JP3602365B2 - 電子楽器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アコースティックな楽器の演奏感が得られる電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の電子楽器では、鍵盤やシーケンサで演奏情報を音源に与え、それに従い、該音源から楽音を発音せしめている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
他方、鍵盤と言っても様々なものがあり、同じように弾いても、ベロシティ、キーオンからキーオフまでの時間などにつき、MIDI情報などの演奏情報としては、異なることがある。すなわち、1つの楽器の演奏の仕方を、他の楽器の演奏において行った場合、当該他の楽器では、アコースティックな楽器の場合に得られる音感とは異なるものになってしまうことがある。
【0004】
たとえば、ハープシコードのように、本来は鍵盤を押し切って初めて音が出る楽器の音色に設定して、電子楽器の鍵盤を弾くと、スタッカートのように鍵盤を押し切らずに弾くことができる。言い換えると、鍵盤を本来押し切って弾くために発音時間が長くなるべきところが、ピアノのような鍵盤でスタッカートで弾くと、発音時間が短くなってしまう。これによって、本来その楽器がなっているべき時間の前で音が消えてしまい(音がぶつぶつ切れてしまい)、弾く者にとって不自然感、違和感を与えていた。
【0005】
本発明は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、演奏した時の感じがアコースティックな楽器に近い状態に設定できる電子楽器を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明の電子楽器の構成は、
音色を選択する音色選択手段と、
演奏情報パラメータの少なくとも1つに設定されたリミット値を格納しておくリミット値格納手段と、
前記音色選択手段で選択された音色毎に決定される所定のパラメータに関して、演奏情報に含まれる該パラメータの値を検出する検出手段と、
該検出手段に検出された検出値と前記リミット値格納手段に格納された同一パラメータのリミット値とを比較する比較手段と、
該比較手段における比較結果で、前記検出値がリミット値を満たさなかった場合に、該パラメータの値又は他のパラメータの値を変更して出力する変更手段と
を有することを基本的特徴としている。
【0007】
上記構成では、検出手段で検出されるパラメータが、音色選択手段で選択された音色毎に決定され、前記比較手段では、検出手段に検出された検出値とリミット値格納手段に格納された同一パラメータのリミット値とが比較されることになる。そして、その比較結果が前記変更手段に入力されて、該変更手段により、前記検出値がリミット値を満たさなかった場合に、該パラメータの値又は他のパラメータの値が変更して出力されることになる。
【0008】
このような構成が有効になる一例としては、ハープシコードの音色を奏でることができる電子鍵盤楽器の場合がある。該電子鍵盤楽器において、ピアノのような鍵盤でスタッカートで弾くと、発音時間が短くなってしまい(音がぶつぶつ切れてしまい)、弾く者にとって不自然感、違和感を与えることになる。しかし上記構成を備えることで、たとえばハープシコードの音色が選択された際、検出したゲートタイム或いはキーオンとキーオフの間隔が、リミット値として設定したこれらの値に達しなかった場合に、リミット値として設定したゲートタイムに変更する、或いはキーオンからリミット値として設定した時間だけ遅らせてキーオフを出力するようにし、ハープシコードの音色を選択しながら、ピアノのような鍵盤でスタッカートで弾いた時のように、音がぶつぶつ切れて違和感を与えるというようなことがなくなる。
【0009】
また他の一例としては、ピアノ(特にグランドピアノ)のレットオフ機能がある。すなわち、グランドピアノなどでは、非常に弱く弾くと、レットオフ機能により、音が出ない構成になっている。ところが、一般的な電子楽器の場合は、そのような場合にも音が出てしまうといった問題がある。上記構成を電子楽器に備えることで、以上のような場合には、検出したベロシティの値がリミット値に達せず、変更手段により、発音されるべき楽音のベロシティの値を0乃至0に近い値に設定したり、キーオンを出力しないようにすることができ、このようなレットオフ機能を実現できるようになる。
【0010】
さらに別の一例としては、キーレンジの狭い楽器におけるオクターブをシフトさせるような制御を行うことが考えられる。すなわちピアノはA0〜C8まで幅広い音域があるが、それ以外のほとんどの楽器では、それほど広い音域を出せるものはない。このように、キーレンジの狭い楽器の音色を出力できる電子楽器の構成の場合に、対象となるパラメータをキーナンバーとし、音色毎に指定されたキーレンジを超えたキーが押された場合に(すなわちリミット値を外れたキーナンバーが検出された際に)、指定されたキーレンジの中に入るように(すなわち前記リミット値を満たす範囲になるように)、オクターブをシフトするように制御することで、アコースティックな楽器ではあり得ないような不自然なキーナンバーの楽音の出力がなくなり、該楽器で通常のキーレンジでの楽音の出力が可能となる。
【0015】
さらに、同時に2つ以上の音色を鳴らすことのできるデュアル機能を備えた電子楽器において、オルガンの音色を含んだ状態で演奏できる構成では、ベロシティの強弱によって、オルガンの音量が小さく聞こえたり、逆に大きく聞こえたりする。すなわち、電子楽器においてオルガンの音色が選択された場合、鍵盤はトリガー的な機能しか作用しないため、タッチで音色をコントロールするようなことができない。ところが、以上のような電子楽器で、タッチで音量が変化する音色(たとえばピアノなど)と、該オルガンのような音色を同時に鳴らすことができる機能が選択された場合、オルガン部分の音量は変化しないため、強く弾いたなら、オルガンの音色の方の音量が小さくなり過ぎてしまい、弱く弾いたなら、オルガンの音色の方の音量が大きくなり過ぎてしまうことになる。そのため、音色を選択できる構成において、オルガンの音色が選択された場合に、対象となるパラメータをベロシティとして、ベロシティで音量が変わるようにし、オルガン単体が選択されている時には、ベロシティ値を狭い範囲で制御し、デュアル機能の設定がなされて、タッチで音量が変化する他の音色も一緒に選択された際には、以上の制限を伴わない、通常のベロシティコントロールを行うようにすることも可能である。
【0016】
前記比較手段における比較結果で、前記検出値がリミット値を満たさなかった場合の変更手段によるパラメータ値の変更を行う構成には、特に限定はないが、請求項のように、パラメータの値をリミット値を満たす値に変更して出力することが、最も一般的であろう。すなわち、上述に挙げた例のように、たとえば、検出したゲートタイム或いはキーオンとキーオフの間隔が、リミット値として設定したこれらの値に達しなかった場合に、リミット値として設定したゲートタイム、或いはキーオンからリミット値として設定した時間、だけ遅らせてキーオフを出力するようにするなどである。
【0017】
該請求項のより具体的構成としては、前記リミット値が、上限値である場合に、前記変更手段で変更されるパラメータの値を、該上限値以下に設定し出力する(請求項)、或いはこのリミット値が、下限値である場合に、前記変更手段で変更されるパラメータの値を、該下限値以上に設定し出力する(請求項)、又はリミット値が、上限値及び下限値を含む場合に、前記変更手段で変更されるパラメータの値を、下限値以上、上限値以下に設定し出力する(請求項)ことになる。
【0018】
請求項以下の構成のように、音色を選択できる構成において、ハープシコードの音色が選択された場合に、対象となるパラメータとしては、ゲートタイム、或いはキーオンとキーオフとの間隔が考えられる。前述のように、たとえばハプシコ−ドの音色を選択しながら、ピアノのような鍵盤でスタッカートで弾いても、検出したゲートタイム或いはキーオンとキーオフの間隔が、リミット値として設定したこれらの値に達しなかった場合に、リミット値として設定したゲートタイムに変更する、或いはキーオンからリミット値として設定した時間だけ遅らせてキーオフを出力するようにすれば、音がぶつぶつ切れて出力されることはない。
【0019】
また電子楽器においてオルガンの音色が選択され、タッチで音量が変化する他の音色も一緒に選択されて、同時にこれらの音色が出力できるデュアル機能の設定がなされた場合には、オルガンの音色についても、通常のベロシティコントロールを行うことができるようになり、ベロシティの強弱によって、オルガンの音色の音量が小さく感じられたり大きく感じられたりするようなことがなくなる。
【0020】
他方本当のグランドピアノでは、前述のように、レットオフ機能がある。そのため、音色を選択できる電子楽器の構成において、ピアノの音色が選択された場合に、対象となるパラメータをベロシティとし、検出したベロシティの値がリミット値に達しない場合には、変更手段により、発音されるべき楽音のベロシティの値を0乃至0に近い値に設定したり、キーオンを出力しないようにして、このようなレットオフ機能を実現できるようになる。
【0021】
さらにピアノよりもキーレンジの狭い楽器(たとえばC3〜C6までしか楽音の出力ができない楽器)の音色が選択された場合に、対象となるパラメータをキーナンバーとし、音色毎に指定されたキーレンジを超えたキーが押された場合に(すなわちリミット値を外れたキーナンバーが検出された際に)、指定されたキーレンジの中に入るように(すなわち前記リミット値を満たす範囲になるように)、オクターブをシフトするように制御することで、アコースティックな楽器ではあり得ないような不自然なキーナンバーの楽音の出力がなくなり、該楽器で通常のキーレンジでの楽音の出力が可能となる。たとえば、ハープシコードのキーレンジがC2〜C7の範囲であるとした場合に、G1のキーナンバーが押された時に、G2に置き換えるように制御を行うことになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1〜図5は発明を実施する形態の一例であって、ピアノ、オルガン、ハープシコードなどの音色が選択可能な電子ピアノの構成である。
【0023】
図1において、バス100上に、CPU101、RAM102、ROM103、キースキャン回路104aを介して繋がる鍵盤部104、パネルスキャン回路105aを介して繋がるパネル操作部105、楽音発生部106が、各接続されており、該バス100を通じてこれらのデバイスに各種命令やデータの受け渡しがなされる。また前記楽音発生部106には、発生せしめられた楽音をアナログに変換するD/A変換回路107と、それを増幅する増幅器及び外部に発音せしめるスピーカなどのサウンドシステム108が電気的に接続されている。
【0024】
図2は、請求項6〜8の発明に係る構成を有する電子ピアノの機能ブロック図であり、同図に示されるように、本構成は、音色選択部1と、リミット値格納部2と、検出部3と、比較部4と、変更部5と有している。
【0025】
前記音色選択部1は、パネル操作部105及びパネルスキャン回路105aで構成されており、そこで選択された音色コード(TC)は、バス100を介してCPU101及び楽音発生部106に送られる。本構成では、ピアノ、オルガン、ハープシコードなどの音色コードがセットされており、該パネル操作部105のパネルスイッチによる指定でこれらのいずれかが選択できるようになっている。
【0026】
前記リミット値格納部2は、リミット値データを格納しておくROM103及び該ROM103のデータ格納領域のアドレスを記憶しておくRAM102で構成されており(場合によりデータディスクなどから読み出されたリミット値を格納するRAM102で構成されるようなこともある)、音色毎に、演奏情報パラメータの少なくとも1つに設定されたリミット値が格納される。ピアノの音色の場合ベロシティの下限値が、オルガンの音色の場合はベロシティの上限値及び下限値が、またハープシコードの音色の場合はキーオンとキーオフの間隔(ゲートタイム)の下限値が格納されている(たとえば10という値)。本実施例では、キーオンとキーオフの間隔(ゲートタイム)の下限値に関しては、上記リミット値以外にも、ピアノ及びオルガンのそれが格納されている(たとえば両音色とも5という値)。
【0027】
前記検出部3は、鍵盤部104及びキースキャン回路104a及びCPU101で構成されており、そこで検出されたオペレータの打鍵によるキーオン・キーオフ情報(KON・KOFF)、キーコード(KC)、打鍵速度(V)などの打鍵情報は、バス100を介してCPU101及び楽音発生部106に送られる。前記音色選択部1でハープシコードの音色が選択されている場合、鍵盤部104で検出されたキーオン・キーオフ情報(KON・KOFF)は、CPU101でキーオンとキーオフの間隔(ゲートタイム)として検出されることになる。またオルガンの音色が選択されている場合、鍵盤部104で検出された打鍵速度(V)は、CPU101でベロシティの値として検出されることになる。さらにピアノの音色が選択されている場合、同じく鍵盤部104で検出された打鍵速度(V)が、CPU101でベロシティの値として検出されることになる。
【0028】
前記比較部4は、CPU101及びワークエリアとしてのRAM102で構成されており、検出部3に検出された検出値と前記リミット値格納部2に格納された同一パラメータのリミット値とを比較する構成である。
【0029】
さらに前記変更部5は、CPU101で構成されており、前記比較部4における比較結果で、検出値がリミット値を満たさなかった場合に、該パラメータの値又は他のパラメータの値を変更して、楽音発生部106へ出力する構成である。
【0030】
上記構成において、音色選択部1により、ハープシコードの音色が選択された場合に、検出部3により検出したキーオンとキーオフの間隔が、リミット値格納部2に格納されているキーオンとキーオフの間隔のリミット値(下限値)に達しなかったと比較部4により判断がなされた場合に、変更部5により、リミット値として設定されたゲートタイム時間に置き換える、すなわちキーオンからリミット値として設定した時間だけ遅らせてキーオフを(楽音発生部106へ)出力するようにする。
【0031】
図3は、以上の実施形態構成において、ハープシコードの音色が選択された場合における上記処理の流れを示すフローチャートである。このフローを説明する前提として、ハープシコードの音色の発音最低時間は10に設定されており、ピアノとオルガンの音色の発音最低時間は5に設定されている。
【0032】
同図に示すように、本実施形態構成を実施するモードがONになる(ステップS101)と、まず音色の設定がなされる(ステップS102)。ここでは仮にハープシコードの音色が前記音色選択部1で設定されたものとする。そして設定された音色の発音最低時間をセットする(ステップS103)。ここでは、ROM103上のハープシコード音色に対応する発音最低時間データ(リミット値)の格納領域のアドレスをRAM102に記憶することで、そのセットが行われる。
【0033】
オペレータにより鍵盤部104で演奏が行われると、検出部3がキーオン情報(KON)、キーオフ情報(KOFF)、キーコード(KC)、打鍵速度(V)を検出する(ステップS104)。
【0034】
CPU102は、キーオン情報が入力されたか否かを検出し(ステップS105)、該キーオン情報の入力がなかった場合(ステップS105;No)、後述するステップS114に移行する。反対にキーオン情報の入力があった場合(ステップS105;Yes)は、キーオン情報を楽音発生部106に送る(ステップS106)。それと共に、カウントを0にリセットし(ステップS107)、カウントを開始する(ステップS108)。途中キーオフ情報の入力があったか否かが確認され(ステップS109)、それがなければ(ステップS109;No)、S108に戻って、カウントを継続する。
【0035】
ここでキーオフ情報の入力があれば(ステップS109;Yes)、検出部3から比較部4に対し、検出された発音時間(キーオン情報とキーオフ情報との間隔)が送出される。該比較部4では、リミット値格納部2に格納されている前記発音最低時間の値(リミット値)と、検出された発音時間とを比較する(ステップS110)。
【0036】
ここで、上記発音時間が設定された発音最低時間以上であれば(ステップS110;Yes)、キーオフ情報を楽音発生部106に送る(ステップS113)。しかし、発音時間が設定された発音最低時間以上でなければ(ステップS110;No)、次に変更部5に処理を移し、再びカウントを開始する(ステップS111)。途中そのカウント値が上記発音最低時間以上になっているか否かが確認され(ステップS112)、なっていなければ(ステップS112;No)、S111に戻って、カウントを継続する。
【0037】
逆に前記カウント値が上記発音最低時間以上になれば(ステップS112;Yes)、変更部5によって、キーオフ情報を楽音発生部106に送る(ステップS113)。
【0038】
これらの処理が1打鍵間に行われることになる。そして、本モード設定が解除されたか否かが確認され(ステップS114)、解除された場合(ステップS114;Yes)は、処理を終了する。
【0039】
他方、解除されていない場合(ステップS114;No)は、次のステップS115に一旦移行し、音色変更があるか否かの確認がなされた後、音色変更がなければ(ステップS115;No)、次の打鍵情報を得るため、ステップS105に進む。他方、音色変更があれば(ステップS115;Yes)、前記ステップS102に処理を移す。
【0040】
以上のような処理によって、検出したキーオン情報とキーオフ情報の間隔が、リミット値としてセットされた発音最低時間の値に達しなかった場合でも、キーオン情報から該発音最低時間だけ遅らせてキーオフ情報を出力するようにすることができ、音がぶつぶつ切れて違和感を与えるというようなことがなくなって、アコースティックなハープシコードを実際に弾いているような演奏感が得られるようになる。
【0041】
以上の各処理ステップは、音色選択部1において音色としてハープシコードが選択された場合のフローであるが、ピアノやオルガンが選択された場合は、以下のようなフローになる。
【0042】
オルガンと他の音色とを同時に鳴らすことができるデュアル機能を有するものとして、上記電子ピアノが構成されている場合、オルガン単体が選択されている時には、ベロシティ値を狭い範囲に制御し、該デュアル機能の設定がなされ、タッチで音量が変化する他の音色も選択されている時には、オルガンの音色についても以上の制限を伴わない、通常のベロシティコントロールを行う。
【0043】
図4は、オルガンの音色が選択された場合における上記処理の流れを示すフローチャートである。このフローを説明する前提として、オルガン単体の音色が選択された場合のベロシティ値は、上限を90、下限を80とする狭い範囲に設定されるものとする。
【0044】
同図に示すように、本実施形態構成を実施するモードがONになる(ステップS201)と、まず音色の設定がなされる(ステップS202)。ここで、その音色設定に、オルガンの音色を含むか否かを判定し(ステップS203)、オルガンの音色を含まないと判定された場合(ステップS203;No)、後述するステップS206に移行する。反対にオルガンの音色を含む場合(ステップS203;Yes)、次に同時に鳴らすことができる他の音色が選択されたか否かを判定する(ステップS204)。ここで、同時に鳴らすことができる他の音色が設定されていると判定された場合(ステップS204;Yes)、両音色とも、通常のベロシティコントロールが行われる。
【0045】
すなわち、オペレータにより鍵盤部104で演奏が行われる(ステップS205)と、検出部3がキーオン情報(KON)、キーオフ情報(KOFF)、キーコード(KC)、打鍵速度(V)を検出する(ステップS206)。そしてCPU102は、打鍵速度情報が入力されたか否かを検出し(ステップS207)、該打鍵速度情報の入力があった場合(ステップS207;Yes)、その打鍵速度値をベロシティ値に変換する(ステップS208)。このベロシティ値をそのまま楽音発生部106に送る(ステップS209)。他方ステップS207で打鍵速度情報の入力がなかったと判定された場合(ステップS207;No)、前記ステップS206に復帰する。
【0046】
また前記ステップS204でオルガンの音色のみが設定されれば(ステップS204;No)、該オルガンの音色単体が選択された場合の上記リミット値をセットする(ステップS210)。ここでは、オルガン音色単体選択の場合に対応するベロシティ値の上限及び下限を記憶したROM103上の格納領域のアドレスをRAM102に格納することで、そのセットが行われる。
【0047】
オペレータにより鍵盤部104で演奏が行われると、検出部3がキーオン情報(KON)、キーオフ情報(KOFF)、キーコード(KC)、打鍵速度(V)を検出する(ステップS211)。
【0048】
CPU102は、打鍵速度情報が入力されたか否かを検出し(ステップS212)、打鍵速度情報の入力がなかったと判定された場合(ステップS212;No)、前記ステップS211に復帰する。また該打鍵速度情報の入力があった場合(ステップS212;Yes)、その打鍵速度値をベロシティ値に変換する(ステップS213)。
【0049】
そしてこのベロシティ値が上記上限値以下であるか否かを判定し(ステップS214)、上限値を超えていれば(ステップS214;No)、その上限値をベロシティ値として、楽音発生部106に送る(ステップS215)。
【0050】
他方、前記ステップS214で、そのベロシティ値が上限値以下であると判定されれば(ステップS214;Yes)、該ベロシティ値が前記下限値以上あるか否かを判定し(ステップS216)、下限値より下回っていれば(ステップS216;No)、その下限値をベロシティ値として、楽音発生部106に送る(ステップS217)。
【0051】
さらに、前記ステップS216で、ベロシティ値が下限値以上であると判定されれば(ステップS216;Yes)、そのままのベロシティ値を、前記楽音発生部106に送る(ステップS209)。
【0052】
これらの処理が1打鍵間に行われることになる。そして、本モード設定が解除されたか否かが確認され(ステップS218)、解除された場合(ステップS218;Yes)は、処理を終了する。
【0053】
他方、解除されていない場合(ステップS218;No)は、次のステップS219に一旦移行し、音色変更があるか否かの確認がなされた後、音色変更がなければ(ステップS219;No)、次の打鍵情報を得るため、ステップS206又はステップS211に進む。他方、音色変更があれば(ステップS219;Yes)、前記ステップS202に処理を移す。
【0054】
そのような処理が行われることで、オルガン以外の音色をオルガンと同時に鳴らすように設定した場合、オルガンの音色の方も、通常のベロシティコントロールが可能になり、強く弾いたなら、オルガンの音色の方の音量が小さくなり過ぎてしまい、弱く弾いたなら、オルガンの音色の方の音量が大きくなり過ぎてしまうといったことがなくなる。
【0055】
図5は、ピアノの音色が選択された場合における上記処理の流れを示すフローチャートである。このフローを説明する前提として、ピアノのレットオフ機能を実現するために、そのベロシティ下限値は、5に設定されるものとする。
【0056】
同図に示すように、本実施形態構成を実施するモードがONになる(ステップS301)と、まず音色の設定がなされる(ステップS302)。ここで、その音色設定に、ピアノの音色が選択されたか否かを判定し(ステップS303)、ピアノの音色が選択されていなければ(ステップS303;No)、後述するステップS306に移行する。反対にピアノの音色が選択された場合(ステップS303;Yes)、上記ピアノのレットオフ機能を実現するためのベロシティ下限値をセットする(ステップS304)。ここでは、ピアノの音色を選択した場合に対応するベロシティ下限値を記憶したROM103上の格納領域のアドレスをRAM102に格納することで、そのセットが行われる。
【0057】
オペレータにより鍵盤部104で演奏が行われる(ステップS305)と、検出部3がキーオン情報(KON)、キーオフ情報(KOFF)、キーコード(KC)、打鍵速度(V)を検出する(ステップS306)。
【0058】
CPU102は、打鍵速度情報が入力されたか否かを検出し(ステップS307)、該打鍵速度情報の入力がなかった場合(ステップS307;No)、前記ステップS306に復帰する。反対に打鍵速度情報の入力があった場合(ステップS307;Yes)は、その打鍵速度値をベロシティ値に変換する(ステップS308)。
【0059】
そしてこのベロシティ値が下限値以上であるか否かを判定し(ステップS309)、下限値以上であれば(ステップS309;Yes)、そのベロシティ値を、楽音発生部106に送る(ステップS310)。
【0060】
他方、前記ステップS309で、そのベロシティ値が下限値を下回ると判定されれば(ステップS309;No)、ベロシティ値を0として、楽音発生部106に送る(ステップS311)。
【0061】
これらの処理が1打鍵間に行われることになる。そして、本モード設定が解除されたか否かが確認され(ステップS312)、解除された場合(ステップS312;Yes)は、処理を終了する。
【0062】
他方、解除されていない場合(ステップS312;No)は、次のステップS313に一旦移行し、音色変更があるか否かの確認がなされた後、音色変更がなければ(ステップS313;No)、次の打鍵情報を得るため、ステップS306に進む。他方、音色変更があれば(ステップS312;Yes)、前記ステップS302に処理を移す。
【0063】
そのような処理が行われることで、ピアノの音色を設定した場合、ベロシティの値が下限値に達しない場合には、変更部5により、発音されるべき楽音のベロシティの値を0にすることになり、レットオフ機能を実現できるようになる。
【0064】
以上の本実施形態構成の他、たとえばC3〜C6までしか楽音の出力ができないピアノよりキーレンジの狭い楽器の音色が選択された場合に、対象となるパラメータをキーナンバーとし、音色毎に指定されたキーレンジを超えたキーが押された場合に(すなわちリミット値を外れたキーナンバーが検出された際に)、指定されたキーレンジの中に入るように(すなわち前記リミット値を満たす範囲になるように)、オクターブをシフトするように制御する構成を設けることもできる。このような構成を設けることで、アコースティックな楽器ではあり得ないような不自然なキーナンバーの楽音の出力がなくなり、該楽器で通常のキーレンジでの楽音の出力が可能となる。
【0065】
尚、本発明の電子楽器は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0066】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜記載の電子楽器によれば、演奏した時の感じがアコースティックな楽器に近い状態に設定できるという優れた効果を奏することが可能となる。
【0067】
そのうち、ハープシコードのような音色設定がなされた電子鍵盤楽器の場合において、ピアノのような鍵盤でスタッカートで弾いたとしても、検出したゲートタイム或いはキーオンとキーオフの間隔が、リミット値として設定したこれらの値に達しなかった場合に、リミット値として設定したゲートタイムに変更する、或いはキーオンからリミット値として設定した時間だけ遅らせてキーオフを出力するようにすることで、音がぶつぶつ切れて違和感を与えるというようなことがなくなって、アコースティックな楽器を実際に弾いているような演奏感が得られるようになる。
【0068】
また、ミスタッチの場合に、検出したベロシティの値がリミット値に達せず、変更手段により、発音されるべき楽音のベロシティの値を0乃至0に近い値に設定したり、キーオンを出力しないようにすれば、ピアノ(特にグランドピアノ)のレットオフ機能を実現できるようになる。
【0069】
さらにキーレンジの狭い楽器に音色設定がなされ、該音色において指定されたキーレンジを超えたキーが押された場合に、指定されたキーレンジの中に入るように、オクターブをシフトするように制御することで、アコースティックな楽器ではあり得ないような不自然なキーナンバーの楽音の出力がなくなり、該楽器で通常のキーレンジでの楽音の出力が可能となる。
【0070】
加えて同時に2つ以上の音色を鳴らすことのできるデュアル機能を備えた電子楽器において、オルガンの音色と、タッチで音量が変化する音色(たとえばピアノなど)との選択がなされ、且つ同時に両音色を鳴らすことができる機能が選択された場合に、通常のベロシティコントロールを行うようにすると共に、オルガン単体が選択され、該デュアル機能が停止されている時には、ベロシティ値を狭い範囲で制御することもできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態構成に係る電子ピアノの回路概要図である。
【図2】請求項6〜8の発明の実施形態構成に係る電子ピアノの機能ブロック図である。
【図3】本実施形態構成でハープシコードの音色が選択された場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本実施形態構成でオルガンの音色が選択された場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本実施形態構成でピアノの音色が選択された場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 音色選択部
2 リミット値格納部
3 検出部
4 比較部
5 変更部
100 バス
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 鍵盤部
104a キースキャン回路
105 パネル操作部
105a パネルスキャン回路
106 楽音発生部
107 A/D変換回路
108 サウンドシステム

Claims (9)

  1. 音色を選択する音色選択手段と、
    演奏情報パラメータの少なくとも1つに設定されたリミット値を格納しておくリミット値格納手段と、
    前記音色選択手段で選択された音色毎に決定される所定のパラメータに関して、演奏情報に含まれる該パラメータの値を検出する検出手段と、
    該検出手段に検出された検出値と前記リミット値格納手段に格納された同一パラメータのリミット値とを比較する比較手段と、
    該比較手段における比較結果で、前記検出値がリミット値を満たさなかった場合に、該パラメータの値又は他のパラメータの値を変更して出力する変更手段と
    を有することを特徴とする電子楽器。
  2. 前記変更手段によるパラメータ値の変更に関し、パラメータの値をリミット値を満たす値に変更して出力することを特徴とする請求項記載の電子楽器。
  3. 前記リミット値が、上限値である場合に、前記変更手段で変更されるパラメータの値を、該上限値以下に設定し出力することを特徴とする請求項記載の電子楽器。
  4. 前記リミット値が、下限値である場合に、前記変更手段で変更されるパラメータの値を、該下限値以上に設定し出力することを特徴とする請求項記載の電子楽器。
  5. 前記リミット値が、上限値及び下限値を含む場合に、前記変更手段で変更されるパラメータの値を、下限値以上、上限値以下に設定し出力することを特徴とする請求項記載の電子楽器。
  6. ハープシコードの音色が選択された場合に、対象となるパラメータがゲートタイム、或いはキーオンとキーオフとの間隔であることを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれか1つに記載の電子楽器。
  7. オルガンの音色が選択された場合に、対象となるパラメータがベロシティであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子楽器。
  8. ピアノの音色が選択された場合に、対象となるパラメータがベロシティであることを特徴とする請求項記載の電子楽器。
  9. キーレンジの狭い楽器の音色が選択された場合に、対象となるパラメータがキーナンバーであり、リミット値を外れたキーナンバーが検出された際に、該リミット値を満たす範囲にオクターブをシフトすることを特徴とする請求項1又は2記載の電子楽器。
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