JP4801830B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂をリサイクル使用する際の熱酸化安定性および臭気、色相安定性が著しく改善されたマスターバッチ組成物およびリサイクル性の改善されたコンパウンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィンの剛性、耐衝撃性、寸法安定性、耐熱性等の機械的性質を改良する目的で無機充填剤を配合する方法が広く採用されている。しかしながら、無機充填剤の配合によって熱酸化安定性および、臭気、色相安定性が充填剤未配合のものに比べて著しく低下する欠点がある。特にリサイクル使用において熱履歴等によりこの傾向が顕著に現れ、その改良が切望されていた。
【0003】
この点から、従来から熱酸化劣化や臭気、変色を改良するために種々の方法が提案(例えば、特開昭52−49254号公報、特開昭52−80345号公報特開昭53−79938号公報、特開昭56−90844号公報、特許昭56−118437号公報、特許昭56−141339号公報)されている。しかしながら、これら公知の方法では充分に改良されていない。
無機充填剤を配合した系の熱酸化安定性や色相安定性が低下する原因として、熱酸化劣化を防止するため添加している熱酸化安定剤が無機充填剤によって不活性化されたり、分解を受けてその効果が充分に発揮されないためと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状において、本発明が解決すべき問題点、すなわち本発明の目的は、無機充填剤を配合したポリオレフィン系樹脂に特定の熱酸化安定剤と特定の化合物を併せて配合することにより、熱酸化安定性および臭気、色相安定性を改善するマスターバッチ組成物およびリサイクル性の改善されたコンパウンドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は無機充填剤を含有したポリオレフィン系樹脂にハイドロタルサイト類化合物と一般式 R−CO−NH−(CH2)n−HN−CO−R(式中 Rは炭素数5〜21のアルキル基またはアルケニル基、nは1〜6を示す。)で表わされる化合物とフェノール系酸化防止剤およびホスファイト系酸化防止剤を配合することを特徴とする無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂をリサイクル使用の際の熱酸化安定性および臭気、色相安定性を改善するマスターバッチ組成物およびリサイクル性の改善されたコンパウンドである。
本発明における無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂とは無機充填剤を1〜60重量%含有するポリオレフィン系樹脂である。
【0006】
本発明のねらいは無機充填剤によるポリオレフィン系樹脂の熱酸化安定性および臭気、色相安定性の低下を防止あるいは抑制するための方法を鋭意検討した結果、複数種の特定の化合物を併用配合により上記問題を一挙に解決できることを見いだしたのである。すなわちハイドロタルサイト類化合物と、一般式 R−CO−NH−(CH2)n−HN−CO−R で表わされるビスアマイド化合物と特定のフェノール系酸化防止剤およびホスファイト系酸化防止剤との4種の化合物を併用配合させた時初めて顕著に効果を発揮することを見いだしたのである。
【0007】
これら化合物の配合量は無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、ハイドロタルサイト類化合物を0.005〜0.5重量部、 一般式 R−CO−NH−(CH2)n−HN−CO−R で表わされる化合物を0.01〜1.0重量部、フェノール系酸化防止剤を0.005〜0.5重量部、ホスファイト系酸化防止剤を0.01〜1.0重量部 配合した時に効果が顕著に現れる。とりわけ、これら4種類の化合物の配合比率が、ハイドロタルサイト類化合物:R−CO−NH−(CH2)n−HN−CO−Rで表わされる化合物:フェノール系酸化防止剤:ホスファイト系酸化防止剤=1:2〜4:1〜2:2〜4の時が併用効果は大になる。
【0008】
また、一般式 R−CO−NH−(CH2)n−HN−CO−R で表わされる化合物の中では、エチレンビスステアリルアマイドがコストパフォーマンスの点でも最も好ましい。
フェノール系酸化防止剤の中では、β−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸エステル類および/またはイソシアヌル酸エステル基を持つヒンダードフェノール類が熱酸化安定性付与効果の大きいこと、および変色の小さい点から好ましい。
【0009】
ホスファイト系酸化防止剤の中では、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトがそれ自身の耐加水分解性が優れており好ましい。
熱酸化安定性の改良に限れば含硫黄系酸化防止剤の併用が有効であるが、臭気を悪化させる問題があり、使用しないほうが好ましい。
さらに、これらの配合技術をマスターバッチ(高濃度)化するメリットは実用上、直接配合の場合に比べ作業性の改善、簡便性、応用範囲が広い等が挙げられる。
【0010】
本発明において用いられるポリオレフィンとは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1 等のα−オレフィンの単独重合体あるいは2種以上からなるランダムおよびブロック共重合体であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリイソブテン、ポリ−3−メチル−ブテン−1、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−4−メチル−ペンテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、デセン−1−4−メチル−ペンテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体などが例示される。共重合の場合は、α−オレフィンと共に共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和化合物あるいはアクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等を共重合成分とするものも含まれる。
【0011】
これらの重合体は酸変性されたもの、例えば、α,β−不飽和脂肪酸、脂環族カルボン酸、またはこれらの誘導体でグラフト変性された重合体であってもよい。さらに本発明においては、用途に応じてこれらポリオレフィンに合成ゴムを添加した混合物を用いることができる。
本発明において用いることのできる合成ゴムとしては、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムが好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとしては、エチレンとα−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1等の共重合体ゴム、またはエチレン−プロピレンの系に第三成分として非共役ジエン類、例えばエチリデンノルボルネン、シクロペンタジエン等を共重合させた三元共重合体ゴム(以下「EPDM」と略す)等が挙げられる。これらの中ではエチレン−プロピレン共重合体ゴムまたはEPDMが好ましい。
【0012】
また本発明において用いることのできる無機充填剤としては、タルク、マイカ、ワラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、クレー、アルミナ、シリカ、硫酸カルシウム、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、けい砂、けし石、カーボンブラック、酸化チタン、水酸化マグネシウム、アスベスト、ゼオライト、モリブデン、珪藻土、セリサイト、シラス、水酸化カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸ソーダ、ベントナイト、黒鉛等が挙げられる。
これらの中で低温耐衝撃性、成形性、塗装性を向上させるものとしては、タルク、マイカ、ガラス繊維、ワラストナイト等が好ましい。
【0013】
本発明において用いるハイドロタルサイト類化合物は天然品、合成品が存在するが、商業上、品質の安定および大量にかつ安定して入手が容易な合成品が好ましい。
本発明において用いる一般式 R−CO−NH−(CH2)n−HN−CO−R で表わされる化合物の具体例として、メチレンビスステアリルアマイド、エチレンビスステアリルアマイド、ヘキサメチレンビスステアリルアマイド等が挙げられる。とりわけエチレンビスステアリルアマイドが好ましい。
【0014】
また、本発明において用いるフェノール系酸化防止剤としては、テトラキス〔メチレン−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ステアリル−β−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベジル)イソシアヌレート 等が挙げられる。
【0015】
ホスファイト系酸化防止剤の具体例として、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスフォナイト、トリノニルフェニルホスファイト 等が挙げられる。とりわけトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
その他本発明組成物には、その特性を害さない限り、他の添加剤、例えばプロセス油、可塑剤、潤滑剤、中和剤、酸化防止剤、耐候剤、重金属不活性化剤、滑剤、造核剤、帯電防止剤、離型剤、顔料、防カビ剤等を添加することができる。
【0016】
本発明組成物は、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、ニーダー等の通常の混練機を用いて加熱溶融状態で混練することによって得られる。
以上本発明の無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂より得られた製品は極めて優れた熱酸化安定性と臭気が少ない、変色が小さい等の優れた特長を有している。
【0017】
【実施例】
以下実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例におけるメルトフローレートおよび熱酸化安定性、臭気、着色の試験方法は次の通りである。
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)に準拠して評価を行った。
(2)熱酸化安定性
JIS K 7212〔熱可塑性プラスチックの熱老化性試験(オーブン法)通則〕に準拠して評価を行った。(株)東洋精機製作所製 ギアオーブンを使用し150℃で測定した。そして試験片(厚み1mmのプレスシート)が完全劣化するまで,言い換えれば抗張力が零になるまでの時間(GOライフ)を測定した。
【0018】
(3)着色
Yellowness Index(YI)をASTM−D1925に準拠して測定を行った。
(4)臭気
臭気は250mlの広口試薬瓶にペレット10gを入れ、60℃のオーブン中で30分間状態調整後、5人のパネラーにより、下表の通り4段階で臭気の程度を判定した。
【0019】
【実施例1】
(1)マスターバッチの作成
住友化学工業(株)製 メルトフローレート15g/10分のホモポリプロピレン粉末9kgと、ライオンアクゾ社製 エチレンビスステアリルアマイド(商品名:アーモワックスEBS)を400gと、協和化学工業(株)製 合成ハイドロタルサイト(商品名:DHT−4A)を100gと、フェノール系酸化防止剤としてチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製 イルガノックス1010を200gと、ホスファイト系酸化防止剤としてチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製 イルガホス168を300gをタンブラーミキサーに一括投入し、30分間混合した。次にこの混合物を東芝機械(株)製 二軸押出機TEM35B(同方向回転2条タイプ)を使用して押出温度200℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量20kg/hrの条件で溶融押出を行いストランドカット方式で造粒し、ペレットを得た。
【0020】
(2)無機充填剤含有コンパウンドの作成
住友化学工業(株)製 メルトフローレート15g/10分のホモポリプロピレン粉末8kgと無機充填剤として林化成(株)製 タルク(商品名:ミクロンホワイト5000S)2kgの混合物に対して、酸化防止剤としてチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製 イルガノックス1010を0.2重量部(20g)、中和剤として淡南化学(株)製 ステアリン酸カルシウムを0.05重量部(5g)および前記(1)で作成したマスターバッチを2重量部(200g)を加え、タンブラーで30分間混合の後、この混合物を東芝機械(株)製 二軸押出機TEM35B(同方向回転2条タイプ)使用し、押出温度280℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量20kg/hrの条件で溶融押出を行い、ストランドカット方式で造粒し、コンパウンド(ペレット)を得た。このようにして得られたコンパウンドを便宜上、一回通し品と呼ぶ。
【0021】
このコンパウンドについて、メルトフローレート(230℃/2160g)およびイエローネスインデックス(YI)をスガ試験機(株)製 SMカラーコンピューター SM−6型で測定した。また、熱プレス(200℃)で厚さ1mmのプレスシートを作成し、熱酸化安定性評価のため150℃ GOライフを測定した。さらにコンパウンド(ペレット)を使用して臭気を評価した。測定結果を表1に示した。
【0022】
(3)コンパウンドの繰り返し押出(リサイクル)に伴う諸物性への影響評価 前記(2)で作成したコンパウンド(一回通し品)を前記(2)と同一条件で2回、3回と繰り返し押出を行い、得られたペレットについてメルトフローレート、着色、臭気を測定した。測定結果を表1に示した。
【0023】
【実施例2】
実施例1の(2)項で無機充填剤含有コンパウンドの作成時に、ホモポリプロピレン粉末を6kgに、タルクを4kgに変更し、この両者の混合物に酸化防止剤であるイルガノックス1010を0.2重量部と実施例1の(1)の項で作成したマスターバッチを4重量部 配合した以外は実施例1の(2)項と同一方法でコンパウンドを作成した。また、このコンパウンドを使用して実施例1の(3)の項と同一方法で繰り返し押出を行い、これらの押出品について同様にメルトフローレート、150℃ GOライフ(一回通し品のみ)、着色、臭気を評価した。測定結果を表1に示した。
【0024】
【実施例3】
住友化学工業(株)製 メルトフローレート15g/10分のホモポリプロピレン粉末8kgと無機充填剤として林化成(株)製 タルク(商品名:ミクロンホワイト5000S)2kgの混合物に対して、実施例1の(1)項で作成したマスターバッチを2重量部(200g)を加え、タンブラーで30分間混合の後、実施例1の(2)項と同一方法でコンパウンド(一回通し品と呼ぶ)を作成した。
また、このコンパウンドを使用して実施例1の(3)項と同一方法で繰り返し押出を行い、これらの押出品について同様にメルトフローレート、150℃ GOライフ(一回通し品のみ)、着色、臭気を評価した。測定結果を表1に示した。
【0025】
【比較例1】
実施例1の(2)項で無機充填剤含有コンパウンドの作成時に、実施例1の(1)項で作成したマスターバッチを配合しない以外は、実施例1の(2)項と同一方法でコンパウンドを作成した。また、このコンパウンドを使用して実施例1の(3)の項と同一方法で繰り返し押出を行い、これらの押出品について同様にメルトフローレート、150℃ GOライフ(一回通し品のみ)、着色、臭気を評価した。測定結果を表1に示した。
【0026】
【比較例2】
実施例1の(2)項で無機充填剤含有コンパウンドの作成時に、実施例1の(1)項で作成したマスターバッチを配合しない代わりに、酸化防止剤として添加しているイルガノックス1010の配合量を0.4重量部に増量変更した以外は、実施例1の(2)項と同一方法でコンパウンドを作成した。また、このコンパウンドを使用して実施例1の(3)の項と同一方法で繰り返し押出を行い、これらの押出品について同様にメルトフローレート、150℃ GOライフ(一回通し品のみ)、着色、臭気を評価した。測定結果を表1に示した。
【0027】
【比較例3】
実施例2で無機充填剤含有コンパウンドを作成時に、実施例1の(1)項で作成したマスターバッチを配合しない以外は、実施例1の(2)項と同一方法でコンパウンドを作成した。また、このコンパウンドを使用して実施例1の(3)の項と同一方法で繰り返し押出を行い、これらの押出品について同様にメルトフローレート、150℃ GOライフ(一回通し品のみ)、着色、臭気を評価した。
測定結果を表1に示した。
【0028】
【表1−1】
【表1−2】
【0029】
【実施例4】
実施例1の(2)項で無機充填剤含有コンパウンドを作成時に、無機充填剤をタルクの代わりに備北粉化工業(株)製 炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1800)を使用した以外は、実施例1の(2)項と同一方法でコンパウンドを作成した。また、このコンパウンドを使用して実施例1の(3)の項と同一方法で繰り返し押出を行い、これらの押出品について同様にメルトフローレート、150℃ GOライフ(一回通し品のみ)、着色、臭気を評価した。測定結果を表2に示した。
【0030】
【比較例4】
実施例3の炭酸カルシウム含有コンパウンドを作成時に、実施例1の(1)項で作成したマスターバッチを配合しない以外は、実施例1の(2)項と同一方法でコンパウンドを作成した。また、このコンパウンドを使用して実施例1の(3)の項と同一方法で繰り返し押出を行い、これらの押出品について同様にメルトフローレート、150℃ GOライフ(一回通し品のみ)、着色、臭気を評価した。測定結果を表2に示した。
【0031】
【表2−1】
【表2−2】
【0032】
【実施例5】
住友化学工業(株)製 メルトフローレート7g/10分の低密度ポリエチレン(商品名:スミカセンL705)8kgと無機充填剤として林化成(株)製 タルク(商品名:ミクロンホワイト5000S)2kgの混合物に対して、酸化防止剤としてチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製 イルガノックス1010とを0.05重量部とチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製 イルガホス168を0.1重量部、およびライオンアクゾ社製 エチレンビスステアリルアマイド(商品名:アーモワックスEBS)を0.1重量部と協和化学工業(株)製 合成ハイドロタルサイト(商品名:DHT−4A)を0.05重量部添加したものをタンブラーで30分間混合の後、この混合物を東芝機械(株)製 二軸押出機TEM35B(同方向回転2条タイプ)使用し、押出温度200℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量20kg/hrの条件で溶融押出を行い、ストランドカット方式で造粒し、コンパウンド(ペレット)を得た。このようにして得られたコンパウンドを便宜上、一回通し品と呼ぶ。
【0033】
このコンパウンドについて、メルトフローレート(190℃/2160g)およびイエローネスインデックス(YI)をスガ試験機(株)製 SMカラーコンピューター SM−6型で測定した。さらにコンパウンド(ペレット)を使用して臭気を評価した。
次に前記一回通し品について、二軸押出機で前記と同じ条件で2回、3回と繰り返し押出を行い、得られたペレットについてメルトフローレート、着色、臭気を測定した。測定結果を表3に示した。
【0034】
【比較例5】
住友化学工業(株)製 メルトフローレート7g/10分の低密度ポリエチレン(商品名:スミカセンL705)8kgと無機充填剤として林化成(株)製 タルク(商品名:ミクロンホワイト5000S)2kgの混合物に対して、酸化防止剤としてチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製 イルガノックス1010を0.2重量部添加したものをタンブラーで30分間混合の後、実施例4と同様に二軸押出機で溶融混練し、以降も同一方法で処理し、コンパウンド(ペレット)を得た。このコンパウンドについて、メルトフローレート、着色、臭気を評価した。測定結果を表3に示した。
【0035】
【表3−1】
【表3−2】
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、無機充填剤を配合したポリオレフィン系樹脂をリサイクル使用する場合に、熱酸化安定性および臭気、色相安定性が良好であるマスターバッチ組成物およびコンパウンドを提供することができる。
Claims (11)
- 前記一般式
R−CO−NH−(CH2)n−HN−CO−R
で表わされる化合物がエチレンビスステアリルアマイドである請求項1または2に記載のマスターバッチ組成物。 - 前記フェノール系酸化防止剤がβ−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸エステル類および/またはイソシアヌル酸エステル基を持つヒンダードフェノール類である請求項1または2に記載のマスターバッチ組成物。
- 前記ホスファイト系酸化防止剤がトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトである請求項1または2に記載のマスターバッチ組成物。
- 前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン樹脂である請求項1または2に記載のマスターバッチ組成物。
- 無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂中の無機充填剤量に対して請求項1〜6のいずれか一項に記載のマスターバッチ組成物を重量比で無機充填剤量:マスターバッチ組成物=1:0.05〜0.2で配合して得られるリサイクル性の改善された無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂コンパウンド。
- ポリオレフィン系樹脂に無機充填剤を配合して溶融,混練して無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂を得る際、本無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂中の無機充填剤量に対して請求項1〜6のいずれか一項に記載のマスターバッチ組成物を重量比で無機充填剤量:マスターバッチ組成物=1:0.05〜0.2で配合して得られるリサイクル性の改善された無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂コンパウンド。
- 無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂が繰り返し溶融、押出される際に、本無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂中の無機充填剤量に対して請求項1〜6のいずれか一項に記載のマスターバッチ組成物を重量比で無機充填剤量:マスターバッチ組成物=1:0.05〜0.2で配合して得られるリサイクル性の改善された無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂コンパウンド。
- ポリオレフィン系樹脂100重量部および無機充填剤1〜150重量部からなる無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂に前記ハイドロタルサイト類化合物を0.005〜0.5重量部と、一般式
R−CO−NH−(CH2)n−HN−CO−R
で表わされる化合物を0.01〜1重量部と、フェノール系酸化防止剤を0.005〜0.5重量部およびホスファイト系酸化防止剤を0.01〜1重量部とを含有させたことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のリサイクル性の改善された無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂コンパウンド。 - 前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン樹脂である請求項10に記載の無機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂コンパウンド。
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