JP3591161B2 - 表面検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば薄鋼板等の表面疵等を光学的に検出する表面検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば鋼板の表面疵を光学的に検出する装置としては、レ−ザ光の散乱又は回折パタ−ンの変化を利用して疵を検出する方法が多く用いられている。この方法は鋼板の表面に明らかな凹凸を形成している疵を検出する場合には有効な方法である。
【0003】
一方、鋼板等の疵には、表面の凹凸はなく、物性値のむら,ミクロな粗さのむら,薄い酸化膜等の局所的な存在あるいはコ−ティング膜厚の厚さむらといった模様状疵といわれるものがある。このような模様状疵はレ−ザ光の散乱や回折パタ−ンの変化では検出が困難である。例えば正常部で100Å程度の酸化膜が付いている鋼板表面に、局所的に400Å程度の酸化膜が厚く付いている異常部がある場合、このような異常部の領域は表面処理工程において塗装不良が生じるため、疵として検出して除去したい要請がある。しかしながら、異常部と正常部の酸化膜厚の差は鋼板表面の粗さに埋もれてしまい、光の散乱や回折を利用した方法では全く検出が不可能である。
【0004】
このように光の散乱や回折を利用した方法では検出できない疵を検出するために、偏光を用いた疵検査方法が例えば特開昭52−138183号公報や特開昭58−204356号公報等に開示されている。特開昭52−138183号公報に示された検査方法は被検査体の表面から反射したP偏光とS偏光の比があらかじめ定めた比較レベルより高いか否かによって欠陥の有無を検知するものである。また、特開昭58−204356号公報に示された検出方法は被検査体の表面に特定角度の入射角で光を照射して、表面欠陥を検出するときのS/N比を向上するようにしたものである。また、疵検査方法ではないが、偏光を用いた膜厚,表面物性の測定方法が例えば特開昭62−293104号公報や特開平4−58138号公報等に開示されている。特開昭62−293104号公報に示された検査方法は、試料から反射した偏光を方位角の異なる3個の検光子を通して受光し、異なる3種類の偏光の光強度から各位置のエリプソパラメ−タすなわち反射光の電気ベクトルのうち入射面方向の成分であるP偏光と入射面に垂直方向の成分であるS偏光との振幅反射率比tanΨと位相差Δを演算して、被検査面上の酸化膜やコ−ティング厚さあるいは物性値を精度良く測定する方法である。特開平4−58138号公報に示された検出方法は、試料から反射した偏光を1/4波長板からなる移相子と検光子とを介してイメ−ジセンサに導くときに、移相子の透過軸の位置を所定角度変え、各角度毎に検光子を回転させてイメ−ジセンサの画素毎に偏光パラメ−タを求めて複屈折分布を精度良く測定する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭52−138183号公報や特開昭58−204356号公報に示された検査方法は、偏光を用いて正常部と異常部とを弁別しているが、エリプソパラメ−タである振幅反射率比tanΨと位相差Δを判定することなしに疵を検出するようにしている。鋼板等の表面の疵部は光学的物性が正常部と異なった部分であることが多く、このような部分は複素屈折率が正常部と異なっているといえる。このような場合、エリプソパラメ−タの振幅反射率比tanΨと位相差Δの両方を考慮しないと、エリプソパラメ−タの変化の一部しか捕らえることができず、例えば検査結果として異常部が検出できたとしても、それが油のしみか、酸化膜のむらか、又は何らかしらの異常な付着物が付着したのであるか等を弁別するこができず、異常部の種別と程度を判定することは困難であった。
【0006】
これに対して特開昭62−293104号公報に示された検査方法は、エリプソパラメ−タの振幅反射率比tanΨと位相差Δを使用しているから、油のしみや酸化膜のむら,異物の付着を弁別できる可能性がある。しかしながら、この方法は基本的に点測定であり、鋼板等の表面全体の検査に適さない。仮に、特開昭62−293104号公報に示されている装置を鋼板の幅方向に多数並べたり、幅方向に高速に移動可能な機構を持った手段によって1台の装置を走査したり、何らかの工夫により全面走査が可能になったとしても、信号処理部は全測定点について偏光強度信号からエリプソパラメ−タの振幅反射率比tanΨと位相差Δを演算し、画像処理装置などを用いて疵種と疵の等級を判定する必要がある。しかし、幅方向1ラインで1000点以上の偏光強度信号を処理しなけらばならず、特にエリプソパラメ−タ演算はソフトウェア演算で行った場合、約数10秒の演算時間がかかるため、例えば毎分数100mの速度で通過する鋼板等のシ−ト状製品の表面をオンラインで連続的に検査することは不可能であった。このために専用の偏光パラメ−タ等の演算処理装置が必要となり、装置が高価になってしまう。
【0007】
また、この方法は元々膜厚あるいは物性値を測定する方法であり、そのためにはエリプソパラメ−タの振幅反射率比tanΨと位相差Δを測定すれば十分であった、しかしながら、これらのパラメ−タは必ずしも人の目で見た状態と一致するものではなく、人が疵と認識できてもエリプソパラメ−タは変化しない疵については検出することができない。
【0008】
また、特開平4−58138号公報に示された検査方法は、薄膜評価等に使用されているエリプソメ−タを2次元に拡大したものであり、この場合は、各画素毎に複屈折率が求められるため、正常部と異常部とでは異なる値として複屈折率が測定され、その違いにより正常部と異常部を弁別できる可能性がある。しかしながら、移相子と検光子を機械的に回転させて測定しているため、被検査体の各位置の複屈折率を測定するには、少なくとも1回の測定中は被検査体を停止させている必要があった。このため、例えば鋼板等のように連続的に製造されて送られるシ−ト状製品の表面をオンラインで連続的に検査することは不可能であった。
【0009】
また、特開昭62−293104号公報や特開平4−58138号公報に示されたいずれの検査方法も次のような短所があった。すなわち、これらの方法は検査手法としては非常に敏感であり、他の種類の疵や汚れ,油むら,スケ−ルなどから相対的に微弱な検出強度した与えない模様状の表面疵の情報のみを弁別して検出することは困難であった。特に、表面に油膜が塗布されて製造ライン上を移動する鋼板を検査する場合には、その油膜むらと本来検出すべき表面疵の両方を含んだ偏光パラメ−タを検出してしまい、表面疵の情報だけを弁別して検出することはできなかった。このため、特に防錆のために表面に油膜が塗布されていることが多い冷延鋼板等の通常の鋼板の表面疵の検出に使える可能性がないと考えられており、鋼板の模様状疵を光学的手段で検出すること、さらに表面疵の種類や等級までを判定することは不可能とされていた。
【0010】
この発明はかかる短所を改善するためになされたものであり、簡単な構成でシ−ト状製品の表面にある模様状疵や凹凸状の疵をオンラインで連続的に検出して、その種別や程度を弁別することができる表面検査装置を得ることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかわる表面検査装置は、投光部と受光部と信号処理部とを有し、投光部は幅方向に長いビ−ムの偏光を被検査面に入射し、受光部は被検査面の反射光の光路に設けられ、それぞれ異なる方位角を有する3個の検光子と、各検光子を透過した光を受光するリニアアレイセンサとを有し、被検査面からの反射光を入射し画像信号に変換し、信号処理部は各リニアアレイセンサからの出力画像信号を正規化して平坦化し、平坦化した画像信号からエリプソパラメ−タである振幅反射率比tanΨと位相差Δを示すcosΔ及び反射光強度Iの相対値を演算し、演算した振幅反射率比tanΨと位相差cosΔ及び反射光強度Iの相対値から被検査面の表面の異常の有無を判定することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明においては、被検査面に対して一定入射角で被検査面の幅方向全体に偏光を入射するように投光部を配置し、被検査面からの反射光を受光する受光部を所定の位置に配置する。受光部は入射した光を3本のビ−ムに分離するビ−ムスプリッタと、分離した3本のビ−ムを別々に入射して画像信号を出力する例えばCCDセンサを有する3組のリニアアレイカメラと、ビ−ムスプリッタと各リニアアレイカメラの間に設けられ、被検査面からの反射光を異なる振動面の偏光にする検光子とが設けられている。3個の検光子はそれぞれ異なる方位角、すなわち透過軸が被検査面の入射面となす角が、例えば0,π/4,−π/4になるように配置されている。
【0013】
信号処理部は各リニアアレイセンサからの出力画像信号を正常部が全階調の中心輝度になるように正規化して平坦化し、正常部に対する相対的な変化を示す画像信号に変換する。この正常部に対する相対的な変化を示す画像信号からエリプソパラメ−タである振幅反射率比tanΨと位相差Δを示すcosΔ及び反射光強度Iを演算し、振幅反射率比tanΨと位相差cosΔ及び反射光強度Iの相対値を算出し、tanΨ,cosΔ,Iの相対値画像を形成する。この相対値画像からtanΨ,cosΔ,Iの相対的な変化を検出して鋼板等の被検査面の表面の異常の有無を検出する。
【0014】
【実施例】
図1,図2はこの発明の一実施例の構成を示し、図1は光学系の構成図、図2は信号処理部を示すブロック図である。図1に示すように、光学系1は投光部2と正反射光を受光する受光部3を有する。投光部2は被検査体例えば鋼板4の幅方向全体に例えば入射角θ=60度で偏光を入射するものであり、光源5と光源5の前面に設けられた偏光子6とを有する。光源5は棒状に構成され、鋼板4の幅方向全体にわたり光を照射する。偏光子6は例えば偏光板や偏光フィルタからなり、図3の配置説明図に示すように、透過軸Pが鋼板4の入射面となす角αがπ/4になるように配置されている。受光部3は鋼板4から反射角θの正反射光を受光するものであり、例えばオプティカルフラットからなるビ−ムスプリッタ7a,7b,7cと、例えばCCDからなるリニアアレイカメラ8a,8b,8cと、リニアアレイカメラ8a〜8cの受光面の前面に設けられた検光子9a,9b,9cとを有する。リニアアレイカメラ8a〜8cは鋼板4の同一位置を見るように調整されている。検光子9a〜9cは例えば偏光板や偏光フィルタからなり、図3に示すように、検光子9の透過軸が鋼板4の入射面となす角αは検光子9aがα=0、検光子9bがα=π/4、検光子9cがα=−π/4になるように配置されている。
【0015】
信号処理部10は信号変換部11a,11b,11cと、フレ−ムメモリ12a,12b,12cと、演算手段13と、tanΨ記憶手段14aとcosΔ記憶手段14bとI記憶手段14cと、パラメ−タ比較手段15及び出力手段16を有する。信号変換部11a〜11cはそれぞれリニアアレイカメラ8a〜8cから出力された偏光画像信号の正常部の信号を基準レベルとし、正常部の信号が全階調の中心輝度になるようにしてニアアレイカメラ8a〜8cから出力された偏光画像信号を正規化して平坦化し、正常部に対する相対的な変化を示す画像信号に変換する。フレ−ムメモリ12a,12b,12cにはそれぞれ信号変換部11a〜11cから出力された画像信号が各画素毎に展開される。演算手段13は鋼板4の同じ位置の画像信号をフレ−ムメモリ12a,12b,12cから逐次読み出し、各画素におけるエリプソパラメ−タすなわち振幅反射率比tanΨと位相差Δを示すcosΔと、鋼板4の反射光の表面反射強度Iを演算し、tanΨ記憶手段14aとcosΔ記憶手段14bとI記憶手段14cに格納する。パラメ−タ比較手段15はtanΨ記憶手段14aとcosΔ記憶手段14bとI記憶手段14cに記憶されたtanΨとcosΔ及び表面反射強度Iのレベル変化から、鋼板4の表面の模様状疵や凹凸状疵の有無とその種別を判定する。
【0016】
上記のように構成された表面検査装置の動作を説明するに当たり、まず、3個のリニアアレイカメラ8a,8b,8cで検出した光強度から振幅反射率比tanΨとcosΔと鋼板4の反射光の表面反射強度Iを演算する原理を説明する。
【0017】
図3に示すように、鋼板4からの反射光が検光子9に入射する場合、偏光子6の透過軸Pと検光子9の透過軸Aが鋼板4の入射面となす角をα,αとすると、任意の入射角iで鋼板4に入射して反射したp偏光成分とs偏光成分が検光子9を通って合成されたときの光強度I(α,α)は、p成分とs成分の振幅反射率をr,rとすると次式で表せる。
【0018】
【数1】
Figure 0003591161
【0019】
ここでα=π/4にしたとき、α=0の検光子9aを通った光強度Iは、I=Iρとなり、α=π/4の検光子9bを通った光強度Iは、I=I(1+ρ+2ρcosΔ)/2、α=−π/4の検光子9cを通った光強度Iは、I=I(1+ρ−2ρcosΔ)/2となる。この光強度I,I,IからtanΨとcosΔ及び表面反射強度Iは次式で得られる。
【0020】
【数2】
Figure 0003591161
【0021】
次に、上記原理を使用した表面検査装置の動作を説明する。投光部2から出射されて一定速度で移動している鋼板4の表面で反射した偏光は検光子9a,9b,9cを通ってリニアアレイカメラ8a,8b,8cに入射する。このリニアアレイカメラ8a〜8cで反射光の光強度を検出するときに、リニアアレイカメラ8aは前面にα=0の検光子9aが設けられているから前記光強度Iを検出し、リニアアレイカメラ8bは前面にα=π/4の検光子9bが設けられているから光強度Iを検出し、リニアアレイカメラ8cは前面にα=−π/4の検光子9cが設けられているから光強度Iを検出する。なお、リニアアレイカメラ8a〜8cが出力する偏光画像信号の出力レベルを同じようなレベルにするためにリニアアレイカメラ8aのゲインをリニアアレイカメラ8b,87cのゲインの1/2にしておくと前記式における光強度Iはリニアアレイカメラ8aで検出した光強度の2倍になる。
【0022】
リニアアレイカメラ8a,8b,8cで検出した光強度I,I,Iを示す偏光画像信号はそれぞれ信号変換部11a,11b,11cに送られる。信号変換部11a〜11cは送られた光強度I,I,Iを示す偏光画像信号を、正常部の画像を信号の基準レベルとし、正常部の画像信号が全階調の中心輝度になるようにして正規化して平坦化し、正常部に対する相対的な変化を示す画像信号に変換する。すなわち、例えば図4(a)に示すように、リニアアレイカメラ8a,8b,8cで検出した光強度I,I,Iを示す偏光画像信号を正常部の画像を信号の基準レベルとし、図4(b)に示すように、正常部の画像信号が255階調の中心輝度である128階調になるようにして、光強度I,I,Iを幅方向に所定の移動平均幅で平均輝度を求めて正規化して平坦化する。例えばリニアアレイカメラ8aにj番目の画素の光強度をIaj、所定の幅で移動平均処理を行った後の光強度をIajmとすると、〔G(Iaj−Iajm)/Iajm〕+128なる計算を行う。なお、Gは各カメラ,画素に共通な定数である。この平坦化した正常部に対する相対的な変化を示す画像信号をそれぞれフレ−ムメモリ12a,12b,12cに格納する。このように正規化する前後の光強度I,I,Iの画像を図5(a),(b)に示す。図5(a)に示すように、リニアアレイカメラ8a,8b,8cで検出した光強度I,I,Iを示す偏光画像は光強度I,I,Iの輝度に応じて濃淡が異なる画像を形成しているが、図5(b)に示すように、正規化した相対的な変化を示す画像は、同じ濃度を示す正常部を基準として異常部は明るくなったり暗くなったりして濃度変化を示す。このようにリニアアレイカメラ8a〜8cで検出した光強度I,I,Iを正常部を基準として正規化することにより、リニアアレイカメラ8a〜8cの個々のドリフト等は問題にならずに光強度I,I,Iに応じた画像を得ることができる。
【0023】
演算手段13はフレ−ムメモリ12a〜12cに展開された光強度I,I,Iの相対的な変化を示す画像を各画素毎に読み出して、各画素毎に振幅反射率比tanΨとcosΔと表面反射強度Iを逐次演算して、tanΨ,cosΔ,Iの画像デ−タとしてtanΨ記憶手段14aとcosΔ記憶手段14bとI記憶手段14cに格納する。この演算によって得られるtanΨ,cosΔ,Iの画像は、図6(a),(b),(c)に示すように、正常部を基準とした相対値画像となり、例えば、cosΔについてはΔ=90度の正常部を基準にして生成され、異常部は明るくなるか暗くなる。このtanΨ,cosΔ,Iの相対値画像を不図示の表示装置に表示する。
【0024】
パラメ−タ比較手段15はtanΨ記憶手段14aとcosΔ記憶手段14bとI記憶手段14cに記憶されたtanΨとcosΔ及び表面反射強度Iのレベル変化から、鋼板4の表面の模様状疵や凹凸状疵の有無とその種別を判定して出力手段16から記録装置や表示装置に出力する。すなわち、鋼板4の異常部は、図5(c)のtanΨ,cosΔ,Iの画像に示すように、異常すなわち疵等の種別によって正常部を基準にした極性が異なり、例えば鋼板4の内部介在物に起因した疵21はtanΨ画面とcosΔ画面で正極性となり、I画面では負極性を示す。また、油しみの場合はtanΨ画面とcosΔ画面とI画面で正,負,正極性あるいはすべて正極性となり、tanΨ,cosΔ,Iのレベルにより異常部の種別を弁別することができる。
【0025】
上に述べた疵も含めて冷延鋼板における異なる疵種S,T,U,V,W,Xに対するtanΨ,cosΔ,Iの極性変化を調べた結果を図7に示す。図中、プラス(+)は正極性、マイナス(−)は負極性、0は変化無しを意味する。図7から明らかなように、tanΨ,cosΔ,Iの極性の1つまたは2つの組合せでは疵種を判別することはできないが、tanΨ,cosΔ,Iの3つの極性を組み合わせることにより疵種を明確に区分けすることができる。
【0026】
また、冷延鋼板,鍍金鋼板における種々の疵についてtanΨ,cosΔ,Iの絶対値を演算した後に極性を調べたところ、相対値の演算の場合と同じ結果になった。
【0027】
このように、正常部の画像信号を255階調の中心輝度である128階調になるようにして正規化して相対的画像を生成することにより、エリプソパラメ−タtanΨやcosΔの異常部における変化を明確にすることができる。すなわち、一般的な画像処理の階調は255階調であるが、例えばリニアアレイカメラ8cで検出した光強度Iの正常部の階調度が小さくなると、図5(a)のI画像に示すように画像全体が非常に暗くなる。この画像デ−タを用いてエリプソパラメ−タである振幅反射率比tanΨやcosΔの絶対値を演算すると、エリプソパラメ−タtanΨやcosΔの異常部における変化が明確にならない場合も生じ、疵検出に不都合が生じることもあるが、このような不都合を解消することができる。
【0028】
また、各パラメ−タは理論的には、0≦tanΨ≦∞,−1≦cosΔ≦1,0≦I≦510という値をとり得るが、鋼板4の表面疵検査では、例えば0.4≦tanΨ≦1.6,−0.28≦cosΔ≦0.28,32≦I≦224のように、とり得る値が限られることがある。このような場合は、現実にとり得る値が0から255階調に対応するようにレンジの拡大を行うことで、フレ−ムメモリ12a〜12cの階調を有効に使い、例えば疵検出のしきい値設定をより細かくできるようになる。
【0029】
なお、上記各実施例は鋼板4の反射光をビ−ムスプリッタ7a〜7cで3本のビ−ムに分離してリニアアレイカメラ8a,8b,8cで受光した場合について説明したが、図8に示すように、リニアアレイカメラ8a,8b,8cを鋼板4の移動方向に対して位置をずらして配置して、設定位置のずれ量Lを考慮して鋼板4の同一位置からの反射光を検出しても良い。また、図9の上面図と図10の側面図に示すように、リニアアレイカメラ8a,8b,8cを鋼板4の移動方向と直交する同一ライン上で同じ高さの位置に設け、鋼板4の同一位置からの反射光をで同時に検出するようにしても良い。
【0030】
また、上記各実施例は投光部2から出射した偏光を鋼板4の表面に直接入射し、その反射光をリニアアレイカメラ8a,8b,8cで直接受光する場合について説明したが、図11に示すように、光源5から偏光子6を通して所定の入射角で鋼板4の表面に入射し、その反射光をミラ−17で反射して鋼板4の表面に対して直交するように設けたリニアアレイカメラ8a,8b,8cで受光するようにしても良い。このように投光部2と受光部3を構成することにより、光学系1の設置スペ−スを小さくすることができ、オンラインにおける設置の自由度を改善することができる。この場合、tanΨ,cosΔ,Iの絶対的な変化を問題にしないで相対的な変化を問題にするから、アルミニュ−ム等のミラ−17による偏光の影響を問題にしないで済み、光学系1の構成や設置の自由度を高めることができる。
【0031】
また、上記実施例はtanΨ,cosΔ,Iの各パラメ−タを演算により求める場合について説明したが、光強度I,I,Iの信号レベルの組合せに対応した各パラメ−タの値を納めたテ−ブルをあらかじめ作成しておき、そのデ−ブルを参照することによりパラメ−タを求めることもできる。この場合、I,I,Iの取り得る値が制限されていると、テ−ブルの容量が小さく、処理時間が短くてすむ。冷延鋼板,鍍金鋼板について種々の疵について調べたところ、I,I,Iを256階調で処理する場合、すべての疵を対象にした場合128±64の範囲の値、また、最低の等級の一部の疵を除けば128±32の範囲内の値を想定しておけば良いことが確認された。また、その一部の疵についても128±32を超えた値を、128+32または128−32に置き換えて計算してもパラメ−タの極性は同じで、等級判定に用いるパラメ−タの値も大きく変わらないことを確認した。
【0032】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、被検査面に対して偏光を入射し、その反射光を異なる方位角を有する検光子を通して受光し、異なる偏光の光強度分布を測定し、測定した光強度分布を正常部が全階調の中心輝度になるように正規化して平坦化し、正常部に対する相対的な変化を示す画像信号に変換するようにしたから、受光部の各カメラのドリフト等を問題とせずに光強度に応じた画像を生成することができる。
【0033】
また、生成した相対的画像からエリプソパラメ−タtanΨやcosΔ及び反射光強度Iを演算するから、エリプソパラメ−タtanΨやcosΔ及び反射光強度Iの異常部における変化を明確にすることができ、シ−ト状製品の表面にある異常部の有無や種別をオンラインで精度良く検出することができる。
【0034】
さらに、エリプソパラメ−タの絶対値を測定しないで相対値を測定するから、光学系や信号処理部の厳密さが大幅に緩和され、装置全体を低価格にすることができるとともに設置や調整も容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の光学系を示す構成図である。
【図2】上記実施例の信号処理部を示すブロック図である。
【図3】光学系の動作を示す配置説明図である。
【図4】上記実施例の正規化処理を示す画像濃度特性図である。
【図5】正規化処理した画像を示す画面図である。
【図6】tanΨ,cosΔ,Iの画像を示す画面図である。
【図7】冷延鋼板における疵種の極性特性図である。
【図8】第2の実施例の光学系を示す側面図である。
【図9】第3の実施例の光学系を示す上面図である。
【図10】第3の実施例の光学系を示す側面図である。
【図11】第4の実施例の光学系を示す側面図である。
【符号の説明】
1 光学系
2 投光部
3 受光部
4 鋼板
5 光源
6 偏光子
7 ビ−ムスプリッタ
8 リニアアレイカメラ
9 検光子
10 信号処理部
11 信号変換部
12 フレ−ムメモリ
13 演算手段
14a tanΨ記憶手段
14b cosΔ記憶手段
14c I記憶手段
15 パラメ−タ比較手段

Claims (1)

  1. 投光部と受光部と信号処理部とを有し、
    投光部は幅方向に長いビ−ムの偏光を被検査面に入射し、受光部は被検査面からの反射光の光路に設けられ、それぞれ異なる方位角を有する3個の検光子と、各検光子を透過した光を受光するリニアアレイセンサとを有し、被検査面からの反射光を入射し画像信号に変換し、信号処理部は各リニアアレイセンサからの出力画像信号を正規化して平坦化し、平坦化した画像信号からエリプソパラメ−タである振幅反射率比tanΨと位相差Δを示すcosΔ及び反射光強度Iの相対値を演算し、演算した振幅反射率比tanΨと位相差cosΔ及び反射光強度Iの相対値から被検査面の表面の異常の有無を判定することを特徴とする表面検査装置。
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