JP3550531B2 - ポンプ式ディスペンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プランジャの往復動を利用して液体を吸入、吐出するポンプ式ディスペンサに関する。
【0002】
【背景技術】
液体のディスペンサ(液体吐出装置)としては、従来、シリンジに詰めた液を短時間空気で加圧して押し出す方式や、液体を加圧しておいて短時間バルブを開ける方式などが主流であった。
しかし、これらの方式では、吐出量の精度があまり高くなく、かつ微量吐出も難しいため、これらの要求を満たすポンプ式のディスペンサが増えてきた。
【0003】
ポンプ式ディスペンサとしては、回転量に比例するギヤポンプ、粘性ポンプ、ネジポンプ、自動弁を用いたポジロードポンプなど制御の容易なポンプ式ディスペンサが利用されている。これらのディスペンサは、ポンプ方式以外のディスペンサに比べれば精度も高くなっていたが、医薬品の分析装置等に用いられる極微量吐出ディスペンサや、半導体製造ラインなどにおいてICチップなどを接着する接着剤を吐出するためのディスペンサ等に求められるような、さらなる精度向上、微量吐出の要求には必ずしも応えることができない場合があった。
【0004】
このような高精度でかつ微量吐出の用途には、制御は多少難しくなるが、高精度を実現できる強制弁プランジャポンプ方式のディスペンサが利用されている。このようなディスペンサとしては下記のものが知られている。
【0005】
(1)Dカットプランジャポンプ
先端を塞ぎ、両サイドに吸入吐出のポートを設けたプランジャバレルに、回転してバルブの切替を行うDカットプランジャポンプを組み合わせてポンプにしたものである。ディスペンサとしては、僅かな漏れが生じる点と、滞留部分が避けられない点、構造上、数マイクロリットルから数ナノリットルなどの極微量の吐出が難しい点などの短所の他はシンプルで優れた方式である。
(2)回転バルブ式プランジャポンプ
平面バルブ、円筒バルブとプランジャとを独立に設け、組み合わせてポンプにする方式である。バルブとプランジャとが別々のため、滞留部分が多くなるというデメリットがある。
【0006】
(3)円筒プランジャポンプ
本出願人が出願した特開平2−55878号公報や特開平2−230975号公報に記載されたように、平面バルブ、円筒バルブ、プランジャを同心円状に配置して一体化することで、上記(1)、(2)の方式に比べ、滞留部分を極めて小さくして精度を著しく向上させたポンプである。但し、シール構造が複雑になるため、液中ポンプ構造を避けることは困難である。
【0007】
(4)平面バルブプランジャポンプ
上記(3)は吐出精度は大幅に向上できたが、シール構造が複雑になるという問題があった。このため、本出願人は、さらに特開平9−324743号公報に記載されたように、2つの平面バルブとプランジャとを一体化することで、上記(1)、(2)の方式に比べ、滞留部分を極めて小さくして精度を著しく向上させるとともに、シール構造を簡略化できる平面バルブプランジャポンプ式のディスペンサを開発した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特開平9−324743号公報に記載された平面バルブプランジャポンプ式ディスペンサでは、速度(一回の吐出時間)を上げることが難しく、かつ耐久性の点で問題があった。
すなわち、前記ディスペンサでは、クラッチを設けて、プランジャが挿入されるポンプブロックを回転させたり、停止させて、吸入動作や吐出動作時には、プランジャが挿入される孔を吸入孔や吐出孔に一致させた状態で停止できるように構成していた。このため、吐出動作の1サイクルで、回転および停止を2回ずつ行わなければならず、その分、1サイクルの動作時間の短縮に限界があった。
【0009】
また、前記ディスペンサでは、ボールネジを用いて、ポンプブロックに対するプランジャの進退移動を行っていたため、動作時間の短縮が難しくかつその短縮を行うと耐久性が低下するという問題があった。すなわち、吐出時間を短縮するには、このボールネジを高速で進退移動させる必要があるが、ボールネジはこのような短い距離の往復移動を高速で行うことが難しく、かつ摩耗が激しくなって耐久性が低下するという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、1回毎の吐出量の変動が少なくて精度を高くでき、耐久性に優れ、高速動作も可能なポンプ式ディスペンサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のポンプ式ディスペンサは、摺接面を有するバルブブロックと、前記バルブブロックの摺接面に当接可能な摺接面を有するポンプブロックと、このポンプブロックの軸方向に沿って穿設された1本のプランジャ挿入孔に軸方向摺動自在に挿入されたプランジャと、前記ポンプブロックと共に回転可能にかつ前記ポンプブロックに対してプランジャと共に進退可能に支持されたポンプ駆動軸と、このポンプ駆動軸を1回転単位で制御可能に回転駆動する回転駆動手段と、前記ポンプ駆動軸を前記バルブブロックに向かって進退動させる進退駆動手段とを備え、前記バルブブロックには、前記摺接面に形成された吐出開口と前記摺接面に対向する外面側に形成された吐出口とを連通する吐出ポートと、前記摺接面に形成された吸入開口と液体の供給側に開口された供給口とを連通する吸入ポートとが設けられ、前記ポンプブロックのプランジャ挿入孔は、前記バルブブロックの吐出開口および吸入開口に連通可能な位置に軸方向に沿って穿設され、前記進退駆動手段は、前記ポンプ駆動軸に取り付けられた従動部と、前記ポンプ駆動軸の軸方向に直交する基準面に対して傾斜角度調整可能に設けられ、かつ前記ポンプ駆動軸の回転に伴い移動する従動部を案内してポンプ駆動軸を進退駆動させるガイド部材とで構成され、前記ガイド部材の一端側は、ケースに固定された固定軸に対して回動自在に軸支されているとともに、前記ガイド部材の他端側をポンプ駆動軸の軸方向に移動させてガイド部材の前記基準面に対する傾斜角度を調整可能な吐出量設定手段を有し、前記吐出量設定手段は、前記ガイド部材の他端側を、固定軸と同じ基準面に位置する状態から、固定軸に対してポンプブロックから離れる方向にのみ移動可能に設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
このような本発明では、ポンプ駆動軸を回転かつ進退駆動させるにあたって、ボールネジを用いずに、ガイド部材および従動部からなるカム方式を採用したため、高速回転つまりは高速吐出が可能になり、耐久性も向上できる。
また、1本のプランジャ挿入孔およびプランジャのみを設けたので、ポンプ駆動軸つまりはポンプブロックの1回転により、1回の吐出動作が行われるため、1回毎の吐出動作が同一になり、1回毎の吐出量の精度も向上する。
【0013】
さらに、ガイド部材の傾斜角度を調整すれば、吐出量はその傾斜角度に比例して調整できるため、カムを用いた場合に比べて、吐出量の調整、変更が容易になり、汎用性の高いディスペンサにすることができる。
【0015】
また、前記ガイド部材の一端側は、ケースに固定された固定軸に対して回動自在に軸支されているとともに、前記ガイド部材の他端側をポンプ駆動軸の軸方向に移動させてガイド部材の前記基準面に対する傾斜角度を調整可能な吐出量設定手段を有するため、吐出量設定手段によってガイド部材の他端側をポンプ駆動軸の軸方向に移動させるだけで、ガイド部材の傾斜角度を調整でき、吐出量を容易に調整できる。
【0017】
また、前記吐出量設定手段は、前記ガイド部材の他端側を、固定軸と同じ基準面に位置する状態から、固定軸に対してポンプブロックから離れる方向にのみ移動可能としているので、従動軸が固定軸に近接した状態、つまり、ポンプ駆動軸つまりはプランジャが最もバルブブロック側に近接する状態の位置を固定できる。このため、この状態の位置を、プランジャ先端がポンプブロックのプランジャ挿入孔の端面位置に略揃うようにしておけば、プランジャがバルブブロック側に最も移動した際のデッドスペースを小さくでき、プランジャ挿入孔内での液体の滞留を防止することができる。その上、ガイド部材を傾斜させた際のストローク量の調整範囲を最も広くでき、吐出量の調整範囲を大きくすることができる。

【0018】
ここで、前記吐出量設定手段はマイクロメータを備えて構成され、前記ガイド部材の他端側はマイロクメータのスピンドルの進退移動に連動して移動されるように構成されていることが好ましい。
マイクロメータを用いれば、吐出量の設定をマイクロメータの目盛りを利用して行うことができ、その設定作業を容易にかつ高精度に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施例のディスペンサ1の正面図が示されている。ディスペンサ1は、駆動機構を内蔵する駆動部2およびポンプ部3を備えて構成されている。
【0020】
駆動部2は、図2にも示すように、複数の板材やブロック材でボックス状に形成されたボディ10と、このボディ10に固定されたモータ11とを備えている。このモータ11は、サーボモータやステッピングモータなどが用いられ、後述する回転位置検出センサ17や、サーボモータ内に内蔵されるエンコーダ等の位置検出センサを用いて1回転毎に制御が可能なモータが用いられる。
【0021】
モータ11の出力軸には、略円筒状に形成された回転連動部材12が固定されている。この回転連動部材12には、図4に示すように、1カ所に切欠き12Bが設けられたフランジ12Aが形成され、このフランジ12A部分に配置された回転位置検出センサ17により、前記切欠き12Bが回転位置検出センサ17部分を通過することで、回転連動部材12つまりはモータ11の1回転を検出できるようにされている。
また、回転連動部材12の下方部分(先端部分)の周面には、図4にも示すように、3つのローラ13が軸支されている。このローラ13は、回転連動部材12の周面に中心角が120度間隔で配置されている。
【0022】
この回転連動部材12、モータ11の軸線上には、ボディ10に対して回動自在に支持されたポンプ駆動軸60が配置されている。ポンプ駆動軸60は、図2,3に示すように、駆動部2からポンプ部3まで延長されており、かつ駆動部2部分に配置される駆動部側駆動軸60Aと、ポンプ部3部分に配置されるポンプ部側駆動軸60Bとに分離可能に形成されている。
これにより、ポンプ部3を洗浄する場合等、ポンプ部3を駆動部2から取り外す際に、ポンプ部側駆動軸60Bもポンプ部3と一緒に取り外すことができる。
【0023】
駆動部側駆動軸60Aの上端(モータ11側)には、略円筒状に形成され、前記ローラ13がガイドされる3つのガイド溝15Aが形成された回転伝道部材15が固定されている。
この回転伝道部材15のガイド溝15A内に前記ローラ13が配置されていることにより、ポンプ駆動軸60は、回転連動部材12つまりモータ11に対してその軸方向に進退可能(上下動可能)に、かつモータ11の回転力はそのまま伝達されて回転連動部材12と共に回転するように構成されている。
【0024】
ボディ10には、図5にも示すように、駆動部側駆動軸60Aに隣接し、かつ軸60Aに直交する固定軸21が取り付けられている。この固定軸21には、略角板状に形成されたガイド部材20が回動自在に支持されている。
ガイド部材20には、図6にも示すように、ポンプ駆動軸60が嵌挿可能な貫通孔22と、U字状の切り欠き23とが形成されている。そして、ガイド部材20の下面(ポンプ部3側の面)において、貫通孔22の周囲には断面が半円状で貫通孔22の周囲にリング状(円形状)に配置されたローラガイド24が一体に形成されている。また、前記切り欠き23部分には、固定軸21と平行な当接軸25が取り付けられている。
【0025】
当接軸25の上面側には、当接部材82が当接している。この当接部材82は、当接軸25に当接される本体およびこの本体に螺合されたネジで構成され、このネジの上面には、ボディ10に固定されたマイロクメータ80のスピンドル81が当接されている。
一方、当接軸25の下面側には、ボディ10内に配置された付勢手段であるコイルばね85によって上方(モータ11側)に付勢される付勢部材86が当接されている。
【0026】
従って、当接軸25は、付勢部材86によって常時上方に付勢され、前記マイロクメータ80の操作摘みを回動してスピンドル81を進退(上下動)させて当接部材82を上下動させると、その移動に連動して当接軸25も上下動し、その結果、ガイド部材20が固定軸21を支点に回動して傾斜角度を調整できるようにされている。
このため、本実施形態では、前記マイロクメータ80、当接部材82、コイルばね85、付勢部材86により、吐出量設定手段が構成されている。
【0027】
なお、本実施形態では、ガイド部材20をポンプ駆動軸60に対して直交、つまりポンプ駆動軸60が垂直方向に沿って配置されていればガイド部材20が水平な状態の時に、付勢部材86の下端がボディ10に当接するように設定されている。このため、ガイド部材20は、固定軸21と当接軸25とが同じ高さ位置、つまり水平な状態から、当接軸25が固定軸21よりも上方に位置する状態、つまり当接軸25側が上方に移動してガイド部材20が傾斜されるように構成されている。
また、当接部材82のネジの螺合位置を変えることで、ガイド部材20が水平な状態の時に、前記マイロクメータ80の目盛りが「0」(基準位置)になるように、当接部材82の寸法が調整している。
【0028】
ガイド部材20のローラガイド24には、駆動部側駆動軸60Aに固定された従動部であるローラ65が当接されている。このローラ65は、後述するコイルばね(付勢手段)56でポンプ駆動軸60が上方(モータ11側)に付勢されることで、ローラガイド24に常時当接されている。
従って、モータ11およびポンプ駆動軸60が回転すると、ローラガイド24に沿ってローラ65が移動する。この際、ガイド部材20が水平な状態であれば、ポンプ駆動軸60は上下動しないが、前記マイロクメータ80を操作してガイド部材20が傾斜されていれば、ローラガイド24に沿ってローラ65が上下動し、その動きに連動してポンプ駆動軸60も回転しながら上下動する。
【0029】
ポンプ部3は、図3に示すように、駆動部2のボディ10にビス止めされた円筒状の連結部材5に袋ナット31によって着脱可能に取り付けられた容器(ケース)30を備えている。
なお、連結部材5は前記ポンプ部側駆動軸60Bを回動自在に支持している。また、連結部材5と容器(ケース)30との連結部分には、シール材が介在されており、容器30内の液体7が駆動部2側や外部に漏れ出さないようにされている。
また、容器30は、ステンレス、フッ素樹脂、チタン等で構成されてほぼ円筒状に形成されている。
【0030】
容器30の下端部には、ステンレス製のバルブブロック35がビス止めされている。
バルブブロック35は、図7〜9にも示すように、断面凸状の段付き円板状に形成され、容器30の内部に面する平滑な摺接面38と、この摺接面38に連続して形成されて容器30内に露出するテーパ面39および側面39Aとを備えている。
さらに、バルブブロック35には、摺接面38に形成された吐出開口40から軸方向に貫通された吐出ポート41と、摺接面38からテーパ面39、側面39Aにかけて形成された溝状の吸入ポート42とが形成されている。
なお、吐出開口40は、吐出ポート41の直径よりも大きくされている。また、吸入ポート42の摺接面38に形成された開口部分によって吸入開口43が形成されている。
【0031】
バルブブロック35の下面には、吐出針46を有する吐出ノズル45がビス止めされており、吐出ポート41から吐出された液体7が吐出ノズル45を介して吐出針46から吐出されるようになっている。
また、容器30の側面には、容器30内に吐出液を供給する液注入ポート30Aと、空気抜きやドレン用に設けられたドレンポート30Bとが容器30の下部および上部に形成されている。
【0032】
容器30内には、バルブブロック35に隣接して全体がほぼ円筒状に形成されたポンプブロック50が配置されている。
このポンプブロック50の下端には前記バルブブロック35の摺接面38に摺接する平滑な摺接面51が形成されている。
なお、本実施形態では、ポンプブロック50は、ポリアミドイミドなどのスーパーエンジニアリングプラスチックやセラミックで構成され、バルブブロック35はステンレスで構成されている。また、前記摺接面38は、ダイヤモンドライクカーボン膜でコーティングされており、摺接面51と摺接した際のシール性と摺動性とを共に満足し、かつ耐久性に優れた構造となっている。
【0033】
ポンプ駆動軸60の下端に形成された大径部61には、図8に示すように、2本の回転伝達ロッド62が係合固定されている。すなわち、大径部61の外周面には、大径部61の軸方向に2本の係合溝63が形成されており、円周方向に1本の係合溝64が形成されている。そして、回転伝達ロッド62にも係合溝64に合わせた溝62Aが形成されており、回転伝達ロッド62の上端部を各係合溝63に配置し、前記係合溝64と溝62Aとにバネ性を有するCリング66等の係止部材を係合させることで、各回転伝達ロッド62は大径部61に対して着脱可能に固定されている。
【0034】
ポンプブロック50の上端には、前記2本の回転伝達ロッド62が係合される係合溝52が形成されている。これにより、ポンプ駆動軸60が回転すると回転伝達ロッド62、係合溝52を介してポンプブロック50が回転するように構成されている。
また、この回転伝達ロッド62の下端には、ピン62Bが軸直交方向に突設されており、ポンプブロック50の側面切り欠き部分の範囲内でポンプブロック50に対して回転伝達ロッド62が上下動できるようにされている。
【0035】
また、ポンプブロック50には、図7に示すように、ポンプブロック50を貫通して1本のプランジャ挿入孔53が形成されている。このプランジャ挿入孔53は、ポンプブロック50の回転に伴い、前記バルブブロック35の吐出開口40および吸入開口43に連通可能な位置に形成されている。
【0036】
前記プランジャ挿入孔53にはプランジャ55が挿入され、このプランジャ55およびポンプブロック50間には付勢手段であるコイルばね56が介装されている。このコイルばね56により、プランジャ55は常時ポンプ駆動軸60の大径部61に当接されるとともに、ポンプブロック50はバルブブロック35側に付勢され、バルブブロック35の摺接面38とポンプブロック50の摺接面51とが所定の圧力で摺接するようになっている。
なお、プランジャ55の前記プランジャ挿入孔53に挿入されている部分の直径は適宜設定できる。例えば、最も細くした場合には、約0.3〜0.8mm程度にまで細くできる。一方、太くする場合には、特に制限はなく、吐出量に応じて設定すればよい。
さらに、コイルばね56は、プランジャ55を介してポンプ駆動軸60を常時上方に付勢しており、これにより、ローラ65もガイド部材20のローラガイド24に常時当接されている。
【0037】
次に、本実施形態の作用について図11,12をも参照して説明する。なお、図11(A)、図11(B)、図12(C)、図12(D)の各図において、左側の図は、上からガイド部材20部分の断面図、ポンプブロック50およびバルブブロック35部分の断面図、バルブブロック35の上面とプランジャ挿入孔53との位置関係を示す模式図であり、右側の図はポンプブロック50およびバルブブロック35部分の左側の断面図に対して側面方向(90度異なる位置)で断面とした図である。
【0038】
まず、容器30内に液体7を供給しておく。この液体7の供給は、容器30を取り外して液体7を入れて再度取り付けてもよいし、液注入ポート30Aからチューブなどを介して供給してもよい。
【0039】
また、予めマイロクメータ80を操作してガイド部材20を傾斜させて、吐出量を設定しておく。本実施形態では、吐出量は、プランジャ55のストローク量に比例して変化する。このストローク量は、ローラ65の上下移動量つまりガイド部材20のローラガイド24の下端位置から上端位置までの高さ寸法によって設定される。このローラガイド24の上下位置の高さ寸法は、ガイド部材20の傾斜角度に比例し、この傾斜角度は当接部材82の位置つまりマイロクメータ80のスピンドル81の位置で設定される。
従って、予め、マイロクメータ80の1目盛り当たりの吐出量を計測しておけば、所望の吐出量に相当する目盛りを算出できるため、マイロクメータ80を操作して目盛りを合わせておくだけで、吐出量の調整が行える。
【0040】
また、本実施形態では、図11(A)の状態を原点としている。原点状態では、プランジャ挿入孔53が吸入開口43に連通している。また、プランジャ55は、下方ストロークエンド(ローラ65がガイド部材20の固定軸21に最も近接する位置)から上方のストロークエンド(ローラ65が当接軸25に最も近接する位置)に移動する中間位置(上下ストロークエンドの中間位置)に移動した状態にある。
【0041】
この原点状態において、スタートボタンを押すことなどでスタート信号が入力されると、モータ11が作動されて回転連動部材12が回転される。この回転連動部材12の回転は、回転伝道部材15、ポンプ駆動軸60、回転伝達ロッド62を介してポンプブロック50に伝達され、ポンプブロック50をバルブブロック35と摺接させた状態のまま回転させる。
この回転に伴い、プランジャ55は徐々に上昇し、プランジャ挿入孔53が吸入開口43から外れるまで、プランジャ挿入孔53内に吸入ポート42から液7が吸引される。
【0042】
そして、図11(B)に示すように、プランジャ55が上方ストロークエンドの位置まで移動した時点では、プランジャ挿入孔53は吸入開口43から吐出開口40に移動する中間位置にあり、これらの各開口43,40と完全に隔離された状態になるため、プランジャ挿入孔53内に吸引された液7も他の液から区画される。
【0043】
さらに、モータ11による回転が続き、図12(C)に示すように、プランジャ55が上方ストロークエンドから下方ストロークエンドの中間位置に移動した時点では、プランジャ挿入孔53は吐出開口40と連通する位置に移動し、プランジャ55は下方に移動し続ける。そして、この移動に伴いプランジャ挿入孔53内の液体7が吐出ポート41を介して吐出針46から吐出される。
【0044】
なお、この液体7の吐出は、吐出開口40にプランジャ挿入孔53の一部分が連通し始めてから、吐出開口40から外れるまで、つまり図12(C)の状態の手前からその後まで続く。
【0045】
そして、ポンプブロック50が回転し続けることで、プランジャ挿入孔53が吐出開口40から外れると、液体7の吐出が停止する。
その後、図12(D)に示すように、プランジャ55が下方ストロークエンドの位置まで移動した時点では、プランジャ挿入孔53は吐出開口40および吸入開口43の中間位置に移動し、これらの各開口43,40と完全に隔離された状態になる。
【0046】
さらに、ポンプブロック50が回転し続けると、プランジャ55は上昇し、吸入開口43にプランジャ挿入孔53が連通した時点から、プランジャ55の上昇に伴い液体7がプランジャ挿入孔53内に吸引される。
そして、図11(A)の状態に戻ると、この回転位置は、回転位置検出センサ17によって検出されるため、モータ11が停止される。
以下、前述の各動作を繰り返すことで、所定量の液体7が順次吐出される。なお、図11(A)から図11(B)、図12(C)、図12(D)を経て図11(A)に戻るまで、つまりモータ11が1回転するまでは連続して動作し、図11(B)、図12(C)、図12(D)の各状態で停止することはない。
【0047】
なお、前述のように、本実施形態では、モータ11および回転位置検出センサ17によって、ポンプ駆動軸60を1回転毎制御できる。このため、本実施形態では、モータ11、回転連動部材12、回転位置検出センサ17により、ポンプ駆動軸を1回転単位で回転駆動する回転駆動手段が構成されている。
さらに、ガイド部材20、従動部であるローラ65、ローラ65をガイド部材20のローラガイド24に当接させるコイルばね56によって進退駆動手段が構成されている。
【0048】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)ガイド部材20およびローラ65を設け、モータ11によるポンプ駆動軸60の回転動作に伴いポンプ駆動軸60が上下動するように構成したので、ボールネジ等やクラッチを用いた場合に比べて、高速回転を実現できる。つまり、ポンプ駆動軸60やプランジャ55は、回転運動に伴う加速度変化の滑らかな上下動になるため、高速回転が可能であり、よって、液体の吐出動作の高速化を容易に実現できる。
【0049】
(2)さらに、吐出開口40や吸入開口43をプランジャ挿入孔53よりも大きな面積にしたので、これらの各開口40,43部分をプランジャ挿入孔53が移動している間、吸入動作や吐出動作を続けることができる。このため、吸入時あるいは吐出時にポンプブロック50の回転を停止させる必要が無く、ポンプブロック50を回転させたまま、吸入や吐出動作を実現できるため、より一層の高速回転を容易に実現できる。
従って、ポンプブロック50の1回転つまり1回の吐出動作を0.1秒以下で行うこともでき、半導体製造関連の製造ラインなどのような、毎秒10回以上の吐出速度が求められる場合であっても、十分に対応することができる。
【0050】
(3)さらに、ポンプ駆動軸60を上下動させる機構としてガイド部材20およびローラ65を用いて実現しており、ボールねじを利用する必要がないため、耐久性能を高くでき、部品交換サイクルも長期間化できて、維持管理も容易にできる。
【0051】
(4)また、バルブブロック35に対してポンプブロック50を摺接させた状態で回転し、摺接面38に形成された吐出開口40、吸入開口43の切替を行う平面バルブプランジャポンプ方式を採用しているので、プランジャ55は、プランジャ挿入孔53内を進退移動するだけでよい。従って、Dカットプランジャポンプのように、それ自身の回転で切替を行う必要がなく、プランジャ55の直径を非常に細くできる。このため、プランジャ55の直径とそのストロークで設定される液体7の吐出量を非常に小さくでき、数マイクロリットルさらには数ナノリットルといった極微量の液体吐出を容易に実現できる。
【0052】
(5)さらに、プランジャ55つまりプランジャ挿入孔53を1本しか形成していないため、各摺接面38、51において、プランジャ挿入孔53、各開口40,43が形成されていない平面部分の面積を大きく確保できる。このため、各摺接面38、51が互いに摺接することによるシール性能を向上でき、吸入開口43および吐出開口40間を確実にシールすることができる。
その上、平面部分の面積が大きいため、プランジャ挿入孔53を吸入開口43から吐出開口40に移動させる間に、プランジャ挿入孔53を各開口40,43から確実に隔離でき、吐出精度を向上できる。
さらに、1本のプランジャ挿入孔53およびプランジャ55のみを設けたので、ポンプ駆動軸60つまりはポンプブロック50の1回転によって1回の吐出動作が行われるため、1回毎の吐出動作が同一になり、1回毎の吐出量の精度も向上できる。
【0053】
(6)また、マイロクメータ80を操作してガイド部材20の傾斜角度を変えるだけで、吐出量を調整できるため、吐出量を容易に調整することができる。このため、カムを利用した場合に比べて、容易に吐出量を調整でき、さらにはディスペンサ1の動作中であっても調整が可能であり、汎用性の高いディスペンサ1にすることができる。
その上、吐出量は、ガイド部材20の傾斜角度つまりマイロクメータ80の目盛りに比例しているため、マイロクメータ80の目盛りによって吐出量を正確にかつ確実に調整できる。
さらに、ガイド部材20においては、ローラガイド24部分の変化量(高さ方向の変化量)に対して、当接軸25部分の変化量が比例して拡大されるため、マイロクメータ80の操作量に対するローラガイド24部分の移動量が小さくなり、その分、吐出量の微調整を容易に行うことができる。
【0054】
(7)また、マイロクメータ80や付勢部材86によって、ガイド部材20は、固定軸21と当接軸25とが同じ高さ位置つまり水平な状態から、当接軸25が固定軸21よりも上方に位置する状態つまり当接軸25側が上方に移動してガイド部材20が傾斜されるように構成されているので、プランジャ55の下方ストロークエンドの位置を一定にすることができる。このため、プランジャ55の下方ストロークエンドの位置を、プランジャ挿入孔53の下端開口近傍に設定すれば、プランジャ55が下方ストロークエンドに移動した際のプランジャ挿入孔53内のデッドスペースを小さくでき、プランジャ挿入孔53内での液体7の滞留を防止することができる。その上、ガイド部材20の傾斜角度で変化するプランジャ55の上方ストロークエンドの調整範囲をほぼプランジャ挿入孔53の全範囲(下端から上端まで)確保でき、吐出量の調整範囲を大きくすることができる。
【0055】
(8)摺接面51にダイヤモンドライクカーボン膜をコーティングしているので、摺接面38、51のシール性能、摺動性を向上でき、平面バルブの性能を大幅に向上することができる。
【0056】
(9)図11(A)に示す停止状態では、プランジャ挿入孔53は、吸入開口43に連通しており、吐出開口40は摺接面51によって塞がれているため、液漏れの発生を防止することができる。
【0057】
(10)液7が入れられる容器30内にバルブブロック35、ポンプブロック50、プランジャ55等を配置したので、仮にプランジャ挿入孔53およびプランジャ55の摺動面から液7が漏れても、それらの液7は容器30内に戻るだけであり、ポンプ部3の外部や駆動部2側に液体7が漏れることがない。
このため、ポンプ部3に摺動面からの液漏れを防止するためのOリング等のシール材を設ける必要がなく、構造を簡単にできかつコストも低減することができて安価に提供することができる。その上、シール材が不要であるから、シール材を設けた場合に定期的に必要となるシール材の交換作業を無くすことができる。
【0058】
(11)さらに、プランジャ挿入孔53部分に気泡などが混入した場合でも、その気泡はプランジャ挿入孔53およびプランジャ55の摺動面を通して容器30側に排出され、プランジャ挿入孔53内に留まることがないため、プランジャ挿入孔53内に区画された液体7に気泡が含まれることによる吐出量のバラツキを防止することができ、その分、極微量の液体7を吐出する場合であっても、精度を高めることができる。
なお、プランジャ挿入孔53およびプランジャ55の摺動面にシールが設けられていないことから、液体7も僅かながらその摺動面から漏れる可能性があるが、吐出動作がポンプブロック50を1回転させて1回の吐出動作を行うことを繰り返すものであり、液体7の漏れ量も1回毎の吐出動作で一定しているため、1回毎の吐出量も一定にでき、十分に精度を確保できる。
さらに、液体7の吸入時に発生する気泡や、気泡を内在する液体7を吐出する場合に、仮にプランジャ挿入孔53に気泡が溜まっても、その気泡はプランジャ挿入孔53の上方に集まり、プランジャ55の摺動時にプランジャ55およびプランジャ挿入孔53の摺動面を漏れ出す液体7によって押し上げられてプランジャ挿入孔53の上端から排出でき、この点でも、プランジャ挿入孔53内に気泡が溜まることを防止できて、吐出量の精度向上を実現できる。
【0059】
(12)ポンプブロック50をバルブブロック35に当接させるための押圧ばねと、ローラ65をローラガイド24に当接させるための押圧ばねを、1つのコイルばね56で兼用しているため、部品点数を少なくでき、コストを低減できる。
【0060】
(13)ポンプ部3に容器30を設け、この容器30に液体7を入れてあるため、液体7の移送距離を短くでき、高粘度の液7であっても加圧手段を設けることなく、プランジャ挿入孔53に確実に供給することができる。その上、液体7の移送距離が短いため、吸入効率も向上することができる。
また、容器30を着脱して液7を補充する場合には、圧送ポンプのような移送手段が不要なため、構造が簡易となり、ディスペンサ1を安価に提供できる。
【0061】
(14)さらに、極微量の液体7を吐出する場合等のように容器30の容積に対して吐出量が少ない場合には、容器30に液7を満たせば、半日あるいは1日分の吐出量を確保できるため、容器30を着脱して液7を補充する場合であっても、作業性や生産性が低下することもない。なお、液7の補充時期は、液面計を設けたり、一定時間当たりの吐出量から補充サイクルを設定することなどで容易に管理することができる。
【0062】
(15)また、仮に容器30に、液7を貯蔵するタンクから圧送ポンプ等を用いて液7を移送する手段を設けたとしても、容器30に液7が一旦貯められるため加圧された液7の圧力を減圧することができる。このため、圧送ポンプを用いていてもポンプ部3における圧力を低くでき、加圧による液漏れも防止することができる。
【0063】
(16)ペーストのように高粘度の液7は、ポンプ部3と吐出ポート41とが離れていると液7の吐出に遅れが生じるが、本実施形態によれば、液7を吐出するプランジャ55と吐出ポート41や吐出針46とが極めて近いので、液7の吐出の遅れを防止できる。
【0064】
(17)沸点が低く気化しやすいアルコール等の溶剤は、従来のポンプではポンプ内への吸入時あるいはチェック弁通過時等、流れが複雑になる時に泡が発生しやすく、この泡が溜まってしまい液7が吐出されない場合があるが、本実施形態によればポンプ部3と吐出ポート41とが極めて近いうえ、比較的大きな開口である吸入ポート42から液を吸入できて液7の吸入面積を広くでき、液7を円滑に流入することができて流れも複雑とならないので、吸入負圧を小さくできて泡が発生することもなく、液7を正常に吐出することができる。従って、気化しやすい液体7の吐出にも利用することができる。
また、仮に泡が発生しても、泡は液7に比べて比重が軽いから容器30内の上方に移動する。このため、容器30の最下端部に設けられたポンプブロック50やバルブブロック35部分には泡が残らず、常に泡の含まれない液7を吐出することができる。さらに、ポンプブロック50やバルブブロック35が容器30の最下端部に形成されているので、容器30の最も底の部分から液体7を吸入し、吐出することができるので、残液を少なくでき、沈殿物の堆積も防止できる。
【0065】
(18)バルブブロック35の吐出ポート41および吸入ポート42は、軸直交方向の端面で摺接する摺接面38,51によりシールされるから、この部分においてもOリング等のゴム製品を必要とすることなく、十分にシール可能である。従って、シール材の変形による吐出量の変動を無くすことができ、極微量の液7であっても高精度の吐出が行える。
【0066】
(19)また、液体7の1回の吐出動作毎の吐出量は、マイロクメータ80でガイド部材20の傾斜角度を調整するだけで簡単に調整でき、かつ吐出速度はモータ11の回転速度を制御するだけで簡単に調整することができ、取り扱い性も向上することができる。
さらに、プランジャ55の移動によって液7を吸入、吐出しているので、空気圧などによって液を吐出するタイプのポンプに比べて吐出量の精度を向上でき、極微量の液7でも正確に吐出することができる。
【0067】
(20)ポンプ部3の液7に接する容器30やバルブブロック35、ポンプブロック50等をステンレスやセラミックス等の耐薬品性等に優れた材質で形成することができるので、各種の吐出液7を取り扱うことができる。また、ポンプ部3と駆動部2とが分かれているため、ポンプ部3のみに単価の高いステンレスやセラミックスを用いることもでき、耐薬品性のディスペンサ1であっても低価格で提供することができる。
【0068】
(21)また、ポンプ部3の容器30は、袋ナット31を外すことで駆動部2から容易に分離することができる。従って、ポンプ部3のみを洗浄できてメンテナンスも容易に行うことができ、吐出液7の種類を変更する場合などでも、簡単に行うことができる。
その上、Cリング66を取り外せば、ポンプ駆動軸60から回転伝達ロッド62、ポンプブロック50、プランジャ55等も容易に分解できるため、洗浄やメンテナンス作業を容易にでき、かつ組立性も向上できる。
また、ポンプ駆動軸60も駆動部側駆動軸60A、ポンプ部側駆動軸60Bに分割可能なため、連結部材5を取り外せば、ポンプ部側駆動軸60Bを駆動部2から容易に取り外すことができ、洗浄や組立等も容易に行うことができる。
【0069】
(22)従来、ポンプブロック50の回転動作とプランジャ55の進退動作のように、異なる2つの動作を行う場合には、2つのステッピングモータを用いることが一般的であり、このため駆動部2の小型化が難しく、コストも高いという問題があった。しかし、本実施形態では、ガイド部材20およびローラ65を設けることで、ポンプブロック50の回転動作とプランジャ55の進退動作とを実現でき、モータ11も1つでよいため、ディスペンサ1を小型化でき、かつ安価に提供することができる。
その上、カムを用いて上下動させる場合には、プランジャ55の上下ストロークを変えるために、異なるカムを組み込まなければならず、ストロークの異なるディスペンサ1を複数用意したり、ディスペンサ1を分解してカムを交換しなければならない。これに対し、本実施形態では、傾斜角度調整可能なガイド部材20を設けたので、ストロークの調整も容易にでき、コストを低減できる。
【0070】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲の変形は本発明に含まれるものである。
例えば、ガイド部材20としては、前記実施形態のものに限らず、例えば、図13に示すように、ローラガイド24を円形ではなく、下方ストロークエンドおよび上方ストロークエンドとなる部分、つまり固定軸21に近接する部分と、当接軸25に近接する部分とに、これらの軸と平行となる平行部24Aを設けたローラガイド24を利用してもよい。この平行部24Aを有するローラガイド24を備えたガイド部材20を用いれば、ローラ65がこの平行部24A部分を移動する時つまり吐出動作と吸入動作との切替時であり、プランジャ挿入孔53が摺接面38で塞がれている時に、プランジャ55が下方ストロークエンド位置や上方ストロークエンド位置で停止して上下動しないため、より動作を安定させることができる。
【0071】
また、前記実施形態では、容器30内に液体7を供給していたが、図14に示すように、液体7が入れられる容器90を別途設け、この容器90から液供給路91、バルブブロック35に形成された吸入ポート42を介して摺接面38に開口する吸入開口43まで液体7を供給する通路を形成したものを用いてもよい。なお、この場合には、ケース30内にプランジャ挿入孔53から液体7が漏れないように、プランジャ55およびプランジャ挿入孔53の摺動面にシール材92が介在されている。このシール材92を介在させるために、ポンプブロック50は上ブロック50Aおよび下ブロック50Bに2分割されており、ピン94によって回り止めされて連結されている。
このように容器90を別体とすれば、容器90を容易に交換でき、容器90入りで販売されているような高価な液体7も容易に取り扱うことができる。また、ケース30内に液体が入らないため、吐出液7の種類を変える場合等でもケース30内を洗浄などする必要性が少なくなり、メンテナンス作業が簡単になる。
【0072】
さらに、ガイド部材20としては、例えばローラガイド24の一部に凹凸を設けるなどして平面以外の形状にし、例えば、吐出動作が終了する時に、一時的にプランジャ55を上昇させて吐出ポート41から液を吸引してから、バルブを切り替えるようにして、吐出終了時の吐出針46先端の液残りを少なくするようにしてもよい。
【0073】
ポンプブロック50の回転駆動手段としては、前記モータ11および回転位置検出センサ17を利用したものに限らない。例えば、回転位置検出センサ17を設けずに、前記サーボモータ11内に組み込まれるエンコーダを利用して位置検出を行ってもよい。具体的には、1回転に1回パルスを出力するZ相を有するインクリメンタル形のエンコーダを有するサーボモータや、絶対位置を検出可能なアブソリュート形のエンコーダを有するサーボモータをモータ11として利用する場合には、回転位置検出センサ17は設けなくてよい。
さらに、回転駆動手段としては、モータと1回転クラッチなどを用いてもよく、要するに、ポンプ駆動軸60つまりポンプブロック50を1回転毎に制御可能なものであればよく、実施にあたって適宜選択すればよい。
【0074】
さらに、前記実施形態では、図11(A)に示す吸入開口43にプランジャ挿入孔53が連通された状態を原点位置としていたが、吐出する液7の種類などに応じて、たとえば図12(C)に示すような吐出開口40にプランジャ挿入孔53が連通された状態等の他の状態を原点位置としてもよい。ただし、前記図11(A)の状態を原点位置とすれば、ディスペンサ1が停止している際に吐出開口40がポンプブロック50で塞がれているので、液垂れを確実に防止することができる利点がある。
【0075】
ガイド部材20の傾斜角度を調整する構成としては、前記実施形態に限らず、例えば、固定軸21をガイド部材20に対して回動不能に固定し、この固定軸21にハンドルなどを設け、固定軸21を直接回転させることでガイド部材20を傾斜させるものでもよい。
また、前記マイロクメータ80やハンドルなどのガイド部材20を傾斜させる部材を電動制御可能に構成し、ライン上に組み込んだ際に、そのラインを流れる製品に応じて前記マイロクメータ80等を電動駆動して吐出量を変更できるようにしてもよい。このような構成にすれば、多品種が混在して流れる製造ラインにおいて、その製品に応じた吐出量の調整を自動化でき、自動製造ラインにも容易に組み込むことができる。
【0076】
さらに、前記実施形態では、ガイド部材20を傾斜させるにあたって、当接軸25を固定軸21よりもモータ11側つまりバルブブロック35から離れる方向に移動するようにしていたが、逆に当接軸25を固定軸21よりもバルブブロック35側に近づく方向に移動するようにしてもよい。さらには、固定軸21を中心として、当接軸25をモータ11側およびバルブブロック35側の両方に移動可能に構成してもよい。
また、前記実施形態では、固定軸21をガイド部材20の一端側に形成していたが、ガイド部材20の両端間の中心部分や、貫通孔22が形成された部分などに設けてもよい。
【0077】
さらに、バルブブロック35の吸入ポート42は、溝状のものに限らず、吸入開口43と側面39Aに形成された開口とを連通するようにバルブブロック35内部に形成されたものでもよい。また、吐出開口40の形状や大きさも適宜設定すればよい。その他、ポンプ部3の容器30の形状やディスペンサ1全体の形状等は実施にあたって適宜設定すればよい。
【0078】
【発明の効果】
このような本発明のポンプ式ディスペンサによれば、1回毎の吐出量の変動が少なくて精度を高くでき、耐久性に優れ、高速動作も容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のディスペンサを示す正面図である。
【図2】前記実施形態の駆動部を示す縦断面図である。
【図3】前記実施形態のポンプ部を示す縦断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿った要部の断面図である。
【図5】ガイド部材が水平な状態における図2のV−V線に沿った断面図である。
【図6】前記実施形態のガイド部材を示す斜視図である。
【図7】図3のVII−VII線に沿った断面図である。
【図8】前記実施形態のポンプ部の要部を示す斜視図である。
【図9】図3のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】前記実施形態のポンプ部の下面図である。
【図11】前記実施形態のポンプ部の動作を示す説明図である。
【図12】図11の動作の続き示す説明図である。
【図13】本発明の変形例のガイド部材を示す断面図である。
【図14】本発明の変形例のディスペンサを示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ディスペンサ
2 駆動部
3 ポンプ部
7 液体
10 ボディ
11 モータ
12 回転連動部材
13 ローラ
15 回転伝道部材
17 回転位置検出センサ
20 ガイド部材
21 固定軸
22 貫通孔
23 切り欠き
24 ローラガイド
24A 平行部
25 当接軸
30 容器(ケース)
35 バルブブロック
38 摺接面
39 テーパ面
39A 側面
40 吐出開口
41 吐出ポート
42 吸入ポート
43 吸入開口
45 吐出ノズル
46 吐出針
50 ポンプブロック
50A 上ブロック
50B 下ブロック
51 摺接面
52 係合溝
53 プランジャ挿入孔
55 プランジャ
56 付勢手段であるコイルばね
60 ポンプ駆動軸
60A 駆動部側駆動軸
60B ポンプ部側駆動軸
62 回転伝達ロッド
62A 溝
62B ピン
63 係合溝
64 係合溝
65 従動部であるローラ
66 Cリング
80 マイロクメータ
81 スピンドル
82 当接部材
85 付勢手段であるコイルばね
86 付勢部材
90 容器
91 液供給路
92 シール材

Claims (2)

  1. 摺接面を有するバルブブロックと、前記バルブブロックの摺接面に当接可能な摺接面を有するポンプブロックと、このポンプブロックの軸方向に沿って穿設された1本のプランジャ挿入孔に軸方向摺動自在に挿入されたプランジャと、前記ポンプブロックと共に回転可能にかつ前記ポンプブロックに対してプランジャと共に進退可能に支持されたポンプ駆動軸と、このポンプ駆動軸を1回転単位で制御可能に回転駆動する回転駆動手段と、前記ポンプ駆動軸を前記バルブブロックに向かって進退動させる進退駆動手段とを備え、
    前記バルブブロックには、前記摺接面に形成された吐出開口と前記摺接面に対向する外面側に形成された吐出口とを連通する吐出ポートと、前記摺接面に形成された吸入開口と液体の供給側に開口された供給口とを連通する吸入ポートとが設けられ、
    前記ポンプブロックのプランジャ挿入孔は、前記バルブブロックの吐出開口および吸入開口に連通可能な位置に軸方向に沿って穿設され、
    前記進退駆動手段は、前記ポンプ駆動軸に取り付けられた従動部と、前記ポンプ駆動軸の軸方向に直交する基準面に対して傾斜角度調整可能に設けられ、かつ前記ポンプ駆動軸の回転に伴い移動する従動部を案内してポンプ駆動軸を進退駆動させるガイド部材とで構成され
    前記ガイド部材の一端側は、ケースに固定された固定軸に対して回動自在に軸支されているとともに、
    前記ガイド部材の他端側をポンプ駆動軸の軸方向に移動させてガイド部材の前記基準面に対する傾斜角度を調整可能な吐出量設定手段を有し、
    前記吐出量設定手段は、前記ガイド部材の他端側を、固定軸と同じ基準面に位置する状態から、固定軸に対してポンプブロックから離れる方向にのみ移動可能に設けられていることを特徴とするポンプ式ディスペンサ。
  2. 請求項に記載のポンプ式ディスペンサにおいて、
    前記吐出量設定手段はマイクロメータを備えて構成され、前記ガイド部材の他端側はマイロクメータのスピンドルの進退移動に連動して移動されるように構成されていることを特徴とするポンプ式ディスペンサ。
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