JP3549670B2 - ポリオレフィン押出成形体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン押出成形体に関する。詳しくは、水等の溶媒の存在する環境下でも耐久性に優れているポリオレフィン樹脂の押出成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィンは、加工時及び使用時に酸化を受けて品質が低下するという問題がある。
このため、従来より酸化劣化を防止する目的で各種酸化防止剤が開発され材料中に配合されている。
それらの中でも、ヒンダードフェノール化合物(例えば、特公昭38−170164号、特公昭39−4620号、特公昭39−21140号、特公昭42−9651号、特開昭62−30134号の各公報に記載の化合物)は、特にポリオレフィン等合成高分子材料の酸化劣化防止に有用であり、現在実用に供されている。
しかしながら、この様にして各種酸化防止剤により安定化された材料を、水の存在する環境下において使用すると、酸化劣化防止効果が著しく低下し、ポリオレフィン樹脂の品質が顕著に低下するという問題が起きる。
この様な原因としては、従来、合成高分子材料中の酸化防止剤が水によって抽出されるため、或いは、加水分解された後に抽出されるためであると考えられてきた。
従って、水の存在する環境下において使用する材料には、一般的に、水による抽出や、加水分解が生じるのを防ぐため、エステル構造を含まず、高分子量で、剛直な構造を持つ酸化防止剤を配合する方法が行なわれている(特開平2−265939号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な特殊な構造を持つ酸化防止剤の配合も、要求される耐酸化劣化性を十分に満たすものではないため、水の存在する環境下においての酸化防止に対しても特に有効である酸化防止剤が必要とされてきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ポリオレフィンの酸化劣化機構、酸化劣化防止機構、及び、水との相互作用について検討を重ねた結果、特定な構造のフェノール化合物が、ポリオレフィンの酸化劣化防止能に優れ、特に、水の存在する環境下において使用した場合でも、著しい効果を発揮することができるを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本願発明のポリオレフィン押出成形体は、ポリオレフィン100重量部に対して、下記一般式〔1〕にて表わされるフェノール化合物成分を0.01〜3重量部配合してなることを特徴とするものである。
一般式〔1〕
Figure 0003549670
[式中、Xは、それぞれ下記一般式〔2〕により表される基を示す。
一般式〔2〕
【0005】
【化2】
Figure 0003549670
【0006】
(ここでR、Rは同一又は異なっていても良く、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基を表し、R、R、R、Rは同一又は異なっていても良く、それぞれ水素原子炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
【0007】
【発明の実施の形態】
[I] ポリオレフィン押出成形体
(1) ポリオレフィン樹脂組成物
(a) 構成成分
ポリオレフィン樹脂
本発明のポリオレフィン押出成形体の原材料となるポリオレフィン樹脂組成物に用いられるポリオレフィン樹脂としては、各種のポリオレフィン樹脂を使用することができる。その様なポリオレフィン樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1等のポリ−α−オレフィン、エチレン・プロピレンランダム又はブロック共重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体等のα‐オレフィン共重合体、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等のポリ−α−オレフィンと他の単量体との共重合体、等のポリオレフィン及びこれらの混合物等を挙げることができる。
これらの中でも、ポリプロピレンを用いることにより本発明の効果を顕著に発揮することができる。
上記ポリプロピレンとしては、特に、プロピレンの単独重合体、或いは、プロピレンと、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキサン−1、4−メチル−ペンテン−1等のα−オレフィン、アクリル酸、アクリル酸エチル、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル等のビニルエステル、スチレン、メチルスチレン等の不飽和芳香族化合物等との、ランダム、ブロック、又は、グラフト共重合体等を挙げることができる。
【0008】
フェノール化合物
本発明におけるポリプロピレン樹脂組成物において、前記ポリプロピレン樹脂に配合されるフェノール化合物としては、下記一般式〔I〕にて表わされるフェノール化合物である。
一般式〔1〕
Figure 0003549670
[式中、Xは、それぞれ下記一般式〔2〕により表される基を示す。
一般式〔2〕
【0009】
【化3】
Figure 0003549670
【0010】
(ここでR、Rは同一又は異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基を示し、R、R、R、Rは同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)]
上記一般式〔I〕にて表わされるフェノール化合物にて表わされる各記号の具体例としては、次に示す通りである。
及びRとしては、炭素数1〜8、好ましくは1〜5のアルキル基、該アルキル基はそれぞれ直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基等を挙げることができる。
また、R、R、R及びRとしては、それぞれ水素原子、又は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい炭素数1〜8、好ましくは1〜5のアルキル基を挙げることができる。
【0011】
また、一般式〔1〕の化合物におけるXは、必ずしも3つともすべて同じである必要がないが、通常は同一であることが好ましい。
また、一般式〔1〕の化合物は、通常、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン又は1,1,3−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等と、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸又は3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸等や対応するプロピオニルクロライド等との、化学反応によって得られるが、この反応粗製物(その反応の際に、副生する化合物を任意の割合にて混合されても良い。)であっても良い。
【0012】
上記一般式〔1〕で表されるフェノール化合物の具体例としては、1,1,3−トリス[2−メチル−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]ブタン、1,1,3−トリス[3−メチル−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)−5−ブチルフェニル]ブタン、1,1,3−トリス[2−メチル−4−(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]ブタン、1,1,3−トリス[3−メチル−4−(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]ブタン等を挙げることができる。これらは、1種でも、2種以上でも用いることができる。
【0013】
上記一般式〔1〕で表されるフェノール化合物の特徴は、ヒンダードフェニルエステル構造を有するヒンダードフェノール化合物であるところにある。即ち、水の存在する環境下において、使用初期はヒンダードフェノールが酸化防止効果を発揮し、使用中にヒンダードフェニルエステルが水の作用によって変質すると、新たにヒンダードフェノールが生成し、引き続き酸化劣化防止能を発揮することができるので、水等の溶媒の存在する環境下でも長期の酸化劣化防止効果を示すことができる。
【0014】
(b) 量 比
本発明のポリオレフィン押出成形体における、ポリオレフィン樹脂中に配合される一般式〔1〕で表わされるフェノール化合物の量は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部、好ましくは0.01〜1重量部、特に好ましくは0.03〜0.7重量部である。
このフェノール化合物の配合量が上記範囲未満では劣化防止効果が不十分となる。一方、上記範囲を超過するとブリードや変色の欠点が起こる。
【0015】
(c) 付加的成分(任意成分)
本発明のポリオレフィン押出成形体は、上記ポリオレフィン樹脂に前記一般式〔1〕成分を配合したものから本質的になるものであるが、必要に応じて、本発明の化合物の効果を著しく損なわない程度に、これら以外の付加的成分を配合することもできる。
この様な付加的成分の具体例としては、前記一般式〔1〕成分以外の酸化防止剤、例えば、その他のフェノール系酸化防止剤、燐系酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、又は、難燃剤、イオン系、非イオン系等の帯電防止剤、シリコンオイル、アミド等の滑剤、加工助剤、中和剤、増核剤、可塑剤、無機系及び有機系の顔料、分散剤、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤、発泡剤、過酸化物、蛍光増白剤、及び、前記ポリオレフィン樹脂以外の樹脂、ゴム等を挙げることができる。
上記付加的成分の中でも、特に、硫黄系酸化防止剤、又は、ヒンダードアミン系安定剤は、本発明の化合物と併用することにより、通常のフェノール系酸化防止剤と併用する場合と同様に、より一層優れた本発明の効果を発揮することができる。
【0016】
黄系酸化防止剤
この硫黄系酸化防止剤の例としては、ジラウリチジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジドコシルチオジプロピオネート等のジアルキルチオジプロピオネート類、ジステアリルジスルファイド等のジアルキルジサルファイド類、テトラキス[メチレン(ラウレルチオプロピオネート)]メタン、テトラキス[メチレン(ステアリルチオプロピオネート)]メタン等のアルキルチオプロピオン酸と多価アルコールとのエステル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種でも、2種以上でも用いることができる。
この硫黄系酸化防止剤の配合量としては、一般式〔1〕で表わされるフェノール化合物の量の0.1〜10倍、特に1〜7倍量が好ましい。
【0017】
ヒンダードアミン系安定剤
ヒンダードアミン系安定剤としては、例えば、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ−{2−N,N′−ジ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサンジアミン−4−(N−モノフォリノ)シムトリアジン}等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種でも、2種以上でも用いることができる。
このヒンダードアミン系安定剤の配合量としては、一般式〔1〕で表わされるフェノール化合物の量の0.2〜5倍、特に0.3〜4倍が好ましい。
【0018】
その他の酸化防止剤
また、前記その他の酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチレンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、d,l−α−トコフェロール等のヒンダードフェノール系化合物、トリス(ミックスド−モノ及びジ−ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4−4′−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等の芳香族燐系化合物等を挙げることができる。これらは、1種でも、2種以上でも用いることができる。
上記その他の酸化防止剤の好適な配合量としては、前記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して一般に0.01〜3重量部配合される。
【0019】
充填剤
前記充填剤としては、タルク、マイカ、ガラス繊維等を挙げることができる。これらは、1種でも、2種以上でも用いることができる。
上記充填剤の好適な配合量としては、前記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して一般に0.1〜50重量部配合される。
【0020】
樹脂・ゴム
前記樹脂やゴムとしては、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、エチレン・プロピレン系共重合体ゴム、エチレン・ブテン系共重合体ゴム等を挙げることができる。これらは、1種でも、2種以上でも用いることができる。
上記樹脂やゴムの好適な配合量としては、前記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して一般に1〜40重量部配合される。
【0021】
(2) 押出成形
上記ポリオレフィン樹脂組成物を押出成形するポリオレフィン樹脂の押出成形は、一般に知られているポリオレフィン樹脂の押出成形法と同様にして押出成形を行なうことができる。
上記押出成形法としては、ブロー成形法、射出ブロー成形法、パイプ成形法、シート成形法等を挙げることができる。
【0022】
[II] 用 途
上記押出成形によって得られるポリオレフィン押出成形体の形状は、その用途によってほぼ定まり、各種形状のポリオレフィン樹脂の押出成形品を挙げることができる。
ポリオレフィン樹脂の押出成形品は、本発明の効果を特に受けることができる、水、界面活性剤水溶液、酸性水溶液、アルカリ水溶液、海水、生活排水、エチレングリコール、プロピレングリコール等の溶媒に接触する製品、特に水の接触する用途、更には、高い温度の水の接触する成形品が好ましい。
その様な好適な製品の具体例としては、石油、ガス等のパイプ配管、水道管、配水管、温給配水、暖房設備等のパイプ、貯水タンク、浴槽部品、フロート、ブイ、水タンク、配管部品、化粧品容器、自動車のリザーブタンク、ブレーキオイルタンク、ガソリンタンク、ウオッシャータンク等を挙げることができる。これらの押出成形品においては、本発明の効果である熱溶媒抽出改良効果が有効に発揮することができるので、商品価値を高めることができる。
【0023】
【実施例】
本発明を更に詳細に説明するため、以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。
実施例1
MFR1.0g/10分(JISK6758、230℃)、エチレン含量14重量%%のプロピレン・エチレンのブロックコポリマー100重量部に、表1に記載量の化合物を配合し、ミキサーにて十分混合させた後、シリンダー温度210℃、シリンダー直径50mmの押出機によって溶融混練して造粒した。
得られたペレットをシリンダ直径65mmのパイプ成形機にかけ、直径2cm、厚み2mmのパイプを成形した。パイプ成形時、1.0重量%のカーボンブラック顔料をドライブレンドして着色し、成形に供した。
得られたパイプについて、耐熱水性試験を行った。すなわち、該パイプを長さ5cmの輪切りにして試料を作成し、海水を30cc入れた内容量300ccのステンレス製耐圧チューブに試料を入れ、150℃のギャー・オーブン中で加温し、24時間毎に解放して、試験片が脆化するまでの時間を測定し、耐久性の判定を行った。
得られた結果を表1に示す。
【0024】
なお、表中の略号の化合物の詳細は、以下に示す。
式〔1〕の化合物
A1:1,1,3−トリス〔2−メチル−4−(3,5,−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)−5−t−ブチ
ルフェニル〕ブタン
A2 1,1,3−トリス〔3−メチル−4−(3,5,−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)−5−t−ブチ
ルフェニル〕ブタン
フェノール系酸化防止剤
B1:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
(チバ・ガイギー社製商品名「IRGANOX 1330」)
B2:テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)ブロピオナート〕メタン
(チバ・ガイギー社製商品名「IRGANOX 1010」)
B3:3,9−〔2−{3−(3−t−ブチル4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン
(旭電化社「アデカスタブ AO80」)
【0025】
硫黄系酸化防止剤
C1:テトラキス〔メチレン(ラウリルチオプロピオナート)〕メタン
(シプロ化成社「シーノックス 412S」)
C2:ジステアリルチオジプロピオナート
(吉富製薬「DSTP ヨシトミ」)
ヒンダードアミン系安定剤
D1:N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4
−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン化合

(チバガイギー社「キマソーブ119FL」)
【0026】
燐系酸化防止剤
E1:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト
(チバガイギー社「イルガフォス168」)
中和剤
F1:ステアリン酸カルシウム
(耕正「Ca−st」)
【0027】
【表1】
Figure 0003549670
【0028】
【発明の効果】
このような本発明のポリオレフィン押出成形体は、原材料となるポリオレフィン樹脂中に配合されている特定な構造のフェノール化合物が、ヒンダードフェニルエステル構造を有するヒンダードフェノール化合物であることから、水の存在する環境下においては、使用初期にヒンダードフェノールが酸化防止効果を発揮し、使用中にヒンダードフェニルエステルが水の作用によって変質すると、新たにヒンダードフェノールが生成して、引き続き酸化劣化防止能を発揮することができるので、水の存在する環境下において使用した場合でも、ポリオレフィン樹脂の長期の酸化劣化防止効果を示すことができ、耐久性に優れているポリオレフィン押出成形体とすることができる。

Claims (4)

  1. ポリオレフィン樹脂の押出成形体からなり、該ポリオレフィン樹脂が、ポリオレフィン100重量部に対して、下記一般式〔1〕にて表わされるフェノール化合物成分を0.01〜3重量部配合してなるものであることを特徴とするポリオレフィン押出成形体。
    一般式〔1〕
    Figure 0003549670
    [式中、Xは、それぞれ下記一般式〔2〕により表される基を示す。
    一般式〔2〕
    Figure 0003549670
    (ここでR、Rは同一又は異なっていても良く、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基を表し、R、R、R、Rは同一又は異なっていても良く、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)]
  2. 一般式〔1〕にて表されるフェノール化合物と他の酸化防止剤とを併用する、請求項1に記載のポリオレフィン押出成形体。
  3. 他の酸化防止剤が硫黄系酸化防止剤である、請求項2に記載のポリオレフィン押出成形体。
  4. 他の酸化防止剤がヒンダードアミン系安定剤である、請求項2に記載のポリオレフィン押出成形体。
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