JPH106356A - ポリオレフィン射出成形体 - Google Patents

ポリオレフィン射出成形体

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JPH106356A
JPH106356A JP16177496A JP16177496A JPH106356A JP H106356 A JPH106356 A JP H106356A JP 16177496 A JP16177496 A JP 16177496A JP 16177496 A JP16177496 A JP 16177496A JP H106356 A JPH106356 A JP H106356A
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JP
Japan
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polyolefin
group
general formula
antioxidant
alkyl group
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Pending
Application number
JP16177496A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Onishi
西 章 義 大
Machiko Mekata
万智子 目加田
Kimiho Kosegaki
公 穂 小瀬垣
Shigenobu Kawai
合 重 信 河
Tatsuo Kobayashi
林 辰 男 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YOSHITOMI FINE CHEM KK
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
YOSHITOMI FINE CHEM KK
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水の存在する環境下において使用した場合で
も、長期間の酸化劣化防止効果を示すことができる、耐
久性、耐ブリード性に優れているポリオレフィン射出成
形体を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン樹脂の射出成形体からな
り、該ポリオレフィン樹脂が、ポリオレフィン100重
量部に対して、下記一般式〔1〕にて表わされるフェノ
ール化合物成分を0.01〜3重量部配合してなるもの
であることを特徴とするポリオレフィン射出成形体。 一般式〔1〕 [式中、Xは、それぞれ下記一般式〔2〕により表され
る基を示す。 一般式〔2〕 【化1】 (ここでR、Rは同一又は異なっていても良く、そ
れぞれ炭素数1〜8のアルキル基を表し、R、R
、Rは同一又は異なっていても良く、それぞれ水
素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン射
出成形体に関する。詳しくは、水等の溶媒の存在する環
境下でも耐久性、耐ブリード性に優れているポリオレフ
ィン樹脂の射出成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンは、加工時及び使用時に
酸化を受けて品質が低下するという問題がある。このた
め、従来より酸化劣化を防止する目的で各種酸化防止剤
が開発され材料中に配合されている。それらの中でも、
ヒンダードフェノール化合物(例えば、特公昭38−1
70164号、特公昭39−4620号、特公昭39−
21140号、特公昭42−9651号、特開昭62−
30134号の各公報に記載の化合物)は、特にポリオ
レフィン等合成高分子材料の酸化劣化防止に有用であ
り、現在実用に供されている。しかしながら、この様に
して各種酸化防止剤により安定化された材料を、水の存
在する環境下において使用すると、酸化劣化防止効果が
著しく低下し、ポリオレフィン樹脂の品質が顕著に低下
するという問題が起きる。この様な原因としては、従
来、合成高分子材料中の酸化防止剤が水によって抽出さ
れるため、或いは、加水分解された後に抽出されるため
であると考えられてきた。従って、水の存在する環境下
において使用する材料には、一般的に、水による抽出
や、加水分解が生じるのを防ぐため、エステル構造を含
まず、高分子量で、剛直な構造を持つ酸化防止剤を配合
する方法が行なわれている(特開平2−265939号
公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な特殊な構造を持つ酸化防止剤の配合も、要求される耐
酸化劣化性を十分に満たすものではないため、水の存在
する環境下においての酸化防止に対しても特に有効であ
る酸化防止剤が必要とされてきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポリオレ
フィンの酸化劣化機構、酸化劣化防止機構、及び、水と
の相互作用について検討を重ねた結果、特定な構造のフ
ェノール化合物が、ポリオレフィンの酸化劣化防止能に
優れ、特に、水の存在する環境下において使用した場合
でも、著しい効果を発揮することができるを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。すなわち、本願発
明のポリオレフィン射出成形体は、ポリオレフィン10
0重量部に対して、下記一般式〔1〕にて表わされるフ
ェノール化合物成分を0.01〜3重量部配合してなる
ことを特徴とするものである。 一般式〔1〕 [式中、Xは、それぞれ下記一般式〔2〕により表され
る基を示す。 一般式〔2〕
【0005】
【化2】
【0006】(ここでR、Rは同一又は異なってい
ても良く、それぞれ炭素数4〜8のアルキル基を表し、
、R、R、Rは同一又は異なっていても良
く、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を
表す。)]
【0007】
【発明の実施の形態】
[I] ポリオレフィン射出成形体 (1) ポリオレフィン樹脂組成物 (a) 構成成分ポリオレフィン樹脂 本発明のポリオレフィン射出成形体の原材料となるポリ
オレフィン樹脂組成物に用いられるポリオレフィン樹脂
としては、各種のポリオレフィン樹脂を使用することが
できる。その様なポリオレフィン樹脂の具体例として
は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1等のポ
リ−α−オレフィン、エチレン・プロピレンランダム又
はブロック共重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共
重合体等のα‐オレフィン共重合体、無水マレイン酸変
性ポリプロピレン等のポリ−α−オレフィンと他の単量
体との共重合体、等のポリオレフィン及びこれらの混合
物等を挙げることができる。これらの中でも、ポリプロ
ピレンを用いることにより本発明の効果を顕著に発揮す
ることができる。上記ポリプロピレンとしては、特に、
プロピレンの単独重合体、或いは、プロピレンと、エチ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキサン−1、4−
メチル−ペンテン−1等のα−オレフィン、アクリル
酸、アクリル酸エチル、無水マレイン酸等の不飽和カル
ボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル等のビニルエステ
ル、スチレン、メチルスチレン等の不飽和芳香族化合物
等との、ランダム、ブロック、又は、グラフト共重合体
等を挙げることができる。
【0008】フェノール化合物 本発明におけるポリプロピレン樹脂組成物において、前
記ポリプロピレン樹脂に配合されるフェノール化合物と
しては、下記一般式〔I〕にて表わされるフェノール化
合物である。 一般式〔1〕 [式中、Xは、それぞれ下記一般式〔2〕により表され
る基を示す。 一般式〔2〕
【0009】
【化3】
【0010】(ここでR、Rは同一又は異なってい
てもよく、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基を示し、
、R、R、Rは同一又は異なっていてもよ
く、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を
示す。)] 上記一般式〔I〕にて表わされるフェノール化合物にて
表わされる各記号の具体例としては、次に示す通りであ
る。R及びRとしては、炭素数1〜8、好ましくは
1〜5のアルキル基、該アルキル基はそれぞれ直鎖状、
分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。具体的には、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−
ペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル
基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシ
ル基、tert−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプ
チル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オ
クチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル
基等を挙げることができる。また、R、R、R
びRとしては、それぞれ水素原子、又は、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペ
ンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル
基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシ
ル基、tert−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプ
チル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オ
クチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル
基等の直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい炭素
数1〜8、好ましくは1〜5のアルキル基を挙げること
ができる。
【0011】また、一般式〔1〕の化合物におけるX
は、必ずしも3つともすべて同じである必要がないが、
通常は同一であることが好ましい。また、一般式〔1〕
の化合物は、通常、1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン又は1,1,3−トリス(3−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等と、3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプ
ロピオン酸又は3−メチル−5−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニルプロピオン酸等や対応するプロピ
オニルクロライド等との、化学反応によって得られる
が、この反応粗製物(その反応の際に、副生する化合物
を任意の割合にて混合されても良い。)であっても良
い。
【0012】上記一般式〔1〕で表されるフェノール化
合物の具体例としては、1,1,3−トリス[2−メチ
ル−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニルプロピオニルオキシ)−5−tert−ブ
チルフェニル]ブタン、1,1,3−トリス[3−メチ
ル−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニルプロピオニルオキシ)−5−ブチルフェニ
ル]ブタン、1,1,3−トリス[2−メチル−4−
(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニルプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチル
フェニル]ブタン、1,1,3−トリス[3−メチル−
4−(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニルプロピオニルオキシ)−5−tert−ブ
チルフェニル]ブタン等を挙げることができる。これら
は、1種でも、2種以上でも用いることができる。
【0013】上記一般式〔1〕で表されるフェノール化
合物の特徴は、ヒンダードフェニルエステル構造を有す
るヒンダードフェノール化合物であるところにある。即
ち、水の存在する環境下において、使用初期はヒンダー
ドフェノールが酸化防止効果を発揮し、使用中にヒンダ
ードフェニルエステルが水の作用によって変質すると、
新たにヒンダードフェノールが生成し、引き続き酸化劣
化防止能を発揮することができるので、水等の溶媒の存
在する環境下でも長期の酸化劣化防止効果を示すことが
できる。
【0014】(b) 量 比 本発明のポリオレフィン射出成形体における、ポリオレ
フィン樹脂中に配合される一般式〔1〕で表わされるフ
ェノール化合物の量は、ポリプロピレン樹脂100重量
部に対して0.01〜3重量部、好ましくは0.01〜
1重量部、特に好ましくは0.03〜0.7重量部であ
る。このフェノール化合物の配合量が上記範囲未満では
劣化防止効果が不十分となる。一方、上記範囲を超過す
るとブリードや変色の欠点が起こる。
【0015】(c) 付加的成分(任意成分) 本発明のポリオレフィン射出成形体は、上記ポリオレフ
ィン樹脂に前記一般式〔1〕成分を配合したものから本
質的になるものであるが、必要に応じて、本発明の化合
物の効果を著しく損なわない程度に、これら以外の付加
的成分を配合することもできる。この様な付加的成分の
具体例としては、前記一般式〔1〕成分以外の酸化防止
剤、例えば、その他のフェノール系酸化防止剤、燐系酸
化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、
又は、難燃剤、イオン系、非イオン系等の帯電防止剤、
シリコンオイル、アミド等の滑剤、加工助剤、中和剤、
増核剤、可塑剤、無機系及び有機系の顔料、分散剤、タ
ルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤、発泡
剤、過酸化物、蛍光増白剤、及び、前記ポリオレフィン
樹脂以外の樹脂、ゴム等を挙げることができる。上記付
加的成分の中でも、特に、硫黄系酸化防止剤、又は、ヒ
ンダードアミン系安定剤は、本発明の化合物と併用する
ことにより、通常のフェノール系酸化防止剤と併用する
場合と同様に、より一層優れた本発明の効果を発揮する
ことができる。
【0016】硫黄系酸化防止剤 この硫黄系酸化防止剤の例としては、ジラウリチジプロ
ピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミ
リスチルチオジプロピオネート、ジドコシルチオジプロ
ピオナート等のジアルキルチオジプロピオナート類、ジ
ステアリルジスルファイド等のジアルキルジサルファイ
ド類、テトラキス[メチレン(ラウレルチオプロピオネ
ート)]メタン、テトラキス[メチレン(ステアリルチ
オプロピオネート)]メタン等のアルキルチオプロピオ
ン酸と多価アルコールとのエステル等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらは、1種で
も、2種以上でも用いることができる。この硫黄系酸化
防止剤の配合量としては、一般式〔1〕で表わされるフ
ェノール化合物の量の0.1〜10倍、特に1〜7倍量
が好ましい。
【0017】ヒンダードアミン系安定剤 ヒンダードアミン系安定剤としては、例えば、N,N′
−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,
4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−
1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ〔{6−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5
−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレ
ン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ}〕、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロ
キシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン重縮合物、ポリ−{2−N,N′−
ジ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
ヘキサンジアミン−4−(N−モノフォリノ)シムトリ
アジン}等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。これらは、1種でも、2種以上でも用いること
ができる。このヒンダードアミン系安定剤の配合量とし
ては、一般式〔1〕で表わされるフェノール化合物の量
の0.2〜5倍、特に0.3〜4倍が好ましい。
【0018】その他の酸化防止剤 また、前記その他の酸化防止剤としては、2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4′−チオビ
ス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4′−ブチレンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、d,l−α−
トコフェロール等のヒンダードフェノール系化合物、ト
リス(ミックスド−モノ及びジ−ノニルフェニル)フォ
スファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト、テ
トラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4−4′
−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等の芳香族燐系化
合物等を挙げることができる。これらは、1種でも、2
種以上でも用いることができる。上記その他の酸化防止
剤の好適な配合量としては、前記ポリオレフィン樹脂1
00重量部に対して一般に0.01〜3重量部配合され
る。
【0019】充填剤 前記充填剤としては、タルク、マイカ、ガラス繊維等を
挙げることができる。これらは、1種でも、2種以上で
も用いることができる。上記充填剤の好適な配合量とし
ては、前記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して一
般に0.1〜50重量部配合される。
【0020】樹脂・ゴム 前記樹脂やゴムとしては、ポリアミド、ポリエステル、
ポリスチレン、エチレン・プロピレン系共重合体ゴム、
エチレン・ブテン系共重合体ゴム等を挙げることができ
る。これらは、1種でも、2種以上でも用いることがで
きる。上記樹脂やゴムの好適な配合量としては、前記ポ
リオレフィン樹脂100重量部に対して一般に1〜40
重量部配合される。
【0021】(2) 射出成形 上記ポリオレフィン樹脂組成物を射出成形するポリオレ
フィン樹脂の射出成形は、一般に知られているポリオレ
フィン樹脂の射出成形法と同様にして射出成形を行なう
ことができる。上記射出成形法としては、一般的な射出
成形法のほか、サンドイッチ射出成形法、ガスアシスト
射出成形法、射出圧縮成形法、多色射出成形法等を挙げ
ることができる。
【0022】[II] 用 途 上記射出成形によって得られるポリオレフィン射出成形
体の形状は、その用途によってほぼ定まり、各種形状の
ポリオレフィン樹脂の射出成形品を挙げることができ
る。ポリオレフィン樹脂の射出成形品は、本発明の効果
を特に受けることができる、水、界面活性剤水溶液、酸
性水溶液、アルカリ水溶液、海水、生活排水、エチレン
グリコール、プロピレングリコール等の溶媒に接触する
製品、特に水の接触する用途、更には、高い温度の水の
接触する成形品が好ましい。その様な好適な製品の具体
例としては、洗濯機の外槽、タンク、脱水槽、回転翼、
食器洗い機、ヒーター式加湿機、温給排水設備部品、暖
房設備備品、ジャー、ポット類、炊飯器部材、貯水槽、
フロ桶等の浴槽部品、下水等の排水槽、水洗トイレタン
ク、配管部品、食品容器、食器、自動車のリザーブタン
ク、ブレーキオイルタンク、ウオッシャータンク、バッ
テリーケース等を挙げることができる。これらの射出成
形品においては、本発明の効果である溶媒中での耐久
性、耐ブリード性の効果を有効に発揮することができる
ので、商品価値を高めることができる。
【0023】
【実施例】本発明を更に詳細に説明するため、以下に、
本発明の実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。 実施例1 MFR30g/10分(JISK6758、230
℃)、エチレン含量3重量%のプロピレン・エチレンの
ブロックコポリマー100重量部に、表1に記載量の化
合物を配合し、ミキサーにて十分混合させた後、シリン
ダー温度230℃、シリンダー直径30mmの押出機に
よって溶融混練して造粒した。得られたペレットを24
0℃の温度で射出成形し、厚み2mmtの射出成形試験
片を作成した。なお、射出成形時に、0.2重量%のカ
ーボンブラック顔料をドライブレンドして着色し、成形
に供した。得られた射出成形試験片について、耐久性及
びブリード試験を行った。すなわち、上記射出成形試験
片より、20×60×2mmtの試料を切り出し、上水
を10cc入れた内径27mm、高さ110mmのステ
ンレス製耐圧チューブに試料を入れ、150℃のギャー
・オーブン中で加温し、24時間毎に解放して、射出成
形試験片が脆化するまでの時間の測定にて耐久性の判定
を行ない、又、96時間の時点で表面の艶の状態を下記
の基準で判定して、ブリードの程度の尺度とした。 表面の艶の判定は、○ :ほとんどブリード無し ○:わずかにある程度 △ :ある程度有り × :明確にブリード有り 得られた結果を表1に示す。
【0024】なお、表中の略号の化合物の詳細は、以下
に示す。式〔1〕の化合物 A1:1,1,3−トリス〔2−メチル−4−(3,
5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピ
オニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル〕ブタン A2 1,1,3−トリス〔3−メチル−4−(3,
5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピ
オニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル〕ブタンフェノール系酸化防止剤 B1:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン (チバ・ガイギー社製商品名「IRGANOX 133
0」) B2:テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロピオナート〕メ
タン (チバ・ガイギー社製商品名「IRGANOX 101
0」) B3:3,9−〔2−{3−(3−t−ブチル4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−
1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ〔5・5〕ウンデカン (旭電化社「アデカスタブAO80」)
【0025】硫黄系酸化防止剤 C1:テトラキス〔メチレン(ラウリルチオプロピオナ
ート)〕メタン (シプロ化成社「シーノックス412S」) C2:ジステアリルチオジプロピオナート (吉富製薬「DSTPヨシトミ」)ヒンダードアミン系安定剤 D1:N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレン
ジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6
−クロロ−1,3,5−トリアジン化合物 (チバガイギー社「キマソーブ119FL」)
【0026】燐系酸化防止剤 E1:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォ
スファイト (チバガイギー社「イルガフォス168」)中和剤 F1:ステアリン酸カルシウム (耕正「Ca−st」)
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】このような本発明のポリオレフィン射出
成形体は、原材料となるポリオレフィン樹脂中に配合さ
れている特定な構造のフェノール化合物が、ヒンダード
フェニルエステル構造を有するヒンダードフェノール化
合物であることから、水の存在する環境下においては、
使用初期にヒンダードフェノールが酸化防止効果を発揮
し、使用中にヒンダードフェニルエステルが水の作用に
よって変質すると、新たにヒンダードフェノールが生成
して、引き続き酸化劣化防止能を発揮することができる
ので、水の存在する環境下において使用した場合でも、
ポリオレフィン樹脂の長期の酸化劣化防止効果を示すこ
とができ、耐久性、耐ブリード性に優れているポリオレ
フィン射出成形体とすることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (ここでR、Rは同一又は異なっていても良く、そ
れぞれ炭素数1〜8のアルキル基を表し、R、R
、Rは同一又は異なっていても良く、それぞれ水
素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)]
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【化2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】(ここでR、Rは同一又は異なってい
ても良く、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基を表し、
、R、R、Rは同一又は異なっていても良
く、それぞれ水素原子炭素数1〜8のアルキル基を表
す。)
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【化3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/00 LBZ C08L 23/00 LBZ C09K 15/08 C09K 15/08 // B29K 23:00 (72)発明者 小瀬垣 公 穂 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 河 合 重 信 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 小 林 辰 男 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂の射出成形体からな
    り、該ポリオレフィン樹脂が、ポリオレフィン100重
    量部に対して、下記一般式〔1〕にて表わされるフェノ
    ール化合物成分を0.01〜3重量部配合してなるもの
    であることを特徴とするポリオレフィン射出成形体。 一般式〔1〕 [式中、Xは、それぞれ下記一般式〔2〕により表され
    る基を示す。 一般式〔2〕 【化1】 (ここでR、Rは同一又は異なっていても良く、そ
    れぞれ炭素数4〜8のアルキル基を表し、R、R
    、Rは同一又は異なっていても良く、それぞれ水
    素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)]
  2. 【請求項2】一般式〔1〕にて表されるフェノール化合
    物と他の酸化防止剤とを併用する、請求項1に記載の鋼
    管被覆用ポリプロピレン組成物。
  3. 【請求項3】他の酸化防止剤が硫黄系酸化防止剤であ
    る、請求項2に記載の鋼管被覆用ポリプロピレン組成
    物。
  4. 【請求項4】他の酸化防止剤がヒンダードアミン系安定
    剤である、請求項2に記載の鋼管被覆用ポリプロピレン
    組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003137244A (ja) * 2001-10-30 2003-05-14 Japan Polychem Corp 医療用ブロー容器

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