JP3579404B2 - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関のシリンダ内の燃焼/失火を、混合気の燃焼で生じるイオン量の変化により検知する内燃機関の失火検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関のシリンダ(燃焼室、気筒)内で混合気を燃焼させるとイオンが発生することが一般に知られている。そこで、シリンダ内にバイアス電圧として高電圧を印加したプローブを設置すると、発生したイオンは、そのイオン量に応じたイオン電流として観測することができる。つまり、イオン電流の有無を検出することで全シリンダ内の燃焼/失火を個別に判定することができる。
【0003】
しかし、内燃機関の運転状態によっては、混合気の燃焼により点火プラグの電極間に煤が付着する場合があった。
【0004】
図8は、従来の内燃機関の失火検出装置の動作を示す説明図であり、図9は、特開2001−90647号公報に示された従来の内燃機関の失火検出装置のブロック構成図を示す。
【0005】
例えば、バイアス電圧を100V、煤付着時の点火プラグの絶縁抵抗を5MΩとすると、20μAのリーク電流が流れる。その結果、図8に示すように、点火パルスIBの印加に伴って、リーク電流が所定の時定数で単調減衰しながらイオン電流検出部に流れる。また、点火プラグの放電開始後には、煤による高抵抗とバイアス回路2のコンデンサ成分Cによる時定数CRで徐々に単調減少するリーク電流に、燃焼によるイオン電流が重畳されて流れる。
【0006】
図9において、内燃機関の失火検出装置のバイアス回路2は、シリンダ内の混合気を着火する点火プラグ(図示せず)に対してバイアス電圧を印加し、点火プラグの電極間に発生したリーク電流に重畳されたイオン電流(パルス)を出力する。
【0007】
マスク回路5は、バイアス回路2から出力された固定閾値で波形整形されたイオン電流のパルスを所定時間の間マスクし、イオン電流中のノイズ(点火ノイズ等)をカット(マスク)する(マスク信号を生成する)。
【0008】
マスク解除後のボトム値はボトムホールド値として維持され、ボトムホールド値に基づいて、イオン電流の有無を判定するための閾値が設定される。
【0009】
ボトムホールド波形整形回路20は、マスク時間経過後、バイアス回路2より出力されたイオン電流を入力し、イオン電流のレベルとボトムホールド値に基づいて設定された閾値とを比較する。閾値との比較により、入力したイオン電流のレベルが閾値を超えた時点を「燃焼」と判定し、燃焼パルスを出力する。
【0010】
このように、リーク電流に重畳されたイオン電流は、燃焼パルスに波形整形されて出力される。したがって、リーク電流の大きさに左右されずに爆発気筒内の燃焼を検出することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の内燃機関の失火検出装置は以上のように、例えば、図10のようにリーク電流に重畳するイオン電流が時間とともに単調減少してしまい、図8のt11区間のようなイオン電流の増加区間が無い場合には、ボトムホールド値から燃焼/失火を判定することができないという問題点があった。
【0012】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、リーク電流に重畳するイオン電流が単調減少し、イオン電流の増加区間が無い場合でも、正確に燃焼/失火判定することのできる内燃機関の失火検出装置を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る内燃機関の失火検出装置は、内燃機関の燃焼室内の混合気の燃焼時に発生するイオン電流に応じたイオン電流信号を検出するイオン電流検出手段と、混合気の点火後に、第1の検出間隔毎のイオン電流信号の第1の傾きと、第1の検出間隔よりも長い第2の検出間隔毎のイオン電流信号の第2の傾きとを検出する傾き検出手段と、第1および第2の傾きに基づいて燃焼室内の燃焼または失火を判定する判定手段とを備えたものである。
【0014】
また、この発明に係る内燃機関の失火検出装置の判定手段は、第1の傾きと第2の傾きとの偏差を算出し、偏差と閾値とを比較することにより燃焼室内の燃焼または失火を判定するものである。
【0015】
また、この発明に係る内燃機関の失火検出装置の判定手段は、第1の検出間隔よりも長く、第2の検出間隔よりも短い第3の検出間隔毎に、第1の傾きと第2の傾きとの偏差の和算値と、第3の検出間隔および第2の傾きの乗算値とを算出し、和算値と乗算値との偏差および閾値を比較することにより燃焼室内の燃焼または失火を判定するものである。
【0016】
また、この発明に係る内燃機関の失火検出装置の判定手段は、閾値を設定し、偏差および閾値を比較する閾値手段と、偏差が閾値以上であると連続して判定した回数をカウントする燃焼判定カウント手段と、回数と所定値とを比較することにより燃焼室内の燃焼または失火を判定する燃焼判定出力手段とを備えたものである。
【0017】
また、この発明に係る内燃機関の失火検出装置の傾き検出手段は、混合気の着火後、所定期間の間、イオン電流信号をマスクするマスク手段を備えたものである。
【0018】
また、この発明に係る内燃機関の失火検出装置の傾き検出手段は、イオン電流信号を所定期間だけ取り出すウィンドウ手段を備えたものである。
【0019】
また、この発明に係る内燃機関の失火検出装置の傾き検出手段は、第1および第2の検出間隔の少なくともどちらか一方を燃焼室の燃焼状態を示すパラメータによって設定するものである。
【0020】
また、この発明に係る内燃機関の失火検出装置の傾き検出手段は、第1および第2の検出間隔の少なくともどちらか一方の各検出間隔を、直前の検出間隔に重ねて設定するものである。
【0021】
さらに、この発明に係る内燃機関の失火検出装置の傾き検出手段は、第1および第2の傾きの少なくともどちらか一方を平滑化する平滑化手段を備えたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
【0023】
図1は、この発明の実施の形態1を示すブロック構成図である。なお、図1において、前述(図9参照)と同様のものについては、符号の後に「A」を付して詳述を省略する。
【0024】
図1において、内燃機関の失火検出装置は、点火プラグ20を接続したイングニンションコイル1と、点火プラグ20にバイアス電圧を印可するバイアス電源(バイアス回路)2Aと、燃焼時に発生するイオン電流を検出するイオン電流検出回路3と、失火検出装置の動作を制御するECU14と、燃焼/失火の判定を行うマイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)(MPU)18とを備えており、ECU14とマイクロプロセッサ18とは、インターフェース(I/F)13で接続されている。
【0025】
次に、マイクロプロセッサ18の構成について説明する。マイクロプロセッサ18は、イオン電流に応じたイオン電流信号をA/D変換するA/D変換器4と、イオン電流信号を所定時間の間マスクするマスク手段5Aと、所定間隔毎にイオン電流信号を抽出する抽出手段6と、所定間隔毎にイオン電流信号の傾きを検出する第1のイオン電流信号傾き算出手段7および第2のイオン電流信号傾き算出手段8とにより構成されている。
【0026】
また、検出された傾きを平滑化する平滑化手段9と、平滑化された傾きと比較する閾値を設定する閾値手段10と、閾値との比較結果をカウントする燃焼判定カウント手段11と、カウント数に基づいて燃焼/失火を判定する燃焼判定出力手段12とで構成されている。
【0027】
次に、イオン電流を利用した内燃機関の燃焼/失火検出に関して説明する。
【0028】
内燃機関のシリンダ内にバイアス電圧を印加すると、シリンダ内の混合気の燃焼に伴い発生するイオンおよび電子を電流(イオン電流)として検出できることが知られている。このときシリンダ内にバイアス電圧がかかる瞬間もしくは直後に発生するノイズ、もしくは点火ノイズ、外来ノイズ等を除いて、燃焼が発生していないときには、イオン電流は発生しないか、もしくは単調減少するリーク電流のみが発生するかのいずれかとなる。
【0029】
一方、燃焼が発生しているときには、イオン電流は増加から減少といった一連のサイクルを数回繰り返す。具体的には、燃焼化学変化に伴うサイクル、圧力・温度変化に伴うサイクルが通常燃焼時に発生するサイクルであり、これ以外にも残存ガスに伴うイオン電流の増加サイクルが発生する場合もある。
【0030】
この燃焼時に発生するイオン電流を検出し、検出結果に応じて燃焼/失火を判定する。
【0031】
次に、図1とともに図2〜図5を参照しながら、この発明の実施の形態1による動作について説明する。
【0032】
図2は、この発明の実施の形態1による動作を説明するタイミングチャートであり、図3〜図5は、この発明の実施の形態1による動作を示すフローチャートである。
【0033】
図1において、イグニションコイル内の一次巻線、パワートランジスタは、インターフェース(I/F回路)13を介して、ECU14により通電遮断制御されると、遮断時にイングニションコイル内の二次巻線端に高電圧を発生する。この高電圧が二次巻線端に接続された点火プラグ20へと印加され、点火プラグ20のギャップ間で放電が起こり、シリンダ内の混合気を点火する。
【0034】
また、点火時にはイグニションコイル1の点火エネルギーの一部によりバイアス電源2Aの充電が行われ、イオン電流検出用のバイアス電圧が生成される。このバイアス電圧はイグニションコイル1を介し点火プラグ20へと印加され、混合気の燃焼に伴い発生したイオンの移動によりイオン電流が流れる。イオン電流検出回路3はイオン電流を検出し、電圧変換したイオン電流信号としてマイクロプロセッサ18に出力する。
【0035】
マイクロプロセッサ中のA/D変換器4は、所定のサンプリング時間間隔Tbで、イオン電流信号をアナログデータからデジタルデータへと変換する。
【0036】
マスク手段5Aは、イオン電流信号を所定時間の間マスクし、バイアス電圧印加時に発生するイオン電流信号内のノイズ(図2 T1区間)をカットする。
【0037】
抽出手段6は、マスク時間経過後のイオン電流信号を所定の時間間隔Ta(サンプリング時間間隔Tbより長い時間間隔)毎に区切り(図2 T2区間〜T14区間)、時間間隔Ta単位のデータ群を1集合として抽出する。
【0038】
第1のイオン電流信号傾き算出手段7は、時間間隔Ta間におけるサンプリング時間間隔Tb毎のデータ群において、それぞれ直前のデータとの傾きを算出し、サンプリング時間間隔Tb毎の傾き(データ変化量)b(k)を算出する。
【0039】
また、第2のイオン電流信号傾き算出手段8は、抽出手段6で抽出された時間間隔Ta間のデータ群の中から、時間軸に対して、先頭(図2 f(0))と最後尾(図2 f(Ta))のデータを用いて、時間間隔Ta全体(時間間隔Ta毎)の傾きc(図2 Q2)を算出する。
【0040】
平滑化手段9は、第1のイオン電流信号傾き算出手段7により算出された、時間間隔Tb毎の傾きb(k)に基づいて、先頭のデータ(図2 f(0))からの傾きb(k)の平均値b2(k)を算出し(図2 Q1)、イオン電流信号の細かいノイズによる影響を打ち消す。
【0041】
閾値手段10は、傾きcと、平滑化されたそれぞれの傾きb2(k)との偏差(傾き偏差)d(k)を算出して、所定の閾値と比較する。燃焼判定カウント手段11は、傾き偏差d(k)が閾値以上である状態が連続する場合、その連続数をカウントする。
【0042】
燃焼判定出力手段12は、燃焼判定カウント手段11でのカウント数(連続数)が所定値以上の場合に「燃焼」と判定し、インターフェース13を介して、燃焼パルスをECU14へ送信する。
【0043】
次に、マイクロプロセッサ18の動作について詳細に説明する。
【0044】
図3において、マイクロプロセッサ18は、A/D変換器4でイオン電流信号をサンプリング時間間隔TbでA/D変換して、サンプリングされたデータ(図2 P1)を読み込み(ステップS301)、イオン電流信号をマスクするための検出閾値と比較して、データが検出閾値以上か否かを判定する(ステップS302)。
【0045】
ステップS302において、データが検出閾値以上である場合(すなわち、YES)、マスク手段5Aは、マスク時間をカウントするためのタイマーをスタートさせる(ステップS303)。一方、データが検出閾値より小さい場合(すなわち、NO)、ステップS303をスキップして、ステップS304に進む。
【0046】
次に、マスク手段5Aは、タイマーを参照して、所定のマスク時間(マスク期間)(図2 T1区間)が経過したか否かを判定する(ステップS304)。
【0047】
ステップS304において、マスク時間が経過していない場合(すなわち、NO)、マスク時間が経過するまでの間、読み込んだデータを無視して、メモリ(図示せず)に取り込まない。
【0048】
マスク時間が経過した場合(すなわち、YES)、マイクロプロセッサ18へ取り込まれたサンプリング時間間隔Tb単位のデータを、例えば、a(1)、a(2)、a(3)・・・のように配列されたマイクロプロセッサ内のメモリに順に格納していく(図2 T2以降のイオン電流信号のデータが格納)。
【0049】
なお、メモリへ格納されるデータの時間間隔は、A/D変換器4でのサンプリング時間間隔である時間間隔Tbである。つまり、データが配列a(1)に格納されてから次のデータが配列a(2)に格納されるまでの時間がTbとなる。
【0050】
また、タイマーのスタートからマスク時間が経過するまでにマイクロプロセッサ18へと取り込まれたデータ(図2 T1区間)は、メモリに格納されず無視される。
【0051】
データを格納するメモリ(バッファ)は、2つ備えられており(a1(k)、a2(k))、保存用として一方のメモリにデータを格納しながら、計算用として他方のメモリに既に格納されているデータを対象に判定処理を行っていく。一方のメモリに格納されたデータを対象にした判定処理が終了すると、メモリが切り換えられ、データ保存用としてデータが格納されていたメモリを計算用のメモリとし、計算用として判定処理が行われていたメモリを保存用のメモリとし、この切り換えが繰り返される。
【0052】
このメモリの切り換え用にフラグ(メモリ切り換えフラグ)が用いられており、時間間隔Ta中のデータ群の処理が終了すると、フラグの内容が変更されてメモリの切り換えが行われ、次の時間間隔Taのデータの処理が行われる。
【0053】
データ保存用のメモリは、時間間隔Ta間のデータ群を格納しており、メモリの格納エリアa1には、時間間隔Ta間の先頭のデータをa1(0)、次をa1(1)、・・・、最後のデータをa1(Ta/Tb − 1)というように順に格納されている(計算用のメモリの格納エリアa2も同様)。このように、1つのメモリに格納されるデータ数は、時間間隔Taをサンプリング時間間隔Tbで割った数となる。
【0054】
なお、時間間隔Taおよびサンプリング時間間隔Tbは、時間間隔Taをサンプリング時間間隔Tbで割った数が整数となるように設定される。
【0055】
ステップS305において、メモリ切り換えフラグが「0」であるか否かを判定する。
【0056】
ステップS305において、メモリ切り換えフラグが「0」である場合(すなわち、YES)、図4のステップS306からステップS320までの処理を行う。また、メモリ切り換えフラグが「0」以外である場合(すなわち、NO)、図5のステップS321からステップS335までの処理を行う。
【0057】
次に、ステップS305において、メモリ切り換えフラグが「0」のときの動作について説明する。
【0058】
図4において、データ保存用のメモリa1(k)にデータa(n)が格納され(ステップS306)、時間間隔Taにおけるデータをカウントするためのカウンタkをインクリメントする(ステップS307)。
【0059】
このカウンタkのカウントにより、データ保存用と計算用とのメモリの切り換え周期(時間間隔)Taを検知することができる。
【0060】
次に、傾き計算可能フラグ2が「1」か否かを判定する(ステップS308)。この傾き計算可能フラグ2は、計算用として用いられるメモリa2に時間間隔Ta間のデータ群がすべて格納されていれば「1」に設定され、次のステップからの傾き計算が開始される。例えばマスク時間経過直後のように、時間間隔Ta間の全データが格納されていない場合には「0」に設定されている。
【0061】
ステップS308において、傾き計算可能フラグ2が「1」以外の場合(すなわち、NO)、ステップS309からステップS316までをスキップする。また、傾き計算可能フラグ2が「1」の場合(すなわち、YES)、第1のイオン電流信号傾き算出手段7による傾き計算を行う(ステップS309)。
【0062】
第1のイオン電流信号傾き算出手段7により行われる傾き計算は、計算用のメモリ内のデータに基づいて、現在のデータa2(k)と直前のデータa2(k−1)との傾きb(k)を以下の式(1)により算出する。
【0063】
b(k) = |a2(k) − a2(k−1)|・・・ (1)
【0064】
算出されたb(k)は、マイクロプロセッサ18のサンプリング時間間隔Tbで除算されていないが、イオン電流信号の傾きを示すものとなる。
【0065】
続いて、第2のイオン電流信号傾き算出手段8による傾き計算が行われる。この傾き計算は、以下の式(2)により、時間間隔Ta間の先頭および最後尾のデータを用いて傾きを算出する(ステップS310)。
【0066】
【0067】
続いて、平滑化手段9は、ステップS309にて算出された、時間間隔Taの先頭のデータb(0)から現在のデータb(k)までのデータを用いて、以下の式(3)により、傾きを平滑化させる(ステップS311)。
【0068】
【0069】
平滑化された傾きb2(k)は、イオン電流信号の傾きの傾向を示すものとなる。
【0070】
閾値手段10は、平滑化された傾きb2(k)と時間間隔Taの傾きcとに基づいて、以下の式(4)により傾き偏差d(k)を算出し(ステップS312)、傾き偏差d(k)が閾値以上か否かを判定する(ステップS313)。
【0071】
d(k) = |b2(k) − c|・・・ (4)
【0072】
ステップS313において、算出された傾き偏差d(k)が閾値より小さい場合(すなわち、NO)、傾き偏差d(k)が閾値以上である時にカウントする燃焼カウンタに「0」をセットし、ステップS314からステップS316までをスキップする。また、傾き偏差d(k)が閾値以上の場合(すなわち、YES)、燃焼判定カウント手段11は、燃焼判定カウンタを「1」だけインクリメントする(ステップS314)。
【0073】
燃焼判定出力手段12は、燃焼判定カウンタが所定値以上であるか否かを判定する(ステップS315)。
【0074】
ステップS315において、燃焼判定カウンタが所定値以上の場合には(すなわち、YES)、「燃焼」と判定し、インターフェース13を介して、ECU14に燃焼パルスを送信する(ステップS316)。燃焼判定カウンタが所定値より小さい場合には(すなわち、NO)、「失火」と判定し、ステップS316をスキップする。
【0075】
このように、傾き偏差d(k)が閾値以上であっても、その傾き偏差d(k)が所定時間の間連続しない場合には「燃焼」と判定されない。
【0076】
なお、図2に、この閾値手段10での比較後に燃焼パルスが出力された場合のパルス波形(図2 燃焼パルス(閾値手段後))と、燃焼判定カウント手段11でのカウント結果を判定した後に燃焼パルスが出力された場合のパルス波形とを示す(図2 燃焼パルス(燃焼判定カウント手段後))。
【0077】
ただし、データを保存用のメモリに格納している間、前回格納されたデータ群を対象に判定処理が行われるため、イオン電流信号のデータが入力されてから時間Taだけ傾き計算用のデータ群をメモリに貯めていることになる。したがって、実際の燃焼パルスの送信は、イオン電流信号入力に対して時間Taだけ遅れることになる(図2 燃焼パルス(実際の出力))。
【0078】
続いて、以下の式(5)により、カウンタkが時間間隔Ta間のデータ群をすべてカウントしたか否かを判定する(ステップS317)。
【0079】
k = Ta/Tb・・・ (5)
【0080】
ステップS317において、時間間隔Ta間のすべてのデータ群をカウントしていない場合(すなわち、NO)、ステップS318からステップS320をスキップして、残りのデータの判定処理を行う。
【0081】
一方、ステップS317において、時間間隔Ta間のデータ群をすべてカウントした場合(すなわち、YES)、カウンタkに「0」をセットし(ステップS318)、傾き計算フラグ1に「1」をセットし(ステップS319)、メモリ切り換えフラグに「1」をセットして(ステップS320)、次の時間間隔Taの判定処理を行う。
【0082】
時間Taが経過し、ステップS320においてメモリ切り換えフラグが「1」にセットされると、計算用のメモリがa1、保存用のメモリがa2に切り換えられ、メモリa1に格納されたデータを対象に同様の傾き計算処理が行われ、メモリa2には、データが格納される(図5参照)。つまり、図2のT2区間でメモリ切り換えフラグが「0」であると、次のT3区間では「1」となり、保存用と計算用のメモリを時間間隔Ta単位に切り換え、図4と図5の処理ルーチンが切り換えられる。
【0083】
なお、図5の処理は、図4に対して、保存用と計算用のメモリが異なるだけで処理内容は同様であるため、動作説明は省略する。
【0084】
このように、図10において、イオン電流にリーク電流が含まれ、区間K1において、検出間隔T50で検出された傾きと、検出間隔T50よりも長い検出間隔T51で検出された傾きAとを比較すると、燃焼時には、所定値以上の傾き偏差d(k)が出るため、両者の傾きから算出される偏差により燃焼や失火の判定をすることができる。
【0085】
したがって、リーク電流が発生し、イオン電流が単調減少し、イオン電流の増加区間が無い場合でも、燃焼や失火を検出することができる。
【0086】
また、傾き偏差d(k)と閾値との比較だけで燃焼と判定せずに、傾き偏差d(k)が閾値以上となった時間が所定時間以上となった場合のみ燃焼と判定するので、突発的に発生する細く大きいノイズによる傾きの変動に対する誤動作を防ぐことができる。
【0087】
なお、演算処理にマイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)18を用いたが、デジタルシグナルプロセッサ、もしくはゲートアレイ回路によるロジックICを用いてもよい。
【0088】
なお、時間周期Taを検出するためにカウンタkを使用したが、タイマーを用いて時間経過を認識させてもよい。
【0089】
なお、マスク手段5Aにおいて、イオン電流信号のマスク時間を認識するためにタイマーを用いたが、タイマーの代わりにカウンタを用いて、所定カウント数の経過をもってマスク時間の経過と判定してもよい。
【0090】
また、マスク手段5Aでは、バイアス電圧印加時に発生するノイズをマスクし、このノイズによる誤動作を防いだが、マスク手段5Aの代わりに、イオン電流信号の検出したい区間のみを取り出すウィンドウ手段を用いて、ノイズによる誤動作を防いでもよい。
【0091】
なお、時間間隔Ta、Tbは、内燃機関の気筒内の燃焼状態を示すエンジンの回転数、負荷、気筒内圧、イオン電流信号の振幅、所定時間における傾き偏差の和Σd(k)、Air/Fuelなどを検出し、その燃焼状態に応じた値を設定してもよい。
【0092】
例えば、高回転域では、時間間隔Ta、Tbは低回転域に対して短く設定することにより、燃焼によるイオン電流の変動を確実に捕らえられ、短く間隔を取らないときに対して、精度が良くなる。
【0093】
なお、傾きを算出する間隔は、時間間隔Ta、Tbで等間隔で区間を設定したが、直前の区間に重ねて設定してもよい。
【0094】
例えば、図2のT2区間に対してT3区間をT2区間の中間部から始め、時間間隔を重ねる。したがって、時間間隔TaおよびTbの傾きを算出する回数が増え、傾きの精度が高くなるので、イオン電流信号の変動をより確実に捕らえることができる。
【0095】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、2つの傾きの偏差を算出して燃焼/失火を判定したが、どちらか一方の傾きによって判定してもよい。
【0096】
この発明の実施の形態2を示す構成は、前述(図1参照)と同一であり、詳述を省略する。
【0097】
また、図3の処理も同一であり、詳述を省略する。
【0098】
図6は、この発明の実施の形態2による動作を示すフローチャートである。図6のステップS601〜S606、S608〜S614は、図4のステップS306〜S311、S314〜S320にそれぞれ対応し、詳述を省略する。
【0099】
図6において、第1のイオン電流信号傾き算出手段7により時間間隔Tbで検出されて平滑化された傾きb2(k)および第2のイオン電流信号傾き算出手段8により時間間隔Taで検出された傾きcが、閾値以上の正の傾きであるか否かを判定する(ステップS607)。
【0100】
ステップS607において、傾きb2(k)または傾きcが閾値以上である場合(すなわち、YES)、閾値以上であった傾き用の燃焼判定カウンタを「1」だけインクリメントする(ステップS608)。
【0101】
傾きb2(k)および傾きcの両方が閾値よりも小さい場合(すなわち、NO)、傾きb2(k)および傾きcの燃焼カウンタに「0」をセットし、ステップS608からステップS610までをスキップする。
【0102】
燃焼判定出力手段12は、傾きb2(k)および傾きcの燃焼判定カウンタが所定値以上であるか否かを判定する(ステップS609)。
【0103】
ステップS609において、どちらか一方の燃焼判定カウンタが所定値以上の場合(すなわち、YES)、「燃焼」と判定し、インターフェース13を介して、ECU14に燃焼パルスを送信する(ステップS610)。両方の燃焼判定カウンタが所定値より小さい場合には(すなわち、NO)、「失火」と判定し、ステップS610をスキップする。
【0104】
このように、第1のイオン電流信号傾き算出手段7により時間間隔Tbで検出されて平滑化された傾きb2(k)が閾値以上の正の傾きを所定回数以上連続して持つ場合や、第2のイオン電流信号傾き算出手段8により時間間隔Taで検出された傾きcが、閾値以上の正の傾きを所定回数以上連続して持つ場合に「燃焼」と判定する。
【0105】
なお、検出されたイオン電流信号が負の場合は、逆に閾値以上の負の傾きを持つ場合に「燃焼」と判定することとなる。
【0106】
したがって、リーク電流が発生し、イオン電流が単調減少し、イオン電流の増加区間が無い場合でも、燃焼や失火を検出することができる。
【0107】
なお、ステップS607において、平滑化された傾きb2(k)を用いて判定を行ったが、平滑化前の傾きb(k)を用いてもよい。
【0108】
なお、メモリが切り換わった処理は、図4と図5との関係と同様に、保存用と計算用のメモリが異なるだけで処理内容は同様であり、図6と同様であるので動作説明は省略する。
【0109】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1では、時間間隔Taでの傾きcと時間間隔Tbでの傾きb(k)の偏差を算出して燃焼/失火を判定したが、時間間隔Tc分の傾きb(k)の和算値によって判定してもよい。
【0110】
この発明の実施の形態3を示す構成は、前述(図1参照)と同一であり、詳述を省略する。
【0111】
また、図3の処理も同一であり、詳述を省略する。
【0112】
図7は、この発明の実施の形態3による動作を示すフローチャートである。図7のステップS701〜S706、S711〜S717は、図4のステップS306〜S311、S314〜S320にそれぞれ対応し、詳述を省略する。
【0113】
図7において、平滑化された傾きb2(k)を傾きの和Σb2(k)に加える(ステップS707)。
【0114】
次に、所定の時間間隔Tc(Tb<Tc<Ta)が経過したか否かを判定し(ステップS708)、時間間隔Tcが経過していない場合(すなわち、NO)、ステップS701に戻り、時間間隔Tcが経過するまで、傾きの和Σb2(k)に傾きb2(k)を加えていく。
【0115】
ステップS708において、時間間隔Tcが経過した場合(すなわち、YES)、以下の式(6)により、時間間隔Tcにおける平滑化された傾きb2(k)の和算値と、時間間隔Taの傾きcと時間間隔Tcとの乗算値との偏差の和(傾き偏差の和)Σd(k)を算出する(ステップS709)。
【0116】
Σd(k) = |Σb2(k) − c×Tc|・・・ (6)
【0117】
続いて、算出された傾き偏差の和Σd(k)が閾値以上か否かを判定し(ステップS710)、傾き偏差の和Σd(k)が閾値以上である場合(すなわち、YES)、燃焼判定カウンタを「1」だけインクリメントし(ステップS711)、傾き偏差の和Σd(k)が閾値よりも小さい場合(すなわち、NO)、ステップS711からステップS713をスキップする。
【0118】
次に、燃焼判定カウンタが所定値以上であるか否かを判定し(ステップS712)、所定値以上である場合(すなわち、YES)、「燃焼」と判定し、燃焼パルスを出力する(ステップS713)。また、所定値よりも小さい場合には、「失火」と判定し、ステップS713をスキップする。
【0119】
したがって、リーク電流が発生し、イオン電流が単調減少し、イオン電流の増加区間が無い場合でも、燃焼や失火を検出することができる。
【0120】
なお、メモリが切り換わった処理は、図4と図5との関係と同様に、保存用と計算用のメモリが異なるだけで処理内容は同様であり、図7と同様であるので動作説明は省略する。
【0121】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、内燃機関の燃焼室内の混合気の燃焼時に発生するイオン電流に応じたイオン電流信号を検出するイオン電流検出手段と、混合気の点火後に、第1の検出間隔毎のイオン電流信号の第1の傾きと、第1の検出間隔よりも長い第2の検出間隔毎のイオン電流信号の第2の傾きとを検出する傾き検出手段と、第1および第2の傾きに基づいて燃焼室内の燃焼または失火を判定する判定手段とを備えたので、リーク電流が発生しイオン電流が単調減少し、イオン電流の増加区間が存在しない場合にも燃焼あるいは失火を検出することのできる内燃機関の失火検出装置が得られる効果がある。
【0122】
また、この発明によれば、判定手段は、第1の傾きと第2の傾きとの偏差を算出し、偏差と閾値とを比較することにより燃焼室内の燃焼または失火を判定するので、リーク電流が発生しイオン電流が単調減少し、イオン電流の増加区間が存在しない場合にも燃焼あるいは失火を検出することのできる内燃機関の失火検出装置が得られる効果がある。
【0123】
また、この発明によれば、判定手段は、第1の検出間隔よりも長く、第2の検出間隔よりも短い第3の検出間隔毎に、第1の傾きと第2の傾きとの偏差の和算値と、第3の検出間隔および第2の傾きの乗算値とを算出し、和算値と乗算値との偏差および閾値を比較することにより燃焼室内の燃焼または失火を判定するので、リーク電流が発生しイオン電流が単調減少し、イオン電流の増加区間が存在しない場合にも燃焼あるいは失火を検出することのできる内燃機関の失火検出装置が得られる効果がある。
【0124】
また、この発明によれば、判定手段は、閾値を設定し、偏差および閾値を比較する閾値手段と、偏差が閾値以上であると連続して判定した回数をカウントする燃焼判定カウント手段と、回数と所定値とを比較することにより燃焼室内の燃焼または失火を判定する燃焼判定出力手段とを備えたので、突発的に発生する細く大きいノイズによる傾きの変動に対する誤動作を防ぐことのできる内燃機関の失火検出装置が得られる効果がある。
【0125】
また、この発明によれば、傾き検出手段は、混合気の着火後、所定期間の間、イオン電流信号をマスクするマスク手段を備えたので、バイアス電圧印加時に発生するノイズによる傾きの変動に対する誤動作を防ぐことのできる内燃機関の失火検出装置が得られる効果がある。
【0126】
また、この発明によれば、傾き検出手段は、イオン電流信号を所定期間だけ取り出すウィンドウ手段を備えたので、バイアス電圧印加時に発生するノイズによる傾きの変動に対する誤動作を防ぐことができ、内燃機関の燃焼室内の燃焼状態によって抽出したい範囲のイオン電流信号の傾きを検出することのできる内燃機関の失火検出装置が得られる効果がある。
【0127】
また、この発明によれば、傾き検出手段は、第1および第2の検出間隔の少なくともどちらか一方を燃焼室の燃焼状態を示すパラメータによって設定するので、燃焼状態によって変動するイオン電流信号に対して精度良くイオン電流信号の傾きを検出することのできる内燃機関の失火検出装置が得られる効果がある。
【0128】
また、この発明によれば、傾き検出手段は、第1および第2の検出間隔の少なくともどちらか一方の各検出間隔を、直前の検出間隔に重ねて設定するので、燃焼状態によって変動するイオン電流信号に対して精度良くイオン電流信号の傾きを検出することのできる内燃機関の失火検出装置が得られる効果がある。
【0129】
さらに、この発明によれば、傾き検出手段は、第1および第2の傾きの少なくともどちらか一方を平滑化する平滑化手段を備えたので、ノイズ等の微少変化に影響されることなく燃焼に伴うイオン電流の変化を確実に検出することのできる内燃機関の失火検出装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示すブロック構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1を動作を示すタイミングチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1による動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1による動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1による動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態2による動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3による動作を示すフローチャートである。
【図8】従来の内燃機関の失火検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】従来の内燃機関の失火検出装置を示すブロック構成図である。
【図10】内燃機関の失火検出装置の動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 イグニションコイル、2A バイアス電源、3 イオン電流検出回路、4A/D変換器、5A マスク手段、6 抽出手段、7 第1のイオン電流信号傾き算出手段、8 第2のイオン電流信号傾き算出手段、9 平滑化手段、10閾値手段、11 燃焼判定カウント手段、12 燃焼判定出力手段、13 インターフェース(I/F)、14 ECU、18 マイクロプロセッサ(MPU)。
Claims (9)
- 内燃機関の燃焼室内の混合気の燃焼時に発生するイオン電流に応じたイオン電流信号を検出するイオン電流検出手段と、
前記混合気の点火後に、第1の検出間隔毎のイオン電流信号の第1の傾きと、前記第1の検出間隔よりも長い第2の検出間隔毎のイオン電流信号の第2の傾きとを検出する傾き検出手段と、
前記第1および前記第2の傾きに基づいて前記燃焼室内の燃焼または失火を判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする内燃機関の失火検出装置。 - 前記判定手段は、
前記第1の傾きと前記第2の傾きとの偏差を算出し、前記偏差と閾値とを比較することにより前記燃焼室内の燃焼または失火を判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。 - 前記判定手段は、
前記第1の検出間隔よりも長く、前記第2の検出間隔よりも短い第3の検出間隔毎に、前記第1の傾きと前記第2の傾きとの偏差の和算値と、前記第3の検出間隔および前記第2の傾きの乗算値とを算出し、前記和算値と前記乗算値との偏差と、閾値とを比較することにより前記燃焼室内の燃焼または失火を判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。 - 前記判定手段は、
前記閾値を設定し、前記偏差および前記閾値を比較する閾値手段と、
前記偏差が閾値以上であると連続して判定した回数をカウントする燃焼判定カウント手段と、
前記回数と所定値とを比較することにより前記燃焼室内の燃焼または失火を判定する燃焼判定出力手段と
を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関の失火検出装置。 - 前記傾き検出手段は、
前記混合気の着火後、所定期間の間、前記イオン電流信号をマスクするマスク手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の内燃機関の失火検出装置。 - 前記傾き検出手段は、
前記イオン電流信号を所定期間だけ取り出すウィンドウ手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の内燃機関の失火検出装置。 - 前記傾き検出手段は、
前記第1および前記第2の検出間隔の少なくともどちらか一方を前記燃焼室の燃焼状態を示すパラメータによって設定することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の内燃機関の失火検出装置。 - 前記傾き検出手段は、
前記第1および前記第2の検出間隔の少なくともどちらか一方の各検出間隔を、直前の検出間隔に重ねて設定することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の内燃機関の失火検出装置。 - 前記傾き検出手段は、
前記第1および前記第2の傾きの少なくともどちらか一方を平滑化する平滑化手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の内燃機関の失火検出装置。
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