JP3555480B2 - 光学活性化合物の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、(R,S)含硫プロパルギルアルコールを酵素の存在下で光学分割して光学活性含硫プロパルギルアルコールを得る方法に関する。得られた光学活性体は医薬、農薬、生理活性物質などの光学活性化合物の合成中間体として重要な物質である。
【0002】
【従来の技術】
従来、含硫プロパルギルアルコールの光学活性体を得る方法としては、光学活性1−ブチン−3−オールをスルフェニルハライド(RSX)と反応させて1位に−SR基(Rはアルキル基、アリール基またはアラルキル基、Xはハロゲン原子をそれぞれ意味する。)を導入する方法が知られている(特開平10−251223号公報参照)。また、ラセミ体のプロパルギルアルコールを酵素の存在下でエステル化剤と反応させて光学分割する反応自体としては、ラセミ体の1−ブチン−3−オールをエステラーゼの存在下でエステル化剤と反応させる方法が知られている(特開平9−107989号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−251223号公報記載の方法では出発原料となる光学活性プロパルギルアルコールの製造に高価な光学活性還元剤が必要であり、また特開平9−107989号公報記載の方法では、光学純度および収率が低く、いずれの方法も実用的でない。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑み、工程が簡便で、かつ比較的安価な試剤を用いて高収率で高光学純度の含硫プロパルギルアルコールを合成する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、該アルコールのラセミ体を有機溶媒中、リパーゼの存在下、エステル化剤と反応させて立体選択的にエステル交換を行わしめ、同ラセミ体を、光学活性含硫プロパルギルアルコールのエステルと、残存する光学活性含硫プロパルギルアルコールとに高収率でしかも高光学純度で分割することができることを見い出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明による光学活性化合物の製造法は、
一般式[I]
【化4】
Figure 0003555480
で示される(R,S)含硫プロパルギルアルコールを有機溶媒中、同アルコールのR体とS体のいずれか一方を立体選択的にエステル化し得るリパーゼの存在下、エステル化剤と反応させて、
一般式[II]
【化5】
Figure 0003555480
で示される一方の光学活性含硫プロパルギルアルコールのエステルを生成させると共に、
一般式[III]
【化6】
Figure 0003555480
で示される他方の光学活性含硫プロパルギルアルコールを残存させることを特徴とする。
【0007】
上記一般式[I] [II] [III]において、R、RおよびR は、同一でも異 なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基をそれぞれ意味する。
【0008】
本発明は、また、(R,S)含硫プロパルギルアルコール[I]を有機溶媒中、上記リパーゼの存在下でエステル化剤と反応させて、(R,S)含硫プロパルギルアルコール[I]を一方の光学活性含硫プロパルギルアルコールのエステル[II]と他方の光学活性含硫プロパルギルアルコール[III] とに分割する光学分割方法を包含する。
【0009】
生成した一方の光学活性含硫プロパルギルアルコールのエステル[II]と、残存した他方の光学活性含硫プロパルギルアルコールとは通常の方法で分離することができる。
【0010】
本発明方法は下記の反応式で示される。
【0011】
【化7】
Figure 0003555480
【0012】
本発明方法で出発物質として用いられる(R,S)含硫プロパルギルアルコール[I]は、既知の方法、例えば、ラセミ体プロパルギルアルコールとスルフェニルハライドとの反応で合成したものでもよいし、市販品そのままないしはその精製品であってもよい。
【0013】
出発物質(R,S)含硫プロパルギルアルコール[I]は、通常はR体とS体の等量混合物すなわちラセミ体であるが、R体とS体を不均等な割合で含む混合物であってもよい。
【0014】
(R,S)含硫プロパルギルアルコール[I]において、R、RおよびR としての、置換基を有していてもよいアルキル基は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、同アルキル基はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素数1〜6の低級アルキル基である。この置換基としては、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシル基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
【0015】
また、R、RおよびR としての、置換基を有していてもよいアラルキル基は、無置換または置換ベンジル基、無置換または置換フェネチル基、無置換または置換トリチル基や、無置換または置換複素環(ピリジル基、チエニル基、イミダゾイル基など)アルキル基などである。この置換基は、芳香環に存在していても脂肪族基に存在していてもよく、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシル基、ニトロ基、シアノ基や、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルなどの炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
【0016】
また、R、RおよびR としての、置換基を有していてもよいアリール基は、例えば無置換または置換フェニル基、無置換または置換ナフチル基、無置換または置換複素環基(ピリジル基、チエニル基、イミダゾイル基など)である。この置換基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルなどの炭素数1〜6のアルキル基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシル基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
【0017】
本発明方法に用いられるエステル化剤は、上記定義のアルキル基、アラルキル基またはアリール基R を有するカルボン酸のエステルや無水物であり、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸2,2,2−トリフロロエチル、酢酸2,2,2−トリクロロエチルなどの脂肪族カルボン酸アルキルエステル;酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、安息香酸イソプロペニルなどのカルボン酸ビニルエステル;無水酢酸、無水酪酸などの脂肪族酸無水物;無水コハク酸、無水グルタル酸などの脂肪族環状酸無水物が挙げられる。なかでも酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、安息香酸イソプロペニル等のカルボン酸ビニルエステルが特に好ましい。
【0018】
本発明方法に用いられるリパーゼは、(R,S)含硫プロパルギルアルコールのR体とS体のいずれか一方を立体選択的にエステル化する反応における触媒効果を発揮するものである。リパーゼとしては、シュードモナス属またはキャンジダ属に属する微生物に由来した酵素が好ましい。用いられるリパーゼは粗製品であってもその精製品であってもよい。また、その形態は粉末状そのままでも、適当な担体に担持させ固定化リパーゼとして用いてもよい。
【0019】
リパーゼ固定用の担体としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、デンプン、グルテンなどの高分子有機材料や、活性炭、多孔性ガラス、セライト、ゼオライト、カオリナイト、ベントナイト、アルミナ、シリカゲル、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム、金属酸化物などの無機材料が例示され、リパーゼを例えば物理的吸着法により担持固定化する。固定化リパーゼは、反応終了後、通常の濾過操作などで反応液から回収された後も充分な活性および反応の立体選択性を保持しているため、繰り返して再使用することができる。
【0020】
上記リパーゼの市販品としては、シュードモナスフルオレッセンス由来のリパーゼAK、リパーゼP 、リパーゼCES 、シュードモナスセパシア由来のリパーゼPS、リパーゼAH(以上、いずれも天野製薬社製)、キャンジダシリンドラセ由来のリパーゼMY(名糖産業社製)が例示される。
【0021】
本発明方法において用いられる有機溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t −ブチルメチルエーテルなどのエーテル類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサンなどの脂環式化合物類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類などが例示される。好ましくは、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族化合物など、特に好ましくは、ジイソプロピルエーテル、t −ブチルメチルエーテル、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン等が、単独でもしくは混合で用いられる。また、反応剤としてのエステル化剤そのものを溶媒に使用することもできる。
【0022】
本発明方法において、反応液中の基質(R,S)含硫プロパルギルアルコール[I]の濃度は0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。また、酵素リパーゼの濃度は反応液中0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。酵素の使用量は、反応速度および攪拌効率の点から、基質に対して0.05〜50倍量(重量比)が好ましく、0.5〜30倍量がより好ましい。エステル化剤の使用量は、基質に対して0.5〜20倍量(重量比)が好ましく、1〜8倍量がより好ましい。
【0023】
本発明方法において、反応温度は通常は0℃から使用する溶媒の沸点までの間であり、好ましくは0℃〜50℃、特に好ましくは室温付近、例えば10〜30℃である。
【0024】
本発明方法において、反応時間は、一般的に反応温度を高めたり、基質濃度を上げたり、酵素量を増加させることによって適宜調整することができる。
【0025】
酵素の立体選択性が低い場合、残存するアルコールとして光学純度の高いものを得る場合には、反応率を50%以上にし、50%以下の収率でアルコールを得る。この場合、生成するエステルの収率は50%以上と高いものの光学純度は低い。また、生成するエステルの光学純度の高いものを得る場合には、反応率を50%以下にし、50%以下の収率でエステルを得る。この場合は残存するアルコールの収率は50%以上と高いものの光学純度は低い。本発明の方法では、酵素として、(R,S)含硫プロパルギルアルコールのR体とS体のいずれか一方を高い立体選択性でエステル化する反応を触媒するリパーゼを用い、かつ基質として硫黄を含む化合物を用いるため、アルコールもエステルもほぼ50%という高い収率で、しかも両者とも高光学純度で得られる。
【0026】
本発明方法によって得られた一方の光学活性含硫プロパルギルアルコールのエステル[II]と、残存した他方の光学活性含硫プロパルギルアルコールとは、一般的な分離方法、例えば蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィーまたはこれらの組合わせなどの通常の方法で分離することができる。また、含硫プロパルギルアルコールのエステル[II]はたとえばアルカリ加水分解によりアルコールに変換できる。このようにして、高い光学純度を有するR体含硫プロパルギルアルコールとS体含硫プロパルギルアルコールを得ることができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明方法によれば、簡便な工程で、かつ比較的安価な試剤を用いて、高収率で高光学純度の含硫プロパルギルアルコールを合成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
つぎに、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれにより限定されるものではない。
【0029】
下記の実施例および比較例では、(R,S)含硫プロパルギルアルコール[I]を、有機溶媒中、リパーゼの存在下で撹拌しながらエステル化剤と反応させた。適当な反応率(出発物質アルコール体のエステル体へ転化した割合)でリパーゼを濾過により除去し、反応を停止した。ついで、反応生成物から一方の光学活性含硫プロパルギルアルコールのエステル[II]と、他方の光学活性含硫プロパルギルアルコール[III]をカラムクロマトグラフィーで分離した。光学純度の分析は 、CHIRALCEL OD(ダイセル社製)を用いた高速液体クロマトグラフィーや、CHIRALDEX G−TA (ASTEC社製)を用いたガスクロマトグラフィーによって行った。また、反応の進行度は上記高速液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーで追跡し、アルコール体およびエステル体の面積から反応率を求めた。
【0030】
実施例1
ラセミ体4−フェニルチオ−3−ブチン−2−オール10mg(56mmol)、酢酸ビニル39mg(450mmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAK」)10mgをヘキサン2ml中に投入し、モレキュラーシーブ4Aを50mg添加し、混合液を30℃で3時間撹拌した。反応率が47.9%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体の4−フェニルチオ−3−ブチン−2−オールが残存しており、その光学純度は91.2%eeであった。また、反応液中にはR体の4−フェニルチオ−3−ブチン−2−オールのエステルが生成しており、その光学純度は99.1%eeであった。
【0031】
実施例2
溶媒としてヘキサンの代わりに同量のジイソプロピルエーテルを用いた点を除いて、実施例1と同様の操作を行った。
【0032】
反応時間9時間で反応率が49.5%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体の4−フェニルチオ−3−ブチン−2−オールが残存しており、その光学純度は96.9%eeであった。また、反応液中にはR体の4−フェニルチオ−3−ブチン−2−オールのエステルが生成しており、その光学純度は98.8%eeであった。
【0033】
実施例3
出発物質(R,S)含硫プロパルギルアルコールとして、ラセミ体4−メチルチオ−3−ブチン−2−オールを6.5mg(56mmol)用いた点を除いて、実施例1と同様の操作を行った。
【0034】
反応時間2.5時間で反応率が51.4%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体の含硫プロパルギルアルコールが残存しており、その光学純度は97.2%eeであった。また、反応液中にはR体の含硫プロパルギルアルコールのエステルが生成しており、その光学純度は91.9%eeであった。
【0035】
実施例4
出発物質(R,S)含硫プロパルギルアルコールとして、ラセミ体4−(4−ニトロフェニルチオ)−3−ブチン−2−オールを12.5mg(56mmol)用いた点を除いて、実施例1と同様の操作を行った。
【0036】
反応時間3時間で反応率が50.3%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体の含硫プロパルギルアルコールが残存しており、その光学純度は98.8%eeであった。また、反応液中にはR体の含硫プロパルギルアルコールのエステルが生成しており、その光学純度は97.5%eeであった。
【0037】
実施例5
出発物質(R,S)含硫プロパルギルアルコールとして、ラセミ体5−フェニルチオ−4−ペンチン−3−オールを10.8mg(56 mmol)用いた点を除いて、実施例1と同様の操作を行った。
【0038】
反応時間2.5時間で反応率が50.7%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体の含硫プロパルギルアルコールが残存しており、その光学純度は98.1%eeであった。また、反応液中にはR体の含硫プロパルギルアルコールのエステルが生成しており、その光学純度は95.6%eeであった。
【0039】
実施例6
出発物質(R,S)含硫プロパルギルアルコールとして、ラセミ体4−(ベンジルチオ)−3−ブチン−2−オールを10.8mg(56mmol)用いた点を除いて、実施例1と同様の操作を行った。
【0040】
反応時間3時間で反応率が50.1%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体の含硫プロパルギルアルコールが残存しており、その光学純度は98.1%eeであった。また、反応液中にはR体の含硫プロパルギルアルコールのエステルが生成しており、その光学純度は97.8%eeであった。
【0041】
実施例7
出発物質(R,S)含硫プロパルギルアルコールとして、ラセミ体3−フェニルチオ−1−フェニル−2−プロピン−1−オールを13.5mg(56mmol)用いた点を除いて、実施例1と同様の操作を行った。
【0042】
反応時間4時間で反応率が51.3%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体の含硫プロパルギルアルコールが残存しており、その光学純度は95.6%eeであった。また、反応液中にはR体の含硫プロパルギルアルコールのエステルが生成しており、その光学純度は90.9%eeであった。
【0043】
比較例1
ラセミ体3−ブチン−2−オール10mg(143mmol)、酢酸ビニル98mg(1140mmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAK」)10mgをヘキサン2ml中に投入し、モレキュラーシーブ4Aを50mg添加し、混合液を30℃で13時間撹拌した。反応率が54.7%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体の3−ブチン−2−オールが残存しており、その光学純度は75.6%eeであった。また、反応液中にはR体の3−ブチン−2−オールのエステルが生成しており、その光学純度は62.6%eeであった。

Claims (5)

  1. 一般式[I]
    Figure 0003555480
    で示される(R,S)含硫プロパルギルアルコールを、有機溶媒中、同アルコールのR体とS体のいずれか一方を立体選択的にエステル化し得るリパーゼの存在下、エステル化剤と反応させて、
    一般式[II]
    Figure 0003555480
    で示される一方の光学活性含硫プロパルギルアルコールのエステルを生成させると共に、
    一般式[III]
    Figure 0003555480
    で示される他方の光学活性含硫プロパルギルアルコールを残存させることを特徴とする光学活性化合物の製造法。
    (上記一般式[I] [II] [III]において、R、RおよびR は、同一でも 異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基をそれぞれ意味する。)
  2. 生成した一方の光学活性含硫プロパルギルアルコールのエステル[II]と残存した他方の光学活性含硫プロパルギルアルコールとを分離する請求項1記載の製造法。
  3. エステル化剤がカルボン酸ビニル化合物である請求項1または2記載の製造法。
  4. リパーゼがシュードモナス属またはキャンジダ属に属する微生物に由来した酵素である請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
  5. 有機溶媒がジイソプロピルエーテル、t −ブチルメチルエーテル、ベンゼン、トルエンおよびシクロヘキサンよりなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜4のいずれかに記載の製造法。
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