JP3555352B2 - 着色剤組成物およびその着色剤組成物を用いて成る成形物 - Google Patents

着色剤組成物およびその着色剤組成物を用いて成る成形物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂を着色成形加工する際に用いられる着色剤組成物に関し、詳しくはポリエステル成形品、特にポリエステルフィルム、シート等、薄膜の成形物や繊維の着色に適した分散性に優れる着色剤組成物に関する。更に詳しくは成形物の物性低下を引き越さない着色剤組成物、およびその着色剤組成物を用いてなる成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂を着色成形加工する際に用いられる着色剤組成物には、顔料と分散剤とを混合した粉末状のドライカラー、常温液状の分散剤中に顔料を分散させたリキッドカラーまたはペーストカラー、常温固体状の樹脂に顔料を高濃度に分散させてペレット状やフレーク状にしたマスターバッチ等がある。中でも、取り扱いの容易さ、および使用時の作業環境保全に優れるマスターバッチが用いられることが多い。
【0003】
従来からポリエステル樹脂は、その優れた機械的特性や寸法安定性、耐薬品性を生かし包装用、フイルム用途等多くの分野で利用されている。
また、酸化チタンは、優れた白さ・高隠蔽性・高着色力のため樹脂着色用白色顔料として多量に使用されている。
近年、係る優れた特性を有するポリエステル樹脂と優れた隠蔽性等を有する酸化チタンとを含有する着色剤組成物が、金属板ラミネートフイルム、クレジットカードやテレフォンカード用のフィルム、あるいは繊維等その他の種々の成形物に広く利用され、その利用範囲は益々広がっていく傾向にある。
【0004】
特に近年、フイルム等の成形物に対してつのる薄膜化・薄肉化の要求と、求められる隠蔽性とを共に満足するために、成形物中の酸化チタンの含有量を増加し(高濃度化)、成形物中の酸化チタンの分散性も向上する必要が生じてきた。
繊維用途に対しては、紡糸する際の糸切れ防止や紡糸機中のフィルターの目詰り頻度の低減、つまり酸価チタンの高分散性が要求されている。
成形物に対する係るこの要求に対応するために、成形物を得る際に使用される着色剤組成物にも同様の要求、すなわち着色剤組成物中に酸化チタンを分散性良く、高濃度に含有することが求められている。
【0005】
一方、ポリエステル樹脂を着色する際に使用する酸化チタンは、耐候性・分散性等を向上するために種々の表面処理が施されていることが一般的である。この表面処理は、無機処理(アルミナ、シリカ、チタニヤ、ジルコニヤ等)と、有機処理(ポリオール系、シリコン系)に大別される。上記のような処理によってポリエステル樹脂に対する酸化チタンの分散性は向上し、該酸化チタンを含有する成形物の耐候性も向上する。
【0006】
しかしながら、上記のような処理を施した酸化チタンであっても、一般に水分を有するものであり、係る水分によって、着色剤組成物中のポリエステル樹脂が加水分解を起こし、分子量が低下する。そして、係る分子量の低下したポリエステル樹脂を含有する着色剤組成物は、該着色剤組成物を用いて成る成形物の物性の低下を原因となる。特に着色剤組成物中に高濃度の酸化チタンを含有すると、ポリエステル樹脂の分子量低下が顕著になり、分子量低下の顕著なポリエステル樹脂を含有する着色剤組成物を用いると成形物の物性低下も顕著になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、酸化チタンを高濃度に含有する着色剤組成物であって、分散性に優れ、成形物の物性低下を引き起こさない着色剤組成物を提供することである。
【0009】
第1の発明は、酸化カルシウム換算又は酸化マグネシウム換算で0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩で処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物である。
【0010】
第2の発明は、酸化カルシウム換算又は酸化マグネシウム換算で0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩と0.05〜3.0重量%のシランカップリング剤とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物である。
【0012】
第3の発明は、酸化カルシウム換算又は酸化マグネシウム換算で0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩とアルミナ換算またはシリカ換算で0.01〜0.3重量%のアルミン酸塩又はケイ酸塩とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物である。
【0013】
第4の発明は、酸化カルシウム換算又は酸化マグネシウム換算で0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩とアルミナ換算またはシリカ換算で0.01〜0.3重量%のアルミン酸塩又はケイ酸塩と0.05〜3.0重量%のシランカップリング剤とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物である。
【0014】
第5の発明は、0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩で処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物である。
【0015】
第6の発明は、0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩と0.05〜3.0重量%のシランカップリング剤とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物である。
【0016】
第7の発明は、0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩と0.01〜0.3重量%のアルミン酸塩又はケイ酸塩とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物である。
【0017】
第8の発明は、0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩と0.01〜0.3重量%のアルミン酸塩又はケイ酸塩と0.05〜3.0重量%のシランカップリング剤とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物である。
【0018】
第9の発明は、カルシウム塩が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カルシウムから選ばれることを特徴とする第1の発明ないし第8の発明いずれか記載の着色剤組成物である。
【0019】
第10の発明は、マグネシウム塩が、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウムから選ばれることを特徴とする第1の発明ないし第8の発明いずれか記載の着色剤組成物である。
【0020】
第11の発明は、酸化チタンがアナターゼ型であることを特徴とする第1の発明ないし第10の発明いずれか記載の着色剤組成物である。
【0021】
第12の発明は、ポリエステル樹脂用の着色剤組成物であることを特徴とする第1の発明ないし第11の発明いずれか記載の着色剤組成物である。
【0022】
第13の発明は、第1の発明ないし第12の発明いずれか記載の着色剤組成物を用いて成る成形物である。
【0023】
第14の発明は、フィルムまたは繊維であることを特徴とする第13の発明記載の成形物である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるシランカップリング剤は、酸化チタン表面の水酸基と反応することにより該水酸基を固定し、酸化チタンを疎水化するために用いられるものものであるとともに、分散性を向上するために用いられるものであり、下記一般式(1)〜(4)に示す構造を有するもの、例えばメチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリアルコキシシランやジフェニルジアルコキシシランなどのフェニルアルコキシシラン、およびジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのジアルキルジアルコキシシラン等が挙げられる。
【0025】
【化1】
Figure 0003555352
【0026】
上記一般式の有機官能性基のうち、メチル基、アミノ基が好ましく、具体的にはジアルキルジアルコキシシランが好ましく、特にジメチルジメトキシシランが好ましい。
【0027】
酸化チタンは、係るシランカップリング剤を0.05〜3.0重量%含むものであり、好ましくは0.05〜1.0重量%、さらに好ましくは0.1〜0.5重量%、最も好ましくは0.1〜0.3重量%である。
3.0重量%を越えると、押出時にスリップを起こし材料の吐出が不安定になり、着色剤組成物を安定に製造できなくなる。特に該着色剤組成物を用いてフィルムを製造する場合は膜厚が不均一になったり、膜切れを起こし成形不能となる。
また、含有量が0.1重量%未満では、酸化チタンへの疎水化の効果が小さく、着色剤組成物製造後の経時での水分吸着が多くなり、従来と同様に該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の加水分解を促進し分子量低下を引き起こす原因となる。
【0028】
本発明において用いられるカルシウム塩又はマグネシウム塩は、上記のシランカップリング剤と同様に酸化チタン表面の水酸基と反応することにより該水酸基を固定し、酸化チタンを疎水化するために用いられるものである。
係るカルシウム塩又はマグネシウム塩としては、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
【0029】
含有量は、酸化カルシウム換算又は酸化マグネシウム換算で0.01〜0.5重量%である。含有量が0.01重量%未満だと、疎水化の効果が不十分であり、0.5重量%より多く含有しても、疎水化の効果は殆ど変わらなくなる。
【0030】
上記のようなカルシウム塩又はマグネシウムの塩の含有量は、0.01〜0.5重量%である。含有量が0.01重量%未満だと、疎水化の効果が不十分であり、0.5重量%より多く含有しても、疎水化の効果は殆ど変わらなくなる。
【0031】
本発明においては、酸化チタンの表面の水酸基を固定するために前記シランカップリング剤による処理とカルシウム塩やマグネシウム塩等による処理とを併用することができる。
【0032】
本発明においては、シランカップリング剤による処理やカルシウム塩等による処理、あるいはシランカップリング剤による処理とカルシウム塩等による処理との併用系に、さらにアルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩やケイ酸塩を用いてアルミナ、シリカ等の処理を併用することができる。
すなわち、酸化チタンをアルミン酸塩又はケイ酸塩等で処理した後、シランカップリング剤で処理しても良いし、酸化チタンをカルシウム塩等によって処理した後、アルミン酸塩又はケイ酸塩等で処理しても良いし、あるいは酸化チタンをカルシウム塩等によって処理した後、アルミン酸塩又はケイ酸塩等で処理し、さらにシランカップリング剤で処理しても良い。
【0033】
アルミナやシリカ等は、一般に結晶水を含有したり、水和しているものであり、水分の低減という観点からは極力低減することが好ましいものではあるが、隠蔽性の強く求められる分野においては、できるだけ少量のアルミナ又はシリカ等を含有することが好ましく、酸化チタンに対して0.3重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2重量%以下である。0.3重量%を越えると含水量が増え、ポリエステル樹脂の加水分解を促進し易い。
また、分散性に優れるという点ではアルミナの方が好ましい。
【0034】
本発明において用いられる酸化チタンは、平均粒径0.01〜1.0μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.40μm であり、0.15〜0.20μm であることが最も好ましい。ルチル型、アナターゼ型いずれであってもよいが、白色度の点からはアナターゼ型が好ましい。
【0035】
なお、シランカップリング剤等の有機処理剤による処理、アルミナ等の無機処理剤による処理、いずれの処理もおこなわれていない場合は、酸化チタンの分散が極めて悪く、着色樹脂成型物中に凝集物が発生したり、成形機のスクリーンメッシュの目詰まりをひきおこす。
【0036】
本発明で使用するポリエステル樹脂は、従来公知の樹脂である。
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸、又は、そのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール等の如きグリコールとを縮重合させて得ることのできるポリエステルである。代表的なものとしてポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートが挙げられる。これらのポリエステル樹脂は、複数種のカルボン酸成分と複数種のジオール成分とを組み合わせたものであっても良い。
【0037】
本発明の着色剤組成物は、前記の酸化チタンとポリエステル樹脂とを2/8〜8/2の割合で配合すれば良く、5/5〜7/3であることが好ましく、種々の混合機や分散機や混練機を用いて酸化チタンとポリエステル樹脂とを加熱混練すれば良い。
また、本発明の着色剤組成物は、ペレット状やフレーク状のマスターバッチであることが好ましい。
【0038】
本発明の着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度は、該ポリエステル樹脂の劣化(加水分解)の状態を示すものである。
酸化チタンとポリエステル樹脂とを含有し、加熱混練して成る着色剤組成物を適当な溶媒を用いて、着色剤組成物中のポリエステル樹脂を溶解せしめ、酸化チタンを分離してなる、濃度の異なるポリエステル樹脂溶液を複数用いて、各樹脂溶液の粘度を求め、定法に従い、粘度/濃度の値を濃度に対してプロットし、濃度0に補外して求めた値である。
極限粘度保持率とは、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度の、該着色剤組成物に用いられるポリエステル樹脂(ブランク)の極限粘度に対する比であって、係る値が大きいほど、つまり該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度がブランクの極限粘度に近いほど、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂は劣化していない。
【0039】
【実施例】
実施例1〜11、比較例1〜2
ホモポリエチレンテレフタレート((η)=0.630)50重量%、アナターゼ型酸化チタン(表1.に示す各処理を施したもの)50重量%を溶融混練機にて、溶融混練し、ペレット状の着色剤組成物(マスターバッチ)を得、得られたマスターバッチ中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率を下記の方法に従って求めた。
実施例7はホモポリエチレンテレフタレート30重量%、表1記載のアナターゼ型酸化チタン70重量%、実施例8はホモポリエチレンテレフタレート70重量%、表1記載のアナターゼ型酸化チタン30重量%、とした以外は全て実施例6と同様にした。
また、得られたマスターバッチの分散性等を評価すると共に、得られたマスターバッチを用いて、フィルム、および繊維を作成し、その物性等を評価した。
結果を表1に示す。
【0040】
[極限粘度(η)]および[極限粘度(η)保持率]
極限粘度(η)は、ポリエステル樹脂をそれぞれ0.1g、0.3g、0.5gを含有するマスターバッチを、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを用いて、マスターバッチ中のポリエステル樹脂を溶解し、酸化チタンを遠心分離によって除去した後の各ポリエステル樹脂溶液の30℃における粘度を測定し、定法に従い、求めた。
なお、ブランクの場合は、マスターバッチの代わりに、ポリエステル樹脂そのものを用い、遠心分離による酸化チタンの除去を経ない以外は、上記と同様にして極限粘度を求めた。
極限粘度保持率は、マスターバッチ中のポリエステル樹脂の極限粘度/ブランクの極限粘度である。
【0041】
[分散性評価方法]
ラボプラストミル単軸押出機20mm( 東洋精機 製) の出口の40/80/120/500 と順次メッシュの細かくなるスクリーンを装着し、50rpm,押出温度300 ℃にて、低密度ポリエチレン(比重0.916,MFR 9.0/10min )とマスターバッチを1:1 に配合したペレットを通し、通し始めた時の初期圧力(P1)を求め、前記1:1 に配合したペレットを所定量( 該ペレット中に酸化チタンを200g含有する量) を通過させた時の終了圧力(P2)を求める。この圧力差ΔP=P2−P1 が小さい程酸化チタンの分散性が良好であることを示す。
【0042】
[フィルム製膜方法]
得られたマスターバッチ40重量部、ホモポリエチレンテレフタレート((η)=0.630)60重量を混合し、270〜300℃で溶融押出し、200μのシートを得た。該シートを90℃で同時二軸延伸し、20μのフィルムを作成した。
フィルムの成膜状態と、得られたフィルムの平滑性を評価した。
【0043】
[フィルムの成膜状態]
○:破断しないで円滑にフィルムを作成できた。
△:ときどき破断する。
×:頻繁に破断する。
【0044】
[フィルムの平滑性]:目視評価。
○:均一で滑らかである。
△:若干ブツが生じる。
×:著しくブツが生じる。
【0045】
なお、実施例10、11においては得られたフィルムについて、測色機(クラボウ製)を用いて、各波長における透過率を測定したところ、表2のようになった。透過率が大きいほど隠蔽性が悪い。
【0046】
[紡糸方法]
得られたマスターバッチ10重量部、ホモポリエチレンテレフタレート((η=0.633)100重量部を混合し、縦型テスト紡糸機(富士フィルター製スピニングテスター)にて紡糸、4倍延伸後140℃にて熱処理を行い、3.00デニールの繊維を作成した。防止する際の糸切れ性を評価した。
【0047】
[糸切れ性]
○:糸切れしないで円滑に紡糸できた。
△:ときどき糸切れが生じる。
×:頻繁に糸切れする。
【0048】
【表1】
Figure 0003555352
【0049】
【表2】
Figure 0003555352
【0050】
【発明の効果】
本発明の着色剤組成物を使用することによって、高分散かつ物性低下の少ないポリエステル着色成形物を得ることができる。特にフィルム、シートなどの成形品にとっては極めて高い分散性が要求されると同時に物性維持も要求されるため本発明の着色剤組成物は極めて有用である。

Claims (14)

  1. 酸化カルシウム換算又は酸化マグネシウム換算で0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩で処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物。
  2. 酸化カルシウム換算又は酸化マグネシウム換算で0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩と0.05〜3.0重量%のシランカップリング剤とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物。
  3. 酸化カルシウム換算又は酸化マグネシウム換算で0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩とアルミナ換算またはシリカ換算で0.01〜0.3重量%のアルミン酸塩又はケイ酸塩とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物。
  4. 酸化カルシウム換算又は酸化マグネシウム換算で0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩とアルミナ換算またはシリカ換算で0.01〜0.3重量%のアルミン酸塩又はケイ酸塩と0.05〜3.0重量%のシランカップリング剤とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物。
  5. 0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩で処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物。
  6. 0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩と0.05〜3.0重量%のシランカップリング剤とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物。
  7. 0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩と0.01〜0.3重量%のアルミン酸塩又はケイ酸塩とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物。
  8. 0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマグネシウム塩と0.01〜0.3重量%のアルミン酸塩又はケイ酸塩と0.05〜3.0重量%のシランカップリング剤とで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上であることを特徴とする着色剤組成物。
  9. カルシウム塩が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カルシウムから選ばれることを特徴とする請求項1ないし請求項8いずれか記載の着色剤組成物。
  10. マグネシウム塩が、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウムから選ばれることを特徴とする請求項1ないし請求項8いずれか記載の着色剤組成物。
  11. 酸化チタンがアナターゼ型であることを特徴とする請求項1ないし10いずれか記載の着色剤組成物。
  12. ポリエステル樹脂用の着色剤組成物であることを特徴とする請求項1ないし11いずれか記載の着色剤組成物。
  13. 請求項1ないし請求項12いずれか記載の着色剤組成物を用いて成る成形物。
  14. フィルムまたは繊維であることを特徴とする請求項13記載の成形物。
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