JP3576814B2 - 電子レンジ調理用容器入り冷凍麺及びその製造方法 - Google Patents

電子レンジ調理用容器入り冷凍麺及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍麺、特に、容器に収容した状態で電子レンジで加熱調理できる冷凍麺と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年の電子レンジの普及に伴って、電子レンジで加熱調理するだけで喫食できる容器入り冷凍麺の市場での流通量が増大している。
【0003】
このような電子レンジでの調理に適した容器入り冷凍麺(以下、単に「電子レンジ調理用冷凍麺」と称する)は、電子レンジが発生するマイクロ波を透過する合成樹脂製容器や紙製容器に、スープ、具材等と一緒に、または、これらを別添として、麺が冷凍・封入されているのが一般的である。 しかし、このような電子レンジ調理用冷凍麺の場合、電子レンジ調理時に生じる加熱ムラ、特に、麺の一部に過剰な加熱(過加熱)現象が生じ、部分的に乾燥や焼けを招き、麺を美味しく食せない場合があった。
【0004】
この点に関して、特開平8−9912号に開示された発明では、α化した麺線に、麺重量の8〜17重量%の水分を付与してこれを凍結し、解凍時の解凍ムラを防止しようとしているが、その効果は十分なものではなかった。 なぜなら、電子レンジ調理に見られるこの過加熱の現象(解凍ムラ)は、被加熱食品の端部、とりわけ、被加熱食品が容器の角部において、先端部形状を構成する場合、その周辺部分に起こりやすく、特開平8−9912号に開示された発明においては、この問題点を解決するには至っていないからである。
【0005】
一方で、この問題点を解決するための手段としては、従来より幾つかの方法が提案されている。 例えば、特公昭59−6789号、特開平10−72068号に開示された発明は、過加熱の起こりやすい麺塊部分が接触する容器部分に、アルミ箔等のマイクロ波を反射する素材を貼付して、この部分でのマイクロ波の透過を遮断することによって、過加熱の発生を防ごうとしている。 しかしながら、これら方法によると、容器に余分な構造を必要とし、またそのために特別な製造工程を設ける必要があり、製造コストが割高になるなどの問題点があった。 加えて、電子レンジでの加熱調理中にアルミ箔等から発生するスパークによって容器が破損したり、場合によっては火災発生につながる等の危険性もあった。
【0006】
さらに、特公平7−79644号に開示された発明によれば、電子レンジでの加熱調理中に麺塊の一部が過加熱にならないように、凍結したスープからなる氷塊で麺塊の上面部と周縁部を覆い、麺に対する過加熱現象の発生を防止しようとしている。 ところが、この方法は、スープに麺が浸っている、いわゆる汁物と呼ばれるタイプのラーメンやうどんに対しては適用できるが、液体スープの少ない焼きそばや、焼きうどん、焼きビーフンあるいはペペロンチーノやたらこスパゲティー等のスパゲティーには適用できない。 さらに、麺とスープを冷凍する際、スープと麺を別工程で凍結する必要があるなど、製造工程上の問題が依然として残されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述してきた従来技術で認識されていた問題点に鑑みて発明されたものであって、その要旨とするところは、その周縁部に角部が設けられ、かつマイクロ波透過性の素材から形成された容器に、少なくとも該容器の底面をほぼ覆うようにα化済み冷凍麺が充填されてなる電子レンジ調理用容器入り冷凍麺であって、該容器の角部付近にあるα化済み冷凍麺の麺線に、(a) 麺用のスープ、麺用のソース、またはこれらの希釈液、もしくは(b)塩、醤油、ソース、味噌の少なくとも1つ以上を含む調味溶液、のいずれかよりなる過加熱防止液が添加された電子レンジ調理用容器入り冷凍麺である。 また、本発明は、電子レンジ調理用容器入り冷凍麺の製造方法、すなわち、(1) 常法によって製造した麺線をα化し、(2) α化した麺線を、その周縁部に角部が設けられ、かつマイクロ波透過性の素材から形成された容器に、少なくとも該容器の底面をほぼ覆うように充填し、(3) 麺線が充填された容器周縁部の角部付近にある麺線に、(a) 麺用のスープ、麺用のソース、またはこれらの希釈液、もしくは(b)塩、醤油、ソース、味噌の少なくとも1つ以上を含む調味溶液のいずれかよりなる過加熱防止液を添加し、および(4) 過加熱防止液を添加した麺線を容器ごと凍結させる工程を含む、電子レンジ調理用容器入り冷凍麺の製造方法をも提供する。 なお、本発明の冷凍麺は、ラーメンや焼きそば等の中華麺、うどんやそば等の和風麺の他、スパゲティー、ビーフン等、麺類全般に広く適用される。
【0008】
一般に、電子レンジ調理用容器入りの冷凍麺の場合、その周縁部に角部を有する容器に麺線を充填すると、角部付近に位置する麺線が容器の角部形状に沿うようにして先端部形状を形成する。 麺線(被加熱食品)によって形成されたこのような先端部形状部分には、電子レンジから発生するマイクロ波が集中し、その結果、該先端部が過剰に加熱(過加熱)されて、乾燥や焦げを起こすことになる。
【0009】
これに対して、本発明の冷凍麺によれば、この先端部に過加熱防止液を添加・含浸することで、マイクロ波の集中により生ずる過加熱を抑制することができ、結果として、麺線の乾燥や焦げを防止できる。 ただし、過加熱防止液として水を用い、これを本発明に従って麺塊の一部にのみ添加すると、麺に色ムラや味ムラが生じてしまうので、これらの不都合を回避するために、過加熱防止液として、麺用のスープ、麺用のソース、またはこれらの希釈液、もしくは塩、醤油、ソース、味噌の少なくとも1つ以上を含む調味溶液を用いる。
【0010】
すなわち、本発明の容器入り冷凍麺は、その先端部(角部)に過加熱防止液を添加してなる極めて単純な構造でありながら、電子レンジで加熱調理する際に麺線に生ずる部分的過加熱の現象を効果的に防止し、喫食時に加熱ムラのない(均等に加熱調理された)美味しい麺を提供できる。
【0011】
本発明は、特にスープの少ないタイプの麺、とりわけ、ソースを絡めて食するタイプの麺に対して有効である。 これはすなわち、スープに麺が浸った、いわゆる汁物と呼ばれる、ラーメン、うどん等では、麺が大量のスープで覆われた状態で凍結でき、このような構造では、電子レンジで加熱調理中にスープが溶けて麺を覆い、麺線表面の乾燥や過加熱を起こすことが少ないのに対し、スープの少ないタイプの麺ではこのような構造が採れず、部分的な過加熱を起こしやすいためである。 このように、本発明の冷凍麺は、スープの少ないタイプの麺(少なくともスープの量より麺重量が多い麺)に適用する上で、特に有効である。
【0012】
また、スープの少ない麺にあっては、麺を凍結する前に麺線を着味した着味麺としておくのが望ましい。 これはすなわち、麺線を着味せずに、例えば、麺用のスープや麺用のソースを麺の上にかけたものや、これらが麺塊上に添付されているような場合には、スープと麺の温度上昇速度の差によって、麺またはスープのいずれか一方が過加熱になって、均一な加熱が難しいことによる。 さらに、予め麺線を着味しておくことで、電子レンジ調理して喫食する際に、麺線が均一に着味されているので味ムラや色ムラが生じず、この観点からしても、麺を凍結する前に麺線を着味しておくのが好ましい。
【0013】
前述してきた、スープが少なく、予め麺線を着味しておくことが特に有効な麺類としは、具体的には、焼きそば、焼きうどん、焼きビーフン等がある。 また、通常は溶液によって着味されるものではないが、スープの少ないタイプのペペロンチーノやたらこスパゲティー等のスパゲティー等にも本発明は有効である。
【0014】
麺線の着味方法としては、好ましくは、α化した麺線を着味液、すなわち、(a) 麺用のスープまたは麺用のソース、あるいは(b) 塩、醤油、ソース、味噌のいずれか1つ以上を含む溶液に浸漬するか、またはこれら着味液を麺線に噴霧して麺線を着味する工程を、麺線をα化する工程の後にさらに導入する。
【0015】
本発明で用いられる、過加熱防止液は、前述した着味液の希釈液を用いれば、例えば、水を用いた場合と比較して、麺線の部分的な退色や麺の味ムラが抑えることができるので好ましい。 好ましくは、使用した着味液を水で5〜20倍に希釈した希釈液を、過加熱防止液として用いる。 なお、過加熱防止液の添加量としては、麺重量の5〜15重量%の量とすることがより好ましい。 これは、過加熱防止液の添加量が5重量%より少なくなると麺の乾燥や焼けが起こり、また、その添加量が15重量%を超えると麺にべたつきが生じることによる。
【0016】
さらに、好ましくは、過加熱防止液を予め凍結させて氷状で用いる。 これはすなわち、氷状の過加熱防止液を麺塊上に添加すると、麺塊の角部周辺部以外への過加熱防止液の流亡が防止できることによる。
【0017】
【発明の実施の態様】
本発明に用いられる冷凍麺を構成する麺線としては、常法によって製麺された麺線をα化して得られた麺線を用いる。 すなわち、「常法」とは、小麦粉、米粉等の穀粉や澱粉に、必要に応じて、かんすいや食塩、麺質改良剤等の副原料を添加し、これらに水を加えて混練して混練物を得、この混練物を圧延して麺帯とした後に切り出すか、もしくは混練物を押し出して麺線とし、そして、得られた麺線を茹でまたは蒸してα化するといった、一連の工程を含む方法である。 製麺後一旦乾燥させた、例えば、乾麺や即席麺のうどん、スパゲティー、中華麺、ビーフン等を茹で戻して、あるいは蒸して使用することもできる。
【0018】
本発明の場合、麺線のα化の方法としては、茹で、蒸し、またはこれらの組み合わせが可能である。 しかし、茹での場合は、麺線表面に水が多く付着して容器内の水分調整が難しいことがあり、また、後工程で麺の着味を行う場合には、着味液の麺への乗り(付着・浸透)が悪くなることが懸念されるので、蒸しによって麺線をα化するのが好ましい。 特に、蒸しによるα化は、量産化を目的とした製造工程ラインの連続化が容易である等、製造工程の省力化が図れる上でも有利である。 なお、茹でてα化した場合は、麺線を簡単に水切りしておくのが好ましい。
【0019】
次に、α化した麺線の容器への充填に先行して、麺を着味液で着味しておくのが好ましい。 すなわち、これは、麺を着味せずに、例えば、ソースを麺の上にかけたり、容器内の麺塊上にソースを添付したような場合には、ソースと麺の温度上昇速度の差によって、麺またはソースのいずれか一方が過加熱になって、均一な加熱が難しくなることによる。 また、麺線を凍結する前に予めこれを着味しておくことで、電子レンジで調理した後、喫食する際に、麺線が均一に着味されているので、味ムラ、色ムラなどが生じないなど、これらの点からしても麺線を凍結する前に予めこれを着味しておくことが好ましい。
【0020】
麺線の着味方法は、麺線を着味液に浸漬するか、着味液を麺線上から噴霧する方法が最も簡単な方法であり、また麺線を均一に着味する上で好ましい。 本明細書で使用する「着味液」の語は、(a) 麺用のスープ、または麺用のソース、もしくは(b) 塩、醤油、ソース、味噌のいずれか1つ以上を含む溶液を指す。 すなわち、麺用のスープ、麺用のソースとしては、焼きそば用ソース、焼きうどん用醤油、ラーメンスープ、うどん用だし、そばつゆ、スパゲティー用のトマトソースやホワイトソース、クリームソース、カレーソース等があり、いずれも使用可能である。 また、スープやシーズニングを別添とし、これによって味を整えるタイプでは、例えば、塩、醤油、ソース、味噌等を含む溶液によって、麺線を着味することもできる。 なお、着味液で着味する以外に、炒めるなどの調理によって着味することも可能である。
【0021】
次に、α化した麺線をそのまま、または、着味済みの麺線として容器に充填する。 容器に充填される麺線は、事前に凍結させたものでも、または凍結していないものでも、いずれでもよい。 凍結した麺線を充填する場合、容器とほぼ同形の底面形状を有するリテーナ等に麺線を入れて成形し、これを凍結させたものを、容器形状にほぼ合致させるようにして移し替える。 一方、凍結させていない麺線を容器に充填する場合、凍結していない麺線をそのまま容器に移して後、容器内でこれを凍結させても良い。 いずれにしても、例えば、図1に例示したように、容器1内に充填された(凍結済/未凍結の)α化済み麺線2は、容器上面から見て、少なくとも容器1底面のほぼ全面を覆うように充填する。 そして、製品形態に応じて、任意に適宜の具材3等を麺線2上に置く。 なお、これら具材3は、小袋等に封入して麺塊上に添付しておくこともできる。
【0022】
容器への麺の充填量は、前述したように容器上面から見て、少なくとも容器底面のほぼ全面を覆うように麺線が充填されておればよく、従って、容器内に形成された麺塊の厚みについては任意の厚みとすることができる。 例えば、容器の中心部付近はマイクロ波の影響が小さく、加熱されにくいので、容器内に形成された麺塊の中心部より周辺部の麺量を多くし、麺塊の中央断面形状を凹状とすることもできる。
【0023】
麺線を充填する容器は、マイクロ波透過性の容器であれば良く、紙製、合成樹脂製等の容器が利用できる。 本発明の容器は、これら素材によって形成され、かつその周縁部に角部を有する容器である。 すなわち、容器断面(平面視)が四角形、六角形等の多角形の容器、あるいは涙型、星形等の角部を有する容器が利用される。 マイクロ波を通さない素材を全面に積層あるいはコーティングしない限り、容器の厚みやその側壁面の積層構造等は任意に選択できる。 なお、加熱効果が小さくなる容器の中心部付近の加熱効果を改善するために、容器底部形状(中央断面視)を凸状とすることもできる。
【0024】
容器内に麺線を充填した後、例えば、図2に例示したように、容器1周縁部の角部付近に位置する麺線2の端部(先端部分)に過加熱防止液4を添加・含浸させる。 過加熱防止液は、液状あるいは氷状のいずれの態様でも適用可能である。
【0025】
過加熱防止液を予め凍結させて氷状(氷塊)にすると、液状で用いる場合と比較して、過加熱防止液が容器周縁部の角部付近から流出しない等の利点がある。
【0026】
本明細書で使用する「過加熱防止液」の語は、前出の着味液またはその希釈液、着味液と異なる組成の麺用のスープ、麺用のソース、またはこれらの希釈液、もしくは、塩、醤油、ソース、味噌のいずれか1つ以上を含む溶液も包含する。 水を過加熱防止液として用いた場合は、添加箇所の麺線が退色したり、味が薄まったりして、色ムラ、味ムラが生じることがあるので、醤油やソースを含む水溶液を用いるのが好ましく、塩分濃度としては、0.1〜2%、好ましくは、0.3〜1%程度がよい。 特に、製造工程上に着味工程を採用する場合、着味液の水希釈液、好ましくは水で5〜20倍程度に薄めた着味液を過加熱防止液として用いるのが好ましい。
【0027】
過加熱防止液の添加量は、製品の種類・タイプや、容器の形状によっても異なるが、充填したα化済麺線重量の、好ましくは、5〜15重量%、より好ましくは、7.5〜10重量%(各角部合計量)の量を添加する。 過加熱防止液の添加方法としては、容器周縁部の角部付近、しかもできるだけ当該角部に近い位置にある麺線に過加熱防止液を添加・含浸するか、あるいは麺線に過加熱防止液が付くように容器の縁から添加する。
【0028】
過加熱防止液を添加した後、麺塊上に具材、濃縮ソース、スープ、調味料等を商品形態に合わせて任意に添加する。 これらは、容器に麺線を充填する前に容器内に添加してもかまわないが、美観上、容器内に形成された麺塊の上に添加するのが好ましい。 具材としては、野菜、肉類、海鮮類、青のり等が適用可能である。 また、濃縮ソースやスープとしては、着味液に関して説明した前出の麺用スープ、ソース以外に、ケチャップ、クリーム、マヨネーズ等も適用可能である。 なお、これらは、未凍結の麺線に添加して麺線と一緒に凍結させても、麺線を凍結した後に、容器内の麺塊上に添加することもできる。
【0029】
次いで、このようにして得られた容器入り麺を、容器ごと凍結処理する。 凍結処理は、麺塊、過加熱防止液、スープ等がこの時点で既に凍結されている場合には、保存のための凍結処理を行うだけでよいが、麺塊、過加熱防止液、スープ等のいずれかが未凍結の場合は、できるだけ急速な凍結処理を行うのが望ましく、例えば、容器に蓋をしない状態で、−40℃で30分等の凍結条件で凍結処理を行う。
【0030】
なお、閉蓋せずに凍結処理することで、凍結処理ははるかに迅速に完了する。
【0031】
そして、容器に蓋または外包装を施して商品として供するが、必ずしも凍結処理後に蓋をする必要はない。 冷凍効率は落ちるが、前述の凍結処理工程の前に容器に蓋や包装を施して、その後、凍結処理を行うこともできる。 外包装や蓋をする時点で、例えば、袋入りのソースやスープ、スパイス等を容器内や外包材内に別添することもできる。
【0032】
本発明で得られた電子レンジ調理用の冷凍麺は、凍結状態で流通し、喫食時には容器ごと、開蓋をせずに、もしくは蓋の一部を開けて、あるいは開蓋して、電子レンジで加熱調理し、そして、喫食する。 蓋をしたまま加熱するか、蓋のごく一部に蒸気孔を開けた程度で電子レンジ調理すれば、加熱効率がより良くなるとともに、内容物(食品)の乾燥等を回避できる利点がある。
【0033】
以下に、本発明をその実施例に沿って説明するが、この実施例の開示に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきでないことは勿論である。
【0034】
【実施例】
実施例1:焼きそば
小麦粉900g、澱粉100gに対し、かんすい5gと食塩15gを溶かした水370mlを加えて混練し、麺生地を作成した。 この麺生地を麺帯機を用いて圧延し、最終麺帯厚1.4mmとし、これを丸刃20番で切り出して麺線を得た。 麺線に熱水シャワーを施しながら7分間蒸してα化した後、食塩濃度6%に調整した焼きそばソース(着味液)に10秒間浸漬し、1食分ずつ麺線をカットした。 カットした麺重量は約200gであった。 カットした麺線群を、底面150mm×115mm、上面160mm×125mm(フランジ部を除く)、深さ38mmの上面視長方形の内面ポリプロピレン積層紙製容器に隙間が生じないように、かつ上面にできるだけ凸凹が生じないように麺線を充填して容器入りの麺を得た。 麺線を容器内に充填してできた麺塊の厚みは約20mmであった。
【0035】
前述の着味液を10倍に希釈した液を過加熱防止液として、これを容器入り麺の容器周縁部の角部付近の容器内側に均等に添加した。 過加熱防止液を添加した後、−40℃の雰囲気下で急速凍結し、蓋をヒートシールして、電子レンジ調理用容器入り冷凍麺とした。
【0036】
これを−18℃で凍結保存し、電子レンジ500Wで、各サンプルの出来上がりに最も適当と思われる加熱時間(単位重量当たりほぼ同じ程度の加熱条件になるような加熱時間)を設定して、蓋をしたまま加熱し、蓋をはがして喫食した。
【0037】
本実施例において、過加熱防止液の添加量(4角合計量)を5〜30gまで5g単位で変更したものと、対照として過加熱防止液を加えないものを作成して比較した。 電子レンジの加熱時間は、過加熱防止液を加えないもので約4分30秒、過加熱防止液(30g)を加えたもので5分10秒であった。 出来上がった各焼きそばを、5人のパネラーが試食して評価した。 その結果を、以下の表1にまとめた。
【0038】
【表1】
Figure 0003576814
【0039】
表1の結果から明らかなように、過加熱防止液を添加したサンプルにおいて良好な食味が認められており、過加熱防止液の添加量としては、麺重量の5〜15重量%程度が適切であることが判明した。
【0040】
実施例2:焼きそば
実施例1の方法において、過加熱防止液を液体で添加せず、凍結させて氷塊として添加した以外は、実施例1と全く同様にサンプルを作成した。 その結果、前出の表1に記載のものと全く同じ評価結果が得られ、過加熱防止液の添加方法が液体、氷状のいずれでも実用性があることが確かめられた。
【0041】
実施例3:焼きそば
実施例1の方法において、過加熱防止液の好ましい濃度について検討するため、着味液を水で、5倍、10倍、20倍に希釈して得た希釈液と、希釈しないもの(着味液原液)を過加熱防止液とし、さらに対照として水を過加熱防止液としたものについて比較した。 その結果を、以下の表2に示した。 なお、過加熱防止液の添加量は4角合計量で20g(麺重量の10重量%)、加熱時間は4分50秒であった。
【0042】
【表2】
Figure 0003576814
【0043】
表2の結果から、着味液の5倍〜20倍の希釈液が、一般的に好ましいことが判明した。 しかし、この結果は、着味液の濃さによっても左右されるものであり、着味液が薄い場合には、着味液の原液でも使用可能と考えられる。
【0044】
実施例4:焼きそば
小麦粉900g、澱粉100gに対し、かんすい5gと食塩15gを溶かした水370mlを加えて混練し、麺生地を作成した。 この麺生地を麺帯機を用いて圧延し、最終麺帯厚1.4mmとし、これを丸刃20番で切り出して麺線を得た。 麺線に熱水シャワーを施しながら7分間蒸してα化した後、食塩濃度6%に調整した焼きそばソースの着味液に10秒間浸漬し、1食分ずつ麺線をカットした。 カットした麺重量は、約200gであった。 カットした麺線群を、底面150mm×115mm、上面160mm×125mm(フランジ部を除く)、深さ38mmの上面視長方形の内面ポリプロピレン積層紙製容器に、隙間が生じないように、かつ上面にできるだけ凸凹が生じないように充填した。
【0045】
麺線を容器に充填して形成された麺塊の厚みは約20mmであった。
【0046】
前述の着味液を水で10倍に希釈した液を過加熱防止液とし、これを容器周縁部の各角部付近容器内側に均等に計20ml添加した。 次いで、やきそばソースとマヨネーズを混合して得た仕上げソース12gとラードを主成分とする調味オイル3g、さらに、炒めたキャベツ、人参、豚肉の合計35gを麺塊上に添加し、青のり0.1gをふりかけた。 そして、−40℃の雰囲気下で急速凍結し、40分後に蓋をヒートシールして−18℃で凍結保存し、本発明の電子レンジ調理用容器入り冷凍焼きソバとした。
【0047】
本製品を、電子レンジ500Wで、5分30秒間加熱した後、蓋をはがして喫食したところ、美味しい焼きそばであった。
【0048】
実施例5:焼きうどん
小麦粉800g、澱粉200gに対し、食塩40gを溶かした水400mlを加えて混練し、麺生地を作成した。 この麺生地を麺帯機を用いて圧延し、最終麺帯厚2.0mmとし、これを角刃10番で切り出して麺線を得た。 麺線に熱水シャワーを施しながら7分間蒸してα化した後、食塩濃度7%に調整した焼きうどんソースの着味液に10秒間浸漬し、1食分ずつ麺線をカットした。 カットした麺重量は、220gであった。 カットした麺線群を、底面150mm×115mm、上面160mm×125mm(フランジ部を除く)、深さ38mmの上面視長方形の内面ポリプロピレン積層紙製容器に、隙間が生じないように、かつ上面にできるだけ凸凹が生じないように充填した。 麺線を容器に充填して形成された麺塊の厚みは約20mmであった。
【0049】
前述の着味液を水で10倍に希釈した液を過加熱防止液とし、これを容器周縁部の各角部付近容器内側に均等に計30ml添加した。 次いで、オイル3gを麺塊の上面から噴霧し、そして、炒めたキャベツ、人参の合計30gを麺塊上に添加し、さらに、ウースターソースと醤油を混合して得た仕上げソース12gを麺塊上に添加し、最後に、鰹の削り節1.5gをふりかけた。 そして、−40℃の雰囲気下で急速凍結し、40分後に蓋をヒートシールして−18℃で凍結保存し、本発明の電子レンジ調理用容器入り冷凍焼きうどんとした。
【0050】
本製品を、電子レンジ500Wで、5分30秒間加熱した後、蓋をはがして喫食したところ、美味しい焼きうどんであった。
【0051】
【発明の効果】
このように、本発明の電子レンジ調理用容器入り冷凍麺によれば、電子レンジ加熱調理時に発生する麺線の部分的な乾燥や焼けが解消されるので、従来品に比べて食味、食感のよい麺が得られる。 また、本発明の容器入り冷凍麺は、前述の電子レンジ加熱調理時に発生する過加熱に対して、極めて単純な構造で対応できるものであるから、製造装置、製造工程も簡単で、商品を安価に提供することができる。
【0052】
特に、製品形態が、スープ量の少ない麺の場合、添加するスープの量が少ないため、凍結時に麺の周りをスープで覆うような構造とすることができず、従って、電子レンジでの加熱調理時に過加熱の現象が起こりやすかったが、これらの問題も本発明によって解決できる。 また、麺を凍結前に着味しておくことで、容器内にスープを別添した場合に起こる、スープと麺の加熱速度の差による部分的過加熱の問題点が解消されるだけでなく、ソースやスープを麺に均一に絡めることができ、喫食時に味ムラ、色ムラ等を生じない。 焼きそば、焼きうどん、焼きビーフン等において、このような効果は特に顕著に発現される。
【0053】
また、本発明の製造方法によれば、これら諸効果を奏する電子レンジ調理用容器付き冷凍麺が容易に製造できる。 特に、過加熱防止液の量を、麺重量の5〜15重量%とすることで、好ましい食味、食感を呈し、見映えの良い冷凍麺が得られる。
【0054】
さらに、麺線を凍結する前に麺線を着味する場合、その着味液を希釈したもの(希釈液)を過加熱防止液として用いることで、水を過加熱防止液として用いた場合よりも、麺の退色や味の低下が有意に抑制できるなどの効果も奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子レンジ調理用容器入り冷凍麺の一実施例を示す一部を切り欠いた斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【符号の説明】
1……容器
2……麺線(麺塊)
3……具材
4……過加熱防止液

Claims (9)

  1. その周縁部に角部が設けられ、かつマイクロ波透過性の素材から形成された容器にα化済み冷凍麺が充填されてなる電子レンジ調理用容器入り冷凍麺であって、
    前記α化済み冷凍麺が、少なくとも前記容器の底面をほぼ覆うように前記容器に充填されており、
    前記容器の角部付近にある前記α化済み冷凍麺の麺線に、過加熱防止液が添加されており、および
    前記過加熱防止液が、(a) 麺用のスープ、麺用のソース、またはこれらの希釈液、および(b)塩、醤油、ソース、味噌の少なくとも1つ以上を含む調味溶液からなるグループから選択される、
    ことを特徴とする電子レンジ調理用容器入り冷凍麺。
  2. 前記α化済み冷凍麺が、凍結する前に着味して得られた麺である請求項1に記載の電子レンジ調理用容器入り冷凍麺。
  3. 前記α化済み冷凍麺が、焼きそば、焼きうどん、もしくは、焼きビーフンのいずれかの形態の麺である請求項1または2に記載の電子レンジ調理用容器入り冷凍麺。
  4. 電子レンジ調理用容器入り冷凍麺の製造方法であって、以下の工程、すなわち、
    (1) 常法によって製造した麺線をα化し、
    (2) その周縁部に角部が設けられ、かつマイクロ波透過性の素材から形成された容器に、前記α化した麺線を、少なくとも前記容器の底面をほぼ覆うように容器に充填し、
    (3) 前記α化した麺線が充填された容器周縁部の角部付近にあるα化した麺線に過加熱防止液を添加し、および
    (4) 前記過加熱防止液を添加した麺を容器ごと凍結させる、工程を含み、
    前記過加熱防止液が、(a) 麺用のスープ、麺用のソース、またはこれらの希釈液、および(b)塩、醤油、ソース、味噌の少なくとも1つ以上を含む調味溶液からなるグループから選択される、ことを特徴とする電子レンジ調理用容器入り冷凍麺の製造方法。
  5. 前記工程(1)が、前記α化した麺線を着味液に浸漬するか、または着味液を麺線に噴霧することによって、麺線を着味する工程をさらに含む請求項4に記載の電子レンジ調理用容器入り冷凍麺の製造方法。
  6. 前記着味液が、(a) 麺用のスープまたは麺用のソース、もしくは、(b)塩、醤油、ソース、味噌の少なくとも1つを含む調味溶液からなるグループから選択される請求項5に記載の電子レンジ調理用容器入り冷凍麺の製造方法。
  7. 前記過加熱防止液が、麺を着味するための着味液の希釈液である請求項4乃至6のいずれかに記載の電子レンジ調理用容器入り冷凍麺の製造方法。
  8. 前記過加熱防止液の添加量が、前記α化した麺線の5〜15重量%の量である請求項4乃至7のいずれかに記載の電子レンジ調理用容器入り冷凍麺の製造方法。
  9. 前記工程(3)において、前記過加熱防止液が氷状で添加される請求項4乃至8のいずれかに記載の電子レンジ調理用容器入り冷凍麺の製造方法。
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