B)に示す状態にある配線対象ランド32Tに対し、配線経路が決定されると、その周囲のカウンタを、図14(B)に示す状態から同図(C)に示す状態に制御する。
【0147】
(第2のルール)
図14(D)に示すように、中心線204側のカウンタのみが開いている配線対象ランド32Tに対し配線経路が決定されると、開カウンタ300を閉じ、これとは逆の側に位置する閉カウンタを開制御する。
【0148】
(第3のルール)
図14(D)に示すように、開カウンタ300のカウント値が超過した場合には、当該開カウンタを閉じ、このカウンタとランド32を挟んで逆側に位置する閉カウンタを開制御する。
【0149】
以上の第1〜3のルールに基づき、カウンタ300の制御を行うことにより、開カウンタの存在する領域と、図12に示すランド32の優先順位とに基づき、配線対象ランド32Tを適切に決定し、当該ランド32とインナーリード20及びメッキリード16との間の配線経路、すなわち、第1、第2の配線リード40、42の配線経路を自動的に決定することができる。
【0150】
I:配線経路の決定ルールのまとめ
次に、配線経路決定ルールをまとめる。
【0151】
(基本ルール)
開カウンタの存在するランド間領域に配線経路を順次設定する。
【0152】
(制限的ルール)
なお、前記基本ルールには制限がある。中心共有部210における第1の配線リード40の配線に際しての特有のルールである。
【0153】
中心共有部210においては、当該開カウンタ300のカウント値が2を超過した場合(通過可能な本数の1/2の本数を超過した場合)には、カウンタが開いていても、その開カウンタの存在するランド間領域には第1の配線リード40の新たな配線を許可しないというルールである。なお、このルールは、中心共有部210における第1の配線リード40の配線経路の決定に際してのみ適用され、第2の配線リード42の配線経路の決定や、その他の領域における配線経路の決定に際しては適用されない。
【0154】
図19には、このようなルールに従って決定された、中心共有部210の全領域の配線経路が示されている。
【0155】
J:処理面の配線経路
このようにして中心共有部320における配線パターンを決定すると、次に図20〜図24に示すように、処理面230における配線経路の決定処理動作を行う。
【0156】
この配線経路の決定処理動作は、基本的には、図12に示すように各ランドに割り付けられた優先順位と、前述したルールに従って開閉制御されるカウンタの開カウンタの存在位置とに基づいて行われる。
【0157】
本実施の形態では、前述した図15〜図18に示すように中心共有部210の配線経路が決定された時点では、カウント値が超過した開カウンタは存在していない。このため図20に示すように、残ったランドの中で最も優先順位が高いランド32−5が配線対象ランド32Tとして決定される。そして、開カウンタ300の存在位置に基づき、この配線対象ランド32−5(32T)に対する第1、第2の配線リード40、42の配線経路が決定される。
【0158】
このようにして、ランド32−5に対する配線経路が決定した段階においても、開カウンタの中にはカウント値を超過したものが存在しない。このため、図21に示すように、次に優先順位の高い32−6のランドが配線対象ランド32Tとして決定される。そして、開カウンタ300の存在位置に基づき第1、第2の配線リード40、42の配線経路が決定される。同様にして、図22に示すように、32−7のランドを配線対象ランド32Tとして、次の配線経路が決定される。
【0159】
図22に示すようにして配線経路が決定されると、開カウンタの中にはそのカウント値が超過するものが発生する。この場合、単に優先順位に基づくならば、左下のランド30−8が次の配線対象ランドとなるが、超過カウンタが発生しているため、図23に示すように、超過カウンタに隣接するランド32−14を次の配線対象ランド32Tとして決定する特殊処理を行う。そして、開カウンタの存在位置に基づき、第1、第2の配線リード40、42の配線経路を決定する。
【0160】
図23に示すようにして配線経路が決定されると、次にランド30−10を配線対象ランド32Tとして、図24に示すように次の配線経路が決定される。
【0161】
このような処理を繰り返して行うことにより、処理面230における第1、第2の配線リード40、42の配線経路を自動的に決定することができる。
【0162】
K:面供給部の処理
図25には、面共有部220の詳細が示されている。
【0163】
この面共有部220では、図中鎖線で示すように隣接する分割領域200−1、200−4が一つおきに配線対象となるランドを分担する。
【0164】
これら各ランド32に対する配線経路の決定は、自分の属する分割領域200のランド32のみを対象とする点を除けば、前述した処理面230における配線経路の決定と同様なアルゴリズムを用いて行う。
【0165】
本実施の形態によれば、分割領域200に対するこのような配線処理を、図7に示すように、一方の中心共有部210、一方の処理面230−1、面共有部220−1、他方の中心共有部210、他方の処理面230−2、面共有部220−2の順に行う。
【0166】
なお、この配線経路の決定処理演算にあたり、配線が不可能であると判断された場合には、前述した図2に示す出力部140からエラーメッセージが出力される。従って、この場合には、入力部110から再度新たなパラメータの入力を行い、異なる条件で配線経路の決定のための演算処理を行えば良い。
【0167】
このようにして、分割領域200における配線経路の決定を自動的に、且つ入力パラメータの値を変更しながら効率良く行うことができる。
【0168】
そして、このようにして一つの分割領域200の配線パターンが決定した場合には、図8(A)〜(D)に示すように、この分割領域200−1の配線経路のパターンを他の分割領域200−2、200−3、200−4の配線パターンとしてそのまま転用することができる。このため、回路基板全体の配線経路の決定処理を極めて短時間で行うことができる。
【0169】
又、図9示すように相対向する分割領域のみが対称な構成となっている場合には、分割領域200−1、200−2に対して前述した手法を用いて配線経路の決定を行い、その後図9(B)に示すように、残りの分割領域200−3、200−4に対して既に決定した分割領域200−1、200−2の配線経路を転用することができる。従って、この場合でも、配線経路決定処理のための演算負荷を、大幅に低減することができる。
【0170】
(5)配線経路決定のための詳細アルゴリズム
以下に、前記第1、第2の配線リード40、42の配線経路を決定するためのより詳細なアルゴリズムを説明する。
【0171】
(5−1)回路基板全体の配線経路決定用アルゴリズム
図26には、このアルゴリズムの示すフローチャートが示されている。
【0172】
まず、ステップS20で、配線経路決定のための条件、例えば前述した各種パラメータの入力を行う。
【0173】
次に、ステップS22で、仮想基板設定部122は、例えば図6に示すような回路基板11を仮想的に設定し、この回路基板11上における作業領域を作成する処理を行う。ここでは、作業領域として、ランド群30を4つの分割領域200−1、200−2、200−3、200−4に分割し、さらに各分割領域を図7に示すように中心共有部210、処理面230−1、230−2、面共有部220−1、220−2に細分割する。
【0174】
そして、次のステップS24〜S32で、細分割された前記分割領域200−1を対象にして、第1、第2の配線リード40、42の配線パターンを決定する処理を行う。
【0175】
次に、ステップS34で、分割領域300−1と、残りの分割領域300−2〜300−4のセルの数が同一か否かの判断を行う。すなわち、配線パターンが決定された分割領域300−1と、残りの分割領域300−2〜300−4のランド32のマトリクス配置が同一か否かの判断を行う。
【0176】
ここで同一であると判断された場合には、ステップS36において、図8(A)〜(D)に示すように、生成した配線パターンデータを90度、180度、280度回転し、各分割領域200−2、200−3、200−4の配線パターンデータとしてコピーする処理を行う。
【0177】
また、ステップS34で、セル数が同一でないと判断された場合には、次のステップS38で、他の分割領域200−2に対して、再度ステップS24〜S32の配線パターン決定処理を行う。
【0178】
そして、次のステップS40で、生成した分割領域200−1、分割領域200−2の配線パターンのデータを、180度回転し、分割領域200−3、200−4の配線パターンのデータとしてコピーする処理を行う。
【0179】
このようにして、本実施の形態によれば、インナーリード群20とランド群30とを接続する複数の第1の配線リード40の配線経路の決定と、ランド群30とメッキリード16とを結ぶ第2の配線リード42の配線経路の決定とを自動的にかつ効率よく行うことができる。
【0180】
(5−2)分割領域での配線経路決定用アルゴリズム
図27には、前述したステップS24〜S32にて行われる、前記第1、第2のリード40、42の配線経路決定処理のフローチャートが示されている。
【0181】
まずステップS60において、図7に示す分割領域200における配線経路の取得方向を、中心線204から左方向へ向けて行うか、右方向へ向けて行うかの決定を行う。
【0182】
次に、ステップS62において、決定した取得方向に存在する配線対象ランド32Tの候補をリストアップする処理を行う。
【0183】
次に、ステップS64において、候補としてリストアップされたランド群の中から、次の配線対象ランド32Tを決定する処理を行う。この処理の詳細は、図30に基づいて、後で説明する。
【0184】
次に、ステップS66で、前記ステップS64の処理でエラーが発生したと判断した場合には、それ以降の配線経路の決定は不可能であるとして、ここで配線経路の決定処理作業を中止する。
【0185】
ステップS66で、エラーが発生していないと判断された場合には、次にステップS68で、配線対象ランド32Tが存在するか否かの判断を行う。ないと判断した場合は、その領域における全てのランドに対する配線経路が決定した状態であるので、この時点で配線経路の決定作業を完了する。
【0186】
前記ステップS68で、配線対象ランド32Tが存在すると判断された場合には、次のステップS70において、その配線対象ランド32Tへ配線される第1、第2のリード40、42のリード線番号を決定する。この番号は、各リード40、42に対して、通し番号として割り振られる。
【0187】
次に、ステップS72において、割り振られた番号が最初の番号であるか否か、すなわち1番最初に配線経路が決定されるリード40、42であるか否かの判断が行われる。
【0188】
最初のリードであると判断された場合には、次にステップS74において、初期ルートの決定処理が行われる。この初期ルートの決定処理は、図28に基づいて、後述する。
【0189】
また、ステップS72で、最初のリードでないと判断された場合には、次にステップS76において、通常のルート決定処理を行う。このルート決定処理は、図29に基づいて、後述する。
【0190】
本実施の形態では、このようなステップS60〜76の一連の処理を、繰り返して行い、配線対象となるランド32Tをその都度特定し、当該ランド32Tに対する第1、第2の配線リード40、42の配線経路を決定する処理、すなわちルート決定処理を繰り返して行う。
【0191】
(5−3)初期ルート決定用アルゴリズム
図28には、ステップS74の初期ルート決定処理の詳細なアルゴリズムが示され、図33〜38には、このルート決定に伴うカウンタ300の制御の具体例が示されている。
【0192】
まず、ステップS74の初期ルートの決定処理に先立って、ステップS64において、配線対象ランド32Tが決定される。
【0193】
図33に示すように、初期ルートの作成、すなわち中心共有部210における初期ルートの作成に際しては、メッキリード16側(インナーリード22と反対側)に位置するランドが一番最初のリード線の配線対象ランド32Tとして設定される。
【0194】
そして、図28のステップS80において、この配線対象ランド32Tの周囲に存在する4つのカウンタ300−1〜300−4を使用カウンタ300Tとして決定し、この4つの使用カウンタ300Tを、図14(B)に示すように開閉制御する。
【0195】
そして、配線対象ランド32Tに対して、リードの取得方向と反対側に位置する使用カウンタ300T、すなわち中心線204側に位置する第1のカウンタ300−1を、ルート開始・終了カウンタ決定用のカウンタ300refとして決定する。(図33参照)
次にステップS82において、前記使用カウンタ300refに基づき、図34に示すようにルート開始カウンタ300Sを決定する。すなわち、決定用カウンタ300refの存在する行の最もインナーリード22に近いカウンタを、ルート開始カウンタ300Sとして決定する。
【0196】
次に、ステップS84において、前記決定用カウンタ300refに基づき、図35に示すようにルート終了カウンタ300Eを決定する。ここでは、決定用カウンタ300refの存在する行の最もメッキリード16に近いカウンタを、ルート終了カウンタ300Eとする。ここでは、同じカウンタ300が、決定用カウンタ300ref及びルート終了カウンタ300Eとして設定する。
【0197】
次に、ステップS86において、配線ルートを決定するための移動カウンタ300Mを、前記開始カウンタ300Sの位置に設定する。
【0198】
次に、ステップS88で、移動カウンタ300Mが使用カウンタ300Tにまで移動したか否かの判断が行われる。ここでは、まだ使用カウンタ300Tまで移動していないため、次にステップS90で、通過カウンタ処理を行う。
【0199】
図36、図37には、この通過カウンタ処理の具体例が示されている。
【0200】
すなわち、本実施の形態において、各カウンタ300には、その隣接する一対のランド32、32に向け、それぞれ一対の通過フラグfa、fbが仮想的に設定されている。そして、図36に示すように、配線ルートを設定するために、所定の開カウンタ300が移動カウンタ300Mとして設定されると、新たな配線経路を取得する方向(中心線204とは逆の方向)に位置する隣接ランド32a側のフラグを、通過可能な状態に設定し、このランド32aを新たな配線の取得可能ランドに設定する。そして、移動カウンタ300Mのカウント値を、インクリメントする。
【0201】
これと同時に、図37に示すように、移動カウンタ300Mの中心線204側に位置するカウンタ32bを、取得不可能なボールランドにする。すなわち、このランド32bに対応して設定された通過フラグを、通過不可能な状態に設定する。
【0202】
このようにして、移動カウンタ300Mが通過すると、この移動カウンタ300Mの通過に伴い新たに設定された配線経路の両側に位置する一対のランド32A、32Bのうち、面共有部220側に位置するランド32aが、新たに配線可能なボールランド32aとして設定され、中心線204側に位置するランド32bは、取得不可能なボールランドとして設定される。
【0203】
これにより、次のリードの配線経路が、直前の配線経路と交差することが防止される。
【0204】
次に、ステップS96で、移動カウンタ300Mが、終了カウンタ300Eに達したか否かが判断される。
【0205】
ここでは、まだ達していないと判断されるので、次にステップS92で、移動カウンタ300Mを、同じ行の次の列のカウンタへ移動させる処理を行う。
【0206】
このようなステップS88〜S92の一連の処理を、移動カウンタ300Mが、使用カウンタ300T、ここでは決定用カウンタ300refに達するまで繰り返して行う。
【0207】
そして、ステップS88で、移動カウンタ300Mが、決定用カウンタ300refに達したと判断されると、次にステップS94で、使用カウンタ処理が行われる。
【0208】
ステップS94の使用カウンタ処理は、配線対象ランド32Tの周囲に、図14(B)に示す状態で使用カウンタ300Tとして存在する4つのカウンタ300−1、300−2…300−4を、図14(C)に示す状態に切り替え制御し、しかも配線リード40、42をこの配線対象ランド32Tに通過させる処理として実行される。
【0209】
本実施の形態は、第2の配線リード42を、配線対象ランド32のカウンタ300−4側から直接引き出してメッキリード16に接続させ、第2の配線リード42のリード長をできるだけ短くするように配線処理を実行する。このために、本実施の形態では、前記4つの使用リード300−1、300−2…300−4の開閉を、図38〜図41に示すように行っている。
【0210】
すなわち、図38に示すように、移動カウンタ300Mの移動が、決定用カウンタ300refまで達すると、この移動カウンタ300Mに対応して設定された、配線対象ランド32T側のフラグを配線が通過不可能な状態となるように設定し、図39に示すように、配線リード40を、このランド32Tを通過させるる。そして、このランド32Tを、取得済みボールランドに設定する。
【0211】
次に、図40に示すように、この配線対象ランド32Tの周囲に隣接する各ランド32c、32d、32eに対する処理を行う。
【0212】
これら各隣接ランド32c、32d、32eが、配線経路が既に決定された取得済みボールランドであるならば、当該隣接ランドと配線対象ランド32Tとの間の共有カウンタを閉鎖する処理を行う。
【0213】
これら各隣接ランド32c、32d、32eが、これから配線可能なランド、すなわち取得可能なランドであるならば、当該ランドとの間の共有カウンタに割り付けられた通過フラグを通過可能な状態に設定する。
【0214】
また、隣接するランド32c、32d、32eとの共通カウンタが開いており、しかもこれら隣接カウンタが取得不可能なボールランドであるならば、これらの隣接ランドを取得可能なランドとするようにフラグを変更し、かつ共有カウンタを開く処理を行う。
【0215】
隣接するボールランドが存在しない方向に位置するカウンタ(本実施の形態では第4のカウンタ300−4)に対しては、ランド32T側の通過フラグを開く処理を行う。これらより、対象ランド32Tから、第4のカウンタ300−4方向に向けて、第2の配線リード42を直接引き出してメッキリード16と接続する配線経路の決定が可能となる。
【0216】
このような一例の使用カウンタ処理が終了すると、次にステップS96で、移動カウンタ300Mが終了カウンタ300Eに達したと判断されるまで、ステップS88〜92の処理を繰り返して行う。
【0217】
そして、ステップS92へ、移動カウンタ300Mが、終了カウンタ300Eに達したと判断された時点で、初期ルートの設定処理を完了する(ステップS98)。
【0218】
(5−4)通常ルート決定用アルゴリズム
図29には、図27のステップS76で説明した、通常ルート決定処理の詳細なフローチャートが示されている。
【0219】
なお、このステップS76の処理を行うに先立ち、ステップS64において、次の配線対象となるランド32Tが決定されている。
【0220】
図29に示すルート決定処理では、まずステップS100において、配線対象ランド32Tの周囲に存在するカウンタ300−1、300−2…300−4を、使用カウンタ300Tとして決定する処理を行う。
【0221】
ここでは、図42に示すように配線対象ランド32Tが設定されているため、このランド32Tの周囲に存在する4つのカウンタを使用カウンタ300Tとして設定する。
【0222】
次に、ステップS102において、ルート開始カウンタ300Sを決定し、次のステップS104で、ルート終了カウンタ300Eを決定する。
【0223】
図43には、ルート開始カウンタ300S及びルート終了カウンタ300Eを設定するための処理の具体例が示されている。
【0224】
ステップS102の、ルート開始カウンタ300Sの決定は、次のようなルールに基づき行う。
【0225】
基本ルールは、直前の配線経路と同じルートの開始カウンタ300Sを、今回の配線に際してのルート開始カウンタとして使用する、というルールである。
【0226】
なお、直前のルート開始カウンタが閉じている場合には、この直前のルート開始カウンタに対して、ボールランド32Sを介して面共有部220側に位置するカウンタを開き、このカウンタを新たなルート開始カウンタとして設定するという、第1の例外ルールに従う。
【0227】
また、この第1の例外ルールに従って設定された新たなルート開始カウンタが、既に使用カウンタとして設定されている場合には、ランド32sの、インナーリード側に位置するカウンタを、ルート開始カウンタ300Sとして設定する、という第2の例外ルールに従う。これは、インナーリード側に面して位置するランド32sが、配線対象ランド32Tとして設定されている場合の処理である。
【0228】
また、ステップS104の、ルート終了カウンタ300Eの決定は、次のようなルールに基づき行う。
【0229】
基本ルールは、直前の配線リードのルート決定に用いられたルート終了カウンタ300Eを、新たなルート終了カウンタ300Eとして使用する、というルールである。
【0230】
直前に使用したルート終了カウンタ300Eが閉じている場合には、このカウンタに対しランド32Eを介して面共有部220側に位置するカウンタを新たなルート終了カウンタとして選択し、このカウンタを開く処理を行う、という第1の例外ルールに従う。
【0231】
また、この新たなカウンタが既に使用カウンタとして設定されている場合には、ランド32Eのメッキリード側に位置するカウンタを取得し、これを新たなルート終了カウンタ300Eとして設定する、という第2の例外ルールに従う。このカウンタも使用カウンタに設定されかつ閉じている場合には、処理を中断する。
【0232】
このようにして、ルート開始カウンタ300S、ルート終了カウンタ300eを決定すると、次にステップS106で、移動カウンタ300Mをルート開始カウンタ300Sに設定し、ステップS108〜S134のルート決定動作を開始する。
【0233】
まず、ステップS108で、移動カウンタ300Mが使用カウンタ300Tの位置まで移動したか否かが判断される。
【0234】
ステップS106の処理の直後では、使用カウンタ300Tまで移動していないため、次にステップS110の通過カウンタ処理を行う。
【0235】
このステップS110の通過カウンタ処理は、図28のステップS90で説明した通過カウンタ処理と同様であるので、ここではその説明は省略する。
【0236】
次に、ステップS112で、移動カウンタ300Mが終了カウンタ300Eまで移動したか否かが判断される。
【0237】
次に、ステップS114で、移動カウンタ300Mが、直前のリード線の配線経路の決定に用いたカウンタと同じカウンタか否かが判断される。
【0238】
同じカウンタであると判断された場合には、次にステップS116で、移動カウンタ300Mに対して同じ行で、メッキリード側に隣接するカウンタが開いているか否かが判断される。
【0239】
開いていると判断された場合には、ステップS118で、移動カウンタ300Mを、メッキリード側に隣接する次のカウンタに移動する処理を行う。
【0240】
このようなステップS114〜S118の処理を、直前のリード線と同じ配線ルートに、閉制御されたカウンタが出現するまで繰り返して行う。
【0241】
そして、直前のルート設定に用いられかつ閉制御されたカウンタが出現した時点で、次にステップ120で、移動カウンタ300Mの移動対象となる開カウンタを検索し、ステップS122、126で、検索されたカウンタに向け移動カウンタ300Mを移動する。
【0242】
すなわち、ステップS114で、移動カウンタ300Mが、直前のリード線の配線経路の決定に用いたカウンタと異なると判断された場合や、ステップS116で、移動カウンタ300Mに対しメッキリード側に隣接するカウンタが開いていないと判断した場合には、次にステップS120において、開カウンタの検索を行う。
【0243】
ステップS122で、前記ステップS120の検索に失敗したと判断された場合には、その時点でルート作成を中断する(ステップS124)。
【0244】
ステップS122で、検索が成功したと判断された場合には、ステップS126で、移動カウンタ300Mを、検索された新たなカウンタへ移動する処理を行う。
【0245】
このようにして移動カウンタ300Mを、順次移動させていき、配線リード40、42の新たな配線経路を順次決定していく。
【0246】
そして、ステップS108で、移動カウンタ300Mが、使用カウンタ300Tまで移動したと判断されると、次にステップS130で使用カウンタ処理を行う。この使用カウンタ処理は、図28のステップS94で詳述した処理と同様であるので、ここではその説明は省略する。
【0247】
次に、ステップS132で、使用カウンタを変更する処理を行う。この処理も、前述したステップS94の処理と同様であるので、ここではその説明は省略する。
【0248】
このようして、ステップS130、S132の処理を終了すると、次に移動カウンタ300Mが、終了カウンタ300Eへ移動するまで、ステップS108〜S126の処理を繰り返して行い、対象ランド32Tからメッキリード16への第2の配線リード42の配線経路を決定する。
【0249】
そして、ステップS112で、移動カウンタ300Mが終了カウンタ300Eに達したと判断された時点で、ステップS134へ移動し、ルート作成処理を完了する。
【0250】
(5−5)配線対象ランド32Tの決定処理
次に、図27のステップS64の、配線対象ランド32Tの決定処理について説明する。
【0251】
図30には、この配線対象ランド32Tの決定処理のフローチャートが示されている。
【0252】
まず、ステップS200で、まだ配線経路が決定されていないランド、すなわち取得されていないランドが存在するか否かが判断される。
【0253】
次にステップS204で、カウント値が超過した開カウンタが発生したか否かが判断される。
【0254】
ステップS204で、発生していないと判断された場合には、次にステップS206のランド取得基本処理を行う。この処理の詳細は、図31に示されている。
【0255】
また、ステップS204で、超過カウンタが発生していると判断された場合には、次にステップS208のランド取得特殊処理を行う。この処理の詳細は、図32に示されている。
【0256】
そして、ステップS210で、ステップS208のランド取得処理にエラーが発生しているか否かが判断される。エラー発生と判断された場合には、ステップS212で、配線対象ランド32Tの決定処理を終了する。
【0257】
ステップS210でエラーが発生していないと判断された場合や、ステップS206の処理が終了すると、次にステップS214で、求められた最優先ポールランドを、配線対象ランド32Tとして決定する処理を行う。
【0258】
なお、前記ステップS200で、取得されていないランドが存在しないと判断された場合には、その時点で配線対象ランド32Tの決定処理を終了する。(ステップS202)。
【0259】
次に、前記ステップS206のランド取得基本処理と、ステップS208のランド取得特殊処理の詳細を説明する。
【0260】
図45、図46には、図12で説明した、各ランド32に対する優先順位の割付の詳細が示されている。なお図12では、インナーリードとメッキリードとの間に4個のランド32が存在する場合を想定したが、図45、図46では、これらの間に6個のランドが存在する場合を例に取り説明する。
【0261】
図45には、一方の処理面30−1、面共有部220−1に対して割り付けられた優先順位の一例が示されており、図46には、他方の処理面230−2、面共有部220−2に割り付けられた優先順位の一例が示されている。
【0262】
図47には、このようにして各ランドに割り付けられた優先順位と、開カウンタの存在位置とに基づき、配線対象ランド32Tを決定する処理の具体例が示されている。
【0263】
まず、ステップS206のランド取得基本処理について説明する。図31には、この処理の詳細なフローチャートが示されている。
【0264】
このランド取得基本処理S206は、ステップS204で、カウント値が超過してる開カウンタが発生していないと判断されたことを前提とする。このような場合としては、例えば図47(A)に示す状態が想定される。
【0265】
この状態で、ステップS300において、N個の取得可能なランドから、任意のボールランドを最優先に選択する。
【0266】
そして、ステップS304、306で、現在選択されているランドと次の候補のランドとの優先順位の比較を行い、優先順位が高いランドが存在する場合には選択されたランドを優先順位の高いものに入れ替える処理を行う。このような処理を、全ての候補に対して行う。
【0267】
ステップS302で全ての候補に対してこのようなステップS304、306の比較処理を終了したと判断すると、この時点で選択されているランド32を最優先のポールランドとして決定する処理を行う(ステップS308)。
【0268】
例えば図47(A)に示す具体例の場合には、ステップS300において、優先順位が2番目のランドに対する結線処理が終了した時点で、次の結線対象となるランドの候補として、優先順位が4、5、3、6、10、15、21のランドが、取得対象ランドとして選定される。この中で任意のランドがステップS300で選択される。
【0269】
そして、選択されたランドと、その他のランドとの優先順位が比較され、最終的に最も優先順位の高いランド、ここでは優先順位が「3」のランドが、最優先ポールランドとして決定される。
【0270】
次に、ステップS208の、ランド取得特殊処理について説明する。図32には、この処理の詳細なフローチャートが示されている。このステップS208の処理は、ステップS204において、カウント値が超過している開カウンタが発生していると判断されていることを前提とする。
【0271】
図47(B)、(C)には、このランド取得特殊処理の具体例が示されている。
【0272】
いずれの場合にも、優先順位が1、2の2つのランドには、既にリードの配線経路が決定されているものとする。
【0273】
従って、ここでは、次に優先順位が最も高いランドは、優先順位が3のランドとなる。
【0274】
この状態において、次の配線対象ランド32Tの候補となるランドは、優先順位が4、5、3、6、10、15、21の各ランドである。
【0275】
そして、図32に示すランド取得特殊処理では、まずステップS400で、取得対象ランドの中に、カウント値が超過しているカウンタをもつランドが複数存在するか否かが判断される。
【0276】
ここで、例えば図47(B)に示すように、超過カウンタをもつランドが1つしか存在しないと判断された場合(ここでは優先順位15のランド)、このランド(すなわち優先順位15のランド)が最優先ポールランドとして決定される(ステップS402)。
【0277】
ステップS400で、該当するランドが複数存在すると判断された場合には、次にステップS404で、超過ランド数カウンタを0に設定し、次にステップS406で、ランドの抽出が終了したか否かが判断する。
【0278】
そして、次にステップS408で、カウント値が超過しているカウンタをもつ複数のランドを抽出する処理を行う。
【0279】
そして、抽出されたランドが、中心共有部210に属するランドか否かが判断される。
【0280】
中心共有部のランドであると判断された場合には、次にステップS142で、そのランドのもつ超過カウンタが、最大通過可能本数を超えているか否かが判断される。超えていると判断された場合には、ステップS414で、このランドが最優先ランドとして登録される。
【0281】
ステップS412で、最大通過可能本数を超えていないと判断された場合には、次にステップS420で、超過ランド数カウンタの値を判断する。カウント値がゼロであると判断された場合には、次にステップS422で、既に登録された最優先ランドがあるか否かが判断される。ゼロでないと判断された場合には、ステップS424で、この抽出ランドが最優先ランドとして登録される。
【0282】
ステップS422で、既に登録された最優先ランドがあると判断された場合には、次にステップS426で、抽出されたランドと既に登録された最優先ランドとを比較し、インナーリードに近いほうのランドを、最優先ランドとして登録する。
【0283】
また、ステップS410で、抽出されたランドが中心共有部のランドでないと判断した場合には、次にステップS414で、このランドを最優先ランドとして登録する。
【0284】
そして、ステップS414の登録処理が終了すると、次にステップS416で超過ランド数カウンタを、カウトアップする処理を行い、次にステップS418で、超過ランド数カウンタの値が2を超えたか否かが判断される。2を超えたと判断された場合には、ランド取得エラーと判断される(ステップS430)。
【0285】
ステップS418で、カウント数が2を超えないと判断された場合には、ステップS406に戻る。
【0286】
そして、このような一連の処理を繰り返し、ステップS406でランドの抽出が完了したと判断された場合には、登録された最優先ランドを、ステップS402で、最優先ボールランドとして決定する処理を行う。
【0287】
例えば、図47(C)に示すように、優先順位が10、15、21の3つのランドに超過が発生したと判断された場合には、インナーリードに最も近い優先順位21のランドが、最優先ボールランドとして決定される。
【0288】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で各種の変形実施が可能である。
【0289】
例えば、前記実施の形態では、本発明をテープ回路基板11の配線経路を決定する場合を例に取り説明したが、本発明はこれ以外の各種回路基板における配線経路を決定する場合に適用することが可能である。
【0290】
また、前記実施の形態では、分割領域の中心共有部側から配線経路を決定する処理を開始する場合を例に取り説明したが、本発明はこれに限らず、所望の箇所から配線経路の決定処理を開始するようにしてもよい。
【0291】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたテープ回路基板の一例を示す説明図である。
【図2】本発明が適用された配線経路決定装置の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示す装置の動作を示すフローチャート図である。
【図4】図3に示す条件入力工程において入力される各種入力項目の説明図である。
【図5】図3に示す条件入力工程において入力される他の入力項目の説明図である。
【図6】分割領域の説明図である。
【図7】分割領域を、中心共有部、処理面、面共有部に細分割した状態の説明図である。
【図8】1つの分割領域に対して決定した配線パターンを、他の分割領域に転用して、回路全体の配線経路を決定する一連の処理の説明図である。
【図9】複数の分割領域に対して決定された配線経路を、他の配線経路に転用することにより、回路全体の一連の配線経路を決定する処理の説明図である。
【図10】分割領域の行及び列の説明図である。
【図11】インナーリード群に対して割り付けられた番号の説明図である。
【図12】ランド群に対して割り付けられた優先順位の説明図である。
【図13】各ランドに対して仮想配置されたカウンタの説明図である。
【図14】各ランドに対して仮想配置されたカウンタに対する制御の具体例の説明図である。
【図15】中心共有部のランドに対する配線経路決定処理の説明図である。
【図16】中心共有部のランドに対する配線経路決定処理の説明図である。
【図17】中心共有部のランドに対する配線経路決定処理説明図である。
【図18】中心共有部のランドに対する配線経路決定処理の説明図である。
【図19】中心共有部のランドに対する配線経路決定処理の説明図である。
【図20】処理面のランドに対する配線経路決定処理の説明図である。
【図21】処理面のランドに対する配線経路決定処理の説明図である。
【図22】処理面のランドに対する配線経路決定処理の説明図である。
【図23】処理面のランドに対する配線経路決定処理の説明図である。
【図24】処理面のランドに対する配線経路決定処理の説明図である。
【図25】面共有部のランドに対する処理の説明図である。
【図26】配線経路決定処理の具体的な動作を示すフローチャート図である。
【図27】配線経路決定処理の具体的な動作を示すフローチャート図である。
【図28】図27のステップS74の詳細な処理を示すフローチャート図である。
【図29】図27のステップS76の詳細な処理を示すフローチャート図である。
【図30】図27のステップS64の詳細な処理を示すフローチャート図である。
【図31】図30のステップS206の詳細な処理を示すフローチャート図である。
【図32】図30のステップS208の詳細な処理を示すフローチャート図である。
【図33】図27のステップS74の初期ルート決定処理の具体的な処理の説明図である。
【図34】初期ルート設定時におけるルート開始カウンタの設定処理の説明図である。
【図35】初期ルート設定時におけるルート終了カウンタの設定処理の説明図である。
【図36】初期ルート設定時における移動カウンタの動作の説明図である。
【図37】初期ルート設定時における移動カウンタの動作の説明図である。
【図38】初期ルート設定時に移動カウンタが使用カウンタまで移動したときの処理説明図である。
【図39】移動カウンタが通過カウンタまで移動したときの処理の説明図である。
【図40】初期ルート設定時におけるカウンタの制御動作の説明図である。
【図41】初期ルート設定時におけるカウンタの制御動作の説明図である。
【図42】通常ルート設定時における配線対象ボールランドに対するカウンタ制御動作の説明図である。
【図43】通常ルート設定時における開始カウンタ及び終了カウンタの設定処理の説明図である。
【図44】通常ルート設定時における移動カウンタの移動の処理の説明図である。
【図45】一方の処理面及び面共有部に対して設定される優先順位の説明図である。
【図46】他方の処理面及び面共有部に対して設定される優先順位の説明図である。
【図47】各ランドに対して予め設定された優先順位と、超過カウンタの存在意志とに基づき、配線対象ランドを決定する処理の具体例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 フィルム
11 テープ回路基板
20 インナーリード群
22 インナーリード
30 ランド群
32 ランド
40 第1の配線リード
42 第2の配線リード
110 入力部
120 処理部
122 仮想基板設定部
124 仮想カウンタ設定制御部
126 対象ランド決定部
128 配線経路決定部
130 情報記憶媒体
140 出力部
200 分割領域
202 対向線
204 中心線
210 中心共有部
220−1、220−2 面共有部
230−1、230−2 処理面
300 仮想カウンタ

Claims (10)

  1. 入力情報に基づき、矩形状に配置されたインナーリード群と、前記インナーリード群の周囲を矩形状に囲むようにマトリクス状に配置されたランド群とを有する仮想回路基板を設定する手段と、
    前記仮想回路基板のインナーリード群とランド群との配線経路を決定する手段
    としてコンピュータを機能させるプログラムが記憶されたコンピュータ読みとり可能な情報記憶媒体において、
    前記配線経路を決定する手段は、
    前記ランド群を、仮想的に前記矩形状をしたランド群の4つの外辺を底辺とする4つの台形形状をした分割領域に4分割処理する第1の手段と、
    前記4分割処理された前記4つの分割領域から、ランドのマトリクス配置が異なる分割領域毎に、そのインナーリード群とランド群との配線経路を決定する処理を行う第2の手段と、
    決定された配線経路を、ランドのマトリクス配置が同一の他の分割領域の配線経路として転用し、前記他の分割領域の配線経路を決定する処理を行なう第3の手段と、
    を含み、
    前記第1の手段は、
    隣接する前記台形形状をした各分割領域が、台形側辺に相当する1列分のランド列を面共有部として共有するように、前記ランド群に対する前記4分割処理を行い、
    前記第2の手段は、
    配線対象となる台形の分割領域を、マトリクスの中心の少なくとも2行のランドから構成される中心共有部と、その両側に位置する一対の処理面と、各処理面の外側に位置する前記面共有部とに細分割するための処理を行う手段と、
    前記分割領域の配線経路の決定を、前記中心共有部、処理面、面共有部の順に行い、しかも前記面共有部では、隣接する分割領域と各ランドへの配線を分担するように配線経路を決定するための決定手段と、
    を含み、
    前記決定手段は、
    前記各ランドの周囲に、所定のルールで開制御され隣接ランドとの間を通過する配線経路数をカウントする複数のカウンタを仮想配置するための手段と、
    配線経路決定済みのインナーリードに隣接する次のインナーリードと所定のルールで決定された次の配線対象ランドとの配線経路を、開カウンタの存在するランド間を、直前の配線経路と配線が交差せずに通過するように決定する処理を、前記中心共有部、処理面、面共有部の順に行うための配線経路決定手段と、
    カウント値が超過した開カウンタ及び対応するランドの配線経路が決定した開カウンタを閉制御し、対応するランドを介して前記閉制御されたカウンタと反対側に位置する閉カウンタを開制御し新たな配線を導く経路を設定するためのカウンタ制御手段と、
    を含むことを特徴とする情報記憶媒体。
  2. 請求項において、
    前記配線経路決定手段は、
    マトリクス配置されたランドから、その外周に位置して設けられたメッキリードへの配線経路を、カウンタの開いているランド間を、直前の配線経路と配線が交差せずに通過するように決定するための手段を含み、
    前記カウンタ制御手段は、
    前記メッキリードとランドとの配線経路決定処理によりカウント値が超過した開カウンタを閉制御し、対応するランドを介して前記閉制御カウンタと反対側に位置する閉カウンタを開制御し、新たな配線を導く領域を設定する処理を行うための手段を含むことを特徴とする情報記憶媒体。
  3. 請求項1,2のいずれかにおいて、
    マトリクス配置された各ランドに割り付けられた優先順位のデータがさらに記憶され
    前記配線経路決定手段は、
    前記各ランドの優先順位及びカウント値の超過したカウンタの有無に基づき、次の配線対象ランドを決定するための手段と、
    決定された前記配線対象ランドとインナーリードとの間の配線経路を、開カウンタの存在位置に基づき決定する処理を行うための手段と、
    を含むことを特徴とする情報記憶媒体。
  4. 請求項において、
    マトリクス配置された各ランドの優先順位は、
    前記マトリクス配置されたランド群が形成する矩形状の各辺を通る中心線と、前記矩形状の対角線を想定し、
    前記中心線と対角線によって8分割された各領域に含まれる各ランドの優先順位を、
    前記対角線に沿って斜め方向に隣接するランドを結ぶ複数列の斜めのラインを優先順位設定ラインとしたときに、前記対角線から遠い優先順位設定ラインに含まれるランドの優先順位が高く、しかも同一の優先順位設定ライン上に位置するランドはランド群の外周側に位置するほど優先順位が高くなるように設定することを特徴とする情報記憶媒体。
  5. 請求項において、
    前記配線経路決定手段は、
    前記前記中心共有部に属し、前記基準ラインの両側に位置する最も優先順位の高い一対のランドに対し、基準ライン側の第1のカウンタ及びインナーリードの反対側に位置する第4カウンタを開制御し、これら第1及び第4のカウンタと反対側に位置する第2,第3のカウンタを閉制御するとともに、前記基準ラインに隣接する行に属する各ランドの基準ライン側カウンタを開制御する初期設定を行うための手段と、
    前記開カウンタで導かれる経路に沿って、基準となる各インナーリードと前記一対のランドとの基準配線経路を決定する手段と、
    前記基準配線経路と交差せずに、前記基準配線経路側から前記面共有部側に向けて配線経路を決定する処理を繰り返し行うための手段と、
    を含むことを特徴とする情報記憶媒体。
  6. 入力情報に基づき、矩形状に配置されたインナーリード群と、前記インナーリード群の周囲を矩形状に囲むようにマトリクス状に配置されたランド群とを有する仮想回路基板を設定する手段と、
    前記仮想回路基板のインナーリード群とランド群との配線経路を決定する手段と、
    を有する回路基板の設計装置において、
    前記配線経路を決定する手段は、
    前記ランド群を、仮想的に前記矩形状をしたランド群の4つの外辺を底辺とする4つの台形形状をした分割領域に4分割処理する第1の手段と、
    前記4分割処理された前記4つの分割領域から、ランドのマトリクス配置が異なる分割領域毎に、そのインナーリード群とランド群との配線経路を決定する処理を行なう第2の手段と、
    決定された配線経路を、ランドのマトリクス配置が同一の他の分割領域の配線経路として転用し、前記他の分割領域の配線経路を決定する処理を行なう第3の手段と、
    を含み、
    前記第1の手段は、
    隣接する前記台形形状をした各分割領域が、台形側辺に相当する1列分のランド列を面共有部として共有するように、前記ランド群に対する前記4分割処理を行い、
    前記第2の手段は、
    配線対象となる台形の分割領域を、マトリクスの中心の少なくとも2行のランドから構成される中心共有部と、その両側に位置する一対の処理面と、各処理面の外側に位置する前記面共有部とに細分割するための処理を行う手段と、
    前記分割領域の配線経路の決定を、前記中心共有部、処理面、面共有部の順に行い、しかも前記面共有部では、隣接する分割領域と各ランドへの配線を分担するように配線経路 を決定するための決定手段と、
    を含み、
    前記決定手段は、
    前記各ランドの周囲に、所定のルールで開制御され隣接ランドとの間を通過する配線経路数をカウントする複数のカウンタを仮想配置するための手段と、
    配線経路決定済みのインナーリードに隣接する次のインナーリードと所定のルールで決定された次の配線対象ランドとの配線経路を、開カウンタの存在するランド間を、直前の配線経路と配線が交差せずに通過するように決定する処理を、前記中心共有部、処理面、面共有部の順に行うための配線経路決定手段と、
    カウント値が超過した開カウンタ及び対応するランドの配線経路が決定した開カウンタを閉制御し、対応するランドを介して前記閉制御されたカウンタと反対側に位置する閉カウンタを開制御し新たな配線を導く経路を設定するためのカウンタ制御手段と、
    を含むことを特徴とする回路基板の設計装置。
  7. 請求項6において、
    前記配線経路決定手段は、
    マトリクス配置されたランドから、その外周に位置して設けられたメッキリードへの配線経路を、カウンタの開いているランド間を、直前の配線経路と配線が交差せずに通過するように決定するための手段を含み、
    前記カウンタ制御手段は、
    前記メッキリードとランドとの配線経路決定処理によりカウント値が超過した開カウンタを閉制御し、対応するランドを介して前記閉制御カウンタと反対側に位置する閉カウンタを開制御し、新たな配線を導く領域を設定する処理を行うための手段を含むことを特徴とする回路基板の設計装置。
  8. 請求項6,7のいずれかにおいて、
    マトリクス配置された各ランドに割り付けられた優先順位のデータがさらに記憶され、
    前記配線経路決定手段は、
    前記各ランドの優先順位及びカウント値の超過したカウンタの有無に基づき、次の配線対象ランドを決定するための手段と、
    決定された前記配線対象ランドとインナーリードとの間の配線経路を、開カウンタの存在位置に基づき決定する処理を行うための手段と、
    を含むことを特徴とする回路基板の設計装置
  9. 請求項8において、
    マトリクス配置された各ランドの優先順位は、
    前記マトリクス配置されたランド群が形成する矩形状の各辺を通る中心線と、前記矩形状の対角線を想定し、
    前記中心線と対角線によって8分割された各領域に含まれる各ランドの優先順位を、
    前記対角線に沿って斜め方向に隣接するランドを結ぶ複数列の斜めのラインを優先順位設定ラインとしたときに、前記対角線から遠い優先順位設定ラインに含まれるランドの優先順位が高く、しかも同一の優先順位設定ライン上に位置するランドはランド群の外周側に位置するほど優先順位が高くなるように設定することを特徴とする回路基板の設計装置。
  10. 請求項9において、
    前記配線経路決定手段は、
    前記前記中心共有部に属し、前記基準ラインの両側に位置する最も優先順位の高い一対のランドに対し、基準ライン側の第1のカウンタ及びインナーリードの反対側に位置する第4カウンタを開制御し、これら第1及び第4のカウンタと反対側に位置する第2,第3のカウンタを閉制御するとともに、前記基準ラインに隣接する行に属する各ランドの基準ライン側カウンタを開制御する初期設定を行うための手段と、
    前記開カウンタで導かれる経路に沿って、基準となる各インナーリードと前記一対のランドとの基準配線経路を決定する手段と、
    前記基準配線経路と交差せずに、前記基準配線経路側から前記面共有部側に向けて配線経路を決定する処理を繰り返し行うための手段と、
    を含むことを特徴とする回路基板の設計装置
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