JP3550688B2 - 光学活性化合物の製造法 - Google Patents
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Description
本発明は、医薬、農薬、生理活性物質などの光学活性化合物の合成原料ないしは合成中間体として重要な化合物である一方の光学活性アルキンアルコールおよび他方の光学活性アルキンアルコールエステルの製造法に関する。
背景技術
従来、光学活性アルキンアルコールの製法としては、対応するケトンを原料とする方法として、(1)光学活性な配位子を有するボラン化合物でケトンを還元する方法(J.Org.Chem.,1992,57,2379.,ibid,1990,55,6328.)、(2)酵素を用いてケトンを不斉還元する方法(J.Org.Chem.,1989,54,2646)、(3)LiAlH4、N−メチルエフェドリン−3,5−ジメチルフェノールでケトンを還元する方法(Tetrahedron Lett.,1980,21,1753.)が知られている。
また、ラセミ体のアルキンアルコールを原料にする方法として、(4)分割剤バイオカルトールを用いる方法(Synthesis,1995,165.)、(5)ラセミ体アルコールをL−ブルシンとの包接化合物に導いた後、これを光学分割する方法(特開昭62−246530号)、(6)ラセミ体アルコールをN−トシル−L−バリンでエステル化した後、エステル体を光学分割する方法(Tetrahedron:Asymmetry,1993,4,1645.)、(7)ラセミ体アルコールをエステル化剤および水共存化リパーゼでトランスエステル化する方法(EP 611825)、(8)ラセミ体アルコールを対応するエステル体に導いた後、これに水溶液中もしくは有機溶媒中でリパーゼを作用させてエステル体を不斉加水分解または加アルコール分解する方法(特開平3−201996号、特開平3−247299号)、(9)ラセミ体アルコールを対応するフェニルカーボネート体に誘導した後、これに水溶液中もしくは水−有機溶媒混合溶媒中でリパーゼを作用させてカーボネート体を不斉加水分解する方法(特開平5−317090号)が知られている。
その他にも、(10)ラセミ体アルコールをγ−ハロアリリックアルコールのシャープレス酸化により不斉アルコールに導いて、塩基により光学活性アルキンアルコールを得る方法(Tetrahedron Lett.,1989,30,7083.)、(11)光学活性乳酸エステルを出発原料にする方法(Tetrahedron Lett.,1995,36,2733.)、(12)ラセミ体の4−トリメチルシリル−3−ブチン−2−オールを有機溶媒中リパーゼなどの酵素とエステル共存下で不斉エステル化する方法(特開昭63−284184号、J.Am.Chem.Soc.,1991,113,6129.)、(13)ラセミ体の末端トリメチルシリル置換アルキンアルコールを酵素と反応させ不斉還元する方法(J.Org.Chem.,1992,57,1532.)などがある。
しかし、上記方法にはそれぞれ以下のような問題点が存在する。(1)の方法は、高価な不斉配位子を有するボラ化合物が基質に対し1当量必要であり、光学純度が17%eeと低く、コスト的に不利である。(2)および(3)の方法では、光学純度がそれぞれ86%ee、79%eeと低い。(4)および(5)の方法は、L−プルシンやバイオカルトールが高価であり、実用性に乏しい。(6)の方法では、操作が煩雑で収率も28%と低い。(7)の方法では、光学純度96%eeのものが得られるが収率が20%と低い。(8)の方法では光学純度は最高でも90%eeである。(9)の方法は、カーボネート体を合成する際に高価なクロロギ酸フェニルを必要とする。(10)および(11)の方法は、高い光学純度が得られるが反応工程が長い上に高価な試薬を使用するため、実用的ではない。(12)および(13)の方法では収率が低い。
本発明の目的は、上記諸問題に鑑み、工程が簡便で、かつ比較的安価な触媒を用いて高収率で高光学純度で一方の光学活性アルキンアルコールおよび他方の光学活性アルキンアルコールエステルを合成する方法を提供することにある。
発明の開示
本発明による第1の光学活性化合物の製造法は、
一般式[I]
で表わされる(R,S)アルキンアルコールのエステルを、同エステルのR体とS体のいずれか一方を立体選択的に加アルコール分解し得るリパーゼの存在下に、エーテル系有機溶媒中で、アルコールと作用させて、
一般式[II]
で表わされる一方の光学活性アルキンアルコールを生成させると共に、
一般式[III]
で表わされる他方の光学活性アルキンアルコールのエステルを残存させることを特徴とする方法である。
第1の方法における各式中、R1は水素原子または、置換基を有していてもよい直鎖状ないしは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、R3は置換基を有していてもよい直鎖状ないしは分枝状の炭素数9〜12のアルキル基をそれぞれ意味する。
本発明は、また、(R,S)アルキンアルコールのエステル[I]を、上記リパーゼの存在下にエーテル系有機溶媒中でアルコールと作用させて、加アルコール分解反応によって一方の光学活性アルキンアルコール[II]を生成させると共に、他方の光学活性アルキンアルコールのエステル[III]を残存させる(R,S)アルキンアルコールのエステル[I]の光学分解方法を提供する。
本発明による第2の光学活性化合物の製造法は、
一般式[I′]
で表わされる(R,S)アルキンアルコールのエステルを、同エステルのR体とS体のいずれか一方を立体選択的に加水分解し得るリパーゼの存在下に、水と有機溶媒の混合溶媒中で、水と作用させて、
一般式[II]
で表わされる一方の光学活性アルキンアルコールを生成させると共に、
一般式[III′]
で表わされる他方の光学活性アルキンアルコールのエステルを残存させることを特徴とする方法である。
第2の方法における各式中、R1は水素原子または、置換基を有していてもよい直鎖状ないしは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、R2は置換基を有していてもよいアリール基をそれぞれ意味する。
本発明は、また、(R,S)アルキンアルコールのエステル[I′]を、上記リパーゼの存在下に水と有機溶媒の混合溶媒中で水と作用させて、加水分解反応によって一方の光学活性アルキンアルコール[II]を生成させると共に、他方の光学活性アルキンアルコールのエステル[III′]を残存させる(R,S)アルキンアルコールのエステル[I′]の光学分割方法を提供する。
本発明による第3の光学活性化合物の製造法は、
一般式[I′]
で表わされる(R,S)アルキンアルコールのエステルを、同エステルのR体とS体のいずれか一方を立体選択的に加水分解し得るリパーゼとポリフェノール類の存在下に、水中または水と有機溶媒の混合溶媒中で、水と作用させて、
一般式[II]
で表わされる一方の光学活性アルキンアルコールを生成させると共に、
一般式[III′]
で表わされる他方の光学活性アルキンアルコールのエステルを残存させることを特徴とする方法である。
第3の方法における各式中、R1は水素原子または、置換基を有していてもよい直鎖状ないしは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、R2は置換基を有していてもよいアリール基をそれぞれ意味する。
本発明は、また、(R,S)アルキンアルコールのエステル[I′]を、上記リパーゼとポリフェノール類の存在下に、水中または水と有機溶媒の混合溶媒中で、水と作用させて、加水分解反応によって一方の光学活性アルキンアルコール[II]を生成させると共に、他方の光学活性アルキンアルコールのエステル[III′]を残存させる(R,S)アルキンアルコールのエステル[I′]の光学分割方法を提供する。
第1の方法は下記の反応式で示される。
第2の方法は下記の反応式で示される。
第3の方法は下記の反応式で示される。
第1の方法として用いられる(R,S)アルキンアルコールのエステル[I]において、置換基を有していてもよい直鎖状ないしは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基R1は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などである。この置換基としては、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシル基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
また、出発物質(R,S)アルキンアルコールのエステル[I]において、置換基を有していてもよい直鎖状ないしは分枝状の炭素数9〜12のアルキル基R3は、例えばノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などである。この置換基としては、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシル基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。特に好ましいアルキル基R3はn−ノニルのような無置換のアルキル基である。
出発物質(R,S)アルキンアルコールエステル[I]は、酸部分が炭素数10〜13の無置換または置換脂肪族カルボン酸で、アルコール部分が第2級アルコール、例えば3−ブチン−2−オール、3−ペンチン−2−オール、3−オクチン−2−オールであるものが好ましく、例えば3−デカノイルオキシ−1−ブチン、4−デカノイルオキシ−2−ペンチン、2−デカノイルオキシ−3−デシン、3−ウンデカノイルオキシ−1−ブチン、3−ラウロイルオキシ−1−プチン等が挙げられる。
出発物質(R,S)アルキンアルコールエステル[I]は、通常はR体とS体の等量混合物すなわちラセミ体である。ただし、出発物質(R,S)アルキンアルコールエステル[I]はR体とS体を不均等な割合で含む混合物であってもよい。出発物質(R,S)アルキンアルコールエステル[I]は、対応する酸とアルコールから常法に従って合成したものでもよいし、市販品そのままないしはその精製品であってもよい。
第1の方法において用いられるエーテル系有機溶媒は、リパーゼを失活させず、かつ、出発物質を溶解することができるものであれば、特に限定なく使用できる。このような溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジベンジルエーテル、ジフェニルエーテル、ジグリム、トリグリム、ジエトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)などが例示される。これらのうち、特にジイソプロピルエーテルとt−プチルメチルエーテルが好ましい。溶媒としてヘキサンの如き飽和炭化水素溶媒を用いても第1の方法では高光学純度のエステル体は得られない。
第1の方法に用いられるアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどの直鎖状ないしは分枝状の炭素数1〜4の脂肪族アルコールが好ましい。アルコールの使用量は、有機溶媒1容に対し、0.0005〜1容、好ましくは0.001〜0.4容である。
第2および第3の方法の出発物質として用いられる(R,S)アルキンアルコールのエステル[I′]において、置換基を有していてもよい直鎖状ないしは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基R1は、第1の方法の出発物質(R,S)アルキンアルコールのエステル[I]におけるR1と同じものを意味する。
第2および第3の方法の出発物質(R,S)アルキンアルコールエステル[I′]において、置換基を有していてもよいアリール基R2は、例えば無置換または置換フェニル基、無置換または置換ナフチル基、無置換または置換複素環基(ピリジル基、チエニル基、イミダゾイル基など)である。この置換基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルなどの炭素数1〜6のアルキル基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシル基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。特に好ましいアリール基R2は、無置換フェニル基である。
第2および第3の方法の出発物質(R,S)アルキンアルコールエステル[I′]は、酸部分が無置換または置換安息香酸で、アルコール部分が第2級アルコール、例えば3−ブチン−2−オール、3−ペンチン−2−オール、3−オクチン−2−オールであるものが好ましく、具体例としては3−ベンゾイルオキシ−1−ブチン、4−ベンゾイルオキシ−2−ペンチン、4−トルイルオキシ−2−ペンチン、2−ベンゾイル−3−デシンが挙げられる。
第2および第3の方法の出発物質(R,S)アルキンアルコールエステル[I′]は、通常はR体とS体の等量混合物すなわちラセミ体である。ただし、出発物質(R,S)アルキンアルコールエステル[I′]はR体とS体を不均等な割合で含む混合物であってもよい。出発物質(R,S)アルキンアルコールエステル[I′]は、対応する酸とアルコールから常法に従って合成したものでもよいし、市販品そのままないしはその精製品であってもよい。
第2および第3の方法に用いられる水としては、リパーゼの安定性、反応速度、選択性の観点から中性のものが好ましく、水のpH値は好ましくはpH6〜9、より好ましくはpH7〜8である。また、このような範囲のpH値を有する緩衝液を用いることもできる。pH緩衝液としては、たとえば酢酸、リン酸、ホウ酸などが例示される。
第2および第3の方法の用いられる有機溶媒は、リパーゼを失活させず、かつ、水を溶解することができるものであれば、特に限定なく使用できる。このような溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系溶媒などが挙げられる。好ましい有機溶媒は、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどである。有機溶媒と水の混合割合は、有機溶媒1容に対し、水は0.01〜100容、好ましくは0.5〜100容である。
本発明による第3の光学活性化合物の製造法において、ポリフェノール類は、リパーゼを失活させるものでなければ特に限定なく使用できるが、少なくとも1つの水酸基を有するフラボノイド誘導体が好ましく、少なくとも1つの水酸基を有するフラバン誘導体がより好ましい。水酸基を有するフラバン誘導体としては、カテキン類が好ましく、中でも好ましいのはカテキン、ガロカテキン、エピカテキン、エピガロカテキンであり、最も好ましいのはカテキンである。ポリフェノール類の量は基質に対するモル比で0.5〜20、好ましくは1〜10である。
第1、第2および第3の方法に用いられるリパーゼは、第1の方法では(R,S)アルキンアルコールエステル[I]のR体とS体のいずれか一方を立体選択的に加アルコール分解する反応における触媒効果を発揮するものであり、第2および第3の方法では(R,S)アルキンアルコールエステル[I′]のR体とS体のいずれか一方を立体選択的に加水分解する反応における触媒効果を発揮するものである。リパーゼとしては、シュードモナス属またはキャンジダ属に属する微生物に由来した酵素が好ましい。用いられるリパーゼは粗製品であってもその精製品であってもよい。また、その形態は粉末状そのままでも、適当な担体に担持させ固定化リパーゼとして用いてもよい。
リパーゼ固定用の担体としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、デンプン、グルテンなどの高分子や、活性炭、多孔性ガラス、セライト、ゼオライト、カオリナイト、ベントナイト、アルミナ、シリカゲル、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム、金属酸化物などの無機材料が例示され、リパーゼを例えば物理的吸着法により担持固定化する。固定化リパーゼは、反応終了後、反応液より濾取回収された後も充分な活性および反応の立体選択性を保持しているため、繰り返して再使用することができる。
上記リパーゼの市販品としては、シュードモナスフルオレッセンス由来のリパーゼAK、リパーゼP、リパーゼCES、シュードモナスセパシア由来のリパーゼPS、リパーゼAH(以上、いずれも天野製薬社製)、キャンジダシリンドラセ由来のリパーゼMY(名糖産業社製)が例示される。
第1、第2および第3の方法において、反応温度は通常は0℃から溶媒の沸点までの間であり、好ましくは0℃〜50℃、特に好ましくは室温付近、例えば10〜30℃である。
第1、第2および第3の方法において、反応時間は、一般的に反応温度を高めたり、基質濃度を上げたり、酵素量を増加させることによって適宜調整することができる。
第1、第2および第3の方法において、反応液中の基質(R,S)アルキンアルコールエステル[I][I′]の濃度は0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。また、酵素リパーゼの濃度は反応液中0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。酵素の使用量は、反応速度および攪拌効率の点から、基質に対して0.05〜50倍量(重量比)が好ましく、0.5〜30倍量がより好ましい。
第1、第2および第3の方法において、反応液には、(R,S)アルキンアルコールエステル[I][I′]の加アルコール分解または加水分解の反応生成物である光学活性アルキンアルコール[II]と、上記反応に関与しなかった残存光学活性アルキンアルコールのエステル[III][III′]とが共存する。第1の方法では、光学純度の高いアルキンアルコール[II]を得るには、反応率50%未満で反応を停止するのが好ましい。また、光学純度の高いアルキンアルコールのエステル[III][III′]を得るには、反応を反応率50%以上に進行させるのが好ましい。
第1、第2および第3の方法によって得られた光学活性アルキンアルコール[II]と、光学活性アルキンアルコールのエステル[III][III′]の分離は、一般的な分離方法、例えば蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィーまたはこれらの組合わせなどの通常の方法で行うことができる。また、光学活性アルキンアルコールのエステル[III][III′]は通常のアルカリ分解でアルコールに変換できる。このようにして、目的とする光学活性なアルキルアルコールのR体とS体を得ることができる。
第1、第2および第3の方法において、このようにして不斉加アルコール分解または不斉加水分解反応を行った後、酵素を通常の濾過操作などで簡単に反応液から除去することができ、そのまま再使用することができる。
つぎに、本発明方法を具体的に説明する。
第1の方法では、例えば、(R,S)アルキンアルコールのエステル[I]とリパーゼとエーテル系有機溶媒とアルコールとを攪拌下に反応に付す。第2および第3の方法では、例えば、(R,S)アルキンアルコールエステル[I′]を中性のないしは例えばpH7〜8の緩衝溶液に懸濁させ、第2方法では有機溶媒を、第3方法では必要に応じて有機溶媒を添加し、ついで第2方法ではリバーゼ、第3方法ではリパーゼとポリフェノール類を所定量加え、全体を攪拌して反応を行う。適当な反応率(出発物質エステル体のアルコール体へ転化した割合)で反応を停止し、反応液に適当な抽出用の有機溶媒を加え、反応生成物を抽出する。ついで、反応生成物から光学活性アルキンアルコール[II]と、光学活性アルキンアルコールのエステル[III][III′]を例えば蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィーなどの方法で分離する。
本発明の方法によれば、簡便な工程で、かつ比較的安価な触媒を用いて高収率で高光学純度で一方の光学活性アルキンアルコールおよび他方の光学活性アルキンアルコールエステルを合成することができる。
発明を実施するための最良の形態
つぎに、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれにより限定されるものではない。
なお、光学活性アルキンアルコール[II]と、光学活性アルキンアルコールのエステル[III],[III′]の分離は、カラムクロマトグラフィーによって行い、光学純度の分析は、CP−Chirasil−DEX CBキャピラリーカラム(CHROMPACK社製)を用いガスクロマトグラフィーによって行った。また、反応の進行度は上記キャピラリーカラムを用いてガスクロマトグラフで追跡し、アルコール体およびエステル体の面積から反応率を求めた。
実施例1
3−デカノイルオキシ−1−ブチン10mg(45μmol)、n−ブタノール10μl、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、およびジイソプロピルエーテル2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で24時間攪拌した。
反応率が63.7%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は99.0%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は56.5%eeであった。
実施例2
3−デカノイルオキシ−1−ブチン10mg(45μmol)、メタノール0.4ml、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、およびt−ブチルメチルエーテル1.6mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で72時間攪拌した。
反応率が58.2%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は95.9%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は68.8%eeであった。
実施例3
4−デカノイルオキシ−2−ペンチン10mg(42μmol)、メタノール10μl、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、およびジイソプロピルエーテル2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で24時間攪拌した。
反応率が55.4%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は92.2%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は72.8%eeであった。
実施例4
4−デカノイルオキシ−2−ペンチン10mg(42μmol)、メタノール10μl、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、およびt−ブチルメチルエーテル2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で24時間攪拌した。
反応率が56.2%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は93.1%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は72.5%eeであった。
実施例5
2−デカノイルオキシ−3−デシン10mg(32μmol)、メタノール10μl、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」20mg、およびジイソプロピルエーテル2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で36時間攪拌した。
反応率が57.7%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は95.9%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は70.2%eeであった。
実施例6
3−ベンゾイルオキシ−1−ブチン10.0mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、および10%アセトン−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で48時間攪拌した。
反応率が48.3%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は89.6%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は96.1%eeであった。
実施例7
3−ベンゾイルオキシ−1−ブチン10.0mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、および10%アセトニトリル−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で60時間攪拌した。
反応率が50.7%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は97.2%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は94.4%eeであった。
実施例8
4−トルイルオキシ−2−ペンチン11.5mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、および10%アセトン−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で60時間攪拌した。
反応率が50.1%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は95.6%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は95.3%eeであった。
実施例9
3−ベンゾイルオキシ−1−ブチン10.0mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、および5%テトラヒドロフラン−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で60時間攪拌した。
反応率が48.9%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は92.5%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は96.6%eeであった。
実施例10
3−ベンゾイルオキシ−1−ブチン10.0mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、および5%エタノール−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で72時間攪拌した。
反応率が50.9%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は96.6%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は93.1%eeであった。
実施例11
3−(p−メトキシベンゾイルオキシ)−1−ブチン11.6mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、および1%テトラヒドロフラン−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で60時間攪拌した。
反応率が50.8%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は97.2%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は94.1%eeであった。
実施例12
3−(p−クロロベンゾイルオキシ)−1−ブチン11.9mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、および10%テトラヒドロフラン−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で60時間攪拌した。
反応率が48.4%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は90.9%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は96.9%eeであった。
実施例13
3−ベンゾイルオキシ−1−ブチン10.0mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、(+)−カテキン5mg、およびリン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で48時間攪拌した。
反応率が44.8%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は78.9%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は97.4%eeであった。
実施例14
4−ベンゾイルオキシ−2−ペンチン10.7mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、(+)−カテキン5mg、およびリン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で60時間攪拌した。
反応率が51.0%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は97.7%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は93.8%eeであった。
実施例15
4−トリイルオキシ−2−ペンチン11.5mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、(+)−カテキン5mg、およびリン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で60時間攪拌した。
反応率が50.7%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は96.8%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は94.3%eeであった。
実施例16
3−ベンゾイルオキシ−1−ブチン10.0mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、(+)−カテキン10mg、および5%テトラヒドロフラン−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で65時間攪拌した。
反応率が49.7%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は95.2%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は96.5%eeであった。
実施例17
3−(p−メトキシベンゾイルオキシ)−1−ブチン11.6mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、(+)−カテキン5mg、および1%テトラヒドロフラン−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で65時間攪拌した。
反応率が51.4%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は99.0%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は93.8%eeであった。
実施例18
3−(p−クロロベンゾイルオキシ)−1−ブチン11.9mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、(+)−カテキン5mg、および10%テトラヒドロフラン−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で60時間攪拌した。
反応率が50.4%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は97.6%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は96.1%eeであった。
比較例1
溶媒を同量のn−ヘキサンに、反応時間を192時間にそれぞれ代えた点を除いて、実施例1と同様の操作を行った。
反応率が58.0%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は81.6%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は60.0%eeであった。
比較例2
3−デカノイルオキシ−1−ブチンを同量の3−アセチルオキシ−1−ブチンに、反応時間を40時間にそれぞれ代えた点を除いて、比較例1と同様の操作を行った。
反応率が56.6%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は63.8%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は48.9%eeであった。
比較例3
3−デカノイルオキシ−1−ブチンを同量の3−ブタノイルオキシ−1−ブチンに、反応時間を72時間にそれぞれ代えた点を除いて、比較例1と同様の操作を行った。
反応率が57.5%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は70.6%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は52.2%eeであった。
比較例4
3−デカノイルオキシ−1−ブチンを同量の3−アセチルオキシ−1−ブチンに、溶媒を同量のジイソプロピルエーテルに、反応時間を48時間にそれぞれ代えた点を除いて、比較例1と同様の操作を行った。
反応率が55.3%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は80.0%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は64.0%eeであった。
比較例5
3−ベンゾイルオキシ−1−ブチン10.0mg(57μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、およびリン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で48時間攪拌した。
反応率が68.0%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は40.1%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は18.7%eeであった。
比較例6
3−デカノイルオキシ−1−ブチン10.0mg(45μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、および10%アセトン−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で2時間攪拌した。
反応率が48.3%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は20.3%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は21.7%eeであった。
比較例7
3−デカノイルオキシ−1−ブチン10.0mg(45μmol)、リパーゼ(天野製薬社製「リパーゼAH」)20mg、(+)−カテキン5mg、および10%アセトン−リン酸緩衝液(pH=7.0)2mlをバイアル瓶に入れ、混合液を温度30℃で2時間攪拌した。
反応率が56.6%に達したことを確認した。このとき、反応液中にはS体のエステル体が残存しており、その光学純度は90.2%eeであった。また、反応液中にはR体のアルコール体が生成しており、その光学純度は69.3%eeであった。
産業上の利用可能性
本発明方法によって得られる一方の光学活性アルキンアルコールおよび他方の光学活性アルキンアルコールエステルは、医薬、農薬、生理活性物質などの光学活性化合物の合成原料ないしは合成中間体として重要な化合物である。
Claims (15)
- (補正後)一般式[I]
で表わされる(R,S)アルキンアルコールのエステルを、同エステルのR体とS体のいずれか一方を立体選択的に加アルコール分解し得るリパーゼの存在下に、エーテル系有機溶媒中で、アルコールと作用させて、
一般式[II]
で表わされる一方の光学活性アルキンアルコールを生成させると共に、
一般式[III]
で表わされる他方の光学活性アルキンアルコールのエステルを残存させることを特徴とする光学活性化合物の製造法。
(上記各式中、R1は水素原子または、置換基を有していてもよい直鎖状ないしは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、R3は置換基を有していてもよい直鎖状ないしは分枝状の炭素数9〜12のアルキル基をそれぞれ意味する) - R1が水素原子または非置換直鎖状のアルキル基である請求項1記載の製造法。
- (補正後)R3がn−ノニル基である請求項1または2記載の製造法。
- アルコールが炭素数1〜4の脂肪族アルコールである請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
- エーテル系有機溶媒がジイソプロピルエーテルおよび/またはt−ブチルメチルエーテルである請求項1〜4のいずれかに記載の製造法。
- 一般式[I′]
で表わされる(R,S)アルキンアルコールのエステルを、同エステルのR体とS体のいずれか一方を立体選択的に加水分解し得るリパーゼとポリフェノール類の存在下に、水中または水と有機溶媒の混合溶媒中で、水と作用させて、一般式[II]
で表わされる一方の光学活性アルキンアルコールを生成させると共に、
一般式[III′]
で表わされる他方の光学活性アルキンアルコールのエステルを残存させることを特徴とする光学活性化合物の製造法。
(上記各式中、R1は水素原子または、置換基を有していてもよい直鎖状ないしは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基、R2は置換基を有していてもよいアリール基をそれぞれ意味する) - R1が水素原子または非置換直鎖状のアルキル基である請求項6または7記載の製造法。
- R2がフェニル基である請求項6〜8のいずれかに記載の製造法。
- 有機溶媒がアセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールよりなる群から選ばれる溶媒もしくはその組合わせである請求項6〜9のいずれかに記載の製造法。
- ポリフェノール類が、水酸基を有するフラボノイド誘導体である請求項7〜10のいずれかに記載の製造法。
- ポリフェノール類が、水酸基を有するフラバン誘導体である請求項7〜10のいずれかに記載の製造法。
- 水酸基を有するフラバン誘導体がカテキン、ガロカテキン、エピカテキンおよびエピガロカテキンよりなる群から選ばれる物質もしくはその組合わせである請求項12記載の製造法。
- 水酸基を有するフラバン誘導体がカテキンである請求項13記載の製造法。
- リパーゼがシュードモナス属またはキャンジダ属に属する微生物に由来した酵素である請求項1〜14のいずれかに記載の製造法。
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