JP3567702B2 - 立体構造状ネット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種以上の多角形のネット目空間を持つ立体構造状ネットに関し、特に法面等の保全および緑化安定のための植生用ネット、造成地等の集排水用ネットや保護ネット、岩肌の保護ネット、建築用の安全ネット、断熱材用ネット、スポーツ用や医療用ネット等の各種のネットとして、またクッションやマットの芯材、各種成形物の補強用芯材等の工業用材料として、また衣料品用スペーサーやその他の各種の用途に広く好適に使用できる立体構造状ネットに関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来より、例えば法面の保全および緑化安定を目的とする植生工法においては、金網や合成樹脂材よりなるネットを用い、このネットを法面に張設して土砂の崩落を防止した上で種子や客土等の植生材料を吹き付けて保持させることが行なわれている。
【0003】
この植生工法において、前記の植生材料が風雨によって容易に流失、飛散したり、土砂とともに滑落したのでは、植物が完全に着生されず、緑化目的を達成できないことになる。
【0004】
そのため、近年、植生用ネットとして、ネット目を画成する紐部を壁状等の立体構造に構成することが考えられている(例えば、特開平3−183820号公報)。かかる立体構造の従来のネットは、ネット目の形状が4角形や6角形などの単一の多角形をなすものが一般的であり、通常は製造されたネットを張設使用した場合、ネット目の形状が菱形や6角形になることが多い。
【0005】
そのため、ネット目の径(差し渡し)を大きくすれはするほど、土砂の崩落防止の効果が小さくなる上、経編特有の方向性もあり、ネット全体の寸法安定性が悪く、また壁状等の立体構造の紐部も不安定になって倒れ易くなる。さらに又ネット目の形状が変形し易くなる。それゆえ、植生用ネットとして法面等に張設使用する場合に、安定性が悪くて紐部の倒れや伸びの原因になる上、施工作業性も悪く、コスト高なものとなっている。
【0006】
すなわち、壁状等の立体状をなす紐部の保形性に問題があって、曲りや倒れ等の変形が生じたり、ネット目が過度に広がったり、変形したり、またネットの浮き上がりが生じたりして、土砂の崩落防止や植生材料保持効果に問題が生じることになる。
【0007】
一方、ネット目をあまり小さくしたのでは、植生材料の吹き付け時にネット目の中に入り難くなったり、植物の着生や育成をかえって阻害する上、使用糸量が増し、ネット自体が重くて取扱い難く、またコスト高なものとなる。
【0008】
またダブルラッシェル機等の経編機で、表裏の網状の素地と両素地を連結する連結糸とにより編成した立体構造のネットの場合、構成糸として比較的柔らかく伸びのあるモノフィラメント糸を使用するのが一般的であるが、この場合、立体構造の安定性が悪く、また倒れ等に弱くなる。したがって、植生用ネットあるいはスペーサーやクッション材等の用途によっては、比較的硬くて形状安定性のあるものが要求される。
【0009】
例えば、植生用ネットにおいては、立体形状を保持する連結糸としては、比較的硬く保形力のあるものが要求される。また張設施工上はネット全体がやや硬い程度で保形力のあるほうがよく、ネット全体をあまり硬くするのは好ましくない。また編成技術上からも不利となる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、異なった形状のネット目を組合せることによって、立体構造およびネット形状の保形性および寸法安定性がよくて強く、立体状紐部の倒れが生じるのを防止できて、立体構造としたことによる特性を良好に保持でき、しかも軽量で取扱い易くて、張設施工も容易で、植生用ネットその他の各種用途に好適に使用できる立体構造状ネットを提供するものであり、特に法面等の植生用ネットや保護ネットとして使用した場合に、土砂の崩落防止や植生材料の流出および飛散防止効果に優れるネットを提供するものである。
【0011】
また本発明の他の目的は、前記の立体構造状のネットを法面等の植生工法に利用する場合において、寸法安定性を増すロープ、細紐、金属線材あるいは肥料袋や植生基材袋等の長尺体を容易に挿入できるようにした立体構造状ネットを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記の課題を解決する本発明は、経編編成により形成され、網状をなす表裏の素地と、これら両素地を所要の間隔を存して連結する連結糸とよりなり、ネット目空間を画成する紐部が立体状をなす立体構造状ネットであって、立体状の紐部は、表裏の素地において網目を形成する各紐条部が編方向に連続する1もしくは複数ウエールの編目列により構成されるとともに、表裏の対応する紐条部の間にそれぞれ連結糸が掛け渡されて立体状をなし、この立体状紐部の表裏の紐条部がそれぞれ編方向の所要間隔毎に表裏対応個所で左右に隣接する紐条部と交互に結節されて、表裏に開口するネット目空間が形成されるとともに、編方向に1もしくは複数の結節部毎に結節長さが変化せしめられて、表裏で対応して編方向の結節長さの長い結節部と短い結節部とが交互に形成されるように編成され、平面よりみて前記長い結節部が幅方向に対向する両辺をなす略6角形のネット目空間とこれより小さい略4角形のネット目空間とがそれぞれ幅方向に並列して編方向に交互に形成されてなり、幅方向に引張し拡幅することにより、前記小さい略4角形のネット目空間が扁平化し、この扁平化したネット目空間の前後の立体状紐部が幅方向に直線状に並列して連続することを特徴とする。
【0013】
一般に、経編編成による立体構造状ネットは、編成方向に一定の方向性を有し、これを通常のセット加工等で広げても前記の方向性が残ることになるが、前記のように結節長さを変化させて2種以上の異なった多角形のネット目空間を形成した本発明の立体構造状ネットによれば、展張し熱セットした状態においてその方向性を経緯の異なった角度方向に良好に分散できて、その方向性を小さくすることができ、張設使用状態での立体構造やネット目の形状等の保形性が良好に保持される。
【0015】
その上、前記形態の立体構造状ネットは、これを幅方向に引張って拡幅し展張すると、例えば略4角形のネット目空間の部分が扁平化してその前後の立体状紐部が幅方向に直線状に並んで連続するように変形するとともに、略6角形のネット目空間の部分が略4角形に変形し、それ以上の拡張が規制される。
【0016】
したがって、法面等の植生工法に使用する場合において、前記の拡幅展張状態でネット編方向を横方向にして張設使用することにより、幅方向に直線状に並んだ紐部が法面等の傾斜方向になって、傾斜方向の変形が規制されることになり、ネット全体としての保形性がよく、紐部の立体構造およびネット目形状がきわめて安定良好に保持され、種子、肥料、客土等の植生材料を確実に保持することができる。
【0017】
請求項2の発明は、前記同様に経編編成により形成された立体構造状ネットであって、立体状の紐部は、表裏の素地において網目を形成する各紐条部が編方向に連続する1もしくは複数ウエールの編目列により構成されるとともに、表裏の対応する紐条部の間にそれぞれ連結糸が掛け渡されて立体状をなし、この立体状紐部の表裏の紐条部がそれぞれ編方向の所要間隔毎に表裏対応個所で左右に隣接する紐条部と交互に結節されて、表裏に開口するネット目空間が形成されるとともに、各紐条部の編方向の所要間隔毎に結節部間の長さが変化せしめられて、表裏で対応して前記結節部間の部分の1もしくは複数部分毎に長辺部分と短辺部分とが交互に形成されるように編成され、辺の長さが異なる少なくとも大小2種の多角形をなすネット目空間が交互に形成されてなり、幅方向に引張し拡幅することにより、前記小さいネット目空間が扁平化して、この扁平化したネット目空間の前後の立体状紐部が幅方向に直線状に並列して連続することを特徴とする。
【0018】
この立体構造状ネットにおいても、熱セットした状態においてその方向性を経緯の異なった角度方向に良好に分散でき、その方向性が小さくなり、張設使用状態における立体構造の保形性、安定性が良好に保持される。
【0020】
その上、この立体構造状ネットの場合においても、これを幅方向に引張って展張すると、結節部間の短辺部分により画される小さいネット目空間が扁平化してその前後の立体状紐部が幅方向の直線状に並んで連続するように変形するとともに、残余のネット目空間は略3角形もしくは略四角形のままに保持されて、それ以上の拡張が規制される。
【0021】
それゆえ、このネットの場合も、法面等の植生工法に使用する場合において、前記拡幅展張状態でネット編方向を横方向にして張設使用することにより、傾斜方向に対する伸びが規制されて、保形性がよく、張設されたネット全体の立体構造およびネット目形状が安定し、植生材料を確実に保持することができる。
【0022】
前記の結節部間の長さを変化させる場合において、請求項3のように、編方向に1もしくは複数の結節部毎に結節長さをも同時に変化させて編成することにより、2種以上の異なった多角形をなすネット目空間を形成することもでき、この場合も、張設使用状態における立体構造の保形性、安定性が良好になる。
【0023】
前記各発明のいずれの立体構造状ネットの場合にも、請求項4のように、表裏一方側の所要の結節部の結節長さを、これと対応する他方側の結節部とは異にし、表裏一方の素地の網目を他方の網目とは形状や大きさの異なったネットにすることができる。
【0024】
この場合、張設状態においては、表裏の紐条部を連結する連結糸が表裏の結節長さの異なる部分で経緯両方向(前後左右)に傾斜することとなり、これによって立体状紐部の倒れを抑制できるとともに、ネット特有の方向性を減衰でき、立体構造およびネット目形状をさらに良好に保持できる。
【0025】
また前記各立体構造状ネットにおいて、請求項5のように、表裏の素地の少なくとも一方において、ネット目空間を画成する連結糸を含む立体状紐部より小さい網目を形成するように連結糸を有さない紐条部が設けられてなるものとすることができる。
【0026】
この場合、立体的なネット目空間を画成する立体状の紐部の変形等を、ネット目空間の内方で小さい網目を形成する表裏少なくと一方の連結糸を有さない紐条部により規制でき、立体状態およびネット目空間の保形をさらに良好になし、ネット目空間が過度に広がることがなくなり、また法面等に張設したネットの浮き上がりも防止できる。
【0027】
請求項6の発明は、上記の各発明の立体構造状ネットにおいて、表裏の素地間の連結糸が、立体状の紐部における編方向の任意の個所において、表裏で相対するウエールより少なくとも1ウエール以上左右に移行して斜めに掛け渡されており、この斜めの掛け渡し部分が略X状に交叉していることを特徴とする。これにより立体状紐部の保形力が増し、立体構造およびネット目形状がさらに良好に保持される。
【0028】
請求項7の発明は、上記の各発明の立体構造状ネットにおいて、幅方向の任意の位置の立体状紐部同士の結節部分に、編方向に略直線状をなす長尺状物がネット目空間を貫通するように経挿入されてなるものである。この場合、経挿入された長尺状物によって引張強度を高め、経方向の伸びや歪み等の変形を規制でき、ネット全体の保形性がさらに良好になり、また張設施工時の寸法決めにも有効に利用でき、さらに施工作業も容易に行なえる。
【0029】
請求項8の発明は、上記の各発明の立体構造状ネットにおいて、連結糸を抜いて編成されることにより、幅方向の任意の個所のネット目空間を構成する立体状紐部に、表裏の紐条部間に連結糸のない空間部分が形成され、展張状態において前記空間部分が編方向に連通状態をなすように設けられてなることを特徴とするものである。
【0030】
この立体構造状ネットによると、これを展張した状態において、立体状紐部の中の連結糸のない空間部分が編方向に連通した立体的な空間となるので、この空間部分に、張設のための紐状物や線状材、接着や縫合用テープあるいは棒状体等の長尺体を挿入することが容易に可能になる。
【0031】
また、上記の各発明の立体構造状ネットにおいて、請求項9のように、ネット目空間を構成する立体状紐部の編方向の任意の位置に、表裏の紐条部間に連結糸のない空間部分が形成され、ネット展張状態において前記各立体状紐部の空間部分が幅方向に連通状態をなすように設けられてなるものとすることもできる。
【0032】
この場合も、前記と同様に、幅方向に連通する空間部分に、張設のための紐状物や線状材あるいは棒状体等の長尺体を挿入することが容易に可能になる。また、前記の編方向に連通した空間部分と幅方向に連通する空間部分とを、同時に形成しておくことも可能であり、この場合は、前記長尺体を双方にクロス状に挿入することができる。
【0033】
例えば、前記連結糸を有さない空間部分に、不織布、綿、ポリウレタン、各種パイプ類、多孔質のエアパイプ、クッション材、繊維糸条、テープ、ロープ、線状や棒状および板状あるいはH、C、L形等の長尺形材その他の金属資材、電気または熱伝動体、通水性ネット、肥料袋、植生基材袋、保水材、吸出防止材、抗菌資材、断熱材、防音材、防塵材、防電磁波材、防放射線材、シード帯、シード袋等の長尺体を挿入することができる。これにより、用途に応じた機能を持った複合資材として好適に使用できる。
【0034】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
【0035】
図1は、主として熱セットにより適度に剛性および弾性を付与できる合成繊維糸条により経編編成された本発明に係る立体構造状ネット(A)の1実施例の一部の略示平面図、図2は同略示斜視図平面図、図3は同上の一部の拡大斜視図、図4は同上の編組織図を例示している。
【0036】
図1および図2において、(1)(2)はそれぞれ表裏の網状をなす素地を示し、(3)は表裏の素地(1)(2)において網目を形成する各紐条部(11)(21)間に掛け渡された連結糸を示し、これら表裏の紐条部(11)(21)と連結糸(3)の掛け渡し部分によりネット目空間(S)を画成する紐部(4)が実質的に通気および通水可能な空隙を有する立体状に形成されている。
【0037】
前記の表裏の素地(1)(2)の紐条部(11)(21)は、それぞれ鎖編糸と鎖編ウエールに対し横振り挿入される挿入糸とによる1もしくは複数ウエール(図の場合は2ウエール)の編目列よりなり、この紐条部(11)(21)が左右に隣接する紐条部(11)(21)と表裏素地(1)(2)における網目に相当する所要間隔毎に表裏略対応個所で交互に結節されて実質的に略ジグザグ状をなして編方向に連続しており、これにより表裏の網目、つまりはネット目空間(S)が略4角形や略6角形等の多角形をなして表裏に開口している。(13)および(23)は紐条部(11)(11)同士および紐条部(21)(21)同士の結節部を示している。
【0038】
特に本発明では、編方向に1もしくは複数の結節部(13)および(23)毎に結節長さ、つまり結節されるコース数を変化させて編成されることにより、前記ネット目空間(S)が2種以上の異なった多角形をなすように形成されている。
【0039】
その1例として、図示する実施例では、表裏の素地(1)(2)における各紐条部(11)(21)の各結節部(13)(23)毎に、それぞれ表裏で対応して編方向の結節長さの長い結節部(13a)(23a)と結節長さの短い結節部(13b)(23b)とが交互に形成されて、平面よりみて略6角形のネット目空間(S1 )とこれより小さい略4角形のネット目空間(S2 )とが編方向に交互に互い違いに並列するように形成されている。前記の結節長さの短い結節部(13b)(23b)を編方向に若干の長さを持たせることにより、前記略4角形のネット目空間(S2 )を小さい略6角形とすることも可能である。
【0040】
前記の立体構造状ネット(A)は、2列の針床を有するダブルラッシェル機により経編編成されるもので、その編成の具体例を図4に基いて説明する。
【0041】
ダブルラッシェル機のフロント側においては、それぞれ鎖編糸を2本づつ交互に導糸する2種の鎖編筬(L2 )および(L3 )と、挿入糸を2ウエール毎に導糸する挿入糸筬(L1 )とにより、鎖編筬(L2 )および(L3 )による鎖編ウエールに対してそれぞれ挿入糸を横振り挿入しながら、2ウエールに渡る編目列により表側の網状の素地(1)の紐条部(11)をそれぞれ編成する。そして結節部に相当するコース位置において、前記鎖編筬(L2 )(L3 )の鎖編糸をそれぞれ左右交互に2ウエール分横に相互に移行させて編目形成することにより、左右に隣接する紐条部(11)と交互に結節するとともに、各紐条部(11)の左右の一方に隣接する紐条部との結節部(13b)では、編方向の結節長さが短かく、例えば1〜数コース(図4では3コース)で結節し、また次の結節部すなわち左右の他方の紐条部との結節部(13a)では、編方向の結節長さが長く、例えば10〜数100の略6角形のネット目空間(S1 )の辺の長さに相当するコースにわたって結節する編成を繰返す。
【0042】
また、バック側においても、フロント側と同様に、それぞれ鎖編糸を2本づつ交互に導糸する2種の鎖編筬(L6 )および(L7 )と、挿入糸を2ウエール毎に導糸する挿入糸筬(L8 )とにより、鎖編筬(L6 )(L7 )による鎖編ウエールに対してそれぞれ挿入糸を横振り挿入しながら、2ウエールに渡る編目列により裏側の網状をなす素地(2)の紐条部(21)をそれぞれ編成することとし、そしてフロント側と対応する結節部に相当するコース位置において、前記鎖編筬(L6 )(L7 )の鎖編糸をそれぞれ左右交互に2ウエール分横に相互に移行させて編目形成することにより、左右に隣接する紐条部(21)と交互に結節するとともに、各紐条部(21)の左右の一方に隣接する紐条部との結節部(23b)では、編方向の結節長さが短かく、例えば1もしくは数コースで結節し、また左右の他方の紐条部との結節部(23a)では、編方向の結節長さが長く、例えば10〜数100コースにわたって結節する編成を繰返す。
【0043】
また連結糸(3)については、それぞれ連結糸(3)を2本ずつ交互に導糸する2種の連結糸筬(L4 )および(L5 )を用い、表裏の素地(1)(2)の紐条部(11)(21)を構成するそれぞれ2ウエールの編目列に交互に掛け渡して編目形成することにより、両素地(1)(2)を連結糸(3)で連結編成するとともに、上記した鎖編筬(L2 )(L3 )および(L6 )(L7 )の移行による表裏の紐条部同士の結節部(13)および(23)に合せて2ウエール分横に移行させて編成し、図のような立体状の紐部(4)を構成する。
【0044】
前記のようにして、編方向の結節長さの長い結節部(13a)(23a)と、結節長さの短い結節部(13b)(23b)とを交互に配して編成することにより、この編成後に適当に展張して熱セットすれば、使用糸に適度に保形力が付与されて、図1および図2のように、通常の展張状態において、前記の長い結節部(13a)が多角形の相対向する2つの辺を構成する平面略6角形のネット目空間(S1 )と、前記の短い結節部(13b)(23b)が多角形の角部となる平面略4角形のネット目空間(S2 )とが交互に互い違いに並列した形態の立体構造状ネット(A)が得られる。
【0045】
この立体構造状ネット(A)は、結節長さの変化により2種の異なった多角形のネット目空間(S1 )(S2 )を有するため、経編編成によるネットの方向性が経緯の異なった角度方向に分散でき、その方向性が小さくなり、立体構造を良好に保持できる。
【0046】
前記の立体構造状ネット(A)は、図1(図2)の展張状態のままでも使用できるが、法面等の緑化のための植生工法等に使用する場合は、図5に示すように、前記ネット(A)を幅方向に引張って拡幅するように展張し、略4角形のネット目空間(S2 )の部分を扁平化させるとともに、略6角形のネット目空間(S1 )の部分を略4角形に変形させて使用するのが好適である。
【0047】
すなわち、前記の拡幅展張状態においては、扁平化したネット目空間(S2 )の前後の立体状紐部(4)が幅方向に直線状に並列して連続することになるために、それ以上の拡張が該立体状紐部(4)における表裏の紐条部(11)(21)によって規制できる。そのため、前記の拡幅展張状態でネット編方向を横方向にして法面等に張設して植生用ネットとして使用した場合に、前記直線状に並列した立体状紐部(4)の方向が法面等の傾斜方向となって、傾斜方向に対する変形が規制されることになる。したがって、ネット全体としての保形性がよく、立体構造およびネット目形状が安定性よく保持でき、このネット(A)の上からの吹付け手段により、種子、肥料、客土さらには高吸水性樹脂ポリマー等の保水剤、土壌改良材等の植生材料の1種もしくは複数を法面の状況に応じて吹付けることにより、これらの植生材料を確実に保持でき、以て植生工法を良好に実施できる。
【0048】
また前記の前記直線状に並列した立体状紐部(4)が2重に並列することになるために、この紐部(4)の部分が良好な降雨時の雨水の排水用流路となって良好な排水性を確保でき、法面の表面が過度に浸潤されることがない。
【0049】
図6〜図8および図9は、それぞれ表裏の素地(1)(2)における各紐条部(11)(21)の結節部(13)(23)間の長さを変化させて編成することにより、前記ネット目空間(S)が2種以上の異なった多角形をなすように形成した立体構造状ネット(A)の実施例を示している。
【0050】
この実施例の立体構造状ネット(A)は、上記の実施例と同様に、表裏の網状をなす素地(1)(2)において網目を形成する紐条部(13)(23)が鎖編糸と鎖編ウエールに対し横振り挿入される挿入糸とによる1もしくは複数ウエール(図の場合は2ウエール)の編目列よりなり、この表裏の紐条部(13)(23)に対し連結糸(3)が掛け渡されて、ネット目空間(S)を画成する紐部(4)が立体状に形成され、さらに表裏の各紐条部(11)(21)が左右に隣接する紐条部(11)(21)と表裏略対応個所で交互に結節されて、表裏に開口するネット目空間(S)が形成される。
【0051】
そして、上記の実施例とは異なり、表裏の紐条部(11)(21)の結節部(13)(23)の結節長さを変化させずに、結節部間の紐条部分、すなわち編方向に連続する紐条部(11)(21)の結節部(13)(23)と次の結節部(13)(23)との間の部分を、例えば1もしくは複数部分毎に長辺部分(a1 )と短辺部分(b1 )とが交互に形成されるように編成し、辺の長さが異なる少なくとも大小2種の多角形をなすネット目空間(Sa )(Sb )を交互に形成している。
【0052】
例えば図6〜図8は前記長辺部分(a1 )と短辺部分(b1 )とをそれぞれ2部分ずつ交互に形成した場合を、図9は一つの長辺部分(a1 )と二つの短辺部分(b1 )とを交互に形成した場合を示している。
【0053】
この実施例のネット(A)は、図4に示す編組織において、表裏の素地(1)(2)の紐条部(11)(21)を編成する鎖編筬(L2 )(L3 )および(L6 )(L7 )の移行による長い結節部(13a)(23a)の結節長さ(結節コース数)を、短い結節部(13b)(23b)の結節長さ(結節コース数)と同じにした上、これらの結節部(13a)(23a)と(13b)(23b)との間の長さ(コース数)を、前記ネット目空間(Sa )(Sb )の多角形の辺の長さに応じて適宜変化させて編成することにより得ることができる。
【0054】
この実施例の立体構造状ネット(A)においても、これを例えば図8のように幅方向に引張って拡幅すれば、結節部間の短辺部分(b1 )により画される小さいネット目空間(Sb )が扁平化してその前後の立体状紐部(4)が幅方向に直線状に並んで連続するように変形するとともに、残余のネット目空間(Sa )は略3角形もしくは略四角形のままに保持されて、それ以上の拡張が規制される。したがって、法面等の植生工法において、前記拡幅展張状態でネットの編方向を横方向にして張設使用することにより、法面等の傾斜方向に対する伸びが規制されて保形性がよく、張設されたネット全体の立体構造およびネット目形状が安定し、植生材料を確実に保持できることになる。
【0055】
なお、前記の結節部間の長さを変化させる場合においても、編方向に1もしくは複数の結節部(13)(23)毎に結節長さを変化させて編成することも可能であり、これにより種々の形態の多角形をなすネット目空間(S)を形成することができる。
【0056】
上記したいずれの実施例の立体構造状ネットにおいても、例えば図10に示すように、表裏の素地(1)(2)の一方側における任意の結節部(13)または(23)の結節長さを、これに対応する他方側の結節部(23)または(13)とは異にして編成することにより、表裏一方の素地(1)または(2)の網目を他方の網目とは形状や大きさの異なったネットとすることができる。
【0057】
図10は、図1〜図5の実施例と同様に、表裏の各紐条部(11)(21)の結節部(13)(23)毎に、編方向の結節長さの長い結節部(13a)(23a)と短い結節部(13b)(23b)とを交互に形成して、平面よりみて略6角形のネット目空間(S1 )と略4角形のネット目空間(S2 )とを形成したものにおいて、裏側の素地(2)における長い結節部(23a)をこれに対応する表側の長い結節部(13a)より前後に所要数のコース分さらに長くするように編成した場合を示している。
【0058】
もちろん、前記短い結節部(13b)(23b)の表裏一方の結節長さを、他方とは異にすることもでき、さらに図6や図9の実施例の立体構造状ネットにおいても、表裏の結節部(13)(23)のうち、一つおき等の任意個所の結節部(13)(23)の表裏一方の結節長さを他方とは異にし、例えば長くして、表裏の素地(1)(2)の網目形状や大きさを異にすることができる。
【0059】
この立体構造状ネット(A)の場合、これを展張した状態においては、表裏の紐条部(11)(21)を連結する連結糸(3)が、図10のように表裏の結節長さの異なる部分で経緯両方向(前後左右)に傾斜することとなり、これによって立体状紐部(4)の倒れを抑制できるとともに、経編編成によるネットの方向性をさらに効果的に減衰でき、立体構造およびネット目形状を良好に保持できる。
【0060】
また、図11に示すように、上記の各実施例の立体構造状ネット(A)における表裏の素地(1)(2)の少なくとも一方(図の場合は表裏両側)において、ネット目空間(S)を画成する連結糸(3)を含む立体状の紐部(4)より小さい網目を形成するように、連結糸(3)を有さない紐条部(11a)(21a)を設けて構成することができる。
【0061】
この場合、立体的なネット目空間(S)を画成する立体状の紐部(4)の変形等を、ネット目空間(S)の内方で小さい網目を形成する連結糸を有さない紐条部(11a)(21a)により規制でき、立体状態およびネット目空間の保形をさらに良好になし得る。
【0062】
上記の各実施例の立体構造状ネットにおいて、図12に例示するように、表裏の素地(1)(2)に掛け渡される連結糸(3)を、立体状の紐部(4)における編方向の任意の個所において、表裏で相対するウエールより少なくとも1ウエール以上左右に移行して斜めに掛け渡して編成することにより、この斜めの掛け渡し部分(31)を、立体状紐部(4)の内部および/またはネット目空間(S)の内部で略X状に交叉させることもできる。例えば、前記斜めの掛け渡し部分(31)を、ネット目空間(S)内の編方向両端の結節部分の内部あるいはその前後位置等の任意の個所で略X状にクロスするように配することができる。これにより立体状紐部(4)の保形力が増し、立体構造およびネット目形状がさらに良好に保持される。
【0063】
また、上記の各実施例の立体構造状ネット(A)において、幅方向の任意の位置の立体状紐部(4)(4)同士の結節部分に、編方向に略直線状をなす張設用や補強用の紐やロープその他の長尺状物(6)を経挿入することができる。
【0064】
例えば、図13(a)は、表裏の各紐条部(11)(21)の結節部(13)(23)毎に、編方向の結節長さの長い結節部と短い結節部とを交互に形成して、略6角形のネット目空間(S1 )と、これより小さい略4角形のネット目空間(S2 )とを形成したネットにおいて、結節長さの短い結節部(13b)(23b)に相当する結節部分に、長尺状物(6)をネット目空間(S1 )を貫通させるように直線状に経挿入した場合を示し、図14(a)は、前記同様のネットにおいて、結節長さの長い結節部(13a)(23a)に相当する結節部分に、長尺状物(6)をネット目空間(S2 )を貫通させるように挿入した場合を示している。
【0065】
この立体構造状ネット(A)は、図4の編組織において、前記の長尺状物(6)を経挿入するための筬を1枚または2枚追加することにより、編成することができる。
【0066】
この構成の立体構造状ネット(A)の場合、例えば図13(b)および図14(b)のように幅方向に拡張し変形させた場合において経挿入された前記の長尺状物(6)が経方向の補強の役目を果し、引張強度が高くなり、ネット全体の保形性がさらに良好になり、また張設施工時に寸法決めに利用でき、施工も容易に行なえる。
【0067】
上記の各発明の立体構造状ネットにおいて、図15および図16に例示するように、幅方向の任意の個所のネット目空間(S)を構成する立体状紐部(4)において表裏の紐条部(11)(21)間に連結糸を有さない空間部分(7)を形成し、展張状態において前記連結糸のない空間部分(7)が編方向に連通状態をなすように設けた場合を示している。
【0068】
このような立体構造状ネット(A)は、例えば図4の編組織において、連結糸筬(L4 )(L5 )のうち、空間部分(7)を形成する紐部(4)に相当するウエール位置の連結糸を抜いて編成すれば、表裏の紐条部(11)(21)間に連結糸を有さないで編方向に連続する立体状紐部(4a)が形成され、該紐部(4a)が隣接する紐部(4)と結節されて、図15のような立体構造状ネット(A)が得られる。
【0069】
前記の連結糸のない空間部分(7)を有する紐部(4a)の位置は、前記連結糸筬(L4 )(L5 )の糸抜きのウエール位置を選択することによって任意に設定でき、例えば幅方向の一定間隔位置に設けることができる。
【0070】
この立体構造状ネット(A)は、これを展張した状態において、立体状紐部(4)の中の連結糸のない空間部分(7)が編方向に連通することになるので、この空間部分(7)に、図16およひ図17のように、張設用のロープ等の紐状物や針金等の線状材あるいは棒状体等の長尺体(8)を挿入することが容易に可能になる。
【0071】
例えば、前記の連結糸のない空間部分(7)を幅方向に所定間隔に設けておき、通気性のある帯状袋体に肥料を充填した肥料袋を挿入配置して植生工法に使用することもできる。また種子や肥料、保水剤、種子発芽剤等を含む植生材料を保持させた植生基材袋を挿入しておくこともできる。また医薬品を保持させた帯状物を挿入することにより、医療用ネットとしても好適に使用できる。
【0072】
このほか、前記の連結糸を有さない空間部分(7)に、不織布、綿、ポリウレタン、各種パイプ類、多孔質のエアパイプ、クッション材、繊維糸条、接着または縫合用テープ、ロープ、線状や棒状および板状あるいはH、C、L形等の長尺形材その他の金属資材、電気もしくは熱伝動体、通水性ネット、肥料袋、植生基材袋、保水材、吸出防止材、抗菌資材、断熱材、防音材、防塵材、防電磁波材、防放射線材、シード帯、シード袋等の長尺体を挿入することができ、用途に応じた機能を持った複合資材として好適に使用できる。
【0073】
なお、図示していないが、ネット目空間を構成する立体状紐部の編方向の任意の位置に、表裏の紐条部間に連結糸のない空間部分を形成し、ネット展張状態において前記空間部分が幅方向に連通状態をなすように設けておくこともできる。この場合も、前記と同様に、幅方向に連通する空間部分に前記同様の長尺体を挿入することが可能になる。特に、前記の編方向に連通した空間部分と幅方向に連通する空間部分とを同時に形成しておくことにより、前記長尺体をクロス状に挿入することも可能になる。
【0074】
上記した各実施例の立体構造状ネットにおいて、表裏の紐条部(11)(21)の結節部(13)(23)の位置、すなわち鎖編糸および挿入糸と、これに掛け渡される連結糸とのウエール移行による結節位置を、表裏で相互に位置をずらせて編成することができ、特に表裏でずらせるコース数や位置を適宜設定することにより、結節部(13)(23)が表裏で互い違いの位置にして、紐部をV形や逆V形をなすように構成したり、表裏で僅かに位置をずらせた構成とする等、その形態を任意に設定できる。この場合、耐圧強度や保形性もさらに良好なものとなる。
【0075】
なお、上記の各実施例において、立体構造状ネット(A)のネット目空間(S)の大小や開口形状については、紐条部(11)(21)の結節部(13)(23)の結節長さや結節部間の長さ(コース数)の増減によって任意に設定できる。
【0076】
また、表裏の素地(1)(2)における紐条部(11)(21)は、それぞれ鎖編糸と挿入糸とによる編目列により構成するのが強度上好ましく、またネット目空間(S)を画成する立体状の紐部(4)は、複数ウエールに渡る幅を有するものが、通気および通水可能な立体状に良好に保持でき、かつ強度や耐圧縮性も高く特に好ましい。
【0077】
上記の立体構造状ネットAにおいて、表裏の素地(1)(2)を構成する糸条は、特に限定されるものではないが、通常は耐水性に優れる合成繊維糸が使用され、ナイロン糸や炭素繊維糸その他の各種の合成繊維のマルチフィラメント糸やモノフィラメント糸が好適に用いられる。もちろん天然繊維の糸を用いることもできる。また連結糸(3)としては、前記表裏の素地(1)(2)を連結して立体状に支えるのに適するように、前記同様に合成繊維糸や天然繊維糸から弾性や強度等を考慮して適宜選択され、主に立体構造保持の点からモノフィラメント糸が好適に用いられる。
【0078】
これらの糸条は、編成後の熱セットもしくは合成樹脂加工により、適度に剛性および耐圧縮性を与えることができる。また表裏の素地(1)(2)を連結する連結糸(3)の本数が多くなり密度が高くなるほど、厚み方向の耐圧強度や弾性力が増す。またナイロン等の同質素材では太い糸の場合ほど腰が強くなる。
【0079】
これらの糸条の太さや素材は、用途によって要求される強度や張力、弾性等を考慮して決定される。例えば、植生用ネットとして、ダブルラッシェル機により14〜9ゲージ(針本数/インチ)で編成すへ場合、網状の素地には100〜2000デニール、好ましくは200〜600デニールの糸が、また連結糸としては100〜3000デニール、好ましくは200〜1000デニールの糸が好適に用いられる。
【0080】
しかし、経済的に編成したい場合は、細いゲージ、例えば22〜18ゲージにして上記より細い糸を使用でき、また物理的強度を高めたい場合は、4.5〜3ゲージにして上記よりさらに太い糸を使用でき、強度も高めることができる。
【0081】
さらに、表裏の素地(1)(2)の紐条部(11)(21)を編成するダブルラッシェル機の編機ゲージ、すなわち前後の針釜、針およびガイドのゲージ(針本数/1インチ)を、少なくとも2倍以上異なる仕様(例えば前9ゲージ、後18ゲージ)に設定して、表裏で太さの異なる糸を用いて編成することができる。これにより、表裏同一の編ゲージでは編成できない強度、硬さ、弾力を持った糸、例えば太いモノフィラメント糸を粗いゲージのほうに用いることにより編成でき、素地の強度をさらに高めることができる。また表裏で編成コースを異なる仕様(例えば前4コース、後8コース)とすることもできる。
【0082】
また、前記の表裏の素地(1)(2)を構成する糸条および連結糸として、綿、レーヨン、人造絹糸その他の天然繊維等の腐食性繊維、あるいは酵素により分解する酵素分解性繊維もしくは微生物や菌により分解する生物分解性繊維等の分解性化学繊維、あるいはこれらと合成繊維との混紡繊維よりなる糸を用いることもできる。この場合、立体構造状ネットが経年使用により腐食、分解することになり、植生用ネットとして好適に用いられる。
【0083】
また表裏の素地(1)(2)を構成する糸条および連結糸の全部または一部に、高吸水性樹脂繊維または該繊維を含む混紡繊維の糸を用いることもでき、さらに保水性を高めることができる。
【0084】
立体構造状ネットの使用目的に応じて、高吸水性樹脂を塗布あるいはディッピング等の手段によりコーティングした糸、肥料や鉄等の金属、抗菌剤その他の薬品、あるいは菌類を付着または練り込んだ糸を使用することもできる。
【0085】
また表裏の素地(1)(2)を構成する糸条および連結糸の全部または一部に、熱硬化性繊維、熱収縮性繊維、熱溶融性繊維のいずれか1種、または該繊維を含む混紡繊維もしくは引揃え繊維の糸を用いて、編成後の熱加工により編目構造を変形させたり補強することとして、ネットの保気、保水性を高めたり、また形状安定を図ることができる。
【0086】
またスポーツ、衣料、医療用ネット等においては、伸縮性のある弾性糸を表裏の素地(1)(2)を構成する糸条および連結糸に使用して立体構造状ネットに伸縮性を付与することができる。
【0087】
また立体構造状ネットに対して高吸水性樹脂等の保水剤を塗布手段やデッピング手段によりコーティングあるいは付着させておくことができ、この場合もネットの保水性がさらに良好なものになる。
【0088】
さらに用途によっては、上記の立体構造状ネットを展張し立体状態に保持して、織布、不織布、紙その他のシート状物、平面状や立体構造状のネット状物または合成樹脂や金属製の板状物に対し縫合、貼合等の手段により接合して、複合構造にして使用することができる。
【0089】
本発明の立体構造状ネット(A)の厚み、ネット目空間(S)や立体状紐部(4)の大きさは、その用途等によって異なり、植生用ネットとしての使用上は、ネットの厚みが3〜150mm、ネット目空間(S)のさし渡し10〜500mm、紐部(4)の幅は0.2〜200mmの範囲のものが一般に用いられるが、もちろん前記寸法外での実施も可能である。
【0090】
上記の立体構造状ネット(A)は、法面等の保全および緑化のための植生工法に用いる植生ネットとして、また造成地等の集排水用ネット、産業廃棄物処理場保護ネット、工事用の安全ネットや建築用保護ネット、モルタルや合成樹脂等の吹付け等における場合の補強材や構造物作成ネット、医療用やスポーツ用ネット、マットやクッション材の芯材、衣料用スペーサーや中間材等の工業用材料やその複合材その他の各種分野において広く利用することができる。中でも特に法面等の植生工法の実施に好適に利用できる。
【0091】
例えば、廃棄物を大量に地中に埋めて処理する場合は、地面に掘った凹所つまり処理場にゴムシート等の防水シートを敷いておき、その内部に廃棄物を長期間かけて運び込み、廃棄物がいっぱいになった時点で表面に土砂を被せて埋める。この際、廃棄物がいっぱいになるまでの期間が相当長く(数年)かかるが、その間、処理場に敷いてある防水シートがむき出しの状態で、外観上の印象が悪い上に、防水シートが劣化するおそれもある。
【0092】
このような場合に、本発明の立体構造状ネット(A)を、処理場の防水シート上に張設して、客土や植物の種子等を吹きつけて緑化することで、防水シートを保護するのに使用することができる。またこの際、立体状紐部の中の連結糸のない空間部分が、編方向および/または幅方向に連通するように設けられている場合、この空間部分を利用して、接着テープ等により防水シートの表面に貼着することが容易に可能になる。
【0093】
【発明の効果】
上記したように本発明の立体構造状ネットによれば、結節長さあるいは結節部間の長さを変化させて、2種以上の異なった多角形のネット目空間を形成したことにより、展張し熱セットした状態において、経編編成による方向性を良好に分散できて、その方向性を小さくすることができ、張設状態での紐部にかかる引張力を分散し、立体構造等の保形性が良好に保持される。また軽量であることもあって取扱い易く、張設施工も容易なものとなる。
【0094】
また幅方向に引張って拡幅して展張すれば、例えば小さいネット目空間の部分が扁平化してその前後の立体状紐部が幅方向の直線状に並ぶように変形することで、それ以上の拡張を規制できるために、法面等の植生工法に使用する場合において、前記の拡幅展張状態でネット編方向を横方向にして張設使用することにより、幅方向の直線状に並んだ紐部が傾斜方向になって、傾斜方向の変形が規制でき、寸法安定性がよくて、立体状の紐部の変形や倒れが生じるのを防止でき、立体構造としたことによる特性、例えば立体構造による通気および通水性や空間保有性等の特性を良好に保持でき、土砂の崩落防止や植生材料の流出および飛散防止効果に優れる。
【0095】
また前記の立体構造状ネットの立体状紐部の一部に空間部分を形成して、テープ、ロープや紐、金属線あるいは肥料袋等の長尺体を容易に挿入できるようにした場合、挿入する長尺体を適宜選択することにより、その用途に応じた特性や機能を持たせることも容易になり、複合資材として好適に利用できる。
【0096】
したがって、本発明の立体構造状ネットは、その特性を利用して、法面等の植生工法に使用する植生ネットや保護ネット、スキー場ゲレンデ保護ネットとして特に好適に使用できるほか、グラウンドや造成地等の集排水用ネットや吸水ネット、あるいは産業廃棄物処理場の安定および保護ネットとして、さらに建築用保護ネットや構造物作成ネット、スポーツ、医療用ネット、また衣料用スペーサー、水産養殖用や農業用ネット等として各種の用途に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体構造状ネットの1実施例の略示平面図である。
【図2】同上のネットの略示斜視図である。
【図3】同上ネットの1部の拡大斜視図である。
【図4】同上ネットの編組織の1例を示す各構成糸のラッピング図である。
【図5】同上のネットを幅方向に拡幅展張した状態の略示平面図である。
【図6】本発明の他の実施例の立体構造状ネットの略示平面図である。
【図7】同上のネットの一部の斜視図である。
【図8】同上のネットを幅方向に拡幅展張した状態の略示平面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例の立体構造状ネットの略示斜視図である。
【図10】本発明の他の実施例の立体構造状ネットの略示斜視図である。
【図11】本発明の他の実施例の立体構造状ネットの略示平面図である。
【図12】本発明の他の実施例の立体構造状ネットの一部の略示斜視図である。
【図13】本発明の他の実施例の立体構造状ネットの通常の展張状態の略示斜視図(a)と拡幅展張状態の略示平面図(b)である。
【図14】本発明のさらに他の実施例の立体構造状ネットの通常の展張状態の略示斜視図(a)と拡幅展張状態の略示平面図(b)である。
【図15】本発明のさらに他の実施例の立体構造状ネットの略示斜視図である。
【図16】本発明のさらに他の実施例の立体構造状ネットの略示斜視図である。
【図17】同上のネットを幅方向に拡幅展張した状態の略示斜視図である。
【符号の説明】
(A) 立体構造状ネット
(S)(S1 )(S2 )(Sa )(Sb ) ネット目空間
(1)(2) 表裏の素地
(11)(21) 表裏の紐条部
(11a)(21a) 連結糸のない紐条部
(13)(23) 表裏の結節部
(13a)(23a) 長い結節部
(13b)(23b) 短い結節部
(3) 連結糸
(4) 立体状の紐部
(6) 長尺状物
(7) 連結糸のない空間部分
(8) 長尺体
(31) 斜めの掛け渡し部分

Claims (10)

  1. 経編編成により形成され、網状をなす表裏の素地と、これら両素地を所要の間隔を存して連結する連結糸とによりネット目空間を画成する立体状紐部が構成された立体構造状ネットであって、
    立体状紐部は、表裏の素地において網目を形成する各紐条部が編方向に連続する1もしくは複数ウエールの編目列により構成されるとともに、表裏の対応する紐条部の間にそれぞれ連結糸が掛け渡されて立体状をなし、この立体状紐部の表裏の紐条部がそれぞれ編方向の所要間隔毎に表裏対応個所で左右に隣接する紐条部と交互に結節されて、多角形をなして表裏に開口するネット目空間が形成されるとともに、編方向に1もしくは複数の結節部毎に結節長さが変化せしめられて、表裏で対応して編方向の結節長さの長い結節部と短い結節部とが交互に形成されるように編成され、平面よりみて前記長い結節部が幅方向に対向する両辺をなす略6角形のネット目空間とこれより小さい略4角形のネット目空間とがそれぞれ幅方向に並列して編方向に交互に形成されてなり、幅方向に引張し拡幅することにより、前記小さい略4角形のネット目空間が扁平化し、この扁平化したネット目空間の前後の立体状紐部が幅方向に直線状に並列して連続することを特徴とする立体構造状ネット。
  2. 経編編成により形成され、網状をなす表裏の素地と、これら両素地を所要の間隔を存して連結する連結糸とよりなり、ネット目空間を画成する紐部が立体状をなす立体構造状ネットであって、
    立体状の紐部は、表裏の素地において網目を形成する各紐条部が編方向に連続する1もしくは複数ウエールの編目列により構成されるとともに、表裏の対応する紐条部の間にそれぞれ連結糸が掛け渡されて立体状をなし、この立体状紐部の表裏の紐条部が、それぞれ編方向の所要間隔毎に表裏対応個所で左右に隣接する紐条部と交互に結節されて、表裏に開口するネット目空間が形成されるとともに、各紐条部の編方向の所要間隔毎に結節部間の長さが変化せしめられて、表裏で対応して前記結節部間の部分の1もしくは複数部分毎に長辺部分と短辺部分とが 交互に形成されるように編成され、辺の長さが異なる少なくとも大小2種の多角形をなすネット目空間が交互に形成されてなり、幅方向に引張し拡幅することにより、前記小さいネット目空間が扁平化して、この扁平化したネット目空間の前後の立体状紐部が幅方向に直線状に並列して連続することを特徴とする立体構造状ネット。
  3. 編方向に1もしくは複数の結節部毎に結節長さを変化させて編成されて、2種以上の異なった多角形をなすネット目空間が形成されてなる請求項2に記載の立体構造状ネット。
  4. 表裏一方側の所要の結節部の結節長さを、これと対応する他方側の結節部とは異にし、表裏一方の素地の網目を他方の網目とは形状や大きさの異なったネットにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の立体構造状ネット。
  5. 表裏の素地の少なくとも一方において、ネット目空間を画成する連結糸を含む立体状の紐部より小さい網目を形成するように連結糸を有さない紐条部が設けられてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の立体構造状ネット。
  6. 表裏の素地間の連結糸が、立体状の紐部における編方向の任意の個所において、表裏で相対するウエールより少なくとも1ウエール以上左右に移行して斜めに掛け渡されており、この斜めの掛け渡し部分が略X状に交叉していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の立体構造状ネット。
  7. 幅方向の任意の位置の立体状紐部同士の結節部分に、編方向に略直線状をなす長尺状物がネット目空間を貫通するように経挿入されてなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の立体構造状ネ
    ット。
  8. 幅方向の任意の位置のネット目空間を構成する立体状紐部において、所要ウエ ール位置の連結糸を抜いて編成されることにより、表裏の紐条部間に連結糸のない空間部分で形成され、ネット展張状態において前記空間部分が編方向に連通状態をなすように設けられてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の立体構造状ネット。
  9. ネット目空間を構成する立体状紐部の編方向の任意の位置に、表裏の紐条部間に連結糸のない空間部分が形成され、ネット展張状態において前記各立体状紐部の空間部分が幅方向に連通状態をなすように設けられてなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の立体構造状ネット。
  10. 前記連結糸を有さない空間部分を通して、不織布、綿、ポリウレタン、各種パイプ類、多孔質のエアパイプ、クッション材、繊維糸条、ロープ、線状や棒状および板状あるいは長尺形材その他の金属資材、電気もしくは熱伝動体、通水性ネット、肥料袋、植生基材袋、保水材、吸出防止材、抗菌資材、断熱材、防音材、防塵材、防電磁波材、防放射線材、シード帯、シード袋等の長尺体が挿入されてなる請求項9に記載の立体構造ネット。
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