JP2005290137A - 二酸化チタン顔料及びそれを含む樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリカーボネート樹脂組成物に高濃度で配合しても、ポリカーボネート樹脂の変色や分子量低下が抑制され、しかもシルバーストリークが生じ難い二酸化チタン顔料及びこれを配合した樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】二酸化チタン粒子の表面に下記式1で表されるオルガノポリシロキサンの被覆層を有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物用の二酸化チタン顔料である。
式1:(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)n(SiOHCH3)mSiO(CH3)3
[n、mは0.8≦m/n≦1.2を満たす整数である。]
また、前記オルガノポリシロキサンの被覆層を有する二酸化チタン顔料及びポリカーボネート樹脂とを含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】二酸化チタン粒子の表面に下記式1で表されるオルガノポリシロキサンの被覆層を有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物用の二酸化チタン顔料である。
式1:(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)n(SiOHCH3)mSiO(CH3)3
[n、mは0.8≦m/n≦1.2を満たす整数である。]
また、前記オルガノポリシロキサンの被覆層を有する二酸化チタン顔料及びポリカーボネート樹脂とを含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物用の二酸化チタン顔料及びそれを含む樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性、耐熱性、電気特性、透明性が優れ、加工精度が高いので、機械部品、電気・電子機器の部品やハウジング、医療器具、光学部品等に用いられている。これらのポリカーボネート樹脂組成物には隠蔽性を求められるものも多く、通常、可視光の屈折率が高い二酸化チタン顔料が配合されている。ポリカーボネート樹脂は一般的に溶融温度が高いので、二酸化チタン顔料をポリカーボネート樹脂に配合しようとすると、高温度で加工する必要がある。ところが、二酸化チタンは本来、親水性で吸湿性が高いため、高温度で加工する際に、二酸化チタン顔料から揮発した吸湿水分とポリカーボネート樹脂との加水分解反応を生じ、樹脂組成物が黄味がかった色調に変色したり、分子量が低下して強度が損なわれている。
この現象に対処するため、例えば、二酸化チタン顔料を配合したポリカーボネート樹脂組成物において、ポリカーボネート樹脂にメチル水素ポリシロキサンや、下記式2で表されるジメチルシロキサンとメチル水素シロキサンとの共重合体を混合する技術(特許文献1参照)が知られている。また、ポリカーボネート樹脂組成物に配合する針状二酸化チタンに、メチル水素ポリシロキサン等のポリオルガノ水素シロキサンを被覆する技術(特許文献2参照)も知られている。
式2:(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)x(SiOHCH3)ySiO(CH3)3
[x=103、y=22、又はx=17.5、y=3.2]
式2:(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)x(SiOHCH3)ySiO(CH3)3
[x=103、y=22、又はx=17.5、y=3.2]
しかし、特許文献1記載の共重合体は、耐変色性や分子量低下の抑制効果が不十分であった。また、同文献及び特許文献2記載のメチル水素ポリシロキサンでは、耐変色性、分子量低下には効果が認められるものの、二酸化チタン顔料を高濃度で配合した場合に、樹脂組成物の表面に筋状の模様が発生するという問題がある。この現象はシルバーストリークと呼ばれ、樹脂組成物の商品価値を大きく損ねている。
本発明はポリカーボネート樹脂組成物に高濃度で配合しても、ポリカーボネート樹脂の変色や分子量低下が抑制され、しかもシルバーストリークが生じ難い二酸化チタン顔料及びこれを配合した樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ジメチルシロキサンとメチル水素シロキサンとを特定の重合比で共重合させた共重合体を二酸化チタン顔料の表面に被覆すれば、ポリカーボネート樹脂における耐変色性が優れ、組成物の強度等の特性も損ねず、耐シルバーストリーク性が向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、二酸化チタン粒子の表面に下記式1で表されるオルガノポリシロキサンの被覆層を有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物用の二酸化チタン顔料である。
式1:(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)n(SiOHCH3)mSiO(CH3)3
[n、mは0.8≦m/n≦1.2を満たす整数である。]
式1:(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)n(SiOHCH3)mSiO(CH3)3
[n、mは0.8≦m/n≦1.2を満たす整数である。]
本発明の二酸化チタン顔料は、高濃度で配合しても変色がほとんど生じず、強度が高く、シルバーストリークのような表面欠陥がほとんどないポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物用の二酸化チタン顔料であって、二酸化チタン粒子の表面に下記式1で表されるポリオルガノシロキサンの被覆層を有することを特徴とする。オルガノ水素ポリシロキサンは、その水素基と二酸化チタン顔料が表面に有する水酸基と水素結合し、水酸基を封止するので、二酸化チタン顔料を疎水化する効果が高いと言われている。このため、二酸化チタンの吸着水分量を抑制することができ、高温度で加工してもポリカーボネート樹脂の加水分解が生じ難く、得られた樹脂組成物はほとんど黄色に変色することがなく、ポリカーボネート樹脂本来の特性が損なわれることもない。しかし、一方で、オルガノ水素ポリシロキサンの水素基は二酸化チタン顔料の水酸基と結合しないと、高温度下では水素ガスとなって脱離し易く、このため、オルガノ水素ポリシロキサンで被覆した二酸化チタン顔料を高濃度で配合すると、加工時に樹脂組成物の表面から揮発した水素ガスがシルバーストリークを発生させると推測される。本発明では、式1に示すジメチルシロキサンに対しメチル水素シロキサンを略同量で共重合させた共重合体を二酸化チタン顔料に被覆することで、二酸化チタン顔料の疎水性を向上させると共に、水素基の脱離を抑制し、耐シルバーストリーク性を向上させている。
式1:(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)n(SiOHCH3)mSiO(CH3)3
[n、mは0.8≦m/n≦1.2を満たす整数である。]
式1:(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)n(SiOHCH3)mSiO(CH3)3
[n、mは0.8≦m/n≦1.2を満たす整数である。]
本発明においては、ジメチルシロキサンとメチル水素シロキサンとを前記範囲の重合比で共重合させた共重合体を用いることが重要であり、例えば、添加量の比がこの範囲になるようにジメチルポリシロキサンとメチル水素ポリシロキサンとを各々二酸化チタン顔料に処理しても、おそらくは、優先的にメチル水素ポリシロキサンが二酸化チタン顔料に被覆されるため、本発明の効果は得られない。また、特許文献1には下記式2で表される共重合体を含むポリカーボネート樹脂組成物が開示されているものの、二酸化チタン顔料に被覆することは示唆されていない。かりに、式2の共重合体を二酸化チタン顔料に被覆しても、このようなジメチルシロキサンの重合量が多いものでは二酸化チタン顔料との結合が弱いので、十分に疎水化されず、本発明の効果は得られない。
式2:(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)x(SiOHCH3)ySiO(CH3)3
[x=103、y=22、又はx=17.5、y=3.2]
式2:(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)x(SiOHCH3)ySiO(CH3)3
[x=103、y=22、又はx=17.5、y=3.2]
本発明で用いるオルガノポリシロキサンとしては、上記式1中のn、mが50≦n+m≦300を満たす共重合体が好ましい。n+mがこの範囲より小さいと、分子量が小さくなり過ぎるので、緻密なオルガノポリシロキサンの被覆が形成され難く、大きいと分子量が大きくなり過ぎ、オルガノポリシロキサンと二酸化チタン顔料とが接触し難く、水酸基の封止が困難になり、本発明の効果が得られ難い。より好ましいオルガノポリシロキサンは、m/n=1でn+m=100(即ち、n=50、m=50)のものである。オルガノポリシロキサンの被覆量は、二酸化チタン顔料に対して0.5〜5重量%の範囲が好ましく、1〜3重量%の範囲がより好ましい。
本発明の二酸化チタン顔料は、0.1〜0.4μmの範囲の平均粒子径(電子顕微鏡写真法)を有するものが好ましく、0.1〜0.25μmの範囲にあれば更に好ましい。その結晶形はアナタ−ゼ型、ルチル型のいずれでもよく、両者の混合物であってもよく、本発明の目的が損なわれない範囲で、非晶質の二酸化チタンが一部に含まれていてもよい。二酸化チタン顔料は、例えば、硫酸チタン溶液を加水分解するいわゆる硫酸法によって得ても、あるいはハロゲン化チタンを気相酸化するいわゆる塩素法によって得てもよく、特に制限は無い。
本発明では前記オルガノポリシロキサン以外にも、耐候性、耐光性等の付与、生産性の向上等、所望する特性に応じ、二酸化チタン顔料の表面に各種の無機化合物や有機化合物が被覆されていてもよい。例えば、そのような無機化合物として、当分野において公知のアルミニウム、ケイ素、スズ、ジルコニウム、アンチモン等の酸化物、あるいはリン酸アルミニウム等それらのリン酸塩等が挙げられ、それらを混合物として被覆したり積層する等して2種以上組合せて被覆してもよい。なお、本発明で無機化合物として用いる酸化物には、通常の酸化物の他に、水和酸化物や水酸化物も包含される。また、有機化合物としては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等のポリオール類、トリエチルアミン等のアルカノールアミン類またはその誘導体等が挙げられる。
二酸化チタン顔料は触媒活性が高く、有機系樹脂成分の劣化を促進する性質を有するので、ポリカーボネート樹脂組成物の耐久性を損なわないように、本発明では二酸化チタン粒子として特に予めその表面にアルミニウム酸化物及び/又はケイ素酸化物の被覆層を有する二酸化チタン粒子を用いることが好ましい。アルミニウム酸化物及び/又はケイ素酸化物の被覆層を有する二酸化チタン粒子を得るには、アルミニウム酸化物とケイ素酸化物を、それぞれを単独で被覆しても、これらを混合物として、あるいは積層して被覆してもよい。アルミニウム酸化物とケイ素酸化物を積層する場合、被覆順序は制限を受けないが、アルミニウム酸化物を外郭に被覆すると、酸化チタン顔料の製造工程において、脱水、乾燥、粉砕などの操作が容易となるので好ましい。アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物は、二酸化チタン顔料には、通常、水和酸化物(又は水酸化物)として被覆されるので、揮発水分量を低減させるために、その被覆量は耐久性が得られる範囲で可能な限り少なくするのが好ましい。具体的には、アルミニウム酸化物の被覆量は二酸化チタン顔料に対し、Al2O3として0.05〜5重量%の範囲が好ましく、0.5〜2.5重量%の範囲が更に好ましく、ケイ素酸化物の被覆量は、SiO2として0.05〜5重量%の範囲が好ましく、0.2〜2重量%の範囲が更に好ましい。
二酸化チタン顔料に前記式1で表されるオルガノポリシロキサンを被覆するには、流体エネルギー粉砕機、衝撃粉砕機等の乾式粉砕機や、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機を用い、二酸化チタン粒子と前記オルガノポリシロキサンとを攪拌混合する。流体エネルギー粉砕機等の乾式粉砕機を用いると、二酸化チタン顔料を粉砕しながらオルガノポリシロキサンをより均一に被覆でき、しかも粉砕工程と被覆工程を同時に実施することで製造工程も合理化されるため好ましい。流体エネルギー粉砕機のなかでもジェットミルのような旋回式の装置を用いると、粉砕効率が良く、混合性にも優れているため、より一層好ましい。
前記オルガノポリシロキサンを被覆する前に、予めアルミニウム酸化物及びケイ素酸化物を二酸化チタン粒子に被覆するには、下記のような公知の方法を用いることができる。例えば、(1)二酸化チタン粒子を分散させた水性スラリーに、ケイ素化合物の水溶液を添加し、酸性化合物または塩基性化合物の水溶液を用いてpHを4〜9に調整した後、更に、アルミニウム化合物の水溶液を添加し、酸性化合物または塩基性化合物の水溶液を用いてpHを4〜9に調整する、(2)二酸化チタン粒子の水性スラリーに、酸性化合物または塩基性化合物の水溶液を添加して前記範囲のpHを維持しながら、ケイ素化合物の水溶液を該スラリー中に添加した後、同様にアルミニウム化合物の水溶液を添加する、などの方法が挙げられる。アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物の被覆を行った後は、必要に応じて濾別、洗浄、乾燥を行ってもよい。
水性スラリー中の二酸化チタン粒子の固形分濃度は、50〜800g/リットルの範囲であり、好ましくは100〜500g/リットルの範囲である。800g/リットルより濃度が高いと、水性スラリーの粘度が高くなり過ぎ、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物の均一な被覆が困難になる。また、50g/リットルより低いと、工業上の操作性が低下する。アルミニウム化合物としてはアルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム等が、ケイ素化合物としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられる。
アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物を被覆する際、pHの調整に用いる酸性化合物としては硫酸、塩酸等の無機酸、または酢酸、ギ酸等の有機酸が、塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の公知の化合物を用いることができる。
次の本発明はポリカーボネート樹脂組成物であって、前記オルガノポリシロキサンの被覆層を有する二酸化チタン顔料及びポリカーボネート樹脂とを含むことを特徴とする。本発明の樹脂組成物はシルバーストリークのような加工不良がほとんど無く、優れた強度と白色度を有する。このため、機械部品、電気・電子機器の部品やハウジング、自動車部材等の成形品に有用である。また、本発明はこのような成形品ばかりでなく、マスターバッチ、カラーペレット等の中間品にも適用でき、特に高顔料濃度での耐シルバーストリーク性が優れているので、マスターバッチに有用である。二酸化チタン顔料とポリカーボネート樹脂との配合割合は特に制限されないが、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、通常は二酸化チタン顔料が1〜80の範囲、更に好ましくは1〜60重量部の範囲であり、マスターバッチであれば、10〜900重量部の範囲、更に好ましくは50〜500重量部の範囲である。また、用途に応じて当業者に公知のガラス繊維等の補強材や、安定剤、分散剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤等の種々の添加剤を加えてもよく、本発明の効果を損なわない範囲でポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、エラストマー等のポリカーボーネート樹脂以外の樹脂成分を加え、アーロイ化して用いることもできる。
本発明の樹脂組成物は、溶融したポリカーボネート樹脂に前記オルガノポリシロキサンで被覆された二酸化チタン顔料を混練機を用いて配合して得られる。混練機としては、一般的に使用されるものでよく、例えば一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー等のインテンシブルミキサー、ロール成形機等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例は単に例示にために記するものであり、本発明の範囲がこれによって制限されるものではない。
実施例1
(ケイ素酸化物及びアルミニウム酸化物の被覆)
平均粒子径が0.2μmのルチル型二酸化チタン粒子を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/リットルの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらケイ酸ナトリウムをSiO2として二酸化チタン粒子の重量に対して1%添加し、次いで硫酸でpHを約5に中和しケイ素酸化物を被覆し、引き続き、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl2O3として二酸化チタン粒子の重量に対して2%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和しアルミニウム酸化物を被覆した。その後、濾別、洗浄し、120℃で16時間乾燥し、ジェットミルで粉砕してケイ素酸化物及びアルミニウム酸化物で被覆した二酸化チタン粒子(試料a)を得た。
(ケイ素酸化物及びアルミニウム酸化物の被覆)
平均粒子径が0.2μmのルチル型二酸化チタン粒子を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/リットルの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらケイ酸ナトリウムをSiO2として二酸化チタン粒子の重量に対して1%添加し、次いで硫酸でpHを約5に中和しケイ素酸化物を被覆し、引き続き、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl2O3として二酸化チタン粒子の重量に対して2%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和しアルミニウム酸化物を被覆した。その後、濾別、洗浄し、120℃で16時間乾燥し、ジェットミルで粉砕してケイ素酸化物及びアルミニウム酸化物で被覆した二酸化チタン粒子(試料a)を得た。
(オルガノポリシロキサンの被覆)
上記の試料aを、ヘンシェルミキサーを用い、1800rpmで攪拌しながら、二酸化チタン粒子に対して式1のn及びmがn=50、m=50であるオルガノポリシロキサン(KF−9901:信越化学工業株式会社製)を2重量%を添加して二酸化チタン粒子表面に被覆した。得られた二酸化チタン顔料を試料Aとする。
上記の試料aを、ヘンシェルミキサーを用い、1800rpmで攪拌しながら、二酸化チタン粒子に対して式1のn及びmがn=50、m=50であるオルガノポリシロキサン(KF−9901:信越化学工業株式会社製)を2重量%を添加して二酸化チタン粒子表面に被覆した。得られた二酸化チタン顔料を試料Aとする。
実施例2
(ケイ素酸化物及びアルミニウム酸化物の被覆)
実施例1において、ケイ素酸化物の被覆量をSiO2として二酸化チタン粒子の重量に対して0.5%、アルミニウム酸化物の被覆量を0.5%とした以外は実施例1と同様にして、ケイ素酸化物及びアルミニウム酸化物で被覆した二酸化チタン粒子(試料b)を得た。
(ケイ素酸化物及びアルミニウム酸化物の被覆)
実施例1において、ケイ素酸化物の被覆量をSiO2として二酸化チタン粒子の重量に対して0.5%、アルミニウム酸化物の被覆量を0.5%とした以外は実施例1と同様にして、ケイ素酸化物及びアルミニウム酸化物で被覆した二酸化チタン粒子(試料b)を得た。
(オルガノポリシロキサンの被覆)
二酸化チタン粒子として試料aに代えて試料bを用いたこと以外は実施例1と同様に処理して本発明の二酸化チタン顔料を得た。これを、試料Bとする。
二酸化チタン粒子として試料aに代えて試料bを用いたこと以外は実施例1と同様に処理して本発明の二酸化チタン顔料を得た。これを、試料Bとする。
比較例1〜4
実施例1におけるオルガノポリシロキサンの被覆を、メチル水素ポリシロキサン(KF−99:信越化学工業株式会社製)2重量%(比較例1)、ジメチルポリシロキサン(KF−96:信越化学工業(株)製)2重量%(比較例2)、メチル水素ポリシロキサン(同上)1重量%及びジメチルポリシロキサン(同上)1重量%(比較例3)、(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)75(SiOHCH3)25SiO(CH3)3のジメチルポリシロキサン−メチル水素シロキサン共重合体2重量%(比較例4)としたこと以外は実施例1と同様に処理して比較試料の二酸化チタン顔料を得た。それぞれを、試料C〜Fとする。
実施例1におけるオルガノポリシロキサンの被覆を、メチル水素ポリシロキサン(KF−99:信越化学工業株式会社製)2重量%(比較例1)、ジメチルポリシロキサン(KF−96:信越化学工業(株)製)2重量%(比較例2)、メチル水素ポリシロキサン(同上)1重量%及びジメチルポリシロキサン(同上)1重量%(比較例3)、(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)75(SiOHCH3)25SiO(CH3)3のジメチルポリシロキサン−メチル水素シロキサン共重合体2重量%(比較例4)としたこと以外は実施例1と同様に処理して比較試料の二酸化チタン顔料を得た。それぞれを、試料C〜Fとする。
比較例5〜7
比較例1〜3において、二酸化チタン粒子として試料aに代えて試料bを用いたこと以外は比較例1〜3と同様に処理して比較試料の二酸化チタン顔料を得た。、得られた比較試料それぞれを、試料G〜Iとする。
比較例1〜3において、二酸化チタン粒子として試料aに代えて試料bを用いたこと以外は比較例1〜3と同様に処理して比較試料の二酸化チタン顔料を得た。、得られた比較試料それぞれを、試料G〜Iとする。
評価1(耐シルバーストリーク性、白色度)
実施例1、2及び比較例1〜7で得られた試料A〜I各々40gとポリカーボネート樹脂(ユーピロンS−2000:三菱ガス化学株式会社製)400gとをポリエチレン製の袋に入れ5分間ハンドブレンドした。このものを二軸押出機(池貝(株)製:PCM−30型)を用いて樹脂温度を300℃に設定し、7分間かけて溶融押し出し、排出側に装着したTダイから出てくる溶融物を、シートロールを用いて厚さ約0.8mmのシートに成形した。成形したシート表面の状態を目視で観察し、耐シルバーストリーク性の優劣を判定した。判定基準は以下のとおりである。また、シートのYI値(イエローインデックス)を、カラーコンピューター(SM−7型:スガ試験機製)を用いて計測した。YI値が小さい程、黄色への変色が小さく、耐変色性が優れている。
判定◎:シルバーストリークが全く認められない。
判定○:シルバーストリークがわずかに認められる。
判定△:シルバーストリークが一部に認められる。
判定×:シルバーストリークが全体に認められる。
実施例1、2及び比較例1〜7で得られた試料A〜I各々40gとポリカーボネート樹脂(ユーピロンS−2000:三菱ガス化学株式会社製)400gとをポリエチレン製の袋に入れ5分間ハンドブレンドした。このものを二軸押出機(池貝(株)製:PCM−30型)を用いて樹脂温度を300℃に設定し、7分間かけて溶融押し出し、排出側に装着したTダイから出てくる溶融物を、シートロールを用いて厚さ約0.8mmのシートに成形した。成形したシート表面の状態を目視で観察し、耐シルバーストリーク性の優劣を判定した。判定基準は以下のとおりである。また、シートのYI値(イエローインデックス)を、カラーコンピューター(SM−7型:スガ試験機製)を用いて計測した。YI値が小さい程、黄色への変色が小さく、耐変色性が優れている。
判定◎:シルバーストリークが全く認められない。
判定○:シルバーストリークがわずかに認められる。
判定△:シルバーストリークが一部に認められる。
判定×:シルバーストリークが全体に認められる。
評価2(カールフィッシャー水分)
実施例1、2及び比較例1〜7で得られた試料A〜Iを、温度25℃、相対湿度55%の恒温恒湿度下で24時間放置し、平衡状態にした後、その試料1gをカールフィッシャー水分測定装置及びそれに付属した水分気化装置(いずれも三菱化学株式会社製)を用いて100℃及び300℃のカールフィッシャー水分を測定し、その差(Δ300−100)を算出した。Δ300−100の値が小さい程、実際にポリカーボネート樹脂を成形する際の揮発水分量が小さいと考えられる。
実施例1、2及び比較例1〜7で得られた試料A〜Iを、温度25℃、相対湿度55%の恒温恒湿度下で24時間放置し、平衡状態にした後、その試料1gをカールフィッシャー水分測定装置及びそれに付属した水分気化装置(いずれも三菱化学株式会社製)を用いて100℃及び300℃のカールフィッシャー水分を測定し、その差(Δ300−100)を算出した。Δ300−100の値が小さい程、実際にポリカーボネート樹脂を成形する際の揮発水分量が小さいと考えられる。
以上の評価結果を、表1に示す。本発明の二酸化チタン顔料は、揮発水分が少なく、ポリカーボネート樹脂系における耐変色性と耐シルバーストリーク性とが優れていることが判る。
本発明の二酸化チタン顔料は、ポリカーボネート樹脂組成物に有用であり、この樹脂組成物は、機械部品、電気・電子機器の部品やハウジング、自動車部材等として用いるのに適している。
Claims (5)
- 二酸化チタン粒子の表面に下記式1で表されるオルガノポリシロキサンの被覆層を有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物用の二酸化チタン顔料。
式1:(CH3)3SiO(SiO(CH3)2)n(SiOHCH3)mSiO(CH3)3
[n、mは0.8≦m/n≦1.2を満たす整数である。] - 式1中のn、mが50≦n+m≦300を満たす整数であることを特徴とする請求項1記載の二酸化チタン顔料。
- 前記オルガノポリシロキサンの被覆量が二酸化チタンに対し0.5〜5重量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の二酸化チタン顔料。
- 二酸化チタン粒子が、予めその表面にアルミニウム酸化物及び/又はケイ素酸化物の被覆層を有することを特徴とする請求項1記載の二酸化チタン顔料。
- 請求項1記載の二酸化チタン顔料及びポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
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