JP3592522B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置と、前記トナー像を転写材に転写したあとの像担持体表面に付着する転写残トナーを除去するクリーニング装置とを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子複写機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は従来より周知である。かかる画像形成装置のメンテナンス性を高めるため、像担持体、現像装置及びクリーニング装置の各要素を、画像形成装置本体に対して引き出し可能に装着された引出体にそれぞれ着脱可能に組付けると有利である。かかる画像形成装置によれば、その各要素を引出体から取り外すとき、先ず画像形成装置本体内に収められた引出体を手前側に引き出し、次いで所望する要素を引出体から離脱すればよく、その作業を簡素化することができる。例えば、像担持体を取り出すときは、その像担持体だけを引出体から離脱することができ、また像担持体を引出体に残したまま、クリーニング装置だけを引出体から離脱することもできる。
【0003】
上述のように、引出体を用いた画像形成装置においては、像担持体、現像装置又はクリーニング装置を容易に引出体から取り出し、又はこれを引出体にセットし、この引出体を画像形成装置本体内に押し込むことによって、像担持体と現像装置とクリーニング装置を所定の位置に位置決めして画像形成装置本体内に装填することができる。その装填時に、クリーニング装置は、そのクリーニングケースの開口を像担持体の表面に向けた状態で位置決めされ、従って、この状態では、クリーニングケースの開口は像担持体の表面によって覆われ、その内部のトナーが大量に外部に漏出することはない。
【0004】
ところが、前述のように引出体を手前に引き出し、像担持体又はクリーニング装置だけを引出体から取り出すと、クリーニングケースの開口を覆うものがなくなるため、細心の注意を払って作業を行わないと、その開口からトナーが大量にこぼれ出し、画像形成装置の周辺をトナーで汚してしまうおそれがある。このため、像担持体、現像装置及びクリーニング装置を引出体に着脱可能に組付けるだけでは、その各要素のメンテナンス時の作業性を満足いける程、高めることはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、像担持体、現像装置及びクリーニング装置に対するメンテナンス時にクリーニングケースから大量のトナーがこぼれ出ることを阻止できるようにし、これらの要素に対するメンテナンス性を一層高めることのできる画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の画像形成装置において、前記像担持体をユニットホルダに組付けると共に、前記クリーニング装置のクリーニングケースを前記ユニットホルダに固定して像担持体ユニットを構成し、該像担持体ユニットを着脱可能に支持し、かつ前記現像装置を保持した引出体を画像形成装置本体に対して引き出し可能に装着し、前記像担持体ユニットを引出体から取り外すとき、該像担持体ユニットが、引出体に保持された現像装置から離れる向きに移動するように、当該像担持体ユニットを案内するガイドを前記引出体に設け、該ガイドは、前記像担持体ユニットを引出体から取り外すべく、該像担持体ユニットを持ち上げたとき、該像担持体ユニットが、その上部の現像装置寄りの部分を中心として、その下部の部分が現像装置から離れる向きに回動するように、当該像担持体ユニットを案内することを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項1)。
【0009】
さらに、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記ユニットホルダが、像担持体の外周面よりも外方に突出する突出部を有していると有利である(請求項2)。
【0010】
また、上記請求項2に記載の画像形成装置において、前記ユニットホルダが、像担持体の軸方向各端部を支持する側板を有し、該側板の像担持体外周面に沿って延びる周縁部が像担持体の外周面よりも外方に突出し、その突出した周縁部によって前記突出部が構成されていると有利である(請求項3)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0012】
図1は、画像形成装置の一例であるカラー複写機の内部構造を示す説明図である。このカラー複写機によってカラーコピーをとるときは、画像形成装置本体1の上部に固設されたコンタクトガラス2上に原稿(図示せず)を載置し、これを圧板3によって押え、図示していないスタートスイッチを押下する。これにより、読み取り光学系4が作動し、原稿画像が読み取られる。
【0013】
一方、画像形成装置本体1の内部には、像担持体5が配置され、図示した例ではドラム状の感光体より成る像担持体が用いられている。この像担持体5は図1における反時計方向に回転駆動され、このとき、像担持体表面は、帯電装置の一例であるコロナ放電器より成る帯電チャージャ6の放電作用によって所定の極性に一様に帯電される。
【0014】
像担持体5の上方には露光装置の一例であるレーザ書き込みユニット7が配置され、この書き込みユニット7からは、読み取り光学系4により読み取られた画像情報に応じて光変調されたレーザ光Lが出射し、そのレーザ光Lが上述のように帯電された像担持体表面に照射され、これによって像担持体表面に第1の静電潜像が形成される。
【0015】
像担持体5の隣りには、回転型の現像装置8が配置され、この現像装置8は、後述するようにブラック現像器8BK、シアン現像器8C、マゼンタ現像器8M及びイエロー現像器8Yを有している。各現像器は現像ローラ9BK,9C,9M,9Yを有し、上述の第1の静電潜像が現像装置8を通るとき、第1の現像器、この例ではブラック現像器8BKが像担持体に対向した現像位置を占め、その現像ローラ9BKに担持された図示していないブラック現像剤によって、第1の静電潜像がブラックトナー像として可視像化される。現像剤としては、トナーとキャリアを有する二成分系の粉体状現像剤が用いられているが、キャリアを有さない粉体状の一成分系現像剤などを用いることもできる。
【0016】
一方、像担持体表面には、駆動ローラを含む複数のローラ10に巻き掛けられた可撓性の無端ベルトより成る中間転写体11が対置され、この中間転写体11は矢印方向に回転駆動されながら、その表面の一部が像担持体表面に当接し、その当接部において、像担持体表面の線速と同一線速で像担持体表面の移動方向と同じ方向に移動する。かかる中間転写体11の表面に、例えばコロナ放電器から成る一次転写装置12の放電作用によって、像担持体表面に形成されたブラックトナー像が転写される。このように、本例では、中間転写体11が、像担持体表面のトナー像を転写される転写材を構成している。
【0017】
トナー像を中間転写体11に転写したあとの像担持体表面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置14によって除去され、次いでその像担持体表面は除電ランプ15により光を照射されてその表面電位の絶対値が基準値に下げられる。
【0018】
次に、上述したところと全く同様にして、像担持体表面に第2の静電潜像が形成される。このとき、現像装置8の回転によって、第2の現像器、この例ではシアン現像器8Cが像担持体表面に対向した現像位置を占め、その現像ローラ9Cに担持されたシアン現像剤によって、第2の静電潜像がシアントナー像として可視像化される。このトナー像も、中間転写体11の表面に、先に転写されたブラックトナー像の上から重ね合せ状態で転写される。トナー像転写後の像担持体表面がクリーニング装置14によって清掃され、除電ランプ15によって除電作用を受けることも先の動作時と変りはない。
【0019】
さらに、上述したところと全く同様に、像担持体表面に順次形成される第3及び第4の静電潜像が、現像装置8のマゼンタ現像器8Mとイエロー現像器8Yの各現像ローラ9M,9Yに担持されたマゼンタ現像剤とイエロー現像剤とによって、マゼンタトナー像とイエロートナー像として順次可視像化され、これらが、中間転写体表面に、先に転写されたトナー像の上から重ねた状態で順次転写される。このようにして、中間転写体表面には4色のトナー像が重ね合された状態で形成される。
【0020】
一方、中間転写体11に対向して、例えばコロナ放電器より成る二次転写装置18が対向配置され、その下方に配置された給紙装置16からは、最終転写材の一例である転写紙Pが矢印A方向に給送される。この転写紙Pは、レジストローラ対17の回転によって、中間転写体11上のトナー像に整合するタイミングで、二次転写装置18と中間転写体11との間に送り込まれる。このとき、二次転写装置18の放電作用により、中間転写体表面の重ね合せトナー像が一括して転写紙P上に転写される。
【0021】
トナー像を転写された転写紙Pは、搬送ベルト19の上に担持されて搬送され、定着装置20を通るとき、熱と圧力の作用で転写紙上のトナー像がその転写紙表面に定着される。次いで、その転写紙は最終コピー紙として機外の排紙トレイ21上に排出される。
【0022】
トナー像を転写紙Pに転写した後の中間転写体表面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置22のクリーニング部材23によって中間転写体表面から除去される。このクリーニング部材23は、転写される前の中間転写体11上のトナー像がここを通るとき、中間転写体表面から離間している。
【0023】
図2は、回転型現像装置8の詳細を示す断面図であり、この現像装置8は、奥側の側板24と、手前側の側板24A(図5及び図7参照)を有し、これらの側板24,24Aは支持体25によって一体に連結され、その両側板24,24Aと支持体25に、前述の各現像器8BK,8C,8M,8Yがそれぞれ着脱可能に支持されている。各現像器は、粉体状の現像剤(図示せず)を収容する現像ケース26BK,26C,26M,26Yをそれぞれ有し、その内部に前述の現像ローラ9BK,9C,9M,9Yと、第1の搬送スクリュー27BK,27C,27M,27Yと、第2の搬送スクリュー28BK,28C,28M,28Yが回転自在に配置され、またその各現像ケースにドクターブレード29BK,29C,29M,29Yがそれぞれ固定配置されている。
【0024】
像担持体5に対向した現像位置を占めた現像器8BKの現像ケース26BK内の現像剤は、回転する第2の搬送スクリュー28BKから第1の搬送スクリュー27BKに搬送され、その現像剤が時計方向に回転する現像ローラ9BKに担持されて搬送される。このとき、ドクターブレード29BKによって搬送される現像剤の量が規制され、規制後の現像剤が現像ローラ9BKと像担持体5との間に運ばれ、ここで現像剤中のトナーが静電潜像に静電的に移行し、その静電潜像が所定の色のトナー像として可視像化される。
【0025】
また各現像器にはトナーカートリッジ30BK,30C,30M,30Yが装着され、その各トナーカートリッジから各現像ケースにそれぞれの色のトナーが補給される。
【0026】
上述した現像装置8は、その支持体25が中心軸31に回転自在に支持され、その中心軸31のまわりに回転して、各現像器が、像担持体5に対向した現像位置を占めることができる。
【0027】
一方、クリーニング装置14は、図3に示すようにクリーニングケース32と、像担持体表面の転写残トナーを除去するクリーニング部材を有し、ここに示したクリーニング装置14においては、基端部をクリーニングケース32に固定され、先端エッジ部が像担持体表面に圧接したクリーニングブレード33と、クリーニングケース32内に配置され、そのケースに回転自在に支持されて回転駆動されるクリーニングブラシ34より成るクリーニング部材が用いられている。クリーニングケース32はその開口35を像担持体5の表面に向けて位置している。符号36は、その一端をクリーニングケース32に固定され、先端部が像担持体5の表面に軽く当接したシール部材を示している。
【0028】
クリーニングブレード33とクリーニングブラシ34によって像担持体表面から除去された転写残トナーは、クリーニングケース32内に収容される。このとき、開口35はシール部材36とクリーニングブレード33によってシールされ、その開口35を通してトナーがクリーニングケース外に飛散することが阻止される。
【0029】
また、図3に示すように、レーザ書き込みユニット7は、光学系を収容するユニットケース38と、そのケース38の開口に取付けられた防塵ガラス39より成る透光性防塵部材とを有し、ユニットケース38のレーザ光Lが防塵ガラス39を通して外部に出射し、像担持体5の表面を照射する。
【0030】
以上のように、本例の画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体5と、その像担持体5に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置8と、トナー像を転写材に転写したあとの像担持体表面に付着する転写残トナーを除去するクリーニング装置14を備えている。この例では、像担持体5の表面に形成したトナー像を一旦、中間転写体11の表面に一次転写し、次いでそのトナー像を転写紙Pに転写するように構成されているので、前述のように、中間転写体11が、像担持体5の表面からトナー像を転写される転写材を構成している。これに対し、像担持体表面のトナー像を直に最終転写材、例えば転写紙に転写するように構成した場合には、その最終転写材が、像担持体表面のトナー像を転写される転写材を構成する。
【0031】
ところで、上述した画像形成装置は、その像担持体5、現像装置8及びクリーニング装置14を保守点検し、又はこれらを交換するなどのメンテナンス作業を行いやすく構成されるべきである。
【0032】
そこで、本例の画像形成装置においては、図4に示すように像担持体5がユニットホルダ40に回転自在に組付けられ、その像担持体5のまわりに配置される帯電チャージャ6及び除電ランプ15もユニットホルダ40に支持され、しかもクリーニング装置14のクリーニングケース32がユニットホルダ40に固定され、これらの要素によって像担持体ユニット41が構成されている。
【0033】
ユニットホルダ40は、例えば樹脂により構成された天板42と、その前後の端部において下方に垂下した前後の側板43,44を有し、その両側板43,44に後述するように像担持体5が回転自在に支持されている。また天板42には、図3及び図4に示すように、レーザ書き込みユニット7から出射したレーザ光を像担持体表面に導く開口53が形成されている。このように構成された像担持体ユニット41は、前述の現像装置8と共に、図5乃至図7に示すように、画像形成装置本体1に対して引き出し自在に装着された引出体45に着脱可能に収納されている。
【0034】
図5は、引出体45を画像形成装置本体1から手前側に引き出し、像担持体ユニット41を引出体45から取り出したときの様子を示している。また図6は、像担持体ユニット41を引出体45にセットしたときの様子を示し、図7はその引出体45を画像形成装置本体1内に押し込むときの様子を示している。
【0035】
これらの図から判るように、引出体45は、前側板46と、後側板47と、これらの側板46,47を一体に連結する左右及び中央上下の4本の第1乃至第4のステー48,49,50,51とから構成され、かかる引出体45に支持された現像装置8の下方には、引出体45に対して着脱可能に取り付けられたトナー受け52(図5)が位置している。図6に示すように、像担持体ユニット41は、そのユニットホルダ40の天板42が第1及び第2のステー48,49上に載置されて引出体45に支持される。側板46,47及び第1乃至第4のステーは、高剛性材料、例えば金属板によって構成されている。
【0036】
また、図7に示すように、現像装置8の中心軸31は、その奥側の端部が軸受部材63を介して、引出体45の後側板47に回転自在に支持されている。軸受部材63は、後側板47に形成された孔76に多少の遊びをもって嵌合する。また中心軸31の手前側の端部は、軸受64を介して、引出体45の前側板46に回転自在に支持され、前側板46よりも手前側の中心軸端部にはノブ65が着脱可能に固定されている。図7では、ブラック現像器8BKの現像ローラ9BKと第1及び第2の搬送スクリュー27BK,28BKが側板24,24Aと支持体25に組付けられた状態を示してあるが、他の現像器の図示は省略してある。
【0037】
引出体45を図5に示すように手前側に引き出した状態で、上側に位置した現像器、図の例ではブラック現像器8BKを支持体25から取り外し、又はこれをその支持体25に装着することができる。支持体25を回転することにより、いずれかの現像器を上側に位置させ、その現像器を上方に持ち上げて、当該現像器を支持体25から離脱し、又はこれを装着することができる。
【0038】
図7及び図8に示すように、第1及び第3のステー48,50には所定の間隔をあけて切欠54が形成され、これらの切欠54には、可動ガイドレール55,56に設けられた係止ピン57,58の小径首部が着脱自在に係合し、これによって引出体45が可動ガイドレール55,56に支持されている。またこれらの可動ガイドレール55,56は、画像形成装置本体1の前側板59と後側板60に固定された固定ガイドレール61,62にスライド自在に嵌合している。このようにして引出体45が画像形成装置本体1に対して手前側に引き出し自在に支持される。
【0039】
上述のように第1及び第3のステー48,50に形成した切欠54を、可動ガイドレール55,56に設けられた係止ピン57,58に着脱可能に係合することによって、引出体45を支持したので、その引出体45を手前側に引き出せば、簡単にその引出体45を上方に持ち上げて可動ガイドレール55,56から外すことができる。
【0040】
また、図8に示すように、切欠54と係止ピン57,58の小径首部とには、わずかな隙間δがあけられている。後述するように引出体45を画像形成装置本体1内にセットし、その引出体45を画像形成装置本体1に対して位置決めするとき、上述のように隙間δがあけられているので、支障なく引出体45を画像形成装置本体1に対して位置決めすることができる。
【0041】
一方、図7に示すように、像担持体5は、表面に感光層を有する円筒状の担持体本体66と、その長手方向各端部に固定されたフランジ部材67,68から成り、その各フランジ部材67,68に突設された環状フランジ67A,68Aがユニットホルダ40の前後の側板43,44に形成された環状の溝部69,70に多少の遊びをもって回転自在に嵌合している。このようにして、像担持体5がユニットホルダ40に回転自在に組付けられる。
【0042】
図6及び図7に示すように、像担持体ユニット41と現像装置8を引出体45に装着した状態で、その引出体45を画像形成装置本体1の奥側、すなわち図7における矢印C方向に押し込んでいくと、画像形成装置本体1の後側板60に軸受部材71と一対の玉軸受を介して回転自在に支持された駆動軸72の先端部が、引出体45の後側板47に固定されたすべり軸受73の中心孔に入り込み、さらにその先端部が、像担持体5の奥側のフランジ部材68に形成された中心孔74に嵌合し、駆動軸72に固定された係合片75が中心孔74に係合する。係合片75と中心孔74の係合面には、これらが強く係合するように、それぞれ歯が形成されている。このとき、軸受部材71のボス部71Aがすべり軸受73の中心孔に嵌合し、これによって引出体45の奥側が画像形成装置本体1に対して位置決めされる。同時に、駆動軸72を軸受部材71に回転自在に支持する一対の玉軸受のうちの一方の玉軸受71Bの外周面が、ユニットホルダ40の後側の側板44に形成された孔70Aに嵌合する。これにより、像担持体ユニット41の奥側の部位が位置決めされる。
【0043】
一方、現像装置8の中心軸31の奥側端部が、画像形成装置本体1の後側板60に設けられた軸受77に回転自在に嵌合する。
【0044】
また、上述のように引出体45を画像形成装置本体1内に押し込んだとき、引出体45の前側板46に形成された位置決め孔78と、図示していない他の位置決め孔が、画像形成装置本体1の前側板59に突設された位置決めピン79と、図示していない他の位置決めピンとにそれぞれ嵌合し、引出体45が画像形成装置本体1に対して位置決めされる。次いで、引出体45の前側板46を画像形成装置本体1の前側板59に図示していないねじで固定し、引出体45の前側板46に形成された孔91と、ユニットホルダ40の側板43に形成された孔40Aと、像担持体5の手前側のフランジ部材67に形成された中心孔80とに、位置決め支持軸81を挿入する。このようにして、像担持体5と像担持体ユニット41の手前側の部位が位置決めされる。位置決め支持軸81には、この軸81に対して回転自在ではあるが、軸方向に不動なノブ82が取り付けられている。また、この位置決め支持軸81には、像担持体5の手前側のフランジ部材67を後側へ押し付けるためのスプリング81Aが設けられ、これによって、後側のフランジ部材68の中心孔74を係合片75に嵌合させる。なお、図7は引出体45が奥側へ移動している最中の状態を示しており、この時点では、位置決め支持軸81は取付けられていないが、説明の便宜上、図7では、この支持軸81が取付けられた状態を示している。
【0045】
上述のようにして、像担持体5を含む像担持体ユニット41と現像装置8が画像形成装置本体1に対して所定の位置に位置決めされる。この状態で、駆動軸72に固定されたギア83が図示していない駆動装置によって回転駆動され、その回転が像担持体5に伝えられて像担持体5が回転する。また現像装置8及びその各要素も、図示していない駆動装置によって前述のように駆動される。
【0046】
ここで、像担持体ユニット41や、現像器を取り外す必要が生じたときは、位置決め支持軸81を取り外し、引出体45の前側板43を固定するねじを外してから、引出体45を手前側、すなわち図7における矢印B方向に引き出し、図示していないストッパにより図5に示した位置で停止させる。これにより、像担持体ユニット41や所望する現像器を上方に持ち上げて、引出体45から取り外すことができる。また、現像装置8の中心軸31からノブ65を外すことによって、現像装置8の全体を引出体45から取り外すこともできる。
【0047】
上述のように、像担持体ユニット41を着脱可能に支持すると共に、現像装置8を保持した引出体45を、画像形成装置本体1に対して引き出し可能に装着したので、像担持体5をユニットホルダ40と共に、簡単に取り出し、又はこれをセットすることができる。また本例では、現像装置8とその各現像器も引出体45に対して着着脱可能に組み付けたので、これらも簡単に引出体45から取り外し又はこれをセットすることができる。作業者が無理な姿勢をとらずに、引出体45の前面側又は側面側に立ったまま、楽にメンテナンス作業を行うことができるのである。
【0048】
その際、クリーニング装置14のクリーニングケース32は、ユニットホルダ40に固定されているので、クリーニング装置14は、像担持体5と共に引出体45に対して着脱される。従って像担持体ユニット41を引出体45から取り外し、又は装着するとき、図3に示す如く、クリーニングケース32の開口35は、像担持体5の外周面によって覆われている。このため、その開口35からクリーニングケース32内のトナーが大量に外部にこぼれ出ることはない。このようにして、画像形成装置の周辺をトナーで汚すことなく、像担持体5、クリーニング装置14及び現像装置8に対するメンテナンス作業を能率よく行うことができる。
【0049】
しかも、本例の画像形成装置においては、次に説明するように、像担持体5とクリーニング装置14が、ユニットホルダ40に対して着脱可能に組み付けられていて、そのユニットホルダ40から像担持体5とクリーニング装置14を外し、像担持体5やクリーニングブレード33などを清掃したり、これらを交換することができるように構成されている。
【0050】
前述のように引出体45を画像形成装置本体1の手前側に引き出し、その引き出し位置に停止させてから、像担持体ユニット41を上方に持ち上げて取り外す。次いでその像担持体ユニット41を、図9に示すように180°回転させた状態で天板42を下にして例えば机上に載置する。ここで、ユニットホルダ40の各側板43,44は、それぞれ2つの部分に分割されていて、その一方の固定部43A,44Aは、天板42に一体に形成され、その他方の可動部43B,44Bは枢ピン84を介して固定部43A,44Aに回動可能に枢着され、通常は2本のねじ85によって可動部43B,44Bは固定部43A,44Aに固定されている。そこで、上述のように像担持体ユニット41を机上に載置した後、2本のねじ85を外し、可動部43B,44Bを図10に示すように回動させる。これにより像担持体5は外部に露出し、これをそのまま上方に持ち上げることによって、その像担持体5をユニットホルダ40から取り外すことができる。
【0051】
また図11に示すように、別の2本のねじ86を外すことによって、クリーニング装置14をユニットホルダ40から外すことができる。上述のように像担持体5をユニットホルダ40から外し、或いはクリーニング装置14をユニットホルダ40から外すと、そのクリーニングケース32の開口35(図3)は開放されるが、このときは、ユニットホルダ40を机上などに載置して作業を行えるので、慎重に作業を遂行でき、その開口35からトナーがこぼれ出ることを防止できる。
【0052】
さらに、図4及び図5に示すようにユニットホルダ40の側板43には、帯電チャージャ6(図3)の着脱用の孔89が形成され、その孔89を通して帯電チャージャ6を引き抜くこともできる。図10及び図11は、帯電チャージャ6を引き抜いた後の状態を示している。
【0053】
上述した作業と逆の作業によって、クリーニング装置14と像担持体5をユニットホルダ40に組み付け、次いでその像担持体ユニット41を引出体45にセットし、その引出体45を画像形成装置本体1内に押し込んで、前述のようにその各要素を所定の位置に位置決めすることができる。
【0054】
ところで、引出体45を図5に示すように画像形成装置本体1内からその手前側に引き出して停止させ、その引出体45に現像装置8を収納したまま、像担持体ユニット41を引出体45から取り外し、又はこれを取り付けることができるが、像担持体ユニット41と現像装置8が共に引出体45に収納されてセットされた状態では、像担持体5と現像位置を占めた現像器の現像ローラは、例えば1mm以下という極く小さなギャップをもって対向しているので、現像装置8を引出体45にセットしたまま、像担持体ユニット41を引出体45に対して着脱するとき、像担持体5の表面に現像装置の要素、特に現像ローラが当たり、像担持体表面に傷が付けられるおそれがある。かかる不具合を阻止するため、本例の画像形成装置では次のように構成されている。
【0055】
図6は、ユニットホルダ40の上部の現像装置8寄りの部分87が第2のステー49上に支持された状態を示しているが、この第2のステー49は、図12にも示すように部分87が載置される水平部49Aと、この水平部49Aに対してほぼ垂直に立ち上った垂直部49Bを有し、その垂直部49Bには、ステー自体を切り起こして形成したガイド片88が設けられ、このガイド片88は垂直部49Bに対して、0°よりも大きく、かつ90°よりも小なる角度θをなして、ユニットホルダ40の部分87へ向けて斜め下方に突出している。
【0056】
ここで、第1及び第2のステー48,49に支持された像担持体ユニット41を引出体45から取り外すべく、その像担持体ユニット41を上方に持ち上げると、ユニットホルダ40の部分87がガイド片88に当るため、その像担持体ユニット41は、その部分87を中心として、図6に矢印S1で示す方向に回動する。像担持体ユニット41の像担持体5が現像装置8から離れる向きに、像担持体ユニット41が回動するのである。このように像担持体5が現像装置8から離れた状態で、像担持体ユニット41を図6に矢印S2で示すように現像装置8から離間する向きに動かし、そのユニットホルダ40の部分87をガイド片88から外せば、その像担持体ユニット41を矢印S3で示すように上方に持ち上げることができる。
【0057】
上述のように、像担持体ユニット41を引出体45から取り外すとき、像担持体5が現像装置8から離れる向きに像担持体ユニット41を動かさなければ、その像担持体ユニット41を引出体45から離脱できないように構成されており、このため、この取り外し作業時に、作業者の不注意によって像担持体5が現像装置8の現像ローラに強く当り、像担持体表面に傷が付けられる不具合を阻止できる。
【0058】
このように、本例の画像形成装置においては、像担持体ユニット41を引出体45から取り外すとき、その像担持体ユニット41が、引出体45に保持された現像装置8から離れる向きに移動するように、当該像担持体ユニット41を案内するガイドが引出体45に設けられており、図示した例では、第2のステー49の水平部49Aと、その垂直部49Bに設けられたガイド片88が、そのガイドを構成している。
【0059】
しかも、このガイドは、像担持体ユニット41を引出体45から取り外すべく、該像担持体ユニット41を持ち上げたとき、該像担持体ユニット41が、その上部の現像装置寄りの部分87を中心として、その下部の部分が現像装置8から離れる向きに回動するように、当該像担持体ユニット41を案内する。
【0060】
また、図3乃至図6に示すように、ユニットホルダ40の両側板43,44は、像担持体5の外周面よりもひとまわり大きく形成され、その部分が突出部90を構成している。すなわち、ユニットホルダ40は、像担持体5の外周面よりも外方に突山する突出部90を有しているのである。そして、図示した画像形成装置においては、ユニットホルダ40が、像担持体5の軸方向各端部を支持する側板43,44を有していて、該側板43,44の像担持体外周面に沿って延びる周縁部が像担持体5の外周面よりも外方に突出し、その突出した周縁部によって突出部90が構成されている。
【0061】
上記構成によれば、現像装置8を引出体45にセットしたまま、像担持体ユニット41を引出体45から取り出すとき、又はその像担持体ユニット41を引出体45に取り付けるとき、像担持体ユニット41が現像装置8に対して平行でない姿勢をとってしまったとしても、そのユニットホルダ40の突出部90が現像装置8の要素、例えばその現像ローラに当ることはあっても、像担持体5はその現像ローラに当ることはなく、像担持体表面に傷が付けられる不具合を阻止できる。
【0062】
また、像担持体ユニッ41を引出体45から外した後、作業者が誤って天板42を上に向け、像担持体5を下に向けた状態で、机上などの載置面に載置してしまったとしても、その突出部90がその載置面に当るだけで、像担持体5の表面は載置面に当らず、この場合も像担持体表面に傷が付けられる不具合を阻止できる。
【0063】
上述したガイドと突出部90の構成は、そのいずれか一方を採用するだけであっても、像担持体5への傷付き発生を効果的に抑えることができるが、両方の構成を共に採用すれば、像担持体表面への傷付きをより一層効果的に防止することができる。
【0064】
本発明は、カラー画像形成装置に限らず、単色可視像を形成する画像形成装置や、プリンタ、ファクシミリ又は複合機などの画像形成装置にも広く適用でき、さらに像担持体表面に形成したトナー像を中間転写体に転写せずに、直に最終転写材に転写する画像形成装置や、原稿画像を像担持体表面に直に結像する露光装置を用いる画像形成装置などにも広く適用できるものである。
【0065】
【発明の効果】
請求項1に記載の画像形成装置によれば、像担持体をユニットホルダに組付けて像担持体ユニットを構成し、その像担持体ユニットと現像装置を、画像形成装置本体に対して引き出し可能に装着された引出体に保持したので、像担持体ユニットを簡単に着脱することができ、メンテナンス性を高めることができる。しかも、クリーニング装置のクリーニングケースをユニットホルダに固定したので、像担持体ユニットを引出体に対して着脱するとき、クリーニング装置も一緒に着脱され、このときクリーニングケースの開口は像担持体によって塞がれた状態となっており、クリーニングケース内のトナーが大量に外部にこぼれ出る不具合を阻止でき、メンテナンス作業を一層効率よく遂行することができる。しかも、像担持体ユニットを引出体に対して着脱するとき、引出体に設けたガイドにより、像担持体が現像装置の要素に強く当る不具合を阻止できる。
【0067】
請求項2及び3に記載の画像形成装置によれば、像担持体ユニットを引出体に対して着脱するとき、ユニットホルダに設けた突出部によって、像担持体が現像装置の要素に強く当る不具合を阻止できる。しかも像担持体ユニットを引出体から取り外して、その像担持体ユニットを載置したときも、像担持体表面に傷が付けられる不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の内部構造をその正面側から示した概略説明図である。
【図2】図1に示した現像装置の詳細を示す拡大断面図である。
【図3】像担持体ユニットを構成する像担持体と、クリーニング装置と、ユニットホルダと、レーザ書き込みユニットの相対位置関係を示す断面図である。
【図4】像担持体ユニットの斜視図である。
【図5】引出体を画像形成装置本体の手前側に引き出し、その引出体から像担持体ユニットと、1つの現像器を取り外した状態を示す斜視図である。
【図6】引出体と、これに支持された像担持体ユニットの相対位置関係の概略を示す部分断面図である。
【図7】引出体を画像形成装置本体内に押し込むときの水平断面図である。
【図8】第1及び第3のステーと可動ガイドレールの組み付け状態を説明する図である。
【図9】引出体から取り外した像担持体ユニットを載置面上に載置する様子を示す斜視図である。
【図10】ユニットホルダから像担持体を取り外すときの様子を示す斜視図である。
【図11】さらに、ユニットホルダからクリーニング装置を取り外す様子を示す斜視図である。
【図12】第2のステーに設けたガイド片を明らかにする斜視図である。
【符号の説明】
5 像担持体
8 現像装置
14 クリーニング装置
32 クリーニングケース
40 ユニットホルダ
41 像担持体ユニット
43 側板
44 側板
45 引出体
87 部分
90 突出部
Claims (3)
- 静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置と、前記トナー像を転写材に転写したあとの像担持体表面に付着する転写残トナーを除去するクリーニング装置とを備えた画像形成装置において、
前記像担持体をユニットホルダに組付けると共に、前記クリーニング装置のクリーニングケースを前記ユニットホルダに固定して像担持体ユニットを構成し、該像担持体ユニットを着脱可能に支持し、かつ前記現像装置を保持した引出体を画像形成装置本体に対して引き出し可能に装着し、前記像担持体ユニットを引出体から取り外すとき、該像担持体ユニットが、引出体に保持された現像装置から離れる向きに移動するように、当該像担持体ユニットを案内するガイドを前記引出体に設け、該ガイドは、前記像担持体ユニットを引出体から取り外すべく、該像担持体ユニットを持ち上げたとき、該像担持体ユニットが、その上部の現像装置寄りの部分を中心として、その下部の部分が現像装置から離れる向きに回動するように、当該像担持体ユニットを案内することを特徴とする画像形成装置。 - 前記ユニットホルダが、像担持体の外周面よりも外方に突出する突出部を有している請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記ユニットホルダが、像担持体の軸方向各端部を支持する側板を有し、該側板の像担持体外周面に沿って延びる周縁部が像担持体の外周面よりも外方に突出し、その突出した周縁部によって前記突出部が構成されている請求項2に記載の画像形成装置。
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