JP3826578B2 - 表面検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば薄鋼板表面等の非検査面に光を照射して被検査面の表面疵を光学的に検出する表面疵検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄鋼板表面等の被検査面に光を照射してこの被検査面からの反射光を解析することによって、被検査面に存在する表面疵を光学的に検出する表面疵検査は従来からの種々の手法が提唱され実施されている。
【0003】
例えば、被検体表面に対して光を入射し、被検体表面からの正反射光及び拡散反射光をカメラで検出する金属物体の表面探傷方法が特開昭58−204353号公報に提案されている。この表面探傷方法においては、被検体表面に対し35度〜75度の角度で光を入射し、被検体表面からの反射光を、正反射方向と入射方向又は正反射方向から20度以内の角度方向に設置した2台のカメラで受光する。この2台のカメラの受光信号を比較し、例えば両者の論理和を取る。そして、2台のカメラが同時に異常値を検出した場合のみ該当異常値を傷とみなすことにより、ノイズに影響されない表面探傷方法を実現している。
【0004】
また、被検体からの後方散乱光を受光することによる被検体表面の疵検査方法が特開昭60−228943号公報に提案されている。この疵検査方法においては、ステンレス鋼板に対して大きな入射角で光を入射し、入射側へ戻る反射光すなわち後方散乱光を検出することにより、ステンレス鋼板表面のヘゲ疵を検出している。
【0005】
さらに、複数の後方散乱反射光を検出することによる平鋼熱間探傷装置が特開平8−178867号公報に提案されている。この平鋼熱間探傷装置は熱間圧延された平鋼上の掻疵を検出する。この探傷装置においては、掻疵の疵斜面角度は10度〜40度であり、この範囲の疵斜面からの正反射光を全てカバーできるように後方拡散反射方向に複数台のカメラが配設されている。
【0006】
また、偏光を利用した表面の測定装置が特開昭57−166533号公報及び特開平9−166552号公報に提案されている。特開昭57−166533号公報に提案された測定装置においては、測定対象に45度方向の偏向を入射し偏光カメラで反射光を受光している。偏光カメラにおいては、反射光をカメラ内部のビームスプリッタを用いて3つに分岐し、それぞれ異なる方位角の偏光フィルタを通して受光する。そして、偏光カメラから3本の信号をカラーTVシステムと同様の信号処理によりモニタに表示し、偏光状態を可視化する技術が開示している。この技術はエリプソメトリの技術を利用しており、光源は平行光であることが望ましく、例えばレーザ光が用いられている。
【0007】
また、特開平9−166552号公報に提案された表面検査装置においては、特開昭57−166533号公報に記載の技術と同様に、エリプソメトリを利用して鋼板表面の疵を検査している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各公開公報に提案された各測定技術は、いずれも顕著な凹凸性を持つ疵を検出するか、又は酸化膜等異物が存在する疵を検出することを目的としたものであり、顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥等に対しては全ての疵を確実に捕捉することが困難であった。
【0009】
例えば、特開昭58−204353号公報に記載の探傷方法においては、正反射光と散乱反射光を受光する2台のカメラを有しているが、その目的は2つのカメラにおける検出信号の論理和によるノイズの影響除去である。したがって、顕著な凹凸性を有する疵、すなわち表面に割れや抉れやめくれ上がりを生じているような疵に対しては両方のカメラで疵の信号が捉えられるので適用可能である。しかし、いずれか一方のカメラでしか疵の信号を捕らえられないような顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥のような疵の場合は、その疵を全て検出することはできない。
【0010】
また、特開昭60−228943号公報の表面状態検査方法は、表面粗さの小さいステンレス鋼板状に顕在化した持ち上がったヘゲ疵を対象としている。したがって、顕在化していない持ち上がった部分のない疵や、疵の存在しない部分も入射側へ戻る光を反射するような表面の粗い鋼板に適用することはできない。
【0011】
特開平8−178867号公報の平鋼熱間探傷装置は、掻き疵を対象にしており、疵斜面での正反射光を捉えることに基づいているため、顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲのような疵の場合には後方散乱反射光では捉えられないものも存在し、検出もれを生ずる問題点があった。また、一度カメラを設置し、どの角度の反射成分を受光するかが決定されると、容易にカメラ位置を変更できない問題もあった。
【0012】
さらに、特開昭57−166533号公報の測定装置や特開平9−166552号公報の表面検査装置は、エリプソメトリの技術を用いており、薄い透明な層の厚さ及び屈折率や物性値のむらを検出することはできる。しかしながら、例えば表面処理鋼板のように、もともと疵部が母材部と異なる物性値を有していたとしても、その上から同一の物性値を有するものに覆われたような対象に対しては、有効性が低下してしまう問題があった。
【0013】
また、エリプソメトリでは同一点からの反射光を各CCDの対応する画素で受光し、画素毎にエリプソパラメータを計算する必要がある。そのため特開昭57−166533号公報においては反射光をビームスプリッタにより3分岐して3つのCCDにより検出しており、光量が低下したり、CCD間の画素合わせが困難であるという問題があった。
【0014】
また、特開平7−28633号公報では、3台のカメラを鋼板進行方向に並べたり、縦または横に並べたり、3台のカメラの傾きを変えたりして、同一領域を見るようにしている。しかし、鋼板の速度が変化したときの処理が複雑である問題があった。また、各カメラの角度が異なるため光学条件が同一にならない。そのため、画素合わせが困難である問題があった。
【0015】
さらに、特開昭58−204353号公報や特開平8−178867号公報では複数台のカメラの光軸が共通ではなく出射角が異なるため、得られる2つの画像の対応する画素の視野サイズが異なるほか、被検査面のバタツキや対象の厚さ変動による距離変化があると視野に位置ずれを生じるという問題があった。特に特開昭58−204353号公報では2つのカメラで同じ視野に対する論理和をとることが要求されるため問題は大きかった。
【0016】
製品の品質検査ラインに組み込まれる表面検査装置においては、製造製品に対する品質保証の観点から、疵の検出もれがないことが絶対条件である。しかしながら、表面処理鋼板等まで検査対象とした表面疵検査装置は実用化されていなかった。
【0017】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、被検査面からの反射光に含まれる鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分とを区別して検出することによって被検査面における表面の割れや捩れやめくれ上がりのような顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥を確実に検出でき、高い欠陥検出精度を発揮でき、製品の品質検査ラインにも十分組み込むことができる表面検査装置を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る表面検査装置は、投光部と受光部と信号処理部とを有し、投光部は被検査面に偏光を入射し、受光部は少なくとも3方向の異なる角度の偏光を受光する複数の受光光学系を有し、被検査面で反射した反射光を検出して画像信号に変換し、信号処理部は各受光光学系から出力された光強度分布を被検査面の地肌正常部の光強度があらかじめ定めた基準値となるように規格化し、光強度変化量から疵を抽出し、疵領域における規格化した複数の光強度の変化極性と閾値を上回る光強度変化量の積分値とをあらかじめ定めたパターンと比較し疵種を判定し、各受光光学系から出力された光強度分布から、疵部において閾値を上回る光強度変化量の積分値を各受光光学系毎に算出し、各受光光学系毎に算出された積分値のなかから最大値を選択し、選択した値と判定した疵種により疵の等級を判定することを特徴とする。
【0019】
第2の発明に係る表面検査装置は、投光部と受光部と信号処理部とを有し、投光部は被検査面に偏光を入射し、受光部は少なくとも3方向の異なる角度の偏光を受光する複数の受光光学系を有し、被検査面で反射した反射光を検出して画像信号に変換し、信号処理部は各受光光学系から出力された光強度分布を被検査面の地肌正常部の光強度があらかじめ定めた基準値となるように規格化し、光強度変化量から疵を抽出し、疵領域における規格化した複数の光強度の変化極性と閾値を上回る光強度変化量の積分値とをあらかじめ定めたパターンと比較し疵種を判定し、各受光光学系から出力された光強度分布から、前記光強度変化量の前記基準値を0としたときの光強度変化のピーク値の絶対値と、閾値を上回る光強度変化量の積分値とを各受光光学系毎に算出し、各受光光学系毎に算出されたピーク値と積分値のなかから最大値をそれぞれ選択し、選択した値と判定した疵種により疵の等級を判定することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の表面疵検査装置が検査対象とする鋼板表面の光学的反射の形態を鋼板表面のミクロな凹凸形状と関連づけて説明する。例えば、検査対象が合金化亜鉛メッキ鋼板の場合においては、図1(a)に示すように、下地の冷延鋼板は溶融亜鉛メッキされたのち合金化炉を通過する。この間に下地鋼板1の鉄元素がメッキ層2の亜鉛中に拡散し、通常、図1(c)に示すように合金の柱状結晶3を形成する。このメッキされた鋼板4は次にロール5a,5bで調質圧延される。すると、図1(d)に示すように、柱状結晶3における特に突出した箇所がロール5a,5bで平坦につぶされ、それ以外の箇所は元の柱結晶3の形状を維持したままとなる。この調質圧延のロール5a,5bにて平坦につぶされた部分をテンパ部6と呼び、それ以外の調質圧延のロール5a,5bが当接しない元の凹凸形状を残した部分を非テンパ部7と称する。
【0021】
図2は、このようなテンパ部6と非テンパ部7とを有する鋼板4の表面でどのような光学的反射が生じるかをモデル化した断面模式図である。この鋼板4の表面(被検査面)はミクロ的に見ると種々の方向を向いた無数の微小面素13で構成されている。調質圧延のロール5a,5bによりつぶされたテンパ部6に入射した入射光8は、鋼板4の正反射方向に鏡面的に反射して鏡面反射光9となる。一方、調質圧延ロール5a,5bが当接しない元の柱状結晶3の構造を残す非テンパ部7に入射した入射光8は、ミクロに見れば柱状結晶3の各表面の微小面素一つ一つにより鏡面的に反射されるが、反射の方向は鋼板4の正反射方向とは必ずしも一致しない鏡面拡散反射光10となる。したがって、鋼板4の表面におけるテンパ部6及び非テンパ部7の各反射光の角度分布は、マクロに見ればそれぞれ図3(a),図3(b)のようになる。すなわち、テンパ部6では鋼板正反射方向に鋭い鏡面性の反射が発生し、非テンパ部7では柱状結晶3の表面の微小面素の角度分布に対応した広がりを持った反射光となる。前述したように、テンパ部6の反射光を鏡面反射光9と称し、非テンパ部7の反射光を鏡面拡散反射光10と称する。そして、テンパ部6と非テンパ部7はマクロ的には混在しているので、カメラ等の光学測定器で観察される反射光の角度分布は、図3(c)に示すように、鏡面反射光9及び鏡面拡散反射光10の角度分布をテンパ部6と非テンパ部7とのそれぞれの面積率に応じて加算したものとなる。
【0022】
以上、テンパ部6と非テンパ部7とを合金化亜鉛メッキ鋼板を例にして説明したが、調質圧延により平坦部が生じる他の鋼板にも一般に成り立つ。
【0023】
次に、本発明の検出対象となる顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥と呼ばれる欠陥の光学反射特性について説明する。図4に示すように、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板に見られるヘゲ欠陥(ヘゲ部)11は、メッキ加工前の冷延鋼板原板にヘゲ欠陥が存在し、その上にメッキ層2が乗り、さらに下地鋼板1の鉄元素の拡散によりるヘゲ欠陥の合金化が進行したものである。
【0024】
一般に、ヘゲ部11は鋼板4の正常部分を示す母材12と比較して、例えばメッキ厚に違いが生じたり、合金化の程度に違いが生じる。その結果、例えば、ヘゲ部11のメッキ厚が厚く母材12に対し凸の場合には、調質圧延が印加されることによりテンパ部6の面積が非テンパ部7に比べて多くなる。逆に、ヘゲ部11のメッキ厚が薄く母材12に比べ凹の場合には、ヘゲ部11は調質圧延のロール5a,5bが当接せず、非テンパ部7が大半を占める。また、ヘゲ部11の合金化が浅い場合には微小面素の角度分布は鋼板方線方向に強く、拡散性は小さくなる。
【0025】
次に、このようなヘゲ部11と母材部12の表面性状の相違により、模様状ヘゲ欠陥がどのように見えるかを説明する。上述したモデルに基づきヘゲ部11と母材部12の違いについて分類すると一般に次の3種類に分けられる。
【0026】
(a)ヘゲ部11におけるテンパ部6の面積率及び非テンパ部7の微小面素の角度分布が、母材部12におけるテンパ部6の面積率及び非テンパ部7の微小面素の角度分布と異なる(図6(a)、図5(a))。
【0027】
(b)ヘゲ部11におけるテンパ部6の面積率は母材部12におけるテンパ部6の面積率と異なるが、ヘゲ部11の非テンパ部7の微小面素の角度分布は母材部12における非テンパ部7の微小面素の角度分布と変わらない(図6(b)、図5(b))。
【0028】
(c)ヘゲ部11における非テンパ部7の微小面素の角度分布は母材部12の非テンパ部7の微小面素の角度分布と異なるが、ヘゲ部11におけるテンパ部6の面積率は母材部12におけるテンパ部6の面積率と変わらない(図6(c)、図5(c))。
【0029】
図7に示すように、入射光8が当接する微小面素13の法線方向の鋼板4の鋼板法線方向に対する傾斜角度を微小面素13の法線角度ξとし、この法線角度ξとテンパ部6の面積率S(ξ)との関係を、上述した(a),(b),(c)の3つの場合について、図6(a),(b),(c)に示す。
【0030】
このテンパ部6の面積率S(ξ)及び微小面素13の角度分布の違いが、図5(a),(b),(c)に示すような反射光量の角度分布の違いとして観察される。図中実線で示す角度分布がヘゲ部11に対応するヘゲ部角度分布11aであり、点線で示す角度分布が母材部12に対応する母材部角度分布12aである。
【0031】
すなわち、図5(a)はヘゲ部角度分布11aと母材部角度分布12aとの間において、鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分とが共に差が存在する場合を示し、図5(b)は鏡面反射成分のみに差が存在する場合を示し、図5(c)は鏡面拡散反射成分のみに差が存在する場合を示す。そして、ヘゲ部角度分布11aと母材部角度分布12aとでテンパ部6の面積率S(ξ)に相違がある場合には、図5(a),(b)に示すように、その差は正反射方向から観察される。具体的には、正反射方向からヘゲ部11の反射光を測定した場合と母材部12の反射光を測定した場合に、ヘゲ部11のテンパ部6の面積率S(ξ)が母材部12のテンパ部6の面積率S(ξ)より大きい場合にはヘゲ部11は母材部12に比較して相対的に明るく見える。逆に、ヘゲ部11のテンパ率6が母材部12より小さいときにはヘゲ部11は母材部12に比較して相対的に暗く観察される。
【0032】
ヘゲ部角度分布11aと母材部角度分布12aでテンパ部6の面積率S(ξ)に違いがない場合には図5(c)に示すように、正反射方向からの単なる受光強度の差を観察するのみではヘゲ部11の存在を観察できない。しかし、鏡面拡散反射成分の拡散性(角度分布)に違いがあるときには図5(c)に示すように正反射方向以外の拡散方向から欠陥が観察される。
【0033】
例えば、ヘゲ部11の鏡面拡散反射成分の拡散性(角度分布)が小さいときには、一般に正反射方向に比較的近い拡散方向からヘゲ部11は明るく観察され、正反射方向から離れるに従い明るさは小さくなり、ある角度で観察不能となる。さらに正反射方向から遠ざかると今度はヘゲ部11は暗く観察される。
【0034】
このようなヘゲ部11を母材部12と確実に区別して検出するためには、図6において、どういう角度(法線角度ξ)の微小面素13からの反射光を抽出するのかを検討することが必要である。例えば、図5(a),(b)の例のように、正反射方向でヘゲ部11と母材部12の違いを検出するということは、図6で示される微小面素13の角度分布のうち微小面素13の法線角度ξ=0について抽出し、ヘゲ部11と母材部12との違いを検出していることになる。
【0035】
ここで、微小面素13の法線角度ξ=0の反射光を抽出するということを数学的に表現すると、図6の特性(面積率S(ξ))それぞれに、図8(a)に示すデルタ関数δ(ξ)で表される抽出特性を示す関数(以後、この関数を重み関数Ι(ξ)と呼ぶ)を乗じて積分することに相当する。
【0036】
また、例えば、入射角60度において、正反射方向から20度ずれた40度の角度位置で反射光を測定することは、図8(b)のようなデルタ関数δ(ξ+10)なる重み関数Ι(ξ)を用いて計算することに相当する。
【0037】
なお、図7に示すように、反射角度θ度と微小面素13の法線角度ξと入射光8の入射角度θとの関係は簡単な幾何学的考察によって(1)式で求まる。
θ度=−θ+2ξ (1)
すなわち、どういう角度(法線角度ξ)の微小面素13からの反射光を抽出するかということは、どのような重み関数Ι(ξ)を設計するかということに相当することが理解できる。
【0038】
このような観点から、図6(a),(b),(c)で表されるような各ヘゲ部11を母材部12と弁別して検出するための重み関数I(ξ)を考えると、図8(a),(b)に示すデルタ関数δ(ξ),δ(ξ+10)も有効な重み関数I(ξ)の一つである。なお、重み関数Ι(ξ)は、必ずしも図8に示した特定の法線角度のみを抽出する幅が無限小のデルタ関数δ(ξ)である必要はなく、ある程度の信号幅を有することも可能である。
【0039】
しかしながら、このような弁別手法においては、2つの光学系の視野を同一にすることはできない。また、拡散反射光を測定するために一旦カメラを設置すると、その重み関数Ι(ξ)を変更することは、カメラの設置位置を変更することが必要であるから容易ではない。
【0040】
前者の課題に対しては同一光軸上の測定が必要ある。すなわち、拡散反射光を捉えるのでなく、鋼板4の正反射方向からの測定のみで鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分との両成分を捉えることが望ましい。そして、後者の課題に対しては、重み関数Ι(ξ)をある程度自由度を持って設定できることが望ましい。
【0041】
そこで、本発明においては、まず光源として、レーザのような平行光源ではなく拡散特性を持つ線状の光源、すなわち線状拡散光源を用いている。また、鋼板4の正反射方向から鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分とを分離して抽出する必要があるので偏光を用いている。この線状拡散光源の効果を説明するために、図9(a),(b)に示すように線状拡散光源14を鋼板4の表面に平行に配置し、光源に垂直な面内にあり、入射角が出射角と一致する方向である鋼板正反射方向から鋼板4上の一点を観察したときの反射特性を考える。
【0042】
図9(a)に示すように、線状拡散光源14の中央部から照射された入射光8の場合、テンパ部6に入射した入射光8は鏡面的に反射されて、鋼板正反射方向で全て捉えられる。一方、非テンパ部7に入射した光は鏡面拡散的に反射され、たまたま鋼板法線方向と同一方向を向いている微小面素13により反射された分のみが捉えられる。このような方向を向いている微小面素13は非常に少ないので、鋼板正反射方向に配設された受光カメラで捉えられる反射光のうちではテンパ部6からの鏡面反射光が支配的である。
【0043】
これに対し、図9(b)に示すように、線状拡散光源14の中央部位外の位置から照射された入射光8の場合には、テンパ部6に入射した光は鏡面反射して鋼板正反射方向とは異なる方向へ反射する。そのため、鏡面反射した光は鋼板正反射方向では捉えることができない。一方、非テンパ部7に入射した光は鏡面拡散的に反射され、そのうち鋼板正反射方向に反射された分が受光カメラで捉えられる。したがって、鋼板正反射方向に配設された受光カメラで捉えられる反射光は全て非テンパ部7で反射した鏡面拡散反射光である。
【0044】
以上2つの場合を併せると、線上拡散光源14の長尺方向全体から照射される全ての入射光8のうち鋼板正反射方向からの観察で捉えられるのは、テンパ部6からの鏡面反射光と非テンパ部7からの鏡面拡散反射光との和である。
【0045】
次に、鋼板4の正反射方向から線状拡散光源14を使用して観察した場合に、偏光特性がどう変化するかについて説明する。一般に、鏡面状の金属表面での反射においては、電界の方向が入射面に平行な光(p偏光)あるいは入射面に直角な光(s偏光)においては、反射によっても偏光特性は保存される。すなわち、p偏光のまま又はs偏光のまま出射する。また、p偏光成分とs偏光成分とを同時に持つ任意の偏光角を有した直線偏光が反射されると、p、s偏光の反射率非tanΨ及び位相差△に応じた楕円偏光となって出射する。
【0046】
合金化亜鉛メッキ鋼板に線状拡散光源14から光が照射される場合を図10(a),(b)を用いて説明する。図10(a)に示すように、線状拡散光源14の中央部から出射した光は鋼板4のテンパ部6で鏡面反射して鋼板正反射方向で観察される。これに関しては上記一般の鏡面状の金属表面での反射がそのまま成立する。
【0047】
一方、図10(b)に示すように、線状拡散光源14の中央部位外の位置から出射した光は、鋼板4の非テンパ部7の結晶表面の傾いた微小面素13で鏡面反射して鋼板正反射方向で観察される。この場合、鋼板4の入射面に平行なp偏光の光を入射したとしても実際に反射する傾いた微小面素13に対して考えた場合には入射面は微小面素13に対して平行ではなく、p,s両偏光成分を持つ直線偏光であるため、楕円偏光となって出射する。線状拡散光源14からs偏光を入射した場合も同様である。
【0048】
また、線状拡散光源14からp,s両偏光成分を持つ任意の偏光角αの直線偏光が鋼板4に入射した場合、線状拡散光源14の中央部以外の位置から傾いた微小面素13に入射した光は偏光角αが傾いて作用するため、鋼板正反射方向に出射する楕円偏光の形状は、線上拡散光源14の中央部から入射してテンパ部6で鏡面反射した光とは異なる。
【0049】
以下、p,s両性分を持つ直線偏光を線状拡散光源14から鋼板4に入射する場合について詳細に検証する。まず、図11に示すように、線状拡散光源14からの入射光8を方位角(偏光角)αを有する偏光板15で直線偏光にした後、水平に配置された鋼板4に入射させ、その正反射光を受光カメラ16で受光する、前述したように、線状拡散光源14上のC点から出射された入射光8については、鋼板4におけるテンパ部6により鏡面反射された成分、及び、非テンパ部7におけるたまたま法線が鋼板4の鉛直方向を向いた法線角度ξ=0の微小面素13から鏡面拡散反射された成分が鋼板4上の0点から受光カメラ16方向へ反射する光に寄与している。
【0050】
一方、図12に示すように、線状拡散光源14上の鋼板4のO点から見て角度φだけずれた点Aからの入射光8については、鏡面反射成分は受光カメラ16方向とは異なる方向に反射されるため、前述した法線角度ξの微小面素13による鏡面拡散反射成分のみが寄与する。
【0051】
ここで、入射光8の入射方向を示す角度φと微小面素13の法線角度ξとの関係は、入射光8の鋼板4に対する入射角度θを用いて、間簡単な幾何学的考察により、(2)式で与えられる。
【0052】
【数1】
Figure 0003826578
【0053】
次に、このようにして反射された光の偏光状態について考える。C点から出射された入射光8が、方位角(偏光角)αの偏光板15を通り、鋼板4上のO点にて鏡面反射された後の偏光状態Ecは、偏光光学で一般に用いられるジョーンズ行列を用いて、
Ec=T・Ein (3)
と表される。但し、Einは偏光板15の方位角(偏光角)αの直角偏光ベクトルを示し、Tは鋼板4の反射特性行列を示す。そして、直線偏光ベクトルEinと反射特性行列Tは、p,s偏光の振幅反射率比をtanΨ、p,s偏光の反射率の位相差を△、s偏光の振幅反射率をrsとすると、それぞれ(4),(5)式で与えられる。
【0054】
【数2】
Figure 0003826578
【0055】
同様に、線状拡散光源14上のA点から出射した入射光8が法線角度ξの微小画素13で受光器16の方向に反射された光の偏光状態Eaは入射面が偏光板15及び受光カメラ16の検光子と直交しているとすると(6)式で与えられる。(6)式においてRは回転行列であり、(7)式で与えられる。
【0056】
【数3】
Figure 0003826578
【0057】
(3)式は、(6)式において微小面素13の法線角度ξ=0とした特別の場合であり、鏡面反射成分についても鏡面拡散反射成分についても(6)式を用いて統一的に考えることができる。(6)式を計算し、法線角度ξの微小面素13からの反射光の楕円偏光状態を図示すると、図13に示すようになる。ここで入射偏光の方位角(偏光角)αは45度、入射角θは60度、鋼板4の反射特性としてp,s偏光の振幅反射率比の逆正接Ψ=28度、p,s偏光の反射率の位相差△=120度とした、図13より、法線角度ξ=0すなわち鏡面反射の場合の楕円に対して法線角度ξの値が変化するに従って、楕円が傾いていくのが理解できる。したがって、例えば受光カメラ16の前に検光子17を挿入し、その検光角βを設定することによって、どの法線角度ξの微小面素13からの反射光をより多く抽出するかを選択することができる。
【0058】
このことを定量化するために、図12に示すように、(3)式で表される偏光状態Eaの反射光に対して検光角βの検光子17を挿入した後における偏光状態Eoを求めると(8)式となる。
【0059】
【数4】
Figure 0003826578
【0060】
(8)式においてAは検光子17を表す行列であり、(9)式で表される。
【0061】
【数5】
Figure 0003826578
【0062】
次に、この(8)式から受光カメラ16で検出する法線角度ξの微小面素13からの反射光の光強度を求める。前述したように、該当微小面素13の面積率をS(ξ)とすると、下記(10)式が成立する。
【0063】
【数6】
Figure 0003826578
【0064】
上式におけるΙ(ξ,β)は、前述したように、法線角度ξの微小面素13からの反射光をどの程度抽出できるかを示す重み関数であり、光学系及び被検体の偏光特性に依存する。そして、それに鋼板4の反射率rs2 と入射光光量Ep2 と面積率S(ξ)を乗じたものが検出される光強度になる。
【0065】
表面処理鋼板などのように、鋼板表面の材質が均一な対象を考える場合は反射率rs2 の値は一定と考えられる。また、入射光光量Ep2 は入射光量が光源の位置によらず均一ならば同じく一定の値としてよい。したがって受光カメラ16が検出する光強度を求めるには、法線角度ξの微小面素13の面積率S(ξ)と重み関数Ι(ξ,β)とを考えればよい。
【0066】
ここで、重み関数Ι(ξ,β)について考える。法線角度ξの微小面素13からの寄与が最も大きくなるような検光子17の検光角βoを選定しようとした場合、その候補は次の(11)式をβについて解くことによって与えられる。
【0067】
【数7】
Figure 0003826578
【0068】
(11)式により、法線角度ξ=0、すなわち鏡面反射成分の寄与が最も大きくなるような検光角βを求めると、検光角βは約−45度である。但し、ここでも、鋼板4の反射特性として前述した反射率比の逆正接Ψ=28度、位相差△=120度を採用し、線状拡散光源14からの入射光8に対する偏光板15の方位角(偏光角)α=45度を採用した。
【0069】
図14に、検光子17の検光角βが−45度の場合における微小面素13の法線角度ξと重み関数Ι(ξ,−45)との関係を示す。但し、見やすさのために重み関数Ι(ξ,−45)の最大値を[1]に規格化してある。図14の特性から、法線角度ξ=0度、すなわち鏡面反射成分が最も支配的で、逆に法線角度ξ=±35度付近の微小面素13からの鏡面拡散反射光が最も抽出されないことが理解できる。
【0070】
また、に法線角度ξ=±35°の反射光を最もよく抽出するような検光子17の検光角βを(10)式と(11)式より求めると、およそβ=45度である。検光子17の検光角β=45度に対する微小面素13の法線角度ξと重み関数Ι(ξ,45)の関係を図15に示す。ここで、図15の重み関数Ι(ξ,β)の特性が左右対称でないのは、入射面(微小面素13に対する入射光8と反射光により張られる平面)を基準に考えると、微小面素13の法線角度ξが正の場合、見かけ上入射光8の偏光の方位角(偏光角)αが小さくなる(p偏光に近づく)ことと、鋼板4のp偏光反射率がs偏光反射率より小さいことによる。
【0071】
また、検光子17の検光角β=−45度と45度の中間の特性となるβ=0度及び90度についても計算した重み関数Ι(ξ,0),Ι(ξ,β)も図15に示した。Ι(ξ,0)は−50度付近にピークがあるが、測定対象の面積率によりξ=15度付近の影響が最も大きい場合が多い。(10)式で示したように、法線角度ξの微小面素13からの反射光強度は、重み関数Ι(ξ,β)と面積率S(ξ)の積により与えられるから、最終的に受光カメラ16で受光する光強度は[S(ξ)・Ι(ξ,β)]を法線角度ξについて積分したものになる。例えば、図16に示すような反射特性を有する鋼板4からの反射光を、検光角βが−45度の検光子17を通して受光した場合、図16で示される面積率S(ξ)を図14に示す重み関数Ι(ξ,β)で示される重みをつけて積分したものが実際に受光した光強度となる。
【0072】
そこで、鋼板4の表面に、図5(a),(b),(c)に示されるような特性のヘゲ部11が存在した場合を考える。その場合の各面積率S(ξ)は、それぞれ図6(a),(b),(c)のようになっている。
【0073】
まず図5(b),図6(b)のように鏡面反射成分のみに違いがある場合を考える。このような疵を検光角β=−45度の検光子17を通して受光したときの光強度は、図6(b)に示す面積率S(ξ)に図14で表される重み関数I(ξ,β)をかけて積分したものに相当するから、母材部12とヘゲ部11との反射光量の違いを検出することができる。
【0074】
また同一疵を検光角β=45度の検光子17を通して受光したときの光強度については、図6(b)に示すように、鏡面拡散反射成分に違いがないため、図15の検光角β=45度の重み関数Ι(ξ,β)をかけて積分することを考えると明らかなように、母材部12とヘゲ部11との違いを検出することができない。
【0075】
また、図5(c),図6(c)のように鏡面拡散反射成分のみに違いがある場合には、逆に検光角β=−45度の検光子17を通したのでは検出できず、検光角β=45度の度検光子17を通したときに検出できる。但し、母材部12とヘゲ部11の鏡面拡散反射成分の違いがなくなっている法線角度ξは、図6(c)では法線角度ξ=±20度付近であったが、もし、その角度がたまたま±30数度付近となる疵があると、検光角β=45度の検光子17を通しても検出できなくなる。その場合は、別の重み関数例えばΙ(ξ,90)となるような検光角β(例えば90°)の検光子17をもう一つ別に用意し、3番目の受光カメラ16で受光するようにすればよい。
【0076】
一般に、鋼板4の表面の母材部12及びヘゲ部11の反射特性は図5(a),(b),(c)のいずれかであるので、ヘゲ部11の見落しをなくすためには、3つの異なる検光角βの検光子17を用い、対応する3つの法線角度ξの微小面素13からの反射光を抽出して受光するようにすることが必要である。また、図5(a),図6(a)のように鏡面反射成分、鏡面拡散反射成分ともの違いがある場合には、基本的には、例えば−45度と+45度のいずれの検光子17を通した反射光でも母材部12とヘゲ部11との違いを検出できる。したがって、本発明では線状拡散光源14を用い、第1の受光手段で被検査面からの正反射光に含まれる鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分のうち、鏡面拡散反射成分に比較して鏡面反射成分をより多く抽出し受光し、第2の受光手段で被検査面からの正反射光に含まれる鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分のうち、鏡面反射成分に比較して鏡面拡散反射成分をより多く抽出している。
【0077】
そこで、例えば被検査面からの正反射光のみを受光する第1、第2の受光手段にてでも、図5(a),(b),(c)に示す鋼板4の表面の各反射特性におけるヘゲ部11の存在を母材部12との比較において確実に検出できる。
【0078】
このような光学系により、正反射方向からの共通な光軸での測定であるため、鋼板距離変動や速度変化に影響されることなく、鏡面反射・鏡面拡散反射それぞれに対応した2つの信号を得ることが可能になり、顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵を検出もれを生じることなく検出可能な表面疵検査装置を実現できる。
【0079】
そこで、この発明においては、被検査面に対して一定入射角で被検査面の幅方向全体に偏光を入射するように投光部を配置し、被検査面からの反射光を受光する受光部を所定の位置に配置する。受光部は入射した光を例えば3本のビームに分離するビームスプリッタと、分離した3本のビームを別々に入射して画像信号を出力する例えばCCDセンサを有する3組のリニアアレイカメラと、ビームスプリッタと各リニアアレイカメラの間に設けられ、非検査面からの反射光を異なる振動面の偏光にする検光子とが設けられている。3個の検光子はそれぞれ異なる方位角、すなわち透過軸が被検査面の入射面となす角が、例えば、0度,45度,−45度になるように配置されている。
【0080】
信号処理部は各リニアアレイカメラからの出力画像信号をシェーディング補正して正常部が全階調の中心濃度になるように正規化して平坦化し、正常部に対する相対的な変化を示す光強度信号に変換する。この正常部に対する相対的な変化を示す3種類の光強度信号の分布の変化極性と変化量とをそれぞれあらかじめ定めたパターンと比較して偏光の変化を検出する。この3種類の光強度信号の正常部に対する変化極性と変化量の大小から表面の物性が母材と異なる疵の疵種を判定する。
【0081】
また、信号処理部は上記処理とともに各受光光学系から出力された光強度分布から光量変化の画素の絶対値のピーク値と基準値を上回る光量の絶対値の積分値を演算し、各受光光学系のピーク値と光量積分値の最大値から疵種毎にあらかじめ定めたパターンと比較し、例えば凹凸状の疵のように正常部と表面幾何学形状が異なる疵の等級を判定する。
【0082】
【実施例】
図17はこの発明の一実施例の光学系を示す配置図である。図に示すように、光学系21は投光部22と3板式偏光リニアアレイカメラ23を有する。投光部22は被検査体、例えば鋼板4の表面に一定の入射角で偏光を入射するものであり、光源24と光源24の前面に設けられた偏光子25とを有する。光源24は鋼板4の幅方向に伸びた棒状発光光源及びシリンドリカルレンズからなり、鋼板4の幅方向全体に一様な強度分布を有する光を照射する。偏光子25は例えば偏光板又は偏光フィルタからなり、図18の配置説明図に示すように、透過軸Pが鋼板4の入射面となす角αが45度になるように配置されている。3板式偏光リニアアレイカメラ23は、図18の構成図に示すように、ビームスプリッタ26と3個の検光子27a,27b,27cと3個のリニアアレイセンサ28a,28b,28cとを有する。ビームスプリッタ26は3個のプリズムからなり、入射面に誘電体多層膜を蒸着した半透過性を有する反射面が2面設けられ、鋼板4からの反射光を入射する第1の反射面26aは透過率と反射率が約2対1の割合になっており、第1の反射面26aを透過した光を入射する第2の反射面26bは透過率と反射率が1対1の割合になっており、鋼板4からの反射光を同じ光量の3本のビームに分離する。また、ビームスプリッタ26の入射面から分離した3本のビームの出射面までの光路長は同じにしてある。検光子25aは第2の反射面26bの透過光の光路に設けられ、図18に示すように、方位角すなわち透過軸が鋼板4の入射面となす角βが0度になるように配置され、検光子27bは第2の反射面26bの反射光の光路に設けられ、方位角βが45度になるように配置され、検光子27cは第1の反射面26aの反射光の光路に設けられ、方位角βが−45度になるように配置されている。リニアアレイセンサ28a,28b,28cは例えばCCDセンサからなり、それぞれ検光子27a,27b,27cの後段に配置されている。また、ビームスプリッタ26と検光子27a,27b,27cの間にはビームスプリッタ26内の多重反射光や不必要な散乱光をカットするスリット29a,29b,29cが設けられ、ビームスプリッタ26の前段にはレンズ群30が設けられている。また、リニアアレイセンサ28a,28b,28cは同じ光強度の光が入射したときに同じ信号を出力するように利得が調整してある。
【0083】
このように入射した光を分離した3本のビームの光路に検光子27a〜27cとリニアアレイセンサ28a〜28cが一体化して設けられているから、リニアアレイセンサ28a〜28c等を鋼板4の搬送路近傍に配置して鋼板4からの反射光を検出するときに、リニアアレイセンサ28a〜28c等の位置調整を必要としないとともに鋼板4の同じ位置からの反射光を同じタイミングで検出することができる。また、3板式偏光リニアアレイカメラ23内に3組のリニアアレイセンサ28a〜28cがまとまって収納されて小型化しているから、3板式偏光リニアアレイカメラ23を鋼板4の反射光の光路に簡単に配置することができるとともに配置位置を任意に選択することができ、光学系1の配置の自由度を向上することができる。
【0084】
3板式偏光リニアアレイカメラ23のリニアアレイセンサ28a〜28cは、図20のブロック図に示すように信号処理部31に接続されている。信号処理部31は信号前処理部32a,32b,32cとメモリ33a,33b,33cと疵パラメータ演算部34とパターン記憶部35と光量記憶部36と基準パターン記憶部37と疵種判定部38と等級パターン記憶部39と疵等級判定部40及び出力部41を有する。信号前処理部32a〜32cはリニアアレイセンサ28a〜28cから出力された偏光の光強度信号I1,I2,I3の幅方向等の感度むら等を補正するシェーディング補正等を行ってから正常部の信号を基準レベルとして、正常部の信号が255階調の中心濃度である128階調になるように正規化して、正規化した光強度信号I1,I2,I3をそれぞれメモリ33a〜33cに格納する。疵パラメータ演算部34は、メモリ33a〜33cに格納された光強度信号I1,I2,I3の分布に表れた疵部の各点を正常部の値である128階調を基準にして予め定められた閾値を越える変化点について、変化点の最初の幅方向アドレスA1s1,A2s1,A3s1と変化点の最後の幅方向アドレスA1e1,A2e1,A3s1を求め、最初の幅方向アドレスA1s1,A2s1,A3s1のうちで最初のアドレスをAs1、最後の幅方向アドレスA1e1,A2e1,A3s1の最後のアドレスをAe1とする。その後、最初のアドレスAs1と最後のアドレスAe1の間にある信号について閾値を越える各点について基準値「128」を「0」としたときの濃度積算値I1s1,I2s1,I3s1と疵ピーク値I1p1,I2p1,I3p1を求める。疵パラメータ演算部34は繰り返してスキャンしているリニアアレイセンサ28a〜28cの次回の出力についても同様の演算を行い、次回の変化点の幅方向アドレスAs2、Ae2が前回の変化点の幅方向アドレスAs1、Ae1と重なるアドレスがあった場合、前回の濃度積算値I1s1,I2s1,I3s1に今回の濃度積算値I1s2,I2s2,I3s2を加算し、連結濃度積算値Is1,Is2,ls3を求める。また、前回の疵ピーク値I1p1,I2p1,I3p1を上回る疵ピーク値があった場合、前回の疵ピーク値を更新し、新たな疵ピーク値I1p,I2p,I3pとする。これをライン出力ごとに疵信号の幅方向アドレスが重なることがなくなるまで繰り返し、重なる幅方向アドレスがなくなったとき、疵パラメータ演算部34は一つの疵の測定が完了したものとみなし、これまでに求めた連結濃度積算値Is1,Is2,Is3と疵ピーク値I1p,I2p,I3pより極性パターンIppと変化量を示す値パターンVppを算出するとともに疵部の等級を判定をするための最大濃度積算値IsMaxと最大疵ピーク値Ipeakを演算し、パターン記憶部35と光量記憶部36に各特徴量を出力する。パターン記憶部35は算出された極性パターンIppと値パターンVppを記憶し、光量記憶部36は算出された最大濃度積算値IsMaxと最大疵ピーク値Ipeakを記憶する。基準パターン記憶部37には各種極性パターンと値パターン及びこれらに対応する疵種があらかじめ格納されている。疵種判定部38はパターン記憶部35に記憶された極性パターンIppと値パターンVppとを基準パターン記憶部37に記憶された各種極性パターンと値パターンと比較して疵種を判定する。等級パターン記憶部39には各疵種毎に最大濃度積算値IsMaxと最大疵ピーク値Ipeakに対する疵の等級を示す等級基準パターンがあらかじめ格納してある。疵等級判定部40は光量記憶部36に記憶した最大濃度積算値IsMaxと最大疵ピーク値Ipeakと疵種判定部38で判定した疵種を等級パターン記憶部39に記憶してある等級基準パターンと比較して疵の等級を判定する。出力部41は疵等級判定部40から出力される疵種と疵の等級を不図示の表示装置や記録装置に出力する。
【0085】
次に上記のように構成された表面検査装置で鋼板4の表面を検査する時の動作を説明する。一定速度で移動している鋼板4に投光部22から出射されて鋼板4の表面で反射した偏光は3板式偏光リニアアレイカメラ23で受光される。3板式偏光リニアアレイカメラ23に入射した鋼板4の反射光はビームスプリッタ26で分離され検光子27a〜27cを通ってリニアアレイセンサ28a〜28cに入射する。このリニアアレイセンサ28a〜28cで反射光の光強度を検出するときに、リニアアレイセンサ28a〜28cの前面に異なる方位角βの検光子27a〜28cが設けられているから、リニアアレイセンサ28a〜28cは異なる偏光の光強度I1,I2,I3を検出して信号処理部31に送る。信号処理部31の信号前処理部32a〜32cはリニアアレイセンサ28a〜28cから出力された偏光の光強度信号I1,I2,I3の幅方向等の感度むら等を補正するシェーディング補正等を行ってから、例えば図21の疵信号分布図に示すように、正常部の信号が128階調になるように正規化し、正規化した光強度信号I1,I2,I3をそれぞれメモリ33a〜メモリ33cに格納する。図21において、(a)は光強度信号I1の分布を示し、(b)は光強度信号I2の分布、(c)は光強度信号I3の分布を示し、(A)は1ライン目、(B)は2ライン目、(C)は3ライン目の光強度信号の分布を示す。疵パラメータ演算部34はメモリ33a〜33cに格納された光強度信号I1,I2,I3の分布に表れた疵部の各点を正常値である128階調を基準として予め定められた閾値例えば±8階調を越える変化点より、変化点の最初と最後の幅方向アドレスAs1,Ae1を求め、基準値「128」を「0」としたときの最大濃度積算値の極性パターンIppと変化量を示す値パターンVppを算出する。図21(A)に示す例では正規化した光強度信号I1,I2,I3の疵部の幅方向アドレスはA1s1=26、A1e1=31、A2s1=28、A2e1=31、A3s1=24、A3e1=29であるため、光強度信号I1,I2,I3の疵部をまとめてオア処理して、疵部の最初のアドレスAs1=24とし、最後のアドレスAe1=31とする。正常値128階調を「0」としたときの光強度信号I1,I2,I3の積分値I1s1,I2s1,I3s1は(102,50,98)となり、疵ピーク値I1p,I2p,I3pは(22,15,21)となる。図21の(B)に示す次ラインの出力における疵部のアドレスは、A1s2=26、A1e2=31、A2s2=28、A2e2=29、A3s2=25、A3e2=29で、疵部の最初のアドレスAs2=25、最後のアドレスAe2=31となり、光強度信号I1、I2、I3の積分値I1s2,I2s2,I3s2は(71,39,59)となる。疵部のアドレスは前ラインと重なるため同一疵と見なされ、濃度積算値Is1,Is2,Is3は(173,89,157)となり、疵ピーク値I1p,I2p,l3pは(22,17,21)となる。図21の(C)に示す次ラインの出力では前ラインと重なる疵アドレスはないため、疵パラメータ演算部35は疵が終わったものとみなし、1ライン目と2ライン目の結果から疵パラメータ極性パターンIppと変化量を示す値パターンVppを演算する。このとき濃度積算値は全てプラスであるから、極性パターンIppを(+,+,+)として、光強度信号I1を基準に濃度積算値(Is1,Is2,Is3)=(173,89,157)を規格化した値パターンVppは(1.0,0.51,0.91)、最大濃度積算値IsMaxは「173」、疵ピーク値Ipeakは「22」となり、算出した極性パターンIpp=(+,+,+)と値パターンVpp=(1.0,0.51,0.91)をパターン記憶部35に格納する。また、疵パラメータ演算部34は最大濃度積算値IsMax=173と最大疵ピーク値Ipeak=22を光記憶部36に記憶させる。
【0086】
基準パターン記憶部37には疵の程度に応じて複数の疵種に対応する極性パターンと値パターンが実験で定められて、例えば図22に示すように、基準パターンとして格納してある。図22において、疵種A〜疵種Lは例えば有害度が低い疵から有害度が高い疵の順に疵種を示し、疵種A〜疵種Lに対応する極性パターンと値パターンの基準値を示す。また、等級パターン記憶部39には疵種A〜疵種Lに応じて最大濃度積算値と最大疵ピーク値と疵の等級を示す相関をあらかじめ調べて、図23に示すように等級判定基準値が格納してある。疵種判定部38はパターン記憶部35に記憶された極性パターンと値パターン例えば図21に示す例の場合、極性パターンIpp=(+,+,+)と値パターン=(1.0,0.51,0.91)と、図22に示す基準パターン記憶部37に記憶された基準パターンとを比較して疵種を判定する。例えば図21に示す場合には疵種Aと判定する。
【0087】
一方、疵等級判定部40は光量記憶部36に記憶した最大濃度積算値IsMaxと最大疵ピーク値Ipeak及び疵種判定部38で判定した疵種とを等級パターン記憶部39に疵種A〜疵種Lに応じて記憶してある最大濃度積算値とピーク値と比較して疵の等級を判定する。例えば図23に示すように疵種Aで最大濃度積算値IsMax=150、最大疵ピーク値Ipeak=10の場合には疵の等級を「軽」と判定し、最大濃度積算値IsMax=150、最大疵ピーク値Ipeak=20の場合には疵の等級を「中」と判定する。疵種Aで最大濃度積算値IsMax=1200、最大疵ピーク値Ipeak=35の場合には疵の等級を「重」と判定するが、最大疵ピーク値Ipeak=20を越えない場合は、疵の等級を「中」と判定する。最大濃度積算値IsMax=3000であれば最大疵ピーク値Ipeakに関係なく疵の等級を「重」と判定する。疵種Cで最大濃度積算値IsMax=700、最大疵ピーク値Ipeak=15の場合には疵の等級を「軽」と判定する。疵種Cで最大濃度積算値IsMax=400のときは等級判定により有害な疵とは判定されない。このように最大濃度積算値IsMaxと最大疵ピーク値Ipeakと疵種により疵の等級を判定するから、鋼板4の表面に生じた凹凸のない模様状疵だけでなく凹凸状の疵の程度を精度よく判別することができる。疵等級判定部40は疵種判定部38で判定した疵種と判別した疵の等級を出力部41に送る。出力部41は疵等級判定部40から出力される疵種と疵の等級を表示装置や記録装置に出力する。
【0088】
この疵の等級判定を行う疵特徴量として最大濃度積算値IsMaxと各チャンネルにおける濃度積算値Is1,Is2,Is3と濃度積算値の和ΣIjを使用し、等級判定の閾値を最適化したときの等級判定疵数の結果と目視判定疵数の結果を図24に示す。図24に示すように、最大濃度積算値IsMaxを使用したときに目視判定による軽欠陥と中欠陥及び重欠陥で一致した数の合計が最大であり最もよく一致した。また、IsMax,IS1,Is2,Is3及びΣIjのそれぞれの判定に、さらに最大疵ピーク値Ipeakを考慮したときの等級判定疵数の結果と目視判定疵数の結果を図25に示す。図25に示すように最大疵ピーク値Ipeakを考慮することにより、目視判定との一致率は更に向上することが確認できた。
【0089】
また、図26(a)の側面図と(b)の上面図に示す光学系1aを使用しても良い。この光学系1aの受光部61は、レンズの前に検光角βがそれぞれ−45度,45度,0度に設定された検光子62a,62b,62cを有する3台のリニアアレイカメラ63a,63b,63cから構成されている。そして各リニアアレイカメラ63a〜63cの各光軸は互いに平行に維持されている。また、各リニアアレイカメラ63a〜63cの視野のずれは信号処理部31で補正している。信号処理部31は、各リニアアレイカメラ63a〜63cからの信号毎に2値化,疵候補領域抽出,特徴量演算までを行い、各疵候補領域の代表座標を比較することにより、各リニアアレイカメラ63a〜63cの疵候補領域の対応付けを行っている。
【0090】
この実施例においても、前記実施例と同様な結果を得ることができる。また、このように各リニアアレイカメラ63a〜63cの光軸が互いに平行に維持されていると、3台のリニアアレイカメラ63a〜63cの光学条件は全く同一となり、各画素も同一サイズとなる。また、3台のリニアアレイカメラ63a〜63cを配置しているので、ビームスプリッタを用いるのに比べて光量の損失がなくなり、より効率良く測定することができる。また、このような信号処理を行うことにより、各CCD間の画素毎の位置合わせを省略することも可能である。
【0091】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、被検査面に対して一定入射角で偏光を入射し、その反射光の異なる複数の偏光の光強度分布を検出し、検出した強度分布を正規化し、正常部に対する疵部の異なる偏光の光強度信号の変化極性と変化量とを算出し、算出した変化極性と変化量とをそれぞれあらかじめ定めたパターンと比較して疵種を判定するようにしたから、簡単な処理で疵種を迅速に判定することができる。
【0092】
また、各受光光学系から出力された光強度分布から光量変化の積分値及びピーク値の最大値を選択し、選択した最大濃度積算値と最大疵ピーク値及び疵種から疵の等級を判定するから、凹凸のない模様状疵だけでなく凹凸状の疵の程度を簡単な処理で精度良く判別することができる。
【0093】
さらに、簡単な処理で迅速に疵種と疵の等級を判定するから、装置自体の構成を簡略化することができるとともに、高速で移動しているシ−ト状製品の表面にある異常部をオンラインで精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板表面のミクロな凹凸形状を示す説明図である。
【図2】鋼板表面の光学的反射を示す断面模式図である。
【図3】鋼板表面の反射光の角度分布を示す説明図である。
【図4】ヘゲ欠陥を示す説明図である。
【図5】鋼板表面の反射光量の角度分布の違いを示す説明図である。
【図6】法線角度をテンパ部の面積率との関係を示す説明図である。
【図7】微小面素の法線角度を示す説明図である。
【図8】重み関数を示す説明図である。
【図9】線状拡散光源からの光の鋼板表面における反射特性を示す説明図である。
【図10】線状拡散光源からの光の鋼板表面における反射を示す説明図である。
【図11】直線偏光を鋼板表面に入射したときの反射光を示す説明図である。
【図12】直線偏光を鋼板表面に入射したときの反射光を示す他の説明図である。
【図13】微小面素からの反射光の楕円偏光状態を示す説明図である。
【図14】微小面素の法線角度と重み関数の関係を示す説明図である。
【図15】微小面素の法線角度と重み関数の関係を示す他の説明図である。
【図16】鋼板の反射特性を示す説明図である。
【図17】この発明の実施例の光学系を示す配置図である。
【図18】光学系の動作を示す配置説明図である。
【図19】3板式偏光リニアアレイカメラの構成図である。
【図20】信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図21】疵信号を示す光強度分布図である。
【図22】疵種と極性パターンと値パターンの相関を示す基準パターン図である。
【図23】疵種と疵特徴量と等級の相関を示す基準パターン図である。
【図24】最大疵ピーク値を考慮せずに濃度積算値による疵の等級判定疵数の結果を示す比較図である。
【図25】最大疵ピーク値を考慮した疵の等級判定疵数の結果を示す比較図である。
【図26】他の実施例の光学系を示し、(a)は側面図、(b)は上面図である。
【符号の説明】
4 鋼板
21 光学系
22 投光部
23 3板式偏光リニアアレイカメラ
24 光源
25 偏光子
26 ビームスプリッタ
27 検光子
28 リニアアレイセンサ
31 信号処理部
32 前処理部
33 メモリ
24 疵パラメータ演算部
35 パターン記憶部
36 光量記憶部
37 基準パターン記憶部
38 疵種判定部
39 等級パターン記憶部
40 疵等級判定部
41 出力部

Claims (2)

  1. 投光部と受光部と信号処理部とを有し、投光部は被検査面に偏光を入射し、受光部は少なくとも3方向の異なる角度の偏光を受光する複数の受光光学系を有し、被検査面で反射した反射光を検出して画像信号に変換し、信号処理部は各受光光学系から出力された光強度分布を被検査面の地肌正常部の光強度があらかじめ定めた基準値となるように規格化し、光強度変化量から疵を抽出し、疵領域における規格化した複数の光強度の変化極性と閾値を上回る光強度変化量の積分値とをあらかじめ定めたパターンと比較し疵種を判定し、
    各受光光学系から出力された光強度分布から、疵部において閾値を上回る光強度変化量の積分値を各受光光学系毎に算出し、各受光光学系毎に算出された積分値のなかから最大値を選択し、選択した値と判定した疵種により疵の等級を判定することを特徴とする表面検査装置。
  2. 投光部と受光部と信号処理部とを有し、投光部は被検査面に偏光を入射し、受光部は少なくとも3方向の異なる角度の偏光を受光する複数の受光光学系を有し、被検査面で反射した反射光を検出して画像信号に変換し、信号処理部は各受光光学系から出力された光強度分布を被検査面の地肌正常部の光強度があらかじめ定めた基準値となるように規格化し、光強度変化量から疵を抽出し、疵領域における規格化した複数の光強度の変化極性と閾値を上回る光強度変化量の積分値とをあらかじめ定めたパターンと比較し疵種を判定し、
    各受光光学系から出力された光強度分布から、前記光強度変化量の前記基準値を0としたときの光強度変化のピーク値の絶対値と、閾値を上回る光強度変化量の積分値とを各受光光学系毎に算出し、各受光光学系毎に算出されたピーク値と積分値のなかから最大値をそれぞれ選択し、選択した値と判定した疵種により疵の等級を判定することを特徴とする表面検査装置。
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